ポケットモンスター小説版
140話 ポケモン図鑑のトレーナー!?

8回戦でスイートと戦い、見事に勝利したサトシ。 アキラ、カツコとサイゾウも、
無事に勝利したらしい。 次に行われるのは、第
9回戦! そこで誰がサトシとの挑戦を
待っているのであろうか? そしてサトシ達一行は、レストランドードーズにいる。 
そこにはサトシ、シゲル、ブルー、ヒロシ、カスミ、タケシ、コゴロウとゼトラがいた。

サトシ「何だかいい感じだなー♪ 嬉しい感じだぜ♪」
カスミ「それはそうよ。 あんたがいつも勝ち捲くってるからよ!」
シゲル「サトシだけじゃないぜ! 俺だってそう言う感じだぜ♪」
ブルー「うふふ、あたしもよ♪」
ヒロシ「この調子でがんばれば、僕達全員負けるはずないね!」
ゼトラ「でも乗り過ぎると負けるんじゃねえの?」
コゴロウ「ゼトラ、それを言わないお約束だろ?」
サトシ「タケシ、次に戦う事になる相手は誰なんだ?」
タケシ「えーっと…ガイドブックによると…「シュウ」って言う少年だな。」
サトシ「シュウ…?」
シゲル「え!? サトシ、あいつと戦うのか!?」
カスミ「え? シゲル達知ってるの?」
ブルー「うん、受け付け場で会った事あるから…」
サトシ「シュウか…」
ヒロシ「すごいじゃない、サトシ! 望んだ通りシュウと戦える事が出来たじゃない!」
サトシ「ああ、望んだ通りだぜ…」
その時サトシは、彼と始めて出会った時の事を思い出す。

シュウ(ライバルとしてリーグで戦おうぜ! その時まで覚悟しろよな!)
サトシ(おうよ!)

サトシ「ヘッヘッヘ、楽しみだぜ! 早く次の試合にならないかなー!」
カスミ「全く…結局張り切ってるわね。」
ゼトラ「フッ、まあ、奴の好きにさせな。」
???
1「あのー、取り込み中にごめんだけど…」
全員「ん?」

サトシ達は、突然話し掛けられた謎の集団が現れた。 
1人は短パンをはいていて、
ヨーヨーのようなモンスターボールを持った少年と、もう
1人は剣道胴着を着ていて、
竹刀を持っている少年。 もう
2人は同じ顔を持っている双子の少女達だが、1人は
ドレスを着ていて、もう
1人は普通の洋服を着ていた。 もう1人は料理人の服装をした
女の人と、もう
1人はカウボーイの服装をして、ギターを持っている青年(?)。 もう
1人は側にニャースがいて、青い髪の毛をした少年と、もう1人は金髪をして、フッド
ジャケット(?)を着ていた少年。 そして最後の
1人は側にオコリザルがいて、
オコリザルと同じ豚鼻を持った少年がいた。 全員揃って
9人ぐらいだ。

???
1「君がシュウの挑戦相手かい?」
サトシ「え? ああ、そうだけど?」
???
1「やっぱりだ! 思った通りだぜ! 君があいつの挑戦相手だったとは、驚きだ
    よ!」
カスミ「あの…何方?」
???
1「あ、ごめん! 俺シュウの知り合いのトミオ! よろしく!」
???
2「同じくリョウマ! よろしくな!」
???
3「同じくリンでーす! そしてこの子は私の双子の妹のランちゃんでーす!」
ラン「よ、よろしく…」
タケシ「はぁー…リンちゃんとランちゃん可愛い…」
コゴロウ「お前なー…」
???
4「私は同じくユウキ。 料理は私の特技なので、よろしくね!」
その時タケシは一瞬にユウキの手を握った。
タケシ「俺も料理得意んです!!! これからもどうぞよろしくお願いします!!!」
ユウキ「あ、はあ…」
ゲシ!!! その時コゴロウはタケシを踏み付けた。
コゴロウ「ナンパはいい加減にしやがれっつーの!」
サトシ「あ、すみません。 こいつ、女の人に弱い者で…」
???
5「んじゃ引き続き、俺はケン! 世界で有名なポケモントレーナーさ!」
サトシ「有名? 知ってるか、みんな?」
カスミ「全く知らないわ。 聞いた事もないし。」
全員「同感。」
ガーーーーーン!!! ケンはショックを受けた。
ケン「ううう…俺の存在は一体…」
ケンは悲しく落ち込んだ。
???
6「すまんなー。 こいつ俺達の場合は有名なんや。 悪く思わなくてもエエで。」
サトシ「あ、ああ…」
???
6「ほな、次は俺や! 俺はマサトシ! ニャースと組んでお笑い芸人を目指す
     トレーナーや! よろしゅう頼んまっせ!」
???
7「俺はポケモンコレクターのユウタ! よろしくな!」
サトシ「ポケモンコレクター? ああ、俺の知り合いの中でもコレクターいるぜ!」
どうやらダイスケの事言っているようだ。
ユウタ「あ、ホントか!? じゃあ、今度紹介してくれよ!」
サトシ「ああ、いいぜ?」
???
8「次は俺だ! 俺はシンジ! リベンジャーとしてオコリザルと共に戦っている
     トレーナーだ!」
オコリザル「ブヒ!」
サトシ「へぇー、お前もリベンジャーか。 俺の知り合いのポケモンコレクターも、元
    リベンジャーでもあるんだぜ?」
シンジ「え? ホントか?」
サトシ「ああ! でも何だ、その顔? オコリザルと全くそっくりじゃねえか。 
    どうしたんだ?」
シンジ「え? あ、まあ、ちょっと深い事情があってね…」
シゲル「お前達全員シュウの知り合いなのか?」
トミオ「ああ、ある事情で一緒に旅立ってるんだよ。」
ブルー「どんな事情なの?」
リョウマ「ちょっと探し相手な。 まあ、お前達には関係ない物だけど…」
マサトシ「なあ、あんさん。 シュウと戦うんやろ? よかったら、ちょいとアドバイス
     あげるさかい。 耳貸せや。」
サトシ「ん?」
マサトシ「(シュウ、結構お調子者やけど、気ぃ付けた方がエエで。 アホに見えるや
     けど、それでも気ぃ付けなはれや。)」
サトシ「はあ?」
マサトシ「まあ、気ぃ付けろっちゅー訳や! 分かったな?」
サトシ「あ、ああ…」
???「あ、いたいた! おーい、みんなー! どこ行ってたんだよー!?」
リン「あ、シュウ君だ!」
サトシ「え?」
シュウはサトシの所へ着いた。
シュウ「お? ああ、お前確かサトシと言ったな? 久しぶりだな!」
サトシ「ああ、お前もな!」
シュウ「次は俺との戦いが行われるけど、ちゃんと覚悟の準備出来てるだろうな?」
サトシ「もちろんさ! このバトル、絶対に負けねえからな!」
シュウ「フン、望む所だぜ!」
ピカチュウ
2『ったく、また調子乗るんだから。 これだから前の試合にだって負けそう
       になったんだよ?』
シュウ「う、うるさいな! 一言多いんだよ!」
カスミ「え? この人、何独り言言ってるの?」
ヒロシ「ああ、この人ね、耳に付いてるメカで、ピカチュウと会話してるんだよ。」
タケシ「へぇー、って事は、ピカチュウの言葉を知ってるのか?」
シュウ「え? あ、まあ、そうだけどな。 これ、「インカム」と言ってね、ポケモンの
    言葉を分かる事が出来るんだ!」
シャワーズ「そう! 例えそれがなくても、僕の言葉分かるもんね!」
ラン「え!? い、今、そのシャワーズ、喋った!?」
シャワーズ「え? うん、喋ったよ?」
ユウキ「うそー!? ホントに喋ったわ!?」
ケン「このシャワーズ、本気に人語喋りやがった!?」
シャワーズ「え、何で? 喋っちゃだめなの?」
マサトシ「あ、い、いやー、そう言う訳やないんや。 喋るのはすっごく珍しいさかい
     から、ちょいと驚いてもうてな。 でもこれはすごいで…インカムや俺の
     「猫耳頭巾」使わんでもちゃんと聞こえるさかい…」
サトシ「何それ?」
マサトシ「あ? ああ、それ俺の秘密平気でな、インカムのように俺のニャースと会話
     出来るんや! まあ、後で見せるさかい!」
ユウタ「でも喋るなんてすごいな…何か機械とか出来てるのか?」
シンジ「それとも誰か入ってたりして…」
シャワーズ「………何だか、僕の事をバカにしてるみたい…」
シャワーズはちょっと怒っている。
サトシ「コラ、お前ら! 俺のシャワーズをバカにするなよ!」
トミオ「あ、いや、別にバカにしてる訳じゃ…ただ珍しいだけで…」
ピーンポーンパーンポーン♪ スピーカーから鐘が鳴った。
スピーカー『サトシ様とシュウ様。 サトシ様とシュウ様。 第
9回戦が始まります。 
      セキエイスタジアムまでお越しください。』
シュウ「おっと、そろそろ俺達の戦いが始まったようだな。 じゃ、お先に! 会場で
    待ってるからな!」
サトシ「ああ、後で来るぜ!」
ピカチュウ
2『もう、シュウったら。 そんなにカッコ付けちゃ本気に負けちゃうよ?』
シュウ「だからうるさいって言ってるだろ!?」
リョウマ「あ、ちょ、待ってくれよ!」
ラン「じゃあ、私達はこれで! またね♪ ちょっと、シュウ君、待ってよー!」
シュウ達は行ってしまった。
サトシ「さて、俺も行くとするか! シゲル達はどうするんだ? 次の試合も
    あるんだろ?」
シゲル「ああ、俺達もそろそろ行くつもりだ!」
ブルー「応援できないけど、心からサトシの事を応援してるからね!」
ヒロシ「サトシもシュウに負けちゃだめだよ!」
サトシ「ああ、お前達も負けるなよ!」
カスミ「サトシ、がんばってね! あたし達も応援してるから!」
サトシ「ああ! じゃ、俺もう行って来るから!」
カスミ「がんばってね、サトシ!」
サトシ「ああ! さあ、行こうぜ、ピカチュウ、シャワーズ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「うん!」

―セキエイスタジアム―

ワーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『バトル回数の半分まで後
1戦! 第9回戦Bブロック第3試合の始まり
       です! 今でも立ち上がるトレーナーは、激しく勝ち捲くるサトシ選手と
       シュウ選手! 果たして、どのトレーナーがこの戦いに勝ち抜けるの
       か!? 今でも楽しみな所です!』
会長『サトシ君なら、この勝負に勝てるとワシは思うがね!』
じいちゃん『うひょひょひょ! 両者共強く見えそうぢゃから、ワシは両者共応援しとる
      ぞい!』
アキハバラ『シュウ君も強そうですが、やっぱり勝利を願いたいのはサトシ君ですね!』
シュウ「準備はいいだろうな?」
サトシ「もちろんさ!」
カスミ「サトシ、がんばってーーー!!!」
タケシ「がんばれよ、サトシーーー!!!」
マサキ「完全勝利を目指すんや、サトシーーー!!!」
トオル「いい写真撮るからね、サトシーーー!!!」
ハナコ「がんばってね、サトシーーー!!!」
アオイ「がんばって、サトシくーーーん!!!」
ボイジャー「がんばってください、サトシくーーーん!!!」
ウンディーネ「ダーリン、ウチのためでもがんばってーーー!!!」
ドリヤード「がんばってください、サトシさーーーん!!!」
サラマンダー「行けー兄貴ーーー!!! 勝利を目指せーーー!!!」
ジン「がんばれダスーーー!!!」
ウィスプ「今回もサトシさんが勝つといいッスね!」
シェイド「まあな。 だがあのシュウと言う少年も結構強そうに見えるな。 今回も
     サトシが勝つと望むべきだな。」

―別の客席―

別の客席には、シュウの仲間達がいた。
トミオ「がんばれよ、シュウーーー!!!」
リョウマ「負けるんじゃないぞ、シュウーーー!!!」
リン「がんばって、シュウくーーーん!!!」
ラン「負けちゃだめよ、シュウーーー!!!」
ユウキ「シュウ君がんばってねーーー!!!」
ケン「勝利を目指せ、ナンバー
1のシュウーーー!!!」
マサトシ「シュウ、負けるんやないでーーー!!!」
ユウタ「絶対に勝てよ、シュウーーー!!!」
シンジ「根性出して勝つんだ、シュウーーー!!!」

―バトルステージ―

アナウンサー『それでは、第
9回戦、試合開始!!!』
シュウ「サワムラー、行け!」
サワムラー「ムラーーー!!!」
サトシ「エビワラー、君に決めた!」
エビワラー「エビーーー!!!」
アナウンサー『おーーーっと!!! これは何と、サトシ選手がエビワラーを繰り出し、
       シュウ選手はサワムラーを繰り出しました! これはともかく、あの
       第
2回戦岩のフィールドでのバトルと同じです! 正しく、パンチの鬼対
       キックの鬼! 果たして、どの鬼が勝つのか!?』
シュウ「エビワラーか…図鑑で調べてみるか。」
その時シュウのポケットの中から謎の赤い機械を出した。 それはポケモン図鑑とよく
似ているが、姿と形はサトシのとちょっと違う。
サトシ「え?」
シュウはそれをサワムラーに向ける。

ポケモン図鑑「エビワラー・パンチポケモン・プロボクサーの魂が乗り移っている。 
       パンチのスピードは新幹線よりも速い。 ねじり込むようなパンチ攻撃! 
       コンクリートの壁がドリル状に削られてやがて穴が開く。 別名「パンチ
       の鬼」。」

シュウ「ふーん、なるほど…」
サトシ「お、おい、シュウ! そ、それは一体!?」
シュウ「え、これ? ああ、これポケモン図鑑と言ってね、ポケモンの特徴のデータを
    自動的に記録してくれるハイテクな図鑑なんだ! すごいだろ? 羨ましい
    だろ?」
サトシ「何言ってんだよ!? 俺だって持ってるぞ! ほら!」
サトシはポケモン図鑑を出した。
シュウ「え!? そ、それ、ポケモン図鑑!? それに、俺が前にあった図鑑の奴と同じ
    だ!」
サトシ「そのポケモン図鑑は何なんだ!? 俺のと違って見た事もないぞ!?」
シュウ「ああ、この図鑑はな…ん?」
その時シュウは何かを思い始めた。
シュウ「…サトシ…サトシ…ちょ、ちょっと待てよ!? お前…まさか…もしかしすると
    …!?」
サトシ「ん?」
審判「君達、取り込み中に悪いけど、そろそろ試合を始めさせてくれないか?」
シュウ「あ、ああ、すみません!」
アシュラ「おい、あのシュウと言うやらが持っている物、ポケモン図鑑ではないでござる
     か!?」
デルヴァ「そう言えば、よく似てるな?」
カスミ「じゃあ、あのシュウって言う人、オーキド博士の知り合いかしら?」
コゴロウ「だと言う可能性が高いな…」
シュウ「サトシ、言っとくけどな、お前がエビワラーを繰り出しただけでも、俺の
    サワムラーに甘く見るなよ! サワムラー、「メガトンキック」だ!」
サワムラー「サーーーワ!!!」
サトシ「おっと、そうはさせないぜ! エビワラー、攻撃を防ぐんだ!」
エビワラー「エビ!」
ドガ!!! サワムラーの「メガトンキック」! エビワラーは攻撃をちゃんと防いだ!
サトシ「よし! 足が元に戻る前に、足を掴んで、上の方まで「地球投げ」だ!」
エビワラー「エービーーーーー!!!」
ビューーーン!!! エビワラーの「地球投げ」! サワムラーは空高く投げ飛ばされた!
シュウ「何!?」
サトシ「次はジャンプで奴の所まで跳べ!」
エビワラー「エビ!」
ダッ!!! エビワラーは高くジャンプし、投げ飛ばされたサワムラーの方へ跳んだ!
サワムラー「ムラ!?」
サトシ「よーし、そのまま「メガトンパンチ」で叩き込め!」
エビワラー「エッビーーーーー!!!」
バキ!!! エビワラーの「メガトンパンチ」!
ドカーーーン!!! 叩き込まれたサワムラーは思いっきりに地面に墜落した!
サワムラー「ムラ〜〜〜…」
シュウ「え!? さ、サワムラー!?」
審判「サワムラー、戦闘不能!」
ワーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『おーーーっと! 早い! シュウ選手のサワムラーは
1回しか攻撃して
       いませんのに、サトシ選手のエビワラーの連続攻撃で呆気なくダウン
       しました! これは楽勝でしょう! 思わず結果、パンチの鬼の
       エビワラーが、サワムラーとの戦いで勝ちました!』
会長『さすがサトシ君! いい作戦を考えるのう!』
カスミ「やったー! その調子でがんばって、サトシーーー!!!」
タケシ「その調子で負けるなよ、サトシーーー!!!」
トミオ「げっ!? あっと言う間にサワムラーの負け!?」
リョウマ「さすがに早い上になかなかやるな、あのサトシって言う奴…」
ラン「シュウーーー!!! ちゃんとがんばりなさいよーーー!!!」
マサトシ「そうや! しっかりせやーーー!!!」
ピカチュウ
2『あーあ、サワムラー負けちゃった。 これだか調子乗り過ぎるんだよ。』
シュウ「う、うるせー! 大きなお世話だ!」
サトシ「おい、ピカチュウと口ケンカしてないで早く続けようぜ!」
シュウ「い、言われなくても分かってるよ! でも、さすがに俺のサワムラーを倒すとは
    な。 ちょっと油断しちゃったけど、今度は本気で行くからな! カメール、
    行け!」
カメール「カメーーール!!!」
アナウンサー『シュウ選手、次にカメールを繰り出しました!』
サトシ「カメールか…エビワラー、油断するなよ! あのカメール、見た目と違って強い
    かもな!」
エビワラー「エビ!」
シュウ「カメール、「殻に篭る」攻撃の次に「体当たり」だ!」
カメール「カメ!」
コロン! カメールの「殻に篭る」攻撃!
カメール「カッメーーーーーー!!!」
サトシ「エビワラー、「雷パンチ」で殴り飛ばせ!」
エビワラー「エビーーー!!!」
シュウ「…と見せかけて…「冷凍ビーム」!!!」
カメール「カメーーーー!!!」
バシューーーーーーーー!!! カメールの「冷凍ビーム」!
カチーーーーン!!! エビワラーが凍ってしまった!
サトシ「何!?」
審判「エビワラー、氷付けで戦闘不能!」
ワーーーーーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『おーーー!!! これはすごい! 「殻に篭る」状態で「体当たり」で
       攻撃すると思っていたら、「冷凍ビーム」でエビワラーを凍らせました! 
       所謂騙し討ちです! さすがシュウ選手! 最初をわざと負け、次に本気
       の実力をサトシの前に出す作戦でしたか! いい作戦です!』
じいちゃん『うひょひょひょ! 見事な作戦ぢゃ!』
シュウ「え? お、俺最初からわざと負けたつもりじゃなかったぞ?」
リン「やったー♪ シュウ君勝ったわ!」
ユウキ「でもまだ試合が終わってないわ! サトシ君まだ
2匹持ってるんだから!」
マサトシ「がんばるんやで、シュウーーー!!!」
サトシ「シュウ、汚いぞ! 最初からわざと負けて、次に本気に出すなんて!」
シュウ「だから俺は最初からわざと負けたつもりじゃねえって!!!」
ピカチュウ
2『え、そうだったの? 僕わざと負けた思ってたけど…勘違い
       しちゃったー☆ ごめんちゃいー♪』
シュウ「…ケンカ売ってんのか、このヤロー…」
シャワーズ「次はどのポケモンを繰り出すの?」
サトシ「そっちはカメールならば…こっちはこいつだ! ゼニガメ、君に決めた!」
ゼニガメ「ゼニーーー!!!」
アナウンサー『サトシ選手、ゼニガメを繰り出しました! 果たしてサトシ選手の
       ゼニガメ、進化形であるカメールを倒せる事が出来るのか!?』
サムライ「サトシ殿、ゼニガメを繰り出したでござるぞ!?」
アヤメ「カメールの進化前のゼニガメで大丈夫なのかな?」
サクラ「分からないわ。 サトシ君、一体何を考えたんだろう?」
シュウ「ゼニガメか…どれどれ?」

ポケモン図鑑「ゼニガメ・亀の子ポケモン・長い首を甲羅の中に引っ込める時勢いよく
       水鉄砲を発射する。 水面から水を噴射して餌を取る。 危なくなると
       甲羅に手足を引っ込めて身を守る。」

シュウ「なるほど…て事は、カメールの進化前のポケモンだな? それなら俺の方が勝ち
    に決まってるな!」
サトシ「そう言うのまだ決まった訳じゃないぜ! 俺の本当の実力を今から見せてやる
    ぜ! ゼニガメ、「水鉄砲」だ!」
ゼニガメ「ゼーニーーーーーーーー!!!」
ブーーーーーー!!! ゼニガメの「水鉄砲」!
シュウ「こっちも「水鉄砲」だ!」
カメール「カメーーーール!!!」
ブーーーーーー!!! カメールの「水鉄砲」!
バシャ!!! お互いの攻撃が互角に当たり、弾き消した!
アナウンサー『おっと、サトシ選手のゼニガメとシュウ選手のカメール、両者「水鉄砲」
       で互角に命中! しかし、互角に命中した限り、そのまま弾き
       消しました!』
シュウ「なかなか育てているな、そのゼニガメ!」
サトシ「そっちこそよく育てているな、そのカメール!」
シュウ「まあ、誉め言葉は感謝するけど、勝負の間じゃ暇はないぜ! カメール、
    「ロケット頭突き」!」
カメール「カッメーーーーー!!!」
サトシ「こっちも「ロケット頭突き」だ!」
ゼニガメ「ゼニーーーーー!!!」
ゴツーーーーーン!!! ゼニガメとカメールの「ロケット頭突き」! お互いの攻撃が
互角に命中した!
ドサ! ゼニガメとカメールは倒れた!
ゼニガメ「ゼニ〜〜〜…」
カメール「カメ〜〜〜…」
サトシ「え!? ゼニガメ!?」
シュウ「カメール!?」
審判「両者、戦闘不能! 引き分け!」
ワーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『おやおや、これは残念! ゼニガメとカメールの「ロケット頭突き」が
       互角に当たり、運も悪く引き分けとなりました! それに見た目によると、
       正に痛そうです!』
アキハバラ『確かに痛そうですね。』
ボタン「サトシ、とうとう
1匹だけしか持ってないわね! でも何を繰り出すのかしら?」
アキラ「シュウって言う奴の考えによると、多分あのピカチュウを繰り出すはずだ!」
カスミ「サトシーーー!!! 絶対に負けちゃだめよーーー!!!」
タケシ「気合いれて最後までがんばれーーー!!!」
ケン「こりゃやべえなー。 シュウの奴、後
1匹しか残ってねえぜ? 何を繰り出すんだ?」
ユウタ「サトシの側にピカチュウがいるから、多分それを選ぶんじゃないのかな?」
ラン「シュウーーー!!! がんばりなさいよーーー!!!」
マサトシ「ちゃんと相手をしばけやーーー!!!」
シンジ「でもなー…何だか気にならないか?」
トミオ「え、何を?」
シンジ「サトシって言う奴の事だよ。 あいつの名前、どこかで聞いた事ないか?」
リョウマ「そう言えば、そうだな…一体どこで…?」
リン「もう、そんな事を気にするよりも、シュウの勝負の事を気にしてよ!」
シュウ「汚いぞ、サトシ! 人の命じる技を勝手に真似するな!」
サトシ「別に俺真似したつもりじゃなかったぞ?」
アナウンサー『さて、さっきの引き分けの結果、両者共残るポケモンは
11! バトル
       は大詰めへと向かっております! 果たして、両者は最後の
1匹、どの
       ポケモンを繰り出すのか!?』
サトシ「よーし、最後までがんばるぜ! ピカチュウ、君に決めた!」
ピカチュウ
1「ピカ!」
シュウ「この勝負、絶対に勝って見せる! ピカチュウ、行け!」
ピカチュウ
2『了解!』
アナウンサー『おっと! 両者共ピカチュウを繰り出しました! ピカチュウと言えば、
       ポケモンの数の中では一番人気の高いポケモン! これは楽しみな所
       です! さて、最後のポケモンを繰り出したサトシ選手とシュウ選手! 
       果たしてどの挑戦者がこの第
9回戦に勝ち抜けるのか!? いよいよ
       ラストの戦いが始まります!!!』
セイヨ「サトシ君、ピカチュウを出したわ!」
ジュン「相手もピカチュウを繰り出したみたいですね。 一体どんな戦いに
    なるんでしょうか?」
ラン「シュウ、ピカチュウを繰り出したわ!」
マサトシ「相手もピカチュウを繰り出しおったな? 一体どんなバトルになるんやろう
     か?」
サトシ「相手は強敵かもしれないから、油断するなよ、ピカチュウ!」
ピカチュウ
1「ピカ!」
シュウ「お前が絶対に勝つ事を信じてるからな! がんばるんだぞ、ピカチュウ!」
ピカチュウ
2『分かってるって!』
シュウ「ピカチュウ、「電気ショック」だ!」
ピカチュウ
2『食らえーーー!!!』
ビリリリリリリリリ!!! ピカチュウ
2の「電気ショック」!
サトシ「ピカチュウ、「高速移動」で交わし捲くれ!」
ピカチュウ
1「ピッカ!」
シュンシュンシュンシュン!!! ピカチュウの「高速移動」! ピカチュウは攻撃を
交わした!
サトシ「よーし、その調子だ!」
シュウ「俺のピカチュウになめんなよ! 次は避けられないからな! ピカチュウ、
    「スピードスター」だ!」
ピカチュウ
2『いっくよーーーー!!!』
シュシュシュシュ!!! バキバキバキバキ!!! ピカチュウ
2の「スピードスター」!
ピカチュウ
1「ピカ!?」
サトシ「な!? 「スピードスター」!?」
アナウンサー『おーーーっと!!! シュウ選手のピカチュウ、「スピードスター」を
       繰り出しました! 「スピードスター」は命中率の高い技! 避ける事も
       出来ない技です!』
シュウ「よーし、次は「
10万ボルト」!」
ピカチュウ
2『どりゃーーーーーーー!!!』
ビリリリリリリリ!!! ピカチュウ
2の「10万ボルト」!
ピカチュウ
1「ピカーーー!!!」
サトシ「ピカチュウ!!!」
アナウンサー『おーーー!!! サトシ選手のピカチュウ大ピンチ!!! シュウ選手の
       ピカチュウの「
10万ボルト」で、かなり急所に当たりました! 
       サトシ選手のピカチュウの体力、残り少なくなっています! このまま
       だと一撃でアウトになります!』
ダイスケ「確かにアナウンサーの言う通り、後一撃でサトシの負けだ!」
カスミ「そんな…!」
ピカチュウ
1「ピ…カ…」
シュウ「どうだ、サトシ? 自分の目でちゃんと見たか? これが俺の本当の実力さ! 
    この勝負、俺の勝ちと決まったようだな!」
サトシ「く…絶対に負けてたまるか! お前が何を言おうとしても、俺は絶対に負けや
    しないぞ! この勝負、絶対に俺が勝って見せるぞ!」
シュウ「そこまで言うのはもう遅いんだけどな! 後一撃で俺の勝ちだ! これで最後の
    攻撃だ! ピカチュウ、とどめの「スピードスター」だ!」
ピカチュウ
2『てやーーーーーーー!!!』
シュシュシュシュ!!! ピカチュウ
2の「スピードスター」!
マチス「もうだめだ! サトシこれでジ・エンドだ!」
カスミ「サトシ!!!」
サトシ「絶対に負けねえぞ!!! ピカチュウ、「高速移動」で逃げ捲くれ!」
ピカチュウ
1「ピカ!」
シュウ「無駄だ! 「スピードスター」の命中率は高い! 逃げ回っても追跡するぞ!」
シュンシュンシュンシュン! ピカチュウ
1の「高速移動」! しかし「スピードスター」
はピカチュウを追いかけ続けている!
アナウンサー『おや? サトシ選手のピカチュウ、「高速移動」で「スピードスター」
       から逃げています! しかし、「スピードスター」はまるで追跡ミサイル
       のように、相手を追いかけ続けます! でも、サトシ選手は何かを思い
       浮かんだようです! 果たして、何を考えたのでしょうか!?』
シュウ「何だって?」
ナツメ「サトシのピカチュウ、今度は「高速移動」で逃げ回ってるわ!」
エリカ「まだ動ける力が残ってるみたいですね。 よかった所ですが、サトシさんは一体
    何を考えたのでしょうか?」
リン「サトシ君のピカチュウ、何で「スピードスター」から逃げ回ってるのかしら?」
ラン「逃げ切れないのは分かってるのになぜ?」
リョウマ「待てよ? 多分奴は何か作戦を立てたかも…」
サトシ「ピカチュウ、「高速移動」のまま、シュウのピカチュウに走り回れ!」
ピカチュウ
1「ピカ!」
シュンシュンシュンシュン!!! ピカチュウ
1は「高速移動」で、今度はピカチュウ2
の周りに走り回った!
ピカチュウ
2『え!?』
アナウンサー『おや!? 今度はシュウ選手のピカチュウの周りに走り回っています! 
       サトシ選手、一体何を考えたのでしょうか!?』
ピカチュウ
2『え、な、ちょ、な、何してるの!?』
ピカチュウ
2は迷っている。
シュウ「何やってんだ? …ん?」
その時シュウは思い付いた。
シュウ「ちょ、ちょっと待てよ!? ま、まさか!?」
サトシ「そのまさかだよ! ピカチュウ、そのまま真っ直ぐシュウのピカチュウに走れ!」
ピカチュウ
1「ピッカーーー!!!」
ピカチュウ
1は「高速移動」で真っ直ぐピカチュウ2の方へ走った!
ピカチュウ
2『え!?』
そして最後にピカチュウ
1はピカチュウ2にニヤッと笑った。
サトシ「今だ! ジャンプ!」
ピカチュウ
1「ピカ!」
ダッ!!! ピカチュウ
1はジャンプした!
ピカチュウ
2『え!? あ!!』
バキバキバキバキ!!! ピカチュウ
1を追跡していたピカチュウ2の「スピードスター」
は、ピカチュウ
2に命中した!
ピカチュウ
2『いたたたたた!?』
シュウ「げっ!! やっぱり!?」
サトシ「よーし、ピカチュウ! 上空のまま、とどめの「雷」だ!!!」
ピカチュウ
1「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーーーーー!!!」
ドカーーーーーーーーーン!!! ピカチュウの「雷」!
ピカチュウ
2『う…そ〜〜〜…』
ドサ! ピカチュウ
2が倒れた!
シュウ「ぴ、ピカチュウ!?」
審判「ピカチュウ、戦闘不能! よってこの試合、サトシ選手の勝ち!」
ワーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『やりました!!! サトシ選手のピカチュウのフィニッシュムーヴ、「雷」
       を決まりました! 最初の内「高速移動」で「スピードスター」から逃げ
       ながら、そのままシュウ選手のピカチュウに命中させるとは、さすがに
       いい戦略です! まさかあー言う作戦を作り上げるとは、最初から
       思えませんでした! よって第
9回戦の勝者は、サトシ選手の決まり
       です!!!』
会長『さすがサトシ君、よくがんばったのう!』
じいちゃん『うひょー、見事な作戦ぢゃ! よくがんばったな、サトシ君よ!』
アキハバラ『サトシ君、見事な作戦でしたよ! よくがんばったね!』
カスミ「やったーーー!!! サトシ勝ったーーー!!!」
タケシ「よくがんばったな、サトシーーー!!!」
マサキ「サトシーーー、ようがんばったなーーー!!!」
トオル「サトシーーー、よくがんばったねーーー!!! おかげでいい写真撮った
    よーーー!!!」
ハナコ「おめでとう、サトシーーー!!!」
アオイ「勝利おめでとう、サトシくーーーん!!!」
ボイジャー「おめでとうございます、サトシくーーーん!!!」
ウンディーネ「ダーリン、おめでとさーーーん!!!」
ドリヤード「おめでとうございます、サトシさーーーん!!!」
サラマンダー「よっしゃーーー!!! サトシ兄貴、勝利だぜーーー!!!」
ジン「おめでとうダスー、ご主人様ーーー!!!」
ウィスプ「おめでとうッス、サトシさーーーん!!!」
シェイド「よくがんばったな、サトシよ…」
ユウキ「あーあ、シュウ君負けちゃったわね…」
ケン「残念だぜ、ホントに…」
マサトシ「まあ、今回負けてもうたからしゃーないな。 後でシュウを励まそうや!」
ユウタ「それはグッドアイディアだな!」
シンジ「あーーー!!! 分かったーーー!!!」
トミオ「な、ど、どうしたんだ、シンジ!?」
シンジ「分かったんだよ、サトシ本当は誰なのか! あいつ、俺達が探してた奴だよ!」
リョウマ「え? あ! そ、そう言えば!!」
シンジ「やっと見付けたぜ、俺達が探してた、マサラタウンの最強トレーナー!」
シュウ「ピカチュウ、大丈夫か!?」
ピカチュウ
2『うーーー…シュウ…ごめんね、最後まで何も出来なくて…』
シュウ「ピカチュウ…もういいよ。 謝らなくてもいい。 お前十分がんばったよ。 
    ここまでがんばってくれて、ありがとう、ピカチュウ。」
シュウは悔いもなく、ピカチュウ
2に微笑んだ。
ピカチュウ
2『シュウ…』
ピカチュウ
2はシュウの微笑を見て、涙目になった。
サトシ「シュウ! そのピカチュウ、大丈夫か!?」
シュウ「え? あ、ああ、大丈夫だよ。 でも、お前心配してくれたんだ。」
サトシ「ああ、ちょっと派手に倒しちまったからな。 ごめんな、お前のピカチュウを
    あんなに酷くさせちゃって…」
シュウ「いいんだよ。 俺こそお前の事をバカにして悪かったよ。」
サトシ「あ、いいんだよ。 俺別に気にしてないから!」
シュウ「でも、さすがにすごいぜ、サトシは。 本当に強かったなんて、最初から
    分かっていたよ。」
サトシ「え?」
シュウ「俺はお前の名前を聞き、それを思い出した時、分かったんだよ。 俺はお前に
    勝てないってね。 だってお前、マサラタウンでは有名で最強なんだろ? それ
    で俺は分かったんだよ、俺に敵わない相手だって。 やっぱり実力は、俺の方が
    最低だったかな? 結構失敗ばっかしてたし…」
ピカチュウ
2『シュウ…』
サトシ「そんな事ないよ!」
シュウ「え?」
サトシ「だってお前のポケモン、すごく強かったぜ! サワムラーとの戦いはちょっと
    楽勝だったけど、カメールとの戦いの時だってすごかったぜ! 「殻に篭る」
    攻撃の後に「体当たり」で突進し、それを見せかけて「冷凍ビーム」を繰り出す
    ほどの素晴らしい作戦。 そしてお前のピカチュウの「スピードスター」で攻め
    捲くるほどの作戦、とてもよかったぜ! お前のポケモン、すっごく育てて
    いるなと、俺は思ったさ! お前の実力、すっごくよかったぜ! ここまで、
    誉めてあげるよ!」
シュウ「サトシ…フッ、ありがとう。 そこまで優しい言葉を俺に聞かせるなんて、尊敬
    する感じだぜ。 でも、俺はお前を見つけてよかったよ! だってお前は、俺が
    ずーっと探してたトレーナーなんだからな!」
サトシ「え?」
シュウ「話はその時まで語るよ。 なぜ俺がお前を探していたか。 それよりも、この
    試合、お前の勝ちだよ。 楽しい戦いだったぜ! 感謝するよ、サトシ!」
シュウはサトシの方に手を伸ばした。
サトシ「シュウ…ああ!」
サトシとシュウは互いに握手した。
シュウ「これで仲直りだ!」
サトシ「ああ、仲直りだ!」

9回戦でシュウと戦い、見事に勝利したサトシ。 シュウと仲直りして、よかった物だ。 
だが、シュウは本当は何者なのか? なぜ彼はサトシとよく似たポケモン図鑑を持って
いるのか? そして次回から行われるのは、第
10回戦! 果たして、次こそ誰がサトシ
を待っているのか? その事とシュウの謎は、次回へ続く!
続くったら、続く!