ポケットモンスター小説版
          第111話 ポケモンサーカスのバリヤード(前編)

          トキワシティで最後のバッジ、グリーンバッジをゲットしたサトシ達は、ポケモンリーグに出場するため、マサラタウンに戻る。 そ
          こで修行が必要であり、サトシ達はマサラタウンへ向かう。

          カスミ「ねえ、マサラタウンってどう言う所なの?」
          サトシ「ちょっとした田舎町なんだ。 オーキド博士の研究所もあるけどね。」
          タケシ「一度行ってみたいな、サトシの故郷。」
          シゲル「見学なら別にしてもいいぜ?」
          ブルー「あたし達の町はとてもいい町なのよ!」
          サムライ「じゃ、着いたら遠慮なく…」
          バーーーン!! サトシは何かに激突した!
          サトシ「ぶ!?」
          ピカチュウ「ピカピ!?」
          シャワーズ「サトシ、大丈夫!?」
          サトシ「いてててて…あ、ああ、大丈夫。」
          サクラ「どうしたのよ、いきなり?」
          サトシ「いや、よく分からないけど、前に何かあるんだよ。」
          アヤメ「前に何かある?」
          ボタン「何も見えないわよ?」
          サトシ「そりゃよく見えないけど、なんかあるんだよ。 ほら、前にだって進めないし…」
          サトシは手を何かで押さえ、前に進めない。 正しく何かが目の前にあるようだ。
          アキラ「そう言えば、サトシの行動を見てみると、進めないように見えるな?」
          セイヨ「前に何かあるのかしら?」
          ジュン「でも何も見えませんよ?」
          ???「あ、君達!」
          全員「え?」
          サトシ達の後ろにある女性が現れた。 手に鞭を持っていて、どうやらエリート
          トレーナーのようだ。
          タケシ「おー!! 奇麗なお姉さん!」
          ブルーザー「まただな。」
          ルミカ「あら、私と同じエリートトレーナーでございますわ!」
          ???「あのー、君達トレーナー?」
          サトシ「え? ああ、そうだけど?」
          ???「そうなの! よかったー。 私はアツコ。 ポケモンサーカスの団長なの!」
          全員「ポケモンサーカス?」
          アツコ「説明は後にするから、ちょっと頼みがあるの。 私が追ってるバリヤード、
          ゲットしてくれないかしら?」
          全員「バリヤード?」
          アツコ「ほら、貴方達の上にいるポケモンよ!」
          全員「え!?」
          サトシ達は上を見上げた。 そこには何と、バリヤードがいた!
          ダイスケ「な、何!? あんな所に!?」
          サトシ「あれがバリヤード?」

          ポケモン図鑑「バリヤード・バリアーポケモン・人を信じ込ませるのが上手い。 パント
             マイムで作った壁が本当に現れると言う。 パントマイムが得意でいつ
             でも練習している。 ない物でもそこにあると信じ込ませる。」

          マチス「でも、ウォールに上ってるぞ?」
          アツコ「あのバリヤード、壁を作って上ってるの。 逃げるためなら、あー言う事をする
          の。」
          エリカ「え!? じゃあ、私達の目の前にある物は、壁ですの!?」
          ナツメ「そうみたいね。 バリヤードは「リフレクター」、「バリアー」と「光の壁」の
          プロだからね。 防御系の技の使い手なのよ。」
          キョウ「そのポケモンをゲットして欲しいのでござるか?」
          アツコ「そう! 私のポケモンじゃ、無理だから、お願い! 代わりにゲットして!」
          サトシ「よーし、それならゲットしてやるぜ!」
          ナツメ「私も手伝うわ! 行け、ナッシー!」
          ナッシー「ナッシー!」
          サトシ「ピカチュウ、「10万ボルト」!」
          ナツメ「ナッシー、「玉投げ」!」
          ピカチュウ「ピッカッチュウーーーーー!!!!」
          ナッシー「ナッシナッシーーー!!!!」
          ビリリリリリリリリ!! ピカチュウの「10万ボルト」!
          ボンボンボンボン!! ナッシーの「玉投げ」! 2つの攻撃は同時にバリヤードに
          攻めてきた!
          バリヤード「バリ!? バリー!!」
          ガチーーーーン!! バリヤードの「光の壁」!
          バキューーーン!! ピカチュウとナッシーの攻撃が弾き飛ばされた!
          サトシ「え!? 「光の壁」!?」
          ナツメ「やっぱり攻撃は無理ね。」
          その時デルヴァは壁を調べていた。
          2人「ん?」
          デルヴァ「ほほう、これがバリヤードの壁か。 さすがに出来たもんだなー。 どれどれ?」
          ドス! デルヴァは壁を押した。
          グラ…その時さっきの衝撃で壁が揺れ始めた!
          バリヤード「バリ?」
          と思いっきり壁は倒れた!
          バリヤード「バリーーーーーーー!!!」
          ドンガラガッシャーーーーン!!! 壁は落ち、バリヤードも落ちた!
          デルヴァ「い!?」
          全員「げ!!!」
          バリヤード「バリ〜〜〜…」
          壁と共に倒れたバリヤードの目はくるくる回っていた。
          デルヴァ「あ…あはははは…やっちまった…」
          アヤ「す、すごい押し倒し…」
          全員は汗をたらしていた。
          バリヤード「バ…リ…」
          バリヤードは弱りながら立ち上がった。
          サトシ「よし、完全に弱ってるぜ! 今の内に、ハイパーボール!」
          サトシはハイパーボールを投げた!
          バリヤード「バリ!? バリバリ!」
          バシュン!! バリヤードの「念力」! ハイパーボールは弾き飛ばされた!
          サトシ「あ!!」
          シャワーズ「まだ攻撃する力があるみたいだね。」
          サトシ「くそー、だったらもう1回攻撃…」
          バリヤード「バリバリ!」
          バリヤードは素早く逃げてしまった。
          サトシ「あ!! 逃げちゃった…」
          シャワーズ「残念。」
          アツコ「あーあ、また逃げちゃったね。」
          サトシ「あのー、ごめんなさい。 バリヤードを逃がしちゃって…」
          アツコ「あ、いいのよ! 気にしないで! その内ゲット出来るから!」
          フウコ「ところで何でそんなにバリヤードが欲しいの?」
          アツコ「あ、うちのサーカスに来ないかしら? 説明ならそこで言うから。」
          カスミ「サーカス!? 行く行く! あたし絶対行く! ねえ、一度行ってみましょう
          よ!」
          サトシ「そうだな! どう言う所か見てみたいし、早速行ってみようぜ!」
          全員「おう!」

          ―ポケモンサーカス―

          サーカスの舞台には、様々なポケモン達がいた。 ポケモン達はサーカスの団員達と練習していた。
          カスミ「うわー! すごいポケモン達だわー!」
          ブルー「あー言うポケモン達をサーカスに出すのね?」
          アツコ「ええ、そうよ。」
          ドリオ「ふーん、まるでララミー族ポケモン保護区と似た物だな。」
          キース「で、バリヤードの事を説明してくれないか?」
          アツコ「あ、うん。 実は、私達サーカス団は、ここでサーカスを開こうとしてるの。 
          私達は子供達を喜ばせようと、このサーカスを開いたの。 でも、あの
          バリヤードがなかなかやる気出さないの。」
          マサ「へ? じゃあ、あのバリヤードはアツコさんの!?」
          アツコ「うん。 この前ゲットしたポケモンなんだけど、なかなか言う事聞いてくれ
          ないの。 他のポケモン達と違って、不真面目なポケモンなの。 練習させよう
          とするとすぐにサボるし、やっぱり私って、トレーナーのレベルが低いのかな?」
          ミサ「別にそうとは思わないわよ。」
          カスミ「まあ、レベル低いほどと言えばサトシぐらいだし…」
          サトシ「何だと!?」
          イミテ「まあまあ、落ち着いて! サトシのリザードンの事はまた後にしようよ!」
          アツコ「でも、余りにも逃げ捲くるし、私がゲットしようとするとすぐにモンスター
          ボール弾き飛ばすし、バリヤードがいないと出来ないのよ。 だって公開は明日
          までなのに…」
          ライゾウ「明日!? それじゃあ間に合わないじゃないかよ!」
          タイチ「だとしたら、早くゲットしないとね!」
          アツコ「うん。 でもどうしよう。 バリヤードまた逃げちゃったし、バリヤードの
          代わりに何でサーカス公開するのかしら?」
          アツコは悩み始めた。
          タケシ「バリヤードの変わりに出来る奴なら、1人います!」
          アツコ「え!? それって!?」
          タケシ「それは…」
          キラリ! タケシの目が光った!
          タケシ「サトシ、お前だ!!」
          サトシ「え!?」
          タケシ「お前なら彼女のために出演できる! 彼女のために出演してくれ!」
          タケシは思いっきりサトシを方を掴んだ。
          サトシ「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 何で俺なんだよ!? 何で俺がバリヤードの
          代わりに出演しなきゃ行けないんだよ!? 第一、俺はポケモンじゃない
          ぜ!?」
          タケシ「お前はバリヤードになりきればいいんだよ! 何しろバリヤードはパントマイム
          に得意! だからお前はパントマイムぐらいすればいいんだよ! 後、お前
          ポケモンじゃないから、これ着ても分からないだろ?」
          タケシはリュックの中からバリヤードの着ぐるみを出した。
          サトシ「げ!?」
          タケシ「こいつを着てりゃ、お前はポケモンじゃない事がばれない! 便利な変装だぜ!」
          ミズキ「た、タケシさん、それ、いつ作ったんですか?」
          タケシ「え? ちょうど10分ぐらい…」
          アツシ「10分ぐらい!? あんな早く!?」
          ヤス「やっぱりタケシは分からん奴だ…」
          タケシ「どう思います、アツコさん?」
          カズ「そんなの無理に決まってるだろ?」
          ケイタ「そうそう。 だって着ぐるみで出演なんて絶対ばればれ…」
          アツコ「これだわ! これならバリヤードの代わりに出演できるわ!」
          サトシ「え!?」
          ケイタ「さ、賛成してる…」
          サトシ「ちょっと…だったらナツメさんにしてよ! ナツメさんならバリヤード持ってる
          でしょ? だってエスパーだから。」
          ナツメ「ごめん。 私そのポケモン見た事もあるんだけど、ゲットした事がないの。 
          だから持ってないの。 ごめんね!」
          サトシ「え!? そ、そんなー…」
          アツコ「サトシ君、お願い! バリヤードの代わりに出演して! このサーカスに命が
          掛かってるの! だから、お願い!」
          サトシ「い…う…しょ、しょうがないなー。 じゃあ、1回だけだよ?」
          アツコ「ホントに!? ありがとう、サトシ君!」
          タケシ「じゃあ、試しにこれ着てみてよ!」
          サトシ「え〜!? しょうがないなー…」

          ―3分後―

          サトシはバリヤードの着ぐるみを着ながら戻ってきた。
          サトシ「どう?」
          サトシの動きは何だか、ずれている。
          カスミ「あははははは!! 変な格好!」
          ブルー「本当に、変な格好、あははははははは!!」
          カスミとブルー以外、中間達は笑いを堪えようとする。 そして頭に来たサトシは
          バリヤードの頭であるヘッドパーツを外した。
          サトシ「何が可笑しいんだよ!? じゃあ、やらない方がいいって言えばよかったの
          か!?」
          カツラ「いや、別にそう言う風に言ってるわけではないが…」
          アツコ「すごい似合うわ、サトシ君! 正しくバリヤードとそっくりよ!」
          サトシ「え!?」
          コゴロウ「(き、気に入ってる…)」
          サトシ「そ、そうですか? 別に似合わないと思いますけど…」
          アツコ「いいえ! 絶対に似合うわ! これなら、サーカスも無事に開かれるわ! 
          じゃあ、サトシ君! 早速特訓よ!」
          サトシ「え? 何の特訓?」
          アツコ「決まってるでしょ! 明日はサーカス公開の日! バリヤードらしくなるために
          する特訓よ! 今日中にやらなきゃ行けない特訓だから、がんばって学びなさい
          よ!」
          サトシ「えーーー!? そ、そんなーーー…」
          クリスティ「まあ、アツコさんのためだから、今日中に終わらせようよ!」
          サトシ「しょうがないな〜。 じゃあ、行くよ?」
          サトシはヘッドパーツを着けた。
          アツコ「それでは、行くわよ!」

          ―数分後―

          アツコ「ほら! 何やってるの! ちゃんとやりなさい!」
          ビシ!! アツコは鞭を地面に叩いた!
          サトシ「わ!! ちょ、ちょっと、俺はポケモンじゃないから優しく…」
          アツコ「ポケモンじゃなくてもバリヤードの行動を学ばないと行けないでしょ? だから
          厳しく特訓するの! ほら、もう1回!」
          ビシ!! アツコは再び鞭を地面に叩いた。
          サトシ「ひ!!」
          その時仲間達は、客席でサトシとアツコの特訓を見ていた。
          カルロス「ひぇーーー、さすがに厳しい特訓だなー。」
          ブレイク「アツコって優しく見えるんだけど、時には厳しくなるんだな。」
          アシュラ「まるでアキラ殿でござるな。」
          アキラ「え?」
          シャワーズ「でもサトシ、大丈夫かな?」
          ピカチュウ「ピッピカピカ。」

          ―サーカスの離れ―

          サーカスの離れに、双眼鏡でサトシ達を覗いていたロケット団がいた。
          ムサシ「あれがバリヤード…」
          コジロウ「かなり珍しいポケモン…」
          ニャース「あのポケモンをゲットすれば、ボスもきっと喜ぶニャ!」
          ムサシ「そうよ! 何しろバリヤードはポケモンの中でも珍しいポケモンだもの!」
          コジロウ「ゲットすれば、出世間違いなし!」
          ニャース「早速作戦開始ニャ!」
          ロケット団「おう!」

          ―サーカスの楽屋―

          サトシは楽屋の中で椅子に座りながら倒れ込んでいた。 部屋にはゼトラとデルヴァがいた。
          サトシ「はー、何て厳しい特訓なんだ…」
          ゼトラ「まあ、断れる事は出来ないし、仕方ないさ。 どうせバリヤードの行動なんて
          見た事もないし。」
          デルヴァ「これは厳しいほど当然の事だからな。」
          サトシ「はー、俺明日まで生きれるかなー?」
          ゼトラ「ハッハッハッハ! 何死ぬような事言ってるんだ? 特訓で死ぬ奴なんて普段
          いないぜ?」
          デルヴァ「そうそう! 明日はちゃんと生きてるぜ!」
          サトシ「そこまで言ってくれるなら嬉しいけど、やっぱり気が済まないな…」
          ゼトラ「でも、明日は無事に出演できるかって言う話だけどな。」
          デルヴァ「そう。 間違えたら子供達の喜びが丸潰れになるからな!」
          サトシ「そうだな。 がんばらなきゃ行けないもんな。」
          ガチャ! 楽屋のドアが開き、そこからアツコが出てきた。
          アツコ「サトシ君! 休憩時間終わりよ! 早速特訓の続きするわよ!」
          サトシ「あ、はいはい!」
          サトシはヘッドパーツを着け、楽屋に出た。 ゼトラと
          デルヴァも楽屋に出た。
          ―ステージ―

          アツコ「さあ、特訓の続きを…」
          シュルルルルル! ガシ!! 突然謎の紐が現れ、サトシはそれに巻かれてしまった!
          サトシ「な!?」
          アツコ「あ、サトシ君!!」
          ゼトラ「な、何だ!?」
          デルヴァ「何が起こってんだ!?」
          ムサシ「何だかんだと聞かれたら…」
          コジロウ「答えてあげるが世の情け…」
          ムサシ「世界の破壊を防ぐため…」
          コジロウ「世界の平和を守るため…」
          ムサシ「愛と真実の悪を貫く…」
          コジロウ「ラブリーチャーミーな敵役…」
          ムサシ「ムサシ!」
          コジロウ「コジロウ!」
          ムサシ「銀河を駆けるロケット団の2人には…」
          コジロウ「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」
          ニャース「ニャーンてニャ!」
          全員「ロケット団!?」
          ニャース「ニャッハッハッハ! 残念ながらこのバリヤードは、我らロケット団が頂く
           ニャ!」
          ゼトラ「何!?」
          コジロウ「マタドガス、「煙幕」だ!」
          マタドガス「マータドガーーース!」
          ブシューーーー!! マタドガスの「煙幕」!
          アツコ「ゴホゴホ! な、何これ!?」
          ゼトラ「ま、またあの汚い技…!」
          デルヴァ「く、何も見えない!」
          その時煙は止み、ロケット団とサトシの姿が消えた!
          全員「あ、いない!?」
          デルヴァ「くそ! 逃げられちまったか!」
          アツコ「ど、どうしよう…このままじゃ…」
          ゼトラ「心配するな。 奴はそう簡単に捕まる奴じゃない。」
          アツコ「え?」
          ゼトラ「とにかく、仲間達に連絡しよう!」
          アツコ「う、うん!」
          デルヴァ「分かったぜ!」

          ―ポケモン牧場―

          団員「ここはポケモン達の世話をする牧場なの!」
          ブルー「へぇー、ここがそうなんだ!」
          シゲル「すげー場所だな。」
          タケシ「もちろん団員さんも奇麗なお姉さんだ…」
          ブルーザー「お前なー…」
          アツコ「みんなー!」
          ゼトラ達が来た。
          カスミ「あ、アツコさん! それにゼトラとデルヴァ! どうしたの?」
          タケシ「アツコさん、どうしたんですか? 特訓終わったんですか?」
          ゼトラ「今、大変な事が起こった!」
          デルヴァ「サトシは、ロケット団に連れ去られた!」
          全員「何だって!?」

          ―ある小屋、多分ロケット団秘密基地―

          バリヤードの着ぐるみを着たままのサトシは、紐に巻かれていた。 その前にロケット団がいた。
          ムサシ「オーッホッホッホッホ! 作戦大成功! 何だかいい感じー♪」
          コジロウ「こんな作戦が成功だなんて、今までなかったぜ!」
          ニャース「これならボスが喜ぶニャース!」
          サトシ「(な、何だあいつら? 俺がバリヤードだと勘違いしてるのか?)」
          ムサシ「ボスが何て言うか楽しみだわ!」
          コジロウ「出世その次にお給料もドーンっと! 早くボスに見せたいぜ!」
          ニャース「ちょーっと待つニャ! その前にさっきのサーカスにいるポケモンを全部
           ゲットするのがもっといい考えじゃニャいか?」
          ムサシ「何でよ!? バリヤード1匹で十分じゃない!」
          ニャース「何を言ってるニャ! サーカスのポケモンを全部ゲットすれば、もっと
           ボーナスが貰えるんじゃニャいか!」
          コジロウ「おー! つまりポケモンが多いほど給料も多いって訳か!」
          ニャース「そうニャ!」
          ムサシ「そんな考えがあるなら、早速作戦開始ね!」
          コジロウ「念のためにいいメカだって作っておいたもんな! 早速行こうぜ!」
          ニャース「いい感じになりそうだニャー!」
          ロケット団は小屋から出た。
          サトシ「あいつら、アツコさんのポケモンを盗もうとしてる! 早くみんなに報せないと
          …でもどうやってこの縄から出られるんだ!? ポケモンだって今もってないし
          …ん?」
          サトシは壁に尖った釘を発見した。
          サトシ「よーし、あれで切ってみよう!」
          ギリギリギリギリ…サトシは必死に紐を釘に突き、少しずつ切り始めた。
          サトシ「後、もう少し…」
          ブチ! 紐が切り裂いた!
          サトシ「よし! 後サーカスに戻るだけ…あ、待てよ? あのバリヤードも探してみよう! 
          あいつなら、アツコさんとサーカスを救ってくれるかも! でもどこに
          いるんだ? あ、そうだ! ポケモン図鑑で調べてみよう! 確かこのパワー
          アップしたポケモン図鑑に「ポケモン生息分布機能」も持ってるはずだ! これ
          であのバリヤードを調べれば、どこにいるか分かるはず!」
          サトシは早速ポケモン図鑑を調べ、バリヤードの生息分布機能を調べた。 その時
          バリヤードのレーダーがマップに写った!
          サトシ「あ、写った写った! ん?」
          ポケモン図鑑のポケモン生息分布機能で調べてみると、バリヤードはカントー地方マップの西南辺りに写った。 しかもある町の
          中らしい。
          サトシ「あの町は…マサラタウン!? バリヤードはあそこにいるのか!? でも、ここ
          からだと遠いからな。 何かないかな? ドードリオなら素早くマサラタウンに
          行かれるけど、ポケモンが持っていない限りマサラタウンに戻れない。 後
          飛行系ポケモンの「空を飛ぶ」だって使えないし…どうすれば…ん?」
          サトシは窓の外を見て、外にロケット団のニャース型気球があった!
          サトシ「あれは、ロケット団の気球! あいつら乗らなかったんだな! あれ? 
          だとしたら、あいつら何で行ったんだ? まあいいか! 気球に乗ってマサラ
          タウンに戻ろう!」
          サトシは急いで小屋から出て、気球に乗った。
          ボーーーーーー!! サトシは気球に炎を吹かせ、気球は空に浮いた。 そして気球に
          乗ったサトシは、真っ直ぐマサラタウンへ向かった。


          ―マサラタウン―

          サトシはマサラタウンの上空にいた。
          サトシ「いやー、懐かしい我が故郷、マサラタウン! ママとオーキド博士、後アオイ
          姉ちゃんどうしたのかなー? …て、そんな事言ってる場合じゃないや! 
          えーっと、バリヤードはどこに…」
          ピコンピコンピコンピコン! レーダーは早くも反応した!
          サトシ「あれ? レーダーの反応が早くなってる。 て事は、すぐ下?」
          サトシは下を見た。 どうやらバリヤードはある家の中にいるようだ。
          サトシ「あ、あれは、俺の家!?」
          気付いたらその家はサトシの家だった! そして気球は下り、サトシは気球から出た。
          サトシ「何でバリヤードが俺の家に? とにかく、中に入ろう!」
          サトシは家の中に入った。
          サトシ「ただいまー。」
          でも家の中は人気も感じなかった。 どうやら誰もいないようだ。
          サトシ「あれ? ママいないのかな? だとしたら、この家にいるのはバリヤードだけか。 
          よし、さっそく調べよう!」
          サトシは最初にリビングに入った。
          サトシ「あ!」
          何とリビングの中には、ソファの上に座ってショートケーキを食べていたバリヤードが
          いた!
          バリヤード「バリバリー♪」
          サトシ「バリヤード!!」
          バリヤード「バリ!?」
          サトシは一応ポケモンだと勘違いしないように、ヘッドパーツを外した。
          サトシ「バリヤード、俺はお前のご主人の知り合いだ! お前のご主人、今大変な事に
          なってるんだ! ロケット団がお前のご主人のポケモン達を奪おうと
          してるんだ!」
          バリヤード「バリ!?」
          サトシ「だから急いでサーカスに戻らないと、ポケモン達とお前のご主人が危ない! 俺
          と一緒に付いて来てくれ!」
          バリヤード「バ…バリ!!」
          バリヤードは頭を振った。 どうやら断ってるようだ。
          サトシ「え!? な、何でだよ!?」
          バリヤード「…………」
          サトシ「まさか、お前ご主人のアツコさんの事嫌いなのか? いつも厳しく特訓してる
          からか? それとも違うのか?」
          バリヤード「バリ…」
          サトシ「バリヤード、よく聞け。 例えお前が主人にどう言う風に思っても、それは事実
          じゃない。 何しろ、お前が思ってる事は間違ってる。 アツコさんは本当は
          お前の事が好きなんだよ! お前がいれば、サーカスは救われるんだ! 
          アツコさんは子供達のためにお前をゲットしたんだ! アツコさんはお前の事を
          嫌ってない。 お前の事が一番好きなんだよ。 だから信じてくれ。」
          バリヤード「……………」
          サトシ「どうする? 行かないのか?」
          バリヤード「…バリ!」
          どうやらバリヤードは一緒に行く事を決意した。
          サトシ「行くのか! よーし、急いでサーカスに戻ろう!」
          バリヤード「バリ!」
          サトシとバリヤードは急いで気球に乗った。
          ボーーーーー!! サトシは気球に炎を吹かせ、気球は空に浮いた。 そして気球に
          乗ったサトシとバリヤードは、真っ直ぐサーカスへ戻った。

          ―サーカス―

          ブルーザー「どうだ? 見つかったか?」
          サムライ「いや、見つからないでござる。」
          アキラ「こっちもだ。」
          シュンシュンシュンシュン! コゴロウ、ブレイク、ゼトラとデルヴァは一瞬に姿を
          現した。
          カルロス「そっちはどうだ?」
          コゴロウ「こっち近くの川に調べたけど、見つからないぜ。」
          ブレイク「山の中に行ったが、いなかった。」
          ゼトラ「俺とデルヴァは森の中に調べたが、どこにも見当たらない。」
          デルヴァ「俺も同じだ。」
          シゲル「くそー、ロケット団の奴ら、何でサトシを攫ったんだ!?」
          アツコ「ロケット団はサトシ訓の事をバリヤードだと勘違いして攫ったのよ。」
          ダイスケ「こりゃタケシがあの着ぐるみを作ったのは悪かったみたいだな。」
          タケシ「何で俺のせいにするんだよ!?」
          カスミ「でもサトシ、大丈夫かしら?」
          ブルー「何だか心配するわ…」
          シャワーズ「僕もそう思う。」
          ピカチュウ「ピカ…」
          サクラ「心配しないで、カスミ。 サトシはきっと無事よ!」
          アヤメ「そうよ。 サトシはそう簡単に捕まる奴じゃないわよ!」
          ジュン「あのー、あれは何ですか?」
          全員「え?」
          ジュンは空に浮いている妙な物に指した。 全員はそちらへ向いた。
          ボタン「そう言えば、あれって何だろう?」
          セイヨ「ねえ、あれって、ニャース型気球?」
          全員「え!?」
          気付いたら、あの謎の物体はニャース型気球だった!
          マチス「まさかロケット団!?」
          クリスティ「何しにここに戻ってきたの!?」
          シゲル「とにかくみんな、ポケモンを用意しろ!」
          仲間達はモンスターボールを用意した。
          ドスーーーン! 気球は下り、地面に着いた。 そこからサトシとバリヤードが出てきた!
          サトシ「ヤッホー、みんな!」
          全員「サトシ!?」
          アツコ「それに、バリヤード!?」
          シャワーズ「サトシー!」
          ピカチュウ「ピカピー!」
          ピカチュウとシャワーズはサトシに飛び掛かって来た。 そしてサトシはピカチュウと
          シャワーズを抱いた。
          サトシ「あははは! ごめんな、心配して!」
          カスミ「サトシ、無事だったのね!?」
          ブルー「無事でよかった!」
          デルヴァ「全く、心配かけてよう!」
          サトシ「みんな、心配かけてごめんな!」
          ナツメ「ねえ、そのバリヤードは?」
          サトシ「あ、こいつ? 俺に一度マサラタウンに戻ったんだ。 そしたら俺の家にこいつ
          がいてね。 ちょっとした説得で着いてきてやったんだよ! どう言う説得かは、
          後で言うから。」
          エリカ「じゃあ、この気球は何なんでしょうか?」
          サトシ「あ、これ? ロケット団これ使ってなかったから、勝手に使ったんだよ。 あ、
          忘れてた! みんな、大変なんだ! 今ロケット団はこっちに向かってくる! 
          狙いはこのサーカスのポケモン達だ!」
          全員「何だって!?」
          団員「団長、大変ですー!」
          アツコ「何、どうしたの?」
          団員「大変です! 牧場にいるポケモン達が、何者かに捕まっています!」
          アツコ「何ですって!?」
          サトシ「奴らが来たか! とにかく、牧場に行こう!」

          ―牧場―

          サトシ達は牧場に着いた。 気付いたらポケモン達は網に包まれていた!
          アツコ「こ、これは一体!?」
          団員「それが、変なミサイルがこっちに撃って来て、突然爆発して、こんな網がポケモン
             包まれたのです。」
          サトシ「アツコさん、これはロケット団の仕業だよ!」
          アツコ「何ですって!?」
          ゴゴゴゴゴゴゴゴ… 何かの音がサトシ達に近づいてくる。
          キョウ「な、何事でござるか?」
          アヤ「な、何の音?」
          その音の方向を見たら、何とそこには戦車が現れた!
          フウコ「な、何なのあれ!?」
          シュンシュンシュン! 戦車の中からロケット団が現れた!
          ムサシ「何だかんだと聞かれたら…」
          コジロウ「それ前に言ったからもういいの!」
          ムサシ「あ、そうでした。」
          ルミカ「あーら、コジロウ様ですわー!」
          コゴロウ「それは後にしな!」
          ルミカ「いや〜ん!」
          ニャース「ここのポケモン達は、我らロケット団が全部頂くニャ!」
          全員「何だって!?」
          ムサシ「このサーカスには珍しいポケモン勢揃い! 珍しければゲットしたい! だから、
          あたし達はここのポケモン達を奪いに来たのよ!」
          コジロウ「それに聞いて驚くがいい! ここのバリヤードはもう俺達がゲットしたんだ
           からな! 残念だったな!」
          ドリオ「バリヤードって、こいつの事か?」
          サトシ「あ、俺の事を言ってるかも。」
          と言った後、ロケット団はそこにバリヤード本人がいたと気付いた。
          ムサシ「え!? バリヤード!?」
          コジロウ「え!? バカな!? 確か俺達の小屋で留守番してたはず!?」
          ニャース「ニャンでここに!?」
          サトシ「ああ、あのバリヤードは俺だったんだよ! 着ぐるみを着てね! 無事に脱出
          したんだよ! 残念ながら、本物はこっちだ! ついでにお前達が置いてきた
          気球、ありがたく使っておいたぜ!」
          ニャース「ニャニ!? 本物はあのバリヤードだとー!? しかもニャー達の気球を勝手
           に使っただとー!?」
          ムサシ「こうなったら本物のバリヤードをゲットするわよ!」
          コジロウ「おう!」
          ロケット団は戦車の中に入った。
          ヴィーーーン、ガチャ! 戦車の大砲はサトシ達に向けた!
          マサ「げ!!! こっちに撃つつもりだ!!」
          ミサ「兄貴、姉御、やめてください!」
          ムサシ「それでは、ネットミサイル発射準備!」
          バリヤード「バ…バリ…」
          とその時、バリヤードの前にアツコが出てきた!
          全員「え!?」
          ロケット団は戦車のスピーカーで話しかけた。
          ムサシ『ちょっとあんた、退きなさい!』
          コジロウ『お前まで捕まっちまうぞ!』
          アツコ「そんな事はさせないわ! バリヤードは私の大切なポケモン! 一番大切な
          ポケモンよ! 私の大切なポケモンは、誰にも渡さない! 例えあんた達でも
          ね!」
          サトシ「アツコさん…」
          バリヤード「バ、バリ…」
          バリヤードはアツコの言葉と庇った事で感動した。 バリヤードはサトシの言う通りだと、心から思っていた。
          ニャース『ニャニカッコ付けてるニャ!? 早く退かないとミサイル撃つニャ!』
          アツコ「絶対に退かないわ!」
          コジロウ『早く退かないとお前危ない…』
          ポチ! コジロウは間違えて発射ボタンを押した。
          コジロウ『あ…』
          ロケット団『あーーーーーーーーーー!!!!』
          全員「え?」
          ドーーーーーーーン!!! ミサイルが発射した!
          サトシ「アツコさん!!」
          アツコ「きゃーーーー!!!」
          バリヤード「バリ!!」
          カチーーーーン!! バリヤードの「バリアー」!
          ドカーーーーーン!!! ミサイルは爆発し、アツコは「バリアー」に守られた!
          全員「え!?」
          アツコ「え?」
          バリヤード「バリ、バリバ?」
          アツコ「ば、バリヤード? バリヤードが私を…?」
          バリヤード「バリ!」
          アツコ「ば、バリヤード…」
          アツコの目から涙が出た。
          ムサシ「おバカ! さっきのミサイルは爆薬ミサイルじゃないの! 何でそんなの撃った
          のよ!?」
          コジロウ「ご、ごめんごめん! わざとじゃないんだよ! 手がいきなり滑って…」
          ニャース「言い訳にニャらニャいニャ!」
          バリヤード「バリ!!」
          バリヤードはロケット団に睨みついた!
          ロケット団「へ?」
          バリヤード「バリーーーーーーー!!!」
          カチカチカチカチーーーーーーン!!!! バリヤードの「光の壁」! バリヤードの
          攻撃で、戦車は「光の壁」の中に包まれた!
          ムサシ「な、何なのこれ!?」
          コジロウ「「光の壁」に包まれた!」
          ニャース「出られニャいニャ!」
          イミテ「す、すごいわ! バリヤードにこんな事も出来るなんて、すごいわ!」
          サトシ「よーし、次は俺だ! さっきはよくもやったな! 借りを返してやるぜ! 
          マルマイン、君に決めた!」
          マルマイン「マルル!」
          マルマインは「光の壁」の中に入ってしまった。
          ロケット団「え!?」
          サトシ「マルマイン! 「大爆発」!」
          マルマイン「マルルルルーーーーーーー!!!」
          ロケット団「わーーーーー!!!! やめてくれーーーーーーーーー!!!!!」
          ドカーーーーーーーーーーン!!!!! マルマインの「大爆発」! ロケット団は吹き飛ばされた!
          ロケット団「やな感じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
          キラ!
          タイチ「すごいよ、バリヤード! 「光の壁」であんな事も出来るなんてすごいよ!」
          ライゾウ「さすがにすごいぜ、バリヤード!」
          アツコ「バリヤード、ありがとう!」
          アツコはバリヤードを抱き締めた。
          バリヤード「バリ!」
          サトシ「ま、これでサーカスは救った事だし、これで一件落着!」
          ???「このまま終わらせるのはちょっと困るんだけどな。」
          全員「え!?」
          ドカーーーーーーーン!!!! 近くに爆発が起きた!
          ミズキ「な、何だ!?」
          アツシ「何が起こったんだ!?」
          ???「クックックック…ここがポケモンサーカスか…」

          突然謎の敵が姿を現した! 果たして、この人物の正体とは!?
          続く!