第六十八話 ピカチュウの森(後編)
          サトシ達がロケット団を倒した後、謎の敵がピカチュウの楽園に出現!

          サトシ「な、何だ!?」
          ???「やっぱりここか、ピカチュウの楽園と言う森は...」
          カスミ「だ、誰なの!?」
          ???「サトシもいるのか。 クックックック、久しぶりだな!」
          サトシ「な、なぜ俺の名前を知ってるんだ!?」
          ???「知らないのか? グンジョシティ以来じゃねえか!」
          サトシ「グンジョシティ? は! まさか...」
          ???「思い出したか。 そう、俺は雷を使いこなす雷使い! 俺こそ、「雷電神軍団」の団長、ラトスだ!」
          全員「ラトス!?」
          ラトス「フッフッフ、こんな所で会うとは久しぶりだな!」
          サムライ「何しに来たのでござるか!?」
          ラトス「そこに野生のピカチュウがいるだろ? そいつは電気系ポケモンの一つなんでね、俺はそいつらのエネルギーを奪いに来
          てやったのさ!」
          サクラ「何ですって!?」
          ラトス「しかもこの森には何十匹のポケモンが多くいるようだな。 いい物を見つけたぜ! でもお前達が邪魔をしに来たのならしょ
          うがない。 遠慮なく全員死なせてもらうぜ! 雷神鳥、出て来い!」
          雷神鳥「ギェーーーー!!」
          ラトス「雷神鳥、「サンダーボール」だ!」
          雷神鳥「ギェーーーーー!!」
          バギューーン! 雷神鳥の「サンダーボール」!
          サトシ「みんな、伏せろ!」
          サトシ達は攻撃を伏せた!
          ラトス「ち! 避けやがったか!」
          アヤメ「このままじゃ危険だわ! 何とかしないと!」
          サトシ「よし、イチかバチか、やってみるか! シャワーズ、「水鉄砲」!」
          シャワーズ「分かった! ブーーーーーー!」
          ブーーーーー! シャワーズの「水鉄砲」! しかし攻撃が外れた!
          ラトス「無駄だ! 水系技を使っても、雷系であるこいつには効かねえぜ!」
          スト! 雷神鳥は水に濡れた地面に降りた。
          サトシ「今だ、「冷凍ビーム」!」
          シャワーズ「オッケー! はーーーー!」
          ビーーーー! カチカチカチカチ! シャワーズの「冷凍ビーム」! 攻撃は水に濡れた地面を凍らせ、雷神鳥の足を凍らせた!
          雷神鳥「ギェ!?」
          ラトス「何!?」
          サトシ「これなら飛べないはずだぜ! 野生のピカチュウ達、俺のピカチュウと一緒に「10万ボルト」だ!」
          ピカチュウ達「ピカーーー!」
          ラトス「し、しまった!」
          ビリリリリリリリリリ!! ピカチュウ達の「10万ボルト」! 攻撃は氷に当たり、雷神鳥に当たった!
          雷神鳥「ギェーーー...」
          ラトス「な、何!? 俺の雷神鳥が!?」
          サトシ「これで俺の勝ちだ! それともまだ戦う気かい?」
          ラトス「く、くそ! 取り合えずこの森は諦めるとする! でも安心するんじゃねえぜ! いつかまた会ったら、直ぐに貴様らを潰して
          やるぜ! 覚えてろよ!」
          シュン! ラトスと雷神鳥の姿は突然消えた!
          ボタン「逃げたわ...」
          サトシ「これでみんなは無事で入れる事が出来たぜ。 よくやったぜ、ピカチュウ、シャワーズ!」
          サトシはピカチュウを持ち上げた。
          ピカチュウ「ピカーー!」
          シャワーズ「うん!」
          ピカチュウ2「ピカチュウ!」
          ピカチュウ1「ピカ? ピカーー!」
          ピカチュウはピカチュウ2の所に行った!
          サトシ「あ、ピカチュウ!?」
          ピカチュウ1「ピカー!」
          ピカチュウ2「ピカチャア!」
          ピカチュウ達「ピッカッチュウ! ピッカッチュウ! ピッカッチュウ! ピッカッチュウ!」
          ピカチュウ達はラトスを倒した事を喜んでいた。
          アキラ「今度は何をやってるんだ?」
          シャワーズ「ラトスを倒した事を喜んでいるところらしいよ!」
          セイヨ「ピカチュウ達も無事でよかったわね!」
          ジュン「そうですね!」
          サトシ「ふ...」
          サトシは行ってしまった。
          シャワーズ「あれ? サトシ?」
          ダイスケ「どこへ行くんだ?」

          ―数分後―

          サトシは焚き火の真木を踏み削った。
          マチス「ホワット!? ピカチュウをここに残すだと!?」
          ナツメ「ちょっと、それってどういう意味なの!?」
          サトシ「うるさいな、俺はもう決めたんだ!」
          ピカチュウ「ピカピ、ピカチュウ?」
          サトシ「ピカチュウ、お前ここに残れよ。 お前達はここの仲間にいた方がいい。」
          ピカチュウ「ピカピ?」
          サトシはピカチュウの頭を撫でた。
          ピカチュウ「チャアー!」
          サトシ「さよなら、ピカチュウ...」
          サトシはピカチュウから歩き去ろうとする。
          ピカチュウ「ピカ!? ピカピ!」
          ピカチュウはサトシを追おうとする。
          サトシ「来るな!」
          ピカチュウ「ピ!?」
          サトシ「お前はここにいた方が一番幸せなんだろ? 俺を構わないで、ここにいな!」
          ピカチュウ「ピ...」
          サトシ「来るな!」
          サトシは走り去った。
          エリカ「なぜ急にこんな事になったのかしら?」
          コゴロウ「ショックだったんだろうな。」
          エリカ「ショック? どういう意味なの?」
          コゴロウ「「ピカチュウの楽園」、「新しい仲間」...あれを聞いたおかげでショックを受けたんだよ。 もしもピカチュウがここに来
          て、仲間と出会ってしまったら、もうピカチュウとは会えないと。 奴はピカチュウと離れたくなかったんだろうな。」
          キョウ「それで落ち込んでいたのでござるな?」
          コゴロウ「ああ、多分な...」
          カスミ「サトシ...」
          ピカチュウ「ピカピ...」

          ―一方サトシ―

          サトシは走り続けていた。
          サトシ「(これでいいんだ。 俺でよかったんだ...)」

          サトシの記憶の中にピカチュウの事を思い出した。 始めてオーキド博士からポケモンを貰った時余り言う事を聞かなかった事と、
          トキワシティのポケモンセンターに行くためにピカチュウとシャワーズを助けながらオニスズメとオニドリルから逃げてた事。
          トキワのポケモンセンターでロケット団を倒した事と、2番道路でアカネと戦った事。 ニビシティでタケシと戦っていた事と、お月見
          山でロケット団のヤマトとコサブロウを自力で戦っていた事。 
          ハナダシティでゲルトを倒した事と、 ポケモンゼミでセイヨと戦った事と。 
          隠れ里でフシギダネを倒した事と、ゼニガメ団と会った時にゼニガメと組んでピカチュウとシャワーズを助けた事。 
          クチバシティでマチスと戦った事と、サントアンヌ号でロケット団員達を倒した事。 
          ハトバポートでドククラゲとの総力戦で戦った事と、タクマとの戦いでピカチュウとシャワーズを助けた事。 
          ヤマブキシティのシルフカンパニーでサカキと戦った事と、ナツメとの戦いでピンチの時にサトシを庇ってくれた事。 
          他にもシオンタウンのポケモンタワーで幽体離脱の時ゴース達と一緒に街の景色を見た事と、タマムシシティでエリカとの戦い
          でサトシのために戦おうとした事。 
          グンジョシティで自分の風邪を超えるために自力でベトベター達を倒した事と、ララミー族の保護区でシャワーズと一緒にレース
          した事。 そして最後まで色々な楽しい事をした事を思い出した。 
          その時サトシは走り止まった。
          サトシ「(元気でな、ピカチュウ...)」
          シゲル「おい、サトシ! ちょっと待てよ!」
          シゲル達が来た。
          アヤ「ちょっとどうしてなの!? どうしてピカチュウをこのまま放っておくの!?」
          フウコ「そうよ、ピカチュウは貴方にとっては大切のポケモンじゃなかったの!?」
          サトシ「俺は決めたんだ。 ここはピカチュウがいた方がいい場所だと。 そうすれば、今まで危ない目は会わないはず。」
          シャワーズ「でもどうしてなの!? ピカチュウは僕と同じく始めに貰ったポケモンでしょ!?」
          シゲル「そうだぜ、サトシ! ピカチュウを逃がしたと言っても、このままじいさんになんて言えばいいんだよ!?」
          ブルー「そうよ! しかもロケット団やリユニオンを倒すためにピカチュウが必要なのよ! ピカチュウなしでどうやって戦えばいい
          の!?」
          サトシ「知らないのか? ラトスはいつかまたここに戻り、再び他のピカチュウ達の命を狙われてしまう。 あいつがここにいれば、
          他のピカチュウ達も無事に生きる事になるはず...」
          ドリオ「お前、それでいいのかよ!? そんな事をしても後悔しないのかよ!?」
          サトシ「俺は後悔してない。 全然...後悔...してないぜ...」
          カスミ「サトシ...」
          その時からサトシは何も言わず、夜が明けた。 その時サトシの後ろに、謎の影が映った。
          全員「あ!」
          サトシ「え?」
          サトシ達は後ろ振り向き、ピカチュウがいた!
          ピカチュウ「チャアー。」
          サトシ「ピカチュウ?」
          その時野生のピカチュウ達が現れた!
          ピカチュウ達「ピカーー!」
          ピカチュウ2「ピカチュウ!」
          ピカチュウ1「ピ?」
          ピカチュウ2「ピカ!」
          ピカチュウ1「ピカチュウ!」
          ピカチュウ1とピカチュウ2はしっぽで握手をし、さよならを言った。
          マサ「ピカチュウの奴、何をやっているんだ?」
          シャワーズ「あのピカチュウとさよならを言ったらしいよ。」
          ミサ「それはそうだね。 ピカチュウはサトシと離れたくないもんね。」
          サトシ「ピカチュウ...」
          ピカチュウ達「ピッカッチュウ! ピッカッチュウ! ピッカッチュウ! ピッカッチュウ!」
          イミテ「今度は私達に応援してるのかしら?」
          シャワーズ「そうだよ!」
          ピカチュウ「ピカ! ピカピー!」
          ピカチュウはサトシの所まで走り始めた。 それを見たサトシは喜んだ。
          ピカチュウ「ピカピー!」
          サトシ「ピカチュウ!」
          サトシとピカチュウは抱き合った!
          ピカチュウ「ピカー!」
          サトシ「ピカチュウ...」
          サトシは涙を流した。

          ピカチュウの住処となるピカチュウの楽園。 その森でリユニオンのラトスを倒したサトシ達。 大切なポケモンはいつも一緒だと言
          う事は分かるだろう。 再び一緒になる事が出来たピカチュウとサトシは、目的を目指すために旅は続く。
          続くったら続く。