ポケットモンスター小説版
166話 幻のポケモンミュウ

ロケット団が解散し、サカキとムサシ達を新たな仲間に入れさせたサトシ達。 一方的に
究極殺人鬼と呼ばれるハザンを逃してしまったが、今はそれを後にして、フェニックスに
乗って大空洞へ向かう。 メテオ激突まで後四日。 その間サトシは、ホールに歩いていた。 
シャワーズは落ち込みながらサトシの側に歩いていた。

シャワーズ「……………」
ピカチュウ「ピカーチュ…」
サトシ「…シャワーズ、大丈夫か? まさかケニーとお前の母さんが死んだ事で落ち
    込んでるんだろ?」
シャワーズ「……………」
シャワーズは返事もせず、そのままトボトボと歩いていた。
サトシ「…シャワーズ、元気出せよ! 大切な人や家族を失った事で悲しいのは俺にも
    分かる。 俺だって昔パパを失った事で悲しんだ事があるよ。 俺、約束するよ! 
    必ずお前の母さんとケニーの仇を取るって事を! 絶対に約束するからさ!」
シャワーズ「……………」
サトシの暖かそうな励ましの言葉を聞いたシャワーズは、思わず感動し始めた。
シャワーズ「…ありがとう、サトシ! やっぱりサトシは僕の大切な友達だよ! おかげで
      元気が戻ってきたよ! 本当にありがとう!」
シャワーズはサトシの方へ見上げ、微笑んだ。
サトシ「あははは…あ!」
その後彼の前にサカキが現れた。
サカキ「おお、サトシではないか!」
サトシ「サカキ! どうだ、この戦艦の乗り心地は?」
サカキ「ああ、とてもいい気分だよ。 こうやって空の旅に出るのは久しぶりだ。 先ほど
    練習場で修行しに行った。 デルヴァ達の教えはとても役に立ったよ。」
シャワーズ「あれ? じゃあムサシ達もそこに?」
サカキ「ああ。 しかも訓練はかなり厳しい状態になっている。 相当かわいそうだと思う
    がな…どうだ、見に行ってはどうかな?」
サトシ「ああ、そうするよ!」

―練習場―

サトシ達は練習場の扉を開けた。
サトシ「い!?」
サトシが見たのは、鉱山のような舞台と、激しく修行しているデルヴァ達とムサシ達である。 
デルヴァ達は激しくムサシ達と修行している。 舞台は恐らく岩・地面属性モードの
ステージに切り替えていた。 一方デルヴァの方は、ムサシとコジロウのポケモン達と修行
しているが、今はお説教中らしい。
デルヴァ「ダメダメダメ!! こんな調子じゃリユニオンに勝てねえぞ!! お前の
     パーティの中では毒タイプが多すぎる! 地面やエスパーに弱い毒じゃ
     リユニオンには勝てねえぞ!!」
ムサシ「そんな〜…」
コジロウ「きつ過ぎるよ、これ…」
デルヴァ「甘ったれるな!!! リユニオンはそんなに甘くねえんだぞ!! どんな時でも
     必ず本気で来るんだからな!! ちゃんと強くなんねえとリユニオンには絶対
     勝てねえぞ!!!」
ムサシ・コジロウ「とほほ…」
一方アークストの方では、ヤマトとコサブロウのポケモン達と修行している。
アークスト「…見極め通り、殆どの体力は最低限しかない。 お前達本当にポケモンを
      育てているのか?」
ヤマト「え!? そ、それは…」
コサブロウ「きつい言葉だな…」
アークスト「はぁ…とにかく、何が何でも修行だ。 修行は必要な物だ。 強くなるために
      は自分とポケモンの努力と厳しさをお互い組み合わせなければならない。 
      修行すれば、何れ強くなるだろう。」
ヤマト・コサブロウ「はーい…」
一方ファンダはサノスケ、ゴエモンとハンゾウのポケモン達と修行していた。
ファンダ「何だよこれ? これじゃあリユニオンには勝てぜ!? お互いの属性は完璧に
     示している! サノスケの方は霊系と虫系な攻撃に弱い! いくら相手がガレム
     やゼネンだとしても一撃的に敗北だぞ!!」
サノスケ「そ、そんな〜…(って言うか、ガレムとゼネンって誰?)」
ファンダ「ゴエモンの方は電気系が中心的! 弱いのは地面系技! 土属性を持つガロン
     だと不利な相手になる!」
ゴエモン「そ、そうなのか…?(って言うか、ガロンって誰?)」
ファンダ「そしてハンゾウ! お前は毒系中心だ! エスパーと地面に弱い! エスパー
     能力も少々持っているゾーマと土属性を持つガロンが相手だと、もっと不利に
     なっちまうぞ!」
ハンゾウ「は、はい…(って言うか、ガロンならさっき聞いたけど、ゾーマって…?)」
ファンダ「まあ、とにかく、引き続き修行を行う。 強くなるために厳しくやるからな! 
     それまでに甘ったれるなよ!!」
サノスケ・ゴエモン・ハンゾウ「は、はい、先生!!」
ファンダ「…いや、別にそこまで呼ばなくてもいいんだが…」
一方ザノアはニャースと修行していた。
ザノア「う〜〜〜ん、技は引っかき攻撃だけと言うのは…ちょっと難しいですね…しかも
    体力は殆ど戦闘向きではありませんし…あの、一言だけきつく言いますが、貴方
    どう言う風に育てられたんですか?」
ニャース「え!? そ、それはニャーが一人で生きていたからニャ! トレーナーのサカキ
     もニャーを育てていたが、今は自分一人で育ててるニャ!」
ザノア「…それはちょっと難しいですね。 けど、私が調べた事典ではニャースは引っかき
    攻撃以外にも他の技を覚えると言います。 例えばニャースの得意技である「猫に
    小判」はその一つです。 せめてその技を覚えてみたらどうでしょうか?」
ニャース「それは無理ニャ! ニャーは言葉を喋るために全ての力を使い切ったから、
     「猫に小判」は使えニャいニャ!」
ザノア「そ、そうなんですか…けどこれだと貴方を強くさせる方法はなくなりましたね…」
ニャース「そんニャー!! ニャー、先生! ニャーを強くさせる方法を教えてください
     ニャ! ニャーはずーーーっと弱い物にニャるの嫌ニャ!!」
ザノア「う〜〜〜ん…まあ、貴方が引っかき攻撃の中心的な方なら、そこだけを強くさせる
    のも良いでしょう。 攻撃の早さ、爪の鋭さを鍛えれば、強くなるかも
    しれません。」
ニャース「ニャー、その手があったのか!! じゃあ、早速修行してみるニャ!!」
その間サトシは、その風景をただただ見るしかない…けどデルヴァは振り向いたら、
サトシの事を気付いた。
デルヴァ「あ? おお、サトシじゃねえか!!」
サトシ「あ、よう! さすが激しく修行してるな!」
コジロウ「俺達殆ど弱いから、厳しく修行しなきゃならないんだ…」
ハンゾウ「まあ、ちゃんと修行しなかった俺達も悪いんだけどね。」
サトシ「そうか…まあ、みんながんばってくれ! みんなが強くなるの俺応援してる
    からさ!」
ムサシ「うう…サトシはやっぱり優しいよ〜〜〜!!!」
ムサシは思わず感動していた。
サトシ「あ、そうそう。 俺ちょっとカスミ探してんだけど、見なかったか?」
ザノア「カスミさんならコゴロウさんや他の方々と一緒に第一甲板にいますよ?」
サトシ「第一甲板か…サンキュー、ザノア! じゃあ、俺もう行くから、みんながんばれ
    よ!」
ムサシ「ありがとう、我が友よ〜〜〜!!!」

―第一甲板―

一方カスミは、この甲板で風景を見ていた。 そこにはコゴロウもいた。 もちろんハナダ三姉妹、エリカ、ナツメ、カンナもこの甲板にいた。
カスミ「うわーーー!!! 奇麗な眺めー!!」
エリカ「本当に奇麗ですわね…」
ナツメ「風も気持ちいいし、本当に素敵…」
カンナ「カルロスさんもよくこう言うの作ったわね…」
コゴロウ「あいつ意外と頭が良くてね、こう言う物を作るのが好きなんだよ!」
アヤメ「けどこれを一日で終わらせたのは思えないほどの傑作ね…」
ボタン「思えば思うほど本ッッッ当に謎が多いわね、カルロスって…」
サクラ「ねえ、カルロスってどうしてそんなの頭がいいの?」
コゴロウ「あいつの話によると、その頭のよさはあいつの父さんの遺伝だって言ってたぜ。 
     あいつの父さんは昔研究家だったらしくてね、有名な学者だって謳われて
     たよ。」
カスミ「へぇ…そうなんだ…じゃあ、そのお父さん今どうしてるの?」
コゴロウ「………いや…その話はなしにしとこう…」
カスミ「え…?」
エリカ「あの、お気の毒なお話なのでしょうか?」
コゴロウ「…まあな。」
カスミ「そ、そうなの…ごめん。」
コゴロウ「いや、俺に謝らなくてもいいよ…」
ガチャ!! その時甲板のドアが開き、そこからサトシが出て来た。
サトシ「あ、みんなここにいたのか!」
カスミ「あ、サトシ!」
コゴロウ「おう、ようサトシ!」
サトシ「みんなここで何やってんだ?」
ナツメ「景色がいいからここで外を眺めていたの。」
カスミ「風もとても気持ちいいし…この船本当に最高! ねえ、そう思わない、サトシ?」
カスミの笑顔を見たサトシは、顔を赤く染め始めた。
サトシ「え…あ、ああ…た、確かに気持ちいいよな。」
アヤメ「ところで私達に何か用かしら?」
サトシ「あ、いや、ただカスミ達はどこへ行ったのかなと思ってただ来ただけ…まあ、
    みんな元気でよかった! じゃ、俺もうちょっと船を見回って行くよ! じゃ!」
カスミ「あ、うん…」
そう言った後、サトシは甲板から出た。
ボタン「何だったんだろ、今の?」
カンナ「面白い子ね。」
みんなはそう悩んでいるが、コゴロウだけはニヤニヤと笑っていた。

―サトシの部屋―

サトシはベッドの上に座っていた。 この部屋にはコゴロウもいた。
コゴロウ「ヘッヘッヘ、サトシ、今のお前可愛かったぜ? カスミの笑顔を見た瞬間赤く
     なりやがって!」
サトシ「え!? な、なってた、俺!?」
コゴロウ「そりゃなってたよ。 相手は当然気付いちゃあいねえけどちゃんと赤くなってた
     ぜ?」
サトシ「そ、そうか…」
シャワーズ「ねえ、サトシ? カスミとはいつ告白するの?」
サトシ「え!?」
シャワーズ「僕サトシが霞に告白する所見たーい!」
ピカチュウ「ピカーー!」
サトシ「こ、こ、こ、告、告白、だなんて…!!」
コゴロウ「そりゃいいじゃねえか! で、お前いつ告白するんだ?」
サトシ「え!? い、いつって…!?」
コゴロウ「お前そう言うの早くした方がいいぜ? 早く言わねえとカスミは誰かに捕らわれ
     ちまうぜ?」
サトシ「と、捕らわれる!?」
コゴロウ「ま、まあ、落ち着け…まあ、とにかく、こう言う物はいつするかちゃんと計算
     しなきゃ行けねえぜ? 手遅れになる前にきちんとお前の本心をあいつに
     伝えるんだ!」
???「何を伝えるんだ?」
サトシ・コゴロウ「!?」
突然訳の分からない所から謎の声が出て来た!
サトシ「な、何だ、今の声!?」
コゴロウ「…ははあ、ゼトラの声だな?」
サトシ「あ、そう言えば…でもどっから?」
コゴロウ「隠れてるとしたら…多分………」
その後コゴロウはゆっくりクローゼットの方へ歩いて行った。
コゴロウ「奴はクローゼットの…」
バッ!!! そしてコゴロウは勢い良くクローゼットの扉を開けた!
コゴロウ「中に……あれ?」
だが気付いたらクローゼットには誰もいなかった。
ゼトラ「どこ見てんだ、俺はここだ。」
その後ゼトラは驚くほどベッドの下から現れた!
ドカーーーーーーーーン!!! そんなサトシとコゴロウは思いっきりこけた。
コゴロウ「な、何やってんだよ、そんなトコで…?」
ゼトラ「寝てんだよ。 見りゃ分かるだろ。」
コゴロウ「(ね、寝てる…? ちょっと待て…普通はベッドの「上」で寝るのが常識
     じゃ…?)」
ゼトラ「で、話を聞かせてもらったぜ。」
サトシ「え、な、何を?」
ゼトラ「お前カスミの事が好きだってな?」
サトシ「ギクッ!!!」
ゼトラ「そんな事で俺達から黙っていたとはな…」
サトシ「い、いや、別に黙ってた訳じゃ…ただ、誰にも言いたくはなかったから…」
ゼトラ「黙ってんと同じじゃねえか。」
サトシ「うっ………」
ゼトラ「けど………意外と興味があるじゃねえか?」
サトシ・コゴロウ「へ?」
ゼトラ「お前とカスミの関係、非常に興味を持つようになった気分がした。 お前が奴が
    好きだが、奴はそれを気付いていない…まあ、自分はドラマだのロマンスだの興味
    ないが、お前達の関係だけは興味を持つようになった。 まあ、告白する時が
    来たらがんばるべきだ。 弱気を捨て根気を持ち、自分の本心を奴に伝えるべき
    だ。」
サトシ「あ、ああ…でも、これは誰にも内緒だからな!」
ゼトラ「誰も言うとは言ってない。」
コゴロウ「…お前ラブ物興味ないはずのに珍しい事言うな…」
ゼトラ「悪いか?」
ドーーーーーーーーーン!!! その時何かが当たるかのように船が揺れた!
サトシ「うわ!? な、何だこれ!?」
コゴロウ「敵襲か!?」
ゼトラ「敵襲とは言え、これはリユニオンの物じゃない!!」
シャワーズ「え!? 何で分かるの!?」
ゼトラ「「観」だ…」
サトシ「とにかく、原因はカルロスから聞こう! 操縦室へ!!」

―操縦室―

ここ仲間達が集合した。 カルロスは振動の原因を説明している所である。
カルロス「何だか良く分かんねえけど、突然何かがこの船に当たったらしい! 何かの
     エネルギー弾みたいな物こっちに当たりやがった!」
ドリオ「やっぱり敵襲か!?」
フウコ「けど、誰の仕業なのか知らないの?」
カルロス「今レーダーで確認した。 黄色い点がそれだけど、この船体の周囲に何かが飛び
     回っているんだ! けど、さっき外で見回ってみたが、何もなかった!」
マサ「何も見えない敵!?」
ミサ「それってもしかしてリユニオンじゃ…!?」
ザノア「いいえ、リユニオンではありません…気配では殺気と邪気も感じますが、これは
    リユニオンの物ではありません。 …何なのか知りませんが…とにかくかなり
    すごい気配がします!」
ライゾウ「透明式の敵なのか!?」
カルロス「とにかく、敵のデータ確認してみよう!」
カルロスはキーボードにコマンドを入れた。 そして画面に内容が映って来た。

Analyzing enemy data………Analysis complete.
Data results
……unknown.
(敵データ確認中………確認完了。
データの結果……不明。)

カルロス「不明だって!?」
サトシ「正体不明なのか!?」
アークスト「未知なる生命体か…」
カルロス「正体不明じゃ何から攻撃してんのか分かんねえぜ!!」
タイチ「じゃあ、このままやられちゃうの!?」
ドーーーーーン!!! その後また何かにぶつかるような衝撃が受け、船に振動を与えた!
全員「うわ(きゃ)!!!」
カルロス「くっ…多分そうらしいな…けどこの船は頑丈であるため、壊れる事は出来ないが、
     このまま足止めされるともっと厄介になるからな!」
ナツメ「もしもシルフスコープさえあれば何なのか分かるかもしれないけど…」
サトシ「え? シルフスコープ?」
ナツメ「ヤマブキシルフカンパニーが製作した特性ゴーグルズの事よ。 あれさえ使えば、
    霊気的な物や透明式になってる物を確認する事が出来るのよ。 でも、持って
    いなければ、誰がこんな事してるのか分からないし…」
サトシ「あ、そう言えば…!! 俺、それ持ってるぜ! ほら!」
サトシはリュックの中からシルフスコープを出した。
ナツメ「そ、それ、シルフスコープ!? 持ってたの!?」
サトシ「あ、そう言えばお前知らないんだ…前ヤマブキシティのシルフカンパニーが
    
*ロケット団にのっとられた時、その事件を解決したお礼として社長さんから
    貰ったんだよ!」

*詳しくは3133話をチェック!

ミズキ「じゃあ、それさえ使えば犯人が誰なのか分かるんだな!」
アツシ「早速使った方がいいぜ!」
サトシ「まあ、待ってくれよ! 直接会わないと分からないぜ? 俺一度そいつと戦って
    みる。 こっちには空中戦に有利な奴がいるからな!」
カルロス「分かった。 じゃあ、その時のために無線を渡すから、相手がどこにいるか
     知らせておく。 もしもシルフスコープで正体分かったら、それで連絡して
     くれ。」
カルロスはサトシにインカム式の無線を渡した。
サトシ「ああ、分かった!」
コゴロウ「それなら俺も協力しよう! 相手が強敵なら、一緒に戦うのも心強いぜ!」
ゼトラ「俺も協力しよう。 一緒に戦うのも悪くはないだろう。」
サトシ「サンキュー、コゴロウ、ゼトラ!」

―フェニックス第一甲板―

サトシとコゴロウとゼトラはこの甲板にいた。 他にもカスミ、タケシ、シゲル、ブルー、
イエロー、ヒロシ、レッド、グリーン、シュウ、マロンとワタルが見送りにここに来ていた。
サトシ「フリーザー、君に決めた!!」
フリーザー「お呼びでしょうか、サトシさん?」
サトシ「ああ、これから正体不明の敵と戦うんだ! 空中戦に協力してくれないか?」
フリーザー「分かりました。 貴方のお役に立つためなら何でもします。」
コゴロウ「じゃあ、俺達もあれを出すか!」
ゼトラ「ああ、あれから使ってないからな。」
サトシ「え?」
コゴロウとゼトラはポケットの中からカプセルを出した。
カチ! そして二人はそのカプセルにボタンを押した。
ドシューーーーン!!! 突然カプセルが爆発し、その爆煙の中からバイクが現れた。 
そのバイクには車輪もないが、今までサトシ達が見ていたコゴロウ達のバイクとは違う形
であった。
ヒロシ「な、何今の!?」
イエロー「カプセルからバイクが…!?」
サトシ「ああ、これカルロスが製作したバイクなんだ! カプセルからバイクに変身できる
    ようになってるんだよ! けど、このバイクは見た事もないな…車輪がないけど
    水上に渡る奴じゃなさそうだし…」
コゴロウ「これは「スカイサイクル」と言って、空中に走る事が出来るバイクなんだ! 
     カルロスには三つのバイクを作ってある。 それぞれには陸海空の三種類が
     あって、それぞれの属性によって動くんだ。 これは空系のバイクだから、空を
     飛んで走る事が出来るんだ。 しかもそのスピードは高く、
NASAが使うあの
     ジェット機のように早いんだ! しかもこいつには、ホーミングミサイルや
     ブラストキャノンなどの特殊な兵器も装備している、パワフルなバイク
     なのさ!」
ワタル「これはすごい…現在の科学ではまだ発明されていないバイクじゃないか!」
レッド「カルロスって相当天才だったんだな…」
ゼトラ「今でも天才だがな。」
コゴロウ「とにかくサトシ、準備はばっちりオッケーだぜ! このまま出発しても
     いいぜ!」
サトシ「分かった!」
カスミ「気を付けてね、サトシ!」
ブルー「あたし達も戦えないのは残念だけど、あたしも出来るだけサトシを応援してる
    から!」
マロン「絶対負けちゃダメよ!」
サトシ「へへ、サンキューみんな! じゃ、早速行くか!」
シゲル「ホントにお前達三人で大丈夫なのか?」
ヒロシ「僕たちも手を貸そうか?」
グリーン「安心しろ。 あの三人なら、きっとこの謎の敵を倒せるだろう。」
レッド「ま、そう言う事だな!」
その間サトシとピカチュウとシャワーズはフリーザーの背中に乗った。 コゴロウとゼトラ
もスカイサイクルに乗った。
サトシ「じゃ、俺行ってくるよ! フリーザー、行くぜ!」
フリーザー「分かりました。 しっかり捕まったください!」
ブァサ!! フリーザーはそのまま空を飛んだ。
コゴロウ「じゃあ、俺も行ってくるぜ! 行くぞ、ゼトラ!」
ゼトラ「ああ!」
ブロロロロロロ!!! ドリューーーーン!!! コゴロウとゼトラはスカイバイクでその
まま空を飛んで行った。 カスミ達は、そんなサトシ達を見守っていた。
カスミ「サトシ…」

―その間サトシ達―

サトシ達は空中で謎の敵を探していた。 その後サトシはインカム式の無線でカルロスに
話し掛けた。
サトシ「カルロス、この敵の行方はどこにあるんだ!?」
カルロス『レーダーではフェニックスの右上にウロウロしている! 外だと、フェニックス
     の前の左側だ!』
サトシ「分かった!」
サトシ達はフェニックスの前に移動した。
サトシ「この辺りか!?」
カルロス『ああ、間違いなくそこだ! そこの左側だ!』
サトシ「よし、早速シルフスコープで!」
サトシはシルフスコープをかけた。
サトシ「……………」
サトシはフェニックスの前の左側を見てみた。 その時サトシは何かを見えた。
サトシ「あ、いた! 何か妙な物が光ってる!」
カルロス『ホントか!? 何か分かるか!?』
サトシ「いや、遠すぎて分からない…近づいてみないと分からないみたいだ!」
コゴロウ「じゃあ、少し近づいてみようぜ!」
サトシ「ああ!」
サトシはその物体の方向へ飛んで近づいてみた。 そしてだんだん近づいてみたら、その
物体の正体が見えて来た。
サトシ「……………!!!」
その正体が見えた時、サトシは驚いた。 その姿は長い尻尾を持っていて、足は大きいが
手が小さく、白桃色な体を持っていた。 そう、その物体の正体は…あの幻のポケモン、
ミュウだった!
サトシ「あ、あれは………」

―フェニックス船内・操縦室―

どうにか謎の敵の正体を見破る事が出来、窓からミュウを見るカルロス達。
ヤス「な、何だあれは!?」
カズ「ポケモンなのか、あいつ!?」
カツラ「…あ、あれは………幻のポケモン、ミュウ!!」
全員「え!?」
カルロス「ミュウ!? それって研究者達の話だと
151匹目と認定されている新種ポケモン
     か!?」
アイ「ミュウ…それパパが言ってた、ミュウツーを作り出した素だわ!!」
ケイタ「何だって!? あの幻の!?」
ルミカ「けどなぜこんな所に!?」
ザノア「…ちょ、ちょっと待ってください…何か、様子おかしくありません? あの
    ミュウ…」
全員「え?」
ザノア「あのミュウ…普通とは違う感じがします……何か、かなり強力な殺意が…」

―フェニックス船外・一方サトシ達―

サトシ達はミュウと目を合わせていた。
コゴロウ「な、何だあれは!?」
ゼトラ「ポケモン…なのか?」
サトシ「ポケモン…?」

ポケモン図鑑「ミュウ・新種ポケモン・南アメリカ生息する、絶滅したはずのポケモン。 
       知能が高く、何でも覚える。 顕微鏡で覗いてみたら非常に短くて細い
       細やかな体毛が生えていた。 
151匹目のポケモンとして認定されており、
       現在幻のポケモンとされている。」

サトシ「幻のポケモン!?」
コゴロウ「おい、それってミュウツーを誕生させた素じゃねえのか!?」
ゼトラ「ミュウツーの真の生みの親…か…けど、何か様子おかしくないか?」
サトシ「え?」
ゼトラ「奴の目を見ろ。 あいつの目、白目だったか?」
サトシ「え…?」
サトシは今のミュウと図鑑のミュウと比べてみた。 確かに今のミュウは白目状態になって
いる。
サトシ「た、確かに、白目じゃないはずじゃ…!?」
カルロス『サトシ、気を付けろ!! あのミュウ、ただのミュウじゃなさそうだ!!』
サトシ「え!?」
カルロス『ザノアからの話によると、あのミュウの心は何者かに支配されている! つまり、
     あのミュウは誰かに操られているんだ!!』
サトシ・コゴロウ・ゼトラ「何だって!?」
カルロス『とにかくサトシ! 奴は何をするかは分からないが、とにかく危険だ! 引き
     上げろとは決して言わない! 出来るだけ注意しながら戦うんだ!』
サトシ「わ、分かった!」
フリーザー「どうします、サトシさん? このまま引き上げる事は出来ませんよ。」
サトシ「分かってる。 でも、あのミュウが操られているとしたら、放っておく訳には
    行かない! 一度ゲットしてから助ける!!」
コゴロウ「ゲットって、ちょっと待て!! いくら幻でもゲットは難しすぎるぞ!!」
ゼトラ「幻でも強い事もあるからな! 幻獣とはそう言う生態でもある!」
サトシ「分かってる! けどこのまま放っておくとミュウはかわいそうだろ! 例え相手が
    誰によって操られたとしても、俺はそいつを助けたい!! 解放されるまでに
    助けたいんだ!!!」
ピカチュウ「ピカピ…」
シャワーズ「サトシ…」
コゴロウ・ゼトラ「……………」
フリーザー「…私はサトシさんの気持ち、分かります。 助けましょう、ミュウさんを!」
サトシ「フリーザー…」
ゼトラ「…確かに、困っている相手を放っておく訳にも行かねえな…」
コゴロウ「ああ…よし、サトシがそこまでの気持ちがあるな、俺達も助けるぜ!!」
シャワーズ「僕も助けるよ! ミュウだってポケモンだもん! 僕もミュウを助けたい!」
ピカチュウ「ピカチュウ!!」
サトシ「みんな…よーし、じゃあ早速やろうぜ! ミュウを助けるために!!」
コゴロウ・ゼトラ「おう!!!」
フリーザー「けど、どうやって助けますか?」
サトシ「倒せば正気に戻るはずだ!」
フリーザー「確かに…かわいそうですが、それしか方法はありませんね。」
サトシ「一応ミュウツーも出そう。 あいつもミュウの遺伝子から作り出されたポケモン
    だし! よーし、ミュウツー、君に決めた!!」
ミュウツー「…私を呼んだか、サトシ………む!?」
ミュウツーはミュウを見た。 そこにミュウがいた事も知らなかったのだろう。 そんな
ミュウを見たミュウツーは、汗を流し始めた。
ミュウツー「…あ、あれは…ミュウ………!?」
サトシ「そう、お前の本当の生みの親さ! しかもこれだけでも気付いてくれ! あの
    ミュウは誰かの手に操られてるんだ!」
ミュウツー「何!?」
サトシ「正気に戻す方法は、難しいけど、倒してゲットするしかないんだ! だからお前の
    力が必要なんだ!」
ミュウツー「…ば、バカな事言うな…確かに私は最強だが、私はミュウに並べる事も出来ん
      プロトタイプ並のポケモンだ! もちろん、ミュウの方は私よりも上だ…例え
      ミュウが相手でも、この私には…」
サトシ「何言ってんだよ、ミュウツー!!! ポケモンなんて上も下も関係ねえんだよ!! 
    助けたいと言う気持ちがあるなら、その気持ちをそいつの前に発揮させるんだ!! 
    お前分かってくれよ! お前はミュウの遺伝子に生まれたポケモンなんだろ!? 
    だったらミュウがお前の本当の親かも知れねえんだ!! 親を助けるのが、その
    子供の役目だろ!?」
ミュウツー「……………」
フリーザー「サトシさんの言う通りです。 貴方がミュウさんの子供なら、親を見捨てる
      訳には行けません。 血が繋がっているのですから。 私には生みの親が誰
      なのか記憶にありませんが、親と子供の繋がる心と気持ちなら分かります。 
      特にサトシさんとそのご家族も…」
サトシ「フリーザー…」
フリーザー「もしも…もしもミュウさんが貴方の母親でしたら、操られたとしても、決して
      見捨てたりはしませんよね? 貴方なら、ミュウさんを助けられるかも
      しれません。 貴方の心をそう信じていれば…」
ミュウツー「……………」
ミュウツーはしばらく下を向いていた。 その後決意したのか、顔を上げた。
ミュウツー「分かった。 助けてやろう!」
サトシ「ミュウツー!」
ミュウツー「フジ博士は私を作ったポケモンだが、ミュウの方が私を生んだ。 ミュウこそ、
      私の本当の母親だ。」
サトシ「よーし、決まりだな! じゃあ早速ミュウを助けに行こうぜ!!」
ゼトラ「これで決まりだな。」
コゴロウ「よーし! じゃあこっちも久しぶりにモンスターで戦おうぜ! コカトバード、
     久しぶりに出番だ!!」
コカトバード「コカーーー!!!」
ゼトラ「ならこっちはガーゴイルだ!! 行け!!」
ガーゴイル「ガーーー!!!」

聖剣図鑑「コカトバード・鳥モンスター・コカトリスの進化形で、半分卵の殻に入っていた
     コカトリスがようやく割れ、空を飛ぶようになった。 空を飛ぶ事が出来てから、
     空中で石化針を撃てるようになった。 嘴に刺されば石化になってしまうが、
     羽の刺先も石化されてしまう仕組みを持つ。」

サトシ「まずは動きを封じてからだ!! シャワーズ、フリーザー、「冷凍ビーム」で
    行け!!」
シャワーズ「オッケー!」
フリーザー「分かりました!」
シャワーズ・フリーザー「はーーーーーーーーーーー!!!」
バシューーーーーーーーーーー!!! シャワーズとフリーザーの口から「冷凍ビーム」を
撃ち放った!
ミュウ「ミュウ!!!」
バシーーーーン!!! だがミュウは「サイコキネシス」で攻撃を弾き飛ばした!
サトシ「く、効いてないか…こうなったらミュウツー、「金縛り」だ!!」
ミュウツー「良かろう! むっ!!!」
カッ!!! ミュウツーは「金縛り」でミュウに睨んだ!
ギシッ!!! その後ミュウは動けなくなった!
ミュウ「ミュ!?」
サトシ「よし、今だ! ハイパーボール!!!」
サトシはミュウに向かってハイパーボールを投げた! が…!!!
ミュウ「ミューーーウ!!!」
バシーーーーーン!!! ミュウは勢いよく自力で「金縛り」を破った!
サトシ「な!?」
ミュウ「ミュウ!!!」
ドカーーーーーーーン!!! そしてミュウは「サイコキネシス」で投げられたハイパー
ボールを破壊した!
サトシ「は、ハイパーボールが…!!」
ミュウツー「く…やはり「金縛り」も効かぬか…」
コゴロウ「なら石化させるのがいいぜ! 石化になりゃ動けなくなるからな!! 
     コカトバード、「石化針」!!」
コカトバード「コカットーーーーー!!!」
シャシャシャシャ!!! コカトバードは翼から「石化針」を撃ち放った!
ゼトラ「ならこっちも…ガーゴイル、「ペトレファイレイ」!!」
ガーゴイル「ガーーーゴ!!!」
バシューーーーーーー!!! ガーゴイルの目から「ペトレファイレイ」を撃ち放った! 
二つの攻撃が真っ直ぐミュウに向かう! が…!!!
ミュウ「ミュ!!!」
カッ!!! ミュウは「リフレクター」を張った!
ドカーーーーーン!!! そして二つの攻撃が弾き飛ばされた!
コゴロウ・ゼトラ「何!?」
サトシ「く…こうなったらピカチュウ、「電磁波」で痺れさせるんだ!!」
ピカチュウ「ピーーーカーーーーーーーー!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! ピカチュウは「電磁波」を撃ち放った!
ミュウ「ミュウーーー!!!」
シュン!!! だがミュウは「高速移動」で攻撃を避けた!
サトシ「そんな、素早い電気系攻撃にも効かないなんて…!?」
フリーザー「気を付けてください! ミュウの知識は高く、何でも覚えます! そのため、
      全ての技を使えるそうです!!」
サトシ「何だって!?」
ゼトラ「道理で有効的な技を持っている訳か…!」
コゴロウ「くそ!! これじゃあ奴の動きを封じられねえぜ!!」
サトシ「なあ、コゴロウ! そのバイクのミサイルを使ってみたらどうなんだ!?」
コゴロウ「え? あ、そうか! それはグッドアイディア! よーし、ホーミングミサイル
     なら避けきれまい!! 早速照準メーターを使用開始だ!!」
カチ!! ヴィーーーン!! コゴロウは照準メーターを動かし、ターゲットマークが
ミュウへロックオンさせようとする。
ミュウ「ミュ!!!」
シュンシュンシュンシュン!!! だがミュウはそれを気付いたのか、素早く動き回り
始めた!
コゴロウ「くそ!! 動き回ってちゃロックオンの集中が出来ねえぜ!!」
ミュウツー「ミュウはホーミングミサイルを使う事をとっくに気付いている! やはり
      追跡系の攻撃は無理だと言うのか!?」
ゼトラ「……………」
その間ゼトラは愛刀「殺神刀」を立てながら、目を閉じたまま沈黙になっていた。 その後
一瞬に目を素早く開けた。
ゼトラ「そこか!!!」
その瞬間にゼトラは必殺技「烈風斬(れっぷうざん)」を撃ち放った! どうやらミュウの
動きを読み取ったらしい。
コゴロウ「おお!! 気配を読み取ったか!!
攻撃は真っ直ぐミュウに向かうが…
ミュウ「ミュ!!!」
ザシュン!!! ミュウは「居合い斬り」で真空波を二つに斬った! そして斬られた
真空波は、どこかへ消えて行ってしまった。
コゴロウ「何!?」
サトシ「切り裂いた!?」
ゼトラ「く…やはり気配を読み取っても無理か…どうやらこちらの遠隔攻撃には
    効かない…!!」
サトシ「そんな!!」
コゴロウ「これじゃあ何も出来ねえじゃねえか!?」
ミュウ「ミュウーーーーー!!!」
バシュバシュバシューーーーー!!! ミュウは「破壊光線」を撃ち放った!
サトシ・コゴロウ・ゼトラ「わーーーーーーーーー!!!」
ミュウツー「むん!!!」
カッ!!! ドカーーーーーーーン!!! ミュウツーは「バリア」を張り、攻撃を弾き
消した!
サトシ「あ、ありがとう、ミュウツー!」
コゴロウ「このまま何も出来ねえじゃダメだ!! とにかくもう一度遠隔攻撃で攻める
     ぜ!! ゼトラ、行くぞ!!」
ゼトラ「おう!!」
その後コゴロウはミュウの前、ゼトラはミュウの後ろへ移動した!
コゴロウ「ミサイルはダメならこれでどうだ!!」
コゴロウとゼトラはバイクのモニターからある画面を出した。 それぞれ四つのマークが
表示した。 一つは炎マーク、一つは氷マーク、一つは雷マーク、そして一つは光マーク。 
コゴロウは画面に炎マークを押し、ゼトラは氷マークを押した。
コゴロウ「食らえ、「フレイムキャノン」!!!」
ゼトラ「「フロストキャノン」!!!」
バシューーーーーーーー!!! コゴロウとゼトラのバイクから赤と青い光線が撃ち
放った! 赤い方が「フレイムキャノン」、青い方が「フロストキャノン」。 お互いの
攻撃が真っ直ぐミュウに挟み撃ちにしようとする!
サトシ「す、すげえ!!」
シャワーズ「これなら勝てるかも!!」
ミュウツー「いや、待て!! まだ決まった訳ではない!!」
サトシ「え?」
ミュウ「ミュウ!!!」
シュン!!! ミュウの姿が突然消えた! そう、「テレポート」をしたのだ!
ドカーーーーーーーーン!!! そして二つの攻撃がお互いぶつかった!
コゴロウ「何!?」
ゼトラ「回避した!?」
サトシ「ど、どこだ!? どこにいる!?」
フリーザー「…!!! サトシさん、上です!!」
サトシ「え!?」
サトシ達は上を向いた。 そこにはミュウがいた!
ミュウ「ミューーーウ!!!」
ドカーーーーーーーーーン!!! ミュウは「雷」でサトシ達に攻撃した!
サトシ達「うわーーーーーーーーーーーー!!!」
攻撃は収まり、ミュウは楽しそうに笑い始めた。
ミュウ「クスクスクスクス!!」
サトシ「く…な、何て奴だ…」
コゴロウ「こ、こんなに強いなんて…」
ゼトラ「…予想…以上だった…」

―フェニックス船内・操縦室―

カルロス達は窓からサトシ達の戦いを見ていた。 けど余りにもミュウの強さで、仲間達は
恐れていた。
カルロス「な、何だよ、あの強さは…半端じゃねえ…」
アイ「ミュウってミュウツーよりも強かったなんて…知らなかった…」
ハンゾウ「って言うかミュウってあんなに強かったのかよ…?」
カツラ「分からん…学会の研究では、余りにも好戦的ではないと聞くが…まさかこんなに
    強かったなんて…あのミュウ、猫を被っていたのか…!?」
ナツメ「そんな…ありえないわ…ミュウは猫を被るタイプじゃないのに…」
カツコ「けど、今でもヤバイ状態じゃない…? あんなに強ければ、サトシ達
    やられちゃうんじゃないの…?」
シゲル「くっそーーー、負けんじゃねえぞ、サトシ!!」
カスミ「サトシ…」

―フェニックス船外・一方サトシ達―

サトシ「くっそー…こんなに強けりゃ、もう俺達だめなのか…?」
シャワーズ「サトシ、まだ諦めちゃだめだよ! 僕達、せっかくここまで来たんだ! 最後
      まで諦めちゃだめだよ!」
ピカチュウ「ピカピカ!!」
フリーザー「そうです、負けを認めるなんて貴方らしくもありません! 最後まで
      戦いましょう!」
ミュウツー「サトシ、信じろ。 絶対ミュウを助けられると。 それを私に言ったではない
      か。 忘れたとは言わないだろうな…」
サトシ「みんな………」
コゴロウ「けど…これでどう行くか分からなくなっちまったな…」
ゼトラ「ああ…けどここまで負ける訳には行かない…助けるまでには、逃げる訳には
    行かないだろう…」
コゴロウ「じゃあ、ゼトラ。 今回は「あれ」でも使うか?」
ゼトラ「「あれ」か…フッ、久しぶりだな。」
サトシ「え?」
コゴロウ「「あれ」さえ使えば、助けるかもしれないだろ?」
ゼトラ「確かに、「あれ」を使えば、俺達も強くなるはずだ。」
サトシ「…? なあ、何だよ、「あれ」って?」
コゴロウ「ああ…サトシには久しぶりだったよな…そう、「クラスチェンジ」だよ! 
     クラスチェンジで戦うんだよ!」
サトシ「クラスチェンジ!? それって、
*セキチクジムでコゴロウが使っていた
    あれ!?」

*詳しくは第56話をチェック!

コゴロウ「まあ、そんくらいなもんだけど、今度は違うタイプにクラスチェンジするぜ!」
サトシ「違うタイプ? もう一つのクラスチェンジがあるのか?」
ゼトラ「クラスチェンジには二種類違うクラスがあるんだ。 一つは光(ライト)モード。 
    そして一つは闇(ダーク)モードだ。 それぞれのクラスには違う技、違う魔法、
    違う戦闘力を持っている。 つまり、変身中全ての力が異なる事があると言う事
    だ。」
コゴロウ「前サトシに見せた俺のクラスチェンジは闇(ダーク)モードだったよな? 
     今回は違うクラスチェンジを行うつもりさ!」
サトシ「それって…光(ライト)モード!?」
コゴロウ「そう! そしてクラスチェンジの素は、こいつさ!」
その後コゴロウはポケットからサイコロを出した。 普通のサイコロに見えるが、金色に
なっていた。 ゼトラの方もポケットから羽を出した。 その羽は漆黒になっていた。
サトシ「それ…コゴロウが闇(ダーク)モードになる時に使った…」
コゴロウ「いや、あれは「夜目のサイコロ」と言って、あれは闇(ダーク)クラス「ナイト
     ブレード」にクラスチェンジさせる奴さ。 けど、これは光(ライト)モード
     クラスチェンジが出来るサイコロ! 名づけて、「幸運のサイコロ」さ!」
ゼトラ「そしてこれは闇(ダーク)モードクラスチェンジの出来るアイテム、「悪魔の羽」
    だ!」
コゴロウ「サトシ、そしてミュウにも見せてやるぜ! 俺達が生まれ変わった真の力
     を!!」
カッ!!! コゴロウとゼトラがそのアイテムを握り締めた後、握った拳から光が出て
来た!
サトシ「な!?」
ミュウツー「こ、これは!?」

コゴロウ「コゴロウ、光(ライト)モードクラスチェーーーンジ!!!」
その後コゴロウの制服が変わり始めた! 鎧が銀色に変わり、頭にロビンフッドのような
帽子を被り、手に妙な形をしたダガーを持った。 そのダガーは妙な形をしているが、水晶
のような色をしていて輝いていた。 その次黒い髪の毛が金髪に変わり、黒い瞳が青色に
変わった。 そして最後にどこかから現れたバラを持ち、それを口に挟みつけた。
コゴロウ「…孤高の狩人、「ワンダラー」!!!」

ゼトラ「ゼトラ、闇(ダーク)モードクラスチェーーーンジ!!!」
その後ゼトラの服が漆黒なり、黒い鎧をはめた。 鎧の中心には逆十字架をして、背中には
「魔」の一文字が書かれてあった。 その後背中から蝙蝠のような悪魔の翼が生え、頭に
黒い兜を被った。 その兜の両側にも悪魔の翼が生えていた。 そして腰から黒炎に燃える
剣を出した。 その剣の刃は漆黒で、鍔の両側にも悪魔の翼があり、その中心に「魔」の
一文字が書かれてあった。
ゼトラ「…漆黒の堕天使、「ダークエンジェル」!!!」

―フェニックス船内・操縦室―

カルロス達はコゴロウとゼトラのクラスチェンジする所を窓から見ていた。 全員驚いて
いた。
ヒバリ「な、な、何今の!?」
スバル「コゴロウさんとゼトラさんが変身したぞ!?」
カルロス「おお、でかしたぞあいつら!! クラスチェンジで戦うのか!!」
ツグミ「クラスチェンジ? 何それ?」
クリスティ「変身の事よ! クラスチェンジすれば、自分の力が強まるの! これでなら、
      ミュウを倒せるかも知れない!!」
デルヴァ「ぜ、ゼトラの奴…あいつもクラスチェンジが出来るのか…!?」
ファンダ「すげえぜゼトラ!! これなら勝てるかも!!」
アークスト「いや、待て。 その事は分からん。 クラスチェンジで強くなったとしても、
      もしミュウがそれ以上だとしていたら、もっと問題が出るかも知れない…」
カイト「それでもがんばれ!! 負けんじゃねえぞ!!!」
エニシ「そうだそうだ! 負けるなーーー!!!」

―フェニックス船外・一方サトシ達―

サトシはクラスチェンジしたコゴロウとゼトラを見ていた。 かなり驚いているようだ。
サトシ「す、すげえ、クラスチェンジした…!!」
ミュウツー「し、しかも信じられん…彼らのパワーはかなり高まっている…!」
コゴロウ「見たか! これが俺達の最強の姿だ!!」
ゼトラ「おかげで力が漲って来る…もう俺達は誰にも負ける気やしない!!」
サトシ「けど、このクラスは一体…?」

聖剣図鑑「ワンダラー・光クラス・レンジャーで「幸運のサイコロ」を使うとクラス
     チェンジするが、現在の場合だとどのクラスからこのクラスになる事が出来ると
     言われるレベル
3クラスの一つ。 様々な強力な飛び道具やトラップを使う上、
     木と月系の精霊魔法を武器に使って戦闘に行う。」

サトシ「じゃあ、ゼトラの方は…?」

聖剣図鑑「ダークエンジェル・闇クラス・「悪魔の羽」を使うとクラスチェンジ出来る。 
     暗黒魔法を多く使う。 悪魔の翼を持っていれば、空を自由に飛べる事が出来る。 
     したがってこのクラスに変身したとしても、性格は決して悪魔同様ではない事も
     ある。 尚このクラスは、深くも語れていないため、現在では謎に包まれて
     いる。」

サトシ「謎のクラスチェンジ!?」
ゼトラ「まあ、このクラスになれるのは俺だけと言う事だ。」
コゴロウ「よーし、ゼトラ! こいつでミュウを救おうぜ!!」
ゼトラ「おう!!」
コゴロウはバイクでそのままミュウに飛び向かうが、ゼトラはバイクから降り、空を飛んで
ミュウに飛び向かった。
ピカチュウ「ピカ!?」
シャワーズ「飛んだ!?」
サトシ「よーし、俺もやるぞ!! みんな、行くぜ!!」
そしてサトシとピカチュウ達はミュウの方へ飛んで行った。 その後コゴロウは無数の
ダーツを出し始めた。
コゴロウ「バイクのミサイルじゃダメなら、ダーツでも構わねえよな!! 食らえ、
     「ホーミングダーツ」!!!」
シャシャシャシャ!!! コゴロウはミュウに向かってダーツを投げた!
ミュウ「ミュ!!」
スッ!!! だがミュウは楽々に素早く攻撃を避けた! が、その時!!
ミュウ「…!?」
ミュウが振り向いたら、さっき投げたダーツが戻って来た!
コゴロウ「バカめ!! そのダーツは追尾式になってんだよ!! 避けてもまた戻って
     来るぜ!!」
ミュウ「ミュ…!!!」
そしてミュウはダーツから逃げ始めた。 何度も逃げ切ろうとするが、ダーツは諦めず
ミュウを追いかける。
コゴロウ「ゼトラ、今だ!!」
ゼトラ「おう!! 「黒影弾」!!!」
バシューーーーーー!!! ゼトラは黒いエネルギー弾を撃ち放った! その攻撃がジグ
ザグに動き、真っ直ぐミュウへ向かう!!
ミュウ「…!?」
ドカーーーーーーン!!! そして攻撃はミュウに命中した!
ミュウ「ミュ!!!」
グサグサグサグサ!!! そして追尾していたダーツはミュウに命中した!
ミュウ「ミュウ!!!」
サトシ「やった!! ダメージが受けたぞ!!」
ミュウツー「いや、安心するのはまだ早い!!」
ミュウ「ミュウーーーー…ミュウ!!!」
バシュバシュバシューーーーーーーーーー!!! ミュウは再び「破壊光線」を撃ち
放った!
ミュウツー「むん!!!」
カッ!!! ドカーーーーーーン!!! ミュウツーは再び「バリア」を張り、攻撃から
防げた。
コゴロウ「おっと、今度こそ簡単にゃ行かねえぜ!! バリア作動!!!」
カッ!!! ドカーーーーーーーーン!!! コゴロウはバイクからバリア張り、攻撃から
防げた。
ゼトラ「二度も効かねえぞ!!」
バシィッ!!! ゼトラは素手で攻撃を叩き飛ばした!
ミュウ「ミュ…」
サトシ「よーし、また攻撃が仕掛ける前にこっちも攻撃だ!! ピカチュウ、「
10
    ボルト」! シャワーズ、フリーザー、「冷凍ビーム」! ミュウツー、「破壊
    光線」!!」
ピカチュウ「ピッカ!!」
シャワーズ「ラジャー!!」
フリーザー「承知しました!」
ミュウツー「良かろう!!」
コゴロウ「ならこっちは…「ダイナマイトダーツ」!!!」
ゼトラ「それならこちらは…「魔翔閃」!!!」
ドカーーーーーーーーーーン!!! サトシ達の攻撃が同時にミュウに直撃した!
ミュウ「ミュウ〜〜〜…」
そして力尽きたミュウは、そのまま落ちて行く。
サトシ「今だ!! ハイパーボール!!!」
ポン!!! サトシは再びハイパーボールをミュウに投げ、捕まえた! そしてサトシは
素早く落ちて行くハイパーボールを捕らえた。
サトシ「ふぅ…」
コゴロウ「やったな、サトシ!!」
ミュウツー「けど、このままだと危険だ! 急いで治療せねば!!」
サトシ「ああ…」
その後インカム式の無線からカルロスの声が出て来た。
カルロス『よくやったなみんな!! すごかったぜ!!』
サトシ「あ、カルロス! 丁度良かった! 今ミュウを捕まえたから、至急フェニックスの
    治療室へ向かう! 戻ったら、治療を頼む!」
カルロス『了解!!』

―フェニックス内部・治療室―

ここは治療室。 コゴロウとゼトラは元の姿に戻り、サトシと仲間達は全員ここにいた。 
そしてベッドに寝ているのは、一匹のミュウ。
ミュウツー「…本当に大丈夫なのか?」
カルロス「お? 珍しいな、心配するなんて…まあ、ちと派手にやられたそうだけど、
     大丈夫さ!」
ミュウツー「そうか…それならいいんだが…」
サカキ「しかし…さすがにミュウを見るのは初めてだ…私がロケット団にいた頃、こいつを
    狙っていたんだが…」
サイゾウ「今はもうそうではないでござるな!」
サカキ「…まあな。 見るだけで満足な気がする…もう欲しい気持ちじゃないよ。」
ミュウ「………う、う〜〜〜ん…ん?」
その時ミュウの目が覚めた。
サトシ「あ、目が覚めた!!」
その後ミュウは起き上がった。
ミュウ「…あ…あれ……こ、ここ…どこ…?」
アークスト「ほう、こいつ喋れるのか。」
ニャース「ニャー!! 言葉喋れるポケモンまたいたニャ!!」
サトシ「ここは治療室だ。 お前操られていた後、俺達がお前を助け、ここへ連れて来たの
    さ。」
ミュウ「え…? あ、そっか…あたし、操られていたんだ………あれ?」
その後ミュウはミュウツーの方へ見上げた。
ミュウ「………貴方が…もしかして………ミュウツー…?」
ミュウツー「…え…?」
ミュウ「……やっぱりミュウツーなんだ! うわあ、大きくなっちゃったんだね…逞しく
    なってるよ…」
ミュウツー「…なぜ、私の事を…?」
ミュウ「…クス…だってあたし…ミュウツーを生んだママだもん! ミュウツーの事
    ぜーんぶ知ってるもん!」
ミュウツー「……………」
ミュウツーはミュウの言葉で感動していた。
ミュウ「所で…えーーーっと…」
サトシ「あ、サトシって言うんだ!」
ミュウ「サト「ちゃん」ね? 助けてくれてありがとう! 貴方がいなかったらあたし
    どうなるかと思った…」
コゴロウ「なあ、詳しくどうなってしまったか教えてくれねえか? 誰に操られたのか…」
ミュウ「………あれは良く分からないけど…あたしがある森で遊んでた時、突然妙な人達に
    捕まったの。 それがすごい魔力で、あたし逃げ切れなかったの…その後、突然
    髪の毛の白い長髪の人があたしに何か呪文みたいな物をかけて…それで…気が遠く
    なって……後それから…何も思い出せないの…」
ゼトラ「…おい、その長髪って…まさか、俺と同じ制服をした奴じゃ…?」
ミュウ「そうそう!! 貴方と同じ服をしていたよ!!」
サトシ「おい、それって…」
ゼトラ「ああ…セフィロス!!」
全員「!!!」
ゼトラ「セフィロスは分かっているんだ…俺達が今、そっちへ向かっている事を…!」
ミュウツー「では、奴は我々を倒すために、ミュウの心を…!?」
コウム「つまり足止めって言う事か…」
ミュウ「………あたし…みんなに酷い事しちゃったな…」
全員「え?」
ミュウ「あたし、操られてた時何も覚えてないから…ミュウツーやサトシちゃんやみんなを
    傷付けちゃった…酷いよね、あたしって………」
ミュウツー「…酷くもないさ。」
ミュウ「え?」
ミュウツー「ミュウ…いや、「母さん」は何も悪くはない。 悪いのは母さんの心を利用
      したセフィロスの方だ。 私は母さんの事を知っている、悪事などしないと
      いう事を。 私はそう信じていた。 けど、私は母さんとまた会えて、とても
      嬉しいと思う…」
ミュウ「ミュウツー…」
ミュウはミュウツーの言葉を感動してた。 その後ミュウは、目に出てきそうな涙を拭き、
ミュウツーに向けて微笑んだ。
ミュウ「…ありがとう、ミュウツー! あたしの事、「母さん」って呼んで!」
ミュウツー「呼んでも悪くはないだろ。 私は母さんから生まれた息子だからな。」
サトシ達はそれを見ている間、感動していた。
ミュウ「…あ、そうだ! ねえ、サトちゃん!」
サトシ「え?(って言うか、何でちゃん付け…)」
ミュウ「これからどこへ行くの?」
サトシ「あ、ああ…これからセフィロスを倒しに、大空洞へ…」
ミュウ「そうなの!? あたしも行く!! あたし、あたしを操ったあの変な「おじさん」
    が許せないの! だから、一緒に行って協力する!! いいかな?」
ミュウツー「いいと思うぞ、母さん。」
ミュウ「え?」
ミュウツー「大体母さんはもうサトシの仲間だ。 母さんを助ける時、ゲットしたからな。 
      なあ、サトシ?」
サトシ「あ、そうだったな…」
ミュウ「…じゃあ、一緒に行ってもいいかな?」
サトシ「ああ、いいとも!」
ミュウ「やったーーー!!! サトちゃんありがとう!!」
その後ミュウはサトシの顔に抱き付いた!
サトシ「うわ!!」
タケシ「そうだ! せっかくミュウも仲間に入れたんだし、久しぶりにサトシの決め台詞を
    聞いてみたらどうかな?」
サトシ「あ、そうか! よーーーし!! ミュウ、ゲットだぜ!!!」
ピカチュウ「ピッピカチュウ!!!」
シャワーズ「ゲットだぜ!!!」
全員「あははははははは!!!」

幻のポケモンミュウを新たに仲間に追加したサトシ。 けど、ここで喜んでいる場合では
ない。 後もう少しでメテオが地上へ墜落する! 果たしてサトシは大空洞へ間に合うの
事が出来るのか!?
続く…

ソニックの後書き:
ミュウ遂に登場! 皆さんのアンケートのおかげでミュウを「♀」に決めました。 
子供っぽくしてみたんだけど…子供っぽくない…(汗) しかも中途半端?(汗) まあ、
いいか…(いいんかい!?) 今回はコゴロウとゼトラのクラスチェンジを見せられました
♪ コゴロウのクラスチェンジは「聖剣伝説
3」からので、ゼトラのはオリジナルです。 
後、クラスチェンジ中の
BGMは、デジアドのテーマソング「Brave Heart」。(爆) さて、
次回は遂にセフィロス戦編の本編で到着!! どんな戦いになるか、期待を!!