ポケットモンスター小説版
第129話 ファイヤー! ポケモンリーグ開会式!

ここはセキエイ高原。 この高原はポケモンリーグが開かれる場所で、そこにいたのは
サトシ達。 サトシ達はチャンピオンロードで伝説の鳥ポケモンファイヤーをゲットし、
やっとチャンピオンロードから出られた。 そしてセキエイ高原に着いたサトシ達は、
突然道の先に多くの人達がいた。

サトシ「ん? 何だこれ?」
ブルー「何かしら、この人達?」
シゲル「大勢誰かを待ってるようだな?」
ピカチュウ「ピカピカ?」
シャワーズ「一体誰を待ってるんだろ?」
男の人「あ、来たぞ!」
女の人「見えて来たわ!」
サトシ「え? 俺?」
ドドドドドドドド!!! だが大勢の人達はサトシ達を走り通った。
サトシ「へ?」
カスミ「そうじゃなかったみたいね?」
タケシ「一体何だろう?」
サトシ達は後ろに振り向いた。 大勢の人達は何かを応援しているようだ。 そして道の
先には、エビワラーと共に聖火を持って走っている男性が現れた。
サムライ「おー、あれは聖火でござる!」
サクラ「ポケモンリーグの開催中、会場で燃やす炎だわ!」
サトシ「聖火?」
アヤメ「選手達の健闘を神様に願う聖なる炎よ!」
アキラ「へぇー、さすがにすごいな!」
セイヨ「確か聖火の炎はファイヤーから取った物らしいんだって!」
サトシ「え!? そうなの!?」
ジュン「多分そうらしいですよ? ポケモンリーグではそう言う説があるらしいです
    から。」
サトシ「へぇー、ファイヤーから取った物なんだ…」
サトシはファイヤーをゲットしたハイパーボールを手に持ち、それを見詰めた。
サトシ「でも、面白そうだな! よーし!」
サトシは走り出した。
ダイスケ「お、おいサトシ! 何するんだ!?」
サトシ「ちょっと待った!!」
ランナーと後ろにいたバスのようなトラックが止まった。
ランナー「?」
サトシ「ねえ、俺にもやらせてくれないかな?」
マチス「ヘーイ、サトシ! ホワットアールユードゥーイング? 何やってんだよ?」
ナツメ「そうよ、勝手に邪魔しちゃだめじゃないの!」
サトシ「でも俺もこれやりたいんだよ!」
???「ちょっと君達!!」
全員「え?」
その時ジュンサーが現れた!
ジュンサー「君達、ランナーの邪魔をしちゃだめよ!」
タケシ「あ、ジュンサーさん!」
エリカ「あら、始まりましたわね。」
コゴロウ「(おい、タケシ。 お前ハルナと告白したんだろ?)」
タケシ「(あ、そうなんだけど、弱点がどうにもこうにも治らなくて…)」
ジュンサー「私を知ってるって事は、君達悪い子じゃなさそうね?」
タケシ「はい! 俺達全員いい子です!」
ジュンサー「だったら無理言わないの!」
サトシ「でも俺、選手なんだよ! それでもだめ?」
???「それならよかろう!」
サトシ「え? 誰?」
その時謎の老人が現れた!
ジュンサー「会長!?」
全員「会長?」
ジュンサー「紹介するわ! この方はリーグ実行委員会の会長さんよ!」
???「タマランゼじゃ!」
キョウ「ほほう、これはすごいでござるな。」
アヤ「超偉い人なんだね?」
サトシ「そんなの関係ないよ!」
タマランゼ「その通り! 人の価値は地位などで決めるもんじゃない。 気に入ったぞ、
      サトシとやら…こちらかお願いする聖火リレーを手伝ってくれるか?」
サトシ「はい! もちろん!」

―数分後―

サトシは服をランナーの服に入れ替え、ランナーは聖火の炎をサトシに分けた。
パチパチパチパチ! 観客の人達はサトシに拍手をした。
サトシ「何だかドキドキして来たよ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「それはそうだよね! だってこう言うの始めてだもん!」
サトシ「ああ、でも何だか分かって来たような気がするよ。 ファイヤーの炎がこうして、
    遠くまで運ばれて来たなんて…」
タマランゼ「聖火の重みが分かって来たようじゃの。」
サトシ「はい!」

―数分後―

サトシは聖火を持ちながら走り続き、観客の人達は彼に応援していた。
サトシ「いやー、何だか照れるなー。」
ピカチュウ「ピッピカ!」
シャワーズ「こんなのでみんな応援してくれるなんて初めてだね!」
サトシ「うん!」
他の仲間達は後ろのトラックに乗っていた。
キース「サトシの奴、結構照れてやがるな。」
フウコ「こう言うのに出るのが初めてだろうね!」
ドリオ「ああ。 今までの旅によると、こう言うのなかったからな。」

―一方ロケット団―

サトシ達の真上の上空には、ロケット団の気球が浮いてあった。 そのロケット団は
双眼鏡でサトシを覗いていた。
ムサシ「何でジャリボーイがランナーなのよ?」
コジロウ「俺に言っても…」
ヤマト「確かあの聖火、ファイヤーから取った物だって聞いたわよね?」
コサブロウ「ああ、なかなか消えないと言う超珍しい炎。」
サノスケ「なあ、あの聖火を盗んで、ボスの土産にしないか? そうすれば、給料大儲け
     と出世間違いなしだぜ!」
ゴエモン「それはいいかもな!」
ハンゾウ「いいアイディアだぜ!」
ニャース「聖火を頂くついでにジャリボーイをやつけるニャ!」
ロケット団「おう!」

―地上―

ムサシ「作戦ポイントにターゲットが到着!」
サトシ達は気付かずにそのポイントに到着した。
ゴゴゴゴゴゴゴ… その時何かが強く響く音がした。
サトシ「ん? 何これ?」
カスミ「な、何なの、この音?」
ガラ!! その時ジュンサーとカスミ達は落とし穴に落ちてしまった!
カスミ「きゃーーー!!!」
ジュンサー「きゃーーー!!!」
サトシ「カスミ、ジュンサーさん、みんな!」
サトシはその穴に向かった。
サトシ「何だこりゃ!?」
ムサシ「何だこりゃと聞かれたら…」
コジロウ「答えてあげるが世の情け…」
サトシ「何!?」
サトシは上を向き、気球に乗ったロケット団を見た。
ヤマト「ついでにあたし達も! 何だかんだと聞かれたら…」
コサブロウ「答えないのが普通だが…」
2人「まあ特別に答えてやろう!」
サノスケ「ついでに俺達も! 何だかんだと聞かれたら…」
ゴエモン「答える筋合いはないが…」
ハンゾウ「今回は答えてやろう!」
ムサシ「世界の破壊を防ぐため…」
ヤマト「地球の破壊を防ぐため…」
サノスケ「星の破壊を防ぐため…」
コジロウ「世界の平和を守るため…」
コサブロウ「地球の平和を守るため…」
ゴエモン「星の平和を守るため…」
ハンゾウ「星の人類を救うため…」
ムサシ「愛と真実の悪を貫く…」
ヤマト「愛と誠実の悪を貫く…」
サノスケ「愛と現実の悪を貫く…」
コジロウ「ラブリーチャーミーな敵役…」
コサブロウ「キュートでお茶目な敵役…」
ゴエモン「クールでハンサムな敵役…」
ハンゾウ「アンドスマートで天才な敵役…」
ムサシ「ムサシ!」
コジロウ「コジロウ!」
ヤマト「ヤマト!」
コサブロウ「コサブロウ!」
ゴエモン「ゴエモン!」
サノスケ「サノスケ!」
ハンゾウ「ハンゾウ!」
ムサシ「銀河を駆けるロケット団の2人には…」
ヤマト「宇宙を駆けるロケット団の2人には…」
ゴエモン「アウタースペースを駆けるロケット団の3人には…」
コジロウ「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」
コサブロウ「ショッキングピンク桃色の明日が待ってるぜ!」
ハンゾウ「ブレイジングレッド赤い明日が待ってるぜ!」
ニャース「ニャーンてニャ!」
その時ロケット団は気球から飛び降り、ニャースはサトシに向かって飛び降りた。
ニャース「食らえニャ!」
グサ!!! ニャースの「引っかく」攻撃! ニャースはサトシの顔面を引っかいた!
サトシ「いってーーーー!!」
ブン!! 痛みのせいでサトシは思わず聖火を投げ捨ててしまった!
サトシ「あ、しまった! 聖火が!!」
ガシ! ニャースは聖火を捕まえた! だが間違えて火口辺りの方へ持ってしまった。
ニャース「ニャ…」
ブォ!!! ニャースは火炎に燃えてしまった!
ニャース「ニャーーーーーー!!! 熱いニャーーーー!!!」
ブン!! ニャースは思わず聖火を投げた!
ガシ!! だがピカチュウが聖火を捕まえた!
ピカチュウ「ピッカ!」
その時ロケット団は燃えているニャースに逃げ回っている。
ムサシ「ちょっと、こっちに来ないでよーーー!!!」
ニャース「助けてくれニャーーー!!!」
コジロウ「ウツボット、火を消してくれ!」
ウツボット「ボットーーー!!!」
ガブ!! ウツボットはニャースを噛み付いた!
ブォ!! でもウツボットも燃えてしまった。
ウツボット「ボトーーーーーーーー!!!!!」
燃えているウツボットはロケット団に追いかけ回る。
コサブロウ「バカか、お前は!? ウツボットは所詮草系だぞ!?」
ヤマト「燃えるの当たり前よ!!!」
コジロウ「しまった、忘れてたーーー!!!」
サトシ「何やってんだか…シャワーズ、「水鉄砲」で冷やしてやれ!」
シャワーズ「助けたくないけど、しょうがないね。 ぶーーーーー!!!」
バシャ!! シャワーズの「水鉄砲」! 攻撃はロケット団にぶつかり、火を消した。
ムサシ「このーーー、あたし達を助けたつもり!?」
シャワーズ「別に助けたくはなかったよ?」
サノスケ「その聖火をよこしな!」
サトシ「やなこった!」
コジロウ「いいからよこせ!」
コジロウは聖火を持っているピカチュウに襲い掛かる!
ピカチュウ「ピカ!」
ブン! ピカチュウは聖火を高く投げ捨てた!
ピカチュウ「チュウーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! ピカチュウの「電気ショック」!
コジロウ「ひぇーーーーーー!!!」
ムサシ「貰った!」
サトシ「渡してたまるか!」
ガシガシ!!! サトシとムサシは同時に聖火を捕まえた!
ムサシ「は、離しなさい!」
サトシ「誰が話すか!」
その時ニャースがサトシに乗っかった。
サトシ「な!?」
ニャース「さっき助けてありがとうニャ! でも、これは仕事だからしょうがニャい
     ニャ!」
ニャースはサトシを擽り始めた!
サトシ「あははははははは!!!」
サトシは力を抜いてしまい、ムサシが聖火を捕らえてしまった!
サトシ「あ、しまった!」
ムサシ「オーッホッホッホ! ファイヤーの聖火、ゲットだぜ!」
ゴエモン「この聖火は俺達が貰った!」
ハンゾウ「それでは、バッハハーーーイ!」
ロケット団は気球に乗り、飛んで逃げてしまった。
サトシ「待てーーー!!!」
その時カスミ達は穴から出られた。
マサ「ふー、やっと出られた…」
ミサ「でも今の何だったの?」
タマランゼ「これはタマランのう。」
タマランゼはサトシの方へ歩いて行った。
タマランゼ「サトシよ…」
サトシ「あ、タマランゼ会長。 す、すみません。 俺のせいで聖火を…」
タマランゼ「君は聖火を守って立派に戦ってくれた。」
サトシ「え? でも…」
その時タマランゼは指で「これを見ろ」と言うサインを出していた。
サトシ「…?」
タマランゼはシャツを上がらせ、中には種火が出て来た!
イミテ「それ、種火!?」
タマランゼ「アクシデントの時に火が消えたら、再点火できるようにワシが管理してたの
      じゃよ!」
サトシ「ホントですか!? よかった!」
タイチ「でも何で服の中に隠したの?」
タマランゼ「いや、それは気にしなくてもいい。」
ライゾウ「本当に気になるけどな…」
タマランゼは種火の火を聖火の火口に付けた。 そして聖火に再び火が付いた。
タマランゼ「これで再点火オッケーじゃな!」
サトシ「はい!」

―一方ロケット団―

ロケット団が盗んだ聖火の炎が、小さくなって消えそうになっていた。
ムサシ「あ! 消えちゃう消えちゃう!」
コジロウ「ニャース、何とかしろよ!」
ニャース「ニャーに言われても…ニャ?」
ニャースは聖火のハンドルの下を見た。 そこにはバルブがあった。
ニャース「ニャ? こんなトコにバルブがあるニャ?」
ニャースはそれを回した。
ブォ!!!! その時巨大な炎が出て来た!
ロケット団「ひ!!!」
そして聖火の炎が消えた。
ヤマト「き、消えちゃったじゃない…」
コサブロウ「どうすればいいんだよ…」
ドサ!! ロケット団は倒れた。

―一方サトシ達―

サトシは聖火を持ちながら走り続けた。 そして走り続けている間、次にシゲル、ブルー、
カスミ、タケシ、仲間達次々に出番をあげ、走り続けた。

ソニック(作者)「セキエイ高原の道って、こんなに長かったっけ?」
それはお前がわざと長くしたからだろ!!!
スパーーーン!!! ナレーターのハリセン攻撃!
ソニック(作者)「アウチ!!」

最後にデルヴァが聖火を持ち、走り続けた。 その時道の先には、セキエイ高原ポケモン
リーグスタジアム、セキエイスタジアムが見えて来た。
サトシ「あれがセキエイスタジアムか!」
そしてサトシ達はゴールに着き、観客の人達は喜びで歓声を出した。
デルヴァ「はっはー! 皆さん、お出迎え感激です! 皆さんがくれたこの喜びの歓声
     ありがとうございます! あ、タマランゼ会長! はい、聖火です! 確かに
     渡しましたよ!」
タマランゼ「ありがとう、君達! では、明日は開会式じゃから、リーグでまた会おう!」
全員「はい!」

―選手村―

ここは選手村。 ここは多くの観客と選手達が来る村。 映画館、レストラン、
フレンドリーショップなどのお店もあり、とても広い村である。 そしてそこにいたのは、
サトシ達。

アツシ「ここが選手村か。」
ミズキ「すごく広い場所だな!」
ヤス「フレンドリーショップやレストラン、色々な店があって、まるで観光地のようだな。」
カズ「俺では普通の町にしか見えないけどな。」
サトシ「なあ、俺達の別荘、どこなんだ?」
ルミカ「さっき係員の人からこの選手村の地図を貰いましたわ! 私達の別荘は確か
    ナンバー514ですから…すぐ近くにあると思いますわ!」
サトシ「ナンバー514か…あれ? そう言えばこの数字、どこかで聞いた事あるような…」
ソニック(作者)「それは俺の誕生日から貰った数字だ。」
全員「えーーーーーー!?」
ソニック(作者)「何や、文句あんかいな!?」
ケイタ「いや、別にない…」
サトシ「まあ、とにかく、早速別荘へ行こう!」
全員「おう!」

―サトシ達の別荘―

クリスティはベッドで横になっていた。
クリスティ「うーん、気持ちいいベッド!」
ブルーザー「こんな広い別荘を俺達に譲るなんて、さすがにポケモンリーグ、いい事
      させてくれるぜ!」
コゴロウ「まあ、これが運がよかったんだろうな。」
その間ピカチュウ、シャワーズとトゲピーはポケモンフードを食べていた。
シャワーズ「うーん、このポケモンフードの美味しさはいつまでも変わらないね!」
ピカチュウ「ピカ!」
トゲピー「チョゲチョゲピー!」
カスミ「あら? そう言えば、サトシは?」
気付けばサトシはいない。 もちろんシゲル、ブルー、アキラ、カツコ、ヒバリ、スバル、
ツグミ、カイト、エニシとサイゾウの姿も見当たらない。
カツラ「ああ、サトシ君達なら、セキエイスタジアムに見に行ったらしいぞ?」
カスミ「えー!? 何でわざわざあそこへ!?」
アツコ「多分自信を持つために行ったと思うわ。 あの子達の場合だから。」
カスミ「ったくもう、勝手なんだから!」
カルロス「まあ、別にいいじゃねえか。 あいつらもここまで来て喜んでるからさ。 
     そのまま楽しませろよ。」
カスミ「しょうがないわね!」

―セキエイスタジアム―

ここはセキエイポケモンリーグスタジアム、セキエイスタジアム。 別名「ポケモン
スタジアム」。 ここは最強のトレーナー達が戦う事になる試合会場である。 そこに
いたのは、その風景を見ていたタマランゼ会長。

タマランゼ「うむ…ん?」
サトシ達もスタジアムにいた。 タマランゼは彼らを見た。
サトシ「ここがセキエイスタジアム…」
シゲル「俺達が戦う場所…」
ブルー「ポケモンマスターになる場所…」
カツコ「あたし達の夢がかなえる可能性を持つ場所…」
ヒバリ「ここで様々な強敵トレーナー達と戦い…」
スバル「真のチャンピオンを求めるため…」
ツグミ「夢を果たすために戦い続ける場所…」
カイト「フッ…今でも感じるぜ。 観客の歓声が…」
エニシ「うん、僕も感じるよ。 試合に勝ち、その喜びを僕達に渡す観客の歓声が…」
サイゾウ「そう、ここが拙者達の闘いの場所…」
タマランゼはサトシ達の見ながら笑った。
タマランゼ「タマランのう!」
サトシ「俺達の戦い方は…俺達でやるっきゃないぜ! シゲル、ブルー、アキラ、カツコ、
    ヒバリ、スバル、ツグミ、カイト、エニシ、サイゾウさん! 今回の戦いだけ、
    またライバルにならなきゃ行けないけど、それでも俺達はお互い大切な友達、
    大切な仲間としていられるよな?」
シゲル「当たり前だろ? 俺達は再びライバルになっても、それでも俺達は変わらない
    さ!」
ブルー「そう! あたし達は再びライバルになっても、ずーっとサトシの大切な友達よ!」
サトシ「うん! よーし、みんな! 俺達の夢をかなうために、リーグ優勝するために、
    自分達の意志と強さで、がんばろうぜ!」
全員「おうーーーーー!!!」
サトシ達は気合を入れて叫んだ。 その時スタジアムホールの暗闇の中で、謎の影が
サトシ達を見ていた。
???「…フッ…」
そしての謎の影は妙に笑み、暗闇の中から姿を消した。

―翌日―

カスミ達はセキエイスタジアムの客席にいた。 そう、今日は開会式が始まる日なのだ。
アナウンサー『Ladies and gentlemen! Welcome to Sekiei Pokemon League Stadium!
       皆様、ようこそセキエイポケモンリーグスタジアムへ! ここは全国から
       来たポケモントレーナー達が、世界一のポケモンマスターを目指すために
       戦う大会です! さあ、いよいよポケモンリーグ開会式の始まりです! 
       まずは選手たちの入場です!』
そしてスタジアムホールから何百人のトレーナー達が出て来た。
アイ「この中にサトシ君いるかな?」
カスミ「あ、いた! あそこだわ!」
その数の中にサトシがいた。 でも彼は緊張している。
ブレイク「かなり緊張しているな。」
ピカチュウ「ピーーー。」
シャワーズ「サトシ、大丈夫?」
サトシ「な、何言ってるんだよ? お、俺は大丈夫さ!」
アシュラ「お! シゲルもいるでござるぞ!」
数の中にシゲルもいた。
ゼトラ「あいつだけは緊張してねえな。」
デルヴァ「あ、おい、見ろ! ブルーもいるぜ!」
数の中にブルーもいた。 でも彼女はサトシと同じく緊張していた。
カスミ「よっぽど緊張してるみたいね。」
ブルー「うーーーん、緊張して何だか恥ずかしい…でもここは我慢我慢…」
タケシ「お? アキラとカツコとサイゾウもいるぞ!」
数の中にもアキラ、カツコとサイゾウもいた。 もちろん3人共緊張している。
サムライ「3人も緊張してるでござるな。」
アキラ「くーーー…観客の目の前にいるなんて、すっげー緊張する…」
カツコ「あんただけじゃないわよ。 あたしだってそうなんだから。」
サイゾウ「拙者だってそうでござるよ。 ここは我慢でござる!」
サクラ「あ、見て! ヒバリちゃん達もいるわ!」
数の中にヒバリ、スバル、ツグミ、カイトとエニシもいた。 もちろん5人共緊張して
いる。
アヤメ「何だかみんな緊張してるみたいね。」
ヒバリ「何だか恥ずかしいなー、観客の目の前で…」
スバル「それは初めの内そうだよ。」
ツグミ「何だか力抜けそう…」
カイト「それぐらい耐えろよ!」
エニシ「緊張してるのが分かるけど、ここは我慢するしかないよ!」
ボタン「他にも知ってる人いるかな?」
タケシ「おーーー!!! ハルナさんだーーー!!!」
数の中に前回登場したエリート兄妹のエイジとハルナもいた。
セイヨ「あ、ホントだわ! エイジさんもいるわ!」
ジュン「あの2人も間に合ったんですね!」
ハルナ「そこのどこかにいるタケシさーん! 私の戦い方見てねー!」
エイジ「おい、ハルナ! 観客の前に恥ずかしいじゃないか!」
ハルナ「だってー、タケシさんもいるかもしれないのよ? ほら、今でも応援してるのを
    聞こえるし。」
エイジ「空耳だよ、それは。」
でも正解だった。
タケシ「はーーーい!! 俺応援してますーーー!!!」
ダイスケ「おい、タケシ。 お前サトシ達を応援するかハルナさんを応援するか、
     どっちかにしろよ。」
コゴロウ「あれ?」
マチス「ホワットイズイット、コゴロウ? どうしたんだ?」
コゴロウ「数の中に、1人足りん…」
全員「え?」
コゴロウ「イエローがいないぞ?」
ナツメ「イエロー? あ、そう言えば…」
気付けば数の中にイエローが見当たらない。
エリカ「イエローさん見当たりませんわね? もしかしたら、間に合わなかったので
    しょうか?」
コゴロウ「いや、あいつが間に合わなかったなんて、そうありえないんだが…」
アナウンサー『これで全選手達が揃えました! そして最後に、聖火ランナーがやって
       参ります!』
そしてスタジアムホールから聖火ランナーが出て来た。 ちなみに女性である。 聖火
ランナーは今聖火を持ちながら走っていた。
アナウンサー『聖火は今、聖火台へ向かっています!』
キョウ「会長、種火はどうしたでござるか?」
タマランゼ「聖火台の中じゃ。」
そう、タマランゼの服の中に隠した種火は、今聖火台の中にあった。 その時ランナーは
真っ直ぐ聖火台へ向かって走っている。 そして聖火台の前にいるのは、7人の点火役の
女性(?)達がいた。
アナウンサー『おっと! これは驚きの演出です! 点火役の女性達が現れました!』
ランナー「あら?」
???「はい、ご苦労さん!」
ガシ!! 点火役の女性はランナーから聖火を奪った!
ランナー「キャ!?」
バッ!! 謎の点火役達は変装を投げ捨てた! その正体はロケット団だった!
ロケット団「いっただきー!」
全員「ロケット団!?」
その時サトシは聖火台へ走り向かった。
サトシ「コラーーー!! 聖火を返せーーー!!!」
そしてサトシは聖火台へ着いた。
サトシ「しつこいぞ、お前ら! 行け、ピカチュウ、シャワーズ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「任せて!」
コジロウ「マタドガス、「煙幕」だ!」
マタドガス「マータドガーーース!!!」
ブシューーーーーー!!! マタドガスの「煙幕」!
サトシ「うわ!! また見えな…ゴホゴホ!!」
ブォ!! ロケット団は聖火を聖火台に入れさせ、巨大な炎を作り上げた!
ガシン!!! その時謎の機械が聖火台を取り、姿を現した! その姿は、コオロギの
ような巨大メカだった。
シゲル「な、何だあれは!?」
コジロウ『ハーッハッハッハッハ! 見たか! これは聖火ゲット用メカ、
     「モエルンダー」だ!』
コジロウの目も燃えていた。
サノスケ「何だか変な名前を付けたな、このメカに…」
ヤマト『オーッホッホッホッホ! 聖火ゲットよー!』
タマランゼ「ああ!! 聖火が、聖火が!!」
アナウンサー『な、何と言う事でしょう! 開会式の途中にロケット団が聖火を
       盗みました!! これは意外な展開になってしまいました!!』
ニャース「ついでに会場のポケモンも全部盗むニャ!」
コジロウ「オッケー!」
サトシ「みんな逃げろ! あいつらみんなのポケモンを盗む気だ!」
エイジ「サトシ、やっぱりいたか! おい、みんな! あいつの言った通りだ! 
    ポケモンを盗られたくなけりゃ早く逃げろ!!!」
選手達「うわーーーーーー!!!」
選手達は逃げ出した。 だがロケット団は選手達を追いかけている!
コジロウ『ハーッハッハッハッハ!!! モエルンダーーーー!!』
サトシ「やめろ、ロケット団!! ピカチュウ、「10万ボルト」だ!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリ!!! ピカチュウの「10万ボルト」! でも効果はなかったみたい…
コサブロウ『ハッハッハッハ! そんなもん効かないぜ!』
サトシ「こうなったら、フシギダネ、「葉っぱカッター」だ!」
フシギダネ「ダネフシーーー!!!」
シュシュシュシュ!!! フシギダネの「葉っぱカッター」!
ゴエモン「それも効かんぜ! 火炎放射発射!」
ポチ! ブォーーーーーーー!!! ゴエモンは火炎放射発射ボタンを押し、聖火から炎
が発射した! そしてフシギダネの「葉っぱカッター」が焼き散れた!
サトシ「く…だめか…!」
その時ロケット団はサトシの目の前に立ち止まった!
ハンゾウ『ハーッハッハッハッハ! どうした! 逃げろ逃げろ!』
サトシ「…逃げるもんか! ここ俺とトレーナー達が夢をかけて闘う場所だ! 絶対に
    逃げるもんか!!!」
ムサシ「あのジャリボーイ、あんな事言ってるわよ?」
コジロウ「でもこいつだけには火炎放射発射できない…」
ヤマト「そうよね! 私達ロケット団はこう見えても殺人もしない組織だもんね!」
コサブロウ「そうだよ! これは発射できない!」
ハンゾウ「それにしても、逃げないのは結構時間の問題にな…」
ポチ!! ハンゾウは思わず腕を倒して、火炎放射発射ボタンを押してしまった!
ロケット団『あ!!!』
サトシ「え?」
ブォーーーーーーーー!!!! そして聖火の炎がサトシに発射した!
サトシ「な!? うわーーーーーーー!!!」
カスミ「サトシーーーーーー!!!」
サトシ「………ん? あれ? 熱くない? しかも、燃えていない?」
炎はサトシに包まれていたが、サトシ自身は燃えていない。
サトシ「でも、これ、どう言う…な!?」
と気付いたら、サトシの目の前にデルヴァとサラマンダーがいた! そう、彼らはサトシ
を守って、炎の熱さを吸収していた!
サトシ「デルヴァ、サラマンダー!?」
サラマンダー「よう、兄貴! 大丈夫か!?」
デルヴァ「どうやら間に合ったぜ!」
ゼトラ「な!? い、いつの間に!?」
サトシ「お、お前らどうして!?」
デルヴァ「こんな事が起こるかと思って、ここに立ち向かったんだよ! もちろん、
     サラマンダーを呼んでな!」
サトシ「そ、そうなのか!?」
サラマンダー「ああ! でもよ、まさか敵のはずであるこいつが仲間に入ってたなんてよ、
       初めから知らなかったぜ。 でもさ、何だかこいつ気に入っちまってよ、
       協力したんだよ!」
サトシ「で、でもデルヴァ、お前…」
デルヴァ「忘れたとは言わないだろうな? 俺は元リユニオンの一員、「熱炎火軍団」
     団長! 炎の中にいても、俺は無事だ! そのためにお前を守ってるんだぜ? 
     それに、お前を守ってるのは、俺とサラマンダーだけじゃないぜ!」
サラマンダー「兄貴の後ろにいるぜ!」
サトシ「え?」
サトシは後ろへ振り向いた。 そこには何とファイヤーがいた!
サトシ「な!? ファイヤー!?」
タマランゼ「あれは…ファイヤー!?」
アナウンサー『おーーー!!! これは驚きですーーー!!! 何とサトシと言う名を
       持つ選手にファイヤーを持っていたとは、さすがにすごいです!!!』
ファイヤー「お前の名はサトシだな?」
サトシ「な、喋った!?」
ファイヤー「私の名はファイヤー、火の神と呼ばれる伝説の鳥ポケモンだ。 喋るのは
      当然の事だ。 全ての伝説の鳥ポケモンは喋る。 もちろん、私もだ。 
      お前の事、全てフリーザーとサンダーから聞いた。 お前が私を捕獲した、
      ボールの中で互いに会話してね。」
サトシ「フリーザーとサンダーが?」
ファイヤー「話によると、お前は私のような伝説のポケモンを守るために、捕獲したの
      だろう?」
サトシ「あ、ああ…」
ファイヤー「フッ…私は嬉しいぞ。 初めの内、人間なんぞ信用しないと私は思い続けて
      いたが、こんなに心優しい人間がいたとは、私は気付かなかった。 この世
      で私を守る人間がいたなんて、生まれて初めて聞いて、初めて会った。 
      その心、私にちゃんと伝えておいた。 私は今のように心が暖まったような
      気がする…」
サトシ「ファイヤー?」
ファイヤー「サトシよ、お前は私を守るとそう言われた。 だから自分の意志と力で、私
      の炎を守り続けた。 私はそれを感謝する。 次にお前を守るのは、私の番
      だ!」
サトシ「ファイヤー…じゃあ、協力するのか?」
ファイヤー「そうだ!」
サトシ「よーし、じゃあ、これからもよろしくな、ファイヤー!」
ファイヤー「こちらもな!」
サノスケ「ふぁ、ファイヤーだ…」
ゴエモン「俺らの時熱かったのに?」
ファイヤー「お前達、さっきので私の主であるサトシを殺そうとしてたな?」
ムサシ『ちょ、ちょっと待ってよ! あたし達、わざとやった訳じゃないわよ!!』
コジロウ『そうそう! 俺達、殺人はしないロケット団なんだよ!』
ニャース『だいたいおミャーがボタンを押したせいでファイヤー怒ったのニャ!』
ハンゾウ『お、俺に言うなよ! あれは間違えて押した…』
ロケット団『同じだろが!!!』
ファイヤー「言い訳は無用だ。 サトシを焼殺しようと企んだお前達…私の炎を凶器の
      ように使うとは…許さん!!!」
ギロ!!!! ファイヤーは鋭くロケット団の方へ睨み付いた!
ロケット団『ひ!!!』
ファイヤー「今お前達に渡す私の怒り、思い知るがいい!!」
デルヴァ「「熱炎火軍団」団長である俺の灼熱の技でも味わいな!!」
サラマンダー「兄貴を殺ろうとする奴は俺の火炎に燃える力でも食らいな!!」
ロケット団『あわわわわわ!!!』
サラマンダー「「ファイアボール」!!!」
デルヴァ「「火炎烈風斬」(かえんれっぷうざん)!!!」
ファイヤー「「ゴッドバード」!!!」
ザシューーーーー!!!! ファイヤー、サラマンダーとデルヴァの攻撃はモエルンダーに貫いた!
ドカーーーーーーーン!!!! そしてメカは爆発し、ロケット団は吹き飛ばされた。
ロケット団1「やな感じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ロケット団2「そしてやな気持ち〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
ロケット団3「アンドやなフィーリング〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
キラ!
ドシャーーーーン!!! 聖火台は元の場所に落ちた。
サトシ「やったー! 勝ったぜーーー!!!」
サラマンダー「ヘッヘー! 大勝利だぜ!」
デルヴァ「フン! ざまあみやがれ!」
ファイヤー「これで終わったか。」
サトシ「あ、でも聖火が…」
気付けば聖火の炎は消えていた。
ファイヤー「それは私に任せろ。 はっ!!」
ブォーーーーーーー!!! ファイヤーは口から炎を吐き、聖火台に当たった。 そして
聖火台に再び巨大な炎を作り上げた。
サトシ「あ! 元通りになった! ありがとう、ファイヤー!」
ファイヤー「いや、礼を言うのは私の方だ。 ありがとう、サトシよ。」
サトシ「うん!」

―数分後―

選手達はスタジアムに戻り、開会式の再開を行い始めた。
アナウンサー『ポケモンリーグ開会式、再開を行います! タマランゼ会長の開会宣言
       です!』
ワーーーーーーー!!! 観客達は歓声を出しながら拍手した。
タマランゼ『おっほん! えー、聖火ファイヤーの炎も見守っています! ポケモン
      リーグはポケモンを愛する人達の闘いの場所です! 正々堂々悔いのない
      闘いをしてください!』
選手達「はい!」
ワーーーーーーー!!! 観客達は再び歓声を出し、拍手した。
サトシ「全力で尽くそうな、ピカチュウ、シャワーズ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「うん!」

ファイヤーの力で聖火を守り、ロケット団を倒したサトシ。 いよいよポケモンリーグの
始まりだ! 果たしてサトシは、リーグに優勝する事が出来るのか? その事は、まだ
まだ分からないだろう。 その時まで、期待するといい!
続く!