ボクのポケモン日記  〜トゲチック編〜 「はぁ、・・・はぁ、・・・ やっと逃げられた・・あのラクライのしつこさにはまいったね」 「チェキチェキ」 ボクの言葉にボクのポケモン・トゲチックは『コクコク』とうなずく。 ボクの名前は『ハク』。11歳。持っているポケモンはとなりにいるトゲチックだけ。 今日町の(三流)博士からとなりの町の知り合いから研究に必要な道具を取りにいってくれってたのまれたんだケド・・・。 その帰り道で野生のラクライと遭遇しちゃって、トゲチックじゃ勝ち目ないから逃げ出して現在にいたる。 「とりあえず、つかれたから休もうか。ポケモンパンもあるし」 「チェキ!」 トゲチックは『ポケモンパン』という単語に反応し、喜びの声をあげる。 ・・・単純だなあ、ボクのトゲチック。 ボクは木の根元に腰を下ろし、リュックから『ゼニガメのメロンパン』を取り出し、袋をあけ、半分をトゲチックにわたした。 食べ初めて数分後、ボクのメロンパンが半分ぐらいになったころ、一匹のポケモンがボクの近くに寄ってきた。 いろんなものに興味を示し、いつもジグザグに走ってる。まめだぬきポケモン・ジグザグマだ。 このジグザグマはまるで戦闘意欲がない感じで近づいてきて、『クンクン』とパンのにおいをかぐ。 ちなみにトゲチックは、食い意地が張っているため『ボクのパンを食われてたまるか』とばかりに空へ飛んだ。 しあわせポケモンの名が泣くな、トゲチック。 ボクはパンを小さくちぎり、ジグザグマにさしだし、 「食べる?」 と聞いた。ジグザグマはまたにおいをかぎ、食べ始める。 ボクが一口食べると、気に入ったのか、またジグザグマがポケモンパンを要求する。 しかたなく、ボクがまた小さくしたのをあげると、またすぐにもっとほしいと要求する。 (しかたないな・・・もう少しあげよう) そう思ったとたん、とられた。・・・全部。 ジグザグマはすぐにその場で食べ始めた。ま、いっか。 ボクはトゲチックが食べ終わっているのを確認し、『よっこいしょ』と立ち上がる。 「ねぇ、新しい友達ほしい?」 「チェキ!」 ボクが食べ終わって降りてきたトゲチックに問い掛けると『YES』と答えが返ってきた。 「う〜ん・・でもなあ・・・今モンスターボール持ってないし、食費いくらかかるかわからないもんなぁ・・・・ 悪いケドまた今度ね」 ボクはそうトゲチックに言い聞かせ、町にかえろうとすると、 「ググゥ」 ジグザグマが一声鳴いて、どこから取り出したのか、いろんな物を『ドサドサ』と置いた。 「くれるの?」 「ググ!」 どうやらポケモンパンのお礼にくれるらしい。 ジグザグマがくれた物はほとんどがカラクタだったケド。中には『すごいキズ薬』や『元気のカケラ』といった、ショップで買うと中々高い値段の物もあった。 ボクは自分にとって必要な物だけをポケットに入れ、 「ありがとね、縁があったらまたね」 そうジグザグマに言いボクは町にもどった。 「ブースター!火炎放射!」 「かわせ!サンダース!」 翌日、ボクは最近、割とよくやっている光景を見ていた。 ボクのおさななじみで、この町でトップクラスのバトルの腕前を持つ、金髪の少女・アカリと最近引っ越してきたバトルのうでが立つ銀髪の少年・ライガのポケモンバトルだ。 「とっしん!」 「十万ボルト!」 バリバリバリ! ライガのサンダースの十万ボルトがアカリのブースターに炸裂した! しかし、ブースターはひるまず、十万ボルト受けてもかまわずにサンダースにとっしんした! サンダースはおどろき、さける間もなくとっしんを受けた。 ドカァ!! 攻撃力のあるブースターのとっしんを受け、サンダースは大きくふっとばされ、ブースターも十万ボルトのダメージが大きかったらしく、サンダースと同時に倒れた。 「ぶ、ブースター!?もどって!」 「もどれ、サンダース」 アカリはブースターの無理のある行動におどろきながら、ライガはいつもの調子でそれぞれポケモンをボールにもどした。 「これで、アカリが六勝、ライガも六勝で二引き分け・・か」 ボクは二人のバトルの結果をメモしながら、思った。 ・・・アカリのブースター、最近ライガのサンダースとよくバトルしてる。 ライガと出会う前は相手に圧勝した後よくボクのトゲチックと遊んでたケド最近は勝つか負けるかわからないし、圧勝なんてまずないのでトゲチックとあまり遊ばない。 やっぱり、新しいポケモンゲットするべきかな。 「ハクー!ポケセン行かないのー?」 そんなことを考えていると少し離れたところでアカリが大声でボクを呼んだ。 ・・ちなみにライガは一人でスタスタと歩いて行ってる。 「うん!ちょっと南の森に行ってくる!」 ボクはアカリにそう大声で答え南の森へ向かった。 ・・しかし、森についてから気づくことになった。モンスターボールを持ってないことに。 「え〜っと、このあたりにいるのは、飛行タイプはオニスズメとポッポ、虫はキャタピー、ノーマルはジグザグマ・・・・」 ボクは森の中で、どんなポケモンがいるのかを思い出していた。 「う〜ん、飛行はトゲチックがいるから、ノーマルタイプかな?」 どんなポケモンに狙いを定めるか決めながらモンスターボールの準備をしようとポケットをあさる。 出てきたのは『すごいキズ薬』と『元気のカケラ』。 ・・・前にジグザグマからもらったヤツだ。 って、ああ!モンスターボール忘れた! しまったなぁ、町のもどってまたココに来ると、もう夕方になっちゃうからなぁ。 だれか他のポケモンゲットしに来てる人に恵んでもらうかなあ・・。 あ、トゲチックがあきれてる。 とりあえず、他に捕獲しにきた人がいる事を信じて、ボクは森の道を外れ、ポケモンを探した。 「オニスズメ、乱れづきだ!」 ガツガツガツガツ! 数分後、ボクは野生のポケモンと戦っている少年を見つけた。 いや、戦っているというよりも、イジメてると行った方が正しい光景だった。 少年が使っているのはオニスズメ。野生のはジグザグマだった。 ジグザグマは昨日ボクがポケモンパンをあげたヤツかどうかはわからない。 「ちょっと、何してるの!」 見るに見かねて、ボクは少年に話し掛けた。少年と言っても、同級生で顔見知りなんだケドね。 ちなみに、出来れば会いたくない人物だ。 「ああ?ハクか、オレは今ムシャクシャしてるんだ。話し掛けるな!」 「ムシャクシャしてるのと、ジグザグマいたぶるのは別でしょ!」 ボクは、あまり関わりたくないが、勇気を出して、もっと話し掛ける。 「黙れ!それともお前が相手になるか?『最弱のハク』さんよぉ」 ムカ! 彼は言ってはいけない事を言った。ある程度予想できたケド。 たしかにボクはポケモンバトルで町でトップクラスに弱い。 だが、それは、トゲチックが争いごとを好まない性格であり、ボク自身、バトルの才能はないと思っている。 そのためボクたちはほとんどバトルしないし、たまにしても、9割方負ける。あ、最近一回勝ったよ。 「だいたい、お前は前から気に入らなかったんだ! てめえ自身は弱いクセに、いっつもアカリとあのライガのクソヤロウといっしょにいやがって!」 ムカムカ! また言ってはならない事を言った。 ボクがライガやアカリといっしょにいるのは、なりゆきで友達になったのであって、損得勘定でなったワケじゃない。 大体、あの二人といて損したほうが多分多い。 ブースターから破壊光線くらうは、サンダースに追っかけまわされるはで。 「お前一人じゃ、なに一つ出来ないクセによ!」 ブチッ! ついにキレた。ボクはアカリやライガより頭イイんだぞ!(←負け惜しみ) 「いい加減にしろ!お前はいちいち負けるたびに人やポケモンに八つ当たりするから強くなれないんだよ!!」 ボクは怒りに任せて、本音を口にする。 「んだと!?『最弱のハク』にいわれる筋合いはない!」 「ボクはバトルしないから弱い。キミは負けを人やポケモンのせいにするから弱い!」 「てめえ!言わせておけば!!オニスズメェ!ドリルクチバシ!」 さっきまでジグザグマをいたぶってたオニスズメが体を回転させながら敵につっこむ『ドリルクチバシ』をトゲチックに放つ。 ボクはトゲチックを突き飛ばし、ドリルクチバシから守った。 そしてボクはトゲチックの目を見て戦う意思があるかを確認する。 トゲチックもボクの目を強く見ている。どうやら戦う気があるようだ。 まぁ、あそこまでポケモンいたぶっているヤツに背を向ける気はないだろう。 ・・・これはボクの最弱たるゆえんだな、トゲチックにその気がないと戦えない。 「やってやる!トゲチック、天使のキッス!」 「上昇してかわせ!」 トゲチックが投げキッスをして敵を舞い上がらせ、混乱させる技・天使のキッスを放つが、オニスズメは空高く飛びあがり、トゲチックを無視した。 「急降下!翼で打て!」 「あまえる!」 オニスズメが急降下し、翼で打つ攻撃に対して、トゲチックはかわいいしぐさで相手の戦意を失わせる技・あまえるをうつ。 バシィ! オニスズメのあまえるによって弱められた翼で打つが当たったが、トゲチックはたいしたダメージはないようだ。 「乱れづき!」 しかし、その後すぐに、密着した状態で乱れづきを放ってきたので、あまえるも天使のキッスもできず、乱れづきを受けた。 しかし、前にうけたあまえるが影響されたのか、トゲチックはまだ戦える。 トゲチックは乱れづきを受けた後、間合いをとる。 「フン!しあわせポケモン・トゲチックか。 他の飛行タイプとは違い、鋭いクチバシも素早く移動するための強力な翼もない!オレのオニスズメには勝ち目ねぇんだよ!」 「なければないなりの戦い方があるんだ!トゲチック、指を振る!」 「っち!ドリルクチバシィ!!」 ボクのトゲチック最大の攻撃技を指示した。っというか、これしか攻撃技がない。 指を振る・・・何千何百とあるポケモンの技の中から一つ、ランダムで引き起こす神秘の技。 そして、バクチ技とも言う。 トゲチックはゆっくりと指を振り、オニスズメのドリルクチバシが当たる直前、それは起こった。 ボボゥ!! トゲチックの指先からいくつもの火の粉が飛び出した ドリルクチバシで一直線に突っ込んで来たオニスズメは全ての火の粉をあびて、大きなダメージを受け、怯んでしまう。 「もう一度、指を振る!」 今度の指を振るは誰にも邪魔されずに出来る。ただ、心配なのは攻撃技がでるかどうかだけど。 ドシュゥ! 発動したのは水鉄砲。トゲチックの指先から、いきよいよく水が飛び出し、オニスズメに直撃し、墜落した。 オニスズメは攻撃能力は高いが防御面は弱い。 「っち、使えんヤツめ、もどれ!」 「ボクの勝ちだ」 運がよかっただけだケドね。 ボクがそう言うと彼は二体目のポケモンを出そうと、モンスターボールをかまえる。 「ちょ、二体目!?」 ボクトゲチックしか持ってないんだけど。 「いつオレが一対一のポケモンバトルだと言った!?行け!」 彼がモンスターボールを投げる。たしか彼が持っていたのは悪タイプのポチエナだったハズだ。 しかし、ボクの記憶は正しかったケド、モンスターボールから飛び出したのはポチエナではなかった。 ポチエナの進化系、グラエナ! 体も大きくたくましくなり、威圧感たっぷりなそれはボールから出ると、トゲチックに大きな唸り声をあげた。 トゲチックはその唸り声におびえ、すくみあげってしまった。 「かみつけ!」 グラエナは跳躍し、空に浮かんでるトゲチックに対し、大きな口を開けた。 ガブゥ! グラエナはトゲチックの右腕にかみつき、トゲチックを地面に引きずり込む。 トゲチックはグラエナの口を離そうとあがいているが、かみつきポケモンと呼ばれているグラエナの口は全然離れない。その間にもトゲチックは痛そうな表情している。 「トゲチック、落ち着いて、そいつにあまえる!」 ボクはグラエナのかみつくをあまえることでやめさせるよう指示したが、一向に離れる様子がない。 右手が使えないため指を振るもできない。 「ムダだ!悪タイプの攻撃に、あまえるはきかない!」 「な!」 トゲチックのあまえるがきかない事を教えられ、ボクは驚きの声をあげた。 「遠吠え!そして、体当たり!」 口にくらえてたトゲチックを投げ飛ばし、グラエナは遠吠えをあげ、気合をたかめる。 トゲチックは『ズザザ』と地面をすべる。 そしてグラエナはトゲチックに向かって、強力な体当たりを放つ。 トゲチックは吹っ飛び、地面に叩きつけられ、戦闘不能に、 「ふん!所詮この程度か」 トゲチックを倒した事で、相手は得意げになり、罵声をあげる。 「まだだ!」 ボクは大声をあげる。 「まだボクたちは負けてない!ボクには『元気のカケラ』がある!」 そう言い、ボクはトゲチックにかけより、元気のカケラをつかう。 「試合中にんなもんつかうな!」 敵のブーイングもおかまいなしにボクはトゲチックに話し掛ける。 「まだやる?たたかえる?」 「チェキ!」 トゲチックはまだやる気あるようだ。 あそこまで、力を見せ付けられたにもかかわらず・・だ。 「よし!行け!」 ボクは再び、戦闘に参加させた。 ・・・しかし、この戦いはボクたちのほうが不利である。 元気のカケラ・・・戦闘不能になったポケモンを戦闘に再びでれるほどの体力を一瞬で回復させるアイテムだが、回復するのは50%程度。 つまり、トゲチックは残りの体力が50%しかないが、敵のグラエナはまだノーダメージで体力満タンのハズだ。 「体当たりだ!」 しかしそんな事もお構いなしに相手は体当たりをしてくる。 「上昇してかわして!天使のキッス!」 トゲチックは体当たりを空に逃げ、かわした後、振り返ったグラエナに天使のキッスを放つ。 ナイスタイミングで、トゲチックが天使のキッスを撃ち、グラエナは興奮し、暴れまわる。 「上空に避難!指を振る!」 ボクは暴れまわるグラエナのとばっちりを避けるために上空に避難するよう指示した後、指を振らせた。 すると、指から、光が上へ真っ直ぐ伸び、空は雲ひとつない晴天となった。 技『日本晴れ』だ。しかし、ここは森の中、たいした意味はない。 そしてその間、グラエナは頭を木に叩きつけたりとした行動をしていた。 その後何回か指を振るをしたが、この状況ではほとんど意味のない技ばかり発動した。 すでに混乱してるのに『超音波』とか、とどかないのに『火炎放射』とか。 一方グラエナも、混乱していて、自分自身を攻撃していた。 (指を振るは神秘の技・・・。ただ指を振ってるだけに見えるケド、使える回数はかぎられている。) ボクのトゲチックの指を振るを発動させる回数は、連続で十回が限度だったハズ。 「(残り一回・・それで勝負が決まる!)トゲチック!指を振る!」 ボクが指示をし、トゲチックがゆっくりと指を振り始めると、グラエナの混乱が解けたのか、迎え撃つ体制にはいっている。 トゲチックの指が小さく光ったと思うと、いきなりすてみタックル! 「迎え撃て、かみつく!」 グラエナは大きく口を開けて、トゲチックを迎え撃とうとするが、トゲチックはお構いなしに(というか、指を振るの効果で、体が勝手に動く)すてみタックルで突っ込む。 グラエナはかみつくのタイミングが合わず、すてみタックルをまともに受け、倒れた。 「っち、もどれ!」 今度こそボクの勝ちだ!相手はもうポケモンはいないハズだ。元気のカケラとか使われたら、イヤだけど。 「ボクの勝ちだ!『最弱』と『お前一人じゃ何もできない』を改めてもらうよ!」 「ふん!指を振るでマグレ勝ちじゃないか!!」 ムカムカムカムカムカムカ!!!!ムッカーーー!!! ・・・ボクの最弱たるゆえん《その二》、勝ってもマグレ勝ちだと言われる。 トゲチックだって、真剣に戦ってるんだよ!指を振るだってフザけてるワケじゃないんだよ! それなのに・・・・。 ボクはトゲチックのトレーナーとして、これほど悔しかった事はなかった。 ヤツは『ニヤリ』と口をゆがめてから、町の方へと戻っていった。 「ち、ちっくしょー!」 「チェキ!」 ボクが悔しさを声に出すと、トゲチックのドアップが目に入った。 そうだ、勝ったのはボクとトゲチック。誰が何と言おうとそれは変わらない。 大体、指を振るを十回やって攻撃が三回しかできなかったのに、マグレ勝ちなんて言われる筋合いはない。 ちなみに、後で聞いた話だが、あいつはこの森を抜けるとき、野生のラクライの群に遭遇し、ポケモンが戦えないため、黒コゲになって帰ってきたらしい。 これを聞いた時は思わず、中指を突き立てちゃったよ。ボク 「チェキチェキ!」 トゲチックはキズついて動けないジグザグマを指差した。 ジグザグマは動けないながらもこっちを見ている。 そう言えば、元はと言えばあいつがジグザグマをイジめてたのが原因だった。 ボクはポケットからすごいキズ薬を取り出す、 (元々、ジグザグマからもらったものだから、ジグザグマに使っちゃうか) そう思い、すごいキズ薬をジグザグマにつかった。 そして、ボクは近くの木の根元に『どっこいしょ』と腰を下ろし、トゲチックにおいでおいでをする。 こっちに来たトゲチックに、ジグザグマに十分つかったケドまだ少し残っていたすごいキズ薬を、すてみタックルでダメージを受けた場所に使う。 「ふー、久しぶりのバトルで疲れたね。休もうか?」 「チェキ!」 少し休めば、ジグザグマも薬を使ったから、すぐ良くなるだろう。 ボクはいつもどうり、トゲチックを頭の上にのせ、ゲームボーイアドバンスを取り出す。 ポケモンサファイアで、バトルタワーに挑戦していると、突然画面が暗くなった。 ボクが顔を上げると、そこにはキズのいえないジグザグマがいた。 そしてその口にはモンスターボール。 「くれるの?」 ジグザグマの口からモンスターボールを受け取る。すると、ジグザグマはあぐらをかいていたボクの足の上で丸くなった。 「ひょっとして、ゲットしてほしいの?」 ボクがそう言うとジグザグマは「ググゥ!」と鳴いた。 ボクはジグザグマに軽くモンスターボールを投げた。かるく、落とす程度に。 すると、ボールの中であがく様子もなく、すんなりはいった。 「よろしくね、ジグザグマ」 ボクはボールを持ち上げ、言った。 「あーー!こんな所にいた!」 突然、町の方角から声が聞こえた。その声の主はアカリだった。 「まったく、なんで私がこんな遅い時間にアンタを探しに森にはいんなきゃいけないワケ?家の人が心配してたよ。 ホラ、ダッシュで帰るよ。ブースター、ちんたら走ってるようだったら燃やしてもかまわないからね」 その後ボクとトゲチックは疲れてるのに、ブースターに追っかけまわされながら、電光石火な速度で町に戻った。 ボクが最弱と呼ばれるゆえん《その三》、いつもアカリとブースターに振り回されているボクを見れば誰だってそう思うに違いない。 END 〜あとがき〜 『バトル日記』のハク編、書き終わりました。 いつもはちゃっかりしてるハクですが、今回は全然ちゃっかりしてませんね。 今回はハクとトゲチックの関係を書いてみたのですがどうでしょう。