ポケットモンスター小説版
145話 ブラックバロンとの戦い

13回戦でシゲルの実の兄であるグリーンと戦い、見事に勝利したサトシ。 シゲル、
ブルーとヒロシも無事に勝利した。 次は第
14回戦! 果たしてどんな強者がサトシを
待っているのであろうか? 一方サトシ達は、レストランドードーズにいた。 そこには
サトシ、シゲル、ブルー、ヒロシ、カスミ、タケシ、レッド、グリーン、アオイ、
オーキド博士、コゴロウとデルヴァがいた。 その間までアキラ、カツコとサイゾウは
試合中である。

シゲル「はー、兄ちゃん、兄ちゃん…くーーー、いい感じーーー!!!」
カスミ「シゲルもしつこく言ってるわね。」
シゲル「だって俺兄ちゃんがいたら
1度こう言いたかったんだよー。 俺本当に
    兄ちゃんがいたなんて、幸せだよー…何度も言うほどいい感じだー…なあ、
    姉ちゃん。」
アオイ「うん、そうね!」
グリーン「まあ、そうとも言えるだろうな。」
カスミ「もう、飽きれない奴ね!」
サトシ「まあ、いいじゃないか。 兄弟また会えた事だし! な、お兄ちゃん!」
レッド「ああ、そうだな!」
カスミ「それもしょうがないわね。」
ブルー「カスミだってお姉ちゃんがいるほど幸せなんでしょ?」
カスミ「そ、そんな事ないわよ!」
ヒロシ「でも…本当にシゲルと似てるね…」
コゴロウ「ああ…背の高さとか、顔とかちょっと違うけど…姿が全く似てるな…」
デルヴァ「まるでクローンみたいだな!」
グリーン「…クローンって、あのな…」
タケシ「でも意外とジュンサーさんやジョーイさんに似てるな。 同じタイプの人間
    だし。」
グリーン「俺を一緒にするなよ…」
アオイ「でもまた会えていいね。 今までの旅、どうだったの?」
グリーン「ああ…図鑑も進んでるし、対した事じゃないからな。」
オーキド「それこそ我が孫であるグリーンじゃ! シゲルと同じく逞しく成長しとる
     のう!」
コゴロウ「でも性格は正反対だな、完全に。」
グリーン「…悪かったな、性格が正反対で…」
サトシ「まあ、これで家族揃った事だし、次の俺の相手は誰なんだ?」
タケシ「ガイドブックによると…うーーーん…よく分からん相手だが、
    ブラックバロンって言う奴だな。」
サトシ「え?」
全員「ブラックバロン?」
タケシ「年齢・性別・血液型・出身地とか全部不明って書かれてるけど、よっぽど
    正体不明なトレーナーなんだな。」
サトシ「ブラックバロン…」
サトシはその名前を聞いて、悩み始めた。
ブルー「サトシ、大丈夫?」
サトシ「え? あ、ああ、大丈夫だよ! でも、気になるんだよな、あいつ。 あの視線
    を見た時、どこかで見た事あるような気がするんだけど…」
カスミ「そうなの?」
サトシ「そうらしいんだけど…」
デルヴァ「そう言えば、そのブラックバロンっつー奴の試合なら、俺
1度見たぜ?」
サトシ「え!?」
デルヴァ「確か試合を見ていた時、すっげー戦い方だった。 かなり無口な奴だったけど、
     戦略がすごかった。 ポケモンに指示を出すその凄まじいテクニックや、
     仕掛けてくる完璧な作戦を作ったり、手強そうな相手に見えたさ。 まるで
     相手の行動を完全に見切られてるって言うか、相手の心が読み通してるって
     言うか…予知能力みたいな感じだったぜ。 そのため秒殺って呼ぶだろうか、
     ノーダメージの上、一撃で勝ち抜いたと聞いたけど…」
全員「えーーーーー!?」
コゴロウ「そ、そんなに強いのか、そのブラックバロンっつー奴…!?」
デルヴァ「よく分からないけど、そうだったらしい。 おまけに観客や出場者達がそう
     言う風に噂してるんだけど…まあ、サトシならば絶対に勝てると思って…」
しかし気付けばサトシは落ち込んでいた。
デルヴァ「あれ? ちょっと言いすぎたかな?」
カスミ「当たり前でしょ!」
シゲル「あんな事言っちゃーなー…」
シャワーズ「ね、ねえ、サトシ、大丈夫?」
ピカチュウ「ピ、ピカピーーー…」
サトシ「(でーーー…何て事だ…あのブラックバロンってそんなに強いのか!? 一撃
    必勝って、それじゃあ俺には敵わないじゃないかよ!? ううう…
    どうすればーーー…)」
サトシはそう激しく悩み続けた。
コゴロウ「ま、まあ、そう思うなよ! だいたいお前も強いじゃないか! せっかくここ
     まで来たもんだし、そう悪く思うなよ! 自信を持ってがんばれば、必ず
     勝てるよ!」
サトシ「ヘッヘッヘ…そうであればいいけど…」
デルヴァ「…でも…俺が試合を拝見してた時…サトシの言う通り、あいつどこかで会った
     ような気がする…」
全員「え?」
デルヴァ「戦い方と姿では分からないけど…あいつの気配によれば、どこかで会った気が
     するんだ。 あの視線、そして行動…前にこんな奴と会った気が…昔、いや、
     今までに…!」
サトシ「やっぱりデルヴァもそう思うか…俺もそう思う。 前に
1度旅の途中であった事
    がある気がするし…でも、一体誰なんだろう? ブラックバロンって言う謎の
    トレーナー…」
ピーンポーンパーンポーン♪ その時スピーカーから鐘が鳴った!
スピーカー『マサラタウンのサトシ様、マサラタウンのサトシ様、第
14回戦の始まり
      ます! セキエイスタジアムまで起こしください!』
サトシ「あ、いよいよ俺の出番か…」
オーキド「じゃあ、ワシはもう行くよ。 ゲストの仕事があるからのう。」
グリーン「じゃあ、おじいちゃん。 また後で。」
オーキド「おお、また後でじっくり話そうな!」
アオイ「行ってらっしゃい、おじいちゃん!」
シゲル「また後でな、じいさん!」
オーキド博士は行ってしまった。
サトシ「じゃあ、俺も行くよ。」
シゲル「がんばれよ、サトシ! 負けるなよ!」
ブルー「あたし達も応援してるからね!」
ヒロシ「がんばれ、サトシ! 自信持ってね!」
レッド「俺も母さんと一緒に応援してるから、それまでにがんばるんだぜ!」
アオイ「私も応援してるね!」
グリーン「俺も一応応援しとくよ。」
コゴロウ「俺も応援してるからな! それまでに負けるなよ!」
サトシ「ありがとう、みんな!」
カスミ「サトシ、がんばってね! 必ず勝つのよ!」
サトシ「ああ、カスミ! さて、そろそろ…」
デルヴァ「待て! 
1つだけアドバイスをやる!」
サトシ「え、アドバイス?」
デルヴァ「あのブラックバロン、多分人間じゃないと言う可能性が高い。 今までとは
     違って危険な奴かもしれないからな。 戦いの最中に、気を付けるんだぞ!」
サトシ「…ああ、分かったぜ! じゃ、また後でな! 行こうぜ、ピカチュウ、
    シャワーズ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「うん!」

―セキエイスタジアム―

ワーーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『観客の興奮も、おおいに巻き込まれました! 第
14回戦Cブロック
       第
5試合の始まりです! そしてこのバトルステージに立ち上がっている
       トレーナーは、勢いよく勝ち抜き続けるサトシ選手とブラックバロン
       選手! 果たして、第
15回戦まで向かうトレーナーは、一体誰!?』
会長『これはサトシじゃのう。 しかしあのブラックバロンもなかなかのいい腕じゃ。 
   彼もがんばるといいじゃろうな。』
じいちゃん『うひょひょひょひょ、ワシはサトシぢゃな! 彼も是非勝たせたいもんだ
      わい!』
アキハバラ『私もサトシ君を勝たせたいと思いますね。 オーキド博士もそう思います
      でしょ?』
オーキド『ああ、そうじゃが、まだ分からぬぞ? あのブラックバロンもなかなか手強い
     トレーナーじゃ。 両者共どう言う戦略で行くか、楽しみじゃよ!』
カスミ「がんばって、サトシーーー!!!」
レッド「がんばれよ、サトシーーー!!!」
シゲル「がんばれ、サトシーーー!!!」
ブルー「がんばってー、サトシーーー!!!」
ヒロシ「がんばれー、サトシーーー!!!」
タケシ「気合入れてがんばれよ、サトシーーー!!!」
シュウ「負けるなよ、サトシーーー!!!」
マロン「サトシ君、がんばってーーー!!!」
マサキ「行け、サトシ! がつっと行くんやーーー!!!」
トオル「サトシ、いい写真撮るから、がんばれよーーー!!!」
ハナコ「がんばって、サトシ!!! ママもレッドも応援してるわよーーー!!!」
ボイジャー「がんばってください、サトシくーーーん!!!」
アオイ「グリーンは応援しないの?」
グリーン「ああ、あいつの腕、俺には分かってるからな。 必ず勝てると思うよ。」
ウンディーネ「ダーリン、がんばってーーーん♪」
ドリヤード「がんばってください、サトシさーーーん!!!」
サラマンダー「力ずくで勝利を目指せ、兄貴ーーー!!!」
ジン「がんばれダスー、ご主人様ーーー!!!」
シェイド「相変わらず張り切る者達だな。」
ウィスプ「いいじゃないッスか、サトシさんのためッスから!」
だがサトシはブラックバロンを見ながら、悩み始めた。

デルヴァ(あのブラックバロン、多分人間じゃないと言う可能性が高い。 今までとは
     違って危険な奴かもしれないからな。 戦いの最中に、気を付けるんだぞ!)

サトシ「(確かにデルヴァの言う通り、こいつは人間じゃない可能性がある…服装はいい
    として、あの視線…凍るほどだぜ…まるで何人の人間を殺したかのような視線
    だ…でも、何でだろう? まるで、どこかで会った事がある気がするけど…一体、
    どこで…?)」
ブラックバロン「…その謎を知りたければ、私を倒してからにすると良かろう。」
サトシ「え!? (な、何だ今の!? 俺が悩んでた事が分かる!? こ、こいつ、
    一体…!?)」
アナウンサー『それでは、早速始まります! 第
14回戦、試合開始!』
サトシ「(くっ…一体誰なのか分からないけど、これは戦うしかない!)ラプラス、君に
    決めた!」
ラプラス「お待たせ致しました!」
ブラックバロン「…行け、ニドキング。」
ニドキング「キーーーング!!!」
アナウンサー『サトシ選手、ラプラスを繰り出しました! しかも喋るタイプらしいです! 
       そして次にブラックバロン選手はニドキングを繰り出しました! でも
       これはどう言う事でしょう!? ニドキングは毒だけではなく地面も身に
       付けています! 地面は水に弱い! 果たしてこの違うタイプのポケモン
       で、どう活躍するのでしょうか!?』
サトシ「ラプラス、「ハイドロポンプ」だ!」
ラプラス「分かりました! はーーーーーー!!!」
ブシューーーーーーーー!!! ラプラスの「ハイドロポンプ」!
ブラックバロン「…ニドキング、「穴を掘る」。」
ニドキング「キーーーーーング!!!」
ドガーーーーーーン!!! ニドキングは地中に潜り、ラプラスの攻撃が外れた!
アナウンサー『おっと、これは素早い回避! よく見切れました、ブラックバロン選手!』
サトシ「な…!? 気を付けろ、ラプラス! 奴はどこに攻めて来るか分からないから
    な!」
ラプラス「分かりました!」
サトシ「(どこだ…一体どこから来る!? 地面の中じゃどこに移動してるか分からない! 
    …落ち付け…落ち付くんだ…落ち付けば、きっとどこに現るか分かる! 落ち
    付いて…集中して…)」
サトシは落ち付きながら、集中し始めた。
ボコ!!! 突然ラプラスの後ろから、地中から何かが出ようとした!
サトシ「見付けた!!! ラプラス、後ろに「冷凍…」!」
ラプラスはサトシの指示通り後ろへ向こうとした!
ブラックバロン「出てもよいぞ。」
ニドキング「キーーーーング!!!」
ドガーーーーーーン!!! ニドキングの「穴を掘る」攻撃! ニドキングはラプラスの
真下から現れた!
ラプラス「あ!!!」
サトシ「な、何!?」
アナウンサー『おーーーっと! これは何と!? ラプラスの後ろから出て来ようとした
       ブラックバロン選手のニドキングでしたが、何と真下から現れました! 
       これは正に騙し討ちです!』
会長『これはなかなかな作戦じゃのう!』
カイト「そうか…
1度後ろで脱出合図を出せば、そのポケモンはその合図に気を取られて
    しまう。 それに気を取られれば、隙を狙えるって訳か!」
ツグミ「案外手強いわね、あのブラックバロンって言う人…」
エニシ「サトシ君大丈夫かな…?」
サトシ「く…こうなったら…ラプラス、「ハイドロ…」!」
スーーーーー… ラプラスは「ハイドロポンプ」の準備をする。
ブラックバロン「…ニドキング、「
10万ボルト」。」
ニドキング「ニーーードッキーーーーーーング!!!」
ビリリリリリリリリ!!! ニドキングの「
10万ボルト」!
サトシ「は、やばい! ラプラス、「ハイドロポンプ」はやめろ! 「冷凍ビーム」で
    弾き飛ばすんだ!!!」
ラプラス「あ…は、はい! はーーーーーーー!!!」
バシューーーーーー!!! ラプラスの「冷凍ビーム」!
バキャーーーーーン!!! ラプラスの攻撃でニドキングの「
10万ボルト」を弾き
飛ばした!
アナウンサー『おっと、これはすごい! サトシ選手のラプラス、「冷凍ビーム」で
       ニドキングの「
10万ボルト」を弾き飛ばしました! さすがに惜しい、
       ブラックバロン選手! 今回のは前と違って手強い選手と対戦して
       います!』
エイジ「よーし、その調子だぜ、サトシ!!!」
ハルナ「がんばってーーー!!!」
ブラックバロン「…指示変更か。 やるではないか。」
サトシ「へっへ、指示ぐらい入れ替えてりゃ文句ないだろ?」
ブラックバロン「確かに文句ないな。 だが、次はどうかな? ニドキング、「破壊光線」。」
ニドキング「キーーーーーーーーーーング!!!」
バシューーーーーーーーーー!!! ニドキングの「破壊光線」!
サトシ「ラプラス、もう
1度「冷凍ビーム」だ!!!」
ラプラス「はい! はーーーーーーーーーー!!!」
バシューーーーーーーーーー!!! ラプラスの「冷凍ビーム」!
ドカーーーーーーーーーーン!!! 互いの攻撃が互角に命中し、巨大な爆発を
起こした!
サトシ「うわ!? ら、ラプラス!?」
ブラックバロン「……………」
爆発の煙が収まり、ステージにはニドキングとラプラスが倒れていた。
ニドキング「キ〜〜〜ング…」
ラプラス「う…うう…」
サトシ「ラプラス!!!」
ブラックバロン「……………」
審判「両者、引き分け!」
ワーーーーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『おっと、これは残念な事! さっきの攻撃で両者のポケモン引き分けです! 
       これは何と言う残念な事やら!』
じいちゃん『うひょー、確かに残念ぢゃのう…』
サユリ「ああ、ラプラス負けちゃった…」
コウム「でも引き分けとは、あのニドキングも対した奴だったな…」
ヨシキ「ああ、そう思うよ…」
サトシ「ラプラス! 大丈夫か!?」
ラプラス「うう…サトシさん…すみません…お役に立てなくて…」
サトシ「いいんだよ、ラプラス。 お前はよくがんばった。 よくがんばってくれたよ。 
    感謝するよ、ラプラス。」
ラプラス「サトシさん…」
サトシ「ゆっくりボールに休んでくれ。 後でポケモンセンターで回復してやるからな!」
サトシはラプラスをモンスターボールの中に戻した。
ブラックバロン「…お前もよくがんばった。 感謝するぞ。 ゆっくり休むとよかろう。」
ブラックバロンはニドキングをモンスターボールの中へ戻した。
サトシ「(…ニドキングの事ありがたく思ってる…案外優しい奴なんだな…)」
審判「両選手、次のポケモンを!」
サトシ「あ、は、はい! ピジョン、君に決めた!」
ピジョン「ピジョーーーン!!!」
ブラックバロン「…行け、オニドリル。」
オニドリル「ギャオーーー!!!」
アナウンサー『サトシ選手はピジョンを繰り出し、ブラックバロン選手はオニドリルを
       繰り出しました! 正に飛行対飛行と言うより、自然系対荒らし系です! 
       果たして、この同じタイプのポケモンに、どう活躍するのでしょうか!?』
ブラックバロン「…自然を愛するピジョンと、自然を荒らそうオニドリルか…鳥ポケモン
        としてはライバルのような奴だな。」
サトシ「俺のピジョンは自然の守護者! その上正義感がとても高いんだぜ! 荒らし
    好みの奴には簡単に負けはしないぜ! ピジョン、お前の自然と正義の力を
    見せてやれ! 「電光石火」だ!」
ピジョン「ピジョーーーーーー!!!」
ブラックバロン「フン…果たしてどうかな…オニドリル、「空を飛ぶ」。」
オニドリル「ギャオ!!!」
ビューーーーン!!! オニドリルは「空を飛ぶ」攻撃で、大空高く飛び上がった! 
その隙にピジョンの攻撃が外れた!
ピジョン「ピジョ!?」
サトシ「な!?」
ブラックバロン「「ドリル嘴」。」
オニドリル「ギャオーーーーーーー!!!」
ギュルルルルルルルル!!! ドカ!!! オニドリルの「ドリル嘴」!
ピジョン「ピジョ!!」
サトシ「ピジョン!!!」
ブラックバロン「「乱れ突き」。」
オニドリル「ギャオーーー!!!」
ダダダダダダダダダダダ!!! オニドリルの「乱れ突き」!
ピジョン「ピジョーーー!!!」
ブラックバロン「「突進」。」
オニドリル「ギャーーーオ!!!」
ドカ!!! オニドリルの「突進」攻撃!
ピジョン「ピジョーーーーーン!!!」
サトシ「ピジョン!!!」
アナウンサー『おーーー、これはすごい! ブラックバロン選手のオニドリル、かなり
       厳しくピジョンに攻撃し捲くっています! このままだとピジョンは
       お終いだ! どうする、サトシ選手!?』
カオルコ「あのピジョン、オニドリルとの戦いでは無理ですわ!」
セイジ「ピカチュウと交代すれば楽勝のはずだけど…!」
ピジョン「ピ…ピジョ…」
アナウンサー『ピジョンの体力もギリギリとなり、後一撃でフィニッシュです! 
       このまま戦うか、それとも交代するか、どうするサトシ選手!?』
サトシ「(く…このままじゃピジョンが負けちまう! やっぱピカチュウと交代…いや、
    待てよ。 やっぱ交代するの止めよう。 このまま戦ってみたいもんだし…でも
    あのオニドリルどうすればいいんだ…俺のピジョンよりもレベルが高い…いくら
    でもあんな奴には勝てないぜ…くっそー、どうすれば勝てるんだ!? 空中戦
    でも勝ち目はないし…ん? 空中? そうか、閃いたぞ!)」
ブラックバロン「…どうした、サトシ。 来ないのか? 来ないのならこっちから先だぞ。 
        オニドリル、「かまいたち」。」
オニドリル「ギャオーーーーーー!!!」
ザシューーーーー!!! オニドリルの「かまいたち」!
サトシ「(ピジョン、ごめんな! 今は疲れてるけど、後もう辛抱だ!)ピジョン、「空を
    飛ぶ」だ!」
ピジョン「ピ、ピジョン!」
ビューーーーーン!!! ピジョンの「空を飛ぶ」攻撃で、空高く飛び上がった! その
隙にオニドリルの攻撃が外れた!
ブラックバロン「…! オニドリル、追え。」
オニドリル「ギャオ!」
ビューーーーーン!!! オニドリルは「空を飛ぶ」でピジョンの後を追った!
サトシ「よーし! 今度は「高速移動」で、真上からオニドリルの周りに飛び回るんだ!」
ピジョン「ピジョ!!!」
シュンシュンシュンシュン!!! ピジョンの「高速移動」! ピジョンはオニドリルの
真上で、オニドリルの周りに飛び回っている。
オニドリル「ギャ、ギャオ?」
アナウンサー『お、おや? サトシ選手のピジョン、一体何をするのでしょうか?』
ウミオ「い、一体何をするんだ?」
ソラオ「…!? あ、あの体制…もしかして!?」
サトシ「よーーーし!!! 猛スピード中で移動し捲くって、「風起こし」だ!!!」
ピジョン「ピジョーーーーーーン!!!」
ブォーーーーーーーーーー!!! ピジョンの「風起こし」! ピジョンは巨大な竜巻を
作り上げ、真上からオニドリルへ襲い掛かる!
オニドリル「ギャオ!?」
ブラックバロン「…!?」
オニドリルは竜巻に包まれ、回転し始めた!
オニドリル「ギャオーーーーーーー!!!」
アナウンサー『うぉ!? な、何と言う必殺技!? 「高速移動」中に「風起こし」で、
       巨大な竜巻を作り出し、ブラックバロン選手のオニドリルに
       包まれました! おかげでオニドリルは竜巻の中から脱出できません! 
       それにしても、こんな技見た事もありません!!!』
アキハバラ『ほほう、これは大発見な戦略ですね!』
ソラオ「やっぱり、高速で周囲に回転すれば、空気がその場に集まり、巨大な竜巻を
    起こす事が出来るって言う作戦か! それならば、竜巻の中にいるオニドリルは
    動ける事も不可能だ!」
スイート「すごーい! サトシのポケモン、そんな事も出来るのね!」
ソラオ「(そこまで作戦を立てられたとは…サトシ、なかなかやるな…)」
オニドリル「ギャオーーーー…」
オニドリルは回転し続きながら目を回している。
サトシ「よし、ピジョン、とどめだ! 自然と正義の力で包まれた…「電光石火」だ!!!」
ピジョン「ピジョーーーーーーーーー!!!」
ドバキ!!!!!!! ピジョンの「電光石火」! 急所に当たった!!!
オニドリル「ギャ!!!」
ドサ!!! 竜巻が収まりオニドリルは地面に落とされた!
オニドリル「ギャオ〜〜〜…」
審判「オニドリル、戦闘不能!」
ワーーーーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した!
アナウンサー『これはすごいです!!! 竜巻の中でオニドリルの動きを封じし、
       そのまま「電光石火」でとどめ! サトシ選手、さすがにものすごい
       作戦を作りました!』
オーキド『さすがにサトシ、よく勉強したのう!』
カスミ「サトシ、後
1匹よ! がんばってーーー!!!」
レッド「サトシ、後
1匹で最後だーーー!!!」
シゲル「後
1匹だーーー!!!」
ブルー「がんばって、サトシ! 後
1匹よーーー!!!」
ヒロシ「後
1匹だよ、サトシーーー!!!」
タケシ「後
1匹だ! 負けるなよーーー!!!」
シュウ「後
1匹だ、サトシーーー!!!」
マロン「サトシ君、ラストまでがんばれーーー!!!」
ウンディーネ「きゃー♪ もうダーリンったらカッコエエわ♪」
ドリヤード「最後までがんばるといいですね!」
ジン「そうダスな!」
サラマンダー「うぉーーーー、兄貴ーーー!!! 後
1匹だーーー!!!」
シェイド「…相変わらず燃えてるな、こいつも…」
ウィスプ「まあ、いいじゃないッスか。 人それぞれッスし。」
アナウンサー『サトシ選手、まだ戦いは終わってはいません! ブラックバロン残る
       ポケモンは後
1匹! この1匹を倒せば、君の勝ちです! さてブラック
       バロン選手、君最後まで繰り出す切り札は、何!?』
ブラックバロン「…オニドリル、ご苦労だったな。 私のために戦ってくれた事を、感謝
        するよ。 ゆっくり休み給え。」
ブラックバロンはオニドリルをモンスターボールに戻した。
ブラックバロン「…あの竜巻でオニドリルを倒せたとは、無茶な事するな。」
サトシ「無茶なんかじゃないよ! 自然と正義を混ぜ込んだ、俺のピジョンの真の強さ
    さ!」
ピジョン「ピジョ!」
ブラックバロン「…フッ…自然と正義か…さすがだよ、サトシ。 「あの時戦った」より
        も、ますます強くなってるではないか。 私も相当驚きだよ。」
サトシ「…!? 「あの時戦った」!? って、お、おい、ちょっと待って! 今まで
    俺は思っていたけど…やっぱりお前怪しい! お前一体誰なんだ!? なぜ俺の
    事知っている!? 俺とお前、前にどっか会った事あるのか!? 頼む、教えて
    くれ!!!」
ブラックバロン「…対戦前に言ったはずだ。 「…その謎を知りたければ、私を倒して
        からにすると良かろう。」と。 真実を知りたければ、私を倒してから
        だ。 行け、パルシェン。」
パルシェン「パルーーー!!!」
アナウンサー『おーーー! ブラックバロンの切り札は、パルシェンです!』
ブラックバロン「パルシェン、「冷凍ビーム」。」
パルシェン「パル!!!」
バシューーーーーー!!! パルシェンの「冷凍ビーム」!
サトシ「な!?」
ピジョン「ピジョ!?」
スカ! ピジョンは攻撃を避けた!
パルシェン「パルル!!!」
バシュバシュバシュバシューーーーーー!!! パルシェンは「冷凍ビーム」を連続に
攻撃した!
ピジョン「ピ、ピジョ、ピジョーーー!!!」
ピジョンは苦しく攻撃を避け続けている!
サトシ「ぴ、ピジョン! 戻れ!」
サトシはピジョンをモンスターボールに戻した。
アナウンサー『おや、サトシ選手、ピジョンを戻しました! 確かにピジョンの体力は
       ギリギリ! 後一撃でも当たれば戦闘不能になったはず! しかし戻した
       のは、サトシ選手、正しい事しました!』
サトシ「くそー、正体をそんなに教えてくれないなら…こうなりゃ意地でも勝って見せる
    ぜ! 水や氷に対抗できるのは…ピカチュウ、君に決めた!」
ピカチュウ「ピカ!!!」
アナウンサー『サトシ選手、ピジョンの代役としてピカチュウを繰り出しました!』
ブラックバロン「…ピカチュウを繰り出すのか。 強大な敵を次々と倒した、その証でも
        あるポケモンだな?」
サトシ「なぜそこまで知ってるかはさっぱり分からないけど、ピカチュウでも必ず勝って
    見せるぜ!」
ブラックバロン「確かにパルシェンは水系ポケモンでもある。 電気系のピカチュウなら、
        こいつとは一撃だ。 だが、望み通りには行けるかどうか…」
サトシ「そんなの今見ないと分からねえよ! ピカチュウ、「
10万ボルト」!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーーー!!!!」
ビリリリリリリリリリリ!!! ピカチュウの「
10万ボルト」!
ブラックバロン「パルシェン、「影分身」。」
パルシェン「パル!」
シュン!!! パルシェンの「影分身」!
スカ! ピカチュウの攻撃が外れた!
ピカチュウ「ピカ!?」
サトシ「何!? き、気を付けろ、ピカチュウ! ニドキングとの戦いと同じく、どこに
    現るか分からないからな!」
ピカチュウ「ピ、ピカ!」
スッ!!! 突然ピカチュウの後ろに何かが通って来た!
サトシ「は! あれだ! ピカチュウ、うし…!!!」
その後サトシの言葉が止まった。
サトシ「(いや、待てよ。 あれは騙し討ちだ! 前にニドキングとの戦いと同じく、
    騙して別の方向で攻撃した! つまりこれも騙しだ! だとしたら…)
    ピカチュウ、前に「
10万ボルト」!!!」
ピカチュウ「ピ、ピカ! チュウーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! ピカチュウの「
10万ボルト」!
シュン!!! サトシが言った通り、パルシェンは一瞬にピカチュウの前に現れた!
パルシェン「パル!?」
ブラックバロン「パルシェン、「殻に篭る」。」
パルシェン「パ、パル!」
ガシン!!! パルシェンの「殻に篭る」攻撃!
バキューーーン!!! ピカチュウの攻撃が弾き飛ばされた!
アナウンサー『おっと、これは危ない所! 「殻に篭る」を使ったおかげで無事にセーフ! 
       さすがによい見切り方です、ブラックバロン選手!』
ブラックバロン「…よく知ったな、私の行動を。 よく見切られたな。」
サトシ「へ、いつもの事さ! 
2度も騙されないよ!」
ブラックバロン「フッ…さすがに強くなっているな。 だが、まだまだこれからだ。 
        パルシェン、「冷凍ビーム」。」
パルシェン「パッルシェン!!!」
バシューーーーーー!!! パルシェンの「冷凍ビーム」!
サトシ「ピカチュウ、跳べ!」
ピカチュウ「ピカ!」
ダッ!!! ピカチュウはジャンプし、攻撃を避けた!
サトシ「今だ、「
10万ボルト」!!!」
ピカチュウ「ピーーーカチュウーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! ピカチュウの「
10万ボルト」!
ブラックバロン「パルシェン、「影分身」。」
パルシェン「シェン!!!」
シュン!!! パルシェンの「影分身」!
スカ! ピカチュウの攻撃が外れた!
ピカチュウ「ピ!?」
シュン!!! パルシェンはピカチュウの後ろに現れた!
ピカチュウ「ピ!? チュウーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリリ!!! ピカチュウの「
10万ボルト」!
シュン!!! パルシェンは「影分身」で攻撃を外れた!
シュン!!! パルシェンはピカチュウの後ろに現れた!
ピカチュウ「ピ!? チュウーーーーーーーー!!!」
ピカチュウは何度も同じ事を繰り返すが、それを同じ事を繰り返すパルシェン。
アナウンサー『これは何と言う事でしょう! ピカチュウは「
10万ボルト」で攻撃します
       が、パルシェンは必ず「影分身」で避け続けています! 攻撃を完全に
       見切られている限り、同じ事を繰り返しています! これは相当攻撃は
       無理でしょうか!?』
会長『これは相当難しいのう…』
トミオ「これじゃあ、勝負にもならないな…」
リョウマ「回避ばかりじゃ、確かに勝負にはならないぜ…」
ピカチュウ「ピ…ピ…」
ピカチュウは疲れ切っている。
リン「でもあのピカチュウ疲れ切ってるわね?」
ラン「電気使え捨ててるから、疲れるのも当然よ。」
ブラックバロン「疲れてるようだな。 ならばこっちから攻撃するぞ。 パルシェン、
        「刺キャノン」だ。」
パルシェン「パルパルーーー!!!」
ドンドンドンドン!!! パルシェンの「刺キャノン」!
ピカチュウ「ピカ!!!」
サトシ「あ!!!」
ブラックバロン「次は、「体当たり」だ。」
パルシェン「パッルーーーーーー!!!」
ドカ!!! パルシェンの「体当たり」!
ピカチュウ「ピカーーーーーー!!!」
サトシ「ピカチュウ!!!」
アナウンサー『おっと、これは大ピンチ! 疲れ切っているピカチュウがコテンパンに
       されています! これはますます大変な事になっております!』
ユウキ「まずいわ! このままじゃピカチュウ負けちゃうわ!!!」
ケン「確かにピンチだぜ、こりゃ! ピカチュウが負けちまったら、次はピジョンの番
   だぜ! しかもピジョンは力尽きそうな状態だ! もしもピカチュウが負けて
   しまい、ピジョンの出番になっちまったら、完全にサトシの負けだぜ!」
カスミ「サトシ…」
ピカチュウ「ピ…ピ…」
ブラックバロン「どうした、お前の力はその程度か? 今までの実力はどうした? 
        まさか負けを認めるとは言わないだろうな?」
サトシ「俺はまだ負けてはいない! 必ず俺が勝って見せる! お前が誰なのか分かる
    まで、俺はこの勝負に勝って見せるよ!!!」
ブラックバロン「ならば本気を見せろ。 お前のピジョンのように、自然と正義と言う力
        を。」
サトシ「く…」
サトシは悔しがっていた。
サトシ「(…どうすれば…どうすればいいんだ!? どうやってこいつに勝てば
    いいんだ!? 攻撃しても簡単に避けてしまう! こっちが全く攻撃する隙間も
    ねえ! くそ、どうすれば…!!)」
ブラックバロン「…落ち付け。」
サトシ「え?」
ブラックバロン「落ち付くんだ。」
サトシ「な、何だって?」
ブラックバロン「最後まで私を倒す作戦を作りたければ、自分の気にする物を無にし、
        自分の集中力で落ち付いて考えるのだ。 気にする物を無にするのだ。 
        そして落ち付いて、考えるのだ。」
サトシ「……………」
サトシは言われた通り、自分の目を閉じ、落ち付きながら考え始めた。
サトシ「(落ち付け…落ち着くんだ…気にする物は置いといて、勝つだけの事を
    考えるんだ…どうやって奴を倒せる方法を…一体どうやって奴を倒せばいいの
    か…電撃で攻撃しても、必ず奴が避け…ん? 電撃…? そうか、分かったぞ!)
    ピカチュウ、お前まだ戦えるか!?」
ピカチュウ「ピカ!」
サトシ「よーし…ピカチュウ、今は疲れてるけど、もう少しの辛抱でがんばってくれ!」
ピカチュウ「ピッカ!」
ブラックバロン「(どうやら閃いたようだな…)」
サトシ「ピカチュウ、「
10万ボルト」だ!!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリリ!!! ピカチュウの「
10万ボルト」!
ブラックバロン「(…「
10万ボルト」? 奴は何をする気だ?)まだそんな技を出すのか? 
        何度もやっても同じ事だ。 パルシェン、「影分身」。」
パルシェン「パール!!!」
シュン!!! パルシェンの「影分身」!
スカ! ピカチュウの攻撃が外れた!
サトシ「今だ!! 奴が姿を現す前に「高速移動」で電撃を追え!!!」
ピカチュウ「ピカーーーーーー!!!!」
シュン!!! ピカチュウは「高速移動」で放電中の「
10万ボルト」を追った!
ブラックバロン「ん?」
アナウンサー『おっと、これは一体何でしょう!? サトシ選手のピカチュウはいきなり
       「高速移動」で放った「
10万ボルト」の後を追っています! しかももの
       すごいスピードで追っています!!』
マサトシ「何や何や? サトシの奴、何する気や!?」
ユウタ「さっき撃った「
10万ボルト」で何を!?」
その後ピカチュウはようやく放電中の「
10万ボルト」の前に立ち止まった!
サトシ「よし、今だ!!! パルシェンがいた場所に向かって「叩き付ける」攻撃だ!!!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーーーー!!!!!」
バッシーーーン!!! ピカチュウの「叩き付ける」攻撃! ピカチュウの攻撃は「
10
ボルト」を叩き付き、真っ直ぐパルシェンがいた場所へ放って行く!
ブラックバロン「何!?」
アナウンサー『おーーー!!! これは何と言う事!? ピカチュウが放った「
10
       ボルト」を「叩き付ける」攻撃で跳ね返しました!!! しかもその
       スピードは先ほどよりも違って光速で放っています!!! 正に光速の
       矢のようです!!!』
シンジ「すっげー! ピカチュウにそんな事が出来るなんて!!」
ピース「だとしたらー、あのパルシェン君は…」
シュン!!! パルシェンは自分の姿を現した!
パルシェン「パル!?」
しかしパルシェンは今まで気付かなかっただろうか、ピカチュウが打ち返した「
10
ボルト」がパルシェンの方へ向かっている!
ブラックバロン「…!?」
ドカーーーーーーーン!!!! そして電撃がパルシェンに命中した! その上効果は
抜群だ!
パルシェン「パ…パ…ル…」
ドサ!!! パルシェンが倒れた!
審判「パルシェン、戦闘不能! よってこの試合、サトシ選手の勝ち!」
ワーーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した!
アナウンサー『やりました、サトシ選手とピカチュウ!! タイミング良くパルシェンが
       姿を現し、ぴったりと攻撃を命中しました! まさかあー言う作戦で行く
       とは、正にサトシ選手、天才です!!! さて、これまでの残りポケモン
       の数は
20! ピカチュウとピジョンが残っていた事で、今回第14回戦
       は、サトシ選手の勝利です!!!』
会長『ほー、今回もやったのー、サトシ君! 見事じゃったぞい!』
じいちゃん『うひょー、今回も魂消たわい! よくやったぞい、サトシよ!』
アキハバラ『やりましたね、サトシ君! よくがんばりました!』
オーキド『よくやったのう、サトシ君! ご苦労じゃったな!』
カスミ「やったーーー!!! サトシ勝ったーーー!!!」
レッド「やったな、サトシーーー!!!」
シゲル「よくやったぜ、サトシーーー!!!」
ブルー「おめでとう、サトシーーー!!!」
ヒロシ「よくやったよ、サトシーーー!!!」
タケシ「よくがんばったな、サトシーーー!!!」
シュウ「サトシ、やったなーーー!!!」
マロン「やったね、サトシくーーーん!!!」
マサキ「ようやったな、サトシ! すごかったでーーー!!!」
トオル「よくがんばってね、サトシ! いい写真撮ったよーーー!!!」
ハナコ「やったね、サトシ! ママ嬉しいわよーーー!!!」
ボイジャー「おめでとうございます、サトシくーーーん!!!」
アオイ「グリーンの言う通りだったわ。」
グリーン「まあな。 あいつなら、この先必ず勝てるだろ。」
ウンディーネ「ダーリン、おめでとさーーーん♪」
ドリヤード「おめでとうございます、サトシさーーーん!」
サラマンダー「うっしゃーーー!!! 兄貴勝利だぜーーー!!!」
ジン「ご主人様勝ったダスーーー!!!」
シェイド「さすがサトシ、よくやったな。」
ウィスプ「おめでとうッス、サトシさーーーん!!!」
ブラックバロン「…なるほど。 こう言う作戦で行ったか。 もしも射撃系の技を使えば、
        パルシェンは必ず「影分身」を使う。 だが、その後パルシェンが
        ピカチュウの後ろに移動する事はもう既に分かっていた。 だから
        消えた直後、「高速移動」で放った「
10万ボルト」を追い、「叩き付ける」
        で弾き返し、弾き返した電撃のスピードを最大限にし、タイミング良く
        パルシェンが現るまで攻撃したと言う訳か…フッ…さすがにやるな、
        サトシ。 よく奴の行動が分かったな。 見事な作戦だったぞ。」
サトシ「そこまで冷静だな、お前。 負けたぐらいで悔いを持たないなんて、お前も
    さすがだよ。 さあ、約束通りお前の正体を教えろ! お前は一体誰なのか、
    なぜ俺の事知ってるか、さっさと教えろ!!」
ブラックバロン「…今は教えない。 こんな騒がしい所で教えても、ただ無駄な事だけさ。」
サトシ「な、お前…!」
ブラックバロン「だが今日限り教えるつもりだ。 今夜の
11時、スタジアムホールで
        待っている。 それまでお前の仲間全員連れて来るんだ。 ただし、
        お前の母親と、シゲルと言う少年の姉とボイジャーとオーキド博士
        だけは残してくれ。 これは私とお前達だけの話にしたいからな。」
サトシ「え…? …わ、分かった。」
ブラックバロン「では、今夜
11時、待っているぞ…」
ブラックバロンはステージから降りた。
サトシ「……………」

―夜
11時、スタジアムホール―

サトシ達は全員スタジアムホールにいた。 その後コゴロウが後から来た。
サトシ「あ、コゴロウ! どうだった、ママ達は?」
コゴロウ「大丈夫。 ぐっすり寝ているぜ。」
アーモンド「でも何だ? 何でブラックバロンっつー奴が俺達を?」
ココナッツ「ねえ、サトシ君。 もしかしするとだけど…あいつあんたの事殺す気じゃ
      ないの?」
サトシ「は?」
ココナッツ「ほら、負けた事だから、きっとあんたの事恨んでるはずよ! だからこう
      やってサトシ君をここに呼んで…」
ウォール「な、何と!? だとしたら今すぐ逃げた方が…!!!」
サトシ「な、何バカな事言ってるんだよ!? 奴がそんな事をすると思ってるのか!? 
    あいつが負けた時、完全に冷静になってたぞ? おまけに負けた悔いはなかった
    らしいぜ? それに、あいつ人殺すような奴には見えないし…ポケモンに
    対しては優しく見えたから、あんまり悪い奴とは…」
コゴロウ「うーーーん、確かに見た時はそう思っていたけど…」
サトシ「それに…あいつを見てるだけで、どこかで会った気がするんだよ。 だって奴は、
    俺の事全て知っているんだよ。」
全員「え?」
サトシ「会った事があるらしいんだよ、俺とあいつ。 どこかで…どこだか分からない
    けど、
1度会った事があるらしいんだ。 しかも一度戦った事もあるみたいだし
    …まるで俺とあいつ、旅の途中に本当に出会ったような気がする…」
???「お前の言う通りだ、サトシ。」
全員「え!?」
その時暗闇の中からブラックバロンが現れた!
全員「ブラックバロン!?」
ブラックバロン「サトシの言う通り、私とサトシは前に会った事がある。 もちろん、
        戦った事もある。 お前達の旅の途中にもな。」
サトシ「何だって!?」
トオル「な、何? 何が何なの?」
サトシ「でたらめな事言うな!! 何バカな事言ってるんだよ!? 会った事もない人物
    がなぜ俺の事を知ったりするんだよ!? さあ、早く教えろ!! お前は誰
    なんだ!? なぜ俺の事を知ってるんだ!? さっさと教えろ!!!」
ブラックバロン「…教える前に質問を出そう。」
サトシ「な!?」
ブラックバロン「お前達はリユニオンを倒すために旅立っていると聞くが、それは本当の
        事であろうか?」
サトシ「…? そ、そうだよ。」
ピッピ「あのー、リユニオンって何でしゅか?」
ブルーザー「あ、ああ。 リユニオンって言うのは…」
ブルーザーはマロン達とリユニオンの知らない仲間達に、リユニオンの事を説明した。
全員「な、何だって!?」
ピッピ「生物抹殺と現世破壊を企む軍団!? …って何でしゅか?」
ズル! ピッピの発言で全員気が抜けた。
サトシ「…と、とにかく、なぜ俺の事知ってるんだ!? 後、何でお前がリユニオンの事
    を知ってるんだ!? 教えろよ!!」
ブラックバロン「…お前にはまだ覚えているはずだ。 お前と私、
1度ダークシティで
        会ったはずだ。 もちろん、そこで戦った事も。」
サトシ「ダークシティ? そう言えばあそこは確か…え!? って、ちょ、ちょっと待て
    …って、て事は…お前…まさか…」
その時サトシ達はブラックバロンの発言により、怯え始める。
ブラックバロン「そう、そのまさかだ。 私はダークシティで
1度出会い、そして戦った。 
        そう、その時の私はあの軍団の一員、「魔闇黒軍団」団長。 ある時は
        この黒きトレーナーだが、その実体は…」
バッ!!! ブラックバロンはローブとマントを脱ぎ捨てた!
全員「…!!! あ、アークスト!?」
そう、ブラックバロンの正体は、リユニオンの一員、アークストであった!
トオル「あ、あいつは、グランパキャニオンの事件の時の犯人と同じ人だ!」
シュウ「あ、あいつがオーキド博士が言っていた、リユニオンの一員!?」
マロン「何かカッコイイって言うか、この人があのリユニオンの…!?」
アークスト「フッ…少々怯えているようだが、私は正真証明リユニオンの一員だ。 
      ダークシティ以来だが、私と会ってない人間達の場合は初めてだな。」
サトシ「な、何で、お前…」
アークスト「なぜ私はここにいる? それはお前の腕を試したかったのだ。 どれぐらい
      腕が上がった事をな。」
サトシ「俺の腕を…?」
アークスト「あの時戦った以来、私はお前との戦いに負けた事を、覚えているよな? 
      私はお前の力を見て、分かっていたのだ。 お前なら、この世界を救えると。 
      だが、そこまでこの先お前の力はどう強くなるか分からなかった。 多分
      この先でも、お前は負けるかもしれないと、そう思っていた。 決して
      負けると信じていなかったが、お前なら勝てると信じていた。 そのため
      私はお前がこのリーグに出場する事を知り、私もこの大会に出場したのだ。 
      お前の力がどれぐらい上がったと。 その時までお前は修行し、強くなって
      いるかもしれないと、そう思っていた。 だが、人間達の前に私の姿を見る
      と、私もリユニオンの一員だと完全ばれてしまう。 あの時数々の街の襲来
      を見た人間達がいたらな。 だから私はあの黒衣のトレーナー、ブラック
      バロンになり、出場したのだ。 他の人間達、特にお前達にばれないように
      ね。 しかし変装したのは正解だったな。 気配だけは知っていたようだが、
      正体だけは知らなかったようだな。 まあ、ポケモン達のおかげで、私も
      ここまで来れる事が出来たんだ。」
デルヴァ「じゃあ、バトル中に使っていたポケモン達は…」
アークスト「ああ、レンタル用のポケモンだったよ。 このリーグではそう言うのある
      からな。 出場者用のレンタルポケモンをね。 今まで旅立っていた時、
      私は様々なバトルとか、ポケモンの事とか全て分かったよ。 どう言う風に
      戦っているのか、どう言う技を使って、どう言う効果を持っているのか、
      どんなタイプがいて、何に強いか弱いのか、そしてどう言う風に育てて
      いるのか…全て学んだよ、それぞれを拝見してからな。 でも、ここまで
      お前と戦ったのは、よかった物だ。 これでお前の腕も分かった所だし…」
サトシ「ふざけるな!!! 俺はそんな事言ってないぞ!!!」
サトシは突然と怒り出した。
カスミ「ちょ、ちょっとサトシ…」
サトシ「俺は何のためにお前がここにいると言ってるんだよ!!! まさかお前、
    セフィロスの命令でここにいる人間達を抹殺するために来たんだろ!? 
    もちろんこの場全体破壊する事もだろ!? そう言う目的のためにここに来たの
    なら今すぐここでお前を…!!!」
アークスト「抹殺? 破壊? 何の事だ? 私はそんなくだらぬ任務をするためにここに
      来たんじゃない。」
サトシ「…え?」
アークスト「私は、お前と共にリユニオンを潰すためにここに来たのだ!」
全員「え?」
サトシ「ど、どう言う事だ?」
アークスト「私は昔、セフィロスの仲間に入りたくはなかったのだ。 選ばれただけでも、
      私は奴の軍団に入りたくはなかった。 だが、奴は無理矢理私を軍団に入れ
      させ、抹殺と破壊の活動をさせてくれた。 だが、私は嫌だった。 奴の
      命令により、そう言う任務をする事を…私は生まれた時から、争いが大嫌い
      だった。 殺しと破壊の争いをね。 私はただこの世界に自然を生き続け
      させれば、それでよいと思っていた。 だが、奴はそれを完全に潰して
      くれたのだ…そのため奴は関係ない人物を次々と惨殺し、数多くの街を崩壊
      した。 私はその血塗れな光景を見るのが我慢できなかったのだ! 私は
      人間と同じ。 同じく生きているのだ! リユニオンのような、自分を
      モンスターだと思っている奴とは違うのだ! 理由無きの地獄のような争い
      を見続けるのが、私にとってはもう懲り懲りなのだ! 私もこの星を
      守りたい。 人類やポケモンなどの動植物達を全て救いたい。 私はそう
      願っていた…本当に起こらぬ願いだったがな…だがダークシティ襲来の時、
      奇跡が起こったのだ! リユニオンよりも対抗出来る最強のポケモン
2匹と、
      それを育てた正義の少年がこの世界に存在した事を! 私の事がまだ憎んで
      いるのなら、断っても別に構わない! だが私はどうしてもこの願いを完全
      に叶えて欲しいのだ! 頼む! お前の仲間に入れてくれないか!?」
カスミ「さ、サトシ…」
ピカチュウ「ピカピ…」
シャワーズ「サトシ…」
サトシ「……………なあ、ピカチュウ、シャワーズ。 お前だったらどうする?」
シャワーズ「サトシはこの人の事憎んでいないのは分かってるよ。 この人はサトシと
      同じ事をしたかったかもしれないんだ。 サトシもアークストを仲間に
      させたいと思ってるでしょ? 僕はサトシの味方だから、サトシが言いたい
      事と賛成だよ!」
ピカチュウ「ピッカ!」
サトシ「…レッドお兄ちゃんは?」
レッド「俺も賛成だぜ。 会った事はないけど、こいつの場合は、そんなに悪くなさそう
    だからな。」
サトシ「ゼトラとデルヴァは?」
ゼトラ「…まあ、軍団を裏切ったのなら、しょうがねえもんな。 アークストは俺と同じ
    仲だ。 救いと守りのためにリユニオンを潰すのなら、仲間に入ってもいい。」
デルヴァ「俺も賛成だ。 最初はアークストの事を悪い奴とは思わなかった。 絶対
     こうすると思っていたよ。 仲間に入ってくれれば、こっちも光栄だぜ!」
サトシ「…結果が出たな。 いいぜ、アークスト! 仲間に入ってもいいぜ!」
アークスト「本当か! ありがとう、サトシ! これからも私はお前を守って戦うよ!」
サトシ「ああ! これからもよろしくな、アークスト!」
アークスト「こちらこそもな!」
サトシとアークストは互い握手した。
アークスト「ゼトラ、デルヴァ、今まではすまなかったが、これからもよろしくな!」
ゼトラ「おうよ! これでお前も俺達の仲間だ!」
デルヴァ「互いがんばってリユニオン潰しに向かおうぜ!」
アークスト「ああ! そうだ。 ヤスとカズと言ったな? 私は
1度ダークシティに
      戻った。 そこにいる人間達に、今までの事を全て謝った。 その街にいる
      人間達も、分かってくれた。 お前達の場合では、許せないかどうか
      分からんが、すまなかった、お前達の街を襲って…」
ヤス「何言ってるんだよ! 俺達はもうそう言うの気になっていないぜ!」
カズ「そうだそうだ! 全てはお前のせいじゃないさ! お前はもう仲間だし、元気出し
   な!」
アークスト「…ありがとう!」
シャワーズ「これで仲間更に増えたね!」
サトシ「うん!」

14回戦でブラックバロンであったアークストと戦い、見事勝利したサトシ。 おまけ
にアークストも仲間に入り、互いの友情が繋がった。 だが、リーグ戦はまだ終わっては
いない! 次に行うのは、第
15回戦! 果たして、どんな強敵がサトシを待っているの
か? その事は、次回へ続く!
続くったら、続く!