ポケットモンスター小説版
          第126話 ガラガラの骨棍棒

          ハナダの洞窟でミュウツーをゲットし、新たなる仲間を更に増やしたサトシ達。 リーグ
          の日まで後もう少し…なのだが…サトシ達は今オーキド博士の研究所にいる。

          サトシ「博士、俺達は長くも自主トレし続けました。 おかげで俺のポケモンも、
              ピカチュウとシャワーズも、十分にレベルアップしながら強くなりました。 
              でも、リーグの日までまだありますから、この先自主トレし続きたいと…」
          オーキド「バカ者ーーーーー!!!」
          全員「うわ!?」
          シゲル「な、何怒ってんだじいさん!?」
          オーキド「何を言っとるのかね!? リーグは来週からじゃぞ!!」
          全員「え!?」
          オーキド「イエロー君なんかもうとっくにセキエイ高原に行ってしまったぞ!」
          全員「えーーーーーーーーーーーー!?」

          ―サトシの家―

          サトシは大急ぎで服とか色々の物をリュックに入れた。
          サトシ「何でリーグは来週からなんだ!? まだ間に合うと思ったのにー!?」
          コゴロウも家にいた。 彼はカレンダーを見ていた。
          コゴロウ「いや、待てよ? 今日は月曜日で、月の最後の日だから、来月…来週の月曜日
               からだ!!」
          サトシ「え!? 何でそれを早く言わなかったんだ!?」
          コゴロウ「だって雑誌には載ってなかったら…まあ、別に気にする事はない。 リーグの 
               日まで後7日間だし、セキエイ高原まではそんなに遠くないし…」
          サトシ「途中に道に迷ったら困るけど…」
          コゴロウ「…やっぱそうだよな。 よし、急ごう!!」
          サトシ「おう!!」

          ―外―

          シゲル達は外で待っていた。
          ブルー「サトシ、早く早く!!」
          サトシ「おうおう!! じゃ、行って来るよ!」
          シゲル「じゃあな、姉ちゃん、じいさん!!」
          サトシ達は素早く走り去った。
          ハナコ「気を付けて行くのよー!」
          バリヤード「バリバリー!」
          アオイ「私達も応援しに行くからねー!」
          オーキド「急いで行くんじゃぞー!」

          ―22番道路―

          ここは22番道路。 この道はセキエイ高原まで続いていて、そこにいたのはサトシ達。

          サトシ「なあ、この道真っ直ぐ行けば、セキエイ高原だよな!?」
          タケシ「ああ、でもタウンマップによると、この道の真っ直ぐにある「チャンピオン
              ロード」って言う場所に通らなきゃいけないんだ!」
          サトシ「チャンピオンロード? どう言う場所なのか知らないけど、とにかく急いで…」
          ???「待てい!!」
          全員「え!?」
          バサ!! その時謎の影が草むらの中から跳んだ!
          サトシ「な!?」
          カスミ「ど、どこにいるの!?」
          アシュラ「上でござる!」
          全員「え!?」
          スタ!! その時上の方に謎の影が降りて来た! その姿は江戸時代風の浪人で、木刀を
          持っていた男だった。 今は戦闘の構えをしている。
          サトシ「誰だ、お前は!?」
          ???「お見受けした所…お主はポケモンリーグに参加する人達であろう…」
          サトシ「は? あ、ああ…」
          サムライ「何なんでござるか、この浪人は?」
          ???「拙者は山に篭り修行をしてきたが…リーグに参加する前に最後のバトルをしたい
              のでござる。 このサイゾウと一勝負せぬか? 負けた者は持ってるバッジを
              全て差し出すと言う事でいかがかな?」
          サトシ「何だって!? そんなのお断りだ!」
          カスミ「そうよ! バッジがないとリーグに参加できないのよ!」
          アキラ「当たり前だ! このバッジは俺達が苦労してやっとここまでゲットした物
              なんだ! お前に渡してたまるかよ!!」
          サトシ「と言うわけで、残念だけどお断りだぜ。 じゃあな。」
          サトシは歩き去ろうとするが…
          サイゾウ「拙者との勝負に逃げるのでござるか?」
          サトシ「ん?」 
          サイゾウ「まあ、所詮リーグの1回戦で負けるのも同じ事でござろう。」
          サトシ「何ーーー!? そこまで言うのなら受けてやろうじゃねえか!! 文句ねえ
              だろ!?」
          サイゾウ「それならよかろう!」
          サトシ「フシギダネ、君に決めた!」
          フシギダネ「ダネーーー!!!」
          サイゾウ「行け、ガラガラ!」
          ガラガラ「ガラガラ!」
          サクラ「相手の使用ポケモンはガラガラのようね?」
          アヤメ「確かに草には弱いけど、相手は手強いわよ!」
          サイゾウ「ガラガラ、「気合だめ」でござる!」
          ガラガラ「ガラ! ………」
          ガラガラの「気合だめ」! ガラガラは武士のような構えをした!
          サトシ「フシギダネ、「つるの鞭」!」
          フシギダネ「ダネダネーーー!!!」
          シュルルルルルル!!! フシギダネの「つるの鞭」!
          サイゾウ「「骨棍棒」!」
          ガラガラ「ガラ!!」
          バシ!!! ガラガラの「骨棍棒」! ガラガラはフシギダネの攻撃を叩き止めた!
          フシギダネ「ダネ!?」
          サトシ「何!?」
          スタタタタタタタタ!!! ガラガラは素早くフシギダネの方へ走った!!
          ズバ!!! ガラガラの「骨棍棒」!
          ヒューーーーー… 風が吹いてきた…
          ドサ!! フシギダネが倒れた!
          フシギダネ「ダネ〜〜〜…」
          ボタン「つ、強い…!!」
          セイヨ「これじゃあ、サトシ君のバッジは…!?」
          サトシ「戻れ、フシギダネ!! シャワーズ、君に決めた!」
          シャワーズ「オッケー!」
          サイゾウ「新しいポケモンを繰り出しても、同じ事でござる! ガラガラ、「骨棍棒」!」
          ガラガラ「ガラ!!」
          サトシ「そうだと思ったら大間違いだ! シャワーズ、「溶ける」攻撃!」
          シャワーズ「了解!」
          バシャーーーーン!! シャワーズの「溶ける」攻撃! シャワーズの地面の上に溶けた!
          スカ! ガラガラの攻撃が外れた!
          ガラガラ「ガラ!?」
          サトシ「シャワーズ、ガラガラの周りを一周するんだ!」
          シャワーズ「ラジャー!」
          シャワーズは命令通り、ガラガラの周りを一周し、水の跡を残した。
          ガラガラ「ガラ?」
          サトシ「よし、出て来い、シャワーズ!」
          バシャーーーーン!! シャワーズは元の姿に戻った!
          シャワーズ「オッケー!」
          サトシ「次はピカチュウ、「電気ショック」!!」
          ピカチュウ「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーーーー!!!!」
          ビリリリリリリリリリリ!!! ピカチュウの「電気ショック」! 攻撃は水の跡に
          当たり、その電力がガラガラに攻める!
          ガラガラ「ガラ〜〜〜…」
          サイゾウ「あー!!」
          サトシ「やったー! 勝利!!」
          ピカチュウ「ピッカ!」
          シャワーズ「やったね!」
          サトシ「うん! ま、と言うわけで、俺の勝ちだぜ!」
          サイゾウは膝と手を落とし、悔しさで泣き出した。
          サイゾウ「くーーー…後もう少しでバッジが手に入るチャンスだったのにー…」
          ジュン「え? 貴方バッジ持ってないんですか!?」
          サトシ「持ってないのにリーグに参加しようなんて、ちょっと図々しいんじゃないの?」
          サイゾウ「いや、最初の内持ってたのでござる…全部8つとも…苦労して集めたので
               ござる…」
          サトシ「…?」
          サイゾウ「このガラガラと二人三脚で、ニビ、ハナダ、クチバ、タマムシ、ヤマブキ、
               セキチク、グレン、そしてトキワジムのジムリーダーを倒し続け、全部バッジ 
               集めたのでござる…8つのバッジを集め、リーグ出場への修行も終わり、いざ
               とリーグ戦と山を降りて来たところ…」

          ここからはサイゾウの回想をお送りします。

          サイゾウはバッジの入った袋を持ちながら、ガラガラと一緒に道に歩いていた。
          サイゾウ「いよいよだな、ガラガラ!」
          ガラガラ「ガラガラ!」
          その時道の先には果物が置いてあった。
          サイゾウ「おー! 目の前に果物が!」
          ギュールルル… サイゾウとガラガラのお腹が鳴った。
          サイゾウ「あははは、そう言えばまだ朝食食べてなかってござるな。」
          ガラガラ「ガラ!」
          サイゾウとガラガラはその果物に近寄った。

          サイゾウ(つい空腹につられて…)

          サイゾウ「うわ!?」
          ドサ!! サイゾウとガラガラは落とし穴に落ち、袋を離してしまった。
          ガシ! 何とその袋はロケット団が手に入れてしまった!
          コジロウ「ハッハッハッハ! 引っ掛かったな!」
          ヤマト「こんな所に普通果物置く訳ないでしょ?」
          コサブロウ「地面に落ちてる食べ物は毒なんだぜ?」
          ムサシ「ところでこれ何かしら?」
          ロケット団は袋の中身を見た。
          ニャース「ほー、ジムバッジだニャ!」
          サノスケ「いい物見付けたぜ! 金庫の中に入れよ!」
          サノスケはバッジを手持ち金庫の中に入れた。
          ニャース「それでは、バイニャらー!」
          ビュン!! ロケット団は逃げた! そしてサイゾウとガラガラは穴から出られた。
          サイゾウ「ふー、やっと出られ…あーーー!!」
          気付いたら袋は空っぽだった。

          以上、回想終了。

          サイゾウ「泥棒にやられて盗まれたのでござる…」
          エリカ「何て酷い事でしょう…」
          ナツメ「せっかく集めたバッジだからね…」

          ダイスケ「でも人のバッジを盗むなんで卑怯だな!」
          マチス「メイビーあのシーフはバッジを使ってリーグにエンターするつもりだぜ!」
          サイゾウ「喋るニャースにしてやられたでござる…」
          サトシ「喋るニャース!?」
          全員「ロケット団!?」
          サイゾウ「うう…バッジ盗まれた限り、もうリーグ出場できないでござる…」
          ピカチュウ「ピカー。」
          シャワーズ「サイゾウさん、落ち込む事ないよ。」
          サトシ「そうだよ! そのバッジ取り返そうぜ! 俺、サイゾウさんの気持ち分かるんだ! 
              思い出の詰まったバッジを奪うなんて、俺そう言う奴許さないぜ!」
          ピカチュウ「ピカ!」
          シャワーズ「そうだよ! 絶対に許さないよ、そう言う奴!」
          サトシ「一緒に探そうぜ、サイゾウさん!」
          サイゾウ「かたじけないでござる!」
          サトシとサイゾウはお互い握手した。

          ―一方ロケット団―

          ロケット団「ハッハッハッハッハ!!」
          ゴエモン「あんな罠に簡単に引っ掛かるなんてバカな奴だぜ!」
          ニャース「セキエイ高原行きの道に落とし穴を作ったのは正解だったニャ!」
          ハンゾウ「でさあ、バッジ見せてくれないかな?」
          ニャース「いいニャ! ちゃんと金庫の中に閉まって置いてあるニャ!」
          ニャースは気球の中に入った。
          ニャース「ニャ!? ニャい、ニャい、ニャい!! バッジがどこにもニャい!!」
          ロケット団「何!?」
          ニャース「おかしいニャー…確かちゃんとここに置いてあったはずニャのに…ニャ? 
               そう言えばムサシは?」
          気付けばムサシが見当たらない。
          ヤマト「そう言えば、どこに行ったのかしら?」
          コジロウ「さっき町まで買い物だって。 四角い風呂敷包みを大事そうに持って行って…」
          ニャース「それだニャ! あいつがバッジを持ってるのニャ!」

          ―一方ムサシ―

          ムサシはバッジの入った金庫入りの風呂敷を持ちながらセキエイ高原へ行こうとする。
          ムサシ「ほほほほ…バッジよバッジ! これでポケモンリーグに出場できるわ。 そこで
              スポットライトで浴びるのは、この美しいあたし!! お祭りはぜひ参加
              しなきゃね! あはははははは!!」

          ―一方サトシ達―

          サトシ「ピジョン、何か分かったか!?」
          ピジョン「ピジョーーー!!」
          キョウ「何か見付かったみたいでござるな?」
          サトシ「とにかく行ってみよう!」
          サトシはピジョンの方向へ走り行った。

          ―一方ロケット団―

          ロケット団は気球に乗り、空を飛んで行った。
          コサブロウ「あいつバッジでリーグ出場する気だな?」
          サノスケ「絶対に逃しゃしねえぜ!」
          ニャース「とにかくムサシを見付け出すニャ!」
          その時サトシ達が現れた!
          サトシ「ロケット団!!」
          ニャース「ニャ?」
          ルミカ「あら! コジロウ様、またお会いしましたわ!」
          コジロウ「げ!! ジャリボーイにルミカ!?」
          サトシ「やっぱりここにいたか!」
          ブレイク「今から落としてやるぜ!」
          バシューーーー!! ブレイクはバスターを撃った!
          バシュ!! ブシューーーー!! 攻撃で気球に穴が開き、空気が出始めた!
          ロケット団「あーーーれーーーーーーーーーーーー!!!!!」
          ドサーーーーーーン!!! 気球が落ちた!
          ゴエモン「いってー…何だよいきなり…?」
          サイゾウ「拙者のバッジ返すでござる!!」
          ロケット団「ひーーー!!」
          ニャース「ニャ、ニャー達も持ってニャいのニャ!!」
          サイゾウ「どう言う事でござる!?」
          サイゾウは木刀を出した。
          ハンゾウ「持ち逃げされたんだよーーー!!」
          カスミ「それなら…抜き打ち持ち物検査!!」

          ―数分後―

          ロケット団は自分達の持ち物を全部出し、サトシ達に見せた。
          コゴロウ「俺は探偵でもあるから、俺が調べさせていただくぜ! えーっと、ニャースの
               は色々あるな…ボールにキャットフードに、色々の猫道具に…ん? 何だ、こ
               のワックスの缶詰は?」
          ニャース「あ、それはニャーの小判を磨くための物だニャ!」
          コゴロウ「あっそ、んじゃ次はコジロウ。 えーっと、壊れたグラサンにヨーヨーに
               などなど…ポケモンカード? しかも全部「第4弾 ロケット団デッキ」…」
          コジロウ「実は、対戦相手がいたら遊んでみたいなーと思って…念のために持って
               来たんだよ。」
          コゴロウ「ふーん、じゃあこのボトルのキャップは?」
          コジロウ「あ、それ? それは王冠! 昔からは趣味でね、今でも集めてるんだよ。」
          コゴロウ「………んじゃ、次はヤマト。 えーっと、カメラにメモ帳にメイクの道具に…
               ん!? これ、「カ○ドキャ○ターさ○ら」の「クロ○カード」セット!?」
          ヤマト「あ、それ? この前本屋で見付けて、すぐに買ったのよ。 それ、なかなか手に
              入らない商品だと聞いたから…」
          コゴロウ「だからここに「カ○ドキャ○ターさ○ら」のコミック11冊も持ってるのか…
               それに全部1〜11巻までだし…」
          コゴロウは側に置いてあった「カ○ドキャ○ターさ○ら」のコミックを見た。
          ヤマト「い、いいじゃない、ファンだから…」
          コゴロウ「まあ、それはいいとして、次はコサブロウ! えーっと、水鉄砲に帽子に
               バッテリにCDプレイヤーに色々に…ん!? CDは安室○美恵!?」
          コサブロウ「ああ、気に入ってる曲がたくさんあるんだよ。 例えば「Toi Et Moi」
                とか…」
          コゴロウ「そうか! お前ファンなのか! 実は俺もなんだよ! 俺もその曲と「Let’s 
               Celebrate」も好きだし、やっぱ感動的な奴が一番…」
          サトシ「コゴロウ!!!」
          コゴロウ「あ…すまんすまん。 次はサノスケの奴っと。 えーっと、虫眼鏡に懐中電灯
               にコンパスに色々…ん? 「ア○メデ○ア」雑誌?」
          サノスケ「ああ、実は俺、集めてるんだよ。 好きなアニメの情報とか色々調べたい
               から…」
          コゴロウ「ふーん、次はゴエモン。 …何じゃこりゃ? 全部ゲームじゃないか!? 
               「ソ○ックア○ベンチャー」に「バイ○ハ○ードCode:Veronica」に、
               「フ○イナルフ○ン○ジー8」に「バ○オハザー○3」に、「カー○ィ64」に
               「ポ○モンス○ジアム2」…システムなしでどうやって遊んでんだ?」
          ゴエモン「あ、殆どアジトで遊んでるんだよ。 用事がない時暇だから…」
          コゴロウ「(んな物置いて行けよ…) さて、最後にハンゾウ! フロッピーディスクに
               ウォークマンにカセットテープにCDプレイヤーになどなど…「デ○モン
               アド○○チャー」のアニメビデオ?」
          ハンゾウ「あ、俺よく見てるんだよ、そのビデオ。 キャラが好きだから…」
          コゴロウ「ふーーーむ。 まあ、色々調べたが…王冠集めをするコジロウの持ち物って
               何だか変過ぎるな。」
          コジロウ「いいじゃないか、コレクションだから!!」
          ケイタ「でもヤマト達ほどじゃないけどな。」
          コジロウ「わ、悪かったな…」
          コゴロウ「まあ、検査の結果、バッジ1つも持っていなさそうだな。」
          ニャース「だから全部ムサシが持って行ったって言ってるニャ!!」
          ガラガラ「ガラ!! ガラガラ!!」
          ガラガラは突然怒り出し、暴れ始めた。
          サイゾウ「ガラガラ、どうした?」
          ニャース「『もうおミャーなんかとコンビを組んでいられニャい』と言ってるニャ!」
          サイゾウ「え!?」
          ガラガラ「ガラガラ!!」
          ニャース「『滝に打たれたり炎の輪を潜ったり、苦労したんだニャ! それもポケモン
               リーグで自分の強さを試したいためニャ! しかしリーグ戦の前にこのざまは
               ニャンニャ!? もうおミャーとはやってられニャい』と言ってるニャ!」
          ガラガラ「ガラ、ガラ!」
          サイゾウ「そんな、待ってくれ!」
          サイゾウはガラガラの肩を触った。
          バシ! だがガラガラはサイゾウの腕を叩いた!
          サイゾウ「あーーーーーー!!!」
          そしてガラガラは歩き去った。
          サイゾウ「が、ガラガラーーーー!!!」

          ―一方ムサシ―

          ムサシはアラビアン風の変装をして、セキエイ高原へ向かう。
          ムサシ「ほほほほ! これならニャース達にばれまい! ん?」
          道の前には岩に座って、手持ち金庫の中身を見ているトレーナーがいた。
          トレーナー「いやー、我ながらよくこれだけバッジを集めたものだ。」
          ムサシ「(ついでにあいつのバッジも頂いちゃおうっと。) あのー、バッジ見せっこ
              しませんか?」
          トレーナー「ん? いいですよ?」
          ムサシ「これが私の!」
          ムサシはバッジを見せた。
          トレーナー「ほー! これはすごいですねー! 僕のもこれです!」
          トレーナーもバッジを見せた。 その時ロケット団の気球が現れた。 ロケット団は気球
          に乗っていて、ニャースは双眼鏡でムサシを見ていた。
          ニャース「あれはムサシだニャ! しかも何と言う変な格してるニャ!?」
          ヤマト「それはロケット団の変装だからね。」
          コジロウ「そう。 今や思い出す…」

          コジロウは記憶の中でムサシと一緒に変装した事を全て思い出す。 24番道路の5人戦士
          のマスター(?)、応援団、サントアンヌ号のボーイ、窓拭きの職人、サトシがタマムシ
          ジムに侵入するために女装していた時の両親、ビューティサロンの美術家、P-1
          グランプリに出場した時の出場者の変装、歌舞伎、新撰組の武士、暴走族、カズジムの
          用心棒、マジシャン、ロックバンド、医者、コジロウの両親の財産を手に入れようとした
          時の黒子、レストランの店員、イギリス風卵商人、消防団、ジュンサー、ポケモン
          検定試験の受験生、グレン島のマーケットの商人、ハナダジムの悪役バレリーナ、そして
          野良仙人の変装をしていた事を思い出す。

          コジロウ「俺達は人を騙すために色々の変装をした。 だが、ムサシの変装で俺達を
               騙そうとしても、このコジロウの目には、騙されないぜ!」
          気球は密かに下りた。
          ムサシ「苦労の連続でしたわ! おほほほほ!」
          トレーナー「僕もですよ!」
          ムサシ「あーーー!!」
          トレーナー「え?」
          トレーナーは後ろに振り向いた。
          ムサシ「ふふ…」
          ムサシはトレーナーのバッジに手を出そうとする。
          ヒュルルルルル! ゴロゴロゴロゴロ… その時謎の爆弾が現れた!
          2人「へ?」
          ドカーーーーーーン!!! 爆弾が爆発し、煙が出て来た!
          2人「うわ!?」
          ムサシ「ケホケホ、な、何なのよ、これ!?」
          コジロウ「何だかんだと聞かれたら…」
          ムサシ「え? 何だかんだと聞かれたら?」
          コジロウ「答えてあげるが世の情け…」
          ムサシ「世界の破壊を防ぐため…」
          コジロウ「世界の平和を守るため…」
          ムサシ「愛と真実の悪を貫く…」
          コジロウ「ラブリーチャーミーな敵役…」
          バッ!! ムサシは変装を投げ捨てた!
          ムサシ「ムサシ!」
          コジロウ「コジロウ!」
          ヤマト「ついでにヤマト!」
          コサブロウ「コサブロウ!」
          ゴエモン「ゴエモン!」
          サノスケ「サノスケ!」
          ハンゾウ「ハンゾウ!」
          ムサシ「銀河を駆けるロケット団の7人(特別)には…」
          コジロウ「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」
          ニャース「ニャーンてニャ!」
          トレーナー「わーーー!! 出たーー、ロケット団!!! お助けーーーーーー!!!」
          トレーナーは素早く逃げ去った。
          ムサシ「げ!! あーーーん、あたしとした事が条件反射のようにやってしまった
              わーーー!!」
          ムサシは号泣した。
          コサブロウ「勝手に1人でリーグなんかに出場しようとするから悪いんだよ。」
          コジロウ「ムサシがいないと、俺達はこの先進められないんだよ!」
          ムサシ「はーーーー!!!」
          ムサシはショックを受けた。
          ムサシ「あ、あたし何てとんでもない事をーーー…」
          ニャース「ニャー達がニャにが起ころうと、ずーっと一緒ニャ!」
          その時サトシ達が現れた!
          サトシ「そこまでだ、ロケット団!」
          カツラ「バッジを返させてもらうぞ!」
          ムサシ「は!! そうは行かないわよ! どうしてもと言うのなら、勝負に勝ってから
              よ!」
          サイゾウ「ここは拙者が行くでござる! あれは拙者のバッジでござる! この手で取り
               返してもらうでござる!」
          アツコ「でも、ガラガラはもういないじゃないの!?」
          サイゾウ「別のポケモンなら持ってるでござる。 出でよ、ドードー!」
          ドードー「ドードーーー!!!」
          ムサシ「行け、アーボック!」
          アーボック「シャーーーボック!!!」
          カツコ「ドードーを使うらしいわね?」
          サトシ「大丈夫かな?」

          ―一方ガラガラ―

          ガラガラは森の中でトボトボと歩いていた。
          ガラガラ「……………」
          その時ガラガラ、道の前にいるトレーナー達とポケモン達がいた。 どうやらそこは
          練習場らしい。 1人のトレーナーはニドラン♂と一緒にジャンプ力の特訓をしていた。
          トレーナー1「いいぞ、ニドラン♂!」
          ニドラン♂「ニド!」
          もう1人のトレーナーはブロックパッドでサワムラーの蹴りの特訓をしていた。
          トレーナー2「これが最後の調整だ! リーグ戦がんばろうな!」
          サワムラー「ムラ!」
          もう1人のトレーナーはグローブでラッキーの「玉投げ」をキャッチしながら特訓して
          いた。
          トレーナー3「いいわよ、ラッキー! この調子でリーグ戦がんばろうね!」
          ラッキー「ラッキー!」
          ガラガラ「……………」

          その時ガラガラの記憶の中にサイゾウの事を思い出した。 リーグ戦に出場するために、
          山でお互い滝に打たれた事を思い出す。
          サイゾウ(拙者もがんばるから、ガラガラもがんばれ!)
          その次に炎の輪を潜った事も思い出す。 そして最後に修行の後、一緒にスイカを食べて
          いた事を思い出す。
          サイゾウ(修行の後のスイカは美味いな!)

          その思い出を思い出したガラガラは、思わず涙を流した。
          ガラガラ「ガラ…ガラ!!」
          ガラガラはサイゾウの所へ戻る事を決意し、走り去った。

          ―一方サトシ達―

          ムサシ「アーボック、「突進」攻撃!」
          アーボック「シャーーーボ!!」
          ドカ!!! アーボックの「突進」攻撃!
          ドードー「ドーーーー!!」
          サイゾウ「げ!! ま、まずい!!」
          サトシ「え? 何が?」
          ドードー「ドードードードー!」
          ドードーの二体の頭は互いケンカし始めた!
          アイ「自分の頭でケンカしてるわ?」
          ヒバリ「これはまずいわね。」
          スバル「ドードーが1度ケンカしたら動けなくなるからな。」
          ムサシ「アーボック、「巻き付く」攻撃!」
          アーボック「シャボ!!」
          ギギギギギギ!! アーボックの「巻き付く」攻撃!
          ドードー「ドーーー!!」
          サイゾウ「しまった!!」
          ムサシ「あたしの勝ちね! 賞品はそのドードーを頂くわ! 行け、モンスター
              ボール!!」
          ムサシはモンスターボールを投げた!
          バキ!! しかし、謎の骨がムサシのモンスターボールを弾き飛ばした!
          全員「え!?」
          その骨の主は、ガラガラのだった!
          全員「ガラガラ!?」
          サイゾウ「戻って来てくれたのか!?」
          ガラガラは頷いた。 そしてサイゾウは感激していた。
          ガラガラ「ガラ!」
          サイゾウ「うん…」
          ツグミ「これなら勝てるわ!」
          カイト「がんばれ、サイゾウさん!」
          サイゾウ「よーし! ガラガラ、「気合だめ」!!」
          ガラガラ「ガラ! ………」
          ガラガラの「気合だめ」!
          ムサシ「アーボック、「突進」攻撃!」
          アーボック「シャーーーー!!」
          サイゾウ「今だ、「骨棍棒」!」
          ガラガラ「ガラ!!!」
          ズッシャーーーー!! ガラガラの「骨棍棒」! 効果は抜群だ!
          アーボック「シャボ!?」
          サイゾウ「ガラガラ、必殺、「骨ブーメラン」!」
          ガラガラ「ガラ!!!」
          ビュンビュンビュンビュン! バキ!!! ガラガラの「骨ブーメラン」! 効果は抜群
          だ!
          アーボック「シャボ〜〜〜…」
          コジロウ「こうなったら行け、マタドガス!」
          ヤマト「ラッタも行くのよ!」
          コサブロウ「マルマインも行け!」
          サノスケ「行け、スリーパー!」
          ゴエモン「レアコイル、行け!」
          ハンゾウ「出番だ、ベトベトン!」
          マタドガス「マータドガーーース!!!」
          ラッタ「ラーーーッタ!!!」
          マルマイン「マルルーーー!!!」
          スリーパー「スリスリーーー!!!」
          レアコイル「キューーーン!!!」
          ベトベトン「ベトーーーン!!!」
          サトシ「そうは行くか! ピカチュウ、「10万ボルト」!」
          ピカチュウ「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーーー!!!!!」
          ビリリリリリリリリリリリリリリ!!!! ピカチュウの「10万ボルト」!
          マタドガス「ドガ〜〜〜ス…」
          ラッタ「ラッタ〜〜〜…」
          マルマイン「マル〜〜〜…」
          スリーパー「スリ〜〜〜…」
          レアコイル「キュ〜〜〜ン…」
          ベトベトン「ベト〜〜〜…」
          ロケット団のポケモン達は吹き飛ばされた。
          ロケット団「ぎゃーーーーー!!!」
          ロケット団は逃げ出した。 そして気球に乗って飛んで逃げようとする。
          サイゾウ「逃がさん! ガラガラ、「骨ブーメラン」!!」
          ガラガラ「ガラーーー!!!」
          ビュンビュンビュンビュン!! ドカ!! ガラガラの「骨ブーメラン」!
          ドカーーーーーーーーーン!!!! 気球が爆発し、金庫が落ちて来た!
          エニシ「よっと! キャッチ!」
          エニシは金庫をキャッチした!
          ブルーザー「ナイスキャッチ、エニシ!」
          そしてロケット団は吹き飛ばされた。
          ムサシ「ポケモンリーグ出たかったのにーーー!!!」
          コジロウ「まだ言う…」
          ニャース「真面目に悪い事するニャ!」
          サノスケ「即ち、吹き飛ばされる時は一緒だ!」
          ロケット団1「やな感じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
          ロケット団2「そしてやな気持ち〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
          ロケット団3「アンドやなフィーリング〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
          キラ!!
          サトシ「よかったね、サイゾウさん!」
          サイゾウ「サトシ君…」
          エニシ「はい、バッジ!」
          エニシはバッジをサイゾウに渡した。
          サイゾウ「かたじけない! これでポケモンリーグに出場できるでござる! がんばろう
               な、ガラガラ!」
          ガラガラ「ガラ!」
          クリスティ「バッジ全部取り戻せてよかったね!」
          カルロス「これで一件落着なもんだ。」
          サトシ「あ、そうそう! サイゾウさん、よかったら一緒にリーグに行かないかな?」
          サイゾウ「え? 一緒に?」
          サトシ「知ってる通り俺達もリーグに行くんだ! サイゾウさんも一緒に行けば、一緒に
              リーグに出場できるだろ? 一緒に来てくれないか?」
          サイゾウ「うーーーむ…それもいい事でござるな! 助けた礼だし、よかろう! 仲間に
               入るでござる!」
          サトシ「そうか! じゃ、これからもよろしくな!」
          サイゾウ「こちらこそ!」
          ゼトラ「また増えちまったな、仲間の数。」
          デルヴァ「まあ、いいじゃないか! 多くいるほどそれだけ強くなれるからさ!」
          ゼトラ「まあ、それはいいとして、仲間増えてよかったな、サトシ。」
          サトシ「うん!」

          サイゾウと戦い、ロケット団を倒し、サイゾウのバッジを取り戻せる事が出来たサトシ達。 
          後もう少しでセキエイ高原に到着するはず! 果たしてサトシ達はポケモンリーグまで間
          に合う事が出来るのか?
          続く…