ポケットモンスター小説版
154話 四天王キクコ! 恐怖の戦い!

2の四天王シバと再会し、彼と戦い、見事に勝利を尽くしたサトシ。 第2の四天王を
見事クリアした事で、次の四天王へ向かう。 そんなサトシ達は、次の四天王のいる
ドームへ進むホールへ歩いていた。

シャワーズ「シバさんって、やっぱり優しい人だったんだね! 初対面の時は変な
      おじさんかと思ったよ。」
ピカチュウ「ピカ!」
サトシ「けど知らなかったな、シバさんがお兄ちゃんの知り合いだったなんて…」
シャワーズ「でもこれでシバさんに勝ったんだから、張りきって行こうよ!」
ピカチュウ「ピ!」
サトシ「そうだな! さーて、次の四天王は誰なのかなー? ………お?」
サトシ達は、ホールの奥にある扉に着いた。
サトシ「ここだな。」
シャワーズ「次の四天王は誰になるのかな?」
サトシ「…よし。 コンピュータ、俺来たぞ!!」
コンピュータ『ヨウコソ、選バレシとれーなー。 コノ扉ノ先ニハ、貴方ト対戦スル
       四天王ガオ待チシテオリマス。 ドウゾ、オ入リクダサイ。』
ブシューーーーーー!!! 扉は自動的に開き、部屋から白い煙が出て来た。
サトシ「…!?」
煙はその後消え、ドーム内部が見えた。 内部は、あちこち墓石があって、床に煙が
混じり、天井も真っ暗で、まるで暗闇の墓場のような内部であった。
サトシ「な、何だこれ!?」
シャワーズ「は、墓場…?」
サトシは少々怯えながら、そのドームの中に入った。
サトシ「ぶ、不気味な場所だな…前に来たポケモンタワーよりも不気味だぜ…」
シャワーズ「な、何だかお化けが出そうで…怖いよー…」
ピカチュウ「ピ、ピカ…」
サトシ「けど…こんなに墓石がいっぱいあるって事は…このドームにいる四天王は、
    これと繋がるポケモン、ゴースト系専門トレーナーなのかな?」
???「その通りだよ…」
サトシ達「ひっ!?」
???「フェッフェッフェッフェ…ここは名付けて「霊の間」…ゴースト系も多く住み
    付く場所さ…でも気にする事ない…この間は死者などいない…墓石はただその
    ための飾りなんだよ…」
サトシ「だ、誰ですか…こ、この声を出してるのは…?」
ボォ…! その時サトシ達の前に白い影が現れた!
サトシ達「ひっ!?」
???「フェッフェッフェ…そんなにあたしの事が知りたいのかい? いいよ、教えて
    やるよ…あたしはこの間の四天王…あんたの挑戦者とも言える、ゴースト系専門
    トレーナー…その名は………」
その白い影から、本体が見えた。 その本体は、長くて白い髪の毛、白と紫色の服と
スカート、そして木の杖を手に持った老婆だった。
???「…キクコだよ。」
サトシ達「ぎゃああああああ!!!! 猿の剥製ーーーーーー!!!!!!」
バコン!!!! キクコと名乗る老婆は、杖でサトシを殴った。
キクコ「誰が猿の剥製だ!?(怒)」
サトシ「いえ…何でもございません…」

―メインドーム―

カスミ達と観客達、ロケット団などは、映像画面でサトシとキクコのシーンを見ていた。
アナウンサー『サトシ選手の次の四天王対戦相手は、キクコ選手となりました! 
       キクコ選手は、ゴースト系ポケモンの専門トレーナー! 怪しげな技を
       仕掛けるタイプです! 果たしてサトシ選手は、見事にキクコ選手を制圧
       させる事が出来るのか!?』
会長『ほう、この人がキクコか。 意外と元気そうなばあさんじゃのう。』
じいちゃん『うひょひょひょ、元気そうでええ感じなばあさんぢゃ!』
アキハバラ『ハッハッハ、サトシ君、キクコさんに殴られたそうですね。 サトシ君は
      一体どう言う失礼な事言ったんでしょう?』
オーキド『うむ…キクコか…久しぶりじゃな、彼女も…』
アキハバラ『おや? 博士、キクコさんの事知ってるんですか?』
オーキド『おお、まあな…』
アオイ「まあ、サトシ君の相手は「おばあちゃん」だわ!」
仲間達「え!?」
ブルー「い、今、何て!?」
アオイ「だから、サトシ君の相手は「おばあちゃん」だって…」
シゲル「何ーーー!? あのばあさん、俺のばあさんって事なのか!?」
アオイ「うん、そうなの。 ですよね、おば様?」
ハナコ「ええ、シゲル君が生まれる前に、オーキド博士と一緒に住んでたの。 でも
    四天王の仕事が受かった時、そのまま博士と別居したらしくって…」
シゲル「じゃあ、あのばあさんはじいさんの女房で…俺のばあさん…知らなかった…ん? 
    ちょ、ちょっと待てよ? って事は、兄ちゃん、この事知ってたのか!?」
グリーン「ああ。 お前が生まれる前だから、俺はあの人がおばあちゃんだって
     知ってたぞ。」
レッド「もちろん俺も知ってたぜ♪」
シゲル「そ、そんな…じゃあ、知らなかったのは俺だけ…?」
ブルー「シゲルだけじゃないわよ! サトシとあたしだって知らないわよ!? 特に
    イエローだって…」
カスミ「あたし達だって知らないわよ…」
コゴロウ「まあ、どんな戦いになるか、じっくり拝見しようぜ。」

―一方ロケット団―

ロケット団は相変わらず、売り子のバイトしながら戦いを見ていた。
ムサシ「何あれ? ばあさんじゃないのよ?」
コジロウ「しかも元気そうだな。」
ヤマト「これはしばらく面白くなりそうね?」
コサブロウ「早速拝見拝見♪」
ニャース「おミャーら、いつにニャッたら仕事に…!!!」
だがニャースが何かを言う前に、気付けばロケット団はそこにはいなかった。
ニャース「………また置いてけぼりニャ…」

―第
3のバトルドーム、霊の間―

キクコ「あんたがあたしの相手となる挑戦者かえ?」
サトシ「ええ、サトシと申します…」
キクコ「サトシか…いい名前だね。 あんたもしかして、マサラタウンから来た少年
    だね?」
サトシ「え? ええ、そうですけど…」
キクコ「フェッフェッフェ、って事は、オーキドの奴からポケモン図鑑を貰ったんだね?」
サトシ「…あの、どうしてその事を…?」
キクコ「フェッフェッフェ、どうやら知らないようだね…そりゃ、あたしゃオーキドの妻
    だからだよ。」
サトシ達「え? ………えーーーーーーーーーーー!?」
サトシ達はキクコの言葉で驚いた。
サトシ「て、て事は…貴方は…シゲルとグリーンとアオイ姉ちゃんの…おばあさん!?」
キクコ「フェッフェッフェ、そうだよ。 今はこの仕事で別居中だがね。」
サトシ「そ、そうなんですか…い、いやー、驚きましたよ…まさか貴方がオーキド博士の
    奥さんだったなんて…」
キクコ「フェッフェ、それはそうだよ。 あたしゃあんたや孫のシゲルや、ブルーちゃん
    やイエローちゃんが生まれる前にいたからな。 で、オーキドの奴は
    どうなんだい?」
サトシ「え? え、ええ、元気にしています。 研究とかで元気してます。」
キクコ「フェッフェッフェ…そうかい。 まあ、あいつはいつも元気だよ。 そこまでは
    心配する事もないだろうね。」
サトシ「…あの、オーキド博士って、どんな人だったんですか?」
キクコ「えぇ?」
サトシ「博士はよくポケモンの事とか研究の事とか俺達に話しますけど、自分の事とかは
    全然話してくれないんですよ。 貴方はいつも博士の側にいたのですから、
    博士の事、詳しく教えてくれませんか?」
キクコ「………悪いけど、今は試合中だよ。 そう言う話は、試合の後にしてくれない
    かい?」
サトシ「え? は、はい、分かりました。 す、すみません…」
キクコ「いいんだよ、謝らなくても。 さあ、早速始めるかね? サトシとか言ったね? 
    戦う準備、ちゃんとできたかな?」
サトシ「はい、もちろん!」
キクコ「フェッフェッフェ、いい返事だね。 じゃあ、始めるよ! コンピュータとやら、
    始めてくれ!」
コンピュータ『了解。 尚、第
3ノ四天王対決ヲ始メマス。 試合開始!』
キクコ「言っておくけど、あたしのポケモンは全て恐怖のあるポケモンばかりだよ! 
    その恐怖をどうやって乗り越えるかな? 行け、ゲンガーよ!!」
ゲンガー「ゲンガーーー!!!」
サトシ「ゲンガーか…よし、それならこっちはこいつだ! フーディン、君に決めた!」
フーディン「フーディン!!!」
キクコ「おやおや、先手はゴースト系に強いエスパー系かい? さすがいい選択だけど、
    あたしのゲンガーをどう仕留めるかな? ゲンガー、「ナイトヘッド」!」
ゲンガー「ゲーーーンガーーーー!!!!」
ドシューーーーーー!!!! ゲンガーは「ナイトヘッド」でフーディンに攻撃する!
サトシ「フーディン、一気に弾き飛ばせ!!」
フーディン「ディン!!」
バシィッ!!! フーディンは「ナイトヘッド」を弾き飛ばした!
サトシ「よし、そこで「サイケ光線」だ!!」
フーディン「フーディーーーン!!!」
バシューーーーーー!!!! フーディンは「サイケ光線」でゲンガーに攻撃する!
キクコ「こっちも弾き飛ばしな!!」
ゲンガー「ゲーンガ!!」
バシィッ!!! ゲンガーは「サイケ光線」を弾き飛ばした!
キクコ「さすがにいい攻撃だけど、どうやらお互い様のようだね?」
サトシ「く…」
キクコ「でも、ここから先はどうやって戦うかね? ゲンガー!!」
ゲンガー「ゲン!!」
スッ…! ゲンガーは突然姿を消した!
サトシ「な、消えた!?」
キクコ「フェッフェッフェ…まあ、そう言う事かね? でもちょっと違うけど。 
    ゲンガー、「サイコウェーブ」!!」
ゲンガー「ゲンガーーーーー!!!!」
ドバーーーーーーン!!! 姿の見えないゲンガーは「サイコウェーブ」でフーディンに
攻撃した!
フーディン「フ!?」
サトシ「な!?」
キクコ「どうかね、今のは? 見ての通りゲンガーは見えないだろ? ゲンガーは
    シャドーポケモン。 暗闇の中に潜み、獲物を捕らえる事が出来る特徴を持って
    いるのさ。 ポケモン図鑑にもそう書いてあっただろ?」
サトシ「た、確かに…」

ポケモン図鑑(山で遭難した時、命を奪いに暗闇から現る事があるという。)

キクコ「さて、サトシ。 バトル早々に苦戦だけど、果たしてどうやってあたしの
    ゲンガーを倒せるかな?」
サトシ「……………」
その時サトシはフーディンにコクッと頷き、フーディンは横目でそれを見て、同じく
コクッと頷いた。 そしてフーディンはその後目を閉じた。
フーディン「……………」
キクコ「…?」
フーディン「…!!!」
その後フーディンは目を思いっきり開けた。 何かを気付いたらしい。
サトシ「見付けたか! よし、それならそこに向けて「サイコキネシス」だ!!!」
フーディン「ディン!!!」
ミワワワワワワワワ!!! フーディンは感じた方向から「サイコキネシス」を使った!
ゲンガー「ゲ〜〜〜ン…」
ドサ!!! 暗闇に隠れていたゲンガーが倒れた! どうやらさっきの攻撃はゲンガーに
攻撃したらしい。
キクコ「な!?」
コンピュータ『…げんがー、戦闘不能。 ふーでぃんノ勝チ。』
サトシ「よっしゃ!! 作戦成功!! やったな、フーディン!!」
フーディン「ディン!」
キクコ「作戦?」
サトシ「ええ、貴方には知らなかっただろうけど、さっきの目の閉じは「念力」を
    出してる構えだったんですよ。 「念力」で周囲の気配を感じ取り、集中
    しながらターゲット(ゲンガー)を狙ってたんですよ!」
キクコ「…なるほど、ダウジングの原理だね? さすがにいい考えをするね。 けど、
    その頭脳は本物と言えるかい? 今のはちと油断したけど、今度はそう簡単に
    上手く行かないぞい! 次のポケモンには役に立つ秘密武器があるんでね!」
サトシ「秘密武器?」
キクコ「その武器を簡単に破れるかな? 行け、ゴルバット!!」
ポン!! モンスターボールからゴルバットが出て来た! だがそのゴルバットは
普通とは違って、目の形が逆さまで、口の形も不機嫌そうな形で、白目で、右足には
フットリング(足飾り)をしていた。
ゴルバット「ギギーーー!!!」
サトシ「ご、ゴルバット!? あれ? 何か、ちょっと違う感じに見えるけど…」
キクコ「そう見えるかい? 実はこのゴルバット、ちょっとした変わった変種なのさ。 
    ズバットの頃こいつを育てた時、このような姿に進化してしまってね。 でも
    こいつにはすごい物が持っているのさ。 普通のゴルバットにはないと言う
    優れものがね! 見たらあんたも驚くよ!」
サトシ「へぇー、そうなんですか。 じゃあ見せてくださいよ、その秘密武器って言う
    物を! フーディン、「サイケ光線」!!」
フーディン「ディーーーン!!!」
バシューーーーーーー!!!! フーディンは「サイケ光線」でゴルバットに攻撃した! 
だが…
キクコ「ゴルバット、「翼で打つ」攻撃!!」
ゴルバット「ギギャ!!!」
ザシュ!!! ゴルバットは「翼で打つ」攻撃を仕掛け、「サイケ光線」を
2つに
分かれた!
サトシ「…!?」
ドカーーーーーーーン!!! 
2つに分かれた「サイケ光線」は、2体の墓石に命中した。
サトシ「な、何だ、今の…?」
シャワーズ「何か今、
2つに分かれなかった…?」
キクコ「ゴルバット、もう一回「翼で打つ」攻撃!!」
ゴルバット「ギギーーーーーー!!!」
サトシ「げっ!! ふ、フーディン、「テレポート」!!」
フーディン「フ、フー!!!」
シュン!!! ザシュッ!!! ゴルバットは「翼で打つ」攻撃でフーディンに攻撃
するが、フーディンは「テレポート」で回避した! そしてゴルバットの攻撃は
フーディンの後ろにあった墓石に命中し、墓石が切り取れた!
サトシ「いっ!?」
シュン!!! フーディンは元の場所に戻り、切り裂いた墓石を見て驚いた。
フーディン「フ!?」
キクコ「フェッフェッフェ、どうやら驚いたようだね?」
サトシ「な、なな、なななななな、何スか、今のは!?」
キクコ「フェッフェッフェ…余りの刺激的で口も振るえてるね? 実はこのゴルバットの
    翼、刃物のようにどんな物を斬れる事が出来る斬撃能力があるんでね。 
    ズバットの頃、このような姿に進化したゴルバットの上に刃式の翼まで
    付いたのさ。 だから「翼で打つ」を使うと、どんな物を斬られるのさ。」
サトシ「って事は、その斬撃能力は秘密武器で、そしてその秘密武器こそ…特別な力!?」
キクコ「まあ、そう言う事だね。」
サトシ「(く〜〜〜…何てこった…カンナさんとシバさんと同じく特別な力を持つ
    ポケモンを持ってるなんて…)」
キクコ「まあ、驚くのもこれからだよ! このゴルバットの翼はさっきのように岩も
    斬れるんだからね! あたしはあんたのポケモンを殺したくないけど、必ず
    避ける事だけを言うよ! だけど、それまであたしのゴルバットの攻撃から
    耐えられるかな!? ゴルバット、「翼で打つ」連続攻撃!!」
ゴルバット「ギギ!!!」
サトシ「わわ!!! ふ、フーディン、スプーンでぶつかり合わせ!!」
フーディン「フ、フーディン!!!」
ガチガチガチガチ!!! ゴルバットの「翼で打つ」攻撃は、フーディンのスプーンに
ぶつかり続ける。
キクコ「うむ、意外といい目をしてるね? だけど、これならどうかな? ゴルバット、
    「超音波」!!」
ゴルバット「ギギギーーーーーーーー!!!!!!」
キーーーーーーーーーーーン!!!! ゴルバットは「超音波」で攻撃した! その
攻撃でフーディンは苦しんでいる!
フーディン「ディ、ディーーーン!!!」
サトシ「ぐっ…し、しまった…!!!」
キクコ「今だよ、ゴルバット!! 「かまいたち」!!」
ゴルバット「ギッギャーーー!!!!」
ザシューーーーーーン!!! ドカ!!! ゴルバットは「かまいたち」で攻撃し、
フーディンは攻撃を受け、倒れた!
フーディン「ディ〜〜〜ン…」
サトシ「ふ、フーディン!!」
コンピュータ『ふーでぃん、戦闘不能。 げんがーノ勝チ。』
フーディン「ディ、ディ〜〜〜ン…」
サトシ「…いいよ、フーディン。 お前よくやってくれたさ。 ここまでありがとな。 
    ボールの中でゆっくり休んでってくれ。」
サトシはフーディンをモンスターボールの中に戻した。
キクコ「フェッフェッフェ、ポケモンに対しては本当に優しいんだね?」
サトシ「ええ…ポケモンは俺にとって、大切な仲間ですから。」
キクコ「………フェッフェッフェ、いい言葉言うね。 オーキドの奴も同じ事言ってたよ。」
サトシ「え?」
キクコ「まあ、そんな話は後だ。 さっさと次のポケモンを出しな。」
サトシ「あ、は、はい。 よーし…ゴルバットだから…パルシェン、君に決めた!」
パルシェン「パルッシェン!!!」
キクコ「ほう、パルシェンかい? 何か作戦でも立てたのかい?」
サトシ「ええ、まあ…こいつならきっとゴルバットを倒せると俺は思っているんです。 
    けど、俺はこいつを信じてますよ。 こいつならゴルバットを倒せるって!」
キクコ「…フェッフェッフェ…またまたいい事言うね。 オーキドもしょっちゅう
    あー言うの言ったけど、まあ、今とこれとは別だね。 じゃあ、見せてくれない
    かえ? そのポケモンの本当の実力さを!! ゴルバット、「翼で打つ」
    攻撃!!」
ゴルバット「ギギ!!!」
サトシ「パルシェン、「殻に篭る」!!」
パルシェン「シェンパル!!!」
ギシィッ!!! ゴルバットは「翼で打つ」でパルシェンに攻撃するが、パルシェンは
「殻に篭る」で攻撃から防ぐ!
キクコ「む!?」
サトシ「やっぱり、パルシェンの甲羅はものすごく固い! 刃攻撃などなら必ず防がれる! 
    それこそゴルバットの弱点だ!!」
キクコ「…なるほど…殻を盾代わりだね? いい作戦だけど、いつまで耐えられるかな!?     
    ゴルバット、「かまいたち」!!!」
ゴルバット「ギッギャーーーーーーーー!!!!」
ザシューーーーーーーー!!! ドカン!!! ゴルバットは「かまいたち」を放ち、
パルシェンは殻に篭ったまま、攻撃を受ける!
パルシェン「シェーーーン…」
攻撃命中後、パルシェンの殻は開いたが、パルシェンは突然と赤く燃え上がった。
キクコ「ん? こ、これは…ま、まさか!?」
サトシ「ヘッヘッヘ、実はですね、パルシェンが「殻に篭る」最中予めに「我慢」も
    仕掛けたんですよ。 だから、さっきの「翼で打つ」と「かまいたち」と
    合わせて…パルシェン、「オーロラビーム」でダメージ
2倍返し!!!」
パルシェン「シェーーーーーーーン!!!!!」
バシューーーーーーーン!!!!! パルシェンは「オーロラビーム」でゴルバットに
攻撃した! 効果は抜群だ!
ゴルバット「ギギャ〜〜〜…」
キクコ「ご、ゴルバット!」
コンピュータ『ごるばっと、戦闘不能。 ぱるしぇんノ勝チ。』
サトシ「やった!!! サンキュー、パルシェン! お前のおかげで助かったぜ!」
パルシェン「シェン!」
キクコ「…フェッフェッフェ、さすがやるね、サトシ。 まさかパルシェンの甲羅で
    ゴルバットの攻撃から防げたとは、思わなかったよ。 なかなかのいい腕だけど、
    今度はどうかな? 行け、ゴースト!!!」
ゴースト「ゴーーースト!!!」
サトシ「ゴーストか…パルシェン、あいつには気を付けろよ!」
パルシェン「パル!」
キクコ「ゴースト、「怪しい光」!!」
ゴースト「ゴーーースゴスト!!」
サトシ「おっと、そう簡単には行きませんよ! パルシェン、もういっちょう「殻に
    篭る」!」
パルシェン「パッル!!!」
カッ!!! ゴーストは「怪しい光」で攻めるが、パルシェンは「殻に篭る」でそれから
防ぐ。
サトシ「よし、パルシェン! 今の内に「刺…」!」
キクコ「遅いよ! ゴースト、「舌で舐める」攻撃!!」
ゴースト「ゴーーーースト!!!」
ベロン!!! ゴーストはパルシェンの目に「舌で舐める」攻撃をした!
パルシェン「パル!?」
サトシ「あ!!」
キクコ「フェッフェッフェ、今の効いたかな?」
サトシ「…へ、ヘン! そんな事してもまだ戦えますよ! パルシェン、さっきの続き、
    「刺キャノン」だ!」
パルシェン「パ、パル…!!!」
しかしパルシェンはどの方向へ撃っていいのか分からないようだ。
サトシ「…? どうしたんだ、パルシェン!? 攻撃はどうしたんだ!?」
シャワーズ「サトシ、あのパルシェン、何か様子おかしいよ!?」
サトシ「え…? …!? ま、まさか、さっきの…!?」
キクコ「フェッフェッフェ、やっと気付いたかい? 「舌で舐める」攻撃は相手を麻痺
    させる効果を持っているのさ。 だから、舐められた部分に舐めたら、その
    部分は麻痺してしまうんだよ。」
サトシ「…そうか…さっき目に舐めたから、その目を麻痺させたって言うのか!」
キクコ「そう言う事さ! さあ、どうするサトシ? このまま戦う? それとも入れ替え
    でもするかえ?」
サトシ「………悪い、パルシェン。 視力を失ったお前には、これ以上戦える事は
    出来ない。 悪いけど、しばらくの間、ボールの中で休んでくれ。 協力
    ありがとな、パルシェン。」
サトシはパルシェンをモンスターボールの中に戻した。
サトシ「…コンピュータ、悪いけど、パルシェンだけに戦意喪失してくれ。 
    パルシェンには悪いけど、これはあいつのためなんだ。」
コンピュータ『…分カリマシタ。 ぱるしぇん、戦意喪失。 ごーすとノ勝チ。』
キクコ「おお、今のはいい判断だね?」
サトシ「ええ、視力を失ったポケモンを傷付けたくないですからね。」
キクコ「ほう、これもまたいい事言うね。 さすがオーキドが選んだトレーナーだね。 
    とても優しいトレーナーだよ。 さあ、次のポケモンを出すといい。」
サトシ「…相手がゴーストポケモン…ここで有利なのは…よし、やってみるか! 
    フシギダネ、君に決めた!!」
フシギダネ「ダネフシ!!!」
キクコ「フシギダネ? フシギダネを出したって事は…ここも何か作戦でも
    立てたんかい?」
サトシ「ちょっとですけどね。 完璧に行くかはまだ分かりませんけど、こいつなら
    出来るって事だけなら信じてますからね!」
キクコ「…フェッフェッフェ、あんたどのポケモンでも必ず信じてるんだね? さすが
    信頼の高い少年だ事。 でも、作戦があるって言うのなら、どう言う作戦で
    行くか、あたしに見せてみな! ゴースト、「ナイトヘッド」!!」
ゴースト「ゴスゴーーーーースト!!!」
ミワワワワワワワワワ!!!! ゴーストは「ナイトヘッド」でフシギダネに攻撃した!
サトシ「フシギダネ、攻撃から耐えるんだ!」
フシギダネ「ダ、ダネ…!!!」
フシギダネは言われた通り、攻撃から耐える。
キクコ「おお、そのフシギダネ、いい根性しとるね? けどいつまで耐えられるかな?」
サトシ「(…よし、この最中にあれをやってみるか…でも、フシギダネには出来るか
    ………まだ分からないけど…やってみよう!!)フシギダネ、思いっきり空気を
    吸い込め!!」
フシギダネ「ダネダネ!! フッシャーーーーーーー!!!!!!」
ブォーーーーーーーーー!!!!! フシギダネは背中の種から空気を思いっきり吸い
始めた! そのためゴーストもその瞬間に巻き込まれる!
ゴースト「ゴス!?」
キクコ「な、こ、これは!?」
サトシ「やっぱり、フシギダネは植物だから、背中の種から息できる! しかも肺活量が
    超ド級だぜ!! ゴーストはガス状ポケモンだから、体はとても軽い! 
    このまま吸い込めば、こっちの物だ!!」
ゴースト「ゴス〜〜〜〜〜〜!?」
シュボン!!! ゴーストはそのままフシギダネの種に吸い込まれてしまった。 そして
フシギダネは口を開け、中から何かが光出した。
サトシ「よし、フシギダネ! そのまま思いっきり吐き出せ!!!」
フシギダネ「ダーネーーーーーーーーー!!!!」
ドビューーーーン!!!! ドカーーーーーーン!!!! フシギダネは光を思いっきり
大砲のように吐き出し、光はそのまま墓石に命中した! そしてその光が消え、その姿は
ゴーストの倒れ姿だった。
ゴースト「ゴス〜〜〜…」
キクコ「な!? ゴースト!?」
コンピュータ『ごーすと、戦闘不能。 ふしぎだねノ勝チ。』
サトシ「やった! これで
3匹制圧!! よくやったな、フシギダネ!」
フシギダネ「ダネダーネ♪」
キクコ「…さすがすごいね、サトシ。 あんた、そこまで分かっていたのかい?」
サトシ「いや、理科とかは余り知りませんけど、フシギダネの種にちょっと気に
    なってましてね。 もしかしするとと思って、試しにやってみたんですけど、
    やっぱり自分の勘通りでした。」
キクコ「ふーん、なるほど…知らなくても自分で分かったんだね。 さすがサトシ、
    いい目と頭を持っているね。 さすがによくあたしのゴーストを倒した。 
    おかげで
3匹も倒されちまったけど、次の4匹目は手強いよ? 果たしてどう
    倒せるかな? 行け、アーボック!!!」
ポン!!! モンスターボールからアーボックが出て来た! しかし、普通のアーボック
と違って、体全体が薄紫になっていて、白目で、尻尾にテイルリング(尻尾飾り(?))
が付いていた。 おまけにお腹の模様は普通のとはちがって、不気味な目と笑った口の
ような模様だった。(つまり、現在のアーボックの原作イラストと同じ模様の事。)
アーボック「シャーーーボック!!!」
サトシ「ん!? な、何だ、あのアーボック? 俺がよく見た(ムサシの)アーボックと
    ちょっと違う…。」
キクコ「フェッフェッフェ、そうなのさ。 このアーボックはゴルバットと同じく、
    アーボの頃にこのような姿に進化した変種なんだよ。 見た目はまるで幽霊
    その物だけど、このアーボックにもすごい特別な力が宿ってるんでね。」
サトシ「そいつもか…フシギダネ、気をつけろよ! あのアーボック、とても危険かも
    しれないからな!」
フシギダネ「ダネ!」
キクコ「確かにこの子は危険だよ。 だけど実力はすごいんだからね! そのまま見て
    驚くといい!! アーボック、行け!!!」
アーボック「シャーーーーー!!!」
サトシ「…!!! 危ない、フシギダネ! 避けろ!!!」
フシギダネ「ダネ!!!」
ドカーーーン!!!! アーボックは尻尾の先で攻撃するが、フシギダネはそれを避け、
そのまま地面に突き込んだ。
キクコ「ほう、今のはいい動きだったね?」
そう言った後、アーボックは尻尾を地面から出した。 そして気付けば尻尾の先には
針の様に鉄で出来ていた。
サトシ「な、何だあれは!?」
シャワーズ「何か、針みたいな物に見えるけど…」
キクコ「その通り。 これはアーボックの得意技、「毒針」さ。 普通のアーボックの
    場合だと、「毒針」は口から出す、或いは牙で攻撃すると言うが、この
    アーボックの場合だと、尻尾に「毒針」を作って攻撃するのさ。 即ち、
    毒針変更能力さ!」
サトシ「毒針変更能力…? まさか、それが特別の力なのですか?」
キクコ「そうだけど、特別の力はこれだけじゃないんでね。」
サトシ「え?」
キクコ「毒針変更能力は単なる普通の攻撃さ。 次は本当に驚く真の特別の力をあんたに
    見せてやるよ! 行け、アーボック!!!」
アーボック「シャーーーーーーボック!!!」
シュン!!! アーボックは思いっきり猛スピードでフシギダネに向かって進んだ!
サトシ「な、早い!?」
フシギダネ「ダ!?」
キクコ「今だよ、アーボック!!! そのまま「ロケット頭突き」!!!」
アーボック「シャーーーーボーーーーック!!!!」
ドカ!!!! アーボックは「ロケット頭突き」で、フシギダネを突き飛ばした!
フシギダネ「ダネーーーー!!!」
サトシ「あ!!!」
ドン!!! フシギダネはそのまま墓石にぶつかり、そのまま倒れ落ちた。
フシギダネ「ダネ〜〜〜…」
サトシ「ふ、フシギダネ!?」
コンピュータ『ふしぎだね、戦闘不能。 あーぼっくノ勝チ。』
サトシ「な、何だ今のは…? いきなり素早さが…!?」
サトシはそのままアーボックの方へ見詰めた。 気付けば、アーボックのお腹の模様が
不機嫌そうな顔の模様になっていた。
サトシ「あ…あれ? 何だ…? あのアーボックの模様…前のと違って…違う模様に
    なってる………? な、何だ、これは…? 一体、どうなってんだ…?」
キクコ「フェッフェッフェ、どうやら思いっきり驚いたようだね? さて、次はどの
    ポケモンを繰り出すかな?」
サトシ「(…まさか…?)…シャワーズ、ここは戦えるか?」
シャワーズ「う、うん、やってみる!」
サトシ「よし、シャワーズ、君に決めた!!」
シャワーズ「オッケーーー!!!」
キクコ「ほほう、喋るシャワーズかい? こりゃ珍しいポケモンだね?」
…って気付かなかったのかい…?(汗)
サトシ「そう言ってくれると何ですが、そろそろ試合続行しますよ! シャワーズ、あの
    アーボック、前と戦ったアーボックとは違うからな! あいつの能力だけは必ず
    気をつけろよ!!」
シャワーズ「分かってる!!」
キクコ「フェッフェッフェ、そろそろ本気に行くのかい? だったらこっちも本気に
    行くかな? アーボック!」
アーボック「シャーーーボック!!!」
カッ!!! アーボックの模様は突然と怒り笑い顔の模様に変わった!(つまり
アーボックの旧原作イラスト、或いはムサシのアーボックと同じ模様の事。)
サトシ「え!?」
キクコ「「捨て身タックル」だ!!!」
アーボック「シャーーーーーーー!!!!」
サトシ「…!? シャワーズ、避けろ!!!」
シャワーズ「うわっ!!!」
ドカーーーーーーン!!!! アーボックは「捨て身タックル」を仕掛けるが、
シャワーズはそれを避け、アーボックはそのまま墓石の方へぶつける!
サトシ「な、何だ、今のは!? 今度はあの腹の模様がいつもの(ムサシの)模様に
    変わってる!? しかも、前よりも攻撃力が上昇してる!?」
立ち上がったアーボックは、真っ直ぐシャワーズの方へ睨む。
シャワーズ「うっ…」
サトシ「く…シャワーズ、「冷凍ビーム」で凍らせろ!!!」
シャワーズ「うん!!」
キクコ「…アーボック!」
アーボック「シャ!!」
カッ!!! アーボックのお腹の模様が突然と不気味な笑顔の模様に変わった!
サトシ「な!?」
シャワーズ「はーーーーーーーーーーー!!!!!」
バシューーーーーーーー!!!! シャワーズは「冷凍ビーム」でアーボックに撃つが、
アーボックには効果はなかったようだ…!
シャワーズ「え!?」
サトシ「こ、今度は…も、模様が…待てよ? まさか…!? き、キクコさん、
    これは…!?」
キクコ「フェッフェッフェ…完全に驚いたままだね? じゃあ、教えてやるよ。 この
    アーボックの腹の模様には、色々の種類があるのを知ってるだろう? 更に
    模様によって能力が違う………とも言われるんだよ。」
サトシ「…つまり…そのアーボックには模様を変える模様変身能力があって、変身する
    度にステータス上昇が出来るって訳か…!」
キクコ「まあ、そう言う事だね。」
サトシ「でも…そう言うの図鑑に…?」

ポケモン図鑑「アーボック・コブラポケモン・お腹の模様が、怖い顔に見える。 弱い敵
       はその模様を見ただけでも逃げ出してしまう。 恐ろしげなお腹の模様は、
       研究の結果、
6種類ほどパターンが確認されている。 『お腹のも
       恐ろしい模様は、地域によって何種類かパターンがあるという噂だ。』」

サトシ「何だこれ!? この内容、前に調べた時そう言ってなかったぞ!?」
キクコ「…ニシノモリ教授め…書き忘れたな…?」
サトシ「じゃあ、この模様は…?」
キクコ「この模様は防御力を高くする模様。 またはステータス効果から防ぐ模様でも
    あるのさ。 それからさっきの模様は、攻撃力を高くする模様なのさ。」
サトシ「じゃあ、最初とその次の模様は…?」
キクコ「最初の模様は普通の模様。 つまり普通状態と言う訳。 そしてその次のは
    素早さを高くすると言う効果を持つ模様さ。 あたしもこいつを最初に扱った時
    驚いたよ。 模様変身とステータス上昇が出来る事がね。 そこであたしはこの
    模様変身能力の事を、「死化粧」と呼ぶ事にしたのさ。 毒系として似合う名前
    だろ?」
サトシ「「死化粧」…まさかこれで…」
キクコ「勘違いするでない。 あたしゃ殺人などしないよ。 ただ恐怖感のある物に趣味
    あるから名付けたんでね。 でもこれで分かっただろ? これはアーボックの
    
2つ目の特別の力。 無敵になるようですごい力さ。 あんたの場合どうやって
    この術を簡単に敗れるかな?」
サトシ「(くっ…確かにあの能力があれば、倒せる事も出来ない。 どうやって倒せば
    いいんだろ…素早さ上昇模様だと見切れないし…攻撃力上昇模様だと一発で
    負けてしまいそうだし…防御上昇模様だと凍り付けには無効だし…一体
    どうすればいいんだ…あの模様を何とかすれば………ん? ………そうか…
    その手があったのか!!)あっはっはっは!!! キクコさんには残念ですけど、
    「死化粧」の弱点、もう分かっちゃいましたよ!!」
キクコ「何?」
サトシ「キクコさんには気付いてないでしょうけど、俺には見えましたよ。 
    「死化粧」の真の弱点がね!」
キクコ「…ほう、そうなのかえ? だったら見せてみな、「死化粧」の弱点と言う物を! 
    行け、アーボック! 素早さを高めろ!!」
アーボック「シャーーー!!!」
カッ!!! アーボックのお腹の模様は素早さ上昇模様へと変化した! そのおかげで
アーボックは猛スピードでシャワーズの方へ駆けて行く!
サトシ「よし、シャワーズ! 「溶ける」攻撃!!」
シャワーズ「うん!!!」
バシャーーーーン!!! シャワーズの「溶ける」で攻撃を交わした! そしてそのまま
アーボックの後ろへ移動し、元の姿に戻った!
アーボック「シャボ!?」
サトシ「今だ、シャワーズ!! 腹に目掛けて「水鉄砲」!!」
シャワーズ「ぶーーーーーーーーー!!!!」
バシャ!!! シャワーズは「水鉄砲」でアーボックのお腹を濡らせた!
アーボック「シャボック!!!」
サトシ「よし、次は「砂欠け」!!」
シャワーズ「どりゃ!!!」
ドバッ!!! シャワーズは「砂欠け」でアーボックの濡れたお腹に欠けた! その
おかげでアーボックのお腹が砂でカバーされた!
アーボック「シャボ!?」
キクコ「な!? こ、これは…!?」
サトシ「土は水に付ければ直ぐに固まる! それをアーボックの腹の模様に付ければ、
    「死化粧」はもう発動しない! つまり「水鉄砲」と「砂欠け」の
    コンビネーションで、「死化粧封印」だ!!」
キクコ「な、何!?」
サトシ「「死化粧」が封じれば、防御力上昇模様にはなれない! だから、シャワーズ! 
    とどめの「吹雪」だ!!!」
シャワーズ「了解! はーーーーーーーーーーーー!!!!!」
ビュオーーーーーーー!!! シャワーズは「吹雪」でアーボックに攻撃した!
アーボック「シャボ〜〜〜〜!!!」
カチーーーン!!! そのおかげでアーボックは凍り付けになった!
キクコ「あ、アーボック!!」
コンピュータ『あーぼっく、凍リ付ケデ戦闘不能。 しゃわーずノ勝チ。』
サトシ「やったーーー!!! 作戦成功だ!! よくやったぜ、シャワーズ!!」
シャワーズ「うん! がんばったよ!」
キクコ「…さすがだよ、サトシ。 まさかあの技で「死化粧」を封じるとは…さすがに
    そう思わなかったよ。 もうこれで
4匹もやられた。 あんたもなかなかの腕を
    持っているよ。 だけど、いくら作戦が成功しただけで喜んでも、まだ一匹しか
    残ってないんだからね! その一匹を倒せるか、あんたには出来るかえ?」
サトシ「もちろんですよ! 俺のポケモンを信じてる限り、絶対勝てますよ! さあ、
    キクコさん! 最後のポケモン、出してください!」
キクコ「は? 何言っとるんだい? もう出したよ。」
サトシ「え…?」
サトシはキクコの言葉で、少し混乱した。 確かに話している最中、キクコはポケモンを
出した所は見てない…
サトシ「…? 何言ってるんですか? 何もないじゃないですか…?」
シャワーズは一足地面に踏み入れた時、足音を立てた。 とその時…!!
ニュッ!!! シャワーズの影からゲンガーが現れた!!
シャワーズ「うわっ!?」
サトシ「な!?」
キクコ「ゲンガー、「サイコウェーブ」!!!」
ゲンガー「ゲンガーーーーー!!!」
ミワワワワワワワワ!!! ゲンガーは「サイコウェーブ」でシャワーズに攻撃した!
シャワーズ「うわーーーーー!!!」
キクコ「次は、「メガトンパンチ」!!」
ゲンガー「ゲンッガーーーーー!!!」
バキ!!! ゲンガーは「メガトンパンチ」でシャワーズを殴り飛ばした!
シャワーズ「ぐはっ!!」
サトシ「あ、シャワーズ!!」
コンピュータ『しゃわーず、戦闘不能。 げんがーノ勝チ。』
サトシ「だ、大丈夫か、シャワーズ!?」
シャワーズ「う…な、何が…あったの…?」
キクコ「フェッフェッフェ…これはこれは驚きのようだね?」
サトシ「今のは…ゲンガー!?」
キクコ「そう、あれは確かに正真証明のゲンガーだよ。 だがこのゲンガーは最初に
    使ったあのゲンガーとは違って、特別な力があるのさ。 その力は、相手の影の
    中に潜んで攻撃を仕掛ける。 その名こそ、影潜り能力さ!」
サトシ「影潜り能力!?」
キクコ「影潜りとは、最も忍者や黒魔術師がよく使う、影に潜って移動する瞬間移動能力。 
    シャドーポケモンであるこのゲンガーは、影に潜って敵に攻め込む事が出来る
    能力があるのさ。 影に潜れば絶対無敵! 姿がなければ相手の攻撃も不可能。 
    サトシの場合、どうするかね?」
サトシ「くっ…シャワーズはもう戦えない限り…ここは…ピカチュウ、お前なら
    出来るか?」
ピカチュウ「ピカ!」
サトシ「よし…じゃ、任せたぜ!! ピカチュウ、君に決めた!」
ピカチュウ「ピッカ!!」

―メインドーム―

カスミ達と観客達、ロケット団などは、映像画面でサトシとキクコの対戦シーンを見て
いた。

アナウンサー『さあ、いよいよキクコ選手の最後のポケモンを繰り出しました。 しかも
       そのポケモンは、影潜りの出来るゲンガー! 先ほどサトシ選手の
       シャワーズが制圧し、ピカチュウの出番が出てきました! さあ、現在の
       所、両者共残るポケモンは
21! 両者、激しく燃えているようです! 
       果たして、この先のバトルは誰の物になるのか!? ゴースト系の
       エリートとして活躍するキクコ選手か!? それとも勝利を目指すために  
       燃え続けるサトシ選手か!? バトルの結果が最も期待します!!』
コゴロウ「やべぇな…影潜りと言ったら、無敵の効果を持つ瞬間移動の術だぜ…サトシ
     にはピンチになりそうだ…」
タイチ「何とかあの技を見破れる方法ないのかな?」
ライゾウ「ピカチュウならそれを対抗出来るかどうか問題だが…」
シュウ「…いや、方法ならある…」
全員「え!?」
ラン「それ、どう言う意味よ?」
シュウ「俺、あー言う術を持ったゲンガーと
1度戦った事がある。 あん時は苦戦
    したけど、俺のピカチュウを使ったおかげで、そのゲンガーを倒したんだ。 な、
    ピカチュウ?」
ピカチュウ『うん、そうだね!』
ミズキ「じゃあ、一体どんな戦略でそのゲンガーを…?」
シュウ「…さあ、教えないね。」
アツシ「はあ!? 何だよそれ!?」
シュウ「まあ、勝負をよーく見てからだ。 あいつが何の為にピカチュウだしたか、大体
    俺には分かる。 勝負を見れば、何をするか分かるよ。 俺がやった事みたいに
    な…」

―第
3のバトルドーム、霊の間―

キクコ「ほう、ピカチュウを繰り出したのかえ? ライチュウに進化しなくてもよほどの
    レベルがありそうだね。 でもそいつを出した割りには何か作戦を考えたの
    かい?」
サトシ「まだですけど、最後までこいつを信じて戦うつもりです。 俺は自分の
    ポケモンを信じてますから。」
キクコ「フェッフェッフェ、何度も同じ事を言ってるようだけど、これだけ言っておくよ? 
    あたしのゲンガーは絶対無敵の能力を持っている。 どんな攻撃を必ず受けずに
    いられる不滅の体さ! そんな体を持つあたしのゲンガーを、どうやって倒す
    かね? 今の状態、ゲンガーが影に潜っている限り、どこにいるか分からないよ? 
    そんな能力を持つゲンガーをどうやって敗れるのかね?」
サトシ「くっ………」
ピカチュウ「ピッ………」
ゲンガーの姿が消えているため、沈黙のまま、動かずに固まっているサトシとピカチュウ。 
一言も何も言わず、ずーっと固まっていた。 そんな焦るピカチュウの汗が、ポタッと
地面に落ちた。 が、その時…!
ニュッ!!! ピカチュウの背後からゲンガーが現れた!
ピカチュウ「ピカ!?」
サトシ「はっ!! し、しまった!!!」
キクコ「ゲンガー、「ナイトヘッド」!!!」
ゲンガー「ゲンガーーーーーーーー!!!!」
ミワワワワワワワワ!!! ゲンガーは「ナイトヘッド」でピカチュウに攻撃する!
ピカチュウ「ピカーーーーーーー!!!!」
サトシ「あっ!!!」
キクコ「次は、「サイコキネシス」!!」
ゲンガー「ゲンゲーーーーーーーン!!!」
ミワワワワワワワワ!!! ゲンガーは「サイコキネシス」でピカチュウに攻撃する!
ピカチュウ「ピ、ピカーーー!!!」
キクコ「そして次は、「メガトンパンチ」!!!」
ゲンガー「ゲーーーーン!!!」
バキッ!!! ゲンガーは「メガトンパンチ」でピカチュウを殴り飛ばした!
ピカチュウ「ピッ…!!!」
サトシ「ピカチュウ!!」
ピカチュウ「ピ…ピカ…」
キクコ「フェッフェッフェ、どうだい、見たかな? ゲンガーは絶対無敵さ。 影潜り
    能力を持っている限り、ダメージも受けずこのままあんたのポケモンに攻撃する。 
    攻撃できるチャンスもないあんたのポケモンには、もはや何も出来ないよ!」
サトシ「くっ…大丈夫か、ピカチュウ!?」
ピカチュウ「ピ、ピカ…」
サトシ「(くそ…ゲンガーにあんな能力を持ってちゃ、キクコさんの言う通り、こっちが
    攻撃できるチャンスもない! どうやってあのゲンガーを倒せばいいんだ? 
    姿を隠せば完全無敵になるけど、その無敵状態をどうやって破ればいいんだ? 
    影潜り能力さえなければ………ん? 影…? …そうか…そうだったんだ…! 
    これなら多分…!!!)」
キクコ「さあ、もう諦めな。 これ以上あんたのポケモンはあたしのゲンガーに勝てない。 
    今や無敵の体を持ったあたしのゲンガーには、あんたのポケモンには通用しない。 
    降参を認めるんだね。」
サトシ「残念ですけど、俺は降参なんかしません! 俺は最後まででもこいつを信じて
    います! こいつと一緒に必ず勝つって事を! 希望さえあれば絶対に
    勝てる!! だからこそ、俺は諦めません! こいつを信じてる限り、何が
    言おうと俺は諦めません!!」
キクコ「…これもさすがにいい事言うね。 けどあんたが言ってる希望でも、今じゃ
    あたしのゲンガーには敵わないほどの失望だけさ! そんなに勝つ自信が
    あるのなら、どうやってあたしのゲンガーを倒すか、考えてみな!! 
    ゲンガー!!」
ゲンガー「ゲン!!!」
シュッ!!! ゲンガーは影潜り能力で影に潜った!
サトシ「(頼む、上手く行ってくれ!!!)ピカチュウ、「フラッシュ」だ!!!」
ピカチュウ「ピカ! ピーーーカーーーーーーーーーー!!!!!!」
カッ!!! ピカチュウは「フラッシュ」で、暗そうなバトルドーム全体に明かりを
照らした!
キクコ「な!?」
その時「フラッシュ」の効果で時間が立ったら、影が少しずつ消えて行く…
サトシ「…やっぱり! 光を当てれば影が消える! だとすると…!」
シューーー… 「フラッシュ」の効果で、ゲンガーは元の体に戻った!
ゲンガー「ゲン…」
キクコ「あ!!!」
サトシ「やっぱり! 閃光の原因で、ゲンガーの影潜り能力が激減し始めてるんだ! 
    元に戻れば無敵になれない! ピカチュウ、思いっきり「雷」で行け!!!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
ドカーーーーーーーーン!!!!! ピカチュウは「雷」でゲンガーに攻撃した!
ゲンガー「ゲ〜〜〜ン…」
キクコ「な!? げ、ゲンガー!?」
コンピュータ『…げんがー、戦闘不能。 ぴかちゅうノ勝チ。 ヨッテコノ試合、
       勝者
=さとし選手。 第3ノ四天王すてーじ、くりあ。』
サトシ「や…やったーーー!!! 第
3の四天王クリア、ゲットだぜ!!!」
ピカチュウ「ピッピカチュウ!!」

―メインドーム―

ワーーーーーーーーーーー!!! 観客達は大きな歓声を出した。
アナウンサー『やりました!!! サトシ選手またもややりました!!! 絶対無敵の
       はずのゲンガーが、サトシ選手のピカチュウで見事に敗れました!!! 
       現在の結果、両者共残るポケモンは
20! 2匹だけ残っていると言う
       事で、この勝負はサトシ選手の勝利です!!!』
会長『ほーっほっほ、サトシ君もやるもんじゃ!』
じいちゃん『うっひょっひょっひょ、あのゲンガーもさすがなもんぢゃったのう!』
アキハバラ『サトシ君もよくがんばったね! けど知りませんでしたよ、キクコさんが
      オーキド博士の奥さんだったなんて。 残念でしたね、キクコさんが
      ここまで負けてしまって…』
オーキド『いいんじゃよ、彼女はきっと満足してるはずじゃ。 まあ、二人共よく
     がんばったよ。』
カスミ「やったーーー!!! サトシ勝ったーーー!!!」
タケシ「よくやったぞ、サトシーーー!!!」
レッド「やったな、サトシーーー!!! それこそ俺の弟だーーー!!!」
シゲル「サトシ、やったなーーー!!!」
ブルー「やったやったーーー!!! サトシが勝ったーーー!!!」
シュウ「よっしゃーーー!!! サトシ勝ったぜーーー!!!」
マロン「サトシ君が勝ったーーー!!!」
ヒロシ「やったね、サトシーーー!!!」
マサキ「うっしゃーーー!!! サトシ勝ったでーーー!!!」
トオル「よくやったよ、サトシーーー!!! 写真ばっちりいいの撮れたよーーー!!!」
ハナコ「おめでとう、サトシーーー!!! ママ嬉しいわよーーー!!!」
アオイ「おめでとう、サトシくーーーん!!!」
ボイジャー「サトシ君、おめでとうございまーーーす!!!」
ウンディーネ「やったやったーーー!!! ダーリン勝ったでーーー!!!」
ドリヤード「おめでとうございます、サトシさーーーん!!!」
サラマンダー「いやっほーーー!!! 兄貴完全勝利だぜーーー!!!」
ジン「ご主人様おめでとうダスーーー!!!」
ウィスプ「サトシさんまたやりました! おめでとうッスーーー!!!」
シェイド「…よくがんばったな、サトシよ…」

―一方ロケット団―

ムサシ「おう、ジャリボーイもまたやったね!」
サノスケ「我が好敵手もよくがんばるな!」
ゴエモン「後もう
1人勝ち抜けば、ジャリボーイは優勝決定だな!」
ハンゾウ「次の試合も期待するぜー!」
ムサシ「よし! 次で最後よ! 最後までジャリボーイの実力を拝見しよう!!」
ロケット団「おう!!!」
ニャース「…疲れたニャ…」

―第
3のバトルドーム、霊の間―

サトシ「やったなピカチュウ! お前のおかげで勝てたよ! ありがとう!」
ピカチュウ「ピッカー!」
サトシ「シャワーズもありがとな!」
シャワーズ「よかったね、勝って!」
キクコ「…あたしのゲンガーがここまで負けるなんて…あんた、よくあたしのゲンガーの
    弱点が光だと分かったね?」
サトシ「まあ、ポケモンで太陽を呼び出せませんけど、ポケモンの手で光を出せる事なら
    出来ますよ。」
キクコ「…フェッフェッフェ…あんたって本当に面白い子だよ。 その性格、オーキドと
    全くだよ。 おかげで若い頃のあたしとオーキドの事を思い出すよ。」
サトシ「え?」
キクコ「昔ね、あたしとオーキドは大学の同級生で、研究仲間だったのさ。 まあ、
    その時以来ライバルとも言えたけどね。 だけど、リーグ対戦の時は、
    ライバルを辞め、恋人関係と言う物になったけどね。」
サトシ「…え?」
キクコ「あんた、オーキドが昔、このリーグのチャンピオンだと聞いたろ? あの時、
    あたしはあいつと戦ったのさ。 どの実力が一番優れてて、誰が一番強いかと
    言う勝負をね。 当時あたしはゴースト系専門トレーナーとしてゴースト系
    ポケモンを繰り出したけど、オーキドはノーマル系専門トレーナーとして
    ノーマル系ポケモンを繰り出した。 ノーマル系はゴースト系には無効だと
    言うが、オーキドのノーマル系ポケモンが、あたしのゴースト系ポケモンを
    見事に倒せたのさ。 ゴーストはノーマルに効かないはずのに…その時あたしは
    悔やんでて、自分の敗北で悲しんでいた。 けど、オーキドはあたしを励まして
    くれたのさ。 優しい声とその笑顔をあたしに…その優しさに惚れたあたしは、
    オーキドに告白し、結婚したのさ。 あの頃のオーキドはいい奴だった…だが
    あたしが四天王の一員として決定され、別居されたため、今はあいつを見る影も
    なくなってしまった…あれからでもオーキドを会いに行こうとしたが、忙しさで
    会える事も出来なくてね…けど、今のあたしは嬉しいけどね。 オーキドが今
    ここにいて、今あたし達を見ているのさ。 長年も会えなかった日々に、やっと
    会える事が出来たのさ。 例えあたしがこの勝負に負けても、この喜びさえ
    あれば、悔いも必要ないさ。」
サトシ「………博士とキクコさんって、本当にいい夫婦なんですね…」
キクコ「…ふふ、そんな事ないさ。 まあ、あんたもオーキドとよく似てるよ。」
サトシ「え?」
キクコ「ポケモンを大切に思うその思い、そして勇気と希望のあるその言葉。 
    オーキドも昔あー言うのだったよ。 今でも忘れられないほどの性格だけどね。 
    けど、その心こそ、今でも大事だよ。 あんたにそう言う心があれば、きっと
    あんたはこのリーグのチャンピオンになるはずだよ、絶対に。 オーキドもその
    心があったから、チャンピオンになったんだ。 あんたもその心と共に戦い、
    決してその心を手放さないと誓えば、きっとどの戦いでも必ず勝ち抜けるはずさ。 
    その事を、決して忘れるんじゃないよ!」
サトシ「………はい!!」
コンピュータ『さとし選手、貴方ハ見事ニ第
3ノ四天王ヲくりあシマシタ。 ドウゾ、
       次ノどーむヘ進ンデクダサイ。』
プシューーーーーーー!!! コンピュータが言った通り、次のドーム行きの扉が
自動的に開いた。
キクコ「この先に行けば、最後の四天王へ辿るドームだよ。 最後の四天王はとても
    強いから、気を付けるんだよ。 あたしはあんたを信じてるからね。 その心が
    あれば、決してどんな戦いにも負けないって事をね。」
サトシ「ありがとうございます、キクコさん! 俺は貴方の言葉、決して忘れません! 
    必ず最後の四天王に勝って、必ずリーグチャンピオンになってみせます!」
キクコ「期待しているよ、サトシ!」
サトシ「はい! じゃあ行くぞ、ピカチュウ、シャワーズ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「うん!」
サトシ達は、次のドームへ向かうため、第
3のドームから出て行った。 だが、キクコは
サトシの後姿を見た後、こう言った。
キクコ「…「あの子」に勝てたらね…」

3のバトルドームでキクコと戦い、見事に勝利を尽くしたサトシ。 次はいよいよ
最後の四天王との戦いの始まりだ! 果たして最後の四天王は一体誰になるのか? 
そしてキクコが言っていたあの言葉は一体どう言う意味を?
…続く