ポケットモンスター小説版
168話 ゼトラVSジャグナル! 決死の戦い

リユニオン全てを打倒し、マナの精霊全て揃えたサトシ達は、早速大空洞へ潜入した。 
その場所は見ての通り、大きな穴になっていて、どこまで続くのか分からないほど深い。 
だが、穴の中心に緑色の輝きが見える。 マグマではなく、緑色に輝く何かが。 
サトシ達はそのまま先を進むが、突然邪魔者が発生…

モンスター達「グォーーーーーーーー!!!!」
そんな突然モンスターのガーゴイルやレッサーデーモンが出現した!
グッサ!!!!! だがゼトラとアークストはあっさりとモンスターを切り倒した!
ゼトラ「フン…どいつもこいつも雑魚ばかりだ…」
アークスト「よほど待ち伏せをしていたらしいな、こいつら…」
サトシ「でも、かなりすごいモンスターばかりだな…何でこんなにいっぱい…?」
ザノア「恐らく、足止めをするために、わざわざ聖剣と
FF世界からのモンスター達を
    ここへ召還したのでしょう。 そうすれば、メテオ阻止まで手遅れになる事に
    なりますからね。」
シゲル「ったく、汚え真似するな、セフィロスの奴…」
ブルー「でも、いつもゼトラ達に頼りになってるけど、ここはあたし達も手伝った方が…」
ゼトラ「手出し無用だ。 雑魚処理は俺が何とかする。 それまでにお前達は後について
    来い。 用のないモンスターと相手にしちまったら、また後で体力を無駄に使う
    だけだ。」
ブルー「でも…」
サトシ「ゼトラの言う通りにしろ、ブルー。 体力回復にはウィスプやザノアがいるけど、
    魔力が消耗しちまったら後が問題だ。 ここは一先ず、ゼトラ達に任せよう。」
ブルー「う、うん…でも、サトシも大丈夫? こう言うのに怖くないの?」
サトシ「大丈夫さ! 最初はそう思ってたけど、今は平気。 心配する事ないさ!」
ブルー「でも…」
その後レッドは手をブルーの頭にポンッと置いた。
レッド「信じろ。 心の中に恐怖を思わないようにすれば、どんな時でも必ず恐れやしない
    って。 な、サトシ?」
サトシ「うん!」
ブルー「……………」
ブルーは少々顔を赤めた。
ブルー「………そうね!」
ブルーはそのまま顔を見上げ、微笑んだ。
そんな明るく先を進んでいるサトシ達だが、突然暗い穴から二つの光が輝いた。
サトシ「………ん?」
バッ!!! サトシはその光を気付いたら、穴の中から両手両足刃物で出来ている怪人
らしきモンスターが現れた!
モンスター「キシャーーーーーーーーー!!!!」
サトシ「うわっ!!!」
サトシ・シュウ・マロン「ピカチュウ、「
10万ボルト」!!!!」
ピカチュウ三匹「ピカッチュウ(食らえ)ーーーーーーーー!!!!」
ビリリリリリリリリリリリリリ!!!!! ピカチュウ達が繰り出した電撃はモンスターに
命中した!
モンスター「ギェーーーーーー!!!!」
ドサ!!! そしてモンスターは倒された。
マロン「やったー♪ ピカチュウやっるー♪」
ピカチュウ
3「ピッカ〜♪」
シュウ「やったな、ピカチュウ!」
ピカチュウ
2『ま、大した敵じゃなかったよ!』
サトシ「サンキュー、ピカチュウ!」
ピカチュウ「ピカ!」
イエロー「けど、何ですか、これ!? 人間ですか!?」
グリーン「いや…人間と言うよりも化け物にしか見えないが…」
アシュラ「む? これは…シザーズではないか?」
サトシ「シザーズ?」

FF図鑑「シザーズ・刃物モンスター・両手両足刃物で出来ている人型の暗殺モンスター。 
    その鋭さは岩をも砕けるほどであり、忍者のようにものすごい速さで相手を切り
    刻む。 「首狩りの鬼」と言うあだ名を持つ。」

サトシ「ひぇ〜〜〜…そ、そう言う奴なの…?」
カスミ「攻撃しててよかったね…」
タケシ「ああ、そのまま気付かずに当たってたらどうなってた所だった…」
ゼトラ「大丈夫か、お前ら!?」
サトシ「え? あ、ああ…大丈夫。」
ゼトラ「それならいいが、ポケモンをなるべく使わない方がいい! これまで敵が出現する
    前にポケモンを使ったら、ポケモンは余計疲労してしまう! セフィロスの所へ
    辿り着くまでポケモンを使うな!」
サトシ「え、でも、さっきのはたまたま…」
ゼトラ「雑魚敵は俺達が始末する! それまでに手出し無用だ!!!」
ゼトラはそう言いながら、振り向き先を進める。 だがサトシ達は、ゼトラの性格によって
気になる様子。
アキラ「な、何だよ、あいつ…何怒ってんだよ?」
ザノア「…懺悔があるんですよ。」
サトシ「懺悔?」
ザノア「つまり、悔いを持ってるんですよ、リユニオンに対して。」
サトシ「え?」
ザノア「ゼトラさんは、軍団に入ってから、リユニオンが全ての人間を敵に回していると
    ずーっと信じ込んでいました。 しかし、その裏は組織の反対者。 
    知らなかったんですよ、まさかリユニオン達はみんなセフィロスに操られていた
    なんて事を。 今まで争いをやってたのに、本当は半分無実な人達を倒して
    しまったんですよ。 例え正気に戻るとしても、彼がやった事は申し訳ない事
    だったかも知れません。」
サトシ「そうだったのか…でもそんな事で気にするなんて…」
ザノア「分かるんですよ、悪いのは人の心を勝手に弄ったセフィロスだって。 けど倒す
    だけじゃ戻らないと信じてたんですよ。 倒さず他に正気に戻す方法があるはず
    だって…そう信じてたんですよ。 まあ、彼はあー見えても頭の固い方ですが…
    本当は助けてやりたかったと思いますよ、リユニオンの正気を…」
サトシ「そうか…あれ? ちょっと待てよ? って事は、ゼトラとデルヴァとアークスト
    以外、ザノアとファンダは操られなかったんだよな?」
ザノア「ええ、元から…」
サトシ「じゃあ、何でリユニオンに入ったの…?」
ザノア「脅威ですよ。」
サトシ「え”?」
ザノア「私の魔力が頼りすぎて、仲間の治療とかで使われてしまったんですよ。 ところが、
    その正体まさか生物抹殺や世界破壊を求む団体だったとは…入隊は当然
    断ったんですが、無理矢理と…」
サトシ「そ、そうなの………気の毒だね…」
ザノア「まあ、そうでしょうね…」
サムライ「ならファンダ殿はなぜリユニオンに入ったのでござるか?」
ファンダ「金のため。」

……………
そんなファンダは即答した後、サトシ達はシラ〜〜〜〜ッとファンダに睨んだ。
ファンダ「んな訳ねえだろ!!! 冗談ぐれえ通じろっつーの!!!」
…とツッコムファンダであった。
ファンダ「情報係として入れちまったんだよ。 この世界の全てを知るためにね。」
サトシ「情報係?」
ファンダ「つまり、どの地点に力を吸収出来る大量のポケモンがいるか、どの街を破壊する
     か、どこに伝説の存在が隠されているか、などを知るための仕事なのさ。 ほら、
     前お前達の旅立ちによく奴らとちょくちょくと遭遇するだろ?」
サトシ「あ、そうか…」
ダイスケ「でもそれだとしたら一体どこからそう言う情報が届いて来るんだ?」
ファンダ「風だよ。」
全員「へ?」
ファンダ「風は空から来る物。 そして風は地上次々へと移動する姿無き自然物。 
     「伝達」や「情報」にも使われる物さ。 風と空は何でも知っている。 星と
     同じように過去や未来の事が何でも知ってるんだ。 何せ風は何百年もこの
     世界に生きていたからな。 俺は風属性のソルジャーだから、「風読み」って
     言う、風の声を読み取ったりする事が出来るんだ。 まあ、俺に取っちゃあ、
     「世界の情報システム」ってトコかな?」
サクラ「へえ、そう言う力があるんだ!」
アヤメ「じゃあ、今までリユニオンがあたし達の前に現れてるのは、ファンダのおかげ?」
ファンダ「俺のおかげっつーよりも、奴が偶然お前達と会っちまったからな…」
ボタン「じゃあ、裏切った理由は何?」
ファンダ「そりゃ当然、風の扱い方だよ。 俺が使っている風は悪事のために使うもんじゃ
     ないんだ。 世界に何が起こってるのか、どう変わっているのか、ただそれを
     知るために使ってるんだ。 どこを狙うかっつーもんじゃねえんだよ!」
ジュン「つまり、ニュースに使ってるって訳だね…?」
セイヨ「確かに正しい使い方に見えるけど…」
ファンダ「あ…? そう言えばセフィロスの奴、情報探すのに妙な頼み事も言ってたな?」
サトシ「え? 何を?」
ファンダ「いや、俺が奴んトコに入った時、突然奴が妙にこんな命令を出したんだ。 
     「世界誕生・キリスト教記録」や「世界大戦記録」などの過去記録を教えてくれ
     って…」
サトシ「え…? き、キリスト教記録って…何でわざわざそれを…?」
ファンダ「さあ、でも俺だとあいつはそんな宗教的には見えねえし…多分、これから行う
     計画と何か関係あるのか…って思ってたんだが、詳しくは分からんわ。 あいつ
     どうかしてるから、俺には分からねえ事だけどよ。」
サトシ「そ、そうなの…」
ゼトラ「おい、モタモタしてねえで、先に進むぞ!!」
サトシ「あ、はいはい、分かった分かったから!!」
カスミ「もう、これあんただけの戦いじゃないんだからね!!」
やはりゼトラは自分の怒りを沈まず、サトシ達は彼を追い続けた。 まるでゼトラが
リーダーとなったかのように見える。 だがそんなはしゃぐサトシ達だが、彼らは何も
気付いていない。 彼らの一番真上の崖の方へ、誰かに覗かれている事を…

―数分後―

あれから大空洞に潜入してから数分も経ち、まだ空洞の奥まで進んでいないサトシ達。 
かなり深いのは分かっているはず。 そんなゼトラは諦めず、しつこく出現する
モンスター達を切り倒していた。
ゼトラ「くそっ! 雑魚モンスターがしつこく出て来やがる! 全く先が進まねえ!!」
カルロス「って言うかさ…あれからこの大空洞内にいてからちょうど一日も経った…潜入
     したばかりなのにもう一日も経つなんて…時間の流れが速すぎるぜ…後二日で
     メテオ地上激突だっつーのに…」
サトシ「確かにそうだな…さすがに空洞内じゃ日の流れも見えないし…」
カスミ「は〜…もう歩けないよ〜…」
カスミはそう言いながら、突然座り込んだ。
サトシ「大丈夫か、カスミ?」
カスミ「ねえ、もう休もうよ…もうずーっと歩いてたから疲れた…」
ザノア「…少し休みましょう。 今ぐらいの時間だともう朝ですし…まだ寝てませんから、
    ここ
30分休憩でもしましょう。」
サトシ「ザノアの言う通りだな。 ゼトラ、ちょっとここで休憩しよう! みんなの疲れが
    止むまでここで一休みだ!」
ゼトラ「…しょうがねえ。 しばらく休むか…」
デルヴァ「そうそう、そう来なくちゃ♪」
サトシがそう決めた後、全員座り込んだ。 さすがに長い歩きに疲れていたらしい。
マチス「しかし、こんなにロングウォークするなんて久しぶりだぜ…」
ナツメ「うん…前はポケモンリーグでずーっと歩いてなかったからね…」
エリカ「しかもこんな坂道ですもの…当然疲れますわ…」
キョウ「コゴロウ殿、あれからどのくらい歩いたと思うでござるか?」
コゴロウ「時間じゃ分からねえ…でもこっからの高さだとまだ
50%まで歩いてないんじゃ
     ねえのか?」
アヤ「まだ半分なの…それはまだ遠いわね…下の奥は何なのか分からないし、これはホント
   に苦労するわ…」
キース「しかし…ホントに暑いぜ、ここ…めちゃくちゃ暑すぎるぜ…」
マサトシ「そんなやったらそんな分厚い服脱いだらエエやんか。」
マサトシはキースの爪の鎧の事を言っている。
キース「バカヤロー!!! サファリランドのガーディアンとバーサーカーの証であるこの
    鎧を、そう簡単に脱ぎ捨てられるかーーー!!!」
マサトシ「そ、そなんか!?」
サトシ「そうだな…暑さと湿気と言ったら…ウンディーネ!」
ポン!!! サトシの掛け声で、ウンディーネが現れた。
ウンディーネ「はーい、ダーリン♪ ウチを呼んだー?」
サトシ「ああ、ちょっと暑いんでね。 みんなに涼しい雨を掛けてくれないか? 体冷やす
    ために丁度いいから。」
ウンディーネ「オッケー♪ ダーリンの頼みなら何でもするねん♪ いっくでー!! 
       はっ!!」
サーーーーー!!! ウンディーネは雨を呼び、そのままサトシ達に浴びた。
カスミ「うわーーー!! 気持ちいいーーー!!」
ムサシ「何かこの気持ちいい感触久しぶりね…」
コジロウ「ああ、ずーーーっとやな感じな生活してたからな…」
サトシ「ふー…やっぱ気持ちいいぜ…サンキュー、ウンディーネ!」
ウンディーネ「ダーリンが喜ぶはウチの喜びや
v
ゼトラ「……………」
ゼトラは雨を浴びながら、気を静めていた。
ゼトラ「…!!! 「烈風斬」!!!」
ザシューーーーー!!! ドカーーーーーーーン!!! その時ゼトラは何かを感じ、
思いっきり刀から真空波を撃ち放った! そして攻撃は遠くにある岩に命中した!
サトシ「え!? 何!? 何だ!?」
ウンディーネ「何やねん、いきなり!?」
コゴロウ「どうしたんだ、ゼトラ!?」
ゼトラ「そこにいるのは誰だ!? 姿を見せろ!!!」
ゼトラは刀を構えながらそう言った。 その後、崩れた岩と煙から人影が現れた。
フウコ「え!? 誰、あれ!?」
ドリオ「セフィロスか!?」
その時影はこう言った…
???「…まさか俺の気配を感じ読めたとは…さすがに腕を上げたな、ゼトラ…」
ゼトラ「…!」
とその後、影は煙から出て行き、姿を現した。
???「だが、その強さじゃ勝てまい!!」
そう、その正体は、ゼトラの師匠、「竜帝王軍団」団長のジャグナルだった!
ゼトラ「し、師匠!?」
サトシ「な!?」
ジャグナル「久しぶりだな、ゼトラ。」
マサ「あ、あいつもリユニオンの一員か!?」
ミサ「まだもう一人いたの!?」
シュウ「って言うか、あいつ、ゼトラの師匠だって!?」
サトシ「あ、ああ…本人はそう言ってるけど…」
ゼトラ「…どうもリユニオンを全て倒してもまだ足りないと思ったら、師匠、
    残ってたんだな?」
ジャグナル「切り札とでも言おうか。 セフィロスはそう言うくだらん命令を俺に告げた
      からな。 しかし、本当に久しぶりだな、ゼトラ…」
ゼトラ「ああ…サファリゾーンで突然イグゼスの側に姿を現した以来だな…」
ジャグナル「フン、あの時は使命自体興味なかっただけだ。 ポケモンの力なんぞ俺には
      必要ない事だ。」
ゼトラ「フン、師匠らしいな。」
イミテ「ねえ、今、何言ってんの?」
サトシ「分からない…けど、こいつはかなり手強い相手かもしれないぞ…みんなも気を
    付けるんだ。」
そう言いながら、サトシ達はモンスターボールを構える。 が、その時、ゼトラは
サトシ達の前に手を出した。
サトシ「…!」
ゼトラ「サトシ、悪いがここは俺に任せろ。」
サトシ「え!? でも…!!」
ゼトラ「師匠はお前の相手に過ぎない。 お前達じゃ手強すぎる。 師匠の相手は俺だけで
    十分だ。」
デルヴァ「なら俺達も戦うぜ!」
アークスト「我々も同じリユニオンの裏切り者だ。」
ファンダ「力合わせばどうって事もねえぜ!」
ザノア「そうですよ! 私達も協力します!」
ゼトラ「…それは出来ない。 お前達でも師匠は倒せない。」
デルヴァ「え!?」
ゼトラ「倒せるのは…俺だけだ…」
ジャグナル「フッ…まあ、そう言う事だろうな、出来ればな。」
アークスト「…仕方がない。 ここは一先ずゼトラに任せよう。」
デルヴァ「な!? アークスト!!」
アークスト「確かにジャグナルは強い。 予想以上の強さを持っている。 多分、他の
      戦ったリユニオン達より上回る相手かも知れん。 ここは見るしかないだろう、
      ゼトラの戦いを…」
デルヴァ「けどよ…!!」
その時サトシはデルヴァの背中を叩いた。
サトシ「信じよう。 ゼトラには不可能はないはず。 絶対に勝つよ。 そう信じて
    おけば。 俺はゼトラが絶対勝てると、信じてる。」
デルヴァ「サトシ…」
カスミ「サトシ…」
ジャグナル「なら決まりだな。 俺とお前だけの勝負とでも行こうか。」
ゼトラ「…こんな所で再会し、今更勝負とは…いい度胸をしてるな、師匠。」
ジャグナル「当たり前だ。 俺は戦うために生きているんだ。 それ以外何もない。 いざ、
      尋常に勝負!!!」
ササッ!! ゼトラは刀で構えるが、ジャグナルは刀を使わず、素手で構えた!
ジャグナル「てや!!!」
ヴン!!! ジャグナルは素早く前進に拳を出すが、ゼトラはそれを上手く交わせた!
ジャグナル「うらららららららーーー!!!」
シュシュシュシュシュ!!! ジャグナルは連続に拳を出すが、ゼトラはそれを素早く
交わし続ける!
ライゾウ「な、何だあいつは!?」
ミズキ「刀持ってるのに素手で攻撃してるぞ!?」
アツシ「これじゃあ相性とても違いすぎるじゃないか!?」
アークスト「いや…それが奴の戦い方だ。」
サトシ「え?」
アークスト「あいつは…ジャグナルは…只者じゃない。」

ジャグナルは攻撃し続けるが、ゼトラはただただ交わし続けるだけ。
ジャグナル「…交わしてるだけじゃ、意味ないだろ!!!」
ヴン!!! ジャグナルはもう一発拳を素早く振り落とすが、ゼトラはそれを素早く
避けた!
ゼトラ「別に逃げてる訳じゃねえからな。」
ジャグナル「ならさっさと攻撃したら、どうだ!!!」
ドカッ!!! ジャグナルは蹴りで攻撃するが、ゼトラはそれを上手く腕で受け止めた! 
しかし、それが原因か少しダメージを受けたようだ。
ゼトラ「くっ…言われなくても…分かってるぜ!!!」
ドカッ!!! ゼトラは蹴りで攻撃するが、ジャグナルは同じくそれを上手く腕で受け
止めた!

ザザッ!! その後お互いは一瞬に離れた。
ジャグナル「…少し腕を上げたようだな? あの時よりも…」
ゼトラ「ああ…ガキの頃、師匠と初めて会った時よりも腕を上げたさ。 セフィロスを
    ぶっ潰すためにな!」
ジャグナル「フン、そうか…だが今のは互角ではない。 もちろん、俺以上でもないな。」
ゼトラ「そんなの最後まで試してやんねえと、分かんねえぜ!!! 「烈風斬」!!!」
ザシューーーー!!! ゼトラは刀から真空波を撃ち放ち、ジャグナルの方へ向かう!
ジャグナル「フン!!!」
ドカーーーーーーン!!! だがジャグナルは拳で真空波を殴り消した!
サトシ達「な!?」
ジャグナル「試してやらないと、か…不運に無理のようだな。」
ゼトラ「…無理なんかじゃねえよ。 ちゃんと見てなけりゃな!」

その間サトシ達は、戦いを見ていた。 見事に呆然に…
ヤス「…何か、すっげえ戦いになってないか…?」
カズ「リユニオンと戦った時よりも迫力がある…」
タイチ「ゼトラお兄ちゃん、勝てるかな…?」
アークスト「…分からない…もしもジャグナルよりも超えていたらな…」

ジャグナル「フッ、こうやって戦うのも久しぶりだな。」
ゼトラ「ああ、今でも思い出すよ…ガキの頃、俺が孤独だった時代…森の中で師匠が修行を
    している所を見た時な。 あんな風に修行すれば、師匠のように強くなれるの
    かなってね…だが、何度も修行しても、師匠は俺の強さを認めてくれなかった。 
    まだ未熟だと…その一言で師匠は俺の前から消え去ったな。 だが俺は師匠よりも
    強くなるために、何度も激しく修行した。 あの暗い森の中、独りで………だが
    数年後だ。 俺がリユニオンに入った時、師匠が仲間に入っていた事を…俺は
    信じられないほど、それに驚いていた。 まさか師匠がリユニオンの一味だった
    とは、俺は思わなかったからだった…」
ジャグナル「…そんな事で驚いていたのか?」
ゼトラ「「そんな事」?」
ジャグナル「お前には分かっておるまい。 伝説のソルジャーの強さと言う物を。 
      リユニオンは伝説のソルジャー達の軍団。 強さと闘いにだけに生きる者だ。 
      お前はそれ以外にだけ生きていただけだ。 だからいつまでも強くならん!」
ゼトラ「何…!?」
ガッ!!! その時ジャグナルは一瞬素早く拳を出したが、ゼトラはそれを素早く受け
止めた!
ゼトラ「じゃあ一つ聞く!! 師匠は何故リユニオンに入った!?」
ヴン!!! ゼトラは刀を振り出したが、ジャグナルはそれを素早く避けた!
ジャグナル「強い相手と戦うためだ。 セフィロスは俺の戦力が必要と言い、わざわざ
      入ったのだ。 この星がどうなろうと、俺には関係ない事だ。」
ヴン!!! ジャグナルは拳を素早く出すが、ゼトラはそれを素早く交わした!
ゼトラ「何言ってんだ!? セフィロスは師匠の力を利用しているのだぞ!?」
ヴン!!! ゼトラは再び刀を振り落とすが、ジャグナルはそれを見事に避けた!
ジャグナル「それがどうした。 俺よりも超える者と戦うのが俺の望み。 それ以下の者が
      どうなっても、俺の知った事だ。 生死の戦い、それが俺の生きがいだ!!」
ガッ!!! ジャグナルは蹴りで攻撃するが、ゼトラはそれを素早く受け止めた!
ゼトラ「何ふざけた事を言ってんだ!? そんなのセフィロスに利用されても
    いいのか!?」
ヴン!!! ゼトラは再び刀を振り出すが、ジャグナルはそれを素早く避けた!
ジャグナル「お前にはまだ分からないだろう。 戦いには善も悪もない…唯一にあるのは
      生か死だけだ! 戦いは生死を決めなければならない。 強ければ生きる。 
      弱ければ死ぬ。 それが戦いの唯一の掟だ!!」
ゼトラ「……………」
ドカッ!!!! ジャグナルは素早く拳を出すが、ゼトラはそれを見事に受け止めた!
……………だが、その間二人は今の状態のまま全く動かなくなった。

一方サトシ達は、まだ呆然のまま戦いを見ていた。
キヨミ「な、何? どうしたのかしら?」
ケイタ「動きが一瞬に止めた…?」
ルミカ「しかもずーっと何か会話していましたが、何の事でしょうか?」
サトシ「分からない…けど、何か起こるかもしれない…何かすごい事が…」

その間ゼトラとジャグナルは、今の状態のまま、全く動かない。
ゼトラ「………師匠、昔俺にこう言ったよな?」
ジャグナル「…?」
その後二人は動き始め、普通の体制に戻った。
ゼトラ「…『強くなるためには情も心を無くし、怒りと憎しみ、力と戦だけに生きる。 
    善と悪を無用し、生と死のどちらかを選ぶ戦いに進め。 弱は死の証、強は生の証。 
    戦に生き延びるのなら、強さだけに導け』…そう言ったよな?」
ジャグナル「……………」
ゼトラ「俺は今時やっと気付いた。 師匠の言葉自体、
100%間違っているって事をな。」
ジャグナル「何?」
ゼトラ「…戦いには、生死の判断などいらない。 強弱の判断までも必要ない。 弱は死の
    証ではない。 強も生の証でもない。 そんな事だけに戦いに出ちゃ、一生って
    言う短い物を無駄にしちまうだけだ。 俺はこの世界へ来る前に、師匠と
    同じように戦いは俺の生きがいだと思っていた。 だけど、何のために戦って
    いるのか知る事さえなかった。 だが、サトシと出会ってから、俺は分かったんだ。 
    あいつを見ていてから、何のために戦っている事全てを………サトシはその答えを
    俺に教えてくれた…師匠の戦い方は俺達と明らかに違うんだ。 俺達は………
    想いがあるこそ戦ってるんだ。」
ジャグナル「(……想い……?)」
ゼトラ「だから俺は誰も殺せない、想いがある限り。 想いがあれば、どんな戦いでも最後
    まで生きられる。 俺にはこの戦いにおける想いがあるんだ。 …仲間と、その
    愛する人達や家族達を守るために…そして………輝けるたくさんの笑顔を送り
    出した、平和と言う希望の物を生み出した、この世界を守るために!!」
ゼトラはドンッと響くその一言で、ジャグナルに言い付けた。 どうやらジャグナルは、
その事で驚いているようだった。

ジャグナル(…世界………こいつは本当に………この世界を救おうとしているのか…!?)

サトシ「ゼトラ…」
サトシはゼトラの言葉で感動していた。
ゼトラ「行くぞ!!!」
ダッ!!! その後ゼトラはものすごく早く前進し始めた! そしてジャグナルはそれに
気付いた。
ジャグナル「甘く見るな、バカタレが!! 貴様には戦いと言う物を分かっちゃ
      いない!!! 分からないのなら見せてやろう、貴様が今から恐れる真の戦
      と言う物を!!!」
ザッ!!! その後ジャグナルは一瞬に両腕を顔まで組み上げた!
ゼトラ「…!!! この構えは…!!」
ジャグナル「「炎竜旱天(えんりゅうかんてん)」!!!」
ブォーーーーーーーーー!!!! ジャグナルの口から灼熱の炎を吐き出した!
ゼトラ「ぬあ!!」
しかしゼトラはそれを上手く、素早く避けた!
サイゾウ「ぬお!? 何なんでござるか、今のは!?」
カツラ「口から火炎を!? 「火炎放射」か!?」
ゼトラ「…「炎竜旱天」…鉄をも溶かす灼熱の炎を吐き出す炎竜の技…だろ?」
ジャグナル「ほう、よく分かったな。 なら次はどうだ!?」
ダッ!!! その時ジャグナルは高く飛び上がった!
ゼトラ「…!!!」
ジャグナル「「地竜黄塵(ちりゅうこうじん)」!!!」
ドカーーーーーン!!!! ジャグナルは上空から想いっきり地面を踏み入れ、地面を割れ
させたが、ゼトラはそれを素早くジャンプで避けた。
カツコ「こ、今度は大地を割ったわ!?」
サカキ「な、何と言う踏み込みのパワーだ!?」
ゼトラ「…「地竜黄塵」…大地を砕き、相手の動きを封じさせる地竜の技…だろ?」
ジャグナル「…そこまで「竜の技」を学んでいたとは、さすがだな? だが、次は
      分かるか!? 「水竜螺旋(すいりゅうらせん)」!!!」
ズァシューーーーーーー!!! ジャグナルは素手から渦巻く水を噴射させた!
ゼトラ「うぉーーーーーーーー!!!!」
ヴィーーーーーーーン!!! ヴァシャ!!! だがゼトラは刀を扇風機のように回転させ、
水を打ち消した!
ゼトラ「「水竜螺旋」は渦巻く水を撃ち放ち、相手を螺旋に惑わしながら攻撃する水竜の
    技!!」
ジャグナル「それも知っているのか。 ならこれはどうだ!? 「雷竜落殺(らいりゅう
      らくさつ)」!!!」
ドカーーーーーーン!!! ジャグナルは雷を落とすが、ゼトラはそれを素早く避けた!
ゼトラ「「雷竜落殺」は天から落ちる雷を相手に落とし、天罰を与えさせる雷竜の技!!」
ジャグナル「それもか…ならこれは何だ!! 「氷竜烈結(ひょうりゅう
      れっけつ)」!!!」
ヒュオーーーーーーーー!!! ジャグナルは全身から吹雪を撃ち放った!
ゼトラ「「龍炎刃(りゅうえんじん)」!!!」
ザシューーーーーン!!! だがゼトラは燃え上がる刀で吹雪を切り上げた!
ゼトラ「「氷竜烈結」は強力な吹雪を起こし、相手を凍らせる氷竜の技!!」
アイ「な、何なの、あの人? 水を出したり、雷落としたり、吹雪き出したり…一体どう
   言う技を使ってるの!?」
アツコ「でも何でゼトラはあんなに技の事詳しいのかしら…?」
ジャグナル「ほう…なかなか詳しいんだな? 竜の技を簡単に分かるとは…」
ゼトラ「ヘッ、「竜人(ドラゴンレイス)」の技ぐらい、ガキの頃から師匠からよく見学
    したさ!」

サトシ「「竜人(ドラゴンレイス)」?」
アークスト「そう…ジャグナルは竜人。 竜の人間だ。」
サトシ達「何だって!?」
シュウ「って言うか、何だよ、そのドラゴンレイスっつー奴!?」
アークスト「竜人、それは別世界で存在された竜族の人間だ。 とは言っても、本性は人間
      ではないがな。 竜人は、魔界から来た種族であり、それぞれ戦いのために
      生きた種族なのだ。 半分は戦に出る竜人はいるが、半分は平和に生きる
      竜人もいる。 竜人は様々な竜の力を持ち、それを戦に利用されている。 
      姿を説明すると、竜人の成長は誕生から
18(歳)までは人間型になって
      いるのだが、
19では「*半竜化」になってしまう仕組みになっている。 だが、
      一年経って社(やしろ)と言う場所である儀式を行うと、成人になり、人間型
      に戻ると言う仕組みになっている。 ジャグナルはその成人の姿だ。 成人に
      なれば、それなりの力が増すと聞く…まあ、簡単に説明すると、竜人は竜の
      血を引く人種であり、戦に生きる種族の事だ。 即ち、人間より上回る力を
      持っている。」
サトシ「そ、そうなの…?」

*半竜化:半分人間半分竜と言う意味。 獣人と同じような形態である。

ファンダ「竜人!? そう言えば聞いた事あるぞ!? 確か別世界では竜人の村は、現在
     何者かによって滅ぼされ、今でも竜人は絶滅したと聞いた事が…!!」
ココナッツ「え!? じゃあ、そのジャグナルって人がそれの生き残り!?」
アークスト「かも知れない…だとしたら、彼はこの世界唯一の竜人に違いない…そう、唯一
      最強の竜人…それでゼトラが超えるかどうかが心配だ…あいつはジャグナル
      よりも上じゃない…勝つか負けるか、簡単に判断する事も出来ない結果だ…」
サトシ「ゼトラ…」

ジャグナル「そこまで竜人の技を良く知るのなら、これは何なのか分かるか!? 
      「死竜獄殺(しりゅうごくさつ)」!!!」
ズガーーーーーーー!!! ジャグナルは地面から血に濡れた巨大な刺を生み出し、
ゼトラに攻撃した!
ゼトラ「…!! 「旋風剣(せんぷうけん)」!!!」
ザシャ!!! ゼトラは回転しながら刺を全て切り裂いた!
ゼトラ「「死竜獄殺」…血に濡れた処刑用の刺地獄を相手に襲い掛ける死竜の技…」
ジャグナル「ほう、さすがゼトラ。 そこまでも知っているとは、ならこれはどうだ!! 
      「光竜閃華(こうりゅうせんか)」!!!」
カッ!!! ジャグナルは突然全身から閃光を出し、それをゼトラに浴びた!
ゼトラ「うわっ!!!」
眩しい閃光を受けたゼトラは、目を閉じた。 サトシ達同様、目を閉じながら閃光を浴びて
いた。
ヒバリ「な、何これ!?」
スバル「眩しすぎて何も見えない…!!」
ゼトラ「くっ…「光竜閃華」…巨大な閃光を放ち、相手の目を眩ませる光竜の技…!! 
    うかつに引っ掛かってしまった…!!」
その後閃光が収まり、ゼトラ(もちろんサトシ達)は目を開けるが、そこにはジャグナルの
姿がなかった!
ゼトラ「なっ…!!」
ツグミ「き、消えたわ!?」
カイト「どこへ消えたんだ!?」
エニシ「さっきの閃光のせいでどこへ消えたか分かんないよ!!」
ゼトラ「…!! そこか!!!」
その時ゼトラは真上を見上げ、そこにジャグナルがいた事を気付いた!
ゼトラ「「烈風斬」!!!」
ザシューーーー!!! グサ!!! ゼトラは刀から真空波を撃ち放ち、ジャグナルは切り
裂かれた!
コウム「やった!! 命中した!!」
セイジ「って、いいのか、それ!? 切り裂いたんだぞ!?」
ヨシキ「これでゼトラの勝ちか!?」
ゼトラ「…違う…」
サトシ達「え?」
ゼトラ「あれは…」
スゥッ…!!! その後切り裂かれたジャグナルの姿は、突然消えた!
ゼトラ「幻!?」
ジャグナル「その通りだ。」
ゼトラ「!!?」
その時ジャグナルはいつの間にかゼトラの背後から現れた!
ジャグナル「「剣竜斬掌(けんりゅうざんしょう)」!!!」
ヴン!!! ジャグナルは手刀で攻撃したが、ゼトラはそれを素早く交わした!
ゼトラ「な、何!?」
ジャグナル「よく避けたな。 ならこれは避けるか? 「鬼竜血爪(きりゅう
      けっそう)」!!!」
ザシュ!!!! ジャグナルは爪から紅い真空を引き出し、ゼトラに攻撃したが、ゼトラは
それを早く交わせた。 しかしゼトラの右頬から掠り傷を負った。
ゼトラ「ちっ…!!」
ジャグナル「ほう、よく避けたな? さすがそのまま切り裂かれずに済んでよかったな…」
ジャグナルがそう言っている間、ゼトラは頬の傷から出て来た血を拭き取った。
ゼトラ「フン、技を分かりゃ当然さ。 最初に使った技は「幻竜夢心(げんりゅう
    むしん)」…自分の幻、及び分身を作り、相手を罠に引かせる幻竜の技。 
    「剣竜斬掌」は刃物のように鋭くなった手刀で相手を切り裂く剣竜の技。 そして
    「鬼竜血爪」は爪から紅い真空を発揮させ、相手をその真空に切り裂ける鬼竜の技
    …そう言うもんだろ?」
ジャグナル「…さっきからしつこく言うな、技の説明など言って。 無駄口を言う暇が
      あるのなら攻撃したらどうだ。 避けてばかりじゃ勝負にはならんぞ。 だが
      これで分かるだろ? 俺には竜人の技を持っている。 それを持たないお前は
      俺の倒すなんて無理な事だ。 竜人は唯一最強の一族。 誰の手に滅せられ
      ない存在なのだ! 余計な想いなど俺にはいらん!!」
ゼトラ「くっ………」

カオルコ「あの…ゼトラさん、負けそうに見えるのですが…」
サユリ「確かに、あのジャグナルの方が強くなっているように見えるけど…」
ウミオ「やっぱ、竜人っつー奴のジャグナルじゃ勝てないのか、ゼトラは!?」
ソラオ「何か勝ち目があるはずなんだけど…僕達じゃ手を出せられない…」
スイート「このまま見てるだけじゃ無理よ…!!」
デルヴァ「……………」
その間デルヴァは、歯を食い縛りながら、焦り始めた。

デルヴァ(…確かに、竜人じゃ人間に近いゼトラには勝てねえ…あんな竜の技を持った
     としても、ゼトラが攻撃する隙がねえ!! 俺達じゃ手も出せねえし、見てる
     だけじゃどうしようもねえ!! 何かあるはずだ…ゼトラが勝つ方法…一瞬に
     ジャグナルを倒せる方法………ん? 待てよ? 一瞬? …ちょっと待てよ…
     そう言えばあの時………)」
その時だった。 彼の頭の中から、第
98話にあったグレン島での戦いを思い出した。 
そう、デルヴァがゼトラに倒された時…

デルヴァ「…そうだ、あの技だ!!」
サトシ「え?」
デルヴァ「ゼトラ!!!」
ゼトラ「え…!?」
ジャグナル「ん?」
デルヴァ「ゼトラ、お前にいい事を見つけたぞ!!」
ゼトラ「バカヤロー!! 今はそれ所じゃねえだろ!! 今は俺に口出しするな!!」
デルヴァ「何言いやがんだよ!? たまには人のアドバイス聞きやがれ!! そんな状態
     じゃ、ジャグナルには絶対勝てねえぞ!!」
ゼトラ「んだとーーー!?」
ジャグナル「フン、当然な事を言う奴だな。」
デルヴァ「俺には分かったんだよ、ジャグナルを一瞬に倒せる方法が!!」
ゼトラ「………え?」
サトシ達「え?」
ジャグナル「何?」
デルヴァ「ゼトラ、あの技を使え!! 一瞬ザッと切り裂くあの技を!!」
ゼトラ「あの技…?」
デルヴァ「思い出せ!! あの時グレン島で俺を倒した事を! あの時突然引き出した見た
     事もない必殺技をだ!!」
ゼトラ「グレン島の時の…技? …!!!」
その時ゼトラはグレン島の時の戦いを思い出し、自分の刀を見詰めた。
ゼトラ「まさか…あの技を…?」
デルヴァ「そう、今まで使った事もない新必殺技だ!! そいつを使えば、一瞬に
     ジャグナルを倒せる!! 俺を倒した時と同じように!!! やれ、
     ゼトラ!!! 未知なる剣技で、お前の師を超えるんだ!!! お前でも
     気付かなかった、あの奇跡の瞬間をな!!!」
ゼトラ「デルヴァ……………分かった。 やってみよう!」
ジャグナル「む?」
サッ!!! その後ゼトラは、刀をしまうような体制にし、しばらくの間動きを止め始めた。
ジャグナル「……………」

ラン「な、何? 何やってんの?」
リン「突然刀をしまったわよ!?」
リョウマ「おい、まさか、降参でもするつもりか!?」
デルヴァ「いや、違う…これから出すんだよ。 あいつが自分自身生み出した、新必殺剣を
     な!」
サトシ達「え!?」
デルヴァ「あの技さえ使えば、何もかもゼトラの勝ちだ。 ゼトラなら絶対出来る…あの時
     俺を倒せた…奇跡を起こした技を…!」

その間ゼトラは全く動かず、いつもの体制のままに立ち止まっていた。
ジャグナル「…何をするかは知らんが、そんな事してもお前は俺には勝てない。 例え
      奇跡があったとしても、決して勝利を得ない。」
ダッ!!! その時ジャグナルは飛び上がった!
ジャグナル「なら全てを終わらせてやろう! 貴様とそのくだらぬ想いと言う物を、無に
      還すまでにな!!!」
ゼトラ「……………」

トミオ「やばい、攻撃を仕掛けようとしてるぞ!!!」
ユウキ「このままじゃゼトラはやられちゃうわ!!!」
デルヴァ「いや、やられやしない…奇跡がある限り、奴は決して、くたばりゃ
     しねえ!!!」

ジャグナル「砕け散れ、「天竜虎博(てんりゅうこはく)」!!!」
ドカーーーーーーン!!!! ジャグナルは拳で思いっきりゼトラの方へ殴り突き、大きな
爆発を起こした!
サトシ「…!! ゼトラーーーー!!!」
デルヴァ「………!!」
その後煙からジャグナルが見え始め、彼の前にはゼトラはいなかった。
ジャグナル「フン…愚かな奴が。 自分の弱さを知って死を選ぶとはな。 所詮弱者
      当然だ。」

???「…甘く見てんのは師匠の方だぜ。」

ジャグナル「!?」
どこから来たのか分からず、ジャグナルはゼトラの声を聞こえた。
ゼトラ「…「天竜虎博」は、拳に全力を入れさせ、その破壊力で全てを粉砕させる事が
    出来る天竜の技…そう、竜人の究極奥義の一つだ。 だがその技、俺には
    効かなかったなんて…残念だったな。」
ジャグナル「…!!!」
その後煙が収まった後、ジャグナルの後ろにはゼトラの姿だった! しかも、いつもの
体制のまま、彼の後ろに立ち止まっていた。
サトシ「ゼトラ!!」
コゴロウ「無事だったんだな!!」
ゼトラ「俺をがっかりさせたな、師匠…まさか師匠は戦いの本当の意味を知らずに、ただ
    無心のままに生きていたなんて…水に流すように考え直せば、正しい道に
    進められたのに…自分の力と誇りを無駄に使い捨てしたな。 けど、今から目を
    覚ましてやるぜ…本当に生きる、想いのある戦いって物を!!!」
シュン!!! その時ゼトラは一瞬に姿を消した!
ジャグナル「し、しまっ…!!!」
グサッ!!!!!!!!! そしてゼトラは一瞬にジャグナルを刀で素早く切り
飛ばした!!

…究極必殺剣、「烈殺死影斬(れっさつしえいざん)」!!!

その瞬間、ジャグナルが飛ばされた最中、サトシ達は固まったまま、その瞬間を見ていた。
ジャグナル「………バカ…な………まさか…ここまでの…戦力が…最終的に…残っていた…
      と……は………」
ドサッ!!! そしてジャグナルはそのまま倒れ落ちた。
ゼトラ「………「烈殺死影斬」は、一時的に気を無にし、瞬時に無音と共に相手を切り裂く、
    伝説のソルジャーの唯一究極の剣技。 だが、これは名前の通り人を殺す技じゃ
    ない。 死なぬ程度で体力を限界まで消耗させる技だ。 そう、これは奇跡の技…
    人の命を奪わずに、気絶にさせる技だ。 …戦いは…誰が生きるか死ぬか…
    そう言うもんじゃねえんだよ…」
カチッ! その言葉を言い終わったゼトラは、刀を鞘に戻した。
ケン「や、やったのか!? ジャグナルを倒せたのか!?」
ザノア「…体力はほぼ
1%ギリギリ…もう全滅でしょうね…」
サトシ「ゼトラ、大丈夫か!?」
ゼトラ「…ああ、俺は平気だ…」
ユウタ「けどすごかったぜ!! まさかあんなすっげー一撃必殺技を持ってたなんて
    よ!!」
シンジ「さっきの瞬間、動きも全く見えなかったぜ!?」
アークスト「しかし、見た事もない技だ…お前にそんな技を持っていたとは…」
ゼトラ「偶然じゃねえよ。 前から自然に出て来た奇跡の技だ…もしもデルヴァがその事を
    俺に伝えていなかったら…俺は師匠に負けると思っていたよ…この技を使わずに
    な…」
デルヴァ「…ま、そう言う事だな。 だってあの技、俺を倒した技だからよ。」
ウンディーネ「しかし…ホンマすごう戦いやったね…ウチ、完全に固まってたわ…」
今まで出たまま戦いを見ていたウンディーネはそう言った。
サトシ「とにかく、怪我はないか?」
ゼトラ「掠り傷だけだ。 大した事はない。」
サトシ「でも…ウィスプ!」
ゼトラ「え!? お、おい!!」
ポン!! サトシの掛け声で、ウィスプが現れた
ウィスプ「チーーーッス!!! 僕を呼んだッスか?」
サトシ「ウィスプ、悪いけどゼトラの掠り傷、治してくれないか?」
ゼトラ「お、おい!」
ウィスプ「いいッスよ! サトシさんがの頼みは何でもオッケーッス! では、
     行くッスよ! 「ヒールライト」!」
パァッ!! ウィスプはゼトラの頬にあった掠り傷を治し消した。
ウィスプ「これでばっちりッスよ!」
ゼトラ「…ったく、細かい事をしなくていいのに…」
サトシ「何言ってんだよ? 細かい事でも心配するさ! だって俺達、仲間だろ?」
ゼトラ「………フッ…そうだな。」
サトシの言葉を聞いたゼトラは、少し笑んだ。 その後ウィスプはジャグナルの方へ飛んで
行った。
ウィスプ「ゼトラさん、こいつはどうするッスか?」
ゼトラ「…しばらくそうっとしてくれ。 時間が立てば治るだろう。」
サトシ「え、いいのかよ、それ!?」
ゼトラ「心配は及ばねえよ。 何れ時間が立てば、師匠の体調も元通りになるはずだ。 
    何せ肉体的頑丈だからな。」
サトシ「そ、そうなの…?(一撃倒したのに…?)」
ゼトラ「それに…師匠には操られた気配はない。 正気のまま、俺と戦っていたよ。 
    無心にな…」
ザノア「そうなんですか…」
サトシ「よし、とにかく早くこの空洞の最深部へ急ごう! メテオ激突まで二日と言っても、
    時間がない! 早速出撃するぜ!!!」
全員「おう!!!」
そして仲間達はそのまま先に進む。 だがゼトラはそのまま立ち止まっていた。 それを
気付いたサトシは、歩き止り、ゼトラの方へ振り向いた。
サトシ「ゼトラ?」
ゼトラ「…先に行ってくれ。 俺は後で行く。 ちょっと師匠に言い残したい物がある
    からな。」
サトシ「あ、ああ…」
そう言いながら、サトシは先に進んだ。 そしてゼトラは、一撃に倒されたジャグナルを
見詰めながら、こう語った。

ゼトラ「………師匠…師匠は何のために生きてるのかは俺には知らねえが、これで戦いの
    意味を分かったと思うだろ。 もしも目が覚めれば、師匠は必ず正しい道に進むと、
    俺は信じてる。 けど、多分半分は師匠が当たってるかも知れない…この戦いは
    何れにせよ、生死どちらかの戦いになる。 セフィロスは確かに強い。 師匠
    よりも超えるほどの力を得てるかもしれない………一歩でも間違えれば、もう
    仲間と会えなくなるかもしれない……けど、勘違いしないでくれ。 例え師匠が
    当たってるとしても、この戦いには誰にも死なせやしない。 俺の想いがある限り、
    必ず仲間とこの世界を救ってみる。 その時まで…覚悟は出来ている。 
    中途半端な気持ちじゃないからな。」

そう言った後、ゼトラは自分の背を向き、そのままサトシの後を追いに行った。
…その後倒れていたジャグナルは、目を開けた。 どうやら意識が戻ったらしい。

ジャグナル「………本物だ………あいつは本当に…この世界を救おうとしている…。」

大空洞でリユニオンの最後の一員、ジャグナルと戦い、見事に勝利を得たゼトラ。 
大空洞の最深部まで後僅か! 果たしてサトシ達はセフィロスの野望を無事阻止
出来るのか?
続く…

ソニックの後書き:
今回はちと
RAVEをパクッた気がする。(笑) って言うか、ほぼRAVEネタになってる
わ。(汗) 殆どジャグナルの技は
RAVEに登場するレット様(様!?)の技だけど、
後はオリジナルなのよね。 名前考えるの結構苦労したな…って言うか文章変。(汗) 
次回もスランプ並になるかも知れん。 あ〜どうしよう…(悩)