ポケットモンスター小説版
155話 最後の四天王! ワタル登場!

3のバトルドームでキクコと戦い、見事に勝利したサトシ。 次はいよいよ待ちかねた
最後の四天王! 果たしてその四天王は誰となるのか? そんなサトシ達は、次のバトル
ドームへ向かうため、真っ直ぐホールに進んでいた。

シャワーズ「それにしても、オーキド博士とキクコが夫婦だったなんて、何だか
      信じられないなー…」
サトシ「ああ、俺もまだ…」
おいおい、そんな事言っていいのか…
シャワーズ「でも、これで
3人の四天王に勝てたし、次はいよいよ最後の四天王だね!」
サトシ「ああ、これに勝てば、俺も遂にリーグチャンピオンだぜ! ピカチュウと
    シャワーズも、気合入れてがんばろうぜ!」
ピカチュウ「ピカ!」
シャワーズ「うん!」
サトシ「お、やっと着いたぜ!」
サトシの言う通り、次のバトルドームに繋がる扉に着いた。
サトシ「おい、コンピュータ! 着いたぜ!」
コンピュータ『ヨクココマデ来マシタ。 ココハ最後ノ四天王ノイル、最終ばとるどーむ
       デス。 コレニ勝テバ、貴方ハ見事ニりーぐちゃんぴおんニナリマス。 
       デハ、準備ヲ整エ、進ンデクダサイ。』
ブシューーーーーー!!! 扉が自動的に開き、中から白い煙が出て来た。
サトシ「…!」
煙が止み、ドームの内部は、まるで神殿のような場所になっていた。 そんな風景を見た
サトシ達は驚いたまま、ドームに入る。
サトシ「こ、ここが…最後の四天王のドーム?」
シャワーズ「まるで神殿か宮殿だね…」
ピカチュウ「ピッカ。」
サトシ「けど、こんなに奇麗な神殿が最後の四天王のバトルステージだとしたら…一体
    何の専門トレーナーがここに…?」
???「龍だよ。」
サトシ「…!?」
謎の声を聞こえたサトシは、聞こえたその方向へ振り向いた。 そこには謎の影が立って
いた。
???「このドームは別名「龍の間」。 伝説的で龍の戦場として立てられた龍の神殿さ。 
    そして、選ばれしトレーナーとの最終対決を行う大いなる闘技場でもある…」
サトシ「…そ、そこにいるのは…!?」
サトシがそう言った後、影が姿を見せた。 その姿は、赤いジャケット、黒いズボンに
マントをしていた茶髪の男であった。
???「待たせたな。 そう、俺はこのドームに立つ最後の四天王。 そして、
    ドラゴン軍団のリーダー、四天王の大将、ワタルだ!」
サトシ「わ…ワタル…?」

―メインドーム―

カスミ達とロケット団、他の観客達は、映像画面でサトシとワタルを見ていた。
アナウンサー『サトシ選手、いよいよ最後の四天王であるワタル選手のドームに踏み
       入れました! ワタルと言えば、四天王の中でもとても最強です! 
       果たしてサトシはどうやってこの強者に勝ち抜く事が出来るのか!? 
       いよいよ最後のバトルの緊張が盛り上がります!!!』
会長『おお、あの少年がワタルと言う奴か。 見た目によれば強そうじゃのう…』
じいちゃん『うひょー、ワシも賛成ぢゃ。 これでもサトシ勝てるかどうか心配ぢゃ!』
アキハバラ『ワタルはとても強いと聞いた事がありますが、サトシ君大丈夫でしょうかね? 
      オーキド博士はどう思います?』
オーキド『うむ、確かにワタルと言う少年は強いかも知れんが、ワシはサトシを信じて
     おるぞ。 きっとサトシ君、必ず勝ち抜けるかも知れんからな。』
カスミ「サトシ、遂に最後の四天王に着いたみたいね…」
ヤス「けど、ワタルって奴、どのトレーナーの中でも一番最強だって聞いた事があるな…」
カズ「ああ、何せ奴はドラゴン使いのトレーナーだからな。」
ブルー「ど、ドラゴン使い!?」
ピッピ「それって何でしゅか?」
カツラ「ドラゴン系のポケモンを使うトレーナーと言う意味だ。 ワタルはこれでもこの
    リーグの最強トレーナーなのだ。 何人の挑戦者もかなり苦戦し、彼との戦いで
    見事に敗北したと聞いた事がある。」
ケイタ「じゃあ、この勝負、サトシが負けるって意味なのか?」
グリーン「いや…確実にそう限っていない…」
カスミ「え?」
グリーン「サトシには自分の目標がある。 それはチャンピオンをなるためだ。 もしも
     お前達はサトシを応援するならば、奴を信じるべきだ。 それでこそ、
     お前達はあいつの仲間だろ?」
レッド「グリーン…」
カスミ「………うん、そうだね! 例え相手が強そうでも、こんな時でもサトシを
    信じなきゃね!」
コゴロウ「よーし、みんな! 今回はサトシの最後のバトルだ!! 奴を信じて、気合
     入れて応援しようぜ!!!」
全員「おう!!!」
コゴロウの言葉で盛り上がる仲間達。 ハナコはその状況を感動するかのように見ていた。
ハナコ「サトシ…本当にいい友達が出来たね…ママ嬉しいわ…」

―一方ロケット団―

ロケット団は相変わらず売り子のバイトしながら、戦いを見ていた。
ムサシ「ジャリボーイ遂に最後のステージに着いたみたいね?」
コジロウ「しかも相手はあのワタル!? ひゃー、ジャリンコの場合だと大丈夫かねー?」
ヤマト「ワタルと言ったら史上最強のドラゴン使いトレーナー…一方的に苦戦するかも
    しれないわね。」
コサブロウ「そうだろうな。 ワタルに勝った者は一人もいないって聞いた事あるがな…」
サノスケ「けど、ここまで来ては諦めてはならんぜ! 何としても最後までジャリンコの
     バトル活動をじっくり拝見しないと行けねえからな!!」
ゴエモン「そう! 何としても今回は最終戦! 最後まで見とかないと行けねえ
     からな!!」
ハンゾウ「よーし、みんな!! 最後の最後までジャリンコの勇姿、じっくり
     見ちまおうぜ!!!」
ロケット団「おう!!!」
ロケット団は盛り上がっていた。 その間ニャースは、その影でロケット団の方へ
見詰めていた。
ニャース「まあ、これで最後ニャらいいんだけどニャ…」

―第
4のドーム・龍の間―

ワタル「お前がリーグ対戦の中で選ばれた挑戦者のサトシだな? よく四天王の
3人を
    制圧し、ここまで辿り付いたな。 誉めてやるぜ。」
サトシ「あ、貴方が、最後の四天王ですか…?」
ワタル「ハッハッハ、おいおい、俺の場合は呼び捨てていいぜ。 丁寧に喋らなくても
    こっちは平気さ。」
サトシ「あ、そ、そうか…」
ワタル「そう。 さっき言った通り、俺はこのエリート
4ドームに立つ四天王の4番目、
    最後の四天王だ。 四天王大将でもあり、ドラゴン使いのトレーナーさ。 
    知っているか? ドラゴンと言う存在は聖なる伝説の生き物だ。 即ち、
    何千年前かも存在していた古き良き究極の生物だ。 だが、現在ではその存在が
    明らかに実現している。 ポケモンとしてな! トレーナーの場合ではゲット
    するの難しいが、上手く育てりゃ天下一品だ! 全てのステータスも優れていて、
    圧倒的なパワーを誇ってるさ。 そんな力を持っている俺のポケモン達に
    勝てると思うか?」
サトシ「もちろんさ! 俺はこのリーグのチャンピオンになるために、必死にがんばって
    ここまで来たんだ! 俺のポケモン達を信じてな! だからこそ、例え相手が
    強かろうか、俺は俺のポケモン達を信じてるぜ!」
ワタル「…フン、いい根性を持っているな? それがあったこそ、リーグ戦や他の
    四天王を倒したと言う訳か。 そこまでの勇気があるなら、早速バトルをしよう! 
    それとも、尻尾巻いて帰るとするかい、サトシ!?」
サトシ「誰が帰るかよ! 最後まで戦うぜ!!」
ワタル「良かろう! お前がそう望むなら、今から決戦開始だ!! コンピュータ、
    準備はいいぜ!」
コンピュータ『了解。 デハ、第
4ノ四天王対決、及ビ最終四天王対決ヲ始メマス。 
       挑戦者ガコノ勝負ニ勝テバ、挑戦者ハコノりーぐノちゃんぴおんト決定
       サレマス。 タダシ、負ケレバ失格トナリマス。 ソレデハ、
       最終四天王対決、試合開始!!!』
ワタル「言っておくが、俺のポケモンは他の四天王とは違って恐ろしい特別な力を持って
    いるからな! それをどう破るか、自分の実力でやってみるといい! 行け、
    ギャラドス!!!」
ギャラドス「グォーーー!!!」
サトシ「い!? ぎゃ、ギャラドス!?」
ワタル「そう、ギャラドスは言わば「凶竜」! ドラゴン系じゃないが、それの技
    ぐらいはある! だがこいつにはそれなりの特別な力を持っている。 それは
    何なのか当ててみな!」
サトシ「(ギャラドスか…確かあいつの属性は水と飛行…それに合わせて大の苦手なのは
    …電気!)よし! ピカチュウ、君に決めた!」
ピカチュウ「ピカ!!!」
ワタル「ピカチュウか、まあどう言う腕を持っているか見てみようじゃないか! 
    ギャラドス、「バブル光線」!!」
ギャラドス「グォーーーーー!!!!」
ブクブクブクブク!!! ギャラドスは口から「バブル光線」を撃ち放った!
サトシ「ピカチュウ、「電気ショック」で泡を破り、ギャラドスに攻撃するんだ!」
ピカチュウ「ピーーーカチュウーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリリ!!!!! ピカチュウは「電気ショック」で泡を破り、
真っ直ぐギャラドスに襲い掛かる!
ワタル「そうは行くか! ギャラドス、跳べ!」
ギャラドス「グォ!!!」
ダッ!!! ギャラドスは高く跳び、ピカチュウの電撃を避けた!
サトシ「よーし! ピカチュウ、「
10万ボルト」で行け!!!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーーー!!!!!」
ビリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!! ピカチュウは「
10万ボルト」で
ギャラドスに攻撃した!
サトシ「やった! 一撃必中だぜ!!」
ワタル「それはどうかな?」
サトシ「え?」
サトシはギャラドスの方へ良く見たら、何と丸い電流がギャラドスに包まれていた。 
しかも宙に浮かび、無傷のまま、平気な顔をしている!
サトシ「な、何!?」
バシューーーーーン!!! そしてギャラドスはその電流を勢い良く消し放った。
サトシ「で、電撃には効かない!?」
ワタル「驚いたようだな? だが驚くのもこれからだぜ! ギャラドス!!」
ギャラドス「グォ!!!」
パチン!!! ワタルの合図後、何かがピカチュウに命中した!
ピカチュウ「ピ!?」
サトシ「え!?」
パチパチパチパチン!!! その後何も見えない物がピカチュウにぶつかり続けている!
ピカチュウ「ピ、ピカ!?」
サトシ「ぴ、ピカチュウ!?」
シャワーズ「な、何これ!? 何かがピカチュウにぶつけてるよ!?」
サトシ「で、でも、一体何が…!?」
ワタル「見たか! これがギャラドスに秘められた特別の力! 何も見えない物体で襲い
    掛ける透明式の攻撃! もはやその正体を分かるまい!!!」
サトシ「これがギャラドスの特別の力だって!?」
シャワーズ「サトシ、早く何とかしないとピカチュウやられちゃうよ!!」
サトシ「くっ…!!」
ピカチュウ「ピッ、ピッ、ピッ…!!!」
そうしてる間にピカチュウは透明な攻撃にぶつかり続ける。
サトシ「(…何なんだ、あの攻撃は!? 何も見えない限り何の攻撃なのか分からない! 
    一体何の攻撃なんだ!? ワタルが言うようにこれは特別な力だと言うけど…
    本当に特別の力なのか!? それともポケモンの技を利用して…え? 
    ポケモンの技…? 待てよ…そう言えば最初に………もしかして…!!)
    ピカチュウ、戻れ! 交代だ!」
ピカチュウ「ピ!? ピカ!」
ワタル「何? 交代だと?」
サトシ「もしも俺の勘が正しければ…シャワーズ、君に決めた!」
シャワーズ「うん!」
サトシ「シャワーズ、「黒い霧」で照明を塞げ!!」
シャワーズ「分かった! うぉーーーーーーーーー!!!!!!!」
ブシューーーーーーーーー!!!! シャワーズは「黒い霧」で照明を塞いだ!
ワタル「…!!」
サトシ「…!?」
照明は「黒い霧」で塞がった。 そして気付けば、巨大な泡がギャラドスに包まれていた!
サトシ「…やっぱり、あれはただの透明攻撃じゃない…あれは最初に使った、「バブル
    光線」だったんだ!」
ワタル「…ふぅ、やっぱりバレちまったのか…まあ、しゃーないな。 けど、これは
    確かにポケモンの技を利用した物だけど、これでも特別の力なのさ。 泡を
    利用して無敵になる…その名こそ、『水泡防壁(バブルシールド)能力』だ!」
サトシ「『水泡防壁能力』!?」
ワタル「そう、これは泡をバリア状として身に包み、全ての攻撃から守るようになって
    いるのだ。 その厚さは溶岩に潜れたり、銃弾や刃物などを完全ガードする事が
    出来るのさ! もちろん、水系攻撃を吸収する事もね! 見えなくなったのは、
    この泡には赤い泡、緑の泡、青い泡を持つ『光の三原色』があるからさ。 その
    色を照明などの光に当てれば、無色となり、透明球の泡となるのさ。 そして
    宙に浮いたのは、泡の重力を利用したからさ。」
サトシ「そうか…道理でピカチュウの電撃には効かなかったって事か…じゃあ、
    ピカチュウにぶつかっていた見えない攻撃は、その光で透明となった「バブル
    光線」!?」
ワタル「その通りだ。 だけど、結局正体を見破っちまった。 照明の光が塞がれた限り、
    透明は失ってしまった。 まあ、透明にならなくても、この泡は破れまい! 
    お前はどうやってこの泡を破るか、戦略で考えてみるといい!! ギャラドス、
    「バブル光線」!!!」
ギャラドス「グォーーーーーー!!!」
ブクブクブクブク!!! ギャラドスは泡から「バブル光線」を撃ち放った!
サトシ「ヤバッ!!! シャワーズ、「高速移動」で避けろ!!!」
シャワーズ「う、うん!!!」
シュシュシュシュン!!! シャワーズは「高速移動」で攻撃を避け続ける。
ワタル「逃げてるだけじゃ何も意味ないぞ! 攻撃しないと勝負にはならないぞ!!」
サトシ「(確かに逃げてるだけじゃダメだ…けど、こんな状態じゃ攻撃する隙がない…
    って言うか攻撃が出来ない! あの泡が物凄く厚いため、どんな攻撃には
    効かない! シャワーズを使おうとしても、ノーマル技の「電光石火」じゃ
    破れないし…水技の「ハイドロポンプ」じゃ吸収しちまうし…そうだ、あの泡を
    凍らせて攻撃すれば…いや、凍らせるだけじゃダメだ! 泡が凍った後、中身に
    また新しい泡を作って氷をぶち破ってしまうかもしれない! じゃあ、やっぱ
    ここはいつもの「砂欠け」作戦で…いや、それもダメだ! ワタルは多分
    キクコさんとの戦いを見てたかもしれない! もしもそうだとしたら、
    キクコさんのアーボックにあの作戦と同じ作戦を使う事をバレてしまう! 
    そう…水に土を欠けると固まってしまうと言う作戦…! くそー、じゃあ
    どうやってあの泡を………待てよ? 泡と言ったら…そうか! その手だ!!)
    シャワーズ、交代だ!」
シャワーズ「え? うん!」
サトシ「よーし、上手く行くかどうか…パルシェン、君に決めた!」
パルシェン「シェン!!!」
ワタル「今度はパルシェンか? おいおい、初戦で一々ポケモン交代してていいのかよ?」
サトシ「そう言うのルールには言ってないけど、俺には何か分かったんだ! 上手く
    行くかどうか分からないけど、可能性はあるかもしれない! 見せてやるよ、
    その可能性をな!! パルシェン、フルパワーで「刺キャノン」!!!」
パルシェン「シェンパル!!!」
ドグーーーーン!!! グィン!!! パルシェンは「刺キャノン」を撃ち放ち、泡を
刺すが、突付かれたまま割れない。
ワタル「無駄だ! 例え刺を使おうとしても、物凄く厚く出来ているこの泡を簡単に…」
プチッ! その後針が泡に穴を開けた!
ワタル「何!?」
ブッサーーーーーーン!!!! そして針が勢い良く泡を貫いた!!!
ギャラドス「グォ!?」
パーーーーーン!!! そして泡が破裂した!
ワタル「んな!?」
サトシ「確かに「普通」の刺じゃ破けないけど、「フルパワー」の刺なら一発で
    開けられるぜ! これで『水泡防壁能力破壊』として、パルシェン交代!」
サトシはパルシェンをモンスターボールに戻した。
ワタル「はっ! まさか…!!! ギャラドス、「バブ…」!!!」
サトシ「ピカチュウ、先制攻撃で「雷」だ!!!」
ピカチュウ「ピカ! ピーーーカッチュウーーーーーーーーー!!!!!!」
ドカーーーーーーーーーーーーーン!!!! ピカチュウの「雷」はギャラドスに
命中した! 効果は抜群だ!
ギャラドス「グォ〜〜〜…」
ワタル「ぎゃ、ギャラドス!?」
コンピュータ『…ぎゃらどす、戦闘不能。 ぴかちゅうノ勝チ。』
サトシ「やった!! ギャラドス、敗れたり!!!」
ピカチュウ「ピッピカピ!」
シャワーズ「敗れたり〜♪」
ワタル「…さすがだ。 ポケモン入れ替えで作戦を立てるとはな…最初から
    思わなかったぜ。 入れ替えとかで油断したよ。 なかなかいい作戦だったぜ? 
    だけど、次は手加減なしで行くぜ! 次のポケモンも同じく特別の力を持って
    いる! どう戦うか考えてみるといい!! 行け、ハクリュー!!!」
ハクリュー「リューーー!!!」
サトシ「は、ハクリュー!?」
ワタル「そう、ハクリューは「白竜」! 名前そのままだけど、こいつには凄まじい力を
    持ってるんだ! その能力が何なのか、当ててごらん! まあ、その前に、
    どうすんだ? そのパルシェン、入れ替えるつもりか?」
サトシ「ん…そうだな…よし。 パルシェン、突然でごめんな! 戻れ!」
パルシェンはモンスターボールに戻った。
サトシ「次に出した方がいいポケモンは………よし! ラプラス、君に決めた!」
ラプラス「お呼びでしょうか、サトシさん?」
ワタル「ほう、ラプラスか。 確かにラプラスの別名は「シードラゴン(水竜)」。 
    ドラゴン系じゃないが、ほぼドラゴン系の技は持っている…これはいい戦いに
    なりそうだな!」
ラプラス「あの方がもしかして…ワタルさん?」
サトシ「知ってるのか、ラプラス?」
ラプラス「ええ、シルフカンパニーにいた時に社員から少々聞いた事がありますから。」
ワタル「悪いが、会話はここまでだ! 早速行くぜ!! ハクリュー、「冷凍
    ビーム」!!!」
ハクリュー「リューーーーーーーーーーー!!!」
バシューーーーーーーー!!! ハクリューの角から「冷凍ビーム」を撃ち放った!
サトシ「それならこっちも同じく「冷凍ビーム」だ!!」
ラプラス「分かりました!」
ラプラスは「冷凍ビーム」の準備を整えるが…
ワタル「………ハクリュー!」
ハクリュー「リュ!!」
グィウィウィウィン!!! ワタルの合図後、突然ハクリューの「冷凍ビーム」が曲がり
始めた!
ラプラス「え!?」
サトシ「な!?」
ドカーーーーーーーン!!! そしてハクリューの攻撃がラプラスに命中した!
ラプラス「きゃっ!!!」
サトシ「ラプラス!!」
ワタル「驚いたか? これがハクリューの特別の力さ!」
サトシ「…今の攻撃、突然と曲がり始めた…! わ、ワタル、今のは一体…!?」
ワタル「どうやら分からないようだな。 いいだろう、教えてやろう。 この力は、
    自分の攻撃を操る事が出来る能力。 その能力名は…『波動操作(パワー
    コントロール)能力』!」
サトシ「『波動操作能力』!?」
ワタル「そう、仕掛けた射撃系の技を自在に操る事が出来る能力! 特にコントロール
    最中に相手の集中力を乱す事が出来る! そう、これが
4つの『竜族能力』の
    一つとなる特殊能力なのさ!」
サトシ「『竜族能力』…?」
ワタル「『竜族能力』…それはミニリュウとその進化系だけしか覚えないと言う秘伝能力。 
    また、俺や一族しか学べないと言う特殊の奥義! この能力には、全て
4種類も
    あって、それぞれ自分自身や環境的の役割を持っている。 一つ、海だけでなく
    空も駆ける力…それが『動力操作(ムーヴメントコントロール)能力』。 二つ、
    エネルギー波の軌道を自在に操る力…それがさっきの『波動操作能力』。 三つ、
    気象を支配する力…それが『自然現象操作(ネイチャーコントロール)能力』。 
    そして四つ、
2匹による攻撃で相手を翻弄する力…それが『双竜襲来(ヒドラ
    ストライク)能力』。 そう、この四つの力こそ、ドラゴン達が誇る究極の力
    なのだ!」
サトシ「究極の力か…ん? ちょっと待て、もしかしてお前、パーティにもう一匹の
    ハクリューを持っているのか!?」
ワタル「お、よくわかったな? まあ、『双竜襲来能力』を使うにはハクリュー
2
    いないと行けないからな。 ああ、確かに俺にはハクリューもう一匹いるぜ。 
    そいつも同じく『竜族能力』を持っている。 もちろん、俺の『切り札』もな! 
    だが、例え『竜族能力』を持たすとしても、ここは公式の試合会場。 『自然
    現象操作能力』と『双竜襲来能力』は使えない。 使えるとしたら、『動力操作
    能力』と『波動操作能力』だけだ。 まあ、『動力操作能力』ならいつでも
    使えるがな。 この二つ以外の能力を使うと、試合放棄になるからな。 だけど、
    例えその二つの能力を使えなくなっても、決して俺はお前に負けたりはしない! 
    どうやってこの能力を完全に破れるか、考えてみるがいい!! ハクリュー、
    「バブル光線」だ!!!」
ハクリュー「リューーーーー!!!!」
ブクブクブクブク!!! ハクリューの口から「バブル光線」を撃ち放った!
サトシ「くっ!! ラプラス、「ハイドロポンプ」!!」
ラプラス「はい! はーーーーーーーー!!!!」
ブシューーーーーー!!! ラプラスの口から「ハイドロポンプ」を撃ち放った!
バッシャーーーン!!! ラプラスの攻撃はハクリューの攻撃を打ち消し、ハクリューに
襲いかかる!
ワタル「甘い!! 「大文字」だ!!」
ハクリュー「リューーーーーーー!!!!!」
ブォーーーーーーーー!!!! ハクリューの口から「大文字」を撃ち放った!
ジュバーーーーーーン!!! そして攻撃はラプラスの攻撃を打ち消した!
サトシ「な!?」
ドバーーーーーン!!! ハクリューの攻撃はラプラスに命中した!
ラプラス「きゃっ!!!」
サトシ「ら、ラプラス!!」
ワタル「見たか、水を瞬時に消す事が出来る強烈な炎を。 これぞハクリューの持つ
    真の力なのだ! もはやその調子じゃ俺に勝てまい!!」
サトシ「(…確かに、あの攻撃じゃ勝てない…例え攻撃がラプラスに少々ダメージ与える
    としても、あの曲がる技には必ず苦戦する。 集中力を乱す物だからな…フン、
    だったらそっちがそれを乱すのなら、こっちは乱さないようにするぜ!)」
ワタル「これからは本番だ!! ハクリュー、乱れる「冷凍ビーム」だ!!!」
ハクリュー「リューーーーーーー!!!!」
バシューーーーーーー!!! ハクリューは角から「冷凍ビーム」を撃ち放った!
グィウィウィウィウィン!!! そして攻撃は再び乱れるほど曲がり始めた!
ラプラス「うっ…!!!」
サトシ「…!! よし、今だ!! ラプラス、目を閉じて気配を感じ取るんだ!!」
ラプラス「…!!! はい!!」
ラプラスは言われた通り、目を閉じた。 そしてハクリューの攻撃は引き続きラプラスの
周りに曲がり捲くる。
ワタル「気配を感じ取ろうとしてるのか? そんな事しても緊張で隙を出してしまう
    だけだ!! ハクリュー、隙を狙って攻撃だ!!」
ハクリュー「リューーーーーーー!!!」
グィン!!! そしてハクリューの攻撃がラプラスの左側に襲い掛かって来た!
サトシ「!! 今だ、ラプラス!!」
バシューーーーーン!!! そしてラプラスは命令通り、左手(?)で攻撃を弾き
飛ばした!
ワタル「な!?」
サトシ「悪いけど、ハクリューの攻撃、完璧に見切ったぜ! な、ラプラス!」
ラプラス「ええ、かすかにハクリューの攻撃を見切りました。 これなら、もう『波動
     操作能力』は私に通じないでしょう。」
ワタル「くっ…そんなはずはない!! ハクリュー、もう一度「冷凍ビーム」!!!」
ハクリュー「リュ、リューーーーーー!!!」
バシューーーーーーー!!! ハクリューは角から再び「冷凍ビーム」を発射し、再び
それの動きを曲がり始めた! そして今度はラプラスの右側に襲い掛かってくる!
バシューーーーーン!!! だがラプラスは右手(?)で再び攻撃を弾き飛ばした!
ワタル「な!?」
ラプラス「何度もやっても同じ事です。 その能力はもう私には無効となるでしょう。」
ハクリュー「リュ、リュー…」
ハクリューはラプラスの勇敢で恐れ始めた。
ワタル「ハクリュー!?」
ラプラス「そのハクリュー、戻した方がいいでしょう。 今の状態では、もう私と
     戦えません。 私はその状態のまま、倒したくありませんから。」
ラプラスはそう言いながら微笑んだ。
ワタル「………悪いな、ハクリュー。 戻れ。」
ハクリューはハイパーボールに戻した。
ワタル「コンピュータ、ハクリュー降参だ。 そう言ってくれ。」
コンピュータ『ア…ハ、ハイ…はくりゅー、戦意喪失。 らぷらすノ勝チ。』
サトシ「やったな、ラプラス!」
ラプラス「いえ、サトシさんのおかげです。」
ワタル「…さすがだ…まさか俺のハクリューが、お前のラプラスの勇敢に恐れるなんて…
    しかも『波動操作能力』を簡単に見切れるとは…そのラプラスなかなかやるな…」
サトシ「まあ、俺が育てたラプラスだから当然だ!」
ラプラス「あの、威張るのはよくないですよ…」
サトシ「あ…」
ワタル「…フン。 いい事を言ってくれるな…おかげさまで楽しくなって来たぜ! 
    これも油断してしまったが、次は本気だからな! 次の奴もさっきのと同じだ! 
    だが、そのラプラスの敵ではない! 行け、ハクリュー!!!」
ハクリュー「リューーーー!!!」
サトシ「…!! あれがもう一つのハクリュー!?」
ワタル「そう、
2番目のハクリューだ! 言っておくが、こいつの力は殆どラプラスに
    対抗出来る物ばかりだ! ハクリューの怒りで出来た最大の恐怖、味わうが
    いい!! ハクリュー、「
10万ボルト」!!!」
ハクリュー「リュリューーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリリ!!!! ハクリューは角から「
10万ボルト」を撃ち放った!
効果は抜群だ!
ラプラス「きゃーーーーー!!!!」
サトシ「ラプラス!!!」
ラプラス「くっ…で、電気系の技!?」
ワタル「そう、このハクリューには、水と炎を使うハクリューとは違って、電気系を使い
    こなすハクリューなのだ! ラプラスは水系、電気に必ず弱い! 電気を水に
    攻めれば、ハクリューは不敵の存在となるのだ! さあ、今からおなじみの
    『波動操作能力』を使ってみよう。 これを簡単に見切れるか!? ハクリュー、
    「
10万ボルト」だ!!」
ハクリュー「リューーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! ハクリューは「
10万ボルト」を角から撃ち放ち、その
動きを乱れるほどラプラスの周りに曲げ始めた!
ラプラス「うっ…く…」
ラプラスは気配を感じ取ろうとするが、電気に恐れているせいか、緊張で集中できない!
ワタル「…ハクリュー、今だ!」
ハクリュー「リューーーーー!!!」
ドカーーーーーーン!!! そして攻撃はラプラスの真上から落ちてきた!
ラプラス「きゃーーーーーーーー!!!!」
サトシ「あ!!!」
ワタル「次は、「突進」だ!!」
ハクリュー「リューーー!!!」
ドカ!!! ハクリューの「突進」でラプラスを突き飛ばした!
ラプラス「うぁ!!!」
ドサァ!!! ラプラスは倒れた!
サトシ「ラプラス、大丈夫か!?」
ラプラス「う…わ、私ならまだ…戦えますが…あのハクリュー、強い…」
ワタル「フン、さすがにしぶといが、これで分かっただろ? お前のポケモンじゃ俺の
    ポケモンには敵わない! 不敵である俺のポケモンの相手でもない! 勇気も
    希望もなければ、何も出来まい!!!」
サトシ「何…!?」
ラプラス「…サトシさん、ワタルさんの言う通りかもしれません…」
サトシ「え…?」
ラプラス「私…あのポケモンには勝てないと思います…私の苦手な属性がある限り…
     私には勝つ自信が…」
サトシ「泣き喚くみたいな事言ってんじゃねえ!!!」
ラプラス「え…!?」
サトシ「それがお前の本性か!? 諦める方がもっと気分いいと言うのか!? 
1番目の
    ハクリューとの戦いは何だったんだ!? お前はあの戦いで勇気出して戦った
    じゃないか!! その戦いを忘れたと言うのか!?」
ラプラス「……………」
ピカチュウ「ピカピ…」
シャワーズ「サトシ…」
サトシ「勇気さえあれば属性なんて関係ないよ! 勝ちたいという気持ちがあるなら、
    それを相手にぶつけて、自分が勝つ自信を発揮するんだ! そうすれば、お前は
    必ず勝てるよ! 自分を信じろ! それだから俺と一緒に旅
    立ってるんだろ!?」
ラプラス「サトシさん………」
ラプラスはサトシの説教により感動する。
ラプラス「…分かりました! 私、出来る限りやってみます!」
サトシ「よし、それでこそ俺のポケモンだ!」
ワタル「まだ懲りないようだな。 まあいい、このまま戦闘不能にさせてもらうぜ!!」
サトシ「そうはさせないぜ! ラプラス、「波乗り」だ!!」
ラプラス「はい!!! はーーーーーーーー!!!」
ドバーーーーーーーーー!!! ラプラスは「波乗り」で波を作り、その波を
ハクリューに襲い掛かる!
ワタル「甘過ぎるぜ、サトシ!! ハクリュー、波に向けて「
10万ボルト」!!」
ハクリュー「リュリュリューーーーーーーー!!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! ハクリューは「
10万ボルト」で波に襲い掛かる。 
どうやらこのままラプラスを波で感電させるつもりらしい。
サトシ「甘いのはそっちだぜ! ラプラス、跳べ!!!」
ラプラス「たぁっ!!!」
ダッ!!! ラプラスは波から飛び降りた!
ワタル「何!?」
そしてラプラスはそのままハクリューに落ちていく!
ワタル「ちっ、自己犠牲でもするつもりか!? ハクリュー、「
10万ボルト」で
    とどめだ!!!」
ハクリュー「リューーーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリリリリ!!! ハクリューの「
10万ボルト」でラプラスに襲い
掛かる!
サトシ「ラプラス、勇気を出せ!!!」
ラプラス「…!!!!」
バシーーーーーーーン!!! ラプラスは腕(?)で攻撃を弾き飛ばした!
ワタル「な!?」
サトシ「よし! そのままハクリューに目掛けて…「のしかかり」だ!!!」
ラプラス「やーーー!!!」
ハクリュー「リューーーー!?」
ドサーーーーーーン!!!! ラプラスは「のしかかり」でハクリューを地面に突き
落とした!
ハクリュー「リュ〜〜〜…」
ワタル「は、ハクリュー!?」
コンピュータ『はくりゅー、戦闘不能。 らぷらすノ勝チ。』
サトシ「やったー!! ハクリュー敗れたり!!!」
ピカチュウ「ピッピカピ!!」
シャワーズ「敗れたり〜★」
サトシ「ラプラス、大丈夫か!?」
ラプラス「はぁ…はぁ…や、やりましたよ、サトシさん…貴方の仰ったように…」
サトシ「ああ、よくやったぜ、ラプラス! すごかったぜ!」
ラプラス「あ、ありがとうございます…けど、私はもう…」
サトシ「ああ、分かってる。 ゆっくりボールの中に休んでくれ。 後は他の仲間に
    任せるから。 最後まで勇気出してくれて、ありがとう。」
ラプラス「サトシさん…」
ラプラスはモンスターボールに戻った。
サトシ「コンピュータ、ラプラスを戦意喪失にしてくれ!」
コンピュータ『了解シマシタ。 らぷらす、戦意喪失。 両者、残ルぽけもんハ、
52。』
ワタル「…さすがだ、サトシ…まさかあのラプラスが本当に自分の恐怖を堪えたとは…
    信じられないほどだったぜ。」
サトシ「まあ、勇気さえあれば、何も怖くはないさ!」
ワタル「…勇気か…フン、確かにそうだな。 勇気があれば強くなる…勇気があれば怖い
    物なんてない。 いい事言うぜ、サトシ。 だが、これで俺のポケモンを
3
    倒したとしても、調子乗るなよ! 次のポケモンは、もっと敵わないほど
    だからな! その恐ろしさ、思う存分味わうがいい!! 行け、プテラ!!」
プテラ「ギャオーーー!!!」
サトシ「ぷ、プテラ!?」
ワタル「そう、古代から復活した恐竜ポケモン! その別名こそ『翼竜』! こいつも
    ギャラドスと同じくドラゴン系じゃないが、同じドラゴン技も持っている! 
    そしてこいつにも特別の力もあるのさ! その能力は何なのか、当ててみると
    いい! さあ、サトシ! ラプラスを戻した今、何で戦う!?」
サトシ「………よし! フシギダネ、君に決めた!」
フシギダネ「ダネダネ!!!」
ワタル「フシギダネ…? おい、お前正気か? フシギダネは草タイプ! 飛行系に
    弱いんだぞ!? そんなの分かってるのに俺のプテラを倒そうと
    してるのか!?」
サトシ「当然さ! 勇気さえあれば、弱点なんて怖くはないよ! それに、俺はこいつを
    信じてるんだからな! 必ず勝てるって言う信頼を!」
ワタル「(ん………? 信頼………? ……待てよ、俺にそう言うの………)」
ワタルはサトシの言葉で少しボーっとした。 だがその後、我に戻った。
ワタル「はっ…! う…面白い! お前がそう言うんだったら、その証拠を俺に見せて
    みろ! プテラ、「高速移動」!」
プテラ「ギャオ!!!」
シュシュシュシュン!!! プテラは「高速移動」でフシギダネの周りに飛び回った!
フシギダネ「ダ、ダネ!?」
ワタル「プテラ、そこで「翼で打つ」攻撃!!!」
プテラ「ギャオー!!!」
サトシ「うわ! フシギダネ、伏せろ!!」
フシギダネ「ダ、ダネ!!!」
ザシュン!!! プテラは「翼で打つ」攻撃を仕掛けるが、フシギダネが伏せたため、攻撃はフシギダネの後ろにある柱に命中。
グラッ…! そして命中した柱が、バランスを崩し、そのまま倒れて行く。
サトシ「へ…?」
ドガーーーーン!!! そして倒れかけた柱は、真っ直ぐ床に落ちた。
サトシ「き、切り裂いた…!?」
ワタル「そう、切り裂いたんだよ。 何せこれがプテラの特別の力なのさ。」
サトシ「何!?」
ワタル「さあ、何なのか分かるかな? この力の正体…」
サトシ「………!!! キクコさんのゴルバットが持ってる『斬撃能力』と同じだ!!」
ワタル「そう、こいつの翼は刃物になっていて、どんな物を切り裂く事が出来る鋭さを
    持っているんだよ。 最初にこいつを復元した時知らなかったよ、翼が刃物に
    なっていたなんて…だけど、戦闘には有利となったんだ。 急所に当たりやすい
    その鋭さ! 正に音速に切り裂くほどのパワーを誇る能力なのだ! そう、
    こいつのスピードと翼の鋭さを合わせれば、その攻撃速度は史上最速
    となるのだ!」
サトシ「う…」
ワタル「さあ、ここからがメインスポットだ! プテラ、連続「かまいたち」!!!」
プテラ「ギャオーーーーーーー!!!!」
ババババババシューーーーーーー!!! プテラの翼から「かまいたち」を撃ち放ち、
その連続攻撃をフシギダネに襲い掛かる!
サトシ「うわっ!! フシギダネ、避けろ!!」
フシギダネ「ダ、ダネダネ!!」
ドガドガドガドガン!!! フシギダネは攻撃を避けながら、「かまいたち」は床に命中
する!
ワタル「どうした!? 攻撃はどうした!? 逃げてるばかりこそ勇気を出してる
    証拠か!? それが違うなら本気を出してみろ!!」
サトシ「(く…こんな状態じゃ攻撃も出来ねえ! これじゃあフシギダネが負けてしまう! 
    けど、どうやって奴を倒せりゃいいんだ!? あのプテラには、ゴルバットと
    同じく『斬撃能力』を持っている…! それをどうやって止めれば…ん? 
    止める? 止めるの他に…そうだ! その手だ! よーし、上手く行くか
    どうか…!)フシギダネ、翼に「宿木の種」!!」
フシギダネ「ダネ!? ダネダネ!!!」
シュポン! フシギダネは背中の種から二つの「宿木の種」を撃ち、それをプテラの
両翼に当たった。
シュルルルルルル!!! 種に根が生え、それをプテラの翼に巻き付いた!
プテラ「ギャ!?」
ワタル「何!?」
ドサ!!! 翼が巻きつけられたプテラはそのまま床に落ちた。
サトシ「やった! 「宿木の種」で翼を巻き付く、その名こそ「翼封じ」成功したぜ! 
    これなら空を飛んだり、『斬撃能力』は使えなくなったぜ!」
ワタル「…そうか、「宿木の種」で翼を封じれば、「かまいたち」や「空を飛ぶ」を使え
    なくなる。 いい作戦だが、一つ忘れてるんじゃないのか?」
サトシ「え?」
ワタル「プテラ、「破壊光線」!!」
プテラ「ギャオ!!」
プテラは口を開き、「破壊光線」の準備をする。
サトシ「…!!!」
ワタル「例えプテラに翼がなくても、口があれば「破壊光線」を使える! これで終わり
    だな!!」
サトシ「…そう思ったのも大間違いだぜ!」
ワタル「何?」
シュルルルルル!!! その後プテラの翼に巻かれた「宿木の種」は再び生え始め、
プテラの口を縛り閉じた!
プテラ「…!?」
ワタル「な!?」
サトシ「「宿木の種」はまだ生え続けてるんだ! 動きの反応を応じれば、そこへ巻き
    付く仕組みになってるんだ! これで「破壊光線」も使えないぜ! フシギダネ、
    とどめの「ソーラービーム」だ!!!」
フシギダネ「ダーネダネーーーーーーーー!!!!!」
バシューーーーーーーーー!!! フシギダネの背中の種から「ソーラービーム」を撃ち
放った!
ドカーーーーーーーン!!! そして攻撃はプテラに命中した!
プテラ「〜〜〜…」
プテラは声も出さず、そのまま倒れた。
ワタル「ぷ、プテラ!?」
コンピュータ『ぷてら、戦闘不能。 ふしぎだねノ勝チ。』
サトシ「やったーーー!!! プテラ敗れたりだぜ!!」
フシギダネ「ダーネフシャ!」
ワタル「…まさか草系が飛行系のポケモンを倒せたとは…思い浮かべなかったぜ…
    さすがだぜ、サトシ? まさかここまでと辿り付くとはすごい物だ。 究極と
    名乗る俺のドラゴンポケモンを次々と制圧させるとは、なかなかの腕を持って
    いるな。 だが、その実力は長く行けまい!! 俺の『切り札』とするこいつは
    究極だ!! 見せてやろう、俺のドラゴン軍団の真の力を!! 出でよ、史上
    最強と名乗る我が究極の竜、カイリュー!!!」
カイリュー「リューーーーーーー!!!」
サトシ「な!?」

―メインドーム―

アナウンサー『おお!!! ワタル選手、最後の切り札を繰り出しました!! その名
       こそ、カイリューです!! カイリューはドラゴン系の中でも最強と
       呼ばれる存在! もうどのポケモンも敵わないほどの強さです!! 
       果たしてサトシはこの最強のポケモンとどうやって倒すつもり
       でしょうか!? いよいよ試合のクライマックスが始まります!!!』
カスミ「あ、あれが、噂のカイリュー!?」
ブルー「は、初めて見たわ…」
シゲル「一体あれは…!?」

ポケモン図鑑「カイリュー・ドラゴンポケモン・大きな体格で空を飛ぶ。 地球を
       約
16時間で1週してしまう。 広い海のどこかを住処にし、飛んで移動
       すると言われているが、あくまで噂に過ぎない。 ポケモンの中でも一番
       育てるの苦労すると言われている。」

カルロス「あれが伝説のポケモンともうたわれる噂のカイリュー!? すげえぜ、これ!! 
     初めて見る奴だぜ!!」
カツコ「でも強そう…サトシだとあのカイリューを簡単に勝てるのかな…?」
ヒバリ「確かにカイリューはドラゴン系ポケモンとしてかなり強そうよ。 それに噂だと、
    ワタルが最後のポケモンを繰り出すと必ず相手が敗北になるって…」
スバル「じゃあ、サトシはやっぱり負けるって訳か!?」
カイト「そんなに強いんだったら、何が何でも勝てっこねえぜ…」
カスミ「…ううん、勝てるよ、絶対に!」
全員「…!?」
カスミ「あたし達、ずーっとサトシを見てたでしょ!? あいつならどんな苦戦でも必ず
    負ける訳には行かない! みんなで信じよう、サトシが絶対に勝つって! 例え
    相手が強くても!」
レッド「…確かにそうだな。 ここまで負けると思ったらどうしようもないよ! 
    お前達はあいつの仲間だろ? 仲間なら、あいつが絶対勝てるって
    信じようぜ!」
ツグミ「…そうね。 ここまで来て悩む必要ないね! サトシが勝つって事、
    信じてるわ!」
エニシ「もちろん! サトシは僕達の分まで戦ってるんだもんね!」
ウンディーネ「ウチもダーリンを信じとるでー♪」
ドリアード「わ、私もサトシさんの事信じてます…」
サラマンダー「兄貴こそ俺達の漢!!! 勝つに決まってるぜ!!!」
レッド「よーーーし!! だったら最後までサトシの為に応援しようぜ!!!」
全員「おう!!!」
ハナコ「…サトシったら…本当にいいお友達出来たのね…」
ハナコは感動していた。

―一方ロケット団―

ムサシ「おお、あれってカイリュー!?」
コジロウ「カイリューって言ったらレアポケモンだぜ!!」
ヤマト「これって私達のいいターゲット!?」
コサブロウ「ゲットすれば給料倍アップに出世可能に…!?」
久々な悪役気分になるロケット団だが…
サノスケ「お前ら、こんな時にバカな事考えない方がいいぜ?」
ロケット団「へ?」
サノスケ「今はジャリボーイのとんでもない危機だ。 仕事の事を考えてる暇なんて
     ないぜ?」
ゴエモン「そうだ。 今は試合を拝見してる売り子アルバイター。」
ハンゾウ「そして今はジャリボーイを見守ってる最中なんだぜ?」
珍しくいい事を言う
3人組み。
ムサシ「…そうだね。 ここはジャリボーイを拝見してる時だね!」
コジロウ「ああ、バイト以外の仕事に気にしてる場合じゃないぜ!」
ムサシ「よーし、もっともっとジャリボーイの勇姿を拝見するわよ! 言っとくけど、
    これは応援とは違うからね! 何としてもジャリボーイが勝つの祈るのよ!!」
ロケット団「おう!!!」
張りきるロケット団だが、ニャースは呆れた顔で彼らを見詰める。
ニャース「どっちも応援だろニャ…」

―第
4のドーム・龍の間―

サトシ「こ、これが…噂のカイリュー…!?」
ワタル「ほう、どうやら存知のようだな? そう、こいつがカイリュー。 俺の切り札と
    なる最強のポケモン! 別名はそのままでも『海竜』!! こいつも強力な
    能力も持っている! 他のハクリューと同じく『竜族能力』を持っているが、
    こいつには他の能力だって持っている! そいつが何なのか、分かるかな? 
    けど、この先どうやって戦うのかい? そのフシギダネじゃ、レベルの高い
    カイリューには対抗できないぜ!?」
サトシ「くっ…けど、例えこの状態でも、俺はまだフシギダネが勝てると信じてる! 
    信じていれば、必ず勝つ事が出来るよ!!!」
ワタル「…フン、信頼か。 確かに信頼もあれば勝てる自信を与える事が出来る。 だが、
    それが実現するか!? カイリュー、「大文字」!!!」
カイリュー「カーーーイリューーーーーーー!!!」
ブォーーーーーーー!!! カイリューの口から「大文字」を撃ち放った!
サトシ「ヤバイ!! フシギダネ、避けろ!!」
フシギダネ「ダネフシャ!」
ドーーーーーン!!! フシギダネは見事に攻撃を避けた!
サトシ「今だ! 「つるの鞭」!!」
フシギダネ「ダネダーーーネ!!!」
シュルルルルル!!! ガシッ!!! フシギダネは「つるの鞭」でカイリューの腕を
縛った!
サトシ「(よーし、後は「ソーラービーム」で一気に…!)」
ワタル「…残念だな。 そんな実力で、俺のカイリューのパワーには敵わんぞ!!!」
バッ!!! カイリューは思いっきりフシギダネを引っ張りあげた!
フシギダネ「ダネ!?」
サトシ「な!?」
ワタル「カイリュー、そのまま叩き付けろ!!!」
カイリュー「リューーーーー!!!」
ドサーーーーーーーン!!! カイリューはフシギダネを地面に叩き付けた!
フシギダネ「ダネ〜〜〜…」
サトシ「ふ、フシギダネ!!」
コンピュータ『ふしぎだね、戦闘不能。 かいりゅーノ勝チ。』
サトシ「そ、そんな、フシギダネが…」
ワタル「どうやら信頼を得ても実現しなかったようだな。」
サトシ「何!?」
ワタル「信頼を得ても勝てなかったのなら、俺のカイリューの力には敵わないようだな。」
サトシ「そんな事はない! さっきのは油断しちまったけど、今度は本気だ!! 一度で
    出したから、これ以上こいつを違うのを入れ替える訳には行かない! 俺は
    こいつも信じてる! パルシェン、君に決めた!!」
パルシェン「パッルシェン!!!」
ワタル「パルシェンか…ギャラドスの時に活躍した奴だな? まあ、再び出すのなら
    構わんが、そいつで何をするかな?」
サトシ「それは最後まで見ないと分からないぜ! パルシェン「冷凍ビーム」!!」
パルシェン「パル!!!」
バシューーーーーー!!! パルシェンの角から「冷凍ビーム」を撃ち放った!
バシ!!! だがカイリューはそれを見事素手で弾き飛ばした!
サトシ「な!?」
ワタル「カイリュー、「雷」で行け!!」
カイリュー「リューーーーーーーーー!!!」
サトシ「あ、しまっ…!!!」
ドカーーーーーーーーーン!!!! カイリューはアンテナ(?)から「雷」を落とし、
パルシェンに命中した! しかも効果は抜群だ!
パルシェン「パル〜〜〜…」
サトシ「ぱ、パルシェン!?」
コンピュータ『ぱるしぇん、戦闘不能。 かいりゅーノ勝チ。』
サトシ「ば、バカな…パルシェンまで…」
ワタル「どうやらお前の思った物は全て失望したようだな。」
サトシ「何!?」
ワタル「つまり信頼や友情や愛情があろうとしても、必ず成功は得てないって事だ! 
    お前の思った物は全てマグレにしか過ぎないだろうな。」
サトシ「そんな訳ない! それがあれば必ず勝てるよ!」
ワタル「じゃあもう一度それを俺に照明してみろ!」
サトシ「………」
サトシはベルトから
1個のモンスターボールを出した。
サトシ「…本当は出したくはなかったけど、今回ばかりはチャンスを与えないとな…
    上手く行けるか、ちょっと試しに出してみるか! リザードン、君に決めた!」
リザードン「リザーーー!!!」
ワタル「…!? リザードン!?」
ピカチュウ「ピ!?」
シャワーズ「ちょ、さ、サトシ!! リザードン繰り出すの!?」
サトシ「最初はこいつの性格で出したくはなかったけど、今回は言う事聞いてくれるかも
    しれないんだ! 試しにやってみる!」
リザードン「フッ!!」
リザードンは意味なくそっぽを向いた!
ワタル「…何だ? そのリザードン全くお前に懐いてないじゃないか? そいつ本当に
    お前のポケモンか?」
サトシ「リザードン、あのカイリューをよーく見てみろ!!!」
リザードン「ドン?」
リザードンはカイリューの方へチラッと見た。 その後リザードンはカイリューを見続き、
何かの変化が起こった。
リザードン「リザー!!!」
突然とリザードンはやる気が出たそうだ。
サトシ「やっぱり、こいつは単なる強い奴と戦いたいだけなんだ! じゃ、やるな、
    リザードン!?」
リザードン「リザ!」
リザードンはサトシを見て頷いた。
ワタル「…フン、ただプライドが高過ぎるだけか。 まあ、俺のカイリューが強そうと
    思っても、調子に乗るなと注意するんだな! カイリュー、「突進」攻撃!!」
カイリュー「リューーーーーーーーー!!!」
カイリューは「突進」でリザードンに攻めこもうとする!
サトシ「リザードン、こちらも「突進」だ!」
リザードン「リザーーーーーーーーー!!!」
ガシッ!!! お互いの「突進」攻撃は互角に命中した!
サトシ「よし、リザードン! その隙に奴の腕を掴んで「空を飛ぶ」!!」
ガシッ! リザードンはカイリューの腕を掴んだ!
カイリュー「リュ!?」
リザードン「リザーーーーー!!!」
ヴァサッ!!! ドビューーーーーー!!! リザードンはカイリューを掴んだまま
「空を飛ぶ」で飛び上がった!
サトシ「よし、次は「地球投げ」で行け!!!」
リザードン「リザーーーーーー!!!」
ビュンビュンビュンビュン!!! リザードンは「地球投げ」をするため、飛び回り
始めた!
サトシ「よーし、その調子で…!」
ワタル「…その調子で勝てると思ってるのか?」
サトシ「え!?」
ワタル「カイリュー、リザードンの後ろへ移動!」
カイリュー「リュ!」
ザッ!!! カイリューは一瞬にリザードンから腕を解き、直ぐにリザードンの後ろへ
移動した!
リザードン「リザ!?」
ワタル「カイリュー、そのまま「のしかかり」で押し潰せ!」
カイリュー「カイリューーーーーー!!!」
ドサーーーーーン!!! カイリューは「のしかかり」でリザードンを上空から押し
落とした!
サトシ「な!?」
リザードン「リザ〜〜〜…」
サトシ「り、リザードン!?」
コンピュータ『りざーどん、戦闘不能。 かいりゅーノ勝チ。』
サトシ「ば、バカな…俺のリザードンが…」
ワタル「フン、不良的な性格の上プライドが高過ぎるリザードン…それじゃあ、信頼と
    友情と愛情を得ててると照明しないな。」
サトシ「くっ…それは違う! ただ俺がまだレベルが足りないだけだからそうなってる
    だけ…!!」
ワタル「でも、それでもリザードンはお前に対して信頼だろうと友情だろうと愛情など
    何もないって事だろな。」
サトシ「ぐっ…!」
ピカチュウ「ぴ、ピカピ…」
シャワーズ「サトシ…」
ワタル「さあ、サトシ、お前の残りポケモン数は後
2匹だ。 恐らくそのポケモンは、
    そこにいるピカチュウとシャワーズだろう。 その
2匹のうち、どちらを選ぶ?」
サトシ「…ピカチュウ、お前なら行けるか?」
ピカチュウ「ピカチュ!!」
サトシ「よーし、頼むぜ! ピカチュウ、君に決めた!」
ピカチュウ「ピッカーーー!!!」
ワタル「ほう、ピカチュウか…リーグ戦でも大活躍したポケモンだな? ならば、
    お手並み拝見と行こうか! カイリュー、「吹雪」だ!!」
カイリュー「リューーーー!!!」
ビュオーーーーーーーー!!! カイリューは「吹雪」を起こした!
サトシ「ピカチュウ、「高速移動」で回避だ!!」
ピカチュウ「ピカーーーー!!!」
シュンシュンシュンシュン!!! ピカチュウは「高速移動」で攻撃を避けた!
サトシ「よし、その隙に「電光石火」!!」
ピカチュウ「ピッカーーーーー!!!」
ドカッ!!! ピカチュウは「電光石火」でカイリューに攻撃した!
カイリュー「リュッ!?」
ワタル「ほう、初めてダメージを受けたようだな! だが所詮は小威力! 効き目なし
    だぜ! カイリュー、「叩き付ける」攻撃!!」
バシッ!!! カイリューは尻尾でピカチュウに「叩き付ける」を食らわせた!
ピカチュウ「ビッ!!!」
サトシ「これしきに負けるな、ピカチュウ! 「雷」だ!!」
ワタル「こちらも「雷」で突っ込め!!!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーチュウーーーーーーーー!!!!!」
カイリュー「カーーーイリューーーーーーーーーーーー!!!!!」
ドカーーーーーーーーーン!!! お互いの「雷」はお互いに命中した!!
ピカチュウ「…ピ…ピ…カ…」
ドサ!!! だがカイリューの威力が高かったせいか、ピカチュウは倒れた!
サトシ「な!? ぴ、ピカチュウ!?」
コンピュータ『ぴかちゅう、戦闘不能。 かいりゅーノ勝チ。』
サトシ「ピカチュウ、大丈夫か!?」
ピカチュウ「ピ…ピカ…」
サトシ「…そ、そんな…ピカチュウまでも…」
ワタル「残念だな。 これでお前が思っていたもの全ては幻だったと言う事だな。」
サトシ「何だと!?」
ワタル「お前の言った全ての言葉はただの幻にしか言えない。 お前がそう言った
    としても、成功は得てなかった。 どうやら信頼と友情と愛情があろうとしても、
    勝ち目は当然ないと言う事だな。」
サトシ「…お前何も分かっちゃいないんだな! トレーナーってのはな、ポケモンと共に
    生きる者なんだよ! 信頼と友情と愛情さえあれば、どんな戦いでも必ず
    勝てるんだよ! それさえあれば、どんな事があってもお互い必ず
    生きれるんだよ! お前はそう言うの経験してないだろうけど、そう言う物は今
    でも実現するんだ! 今でも照明してやるよ、真のトレーナーの心ってのを
    な!!」
ワタル「(………真のトレーナーの心………?)…フン、面白い! ならば最後の最後
    まで見せてみようじゃねえか!! さあ、サトシ、残り一匹を繰り出せ!」
サトシ「おうよ!! シャワーズ、最後まで行ってくれるか!?」
シャワーズ「もちろん! ピカチュウや他のみんなの仇も取りたいからね!」
サトシ「よし、この戦いはお前に任せたぜ! 俺はお前が絶対に勝つってのを、信じてる
    からな!」
シャワーズ「僕もサトシが絶対勝てるってのも信じてるよ! 全部僕に任せて!」
サトシ「よし、分かったぜ! シャワーズ、君に決めた!!!」
シャワーズ「おーーー!!!」
ワタル「…ほう、そいつがリーグ戦や他の四天王達との戦いまで勝ち抜いた切り札か。 
    それなら切り札同士の戦いでも行くか! どちらが最後まで勝ち残れるか、最終
    決戦の始まりだ!!! カイリュー、「破壊光線」!!」
カイリュー「リューーーーーーーー!!!」
バシューーーーーーーーー!!! カイリューは口から「破壊光線」を撃ち放った!
サトシ「シャワーズ、一瞬的に避けろ!!」
シャワーズ「了解!!」
ダッ!! シャワーズは攻撃を避けたが…
ワタル「甘い!」
グィン!!! ドカーーーーーン!!!! 何と攻撃はシャワーズの方角へと曲がり、
命中した!
シャワーズ「うわっ!!!」
サトシ「な!? し、しまった!! あれは『波動操作能力』!?」
ワタル「忘れたとは言わないだろうな? カイリューには
4つの『竜族能力』を持って
    いるんだぞ! どんな攻撃を仕掛けようとしても、絶対に避けきれない
    からな!! 行け、カイリュー!! 「雷」だ!!!」
カイリュー「カイリューーーーーーー!!!」
ドカーーーーーーーン!!! カイリューのアンテナ(?)から「雷」をシャワーズに
落とした! しかも効果は抜群だ!!
シャワーズ「うわーーーーーー!!!!」
サトシ「シャワーズ!!!」
さっきの攻撃を受けたシャワーズは、そのまま倒れて行った。
サトシ「しゃ、シャワーズ…」
ワタル「…どうやら勝負は決まったようだな。 これでお前は絶望する事になるんだな。」
サトシ「くっ…」
ワタル「…コンピュータ、これで決まりだ。」
コンピュータ『ア、ハイ。 しゃわーず、戦闘…』
シャワーズ「まだだよ!!!」
コンピュータ『エ?』
ワタル「何?」
サトシ「え!?」
ボロボロな状態になっているシャワーズは、力尽くで立ち上がろうとする。
サトシ「しゃ、シャワーズ!!!」
ワタル「ば、バカな!? さっきの一撃で簡単に生き残れるのか…!?」
シャワーズ「…ぼ、僕はそう簡単に…負けたりはしないポケモンだよ…自分の友達のため
      なら…絶対に負けたりは…しない!! 君には…まだ何も分かって
      ないんだよ…トレーナーとポケモンの事…!!」
ワタル「何!?」
サトシ「しゃ、シャワーズ、大丈夫か!?」
シャワーズ「…だ、大丈夫だよ…さっきの攻撃は…そんな対した物じゃなかったから…
      それより、サトシ…僕、まだ戦えるよ…このまま戦わせて…!」
サトシ「ま、待て!! そんな事したら、お前の体が持たないぞ!? 体力もギリギリ
    しか残っていないし…!!」
シャワーズ「サトシ…僕を信じて…さっき言ったじゃない…僕が絶対勝つって事を…
      信じてるって…それだからサトシは…トレーナーを目指したんでしょ…?」
サトシ「……………」
サトシはそんなボロボロなシャワーズの勇敢的な笑顔を見た。 その顔を見たサトシも、
少々焦りながら笑んだ。
サトシ「よーし、分かった!! 全力尽くして行こうぜ、シャワーズ!!」
シャワーズ「うん!!」
ワタル「な!? あんな体で…!?」
コンピュータ『…マダしゃわーずノ戦闘力ガ残ッテイマス。 引キ続キ、試合ヲ再開
       シマス。』
ワタル「お、おい!! くっ…死んでも俺は知らねえからな!!! カイリュー!!!」
カイリュー「リュ、リュ!!!」
サトシ「シャワーズ!!」
シャワーズ「うん!!」
その後、サトシとシャワーズは目を閉じた。
ワタル「…!?」
その後周りは全体沈黙となった。
ワタル「(…な、何だ、この沈黙は…!? あいつら、わざと隙を出してるのか!? 
    あの状態なら、今でも攻撃できるが…何か企んでる…!! 一体…何を起こそう
    としてるんだ…!?)」
その後ワタルは気付いた。 シャワーズの後元を見たら、そこには水が溜まってあった。
ワタル「(ん? 水? あんな所に水があったか…? …!?)」
ワタルはその水溜りを見たら、突然動き始めた。
シューーーーーー!!! そしてその水溜りが一瞬にカイリューの周辺へ移動した!
ワタル「な!? み、水が勝手に!? ま、まさか!?」
サトシ「よし! 今だ、シャワーズ!!! 「冷凍ビーム」!!!」
シャワーズ「はーーーーーーーーーー!!!!」
ガチガチガチガチ!!! シャワーズは水に「冷凍ビーム」を撃ち、カイリューの周りに
大きな氷柱が作られた!! しかも効いている様子だ!
カイリュー「リュ!?」
ワタル「な、何!?」
サトシ「見たか、ワタル!! これが俺とシャワーズの真の力さ!! 最初は全体以外足
    だけに「溶ける」攻撃を仕組み、そのままカイリューの周辺に移動させたんだ! 
    あのまま全体「溶ける」を使って移動してたら、絶対分かると思ったんだ! 
    そして最後は気を取られてる隙に、このような技を作り出したんだよ! 
    カイリューの動きを封じるためにね!!」
ワタル「な、何だって!?」
ゴロゴロゴロゴロ…!! その後、ギャラドス戦の時からシャワーズが仕掛けたままの
「黒い霧」に雷音と稲光がした。
ワタル「…!? な、何だ…? 「黒い霧」から…」
サトシ「どうやら始まったようだな…」
ワタル「は、始まった!?」
サトシ「そう、「黒い霧」は元はステータス回復能力として使われていたけど、実は
    これは雷雲を作り上げる事も出来るのさ! それに「雷」などの電気系攻撃を
    与えると、その電力を吸収し、落雷するまでのエネルギーを溜める事が
    出来るんだ!」
ワタル「!!! ま、まさか、その電力が十分溜めると…!!!」
サトシ「そう、強力な落雷が起こるんだ! お前のポケモン達とピカチュウのと加えて、
    倍返しの「雷」だーーー!!!」
ドカーーーーーーーーン!!!!! 「黒い霧」から落ちて来た「雷」は、カイリューの
真下に命中した!!
カイリュー「……………」
サトシ「……………」
シャワーズ「……………」
ワタル「……………」
周りは全体沈黙になっていたが…
ドサ!!! カイリューは突然と倒れ落ちた!
サトシ「!!」
コンピュータ『………かいりゅー、戦闘不能! しゃわーずノ勝チ! ヨッテコノ試合、
       さとし選手ノ勝利! 見事ニ四天王ヲ全テくりあシマシタ!』
サトシ「や、やったーーー!!! 最後の四天王、ゲットだぜーーー!!!」
ピカチュウ「ピッピカチュウ!!!」
シャワーズ「や、やったね…きゅ〜〜〜…」
ドサ! シャワーズはそのまま倒れた!
サトシ「あ、シャワーズ!! 大丈夫か!?」
ピカチュウ「ピカカー!?」
サトシとピカチュウはシャワーズの方へ駆け付いた。 その後ワタルは、シャワーズを
心配して抱き上げるサトシを見詰めた。
ワタル「……………」

―メインドーム―

ワーーーーーーーーーーーーー!!!!!! 観客達は物凄い大きな歓声を出した。
アナウンサー『や、やりましたーーー!!! サトシ選手、見事に最後の四天王を制圧
       させました!!! 今まで強敵として誰にも負けなかったはずの
       ワタル選手が、サトシ選手の戦略で倒されました!!! よって
       サトシ選手が、今回第
12回ポケモンリーグのチャンピオン
       でーーーす!!!』
会長『ほーーー、やりおったねー、サトシ君!!! さすがじゃぞーーー!!!』
じいちゃん『さすがぢゃ、サトシ君!!! やりおったな!!!』
アキハバラ『よくがんばったね、サトシ君!!! お見事!!!』
オーキド『さすがサトシ君じゃ! ワシが思った通り、よくここまで成長したのう!』
カスミ「やったやったーーー!!! サトシがチャンピオンだーーー!!!」
ブルー「サトシがチャンピオンだーーー!!!」
マサキ「サトシ勝ったでーーー!!!」
シゲル「うおおおお!!! やったなサトシーーー!!!」
シュウ「やったじゃねえか、サトシーーー!!!」
マロン「サトシ君勝った勝ったーーー!!!」
ヒロシ「優勝おめでとう、サトシーーー!!!」
タケシ「やったな、サトシーーー!!!」
レッド「さすが俺の弟だ! よくやったな、サトシ!!!」
トオル「サトシーーー、君の活躍、記念に撮ったよーーー!!!」
ハナコ「サトシが…サトシがやっと優勝…う、うう…」
アオイ「良かったですね…ハナコおば様!」
ハナコとアオイは嬉し涙を流した。
グリーン「…どうやら予想通りだったな…よくここまでがんばったな、サトシ。」
ウンディーネ「やったーーー!!! ダーリン勝ったでーーー!!! しかも
       優勝やーーー!!!」
ドリヤード「うう、サトシさんが遂に優勝…嬉しい…」
ドリヤードも嬉し涙を流していた。
ジン「ドリヤードさん、よかったダスね!」
サラマンダー「よっしゃーーー!!! 兄貴大勝利&優勝だぜーーー!!!」
ウィスプ「やりましたッスね、サトシさーーーん!!!」
シェイド「…良くやったな、サトシよ。 良くがんばったな…」

―一方ロケット団―

ムサシ「すごいすごい!!! ジャリボーイ優勝したよ!!!」
コジロウ「やったな、ジャリボーイ!!! 思った通りやるじゃねえか!!!」
ヤマト「ジャリボーイが勝った勝ったーーー!!!」
コサブロウ「さすが我が好敵手…いい気持ちによくがんばったな!!!」
ゴエモン「ジャリボーイにしちゃよくここまで優勝したな!」
サノスケ「よくがんばったもんだぜ!!」
ハンゾウ「ああ、さすが感動する…」
ハンゾウは感動していた。
ニャース「…これで終わればそれでいいんニャ…」

―第
4のドーム・龍の間―

ワタルがシャワーズをありがたそう抱き上げるサトシを見ながら、心からこう思っていた。
ワタル(………そうか…そう言う事だったのか…どんなに傷付いたポケモンでも、
    トレーナーが必ず看護してくれるその安心感があるから、あのポケモン
    (シャワーズ)が限界まで戦う事が出来たんだ…真の信頼、友情と愛情さえば、
    どんな激しい戦いや苦しい時でも、トレーナーとポケモンが長く生きられる。 
    そしてトレーナーに本当に正しくて強い心を持てば、ポケモンもそれに答えて
    くれる…そんな事も知らなかった俺って…)
サトシ「げっ、やべ!! ルール通りにしてたからすごい傷薬持ってない!! やっべー、
    どうしよう…」
その後ワタルはサトシに「回復の薬」を渡した。
サトシ「え…?」
ワタル「これは回復の薬だ。 使え、これでシャワーズの体力も満タンになる。」
サトシ「え、い、いいの?」
ワタル「当たり前さ。 俺には使わない。 使っとけ!」
サトシ「あ、ありがとう!」
サトシは回復の薬を使い、シャワーズの体力は完全回復した。
シャワーズ「…ふう…元気百倍〜♪」
サトシ「よかったー、無事でー!」
サトシはシャワーズを思いっきり抱き締めた。 その後サトシは不思議そうにワタルの
方へ見上げた。
サトシ「…けど、どうして…?」
ワタル「…何となく分かったんだ。 俺に何が足りなかったのかを…それを知ったから
    こそ、俺は負けたんだ。 ポケモンとトレーナーと言う関係を知らずに…」
サトシ「ワタル…?」
ワタル「…俺さ、ジョウトの山奥にある街から来てな、そこでドラゴン使いの修行
    したんだ。 俺の故郷ではな、こう言う常識があったんだよ。 『強さを信じる
    べし。 強さだけに生きて行けば、永遠に敗北せずに、永遠に生き残れる』
    ってな。 今気付いたんだ。 それはポケモンに対する信頼、友情と愛情とは
    全く関係ないって事をな。 お前と戦ってから、やっと分かったんだ。 自分
    にはポケモンに信頼も友情も愛情もなかったって事を…今まで俺は自分の
    ポケモンを傷付いていた…けどお前は俺と違って本当のトレーナーの正しさを
    持っていた。 真のトレーナーの証となる信頼と友情と愛情をちゃんと持って
    いた。 なのにそれも全く持ってなかった俺って…トレーナーでも四天王でも
    失格だ…」
サトシ「…そんな事ないよ!」
ワタル「え?」
サトシ「だってワタルはあれからずーっとカイリュー達と一緒に生きていたんだろ? 
    ワタルには気付いていないかもしれないけど、ワタルにも十分信頼と友情と
    愛情があったさ! カイリュー達もそう思っているよ、いや、分かってたかも
    しれない。 強くなるだけでもそれでいい。 厳しく修行してるのは、その
    ポケモンを傷付いている訳じゃない。 信頼と友情と愛情があるこそ、厳しく
    やってるんだ。 誰が作ったのかしらないけど、その常識にはそう言う意味を
    してたんじゃないかな?」
ワタル「……………」
サトシ「…なーんてカッコ付けてるみたいな言い方だけど。」
ワタル「…いや、お前の言う通りかもしれない。 多分俺はあの常識の意味が分かって
    いなかったかもしれない。 俺にはあったんだ…ポケモンへの信頼と友情と
    愛情が! 今まで気付いてはいなかったけど、本当にあったんだ、俺の心に! 
    カイリュー達も分かってたんだろうな…信頼と友情と愛情を込めてたから、
    あんな厳しい修行したからと…!」
サトシ「きっと分かっているよ! ポケモンは人類の友達だからな!」
ワタル「………サトシ、ありがとう。 お前のおかげで、俺には気付かなかった大事な
    物を見付けた! この勝負、お前の勝ちだ! サトシよ、今日から君は、この
    ポケモンリーグのチャンピオンだ!!!」
サトシ「やったーーー!!!」
ピカチュウ「ピッカーーー!!!」
シャワーズ「やったーーー!!!」
ワタル「…と言いたい所だったが…」
サトシ・シャワーズ「え?」
ピカチュウ「ピ?」
ワタル「…実はお前には、まだ戦わなければならない挑戦者がいるんだ!」
サトシ「え!? ま、まだ戦わなければならない挑戦者!? ど、どう言う事だよ!? 
    お前を倒した後、俺はチャンピオンになるってアナウンサーが言ってたぞ!?」
ワタル「…確かにアナウンサーはそう言ったけど…俺を倒した後はもう
1人戦う事に
    なるって言う企画になっているんだ。 本当はお前をチャンピオンとして
    認めようとしたかったんだが…まさかあいつがいつの間にへと…」
サトシ「あいつ? …で、誰だよ、その挑戦者って…?」
ワタル「…お前と相手にするその挑戦者は…このリーグのチャンピオンだ!」
サトシ「チャンピオン?」
ワタル「そう。 そのチャンピオンは、以前に優勝したあのドクター
Oやレッドではない。 
    このリーグが始まる前に、先に俺達を倒したチャンピオンなのだ!」
サトシ「な、何だって!? な、何だよそれ!? そんなの聞いた事ないぞ!? で、
    誰なんだよ、そのチャンピオンって!?」
ワタル「…それは…」
コンピュータ『さとし選手、貴方ハ見事ニ全テノ四天王ヲくりあシマシタ。 めいん
       どーむヘ進ンデクダサイ。』
プシューーーーー!!! メインドームへの扉が自動的に開いた。
ワタル「…これまでには教える事は出来ないが、この先の道に行けば、お前の相手が
    分かる。 行け、最後の挑戦者と最後の戦いが、お前を待っているぜ。」
サトシ「……………」
サトシはワタルに通りかかろうとすると…
ワタル「これだけ言わせておく。」
サトシ「…!」
ワタル「絶対に勝てよ! 俺よりもな!」
サトシ「………ああ、必ず勝つさ! さ、行くぞ、ピカチュウ、シャワーズ!」
ピカチュウ「ピッカ!」
シャワーズ「うん!」
サトシとピカチュウとシャワーズは扉の方へ向かい、そのまま走り去った。 その最後の
姿を見続けたワタルはこう呟いた。
ワタル「…お前との戦い挑む最後の挑戦者は…お前のよく知ってる奴さ…」
果たして、最後の挑戦者とは一体誰の事なのか? 次回へ続く!
続くったら、続く!