ゲンガーは考えていた。今日見た夢のことを。真っ暗な空間で自分の体の中から聞こえたような 神様 と名乗った奴の言葉を。    私は・・・そうだなこの世界を作った 神様 とでもいっておこうか。 そして奴は自分にこう言った。それはカイがもうすぐ死ぬかもしれないと。       彼はもうすぐ死に直面する そしてなぜカイが死ぬようなことになるのか聞くと奴は ゲンガーがカイの前に現れたから といった。     でもその人生にちょっと問題・・いやイレギュラーが起きてね。 カイの人生に、運命に現れたゲンガーという名のイレギュラーのせいでカイの人生は幸せを知ってしまったと言った。      目が見えない不幸以上の不幸といったら 死 しかない 目が見えないという不幸の中に入ってきたゲンガーという幸せ。しかしその幸せがカイを死なせるという。絶望に沈んだとき奴はいった。      彼の不幸を全て移せばいい カイの人生の不幸全てをゲンガーに移せばカイは助かるといった。しかし不幸を移す方法を聞く前に奴は目の前から消えゲンガーは夢から覚めた。  彼を助けられるのは君しかいない   「・・・ゲンガー?大丈夫?」 「え?あ!ああなんでもナイ」 朝、二人には広すぎる食堂でカイとゲンガーは朝食をとっていた。二つに切ったフランスパンとスクランブルエッグ、 きゅうりとキャベツ、それと赤いトマトを切って盛り合わせたサラダ。そしてカイの好きなリンゴ。ゲンガーはカイの食べた量の半分も食べていない。 というかフランスパンをひとかじりしただけだった。 その様子を心配したカイは我慢できずに声をかけたのだ。 「体の調子でもわるいの?さっきから全然食べてないけど・・・」 「あ〜〜いや全然平気ダゼ?!夜中にパン食ったからちょっと腹が減ってないだけだ!」 わざと明るくした。カイに心配はさせたくないから。カイはまだ心配そうにしているが自分の使った食器をかたずけにいってしまった。 「?痛っ!」 不意にカイが頭を抑えた。もっていた皿が地面に落ちてガシャンという音と共に割れる。それを心配してゲンガーがカイに近ずく。 「カイ?!大丈夫か?どうシタ?」 「ううん。なんでもないよ。ちょっと立ちくらみがしただけ。ごめんね箒とって来るね」 そういってカイは飛び散った破片をかたずけるため壁伝いに箒をとりにった。 「・・・・・・・」 (カイが死ぬなんてないよな・・・。だって今だってあんなに元気じゃないか・・・。オレは心配しすぎダナ・・・たかが夢じゃないカ・・・)     彼を助けられるのは君しかいない   「・・・・・カイ・・・・・」 外には真っ白な雪が降り積もり、町では子供たちが楽しそうに雪合戦や雪だるまを作っている。そんな暖かい空気の中にゲンガーは歩いていた。