「もしもーし」 「・・・・・・・・。」 「おはようございまーす」 「・・・・・・・・。」 「時神さまー」 「・・・・・・・・。」 「ディアルガに時間ポケモンの地位を奪われちゃった可愛そうなセレビィ!!」 「うっせえ黙れこの野郎!!」 〜僕と時神〜 「・・・で、今日は何の用事だ?悪いが醤油は切らしているからな」 ここは小さな村。村の端にある祠の中にセレビィが住んでるという言い伝えがある。まあ、本当のことなのだが。 今のところ、それを知っているのは一人の少年のみ。 「ううん違うよ、醤油ならウチにもあるよ。ないのはみりん!」 「そうか、はい。みりんだ」 「わあありがとう。って違うよ。僕は今日相談があってきたんだから」 「相談?悪いが時渡りは受け付けてないぞ。こうして正体がお前にばれているとはいえ、そんなやすやすと引き受けるほど俺もバカではない」 「時渡りをするほど僕は自分を疑っていないよ。今日きたのはね、これ」 そういうと少年は背負っていたリュックをとりだした。 「・・・旅にいくのか?」 「うん、そう。僕、昨日ポケモン取り扱い免許を取ってきたんだ。だから明日から『シンオウ地方』にいくの」 「そうか、おめでとう。で、何しろってんだ?安全祈願のお願いか?」 「ううん違うよ。あのね、」 「僕の最初のポケモンになってよ」 「・・・・お前なあ・・・」 「え?なんで?だめ?」 「だめに決まってんだろ!!一応俺神だし!!」 「休日の朝からテレビ見てるのに?」 「そう!!いくら落ちぶれてても一応神様!!初心者トレーナー初のポケモンになるなんてだめ!!」 「え〜?でもさあ、ナエトルもヒコザルもポッチャマもレアポケモンなのに初心者用だよ?」 「・・・・・・・」 「いいじゃんいいじゃんいいじゃんいいじゃんいじゃんいいじゃんいいじゃん」 「一つ『いじゃん』が混じってる!!あとなあ、俺はここの守り神なんだぞ?だからどこかにいくわけにはならないの!!」 「え〜・・・?なにもしないのに?」 「・・・・・・・」 「大丈夫だよこんな村!!いい人悪い人誰もこないよ!!復讐を狙うムウマージとか裏技大好き野郎とかカゲボウズとか連れてる少女とかそんなのくる心配はないって!!」 「・・・・それはないかもしれんが・・・」 「それにさ、こんな小さなところにいるよりも僕と一緒に旅をしたほうが神様としてかっこいいよ?ずっとここにいたって何もしないままいるだけだよ?遠くにいって色んなもの見たほうがおもしろいよ?」 「そうかなあ・・・・」 「そうだよ!!」 「よし!!行こう!!」 「意外と乗せられやすいね時神さま!!」 「うっせえ!」 どこまでも行ける、いや、どこまでも行こう。 小さなところからでて、遠くの世界を見に行こう。 視界を切り開いていこう、僕らの手で。 「なあ」 「え?」 「いくら遠くったってさあ、いきなり『はじまりのば』はねーだろおい!!」 「あははははー!おかしいな・・・」 彼らの目の前には、アルセウス。 どこまでも、いける。 続かない。