ポケットモンスター小説版
プロローグ(カントー編)

ポケットモンスター…省略・ポケモン…この世界は「ポケモン世界」と言って、多くの
ポケモンと言う生き物達が住んでいる世界である。 ポケモンとは、別名「携帯獣」と
呼ばれ、普通の動物とは違って、優れた特殊な能力や生命などを持っている。 人
それぞれはこの生き物をペットにしたり、勝負に出したり、研究で調べたり、それぞれの
思いを込めて助け合ったりする。

しかし、多くの人間でもポケモンの事を道具や凶器だと思い込み、それぞれポケモンを
殺人を犯したり、様々な悪行動が行なわれていた。 そして役に立つ事も出来ない
ポケモンを見事に殺す人間も存在すると言う。 現在でもそう言う人間が多くいるが、
それはまだ不明…

だが、人間とポケモンはお互い同じ生物。 同じ意識と生命を持っている存在である。 
多くの人間でも、ポケモンを道具とも思えず、互いに信頼、友情、愛情、勇気、正義と
希望を与えながら、友達、家族、そして仲間として生きている。 そう、この世界には、
ある
1人の少年がその言葉を持っていた。 この時の彼はまだ3歳の子供であった。 
だがこの歳でも、彼はポケモンの事を友達と思っていた。 それは、彼の父から
教わったからだ。 彼の父の名は「ツネカズ」と呼び、「マサラタウン」と言う小さな
町に住むトレーナーであった。 彼の子供と、妻の「ハナコ」と一緒に…

そんなある日の事…ツネカズは「ポケモンリーグ」と言う大会へ出場した。 ポケモン
リーグとは、全国にいるトレーナー達が集まる大会で、それぞれの力をポケモンに
与えながら、戦闘に参る大会である。 この時のツネカズは、戦いに勝ち抜き続き、
いよいよ最終戦(ファイナルバトル)へと立ち上がっていた…

ワーーーーーーーーーーーー!!! 観客達が大きな歓声を出した。
アナウンサー『さあ、ファイナルバトルの結末が遂に起こそうとしています! 今でも
       苦戦状態となっているツネカズ選手と「マサユキ」選手! 両者共残る
       ポケモンは
11です! 果たして、両者の最後の1匹で、一体誰が
       今回のリーグチャンピオンとなるのか!?』
???「ねえ、ママ。 パパ、ホントに勝つかな?」
ハナコ「大丈夫よ。 パパなら絶対に勝つわ。 だって、パパの事だもの…」
マサユキ「はぁ…はぁ…ここまで来るとはなかなかの物だな、ツネカズ!」
ツネカズ「ああ、君もそうだよ、マサユキ。 これからは決着を付ける時だな! さあ、
     最後のポケモンを繰り出そう!」
マサユキ「分かってるさ! 行け、リザードン!」
リザードン「リザーーー!!!」
ツネカズ「ならば私は…フシギバナ、君に決めた!」
フシギバナ「バナーーー!!!」
アナウンサー『おっと、マサユキ選手はリザードンを繰り出し、ツネカズ選手は
       フシギバナを繰り出しました! しかも相性全く大違い! 果たして、
       この違うタイプのポケモンに、誰がこの勝負に勝ち抜ける事が出来るの
       か!?』
???「パパ…」
ハナコ「貴方…」
マサユキ「…なぜ炎系に弱いはずの草系ポケモンを繰り出した? まさか負けを認めると
     言うのか!?」
ツネカズ「勘違いするな。 私は負けるとは言っていない。 全てはこの子にかけて
     いるのだ。 私はこいつを信じている。 絶対に勝てると信じている。 それ
     だけだ!」
マサユキ「…お前らしいな、ツネカズ。 だがいくら草系ごときでも、このリザードンの
     敵ではない! 行け、リザードン! 「火炎放射」!」
ツネカズ「フシギバナ、「ソーラービーム」!」
リザードン「リザーーーーー!!!!」
フシギバナ「バナーーーーー!!!!」
ブォーーーーーーーー!!!! リザードンの「火炎放射」!
バシューーーーーーー!!!! フシギバナの「ソーラービーム」!
ドカーーーーーーーン!!!! 互いの攻撃が互角に命中した!
マサユキ「リザードン!」
ツネカズ「フシギバナ!」
2人「「居合斬り」!!!」
リザードン「リザーーーーーーーー!!!!!」
フシギバナ「バナーーーーーーーー!!!!!」
グサ!!!!! リザードンとフシギバナの「居合斬り」!
マサユキ「……………」
ツネカズ「……………」
ハナコ「……………」
???「……………」
審判「……………」
アナウンサー「……………」
2匹の攻撃がした後、2匹共全く動かない。 その間周りにいるツネカズ、マサユキ、
そして全ての観客達は沈黙のままであった。
フシギバナ「………バ…」
その時フシギバナのバランスが突然と崩れ始めた!
ハナコ「あ!!」
???「あ!!!」
リザードン「……………」
リザードンはニヤッと笑ったが…
ドサ!!! 何とリザードンが先に倒れてしまった!
マサユキ「な、何!?」
ツネカズ「やった!!」
審判「…リザードン、戦闘不能! よってこの試合、そしてこのポケモンリーグの大会は
   マサラタウンツネカズ選手の優勝!!!」
ワーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『や、やりました!!! ツネカズ選手のフシギバナ、最後の一撃で
       リザードンを倒しました! 炎に弱いはずの草ポケモンが、それを対抗
       して、見事に勝利を尽くしました! なお、今回の第
5回ポケモン
       リーグのチャンピオンは、マサラタウントレーナーツネカズ選手に決定
       です! おめでとうございます!!!』
???「やったやった、パパの勝ちだーーー!!! ママ、パパが勝っ…?」
ハナコ「…よかった…勝って…」
ハナコは嬉し涙を流した。
???「…ママ…泣いてる…?」
ハナコ「…え? …ううん。 大丈夫よ。 嬉しいから、泣いてるの。 心配しないで。」
???「…うん!」
ツネカズ「よくやったな、フシギバナ。 お前のおかげで、チャンピオンになった。 
     感謝するぞ。」
フシギバナ「バナ!」
マサユキ「ハッハッハッハ! さすがにすごかったぞ、ツネカズ! まさか草系
     ポケモンが僕の炎系ポケモンを倒せたとは、見事だったぞ! 良くそこまで
     ポケモンを育てたな!」
ツネカズ「何、君のポケモンも良く育てていた。 私にもちょっとそれで苦戦したがな。」
マサユキ「良く言うな。 でも、これで勝負は決まったな。 俺は別に負けた事で後悔
     してはいない。 自分の負けを認めるよ。 優勝おめでとう、ツネカズ!」
ツネカズ「…ありがとう、マサユキ。」
ツネカズとマサユキはお互い握手した。
ハナコ「貴方ーーー!!!」
???「パパーーー!!!」
ハナコと少年はバトルステージに現れた。
ツネカズ「おお、来たか!」
ハナコ「貴方…優勝おめでとう!」
ツネカズ「…ありがとう。」
???「パパ、優勝おめでとう!」
ツネカズ「……………」
ツネカズは微笑みながら、少年の頭を撫でた。
ツネカズ「ありがとう。 お前も将来、私みたいなポケモンマスターになりたいか?」
???「…うん! 僕、パパみたいなポケモンマスターになりたい!」
ツネカズ「そうか…お前にはそれが一番だ! お前なら、私みたいなポケモンマスターに
     なれるだろう。 これからは厳しくなるかもしれないが、その時まで
     がんばるんだぞ、「サトシ」!」
サトシ「うん! 僕、パパみたいなポケモンマスターになるため、がんばる!!!」

そう、この少年の名は、「サトシ」と呼ぶ…

そしてリーグ終了後、月日も立ち、ツネカズは再び旅立っていた。 だが、彼に災難な
出来事が起こった。 「イワヤマトンネル」と言う岩山の洞窟で、崖から落ちそうと
なった野生のポケモンの命を助け、転落事故で死んでしまった…数多くの彼を知っていた
人達や、ハナコとサトシは、彼の死を悲しんでいた…だが、サトシは決して彼の約束を
破る事はしなかった。 ポケモンマスターになるための夢…サトシは決してそれを
破らなかった…その約束と、ツネカズの思いを胸に閉ざしたサトシは、がんばりながら
成長していた…

そして
7年後…ある少年は、「オーキド博士」と言う有名なポケモン天才研究家の研究所
へ向かった。 その少年は、
10歳ぐらいの少年で、青い上着、黒いシャツ、青いジーンズ
と三角形マークの付いた赤い帽子をしていた。 その少年は、オーキド博士と会った。

???「こんにちは、オーキド博士!」
オーキド「おお、よく来たな! どうじゃったか、ポケモントレーナー入門試験の様子
     は?」
???「はい! おかげで合格しました!」
オーキド「ほほう、それはよかったのう!」
???「はい! 毎日徹夜で勉強したかいがありました!」
オーキド「ふむ、それはよかったな! 必要な点を覚えるのも、苦労したじゃろう?」
???「はい、俺まだポケモンの事詳しく知らないもんで、勉強するのも苦労しました。」
オーキド「うむ…確かに君はまだポケモンの事詳しく知っておらんな。 君の父親の
     ツネカズ君もそうじゃった。」
???「え…? パパ…いや、父もそうだったんですか?」
オーキド「さよう。 君の父親もポケモントレーナーになる前に、まだポケモンの事を
     詳しく知っておらんかった。 彼の話によると、君みたいに毎日徹夜まで勉強
     してたと言っとった。 じゃが、彼がポケモントレーナーになって、旅立った
     その最中、色々なポケモンを出会ってから、色々ポケモンの事勉強し始め、
     立派に成長しておった。 色々のポケモンをゲットしたり、観察したり、
     全てのポケモンの事を知る事が出来たんじゃよ。」
???「そうなんですか…」
オーキド「君がポケモントレーナーになったら、父親と同じように、旅立つ最中に勉強
     するじゃろう。 旅立ちながらポケモンの事を勉強するのも、トレーナーの
     試練でもあるからな。」
???「はい。」
オーキド「…ところで、君の好きな言葉は何かな?」
???「え…? それは…「信頼」、「友情」、「愛情」、「勇気」、「正義」と「希望」です。」
オーキド「ふむ…では、君にとってポケモンは何かな?」
???「それは…「友達」、「仲間」、そして「家族」です…」
オーキド「そう。 ポケモンは「友達」、「仲間」、そして「家族」じゃ。 人間と
     ポケモンがお互い必要なのは、「信頼」、「友情」、「愛情」、「勇気」、「正義」と
     「希望」じゃ。 それがある限り、人間とポケモンはお互い強くなる。 
     それがあるから、どんな辛い時や苦戦があっても助け合う事が出来るのじゃ。 
     じゃが、本来多くの人間達は、ポケモンの事を道具や凶器に使っておる。 
     そのため人間達は、ポケモンを犯行を起こすために使っておるのじゃ。 
     そしてそのポケモンが役に立たなければ、自分の力で殺してしまう。 その
     冷酷さが、今でもこの世界に広がっておる。 じゃが、君には分かるだろ? 
     冷酷さがポケモンに対していい事ではないと言う事を。 それがあるほど、
     どんな戦いにも必ず勝てない事を。 君にはポケモンに対して優しさがある。 
     そして自分の心には「信頼」、「友情」、「愛情」、「勇気」、「正義」と「希望」も
     ある。 君なら、どんなポケモンをゲットしても、その心でお互い助け合う
     事が出来るじゃろう。 君の父親もそう言う心も持っておった。 じゃから、
     彼は
7年前、野生のポケモンを助け、命を落としたんじゃよ。」
???「……………」
オーキド「君なら、父親と同じように、立派なポケモンマスターになれるよ。 その心が
     あればな!」
???「…はい!」
オーキド「いいか、ポケモンは「友達」、「仲間」、そして「家族」じゃ! そして
     お互いの心を通じ合うために必要なのは、「信頼」、「友情」、「愛情」、「勇気」、
     「正義」と「希望」じゃ! その事だけは忘れるでないぞ!」
???「分かってます! 俺、こう見えても昔から父の約束を守っているんです! その
    約束を果たすために、俺はがんばります!」
オーキド「よし、これからのポケモンマスターへの道は厳しくなるかもしれないが、君
     なら大丈夫じゃ! この先の旅立ち、がんばるんじゃぞ! マサラタウン
     ポケモントレーナー、勇崎智(ユウザキ サトシ)!」
サトシ「はい!!」

そして、我が英雄の少年サトシの物語は、ここから始まった………

続く…