ポケットモンスター小説版
159話 襲われたカントー! 人間達を救え!(後編)

邪悪な炎に包まれたカントーを救い、カントーの人類達も救ったサトシ達。 サトシの
ウンディーネのおかげでカントーの炎は全て消えたが、多くの人間達は重傷に負っていた。 
全ての病院が破壊されたため、今でも残っているセキエイ病院を使う事になった。 そこで
サトシは、セキエイ病院へ辿り着いた。

サトシ「うわー! す、すげえ混雑じゃねえか!?」
シャワーズ「よほどの患者さん達が多いんだね…」
ピカチュウ「ピーカチュ…」
サトシ「それはそうだな…リユニオンの奴ら、ここ以外の病院全部ぶっ壊したからな…
    混むのも当然だぜ…」
???「あ、おーい、サトシーーー!」
その後、シュウが現れた。
サトシ「ん? あ、シュウ!」
シュウ「無事だったんだな!?」
サトシ「ああ、まあな。」
シュウ「見たかよ、あの雨!? すっげえ雨がカントー中の炎を全て消したんだぜ!? 
    コゴロウから聞いたんだけど、あれお前がやったんだろ?」
サトシ「あ、ああ…一応ウンディーネを使ってな…」
シュウ「そりゃ助かったぜ…そうじゃなかったら一時どうなるかと思ったよ…サンキュー、
    サトシ!」
サトシ「いや、そっちこそ、俺の街を救おうとしてくれてありがとう。 ところで、みんな
    は?」
シュウ「入院した連中達の病室にいるらしいんだけど、どの部屋なのか分からなくて…」
ピカチュウ
2『まあ、迷子になった訳じゃないけどね!』
シュウ「…ピカチュウ、お前は黙ってろ!!」
サトシ「…まあ、何て言ったか予想出来るけど、とにかく病室を探そう。 分からなければ、
    ジョーイさんか誰かに聞くしか…ん?」
サトシはある医者を見た。 彼は女性患者と会話していた。
医者「どうかな、君? 完治したら、僕と一緒にピザでも食べに行かない?」
患者「あの、私別居中の妻なんですけど…」
サトシ「あれ? あの人…
*ドクタードク!?」
*78話登場のフェミニストな医師。
ドク「ん? ああ、サトシ君じゃないか! 久しぶりだね!」
サトシ「お久しぶりです!!」
シュウ「…? サトシ、知り合いか?」
サトシ「ああ、ちょっとお世話になった人だよ。 けど、ドクは何でここに?」
ドク「セキエイ病院に怪我人と怪我ポケモンの大量発生しているとジョーイさんからの
   連絡があって、協力してくれと頼まれたんだ。 しかしまさかこんなに大勢いたとは
   思わなかったよ…」
シャワーズ「それはそうだよ。 カントー中の病院、みんな壊れちゃったんだから…」
ドク「特に変な奴らが僕の病院を壊して…後で修理代弁償させてもらう!!」
サトシ「…それは無理だよ…」
ドク「あ、そうそう。 所で、君達の仲間を探しているんだよね?」
サトシ「あ、ええ、そうだけど…」
ドク「カルテによると、確か
84号室の大きな病室にいるよ。 僕が担当なんだけどね。」
サトシ「そうなんですか!? じゃ、そちらへお願いします!」

84号室―

サトシ達は、その部屋の中に入った。 部屋の内部では、前回助けて、今回患者となった
半分のジムリーダー達や他の知り合い達と、救出と消火活動をしていた人達や、サトシ達の
仲間がいた。
カスミ「あ、サトシ!!」
サトシ「カスミ! みんな! 無事だったんだな!?」
レッド「見ての通り、出来る限りの救出活動は上手く行ったぜ!」
???「あ、サトシ!!」
サトシ「え?」
サトシは振り向いたら、そこには第
89話に登場した理科系の男のタクマと怪獣マニアの
ヒトシがいた。
サトシ「あ!! タクマ、ヒトシ! お前達も来てたのか!」
タクマ「おうよ、俺達も救出と消火活動に手伝ってたんだぜ!」
ヒトシ「サトシも無事になっててよかったよ!」
ドク「ここにいる患者達はみんな君の仲間達が連れて来たんだ。 怪我をした少年少女達や
   ジムリーダーは、みんなここで休んでるよ。」
サトシ「どんな人達が休んでるんですか?」
タケシ「それなら俺達が説明できるぜ。 こっちニビでは、さっきここに来たゴロウと、
    親父を救出した。 今は患者として元気を取り戻す所。 兄弟達も親父とゴロウを
    大事そうに看病してるさ。 ゲンゾウさんにカズオ、リカオさんにホンダ博士の
    協力で、何とか助かったけどな。」
マチス「こっちクチバでは、ライタをセイブした。 今だと、俺の助手達が看病してるぜ。 
    エドワードとカイにもサンクスするけどな。」
ナツメ「…こっちはユウスケお兄ちゃんを救出できたわ。 今はお父さんとお母さんが看病
    している。 格闘道場のトウマさんとトウヤさんに、シルフ社員のヒデキさんと
    エイメイさんのおかげよ。 私、お兄ちゃんの事、本当に心配しちゃって、
    泣いちゃった☆ でも、無事本当によかったわ…」
サトシ「ナツメ…」
エリカ「私は助手
2名の方々をお救いなさりました。 今でも他の助手達とアカネさんと
    アユミさんが看護しております。 これまでご協力なさったスカウトクラブの
    人達のおかげです。 けど…私が彼女らを助けている最中、見知らぬ男性の方と
    お会いしましたわ。」
サトシ「見知らぬ男性?」
エリカ「ええ…姿と顔は見えませんでしたけど、私達を助けておりました。 消防隊や
    レスキュー隊の人ではないのは確かなのですが…」
サトシ「じゃあ、誰なんだろう、そいつ…?」
アークスト「……………」
そう話を耳に傾けるアークスト。 どうやら彼に何か知っているようだ。
キョウ「こちらではタツヤ殿とカイザー殿を救出成功した。 二人は今、あそこで休んで
    おる。 タツヤ殿はアヤに看病され、カイザー殿はミニリュウとハクリューに看病
    されておる。 今ここにいないターサン殿と、ここにいるロバート殿のおかげで
    ござろう。」
キース「本当によくやってくれたぜ、我が弟子! もうたくさん褒めてやるぜ!」
ロバート「ハッハッハ、よしてくださいよ、師匠!」
マサ「俺達も出来る限り、怪我したチャリンコ暴走族の仲間達を救出した。」
ミサ「今は別の病室にいるけどね。」
ルミカ「私はコジロウ様のご両親をここに連れて行きました。 今でもこうして元気にして
    おりますわ。」
パパン「いや〜、この前はどうも!」
サトシ「う…(に、苦手な奴も救ったのか…)あれ? 連れて行きましたって、ルミカさん
    が救出したんじゃなかったんですか?」
ルミカ「そうだったのですが、活躍したのはガーちゃんとコジロウ様ですわ。」
サトシ「コジロウ!? あいつも来てたのか!?」
ルミカ「ええ、けど救出後、もうそこにはおりませんでした…」
サトシ「あいつが…自分の家族を…?」
ダイスケ「けど、何であいつがわざわざそんな事したんだ? あいつ昔から、家族を
     憎んでたんだろ?」
ママン「そんな事ありませんわ!! もしも憎んでおりましたら助けに来たりはしませんわ
    よ!!」
執事「わ、奥様!! 落ち着いて!!!」
サトシ「…まあ、確かにそうだな…」
アツコ「後、マサラで私のバリヤードを無事救出したわ。 かなりの大怪我をしたらしくて、
    今はジョーイさんが治療してる最中なの。」
サトシ「結果はどうなんですか?」
アツコ「分からないわ…しばらくの間は休ませてるけど…」
サトシ「…すみません…」
アツコ「あ、いいのよ! 別に貴方のせいじゃないから…!」
ドク「けど、患者達を思量するの苦労したよ。 こんなにいっぱいいたとは思わなかったよ。 
   以前のポケモン治療の仕事よりもかなり苦労物だったさ。」
サトシ「そうなんだ…」
ドク「まあ、女患者を治すのは話は別だけどね♪」
サトシ「おい…(怒)」
ヒトシ「あ、そうそう。 君はもしかして、シュウ君かな?」
シュウ「え? ああ、そうだけど…?」
タクマ「丁度俺達がヤマブキ地点で救出活動をしていた時、お前の母親だと名乗る女の人を
    見付けたぞ?」
シュウ「え!? ちょ、ちょっと待て!? まさか母さん、ここにいるのか!?」
タクマ「あ、ああ、そうだけど…」
シュウ「おい!! 教えてくれ!!! 母さんはどこにいるんだ!? 俺に教えて
    くれ!!!」
そう言いながらシュウはタクマを激しく揺らした。
タクマ「ぬおあぎあがもが!?」
サトシ「お、おい、シュウ!! 落ち着け!!」
ヒトシ「そうそう、お、落ち着いて!! 君のお母さんって言う人なら、あそこで寝ている
    けど…」
ヒトシは、ベッドで寝ている女性患者の方へ指した。 その人は赤い髪の毛の長い女性
(ポケモンゲットだぜ!の
3巻を見れば分かるかも)。 その人がシュウの母親である
らしい。
シュウ「!!! 母さん!!!」
シュウは彼の母親の方へ走った。
シュウ「母さん!! 母さん!!! 聞こえるか!? 俺だよ、シュウだよ!! 目を
    開けてくれよ、母さん!!!」
ラン「しゅ、シュウ…?」
シュウの母「………う…う〜〜〜ん…」
シュウの声を聞いた彼の母は、ようやく目を覚めた。
シュウの母「…しゅ…シュウ…?」
シュウ「母さん!」
シュウの母「シュウ…来てくれたのね…嬉しいよ…」
シュウ「母さん、どうしてここに…!?」
シュウの母「…貴方がポケモンリーグに入るって言うから…閉会式だけでも顔を出したいな
      と思って…ここに来たの…けど、突然妙な人と…見た事もない生き物達が街を
      襲い掛けて来て…私にも巻き添えになって……でも…シュウが無事でよかった
      わ…」
シュウ「よかねえだろ!? 母さんが怪我しちまったんだろ!? どうして戦わなかったん
    だよ!? 母さんは伝説のトレーナーだったんだろ!? 「男装」してたのは
    分かるけど、伝説のトレーナーになっただろ!?」
サトシ・カスミ・イエロー「男装!?(がび〜〜〜ん)」
一時驚きな顔となったサトシ達である。
シュウの母「…シュウ…母さんね…腕落ちたみたいなの…相手が、強すぎたのよ…
      だから…」
シュウ「そんな…母さんらしくないよ…俺よりも強かった母さんが…」
シュウの母「…そんな訳ないわよ…貴方は母さんよりも超えたのよ…前戦った時、そう
      だったんじゃない…?」
シュウ「母さん…」
シュウは母親の暖かさによって、思わず涙を流した。
ピカチュウ
2『シュウ…』
ラン「……………」
シュウの母「…ところで、シュウ…貴方、リーグ優勝したの…? 最後まで何か
      貰った…?」
シュウ「…いや、俺、友達に負けたよ…けど、出場の記念品だけは貰ったけどね…これでも
    俺は満足してるぞ…けど、俺はこれよりももっと満足した物があるよ…それは、
    母さんが無事にいた事だけさ…」
シュウの母「…シュウ…」
シュウのその暖かさを聞いた母親は、彼と同じように涙を流した。
サトシ「…よかったな、シュウ。」
シュウ「…ああ…」
ブルーザー「で、これでカントーの街は全部奴らに襲われたと言う事になるらしいな…」
???「そうかも知れぬのう。」
サトシ「…!」
その後病室の扉からマロン一行達が現れた。
サトシ「マロン! それにみんな!」
マロン「さっきあたし達の故郷に戻ったんだけど、誰も襲ってこなかったみたいよ。」
イーブイ「けど、僕達の故郷にいるポケモン達はこの事を知ってたそうだよ? 「カントー
     って言う所が誰かに襲われたそうだ」とか「見た事もない怪物達がカントーって
     言う場所を襲ったみたい」とか、色々言ってたよ。」
タクマ「しゃ、喋ってる…(汗)」
ケイタ「けど、お前達の所は襲われていないのに、どうしてお前達の所のポケモン達がその
    事を知ったんだ?」
じいちゃん「気配ぢゃよ。 田舎のポケモン達と都会のポケモン達の感覚は全ての物を感じ
      取れるんぢゃ。 ポケモンの知能はかなり高いからのう。 何が起こるか確実
      に分かるそうぢゃ。」
サトシ「じゃあ、田舎のポケモン達も、奴らの事を知ってるのか…」
ハナコ「…ねえ、サトシ。」
サトシ「ん? 何?」
ハナコ「…さっきから気になったんだけど…貴方がいつも言ってるこの「奴ら」って誰の
    事?」
サトシ「え?」
仲間達「!!」
ハナコの発言で、サトシの仲間達は図星を受けた。
ハナコ「前から気になってたのよ。 貴方が旅立っていた最中、妙な事件が起こったとか…
    その事件は、貴方と何か関係するらしいから…ねえ、教えてなさい。 この事件を
    犯してるのは誰なのか、何のためにこんな事をしてるのか。 貴方には何か
    知ってるんでしょ? 全てママに、いや、みんなに伝えて。」
シャワーズ「サトシ…」
ピカチュウ「ピカピ…」
サトシ「………本当はママには伝えたくはなかったんだけど…しょうがないか…分かった。 
    この事件の全てをみんなに教える。 知ってる奴もいるけど…みんな…リユニオン
    って言う軍団、知ってるか?」
ハナコ「リユニオン…?」
ムノウ「リユニオン…ニュースでよく言っていた、例の事件の事か…?」
シンスケ「あれ? リユニオンって確か…」
トモヤ「ほら、この前ハナダジムを
2回襲った犯罪者だよ!」
ハナコ「サトシ…そのリユニオンって…?」
サトシ「…リユニオンってのは、俺が旅立っていた最中に、突如に現れた者で、この世界に
    ある全てを破壊しようとする邪悪なる軍団の事なんだ。」
全員「!!!」
サトシ「何のためなのかはよく分からないけど、とにかく、抹殺と破壊を楽しむ悪の存在
    なんだ。 特にポケモンのエネルギーを利用しようとし、色々な場所に現れたんだ。 
    俺もそれに関わってしまい、何度も奴らが俺に挑み続けた。 けど、仲間達の
    おかげで、除々に倒したけどね。 けど、それでも奴らの野望は諦めていないんだ。 
    野望が果たすまで、一生終わらないつもりらしい…ただ、そう言う存在だ…」
ハナコ「じゃあ…あの人達は…?」
ハナコはゼトラ、デルヴァとアークストの事を言っている。
サトシ「…こいつらもリユニオンの一員だけど、大丈夫。 こいつらは軍団を裏切った者達。 
    俺達の味方さ。」
ハナコ「そ、そうなの…」
マロン「ねえ…このリユニオンって言う軍団、本当に恐ろしいの…?」
サトシ「…ああ、何度も相手にしてりゃ、分かるよ、どれほど恐ろしいのか…けど、今回
    分からない点がある。 今回の奴らはなぜ、カントー全体を突然に襲ったのか…
    そこがよく分からない…」
シゲル「そりゃそうだよな…何であいつらが突然カントー全体を襲ったんだ…?」
ゼトラ「……………隙を狙ってたんだよ…」
全員「え?」
ゼトラ「…奴らは俺達の隙を狙ってたんだよ。 カントー全体を襲うチャンスをね!」
イミテ「どう言う事?」
ゼトラ「…分からないのか? 俺達は今までポケモンリーグに行っていた事を。 そう、
    あれが奴らの作戦だったんだよ。 俺達が試合を夢中に見ているその隙に、破壊
    活動を行うと言う事を! 奴らはそのチャンスを狙っていたんだよ! 奴らはその
    事を知ってたらしい…ポケモンリーグがあったと言う事を…俺達がそこに行けば、
    何れにも奴らに手を出せなくなる! それが奴らがたてていた完璧な計画だったん
    だよ!」
オーキド「なるほど…ポケモンリーグがあれば、外の方に何が起こったか確認する事が
     出来なくなる。 そう言う作戦じゃったか…!」
ニカイドウ「そうすれば、リーグ以外にも外の感覚を分かり難くなりますね…」
サトシ「そうか…俺達がポケモンリーグに行ったから、奴らがこんな事を………」
ドカッ!!! その後ゼトラは拳で思いっきり壁を殴った! その強さは半端的ではなく、
ひびまでも生えさせた。
サトシ「え…?」
ゼトラ「…くそ…リユニオンの奴らがぁ…」
デルヴァ「…ぜ、ゼトラ?」
ゼトラ「…関係ねえはずなのに…俺のせいだ…こんな事が起こったのはみんな俺の…」
サトシ「は? な、何言って…?」
ゼトラ「分からないのか!? 俺はあの軍団を最初から裏切ったんだぞ!? それまでに
    奴は俺の命を狙っていたんだ!! 奴の本当の狙いは俺のはずなのに…なぜ他の
    奴らを襲わなきゃいけねえんだ!? 他の奴らは関係ないのに…奴らは俺が
    裏切った事で、俺はこの世界にいる事も全て知ったんだ…俺の命を狙うために
    ここに…だから関係ねえ奴らを襲ったんだよ…全く罪のない人間達に…」
デルヴァ「お、おいゼトラ、それって考え過ぎじゃ…」
ゼトラ「お前達だって知ってたんだろ!? 俺がこの世界にいた事をよ!!! 本当は俺の
    命を取るためにここに来たんだろ!?」
デルヴァ「ぜ、ゼトラ…」
アークスト「……………」
ゼトラ「俺がここに来ちまったから…みんなが襲われちまったんだ…関係人間全部…奴らが
    この世界(ここ)に来たのは俺のせいなんだ…俺がこの世界(ここ)にいたから…
    ……軍団を裏切れずに…俺がこの世界(ここ)に来なければ……こんな事に………
    俺は…俺は………」
ゼトラはそう言いながら、悔しさに崩れ落ちた。
カスミ「ゼトラ…」
サトシ「……………」
それまでに周りは沈黙となった。 その後、サトシはゼトラに駆けつけた。
サトシ「…ゼトラ、俺はお前がこの世界(ここ)に来た事、ありがたく思ってるぜ。」
ゼトラ「…え…?」
サトシ「だってさ、もしもお前がこの世界(ここ)に来なかったら、今頃俺達はどうなって
    たと思う? 特に、リユニオンがこの世界(ここ)にいたとしたら…」
ゼトラ「……………」
サトシ「お前がいなかったら、俺達はここまで辿り着かなかったかもしれないんだぜ? 
    もちろん、ここまで生き残らなかったかもしれないんだぜ? お前がいたこそ、
    俺達はここまで来たんだ。 もちろん、ここまで生き残る事もね。」
デルヴァ「…そうだぜ。 まあ、お前の言った事だが、リユニオンがお前の命を狙うために
     この世界(ここ)に来たんじゃないかもしれないぜ? あいつらの事だ。 別な
     事を考えてたかも知れないさ。 でも、お前が裏切った事、正しかったと思うぜ。 
     何せ俺達裏切り者もお前と同じだったさ。」
ゼトラ「え…?」
デルヴァ「俺も同じく軍団に入りたくはなかったが、当時俺不良だったから何も考えずに
     入っちまったからな!」
おいおい…(汗)
アークスト「私も同じだ。 前リーグで言っただろ? 私は争い嫌いで断っていたとを。 
      そして無理やり入らせてしまった事を。 お前のやった事は間違っては
      いなかった。 お前が裏切ったこそ、我々も裏切られたんだ。 そしてこう
      やって正しき仲間といられる事が出来たんだぞ。」
デルヴァ「そうでなかったら俺は一生軍団に入り続けてたかもしれないぜ? グレン島の時
     だってそうだろ? お前がいなかったら、俺はあそこで軍団解散宣言しなかった
     かも知れねえぜ? ずーっと荒らし捲くってたかも知れねえんだぜ? お前が
     軍団を裏切り、この世界(ここ)に来た事、全く間違ってはいなかったよ。」
コゴロウ「…そうだろうな。 確かにお前がいなかったら、俺達と会って、この世界
     (ここ)に来れなかったかも知れないな? お前がいたこそ、ここまで来れたん
     だろ?」
ゼトラ「……………」
サトシ「なあ、みんな。 こんな事を起こらせたのは、みんなゼトラのせいだと思うか? 
    こいつがいなかった方が、ここは無事になれたと思うか?」
全員「……………」
シュウの母「…私は彼の気持ち…分かるわ。 確かに彼は、この世界を救いたいと言う
      気持ちがある…私には分かるわ…こんな事が起こったのは彼のせいじゃ
      ないって…彼がここに来た事、私は感謝するわ…」
シュウ「母さん…」
ムノウ「…確かに、彼がいたのは何も悪くはなかったな…もちろん、奴がここにいるの、
    そんなに悪くはないぞ。」
タケシ「親父…
シミズ「そうだな…ゼトラさんがいたから、俺達のジムも守ってくれたもんな! 今はそう
    じゃなかったけど、俺は彼に感謝してるよ!」
エミ「あたしも同じく!」
カスミ「シミズさん、エミちゃん…」
アユミ「そうよ! 彼がいなかったらあたし達みんな無事になれなかったかもしれないわ! 
    今でもゼトラさんの事、感謝してるわ!」
アカネ「あたしも賛成!」
エリカ「アユミさん、アカネさん…」
ユウスケ「…まあ、俺も同じくだ…彼がいたこそ、全ては無事にいられた。 いるのも
     そんなに悪くはないからな…今でもありがたく思ってるよ…」
ナツメ「お兄ちゃん…」
アヤ「…タツヤも同じく思ってるはずだわ。 彼の存在は、そんなに悪い物じゃないもの。 
   ありがたく思ってるはずだわ。」
キョウ「アヤ…」
ニカイドウ「僕もそう思うよ! ゼトラさんがいなかったらグレン島はこの世にはもう
      なかったかも知れないよ! 僕はゼトラさんがやった事を、すっごく心から
      ありがたく思ってるよ!」
カツラ「ニカイドウ君…」
ハナコ「…私も賛成だわ。 ゼトラさんがいなかったら、サトシは誰の手に守られなかった
    かもしれない。 けど、ゼトラさんがいたこそ、サトシはこうして無事に
    いられたんだもの。 私はゼトラさんの事、心からありがたく思ってるわ。」
他のみんなも賛成していたようだ。
ゼトラ「……………」
サトシ「ほら、みんなはお前の事、本当に大切だと思ってるよ。 誰もお前が思ってる
    ような事を思っちゃいない。 みーんなお前の事、本当にいい奴だと思ってる
    よ。」
ハナコ「そうよ。 例えどんな悪い事が起きても、自分を責めないで。 それなりに自分
    自身に余計な悲しみを与えないで。」
サトシ「みんなはお前がこの世界(ここ)にいる事、本当に感謝してるよ。 だってお前は
    俺達の…「仲間」だろ? 一番大切な「仲間」…!」
ゼトラ「……………」
その後沈黙となっていたゼトラは、ふと思い笑んだ。
ゼトラ「…フッ…情けねえな、俺って…ここまで俺を思っていた奴がいたとは…
    思わなかった………「仲間」か…そんなに対して悪くはないな…今思いきりゃ、
    この世界はそんなに悪くはないようだな……この世界には、本当にいい奴ばかり
    いるんだな………この世界は俺にとって…本当にいい世界だよ。」
そんなゼトラは、サトシ達に笑顔を見せた。
サトシ「ゼトラ…」
こうしてゼトラの苦しみは、ここで終えたそうだ。 だがサトシには気付いていなかったの
だろう、この部屋にスパイカメラが設置されていたと言う事を。 そう、これは実はあの
ロケット団が密かに設置した物。 そのカメラは、サトシ達の方へ眺めていた…

―屋上―

一方お馴染みのロケット団は、屋上で携帯テレビを見ていた。 しかも画面にはサトシ達が
映っている。 そう、これはあの病室に設置したスパイカメラからの映像なのである。 
ロケット団はその映像を見ていた。
ムサシ「フン、なーにカッコ付けてんのよ、あの兄ちゃん! 自分を責めるの当然の事よ、
    ね! ん?」
ムサシは他のロケット団の方へ見たが、なぜか感動していた。
ヤマト「ううう…いい話ね…」
コサブロウ「泣けるぜ、本当に…!」
ムサシ「ちょ、ちょっと、何感動してんのよ!? あんた達悪役でしょ!? 悪役ってのは
    冷たくてクールよ! こんなくだらない物に感動してどうすんのよ!?」
そう言いながら久しぶりな悪役気分になるムサシ。
サノスケ「何だよお前? お前はあの兄ちゃんが悪いって言うのか?」
ムサシ「当ったり前じゃない!」
サノスケ「それは違うと思うぜ。」
ムサシ「え?」
サノスケ「俺はだいたいあのジャリボーイの言った事分かるよ。 何せジャリボーイとあの
     兄ちゃんは家族のような想いを持ってんだからな。 だから互いの気持ちが
     分かり合えるんだよ。 お前は家族がいないから、分かる訳もないだろうけど
     な。」
ムサシ「うっ!?」
ちょっとサノスケからのきつい言葉を胸に響くように受けたムサシ。
ムサシ「べ、別にいるわよ、家族ぐらい! ただ…」
ちょっと落ち込み始めたムサシ。 その後彼女はコジロウの方へ振り向く。
ムサシ「ねえ、コジロウ? あんたはどう思…?」
彼に質問を言うつもりだったムサシは、彼の突然な真剣な顔に途切れた。 コジロウは
ずーっとテレビの画面に見続けていた。
ムサシ「…コジロウ?」
コジロウ「……………」
真剣そうな顔をしているコジロウは、全く返事をしなかった。
ゴエモン「…おい、コジロウの奴どうなっちまったんだろうな?」
ハンゾウ「突然帰って来た時からあーなっちまったけど、まさか昨夜変な物でも食っち
     まったのかな…?」
そう言う風に小さな声で喋ってこの二人であった。

―夜―

今は夜…サトシ達は先ほどの病室に泊まり、寝ていた。 他の者達の看病をするために
泊まったのだろう。 他にも、他の患者達も、自分達の疲れによってぐっすりと寝ていた。 
そこでロビーに立っていたのは、ゼトラ一人。 彼は、今別々に別れているデルヴァと
アークストと共に、病院の警備をしていた。 リユニオンが攻め込む恐れがあるかも知れ
ないので、許可を受け、こうして警備をしている。 しかもゼトラは、自分の悔しさと
苦しみから解放し、今や落ち着いた気分である。 だが気付かなかったのだろう、誰かが
彼の気付かないような場所で隠れている事を…
???「……………」
ゼトラ「………何の用だ、コジロウ?」
コジロウ「ぎっ!?」
そう、謎の人物の正体はコジロウであった。
コジロウ「あ、あははは、あ〜ら、もう分かっちゃったんだね? さすがジャリボーイの
     お仲間さん! いい目してるよ!」
ゼトラ「…で、何しにここに来た。 ピカチュウとシャワーズを奪いに来たのなら…」
コジロウ「い、いや、今日は違うんだ! 俺はちょっとここに用事があって…」
ゼトラ「用事? ポケモン盗奪なら出てった方がいいぞ。 俺はお前のような奴を
    傷付けたくはないからな。」
コジロウ「いや、だから違うって…親と会いに来たんだよ…」
ゼトラ「…何?」

84号室―

ここはサトシ達のいる病室。 ここにいる人達はみんなぐっすり寝ていた。 そして
コジロウの両親でさえも、ぐっすり寝ている。 その時だった、ママンとパパンの前に
コジロウが立っていた事。
ママン「…う、う〜ん…ん?」
パパン「…ん…ん?」
コジロウ「…や、パパン、ママン!」
パパン「…!!」
ママン「…! コジ…!」
コジロウ「しっ!! 大声出すなって! 他のみんなが起きちまう! 俺がここに来た事が
     気付いたらやばい事が起こるからな!」
パパン「あ、ああ…」
ママン「…コジロウちゃん…戻ってきたのね…」
コジロウ「いや、今日はただお見舞いに来ただけなんだ。 俺はパパンやママンが無事に
     なって、本当によかったよ。」
ママン「…コジロウちゃん…」
そう言いながらママンの目から感動の涙が出た。
パパン「…所でコジロウよ。 我が家に戻ってくれないか? お前がいないと…」
コジロウ「…それは出来ない。」
パパン「…!? なぜだ!?」
コジロウ「…俺は今日の事で分かったんだ。 俺には、最後までやらなきゃ行けない物が
     あるって事を。」
パパン「最後までやらなきゃ行けない物…?」
コジロウ「…ああ…俺さ、今の仕事を辞めて、サトシの仲間に入ろうと思うつもりなんだ。 
     多分サトシは、リユニオンと戦いに行くかもしれない。 俺はそれの協力のため、
     着いて行くつもりだ。」
パパン「何だと!?」
ママン「けど、それじゃあコジロウちゃんが…!」
コジロウ「大丈夫だって! 例え俺は奴と戦いに行っても、約束するよ。 必ず生きて
     帰ってくるって事を。 サトシには奇跡の心を持っているんだ。 彼と一緒に
     行けば、奇跡が必ず起きるかもしれない。 そう気がするんだ…だから、心配
     しないでくれ。 俺はパパンやママンのためにも、必ず生きて戻ってくる
     から!」
ママン「コジロウちゃん…」
パパン「コジロウ…」
コジロウ「…じゃ、言いたいのはそれだけだ。 怪我、早く治るといいね。 じゃ…」
コジロウはそのまま歩き去ろうとするその瞬間…
ママン「コジロウちゃん………例えお前は私達と離れ離れになっても…お前は私達の大切な
    息子よ。」
コジロウ「…俺も同じく、そう思ってるよ。」
コジロウは最後の一言を残した後、そのまま病室から出た。

―病室外―

コジロウは病室から出て、そのままムサシ達の所へ戻ろうとする。 その前にドアの側に
ゼトラが横立っていた。
ゼトラ「…ロケット団を辞める予定なんだな?」
コジロウ「…そのつもりだ。」
ゼトラ「…しばらく合わない内に成長したんだな、お前…変わったよ…」
コジロウ「…別に…」
ゼトラ「俺はお前と会ってから分かってたよ、お前はそれなりに悪い奴じゃないって事をな。 
    いい奴だと、俺は知ってたぞ。」
コジロウ「…俺はただの悪役だ。 いい奴なんかじゃない。」
ゼトラ「『悪人』はそうかも知れないが、『悪役』は違う。 『悪役』は外見通り『悪人』
    だとなりきっているが、『中身』、基『心』はいい奴だと証明している。 お前に
    は元々正しい心を持っているんだ。 だから、誰にもお前を憎めないんだよ。」
コジロウ「……………」
ゼトラ「それまでにサトシの仲間に入る予定なのか?」
コジロウ「…まあな。」
ゼトラ「期待してるぜ、お前の事。」
コジロウ「…別にしなくたっていいよ。 じゃ、俺もう行くから…またどこかで…」
そう言い残しながら、コジロウはその場から歩き去った。 ゼトラはそんな彼を見守るだけ。 
その後…
ゼトラ「………で、招かざる客は何の用だ?」
???「ギクッ!!」
そう、ゼトラは廊下の角に隠れているもう一人の影に気付いた。 気付かれたその人物は、
そのまま姿を現せた。 その謎の人物は髪を結んでいて、研究服をしていたおじさん
であった。 しかもシュウと同じ顔をしている。
???「い、いや〜、まさか見付かるとは思わなかったな…あんたたいした目をしてる
    な!」
ゼトラ「…お前見知らぬ顔をしてるが、何者だ?」
???「まあまあ、そんな怖い顔しなくていいじゃないか! お前、シュウの知り合い
    なんだろ?」
ゼトラ「…一応そうだが、なぜお前はシュウの…?」
???「やっぱりそうだな? 俺はあいつの親父なんだよ!」
ゼトラ「親父? じゃあお前は奴の父親なのか?」
シュウの親父「ハッハッハ、まあな! けど俺はただのチンピラなくそ親父さ! 子も妻も
       ほったらかしにしちまった情けねえバカだけどよ!」
ゼトラ「…威張って言う物じゃねえが、ここに来て何の用だ? シュウに用事でもあるの
    か?」
シュウの親父「いや、あいつには秘密なんだ。 俺には、『あいつ』に用があるんでね。」
ゼトラ「『あいつ』…?」

―病室内―

ここは再び病室内。 シュウと彼の母親はぐっすりと寝ていた。 だがシュウの父親は、
シュウの母親の前に立っていた。
シュウの母「…う〜〜〜ん………ん?」
シュウの親父「お、起きちまったか!」
シュウの母「…!? あ…!!」
シュウの親父「しっ! 大声出すな! シュウや他の奴らに気付いちまうだろ!」
シュウの母「…貴方…」
シュウの親父「ああ…また会ったな。」
彼との再会によって、シュウの母親の目から涙が出た。 そう、お互いはあれから会って
いないらしい。 シュウの父親はあれから自分の仕事で家族から離れており、あれから何年
家族(シュウ以外)と会っていなかった。 だが今、彼とシュウの母親はようやく再会する
事が出来たようだ。
シュウの母「貴方…戻ってきたのね…」
シュウの親父「ああ、この事件の事を聞いてな、駆けつけたんだよ。 よっぽどお前、
       とんでもない目にあったんだな。 しかも伝説のトレーナーであったお前が、
       こんな事件に巻き込んでしまうとは…すまなかった、助けに来れなくて…」
シュウの母「ううん…貴方には何も悪くないわ…けど…また会えて…本当に嬉しい…」
シュウの親父「…ああ…俺も嬉しいよ。 けど、本当にすまなかった…あれから俺は
       ずーっとお前やシュウを放って置いてしまった。 それまでにお前達を余計
       悲しませてしまったからな…」
シュウの母「ううん…そんな事思ってなんていなかったわ…私には分かるの…例え貴方と
      私達がどれだけ離れていたとしても、私達はずーっと家族のままよ……
      ずーっとそう思っていたの、私…」
シュウの親父「…そうか…けど、俺はお前が無事になった事で嬉しいよ。 でも、俺はお前
       に話したい物があるんだ。」
シュウの母「え…?」
シュウの親父「シュウはこれから何をするのか、俺にはだいたい予想できる…それは
       ポケモン図鑑の完成ではないのも、俺には分かる…」
シュウの母「それ…どう言う意味で…?」
シュウの親父「…その時分かるよ、お前に。 だからさ、後はシュウの好きなように
       させるんだ。 あいつの道はあいつが選ぶ。 それまでに、あいつの思う
       ようにさせるんだ。」
シュウの母「…どう言う意味なの?」
シュウの親父「それは、次回までだ! …じゃあ、俺はそろそろ…」
シュウの母「え!? い、行ってしまうの!?」
シュウの親父「ああ…俺にはまだやらなきゃ行けない事があるんだ。 それだから、俺は
       行かなくてはならない…」
シュウの母「ま、待って! 行かないで! せっかく再会したのに…また会えなくなる
      なんて…!」
シュウの親父「…なあ、お前さっき言ったじゃねえか? 俺とお前達がどれだけ離れていた
       としても、俺たちはずーっと家族のままだって。 俺は遠くにいても、俺は
       ずーっとお前の側にいるよ。 例え死んだとしてもな! って言うか、
       死にはしないけど! でも、俺はお前のためでも死にはしない。 必ず
       生きて帰ってくるさ。 そして、俺のやるべき事が全て終わったら…俺は
       お前の元へ戻るよ。 絶対にだ。 約束する…」
シュウの母「貴方…」
シュウの親父「じゃあ、俺行くから。 後は頼んだぞ。」
シュウの母「…ええ…」
シュウの父親はそのまま出ようとするが、一度眠っているシュウの方へ振り向いた。
シュウの親父(…シュウ、母さんの事、頼むぞ…)
そう心から言い残しながら、そのまま病室から出た。

―病室外―

シュウの父親が病室から出た後、そのまま歩き去ろうとする。 しかしドアの側に横立って
いたゼトラは彼を引き止めた。
ゼトラ「…家族を置いてどこへ行くつもりだ。」
シュウの親父「…!」
ゼトラ「…お前は何の目的で彼らの前に姿を消すのか俺には知らねえが、家族を置き去りに
    して何をするつもりだ? 最後まで側にいるのが、父親の使命なんだろ?」
シュウの親父「…確かにそうだが、俺には終わらせなければならない仕事がある。 あいつ
       には悪く思わせてしまったのは分かるけど、どうしてもやらなきゃならない
       物があるんだ。 けど、勘違いするなよ。 別に永遠に会えなくなる訳じゃ
       ない。 こっちの仕事が終わったら、そっちに戻るつもりだ。 家族をこれ
       以上ずーーーっと放って置く訳には行かねえからな。」
ゼトラ「…フン。 だったら好きにしろ。 後で後悔しても知らねえからな。」
シュウの親父「もうとっくに後悔してるよ、昔からよ! けど、これだけ思ってくれ。 
       俺はいつの日か、あいつらの所に帰って来るとな。 もちろん、家族として
       よ! じゃな! あいつらの事頼むぜ!」
シュウの父親はそう言い残しながら、そのまま歩き去った。 ゼトラはそんな彼を見守るが、ある言葉が彼の口から出た。
ゼトラ「…家族…か…」
自分の家族も全く知らないゼトラにとっては、羨ましい物だったかも知れない…

―屋上―

ここは病院の屋上。 夜空は満月で、眩しそうに大きい。 そこにはアークストと、
146話に登場したあの謎の二人組がいた。 そこで何かの会議をしているらしい。
アークスト「…何だと!? 奴らが『あれ』を…!?」
???
1「ああ…確認によると、奴らは『あれ』を使うらしい…」
???
2「しかも、発動日は明日だと言う事も…」
アークスト「明日!? 奴らが、
FF世界にも起こった『あれ』を再現させるつもり
      なのか!?」
???
1「ああ、何しろ奴はまだ『あれ』を持っていたからな。 破壊し尽くしたはずの
     あれがな…」
???
2「とにかくアークストさん、この事をサトシさんに伝えた方が身の楽です。 例え
     今回だけでも人間達を救ったとしても、人間達の前に再び危機が及びます。 
     このままでも放って置いてしまったら、人類、いや、この世界全ては奴らの野望
     通りになってしまいます。 どうするつもりですか?」
アークスト「…まあ、ポケモンリーグも終わった事だ。 今言うのもチャンスがある…よし、
      この事を明日、奴に伝えとく。 今じゃ休ませよう。 奴はあれからの活躍で
      疲労してるからな。 後、お前達のスパイ活動もここで終了させてもらう。 
      私は明日、この話をサトシに伝えて置くから、それまでにお前達に来るといい。 
      仲間も必要だからな。」
???
1「…分かった。 そうする。」
???
2「けど大丈夫なのですか? 彼らは我々を信用してくれないかもしれませんよ?」
アークスト「安心しろ。 その事は私が説得する。 それまでに、明日ここで会おう。」
???
1「ああ…また明日な。」
???
2「我々も出来る限りここに来てみます。 それまでに、また。」
シュンシュン!!! 謎の二人組はそのまま姿を消した。 その後アークストは、こう
言った。
アークスト「…遂に奴はあの災い的な物を発動してしまった…明日でもいい…この事を
      サトシに伝えないと…さもないと、全ては絶望の手になくなってしまう…! 
      『破壊の星』と呼ばれる…『メテオ』を…!!」
果たしてこの『メテオ』とは何なのか? このまま世界はどうなってしまうのか? この
世界の不安は、再び訪れようとする…
続く

ソニックの後書き:
今回はゼトラの出番たっぷりと増やしちゃったわよ〜ん♪ 全国
1500万人のゼトラファン
の皆さん(いねぇよ)、お待たせいたしましたよ〜〜〜♪ とりあえず、今回もコジロウ
ファミリーとシュウファミリーの出番を増やしました。 家族愛と言うテーマで。(笑)
けどシュウのママさんと親父さんの名前、本編漫画では語れていないので、分かりません。(汗) さてさて、次は本番にでも行きましょかな? 行くぜ、セフィロス戦!!! 
目指せ、カントー編フィナーレ!!!