みんなできもだめしッ☆ 「ふにゃぁ・・・にゃ〜んでニャーが1人で魚捕りにいかなくちゃにゃらにゃいのニャ・・・」 魚捕獲用の網を引きずりながら、1人(1匹?)川を求めて森を歩くニャースが呟いた。 そう、夕飯時の7時56分39秒。(こまかいな) ムサシに念を押されて、この役目を申し入れられたのだ。 ぐぎゅるる〜〜〜・・・ お昼、1個のカップラーメンをムサシ達と奪い合いして、麺2,3本しか仕入れる事の出来なかったこの胃。 ・・ましてや、スープ1滴も飲めなかったコジロウよりはマシだが、凄まじい腹の減り様は相変わらず連日続く。 ニャースはそこで、もう一度溜息をついた。 ・・そんな時だった。 ニャース「・・ふにゃ?」       ☆ カスミ「・・はっ。肝だめしなんて子供騙しな遊び、     あたしには向かないけど仕方ないから付き合ったげてもいーわよっ!」 小バカにしたような笑いを浮かべながら、カスミがそう言った。 サトシ「・・と言いつつ、体震えてんぞ。」 カスミ「狽゙むむむ武者震いよッ!!!」 慌てて震えを隠すように両手で自分の体を抱き締める。 そう、ちょうど同じ森の中、PM7:57分12秒。 夏の蒸し暑〜いこの熱帯夜。 ちょっとでも涼まろうと、サトシが「肝だめしをしよう!」とかなんとかイキナリ叫び出したのだ。 確かに、蒸し暑過ぎる空気。 ちょうどそんな暑さにイライラしていたタケシも、快くそれに賛成した。 ・・で、カスミの反応は上記の通り。 ・・・まぁとにかく肝だめしでもして、遊ぼうという事だ。 タケシ「しかし、3人だけで肝だめしってのは、なんだかちょっとつまらんな。」 サトシ「おー、確かに。」 そのタケシの発言とサトシの相槌に、カスミに希望の光が差した。 ・・が、「じゃっ、じゃあやめよっ!そのほーがいーわっ!」と訴えるカスミの発言は、次の人物の登場によって軽く無視られてしまった。 ガサッ!!! 「なら僕も入―れ―て――♪」 サトシ:カスミ:タケシ「狽、にょおっ!!?」 突然、茂みからガサッと現るバンダナ少年。 マサラタウンのオーキド研究所に入るはずの、お気楽天然スケッチバンダナ少年。 タケシ「ケケケケッケッケケッケケケッ、ケンジ!!!?     一体どっから!!!?(滝汗)」 ケンジ「こまかい事は気にしないで♪」 サトシ:カスミ(気になるわ!!!!!) 相変わらずマイペースに答えるケンジの登場に驚く中、更に驚くべき出来事が。 「フフフ。  ならば俺も参加させてもらおう。」 背後にスッと現れた人物に、一同はハッと振り返る。 サトシ「シゲル!!」 そう、相変わらずクールにキザに適度な嫌味笑を浮かべるシゲルがそこに居た。 そして、イキナリ登場しといてその適度な嫌味っぷりを大放出させるシゲル君。 シゲル「はっはんvサァ〜トシ君?     君には昔、痛〜い肝だめしの思い出がある事をお忘れかい?」 意地悪〜な笑みを浮かべるシゲルの言葉に、サトシは狽、っ!と体をびくつかせる。 シゲル「5歳の時だったかなぁ、町内の肝だめし大会で。     オバケにビビって泣いて走って逃げて滑って転んで泥だらけになったのv」 サトシ「ゆーなよ今そーゆー事!!!」 うわあん!と顔を赤くさせながら、「カスミが聞いてるーッ」と必死に訴えるサトシ。 だが、カスミは「まぁそんなかわいい思い出が・・・v」と、楽しんでいる様子。 シゲル「しかもその後のソフトボール大会は4位だったしなぁ?     4番目のサ〜ト4クン?」 サトシ「言うなぁぁあ〜〜〜〜〜っ(苦悩)」 シゲルの意地悪攻撃に思いっきり攻められるサ〜ト4クン。 そんなサ〜ト4クンに、タケシが慌ててフォローをする。 タケシ「お、落ち着けサトシ!俺もタケ4だっ!!」 ヒロシ「そーだよ!僕もヒロ4だよっ。」 ・・・・ん!? サトシ「煤E・って、のぉ!!!!!ヒロシ!!!!?     フッツーに出てくんなよ突然!!!」 ヒロシ「やぁ☆(にっこり)」 相変わらず爽やかな笑顔で、適度にキラキラと☆を撒き散らしながら、礼儀正しく挨拶する茶髪の少年。 そんな少年と初対面の人が2人。 ・・バンダナ少年はとりあえず置いといて、嫌味ボーイに注目して頂きたい。 ・・で。 ――シゲルは感じた!!―― ――こいつ、あなどれぬ敵だ!!―― ・・と。 シゲル「フ、フーン。     サートシクンにはま〜だライバルが居たのかい?」 なるべく余裕な笑みでそう尋ねるシゲルさん。 サトシ、ヒロシの背中に隠れつつ答える。 サトシ「はんっ!ヒロシはなぁ、お前なんかと違って、すっごぉーくイイヤツなんだぞッ!     ライバル交代だって、全然OKなんだからなッ!」 シゲル(狽ハぁーにぃー!!?) シゲルピンチ。 ヒロシ「よろしくね。     ・・・シゲル君。」 天使のような、悪魔の笑顔。 ピシッ・・・ シゲルは真っ白に固まった。 ケンジ「・・あのー、肝だめし始まる前にシゲル君、固まっちゃったんですがー・・・」 タケシ「ある意味オバケより怖いからな、ヒロシ君の笑顔は。」 冷静に事態を観察する兄ちゃんズ。 そんな半ば冷戦状態の中、肝だめしは開始される事となるのでした・・・       ☆ タケシ「じゃ、1人ずつこの森のコースをグルっと回って来る事。     ズルはなしな――。」 サトシ「OKー。」 ・・というワケで、肝だめし開始。 ちなみに順番は、カスミ、ケンジ、サトシ、シゲル、タケシ、ヒロシの順。 テキトーに名前の順なんです。(テキトー過ぎ。) カスミ「じゃっ、じゃじゃじゃじゃじゃー     いいいっ、いいっ、いっ、行ってくるわよ!!」 ドキン、ドクン、ドコン、ドカン(←カスミの心拍音) ケンジ「大丈夫ー?カスミー。(汗)」 カスミ「ぜぜぜっ、ぜんぜっ、ぜぜぜぜんぜんぜん平気よッッ!!!(←震える声)」 カスミの顔、かなりシリアスになってます。       ☆ ニャース「見・つ・け・た・ニャv」 でんっ!と望遠鏡を従えたニャースが、その様子を草陰からコッソリ覗いていた。 ニャース「アイツらが遊んでるこの今がチャンスニャ!」 にゃひひひひひひ・・・・・と、化け猫のような怪しい笑いを浮かべるニャースの背後から、のそ・・・と更に怪しい影が。 ムサシ「オラ!!ニャース!!     魚まだ捕ってきてないの!!?」 ドゴォ!!! ニャース「ぐほっ!!!」 ムサシの凄まじい右膝蹴りが、ニャースの左頬に直撃。 ニャース「ニャにするニャー!!痛いニャッ!!」 頬を押えながら、ムサシに涙目でそう訴えるニャースちゃん。 だがムサシ、それより更に激しい怒りをニャースにぶつける。 ムサシ「もー8時なのに晩御飯まだなのよあたしら!!     なぁ〜にモタモタしてんのよッ!!」 ニャース「今それどころじゃないんニャ!!      ものすごいチャンスを発見したのニャ!!」 ニャースのその必死な訴えに、プンスカプンと怒っていたムサシも、「ひもじいよぅ・・」と親指を咥えていたコジロウも目をキョトンとさせる。 ムサシ「はぁ?」 ニャース「今、ジャリボーイ達が肝だめしをして遊んでるニャ!      つまり、今ヤツらはスキだらけ!」 ニャースのその発言に、全てを察したようにムサシとコジロウがニヤリと笑った。 ムサシ「ほっほぉ、それはそれは。」 コジロウ「な・る・ほ・どv」 不適な笑みを浮かべつつ、何やら相談を始める3人を、夜空に浮かぶ三日月だけが見下ろしている。 ニャース「行くニャ?」 ムサシ「行くっきゃないでしょ!」 コジロウ「おうっ!」       ☆ ちょうどその頃カスミが1人、肝だめしのコースを強張りながら、ゆっくりゆっくり進んでいた。 カスミ「暗いわよ〜暗すぎるわよ〜〜     しかも1人よ〜〜〜・・・」 暗闇の中で1人、心細そうに嘆くカスミ。 その恐怖心を振り払うように、カスミは首を横にブンブンと振った。 カスミ(だめだめ!!怖いと思っちゃだめ!!) そんなカスミの背後にも、怪しい影が。 なんか、「ジャリガール発見!!」というヒソヒソ声が聞こえたような気がする。 しゅばしっ!!(←ジャンプした音) ムサシ「オバヒョ――――――――ッ(謎)」 コジロウ「オバケだぞ―――――――――ッ(ありきたり)」 ニャース「ポケモンよこすニャ――――――――――ッ(それが目的)」 目の前に、突然ばあっ!と現るオバケ達。 ・・そう、変装したムサシ達だ。 頭から足まで白い布を被り、コッテコテのオバケ役の格好に。 正体が解ってないカスミ、一瞬固まる。 カスミ「いっ・・・」 カスミが小さく悲鳴を上げた。 カスミ「いやぁぁああ――――――――――――っ!!!」 ドカッ☆ ムサシ「ぐはっ」 バキッ☆ コジロウ「ぐふっ」 ゲスッ☆ ニャース「ぶにゃっ」 ドスッ☆ コジロウ「ごほっ」 大音響で叫びながら、凄まじい勢いでプロレス技を発散させるカスミさん。 そして、そのままダダ―――ッと逃げるようにその場を走り去った。 カスミ「怖い――――――っ!!」 ボロボロになりつつ、その言葉を耳に入れたムサシ達は(お前の方が怖いわっ!!!)と心の中で叫んだ。       ☆ カスミ「いたの!!いたのよ     本物のオバケがッ!!」 全力疾走で戻って来たカスミが、ぜ〜っは〜っと肩を上下させながらサトシ達に必死にそう訴えた。 サトシ「まったまたそんな嘘を・・・オマエは。」 カスミ「嘘じゃないッ!!」 タケシ「見間違いだろ、怖がるからー。」 カスミ「本当よッ!!」 ケンジ「次、僕だよねー♪行ってきまーす。」 カスミ「聞けッ!!」       ☆ そんなこんなで、ケンジの番。 今度こそっ!と意気込んだムサシ達は、再びさっきと同じようにばぁっ!とケンジの前に飛び出した。 しゅばしっ!!(←1mジャンプした音) ムサシ「オバヒョ――――――――ッ(謎)」 コジロウ「オバケだぞ―――――――――ッ(ありきたり)」 ニャース「ポケモンよこすニャ――――――――――ッ(猫語)」 ・・が、ケンジ、動じない。 それどころか、『ぱあぁっ・・』と顔を輝かせている。 ケンジ「すごいっ!すご過ぎるっ!!     まさかこんな所で本物のオバケに出会えるなんてっ!」 ムサシ「え?あ、あの・・」 思い掛けぬ反応に、オバケ達もちょっと戸惑う。 ケンジ「うわぁ、感動だなぁ!ぜひ観察させて下さいっ!」 コジロウ「は、はぁ・・」 ケンジ「あっ、さっきのポーズ、もーいっかいとって!」 ニャース「こ、こうニャ?」 ケンジ「そう!」 なんか、異様な光景が広がってるんですけど。 ・・・そして、3分後・・・・ ケンジの超貴重観察タイムは終わった。 ケンジ「どうもありがとーございましたっ!     いい記念になりますっ!」 コジロウ「あ、いやいや、どーも・・・」 笑顔で礼儀正しくお辞儀され、幽霊扮するコジロウも思わず頭を下げる。 ケンジ「じゃっ、僕はこれで!」 ムサ:コジ:ニャー「あ、はい、じゃあ・・」 ご丁寧に挨拶を交わし、「♪」と去って行くケンジを見送るオバケ達。 ・・・3秒後。 ―――・・はっ! ・・と、我に返るのだった。       ☆ サトシ(みんな何オバケだとかユーレイだとか言ってんのかな〜?) ケンジまで「幽霊って思ってたよりカッコイイんだね〜♪」とか言いながら帰って来た為、 皆どっか頭おかしいんじゃないか〜?と半信半疑なサトシの順番がやって来た。 1人森を歩くサトシを、さっきと同じ場所でずっと屯しているロケット団がハッ!と見つける。 そう、「おっ!ジャリボーイにゃっ!」と小声で叫びながら。 しゅばしっ!!(←2mジャンプした音) ニャース「オバヒョ――――――――ッ(謎)」 ムサシ「オバケだぞクソガキ―――――――――ッ(口悪)」 コジロウ「いっつもいっつもヒューヒューヒューヒュー飛ばしやがって―――――――――ッ(切実)」 突然、目の前にばあっ!と現れたオバケに、サトシは「!?」と一瞬驚くが、すぐにハッとする。 サトシ「あ――――――――――――――っ!!!」 オバケを指差し何かに気付いた様子のサトシ君。 サトシ「お前らロケットだ・・!」 がばっ!!! 慌ててサトシの口を手で塞ぐオバケさん。 そして、そのままガシッ!とサトシの体を腕で担ぐ。 ムサシ「いつもの!」 サトシ「オ、オイ!!(汗)」 ニャース「お返し・・・」 サトシ「待て!!(汗)」 コジロウ「・・だっ!!!」 ビュンッ!!! ・・っと、サトシを地平線の彼方まで投げ飛ばすオバケさん。 サトシの、「なんなんだよ――――――――――ッ!!?(汗)」の叫びも軽く無視しながら、オバケ達はスッキリとした表情を浮かべた。       ☆ 落ち葉を撒き散らし、木の枝が髪に刺さり、正しく”ボロボロ”の状態のサトシが矢のように帰って来た。 ヒロシ「・・今までで一番ヒドイね。」 シゲル「何があった。」 事態を冷静に観察するライバル達。 サトシ「なんか知らんがオバケに投げられたっ・・・」 30m飛んだあげく、木にぶつかって落ち葉かぶって草むらに突っ込んだサトシが、目をグルグルに廻しながら嘆いた。 カスミは「や、やっぱりいるのね!」と汗を垂らし、ケンジは相変わらずさっき描いたオバケの絵を見つめていた。 タケシ「うーむ、どーやら乱暴な相手のようだな・・・     シゲル、くれぐれも気を付けるんだぞ。」 半ば、変質者扱いのオバケ達。       ☆ シゲルの番だ。 シゲルの姿を見つけ、ムサシ達は一瞬「うっ」と身を強張らせた。 ロケット団にもちゃんと苦手があるらしい。 だが、とにかく行くっきゃないと拳を握ると、さっきのようにまた、バッと相手の目の前に飛び出すのだった。 ムサシ「オバヒョ――――――――ッ(謎)」 コジロウ「オバケだぞ―――――――――ッ(ありきたり)」 ニャース「ポケモンよこすニャ――――――――――ッ(猫語)」 突然現れた謎の白仮面達をシゲルはチラリと横目で見ると。 シゲル「・・・・・・・・・・     ・・・・はっ。(←バカにしたような笑い)」 ムサ:コジ:ニャー(買oッ・・・           バカにされた――――っ!!!)ドーン そのまま、何もなかったかのように去って行くシゲルを見やりつつ、ロケット団はクッ!と拳を握って悔しさを発散させた。 ニャース「あーいうのが一ッ番ムカつくニャ―――!!」 コジロウ「やっぱり嫌なヤツだアイツは――――ッ!!」 ムサシ「く〜〜〜っ!次よ次!!     結局、今んとこ驚いたのジャリガールだけじゃない!!」       ☆ ・・で、次はタケシの番。 コジロウ(今度は糸目ボーイか!!) ニャース(ニャッ!!) ムサシ(更に意気込んで行くわよ!!) 了解!と顔を見合わせると、ムサシは和風の女幽霊に、コジロウは大怪我負った病霊に、ニャースは角を付けて化け猫にコスチュームをチェンジさせた。 しゅばしこっ!!(←更に意気込んでジャンプした音) ムサシ「オバビョブハ――――――――ッ(だから謎)」 コジロウ「浮遊霊だぞ――――――――ッ(名前変わっただけ)」 ニャース「ポケモンよこすニャ――――――ッ(変わってない)」 突然現れた幽霊達に、タケシは思わず驚いてこう叫んだ。 タケシ「狽ルわちゃ―――――ッ!!!!!」 タケシさん、顔がドシリアスになってます。 そして、タケシさんは、その顔のまま、ある行動をとるのでした。 タケシ「・・・・・・。」 ムサ:コジ:ニャー「・・・・・・。」 しーん・・・ タケシ、自分も奇妙なポーズをとって幽霊に対抗。 ・・幽霊扮するロケット団、クルリと無表情で背を向ける。 ムサシ「ダメダメ。次、行こ。」 タケシ「狽ョはっ、ダッ、ダメダメ!?(ガーン)」       ☆ で、最後はヒロシの番だ。 コジロウ(いよいよ最後のジャリボーイ!!) ニャース(ニャッ!!) ムサシ(気ィ引き締めて行くわよ!!) 了解!と顔を見合わせると、ムサシ達は今と同じようにバッとヒロシの前に立ちはだかった。 しゅばしこどっ!!(←更に気ィ引き締めてジャンプした音) ムサシ「ババビョブオヘハ――――――――ッ(相変わらず謎)」 コジロウ「オバケだぞ――――――――――ッ(ありきたり)」 ニャース「ポケモンよこすニャ――――――――ッ(猫語)」 ヒロシ「・・・・・・。」 ヒロシ、無反応。 ヒロシ「・・・・・。」 ムサ:コジ:ニャー「・・・・・。」 ・・・・・・。 ・・・・・・。 ヒロシ「・・コジロウさん。」 ヒロシがニコッと微笑んだ。 そしてそのまま歩き出し、ムサシ達の横を素通りしてその場を去る。 ヒロシ「ズボンのチャックが開いてますよ。」    !       ☆ コジロウ「ちくしょお!ちくしょお!!ちくしょおぉぉ!!(号泣)」 ムサシ「だ―――――っもう!!     結局だーれのポケモンもGETできなかったじゃない!!」 本当に結局誰もまともに驚かず、ポケモンさえも奪う事の出来なかったロケット団が、反省会を開いていた。 ニャース「・・腹減ったにゃぁ・・・」 ぐぎゅるる〜〜・・と鳴る腹を抱えながら、ニャースが呟いた。 ムサシ「そこっ!!情けない事言わないッ!!(ビシッ)」 コジロウ「でももう8時半だぞ〜・・俺もそろそろ限界〜〜〜・・」 PM8:31分21秒、コジロウもついに耐え切れず、腹を押えてその場に崩れ落ちた。 ムサシ「だ〜〜もうアンタ達は情けないわねっ!!     こうなったら、あの手を使うしかない道は残されてないわ!!」 コジロウ「あの手って?」 クッと歯を食い縛って意気込むムサシに、コジロウがキョトンとして尋ねる。 それが、災いとなった。 超巨大なロボにまたがり、借金抱えてても更にその借金を増殖させてしまうムサシが、怪しく目を光らせて森を疾走していた。 ムサシ「このロボで強行突破(?)すんのよッッ!!!」 コジロウ(・・進歩ないなぁ俺ら・・・) 結局はこうなるのか・・と、コジロウとニャースは巨大ロボにまたがりつつ、はぁ〜〜と溜息をついた。 ムサシ「ってなワケで!!     ジャリボ――――――――――――イッ!!!」 どんなワケだ・・というコジロウのツッコミも虚しく、ムサシはそのまま突進して行った。 ・・だが。 サトシ「あ、ロケット団!」 ケンジ「ちょうどいいトコに来たなぁ。」 タケシ「ちょうどスープが出来たところだぞ。」 なぜだかそこは、とてもホットな雰囲気。 笑顔で自分達を迎えてくれるジャリボーイ達の姿があった。 ロケット団、その場に立ちすくむ。 カスミ「なぁ〜に突っ立ってんの!ほら、座って座って!」 コジロウ「あ、ど、ども。」 催促されて、思わず頭を下げるロケット団。 タケシが朗らかな笑顔で、湯気の立つスープの鍋を皆の前に運んだ。 タケシ「ほ〜い、今日は人数が多かったからな、多めに作っておいたポテトスープだ!」 サトシ「タケシのスープ、どこのレストランより美味いんだぜ!」 確かに、かなり美味しい。 口に運んだ途端、思わずそんな言葉が漏れるほどだ。 そして暖かなスープは、空っぽのロケット団の腹の中に優しく流れ込んで行った。 サトシ「ロケット団には今日、世話んなったもんな。」 ヒロシ「うん、頼んでもないのに脅かし役やってくれて。」 ケンジ「おかげで楽しかったよ!」 悪気も嫌味もない純粋な笑顔でそう言われ、ロケット団は思わずキョトンとし、そして照れ笑いをした。 ムサシ「アハハ・・そりゃどうもね。」 コジロウ(とてもポケモン奪う為に驚かしてたなんて言えない・・・) ズズッとスープを啜りながら、コジロウは小さくそう思った。 ・・・って、 ムサシ「アンタら私らがやってたって事わかってたワケ!!?」 サトシ「うん、バレバレ♪」 コジロウ「こっ・・こいつら・・っ!」 悪気も嫌味も優気もないジャリボーイ達の笑顔に、ロケット団は思わず汗を垂らした。 サトシ「まーまっ。今日はしばし休戦って事で、とりあえず楽しく食事しよーぜ!」 このガキ共・・・実は、かなりの嫌味野郎・・・? 所詮、ロケット団はサトシ達には勝てないのだ。 そう、色んな意味で。 ―――・・でもまぁ、たまにはこんな、のんびりもいっか♪――― そう思う、ロケット団なのでした・・・・・v ・・・でもサトシにまで変装見破られたのはマズイぞロケット団。 でもって翌日、何事もなかったかのようにいつもの激しいポケモン争奪戦が始まったとかいう噂は本当かロケット団。 終わりッ☆ 〜あとがき〜 オチおかしいよ・・(汗) でも、楽しかったです♪ この話、まずラクガキ漫画でパパ〜ッと描いたやつなんです。 なので、ちょっと漫画っぽ〜い小説になってしまいましたが・・(汗) はぁ・・もう、ヒロシ君素敵過ぎですねvラブですねv愛してますよvうふふv(どうした自分)