ポケットモンスター小説版
152話 四天王対決! VSカンナ

ファイナルバトルでシゲルと戦い、見事に勝利付くし、優勝したサトシ。 だが、優勝
したと思ったら、最後に四天王と戦うと言う試練が出た。 果たしてサトシは、どんな
四天王と戦うのか? そんなサトシ達一行は、別荘にいた。

サトシ「ヘッヘッヘ、四天王対決だよー。 ワクワクするなー♪」
ブルー「それはそうよね! サトシはリーグ戦に勝ち、ここまで辿り付いたもんね!」
カスミ「でもその調子で勝てるの?」
サトシ「当ったり前さ! 最後までここに来たら、諦めて帰る訳には行かないよ!」
カスミ「ま、そこがサトシらしいわね。」
シゲル「なあ、タケシ。 四天王と戦う場所は、やっぱりセキエイスタジアムか?」
タケシ「いや、ガイドブックによると、四天王と戦う場所は、「エリート
4ドーム」って
    言う所らしい。」
サトシ「エリート
4ドーム?」
タケシ「本来アメリカでは、四天王との事エリート
4って呼ぶらしい。 エリートな
    四人衆だからな。 場所は、セキエイスタジアムの北の方で、そこには
5つの
    ドームがある。 一つはメインドームで、その北の方にあるルート付きの他の
    
4つが、四天王のバトルドームだ。 1234って言う順番になっていて、
    この順の四天王を倒せば、ポケモンリーグの真のチャンピオンが決められるって
    事だ。」 
サトシ「へぇー、意外と楽しそうだな! よーし、
4つのドームをまとめてクリアして、
    チャンピオンになって見せるぜ!」
カスミ「でも分からないわよ? 
1回戦では多分あっさり負けちゃうわよ?」
サトシ「な、何言ってんだよ!? 俺が負ける訳がないだろ!?」
カスミ「分からないわよ? サトシお調子者だから、乗り過ぎると直ぐ負けちゃう
    可能性もあるわよ?」
サトシ「何ーーー!?」
レッド「まあ、サトシ、落ち着け! ケンカしても意味ねえぜ?」
その後レッドは怒っている顔をしながらカスミに振り向いた。
レッド「カスミ、じゃあ何だ? サトシが最初からリーグ戦で負けた方がよかったって
    言うのか!? 四天王に負けた方がいいって言うのか!?」
カスミ「え!? べ、別にあたしはそう言う意味で言った訳じゃ…」
サクラ「でも同じ事よ、カスミ!」
アヤメ「せっかくサトシはここまで辿り付いたのに、バカにしてたら今までの応援意味
    ないじゃない!」
ボタン「今でもがんばってるサトシにそんな事言ったら、もう二度と応援させない
    からね!!」
カスミのお姉さん達も、レッドとフォローしていた。
カスミ「う………ご、ごめんなさい、サトシ…」
サトシ「…別にいいよ。 気にしてなんかいないし、あそこまで言うほどお前は
    悪くないし…」
カスミ「え…?」
サトシ「まあ、そんな事よりも! タケシ、試合まで何時なんだ?」
タケシ「確か今日の
8時に行うって言うから、後もうちょっとで…」
ピーンポーンパーンポーン♪ 突然ラジオから鐘が鳴った。
ラジオ『マサラタウンのサトシ様、マサラタウンのサトシ様、四天王戦の始まりです。 
    エリート
4ドームまでお越しください。』
サトシ「おっと、等々時間が来たな! じゃ、俺行くわ!」
タケシ「がんばれよ、サトシ!」
ブルー「あたし達も応援してるから、がんばってね!」
シゲル「俺達の分まで、がんばるんだぞ!」
ヒロシ「僕からも応援するよ!」
シュウ「負けるなよ、サトシ!」
マロン「最後までがんばってね!」
カスミ「…がんばってね、サトシ。 あたしも応援してるから!」
サトシ「…ありがとう、みんな! じゃ、俺行くから! 行くぜ、ピカチュウ、
    シャワーズ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「うん!」
そしてサトシとピカチュウとシャワーズ、エリート
4ドームへ向かうため、別荘から走り
出た。

―エリート
4ドームメインバトルステージ―

ワーーーーーーーーーーーーー!!!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『
Ladies and gentlemen, welcome to Sekiei Pokemon League, Elite 4
       Dome! 皆様、ようこそセキエイポケモンリーグ、エリート4ドームへ! 
       ここは、ポケモンリーグ戦に、
1回戦からファイナルバトルまで勝ち
       抜いた選ばれしトレーナーが立ち上がる、ポケモンリーグの頂点です! 
       ここで選ばれしトレーナーが、あの世界一最強と名乗る四人衆、四天王と
       戦う事になります! 果たして今回第
12回ポケモンリーグの選ばれし
       挑戦者は、四天王を制圧し、ポケモンリーグのチャンピオンになれるの
       だろうか!? 早速紹介致しましょう! 我がリーグの選ばれし
       トレーナー、マサラタウン出身の少年、
       勇崎 智(ゆうざき さとし)ーーーーーーー!!!!』
ワーーーーーーーーーーーーー!!!!!! サトシがバトルステージに立ち上がった時、
観客達は大きな歓声を彼に浴びさせた。
カスミ「がんばって、サトシーーー!!!」
レッド「がんばるんだぞ、サトシーーー!!!」
シゲル「がんばれよ、サトシーーー!!!」
ブルー「サトシ、がんばってーーー!!!」
ヒロシ「がんばれ、サトシーーー!!!」
タケシ「力尽くでもがんばれよーーー!!!」
シュウ「絶対勝利を尽くせ、サトシーーー!!!」
マロン「最後までがんばって、サトシくーーーん!!!」
マサキ「がんばりや、サトシーーー!!!」
トオル「いい写真撮るから、がんばってよ、サトシーーー!!!」
ハナコ「がんばって、サトシ! ママ応援してるわよーーー!!!」
アオイ「がんばってね、サトシーーー!!!」
グリーン「……………」
アオイ「…? ねえ、今回もサトシ、四天王に勝てそうと思う?」
グリーン「………分からない。 四天王の実力はサトシよりもほぼ上。 苦戦になる
     可能性はある…でも、恐らく、勝てる可能性はあるはずだ。」
アオイ「…そうだといいね!」
ボイジャー「がんばってください、サトシくーーーん!!!」
ウンディーネ「あーーー、ダーリンカッコエエわー♪ ダーリンの勇姿を必ずウチの
       ビデオカメラで撮らないとアカンわ♪」
サラマンダー「てめえ、○ード○ャプターさ○らの知世かい…」
ウンディーネ「エエやないか、ウチダーリン好きなんやし、ビデオ撮ったくらい
       エエやろ!? ドリヤードはんやってそやし、な、ドリヤードはん!」
ドリヤード「え!? え、ええ…」
さっきの言葉で、ドリヤードの顔は赤く染める。
サラマンダー「まあ、人それぞれっつーもんだから、しゃーねーな。 ま、とにかく
       応援だ! フレーーー、フレーーー、サ・ト・シ! 兄貴、力尽きるまで
       がんばれーーー!!!」
ウンディーネ「ダーリン、ウチのためにがんばりやー♪ ビデオちゃんと
       撮っとるでーーー♪♪♪」
ドリヤード「あ…さ、サトシさん、がんばってくださーーーい!!!」
ジン「がんばれダスー、ご主人様ーーー!!!」
ウィスプ「サトシさん、がんばれッスーーー!!!」
シェイド「…これからはもっと騒がしくなるが…がんばるんだな、サトシよ…」

―一方ロケット団―

さて、現在のロケット団は、いつものように売り子のバイトをしていた。 その間、
サトシの方へ見詰めていた。

ムサシ「いよいよあのジャリボーイ、四天王と戦うのね!」
コジロウ「これは見逃せないぜ!」
ヤマト「今回も絶対にジャリボーイの勇姿を見るのよ!」
コサブロウ「おう!!」
ニャース「それよりも、おミャーらいつ本編の仕事に…」
サノスケ「しかしこんな所じゃ見え難いから、もっと近くに行こうぜ!」
ゴエモン「それはグッドアイディアだな!」
ハンゾウ「早速前席近くの方へ移動♪」
ロケット団はサトシを拝見するために、前席の方へ向かうが、ニャースは除け者扱い
されたのか、置いて行かれた。
ニャース「…いい加減にニャーを無視するニャ…(怒涙)」

―メインステージ―

アナウンサー『さてさて、サトシ選手はいよいよ、四天王と戦う事になります! その事
       でゲストの方々様、ご感想はどうでしょうか?』
会長『ほっほっほ、さすがサトシ君じゃ! ここまで来るとはさすがに素晴らしい! 
   是非応援させてもらうぞい!』
じいちゃん『うっひょっひょっひょ! サトシ君もやるようぢゃのう! 彼の勝利、
      今でも期待しておるぞい!』
アキハバラ『サトシ君もさすがにがんばっています! 是非優勝するよう、応援したい
      です!』
オーキド『サトシ君はとても優秀なトレーナーじゃ。 負ける事は無かろう。 彼が必ず
     勝つ事を、祈って、応援するぞ。』
アナウンサー『なるほど。 それでは、早速ルールをご説明致します! ルールは、
       リーグ戦のと同じですが、今回は全て
6匹、フリーバトルで行います。 
       四天王は
5匹までしか出しません。 四天王の方では、入れ替え不可
       ですので、挑戦者は自由に入れ替えます。 なお、リーグ戦のルールと
       同じように、
2匹以上眠らせたり、凍らせないでください。 しかし、
       
1匹だけ眠り、1匹だけ凍らせるだけなら、オーケーです! ただし、
       ポケモンやトレーナーに死を与える殺人行動は、一切禁じていますので、
       注意してください。 各ステージにリングはありませんので、場外は
       ありませんのでご安心を。 ただし、降参合図を出したり、ポケモンが
       痛みで泣き落ちたら、戦意喪失となります。 なお、ルールを破れば、
       即試合放棄、及び敗北決定となります。 このドームの扉の先には、
       四天王のステージがあり、それぞれのステージは四天王が使う属性に
       よって違うステージも混じっています。 
4種類もありますので、
       全クリアすれば、ポケモンリーグの真のチャンピオンとなります! また、
       試合前にポケモンのチェンジも可能です。それでは、サトシ選手! 
       四天王と対戦する覚悟は出来ているかな!?』
サトシ「もちろんだぜ!」
アナウンサー『うむ、いい答えだ! それでは、早速四天王対決を、開始します! 
       どうぞ、エリート
4ドームのバトルゾーンナンバー1行きの扉へ、進んで
       ください!』
プシューーーーー!!! サトシの前にある扉が自動的に開いた。 扉の先には壁があり、
壁に「←」と言う矢印が描かれていた。
アナウンサー『壁に描かれてある矢印方向を辿れば、そこにはバトルステージの扉が
       あります。 勝負に出る前に、どのポケモンを使用するか、考えて
       ください。 それでは、進んでください!』
サトシとピカチュウとシャワーズはアナウンサーが言った通り、扉に入り、矢印方向通り
に進んで行った。
ガシャン!!! サトシ達が扉に入った後、扉は自動的に閉まった。
アナウンサー『試合は映像画面で見られますので、応援の方々はどうぞ拝見を。』

―通路―

サトシ達は矢印方向通りに歩き続くが、まだバトルゾーンの扉に着かない。
サトシ「長いな、この道…」
シャワーズ「一体床まで続くんだろう…」
ピカチュウ「ピカ…ピ? ピカピ!」
サトシ「ん? あ、あった!」
ピカチュウは気付いたのだろうか、道の先には扉がある。 どうやらその扉は、バトル
ゾーンの扉らしい。 その扉はシャッターのようになっていて、右側の方には入力キーが
あった。
サトシ「これがバトルゾーンの扉か…でもどうやって開けるんだろう?」
ピカチュウ「ピーカ…」
シャワーズ「ノブも無いし、開け方分からないよ。 あると言えば、あの入力キー
      だけだし…」
サトシ「どうやらパスワードがいるらしいけど、パスワードは一体…」
???『ヨウコソ、選バレシとれーなー…』
突然訳の分からない所から、謎の声が出てきた。
サトシ「うわ!? だ、誰だ!?」
???『私ハコノばとるどーむノ「こんぴゅーた」デス。 私ハコノ対戦ノ審判ト
    ナリマス。 コレカラモヨロシクオ願イシマス。』
サトシ「あ、ああ…こちらこそ…」
コンピュータ『ソレデハ、コノ入力きーニ、貴方ノ
IDなんばーヲ入力シテクダサイ。 
       貴方ガ四天王ニ兆戦スル選バレシとれーなーダト証明スルタメニ、
ID
       なんばーガ必要デス。 IDなんばーヲ入力シテクダサイ。』
サトシ「そうか、これパスワードじゃなくて、
IDナンバーが必要なのか。 じゃ、
    入れとくか。 えーっと、確か俺の
IDナンバーは51484だったな…」
ピッピッピッピ! サトシは自分の
IDナンバーを、入力キーのキーパッドに入力した。
コンピュータ『
IDなんばー確認シマス…』
ピーーーピロロロロピコンピコンピブーーーピーブーーーーーー………
コンピュータはサトシが入力した
IDナンバーを確認している。 しかもその音はまるで
インターネットの接続するような音だった。
コンピュータ『…
IDなんばー確認完了。 確カニ貴方ハ、選バレシとれーなーデス。 
       通行許可ヲ与エマス。』
プシューーーーーー!!! 突然と扉が自動的に開き、部屋から白い煙が出てきた。
サトシ「な!?」
煙が止み、部屋が見えやすくなった。 その部屋は、床が氷のようになっていて、氷の岩
もあちこちあって、その部屋はまるで南極か氷河のような部屋であった。
サトシ「……寒い。」
そう、もちろん部屋の中は強いエアコンにかかれたようにものすごく寒い。 しかし
そんな事言ってる場合ではないと思ったサトシ達は、第
1のバトルドームに入り、歩き
回った。
サトシ「何だ、このドームは? 全部氷ばっかりだぞ?」
シャワーズ「まるで南極にいるみたいだね…」
ピカチュウ「ピカ…」
???「「氷の間」よ。」
サトシ「…!」
謎の声を聞いたサトシは、聞こえたその方向へ振り向いた。 そこにはある
1人の女性が
いた。 その女性はメガネをかけていて、青い上着、紫色のポニーテールの髪の毛、
優しそうな目と顔をした、胸の大きいグラマーな女性(爆)であった。
サトシ「…へ?」
???「ようこそ、第
1のバトルドーム、氷の間へ。 貴方がこのリーグの選ばれし
    トレーナー、サトシ君ね? うふ、見た目によれば可愛い子ねv こんな可愛い
    顔した少年、久しぶりねv」
サトシ「え? え、あ、あの…あ、貴方は…」
???「あら、ごめんなさい。 まだ紹介してなかったわ。 初めまして、私はカンナ。 
    このバトルドームの第
1の四天王、氷使いの四天王よ。 よろしくね。」
サトシ「え!?」

―メインドーム―

サトシの仲間達、ロケット団と他の観客達は、映像画面でサトシとカンナを見詰めていた。
アナウンサー『サトシ選手の相手となる第
1の四天王は、カンナさんです!』
じいちゃん『うっひょっひょっひょ、さすがに美人ぢゃのう!』
ナツメ「ありが四天王ね…」
タケシ「ああ…何て美人な人なんだ…四天王の中にあんな美人がいたとは、正に感激な…」
ビィッ!! ハルナはタケシの耳を引っ張った。
タケシ「いでででで!!!」
ハルナ「はいはい、貴方の婚約者は私でしょー。」
エリカ「おほほほほ、さすがハルナさん。 カスミさんのタケシさんに対する技を学習
    しましたね。」
カスミ「きゃーーー!!! カンナ様だわーーー!!!」
サクラ「ホントだわ!!! カンナ様だわ!!!」
アヤメ「まさか、本物のカンナ様!?」
ボタン「きゃーーー!!! カンナ様、画面に映ってるわーーー!!!」
レッド「な、何だよお前達…知ってんのか?」
カスミ「もちろんよ! だってあたし達カンナ様の大ファンなんだもの! 水系と氷系の
    使用者! あたし達ハナダ
4姉妹と同じタイプなんだもん!」
アヤメ「正に水系と氷系はどんなタイプの中でもぴか一よね!」
ボタン「うんうん! それにカンナ様はそれを使うほど素敵だものー!」
その発言を耳に聞いたレッドは、怒り出したようだ。
レッド「…ふーーーん、そうか。 じゃ、そこまでサトシを応援したくないのなら、
    好きにしろ。 この裏切り者共が。」
カスミ「あ、いや、別にサトシを応援しないって言う意味じゃないのよ。」
サクラ「そ、そうよ。 そんなに怒らないで。 ちゃんと応援するから…」
アーモンド「レッドとサトシって…案外ブラコン関係みたいだな…」
ピッピ「あの、ブラコンって何でしゅか?」

―第
1のバトルドーム、氷の間―

サトシ「あ、貴方が…四天王の
1人…?」
カンナ「ええ、氷系を使いこなす、四天王の氷系専門トレーナーよ。 貴方のリーグ戦の
    活躍、拝見させてもらったわ。 さすがにカッコ良かったわよ。 どんな手強い
    相手を必ず勝ち抜ける。 その勇姿、正に気に入ってくれたわよ。」
サトシ「え? そ、そうかな…?」
カンナ「でも、この勝負とは別物。 リーグ戦とは、上手く行かないわよ。」
サトシ「…分かってます。」
カンナ「私の使用するポケモンは、全て氷系よ。 氷は、タイプの中で威力の高い唯一の
    属性。 なぜなら、一撃でも技を食らったら、凍り付けとなって動けなくなる
    から。 世間では卑怯とも言えるけど、こう言う物なの。 貴方には、分かる
    かしら?」
サトシ「分かりますよ。 正々堂々の勝負には、卑怯と言う
2文字は必要ありませんから
    ね!」
カンナ「…クス、まあ、そう言う事ね。 いい事言うね、サトシ君。 その意志、気に
    入ったわよ。 でも、この勝負ではそう簡単に行かないわよ。 それまでに
    覚悟は出来てるね?」
サトシ「もちろん!」
カンナ「そう。 では、コンピュータさん。」
コンピュータ『畏マリマシタ。 ソレデハ、第
1ノ四天王対決ヲ始メマス。 試合開始!』
カンナ「まずはこの子で行くわよ! 行きなさい、ジュゴン!」
ジュゴン「ジュゴーーーン!!!」
サトシ「ならばこっちは同属性のラプラスだぜ! ラプラス、君に決めた!」
ラプラス「私のお呼びですね。」
カンナ「あら、これは珍しいわね。 滅多に人語を喋れないラプラスを持っているなんて、
    貴方すごいわね。」
サトシ「ええ、ちょっとした訳ありで貰いましたからね! では、先制攻撃させて
    もらいますよ! ラプラス、「ハイドロポンプ」!」
ラプラス「分かりました! はーーーーーー!!!!」
ブシューーーーーー!!!! ラプラスの「ハイドロポンプ」!
カンナ「こっちも「ハイドロポンプ」と、ジュゴン!」
ジュゴン「ジュッゴーーーン!!!」
ブシューーーーーー!!!! ジュゴンの「ハイドロポンプ」!
バシーーーーーーン!!!! ジュゴンの攻撃はラプラスの攻撃をぶち破った!
サトシ「な!?」
ドバーーーーン!!! 攻撃はラプラスに命中した! 効果は今一つのようだ。
ラプラス「あっ!!!」
サトシ「大丈夫か、ラプラス!?」
ラプラス「え、ええ…大丈夫です。 私水系ですから、ダメージは少々受けました。」
サトシ「つまり多くないって訳か、そりゃよかった…さすがカンナさん、やりますね! 
    俺のラプラスの「ハイドロポンプ」を破れるとは、すごいです!」
カンナ「そうかしら? でももっとすごいのはこれからよ。 なぜなら私のジュゴン、
    ちょっと特別な事が出来るから…」
サトシ「え?」
カンナ「ジュゴン、「冷凍ビーム」を使って、上まで進むのよ!」
ジュゴン「ジュゴン! ジュゴーーーーーン!!!」
バシューーーーーー!!! ジュゴンの「冷凍ビーム」!
カチカチカチカチ!!! ジュゴンは地面に「冷凍ビーム」を出し、空の方へ向かう氷の
道を作りながら進み上げた!
サトシ「な、何!?」
カンナ「私のジュゴンは、氷の道を作る事が出来る能力を持ってるの。 もちろん橋でも
    何でもね。 さて、そろそろいいわね。 ジュゴン、道を作るの止めて、
    「ロケット頭突き」で激突するのよ!」
ジュゴン「ジュゴゴーーーン!!!」
ヒューーーーーー!!! ジュゴンは空高く作り上げた氷の道から飛び降り、「ロケット
頭突き」でラプラスを襲う!
サトシ「げっ、これやばい!! ラプラス、避けろ!!!」
ラプラス「あ、は、はい!!」
ドカーーーーーン!!! ジュゴンは「ロケット頭突き」で地面に激突したが、さすがに
運が良く、ラプラスは攻撃を避けた。
カンナ「あら、意外と早いのね、そのラプラス? 今のはいい避けだったわ。」
サトシ「そこまで誉めてくれてなんなんですが…ジュゴン、出られない様子ですよ?」
カンナ「え?」
そう、サトシの言う通り、気付けばジュゴンの頭は地面に突っ込まれていた。 どうやら
抜けられない様子だ。
ジュゴン「ジュゴーーーン!」
ジュゴンはどうやら助けを呼んでいるらしい。
カンナ「あ、あらら…どうやら頭が地面に抜けられなくなったのね…」
サトシ「(な、何て落ち着きのいい人なんだ…冷静過ぎるって言うか、何て言うか…)と、
    とにかく、ラプラス! ジュゴンを引っ張り上げろ!」
カンナ「え?」
ラプラス「あ、はい!」
ラプラスはジュゴンの尻尾を噛み付き、必死に引っ張り出そうとする。
ラプラス「うーーーーーーん…」
ズボッ!!! そしてジュゴンの頭は抜けられた!
ジュゴン「ジュゴ〜〜〜ン…」
地面に激突したせいか、ジュゴンの目はクラクラ状態になっている。
ラプラス「どうやら大丈夫の様子ですね。」
サトシ「そりゃよかった…じゃ、早速再戦とでも…」
カンナ「…くす、貴方っていい子ね。 もういいわ、戻りなさい、ジュゴン。」
カンナはジュゴンをモンスターボールに戻した。
サトシ「え!? ど、どうして!?」
カンナ「さっきの衝撃によって、さすがにダメージを受けたみたい。 しかもあの状態
    だと、もう戦う気力ないみたいだから。 だから、コンピュータさん。」
コンピュータ『エ? ア、ハ、ハイ…じゅごん、戦意喪失。 らぷらすノ勝チ。』
サトシ「い、いいんですか、そんな事しても…」
カンナ「いいのよ、私が出した判断だし。 でも、次はさっきのと違って、上手く
    行かないかもしれないわよ。 それまでに、覚悟しなさいよ。 さあ、
    行きなさい、パルシェン!」
パルシェン「パル!!!」
サトシ「それならこっちはラプラスのままで行くぜ! ラプラス、頼んだぞ!」
ラプラス「任せてください!」
カンナ「パルシェン、「刺キャノン」!」
パルシェン「パールル!!!」
ドンドンドンドン!!! パルシェンの「刺キャノン」!
サトシ「ラプラス、「水鉄砲」で弾き飛ばせ!!」
ラプラス「はい!」
バシュバシュバシュバシューーー!!! ラプラスの「水鉄砲」!
バシバシバシバシ!!! 攻撃はパルシェンの「刺キャノン」を弾き飛ばした!
カンナ「あら、やるわね? でも、これならどうかしら? パルシェン、「吹雪」よ!」
パルシェン「パルッシェーーーーーン!!!」
ビュオーーーーーー!!! パルシェンの「吹雪」!
サトシ「うわっ!! ラプラス、あんな攻撃に負けるな!」
ラプラス「く…は、はい!」
カンナ「さあ、どうするサトシ君? このままだと、そのラプラス凍ってしまうわよ?」
サトシ「(く…確かにこのまま「吹雪」を受け続けると、ラプラスが凍り付けになって
    しまう! どうすれば…待てよ? そう言えば、ラプラスには…)ラプラス、
    「白い霧」だ!!」
ラプラス「あ、はい! はーーーーーーー!!!」
ブシューーーーーー!!! ラプラスの「白い霧」! 霧はラプラスに包まれ、見えなく
なった!
パルシェン「パル!?」
カンナ「!? …そう、「白い霧」を使えば、自分を見えなくなり、凍り付けを無効に
    させるつもりね? でも、いつまでそんな事しても、勝負にならないわよ。 
    パルシェン、「吹雪」続行よ!」
パルシェン「パル! シェーーーーーン!!!」
ビュオーーーーーーーー!!! パルシェンの「吹雪」! だが余りにも効果は少々
効いていない様子…
ピカ…!! その時霧の中から、目線のような形をした赤い光が、パルシェンの方へ睨み
付いた!
パルシェン「パ、パル!? シェ、シェン…」
カンナ「…? どうしたの、パルシェン?」
パルシェン「シェンパル!!!」
ドカドカドカドカ!!! パルシェンはなぜか近くにある氷の岩に体当たりしている! 
どうやら自分を攻撃しているらしい。
カンナ「な、混乱状態!? 待てよ、さっきの光はまさか…」
サトシ「今だ、ラプラス! 「のしかかり」攻撃!!」
ラプラス「はぁ!!!」
ドスン!!! ラプラスの「のしかかり」攻撃!
パルシェン「パル〜〜〜…」
コンピュータ『ぱるしぇん、戦闘不能。 らぷらすノ勝チ。』
カンナ「…さっきの光、「怪しい光」ね?」
サトシ「ああ、「白い霧」はそんなに長く掛からないけど、「怪しい光」でパルシェンを
    混乱させれば、「吹雪」を一時的にやめさせる事が出来る。 な、ラプラス!」
ラプラス「ええ、そっちの方が、凍り付けにならずに済みますし…」
カンナ「…なるほど、さすがにいい手を使うわね、サトシ君。 パルシェンでちょっと
    油断したけど、次はそう簡単には行かないわよ。 なぜなら、次は氷系とは
    限らないからね。 出でよ、ヤドラン!」
ヤドラン「ヤドラン!」
サトシ「え!? ヤドラン!?」
ラプラス「確かにヤドランは、水系だけでなく、エスパー系も混ざっています!」
カンナ「そう、いくら私は氷系専門トレーナーとしても、氷系とは限らないタイプも
    いるのよ。 さて、貴方ならどう戦うかしら?」
サトシ「…フン、ヤドランごときで俺は負けてたまるかよ! ラプラス、「ハイドロ
    ポンプ」だ!」
ラプラス「はい! はーーーー!!!」
ブーーーーーーーーーー!!! ラプラスの「ハイドロポンプ」!
カンナ「ヤドラン、「サイコキネシス」!」
ヤドラン「ヤッドーーーン!!!」
ミワワワワワワワワワ!!! ヤドランの「サイコキネシス」!
バシューーーーー!!! ヤドランの攻撃はなぜかラプラスの「ハイドロポンプ」を
跳ね返した!
ドバーーーーーーン!!! そして攻撃はラプラスに命中した!
ラプラス「あぁ!!!」
サトシ「な!?」
カンナ「次は、「メガトンパンチ」!」
ヤドラン「ヤドラーーーン!!!」
バキ!!! ヤドランの「メガトンパンチ」!
ラプラス「う………」
サトシ「ラプラス!!!」
コンピュータ『らぷらす、戦闘不能。 やどらんノ勝チ。』
サトシ「大丈夫か、ラプラス!?」
ラプラス「さ、サトシさん…申し訳ございません…」
サトシ「いいんだよ、お前のおかげでここまで来れた。 ありがとう。 ゆっくり
    ボールの中に休んでくれ。」
ラプラス「サトシさん…」
ラプラスはサトシの指示通り、モンスターボールの中に戻った。
サトシ「さっきのはさすがにすごかったですよ…「サイコキネシス」で「ハイドロポンプ」
    を跳ね返すなんて…最初から思わなかったですよ。」
カンナ「あら、少しは分かったみたいね? まあ、私のポケモンの中には、数多くも氷系
    技だけじゃないって事だけも知っているようね。 まあ、これから先にも、貴方
    にとってはいい勉強になりそうなものもあるからね。 さあ、次のポケモンを
    出しなさい。」
サトシ「分かってますよ! 次は、こいつだ! エビワラー、君に決めた!」
エビワラー「エビーーー!!!」
カンナ「え、エビワラー? ちょっと、貴方分かってるの? エビワラーは格闘系。 
    エスパー系に弱いのよ? それでもその子の弱点分かってるの?」
サトシ「分かってますけど、俺はこのエビワラーを信じてるんです! 例えこいつの弱点
    がエスパーでも何でもあろうとしても、俺はこいつが必ず勝つと信じています! 
    なあ、エビワラー!」
エビワラー「エビ!」
カンナ「…クス、その言葉もいいわね。 ますます気に入ってきたわ。 だったら見せて
    くれないかしら? その子が私のヤドランを倒せる事が出来るかどうか。 
    ヤドラン、「サイコウェーブ」!」
ヤドラン「ヤドラン!!!」
バシューーーーーー!!! ヤドランの「サイコウェーブ」!
サトシ「エビワラー、「高速移動」で回避だ!!」
エビワラー「エーーービ!!!」
シュンシュンシュンシュン!!! エビワラーの「高速移動」! エビワラーは攻撃を
避け捲くっている。
サトシ「よし、次は「メガトンパンチ」!」
カンナ「こっちも「メガトンパンチ」よ!」
エビワラー「エッビーーー!!!」
ヤドラン「ヤッドラーーーン!!!」
バキ!!! エビワラーとヤドランの「メガトンパンチ」は、拳と拳を互角に命中した!
サトシ「む…ならばこれはどうだ! 「連続パンチ」!!」
エビワラー「エビビビビビビーーーーー!!!」
バキバキバキバキ!!! エビワラーの「連続パンチ」!
ヤドラン「ヤドドドドドド!?」
カンナ「やるわね、サトシ君。 でもこれならどうかしら? ヤドラン、「カウンター」
    よ!」
ヤドラン「ヤッドーーー!!!」
バキバキバキバキ!!! ヤドランの「カウンター」攻撃!
エビワラー「エビビビビビ!?」
サトシ「く…や、やるな…」
カンナ「さあ、次はどの攻撃を出す?」
サトシ「(…どの攻撃を出したらいいんだろう…「雷パンチ」なら一撃で決められるけど、
    相手には「サイコキネシス」がある、出す最中に食らったら、エビワラーには
    危な過ぎる。 どうすれば…あれ?)」
サトシはヤドランの尻尾を噛んでいる巻貝型シェルダーを見た
サトシ「(そう言えば、あのシェルダーって…そうだ!)エビワラー、「メガトンパンチ」
    であのシェルダーを倒せ!」
エビワラー「エービエビーーー!!!」
バキ!!! エビワラーは「メガトンパンチ」で巻貝型シェルダーを殴り倒した!
ヤドラン「ヤド!?」
ドサ!!! ヤドランも突然と倒れた!
カンナ「え!?」
ヤドラン「ヤ、ヤド〜〜〜!!!」
そのためヤドランは必死に立ち上がろうとするが、やはり立ち上がらない。
サトシ「よっしゃ! これなら立ち上がらないぜ!」
コンピュータ『やどらん、戦意喪失。 えびわらーノ勝チ。』
その後カンナはヤドランをモンスターボールに戻した。
カンナ「い、今のは一体…?」
サトシ「前にある人から聞いたんだ。 ヤドランの尻尾に噛み付いている巻貝型の
    シェルダーは、ヤドランのバランスを取る役目があるってね。 だから
1度でも
    そのシェルダーを押し倒したり、殴り倒したりしたら、恐らくヤドランもそいつ
    と一緒に倒れかなって。 まあ、シェルダーが倒れたらおかげで、バランスが
    崩れてしまったけどね。」
カンナ「…なるほど、そう言う弱点があったのね。 属性だけではなく、特徴も気を
    付けるべきって訳ね。 さすがにすごい作戦ね。 それを教えた人にも、いつか
    感謝するべきね。」
サトシ「ええ、いつかそうするつもりですが…」
カンナ「まあ、それよりも、次に行くわよ。 ヤドランを使ってから失敗したけど、次は
    そう簡単には行かないわよ。 なぜなら次のポケモン、少し特別な力が
    あるからね。」
サトシ「え?」
カンナ「行くのよ、ルージュラ!」
ルージュラ「ジュラーーー!!!」
サトシ「ルージュラ!?」
シャワーズ「気を付けて、サトシ! あのルージュラ、氷系だけど、ヤドランと同じく
      エスパー系が入っているよ!」
サトシ「そう言えば…」
カンナ「さて、どうするサトシ君? エビワラーのまま、戦い続ける?」
サトシ「…フン、当たり前ですよ! こいつが絶対に勝つと、信じてますよ! エスパー
    何かには簡単に負けたりはしませんよ!」
カンナ「そう、ならこれがあっても戦えるかしら? ルージュラ、例のあれを作るのよ。」
ルージュラ「ルジュラー! ジュラルーーー!!!」
ショウショウショウショウ……… ルージュラは氷の固まりを作っている。
サトシ「ん?」
ルージュラ「ジュラ!!!」
カチーーーン!!! その固まりで、エビワラーの氷人形を作り出した!
サトシ「な!? エビワラーの形をした、氷の人形!?」
カンナ「そう、これは私のルージュラしか使えない特殊能力よ。」
サトシ「…でも、人形を作ったぐらいで、何が出来るんですか? そんな物を作ったって
    何も…」
カンナ「あら、次にこの技を知るのはこれからよ。 なぜなら、この人形の両腕と両足を
    タッチすると…」
ルージュラ「ジュラ。」
ピッピッピッピ! ルージュラは人差し指で、エビワラー型氷人形の両足と両腕を触った。
カチーーーーン!!! その後エビワラーの両腕と両足に氷の輪が付けていた!
サトシ「な!?」
カンナ「どう? これがそのもう一つの特殊能力よ。」
サトシ「…な、なんだ。 ただ氷の輪をエビワラーに身に付けただけじゃないですか。 
    アクセサリーをあげてくれて感謝しますが、勝負とは別ですよ! エビワラー、
    「メガトンパンチ」だ! ………ん?」
エビワラー「…エ…エビ…」
サトシはエビワラーに攻撃命令を出したが、エビワラーの様子がおかしい。 苦しそうな
顔で全く動かないようだ。
サトシ「お、おいエビワラー、どうしたんだよ!? どうかしたのか!?」
エビワラー「エ…エビー…」
カンナ「どうかしたのも当然よ。 なぜなら、その子は動けないの。」
サトシ「何!?」
カンナ「その子に身に付けているあの氷の輪は、ただのアクセサリーじゃないの。 
    動作を封じさせる特殊能力なのよ。」
サトシ「何だって!?」
カンナ「まあ、「金縛り」みたいな技だけどね。 その輪を身に付ければ、攻撃も出来ず、
    動きも出来ないの。 正に相手の動きを封じた技よ。」
サトシ「そんな…」
カンナ「まあ、解かす方法はあるけど、それは私のルージュラを倒さないと、解けないの
    よ。 その逆に人形を壊したとしたら、そのポケモンも死ぬ事になるわよ。 
    だから、人形じゃなくて、ルージュラを倒さないと、その封印は解放できない
    けどね。」
サトシ「く…」
カンナ「さあ、早くその子を何とかしなさい。 さもないと、戦闘不能にさせてもらうわ
    よ。 ルージュラ、「吹雪」よ!」
ルージュラ「ジュッラルーーー!!!」
ビュオーーーーーーーーー!!! ルージュラの「吹雪」!
エビワラー「エ、エビーーー…」
エビワラーは攻撃を受けながら、ダメージが除々に下がって行く。
サトシ「え、エビワラー!!!」
カンナ「さあ、サトシ君、早く何とかしなさい。 エビワラーを信じてるその気持ちは
    分かるけど、このままだと戦闘不能になるわよ。 それでもいいの?」
サトシ「…く…そんなの当然やだけど、俺は絶対に諦めない! エビワラーで必ず勝つと
    俺は信じてる! それまでに俺は、信じる者のために諦めたりはしない!!」
カンナ「……………」
サトシ「エビワラー、目を覚ませ!! お前なら出来ると俺は信じてる!! お前には
    お前だけしか出来ない事が必ずある! 今までお前に隠し閉ざされたそれを、
    開けるんだ!!!」
エビワラー「…エ、エビーーーーー………!!!」
その言葉を耳に聞いたエビワラーは、必死に動こうとする。 その時だった。 
エビワラーは少しずつ、
1歩ずつ歩き出した!
カンナ「え!?」
サトシ「よし、エビワラー! 封印を乗り越えて、思いっきり「炎のパンチ」だ!!!」
エビワラー「エッビーーーーーー!!!」
ダッ!!! エビワラーは猛スピードでルージュラの方へ向かった!
ルージュラ「ジュラ!?」
エビワラー「エービワラーーーーーー!!!!」
バキ!!!!!! エビワラーの「炎のパンチ」! 効果は抜群だ!
ルージュラ「ジュラ〜〜〜…」
カンナ「る、ルージュラ!?」
コンピュータ『…るーじゅら、戦闘不能。 えびわらーノ勝チ。』
シュン…! ルージュラが戦闘不能になった後、エビワラー型人形と氷の輪は消えた。
サトシ「やったな、エビワラー! 信じてたぜ、お前なら出来るって!!」
エビワラー「エビー!!」
カンナ「…さすがサトシ君。 まさか封印を堪えるなんて…すごいわね。 そんな事を
    出来たのは、リーグの歴史の中でも貴方しかいないわ。 よく封印を堪え、私の
    ルージュラを倒したね。 素晴らしかったわ。」
サトシ「まあ、最後まで諦めるわけには行けないからね!」
カンナ「…クス、いい言葉ばかり使うのね。 その性格、本当に気に入りそうだわ。 
    でも、これからは本番よ。 最後の最後まで、貴方はどんな実力で私の最後の
    ポケモンを倒せるか、見せて御覧なさい! 出でよ、ラプラス!」
ラプラス「クーーー!!!」
サトシ「ら、ラプラス!?」

―メインドーム―

アナウンサー『さあ、カンナ選手は最後のポケモンとなるラプラスを繰り出しました。 
       現在の所、カンナ選手
1匹、サトシ選手5匹! サトシ選手、かなり
       活躍はいいですが、果たしてこの先彼はカンナ選手を敗れさせる事が
       出来るのか!?』
キョウ「サトシ殿、さすがに良い活躍をしてるでござるな。」
カツラ「いや、まだ分からない。 あのラプラス、サトシ君のラプラスと違って相当
    強そうだからな。 エビワラーだけでも、相手にならないタイプだ。」
カスミ「サトシ…」

―一方ロケット団―

ムサシ「あのカンナって言う女の人、相当強いわね。」
コジロウ「あれほどあんなすごい特殊能力っつー奴使ってるからな。 あのラプラスも
     何かあるそうだし、大丈夫かな?」
ヤマト「とにかく、ジャリボーイを信じましょ。 きっとあいつなら勝てる気がするから。」
コサブロウ「そうだな! 信じよう!」
サノスケ「でも…これって応援に…」
コジロウ「今回は別にいいだろ!」
サノスケ「あ、ああ…そうだな…」

―第
1のバトルドーム、氷の間―

サトシ「………そのラプラスに、何か特別な物とか?」
カンナ「あら? そんなに知りたいの? まあ、特に無いけどね。 でも、普通とは
    ちょっと言えないけど…」
サトシ「…そうですか。 じゃ、このままで戦いますよ!」
カンナ「それでいいの? 貴方のエビワラー、相当バテそうよ。 それでもそのまま
    戦うの?」
サトシ「何度も言いましたけど、俺はこのエビワラーを信じてますよ。 絶対に
    大丈夫ってね!」
カンナ「…クス、本当に信頼あるのね。 じゃ、そう望むなら、手加減なしで行くわよ。 
    ラプラス、「冷凍ビーム」!」
ラプラス「クーーーー!!!」
バシューーーーーー!!! ラプラスの「冷凍ビーム」!
サトシ「エビワラー、「炎のパンチ」で打ち消せ!!」
エビワラー「エービエビーーー!!!」
ブォシューーー!!! エビワラーの「炎のパンチ」! 攻撃はラプラスの「冷凍ビーム」
を打ち消した!
サトシ「よし、次は「雷パンチ」だ!!」
エビワラー「エーーービーーーーーー!!!」
ビリリリリリリ!!! エビワラーの「雷パンチ」! 攻撃はラプラスを襲う!
カンナ「捨て身な突進で行くのは、間違ってるんじゃないのかしら?」
サトシ「え?」
カンナ「ラプラス、「サイコキネシス」!」
ラプラス「クーーーーー!!!」
ミワワワワワワワ!!! ラプラスの「サイコキネシス」! 効果は抜群だ!
エビワラー「エビ!?」
サトシ「な!? え、エスパー技!?」
カンナ「次は、「破壊光線」!」
ラプラス「クーーーーーーーーー!!!!」
バシューーーーー!!! ドカーーーーーーン!!! ラプラスの「破壊光線」!
エビワラー「エ、エビ〜〜〜…」
サトシ「エビワラー!!」
コンピュータ『えびわらー、戦闘不能。 らぷらすノ勝チ。』
エビワラー「エ、エビーーー…」
サトシ「…気にするな。 お前はよくやった。 そのおかげでここまで来れた。 俺の
    ためにありがとう。」
エビワラー「エビ…」
サトシ「後は俺達に任せろ。 必ずお前とラプラスの仇取るから、お前もゆっくりボール
    の中に休んでくれ。」
サトシはエビワラーをモンスターボールの中に戻した。
サトシ「…でも、さっきのはすごかったです。 まさかエスパー系の技を出せるなんて…
    やっぱり特別な事が出来るんですね、そのラプラス。」
カンナ「あら、これは普通よ。 どのポケモンだって属性違いの技だって持ってるわ。 
    まあ、私のポケモンの技は、必ず水系と氷系には限らないからね。」
サトシ「ハッハッハ、確かにそうですね…」
カンナ「さあ、次のポケモン出しなさい。 私の最後のポケモンであるラプラスを倒せる
    事が出来るポケモンをね。」
サトシ「…はい。(でも、何を繰り出せばいいのか…ピカチュウなら一撃に倒せるかも
    しれないけど、電気系に対抗出来る技も繰り出すかも知れないし…フシギダネ
    などの草系も行けるかもしれないけど、どちらも氷系に弱いし…サワムラー
    などの格闘系なら、いや、相手がエスパー系の技持ってるからヤバイし…
    どうすれば…)」
シャワーズ「サトシ、僕に任せてよ!」
サトシ「え!? お前が!?」
シャワーズ「うん! 僕ならきっとこのラプラスを倒せるかもしれない! 一応、自信
      あるし、僕に任せれば、きっと勝てるよ!」
サトシ「おい、ちょっと待てよ。 いくら相手がお前と同じ水系でも、ラプラスの方は
    自分と限らない属性のある技を仕掛けるぞ! 例え電気系の技だって持ってる
    かもしれない。 いくらお前がそいつの相手にしても…」
シャワーズ「何言ってるんだよ、サトシ! エビワラーにこう言ったじゃない! 俺は
      こいつを信じてるって! だからサトシが僕を信じれば、必ず勝てるよ! 
      サトシは信頼の正しいトレーナー! 僕を信じれば、絶対に勝てるよ、
      絶対に! ね! だから、僕を信じて!」
サトシ「シャワーズ………分かった! じゃあ、任せたぜシャワーズ!」
シャワーズ「うん!」
サトシ「よーし! シャワーズ、君に決めた!!!」
シャワーズ「オッケーーー!!!」
カンナ「あら、貴方のラプラスの次に喋るシャワーズもいるの。 さすがにすごいわね、
    貴方って。 珍しいポケモンも持ってるなんて、トレーナーとして魅力あるわね。 
    けど、勝負とは別。 いくらシャワーズが喋るだけで珍しくても、手加減は
    しないわよ。 ラプラス、「
10万ボルト」!」
ラプラス「クークーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリリ!!! ラプラスの「
10万ボルト」!
サトシ「…!!! 危ない、シャワーズ! 避けろ!!」
シャワーズ「うん!!」
シャワーズは見事に攻撃を避けた。
サトシ「く…やっぱり電気系も持ってたか…でも、恐れたりはしないぜ! 一気に
    突っ込むぞ、シャワーズ!! 「電光石火」だ!!」
シャワーズ「うぉりゃーーーーー!!!!」
ドカ!!! シャワーズの「電光石火」!
ラプラス「ク!!」
カンナ「やるわね、サトシ君。 なら、これならどうかしら? 「どくどく」攻撃よ!」
ラプラス「クーーーーーーー!!!」
ブシューーーーーー!!! ラプラスの「どくどく」攻撃!
サトシ「うわ!! 危ない! 避けろ!!」
シャワーズ「う、うん!!」
シャワーズは見事に攻撃を避けた。
サトシ「く…エスパーや電気の次に毒系まで…」
カンナ「ふふ…ラプラスはこう見えても、色々なタイプの技を持つのよ。 水と氷だけで
    なく、エスパー、電気、毒、草、ノーマル、そしてドラゴン系だって覚えてるの
    よ。 正に、自分の弱点のはずの技も使えるほどの無敵な力を持ってるって事よ。 
    さあ、これからどうする、サトシ君? 回避は相当上手いけど、避けて
    ばかりじゃ勝負にならないわよ。 今度こそ攻撃しなきゃ行けないのよ。 でも、
    攻撃できる隙あるかしら? だってこのラプラスには水系の弱点である電気系と
    草系の技を持ってるのよ。 貴方のシャワーズなら、ノーダメージのままで勝ち
    抜けるかしら?」
サトシ「く…」
シャワーズ「サトシ、僕を信じて…」
サトシ「…え?」
シャワーズ「僕の弱点の事を気にしないで。 弱点が会っても勝てる方法は一つだけある
      はず。 サトシだってそうやって色々な戦いに勝ち抜いたでしょ? 信じて、
      僕を…僕と自分を信じて…絶対に勝てるって事を…」
サトシ「………ああ。」
その言葉を聞いたサトシはその後、少しの間沈黙に静まった。
サトシ「(…よーし、まず落ち付いて考えないと…どうやってあのラプラスを倒せるか…
    相手には電気系と草系の技を持ってる。 シャワーズの弱点である技を必ず
    持っている。 どうやってそれを出さないようにするか…ん? 待てよ? そう
    言えばあのラプラス、他の技を出すには…そうか! そこだ!)シャワーズ、
    思いっきり「吹雪」を出せ!!」
シャワーズ「ラジャー! はーーーーーーーー!!!!」
ビュオーーーーーーーー!!! シャワーズの「吹雪」攻撃! 効果は今一つのようだ。
ラプラス「クー!?」
その時攻撃を少々受けたラプラスの口、目、そして角は、雪に積もった!
カンナ「え!?」
サトシ「ラプラスの口、目、そして角は、技を出す役割を持つ! 口は「ハイドロポンプ」
    や「冷凍ビーム」、もちろん別属性の技の「どくどく」や「破壊光線」などを
    引き出す特徴! 目は「怪しい光」などを引き出す特徴! そして角は「雷」
    などを引き出す特徴! それを封じれば、技一つも使えなくなる! 今や絶好の
    チャンスだ! シャワーズ、フルパワーの「オーロラビーム」!!」
シャワーズ「はーーーーーーー!!!」
バシューーーーーー!!! シャワーズの「オーロラビーム」! 効果は今一つだが、
急所に当たっている!
ラプラス「ク!?」
サトシ「次は「ハイドロポンプ」!!」
ラプラス「ぶーーーーーーー!!!」
ドバーーーーーーー!!! シャワーズの「ハイドロポンプ」! これも効果は今一つ
だが、これも急所に当たっている!
ラプラス「ク!!」
サトシ「よし! とどめだ!! シャワーズ、思いっきり全力尽くして「電光石火」
    だ!!!」
シャワーズ「うぉりゃーーーーーーーーー!!!!!」
ドカ!!!!!! シャワーズの「電光石火」!!!
ラプラス「ク〜〜〜…」
カンナ「…!? ラプラス!?」
コンピュータ『………らぷらす、戦闘不能。 しゃわーずノ勝チ。 ヨッテコノ対決、
       勝者=さとし選手。 第
1ノ四天王すてーじ、くりあ。』
サトシ「や…やったーーー!!! 第
1の四天王クリア、ゲットだぜーーー!!!」
シャワーズ「ゲットだぜーーー!!!」
ピカチュウ「ピッピカチュウーーー!!!」

―メインドーム―

ワーーーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『やりました、サトシ選手! 見事に第
1の四天王をクリアしました! 
       あの誰でも凍り付けにさせる事が出来る最強のカンナ選手が、見事
       サトシ選手に敗れました! 現在サトシ選手の残りポケモンは
4匹で、
       サトシ選手は第
1の四天王クリア決定です!!!』
会長『おお、さすがじゃのう、サトシ君! よく第
1の四天王を倒した! いい戦い
   じゃったぞい!』
じいちゃん『うひょひょひょひょ! やった、サトシ君! さすがにカンナ君が負けたの
      は残念ぢゃが、ええ戦いぢゃった!』
アキハバラ『すごいですね、サトシ君! 思いっきり感動しましたよ! クリア
      おめでとう!』
オーキド『うむ、さすがサトシ君。 あそこまでいい作戦を立てながら第
1四天王を
     倒すとは、よくやったもんじゃ!』
カスミ「やったーーー!!! サトシ勝ったーーー!!!」
レッド「あいつもやったな!!」
タケシ「よくやったな、サトシーーー!!!」
シゲル「やったな、サトシーーー!!!」
ブルー「やったやったーーー!!! サトシ勝ったーーー!!!」
シュウ「よっしゃ、サトシ!!! 今度からはその調子で勝ち抜けーーー!!!」
マロン「サトシ勝ったー!! やったーーー!!!」
マサキ「ようやったな、サトシーーー!!!」
トオル「やったね、サトシ! これで君の活躍、写真にゲットしたよ!!」
ハナコ「やったのね、サトシ…初めて四天王の
1人勝てたのね…よかった…」
ハナコはまた嬉し泣きした。
アオイ「よかったですね、おばさま。」
アオイも同じく嬉し泣きした。
ボイジャー「クリアおめでとう、サトシくーーーん!!!」
ウンディーネ「ああ、ダーリンカッコエエわー♪ ビデオ撮ったかいあったわー♪ 
       ダーリンおめでとさーーーん!!!」
ドリヤード「おめでとうございます、サトシさーーーん!!!」
サラマンダー「うっしゃーーー!!! 第
1の四天王突破だぜ!!! 次もがんばって
       くだせぃ、兄貴ーーー!!!」
ジン「おめでとうダスー、ご主人様ーーー!!!」
ウィスプ「おめでとうッス、サトシさーーーん!!!」
シェイド「…よくやったな、サトシ…」

―一方ロケット団―

ゴエモン「おお、ジャリボーイやったぜ!」
ハンゾウ「最初の四天王を見事に倒したぜ!」
コジロウ「やっぱり、あいつ出来ると思っていたぜ!」
ムサシ「よーし、これからも引き続き、ジャリボーイの勇姿を拝見するわよー!」
ロケット団「おう!!」
ニャース「…それよりもいつ本番に戻るんニャ…」

―第
1のバトルドーム、氷の間―

サトシ「やったな、シャワーズ! 感謝するぜ!!」
シャワーズ「うん、僕達やったよ!!」
ピカチュウ「ピカ!!」
サトシ達は、カンナを制圧した事で、喜びながら抱き合う。 そんな彼らを見ていた
カンナは、彼の方へ歩いた。 そして彼女は彼の前に立ち止まり、サトシはそれを気付き、
彼女の方へ見上げる。
カンナ「よくがんばったね、サトシ君。 さっきのテク、見事だったわ。 さすがに私を
    制圧させるなんて、すごいわね。 私感心しちゃったわ。」
サトシ「え、いや、まあ、その…」
サトシはその言葉で顔を赤く染め、頭をかく。
カンナ「…その心、さすがにいいわ。 貴方の性格、そしてその心、とても気に入ったわ。」
サトシ「え?」
カンナ「貴方にはポケモンに対して、信頼、友情、そして愛情を持っている。 それが
    あるから、貴方のポケモン達は強くなるの。 分かってるでしょ、貴方の
    ポケモン達は、貴方のために戦ってるって事を…」
サトシ「…ええ、分かってます。」
カンナ「貴方がポケモン達を信じれば、ポケモン達も貴方を信じ、貴方のために戦うの。 
    お互い様の心に、信頼と友情と愛情を繋げば、どんな難戦でも必ず勝てるはず。 
    お互い様信じ合えば、どんな時だって絶対に大丈夫。 貴方はそう言う心を
    持ってるから、この事を忘れないよね?」
サトシ「はい、忘れません!」
カンナ「うふ…いい答え出すね。 その気持ちも本当に気に入ってるわ。 ポケモンが
    大好きだって言う事もね。」
サトシ「え?」
カンナ「最初ジュゴンと戦った時、わざわざ頭が抜けられなかった事で助けたでしょ? 
    それも、ポケモンへの愛情があるって言う証拠よ。 貴方はポケモン達に対して、
    本当に優しい存在よ。」
サトシ「…ありがとうございます!」
サトシはその言葉を聞き、彼女にお辞儀をした。
コンピュータ『さとし選手、貴方ハ見事ニ第
1ノ四天王ヲくりあシマシタ。 ドウゾ、
       次ノどーむヘ進ンデクダサイ。』
プシューーーーーーー!!! コンピュータがそう言った後、次のドーム行きの扉が
自動的に開いた。
カンナ「この先は次の四天王の戦場よ。 次の四天王は、かなり手強い相手になりそう
    かも知れないけど…貴方と貴方のポケモン達なら、絶対大丈夫よ。」
サトシ「…はい!」
カンナ「がんばってね、サトシ君。 私も貴方を応援してるから。」
サトシ「はい! ありがとうございました! よし、行くぞ、ピカチュウ、シャワーズ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「うん!」
サトシ達は、次のドームへ向かうため、第
1のバトルドームから出て行った。

エリート
4ドームで第1の四天王カンナと戦い、見事にクリアしたサトシ。 しかし、
戦いを甘く見てはいけない。 今でも恐れる戦いは、これからかもしれない。 果たして
彼は、次の四天王を無事に倒せるのか? そして次の四天王は一体誰? その事は、
次回へ続く!
続くったら続く!