Case Sho とにかく、何が起こったのかよく分からなかった。 光の中からいきなり女の子が出てきて、ワケの分からない言葉で俺に向かって喋り始めたんだから。 旅立って早々、変なのに巻き込まれた・・ その時は正直言って、そう思った。 その子は、俺に言葉が通じない事が分かると、見たこともない機械を取り出し、それを通じて再び喋りだした。 「ねえねえ! ここはいつの時代?」 翻訳機・・か。 その子は、何をしたいのか分からないうちに、AD3625年の世界から、このAD2010年の時間軸へ来てしまったのだと言う。 試作タイムマシンのイタズラが原因だそうだ。 その子は、俺のパートナーに、ものすごい反応を示した。 『ポケットモンスター』を見たことがないと言った。 3625年の世界に、ポケモンはいないのだとも言った。 ・・信じられなかった。 ポケモン滅ぼしたのは『星狩り』と呼ばれる災害と聞かされた。 それ以上は、彼女は何も言わなかった。 『星狩り』という、ワケの分からないヤツが、ポケモンの未来をおびやかすのか。 なら、俺がポケモンマスターになって、そいつを撃退してやるぜ! 俺の旅に、新しい目的が出来た瞬間だった・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    Case Hitomi その時何がしたかったのか、今でもよく分からないんだ。 ただ、なんとなく、試作段階のタイムマシンのスイッチを押してみたことは覚えてる。 いつもいつも、やりたいことがよく分からないんだ。 そして、取り返しがつかなくなった。 もう二度と、3625年のユーノリアには帰れなくなっちゃった。 ふと気がつくと、目の前に、そこそこにかっこいい男の子がいた。 彼が言うに、2010年の世界に来ちゃったみたい。 ポケットモンスターが、まだ滅びていない世界。 知ってるよ。歴史のテレビで見た事あるよ。 ポケモンはもうすぐ、『星狩り』にやられて絶滅すんだよ。 ・・って言ったら、その男の子は燃え上がった。 俺がポケモンマスターになって、そいつをぶっ倒す! って。 ・・歴史は変わるのかな? その子を見てて、いいなあって思った。 自分のやりたいこと、はっきりしてるんだね。 ・・って言ったら、その子は言ってくれた。 ・・お前も自分のやりたいこと、見つけたらいい・・って。 そして、手を差し出して、さらに言ってくれた。 ポケモントレーナーなんてどうだ? 旅は道連れって言うし、俺と一緒にポケモン始めるってのは? ・・ユーノリアで見つからなかった、やりたい事。 それは、ばかげた事故で来てしまった、この時代で見つかったみたい。    続    あとがき 読者参加型小説『POKE IN ONLINE』ことポケライン。 在りし日の思い出に心をはせ、新天地に移動です。 2人の出会いはこんな感じだったんですよね。 今回は、2人の人物の独り言形式だったんですが、それぞれショウとひとみのものだったワケですな。 ひとみをどうも、ザナルカンドから来た某太陽少年とイメージ重ねてしまうのが、最近の悩みですね。 ではでは。 ご満足頂けたでしょうか?