新たな冒険の幕開けは。 旅立ちと共に。 −− タイトルデモ〜ホウエン地方の旅立ち〜 −− まあそれは幸福なのか聞きたい気分だ。 自由気ままに過ごそうと思ってた。 ポケモンと遊ぶ。 例えば水遊び。 泥かけ。 砂山つくって。 木登りして。 空飛んで。 追いかけっこして。 笑いあって。 助け合って。 そして、幸せを感じようと思ってた。 この新たなる地方、ホウエン地方で。 前はジョウト地方に住んでいた。 人々の活気溢れるその魅力から逃れた自分。 一緒に居ようと分かっていた。 ――突き抜けた。何かが。 水が水面に滴り落ちた時、何かが飛び去った。 緑の丘をくぐり抜け、どこかへと消えてった。 澄み渡った青空がある。 そこへと、飛び立ったんだ。 自転車をこげば、どこに着くのだろう。 見ず知らずの子供が来たら、大人はどう思うのか。 そんなことはどうでもいい。 突き抜けた影は、すぐそこにいる。 見えないチカラ。 感じていこう。 分かりすぎた日々と。 知らなすぎた日々が。 答案用紙のように。 一つの難問に見えた。 ――旅立つ。 今日こそ。 目標だってある。 夢だってある。 憧れだってある。 のんきに過ごしていたあの日々が。 まるで嘘のように。 走馬灯のように。 よみがえってくるのがわかる。 …なんて貧弱な自分。 一緒に強くなりたいんだろ? だったら前に進まなきゃ。 何度も後ろを振り返ってはいけないのだと。 思い知らされたあの旅の途中。 ためらいが、失敗に繋がるんだって。 教えてくれたあの過酷な道。 ――前は、憎かったのかな。 こんな生活が。日々が。日常が。 でも。真っ直ぐ歩いたから。 だからこそ…今の自分があるんだって。 思い知らすことが出来れば。 単純だし、簡単なのに。 「いってきまーすっ!」 -------------------------------------------------------------------------------- このホウエン地方には。 シングルバトルともう一つ、ダブルバトルというものがある。 −− タイトルデモ2〜ダブルバトル〜 −− かけ声と共に、モンスターボールからポケモンが繰り出された。 いや、モンスターボールだけじゃない。 スーパーボール、ハイパーボール、ダイブボール、ゴージャスボール…様々な種類のものが。 ホウエン地方だけの特権。 シングルバトルとはまた違った、ダブルバトル。 それぞれのトレーナーのポケモン2体ずつで行われる戦いだ。 このバトルの場合、スピードなどを言っている場合ではない。 パワーはともかく、チームプレイなども重視される。 それは普通のこと。 ごく普通の、ありえること。 ……。 笑い合ったこと。 助け合ったこと。 「またあるさ」って、励ましてくれたあの日。 全て。 全てが。 プラスに繋がるんだよ。 わかってるのかと聞かれれば。 とてつもなく、否定してしまう時がある。 わからない。 連携プレー。 交互に行う珍プレー、好プレー。 マイナスに繋がるということは。 全てに繋がらないということ。 ダブルバトルの基本。 タイプ相性を補える、そんな簡単なもの。 例えば、炎タイプと水タイプ。 炎タイプが苦手なのは、岩、地面。 反面それに強いのは、水タイプ。 そんな風に。 助け合っていくのが基本。 当たり前のこと。 当然のこと。 わかっていたこと。 大事にしていくべきということ。 ……。 傍らの暖かみ。 心強さの溢れること。 ダブルバトル。 もう基本中の基本。 シングルバトルも駄目じゃない。 むしろいい。 攻略しやすい。 ――でも。 笑い合える仲間。 「これぐらい平気だよ」って。 声かけてあげたくなるほどの、心配性な友達を。 心強い。 支えを。 「いっけえぇっ!!」 -------------------------------------------------------------------------------- さあ。 旅立とう。 −− タイトル〜メインテーマ〜 −− 伝説のポケモンの神話。 語り続ける偽りの伝説。 思いある心のやどりぎ。 見つけることが出来れば。 きっと違ったんだろうと。 今更になって、思ってる。 バカみたいだ。 答えなんてさ。 ずっと前から。 あったのに…。 答えようとすれば。 そうするほどにね。 親が恋しくなる…。 わかりきってた。 だから、連絡で。 話してたんだよ。 ずっとずっと…。 「…忘れ物ないわね?大丈夫?」 「大丈夫大丈夫!」 本当は。 全然。 大丈夫じゃない。 心の奥底では。 冒険を拒んでた。 恐ろしくはないけど。 別れは辛いと。 思ってた。 今となれば。 どうしようも。 ないけれど。 途切れ途切れの。 言葉の中に。 秘めた心。 明かしてて。 暖かさに。 身を包まれた時には。 涙が溢れてた。 「…もう平気だよ。じゃ…」 「そう。頑張ってね」 「…うん」 全部嘘だ。 分かってる。 当然のこと。 でも。 でも。 受け止めてる。 どこかが。 自分の心の。 やどりぎを。 増えていく。 不安を。 打ち消してる。 …はず。 きっと。 ポケモンを連れて。 新たな挑戦へ。 メインの地へ。 さあ――向かおう。 その歩みは。 きっと。 奇跡に繋がる。 -------------------------------------------------------------------------------- 陽が昇れば。 出発の合図。 −− オープニングセレクト −− 今更…のような気もするけど。 戸惑いの半分、喜びもあった。 なんたって、父親とも戦えるし。 たくさんの出会いもあるし。 わかりきったことだけど。 いろんな面で、成長がある。 悲しみは…もう充分晴らした。 母親のぬくもりや、故郷との別れ。 もともと感じた事のある感情。 慣れてるけど、妙な孤独感に襲われる。 大地は。 踏みしめるためにある。 そうやって。 教えられたから。 父親から譲り受けた。 負けん気。 優しさ。 ライバルへの闘争心。 全てを受け止める、強い心。 あの時、あの人と出会ってから。 全てが変わった。 人生が狂った。 歯車が回った。 素晴らしき、始めの一歩は。 陽が沈み、昇った。 あの瞬間から。 その時から。 ――踏みしめた。 「気をつけるのよ」 「また、いつかさ…勝負しようね!」 「次に会ったら、勝負してやろうか?」 「君はこの冒険にふさわしい…」 ――励ましと。 喜びと。 嬉しさと。 愛しさと。 恋しさと。 悲しみと。 切なさと。 独りと。 ふたり。 そうしている、この時間が。 感じさせてくれる、一歩一歩の道。 歩んでいくうちに。 目にも見えない世界が。 夢にも見なかった世界が。 ――動き出す。 ミシロタウンから出れば。 そこは、新しき世界。 −− ポケットモンスター…通称ポケモン。    この世界に存在する、人間と共に暮らすパートナーだ。    そして今…新たなトレーナーの歴史が始まる! −− 期待なんて。 滅相もないけど。 別に。 構わないや。 刹那。 風を感じたけど。 −− 訪れた、新しい故郷へ→ −−