ポケットモンスター小説版
174話 マサラタウン! 新たなる旅立ち

…ここはマサラタウン。 マサラは真っ白始まりの色で、ポケモントレーナーを目指す少年
少女達の冒険を始める場所である。 以前は田舎町に近かったこの町は、更なる変化がした。 
なかったはずのポケモンセンターや交番、もちろん波止場ポートも新たに建設され、この町
も有名となって行った。 ポケモンセキエイリーグが終わり、あの伝説のソルジャー
セフィロスとの戦いも終わってから一週間も経ち、この町、いや、世界は平和になっていた。

そんな平和な町にいるのは、セキエイリーグポケモンマスターで、救世主トレーナーの勇崎 
智(ゆうざき さとし)。 彼は平凡そうに休んでいた。 そこには彼のポケモンの
ピカチュウとシャワーズ、そして兄のレッドもいた。

サトシ「はぁ〜…今日も平和だなぁ…。」
レッド「ああ…セフィロスとの戦いが終わってからもう一週間も経つからなぁ…。」
シャワーズ「リーグ戦に勝ったし、ロケット団も解散したし、今日も平和だね!」
ピカチュウ「ピッカァ!」
サトシ「こんなに平和そうに休むなんて…久しぶりだぜ…。」
レッド「ああ…あれから動き回ったり、戦ったりしたもんなぁ…。」
サトシ「けどぉ…何か退屈な気分だなぁ…。 どっか行きたい気分だし…。」
レッド「そりゃあ、あれから一週間も経ってずーっと家にいたもんな…。 確かにどっか
    行きてぇよな…。」
シャワーズ「そう言えばポケモン図鑑の完成の仕事はどうするの?」
サトシ「うっ…。」
レッド「…そう言えば最近やってねぇな…。」
シャワーズ「ねぇ、大丈夫なの、それやんなくて?」
サトシ「だ、大丈夫さ! こう言う時にはパパッと終わらせるよ!」
レッド「けどよぉ…カントー中にまだ無登録のポケモンを探すのって更に大変じゃ
    ねぇか?」
サトシ「だよなぁ…あぁ、オーキド博士がその事で怒ってなければいいんだけど!」
ガチャッ! その時ドアが開き、そこから母親のハナコが出て来た。
ハナコ「サトシ、レッド、さっきオーキド博士からの電話が来たわ。」
サトシ「え!? オーキド博士から!?」
レッド「で、何て?」
ハナコ「分からないけど今から研究所に来てくれないかと言ってたわ。」
サトシ「ま、まさか…。」
レッド「図鑑の事じゃ…。」
ハナコ「さあさあ、いつまでも休んでないで、お外に出掛けてらっしゃい! いつも
    休んでるだけじゃ体が腐っちゃうわよ!」
サトシ・レッド「はぁ〜い…。」

―オーキド研究所―

ここはオーキド博士の研究所。 オーキド博士の住んでいるポケモン研究所である。 
サトシとレッドはそこに辿り着き、中へ入った。 気付けば他の仲間達も研究所にいた。

サトシ「あれ? みんなもいたんだ?」
カスミ「あ、サトシ!」
シゲル「おお、サトシ!」
ヒロシ「サトシも来たんだ!」
ブルー「サトシ、レッド!」
イエロー「サトシさん、レッドさん、こんにちは!」
シュウ「よう、サトシ!」
マロン「はぁ〜い、サトシ君!」
アイ「あ、サトシ君、こんにちは!」
グリーン「レッドも来たんだな。」
レッド「来ちゃ悪ぃのかよ?」
グリーン「別に…。」
オーキド「おお、二人共、ようやく来たな!」
サトシ「あのぉ…俺達に何か…?」
レッド「まさか、図鑑の事で…?」
オーキド「ああ? 何を言っとるんじゃい? その事でお前達を呼んだんじゃないぞ!」
サトシ「え? じゃあ、何を…?」
オーキド「まあ話を聞いてからじゃ! 実はな、君達に頼みたいおつかいがあるんじゃ
     が…。」
サトシ「おつかい?」
オーキド「ちょうど昨日、ワシの知り合いの「ウチキド博士」と言う研究家からのメールが
     来てな。 ある物をそこから取ってきて欲しいと言われたんじゃ。 ウチキド
     博士はワシの大学の生徒でな、今はポケモン研究家として働いとるんじゃ。 
     もちろん、ワシと同じく有名なんじゃ!」
タケシ「その物とは一体何なんですか?」
アオイ「詳しくは取りに来てくれないと教えてくれないそうなの。 かなりのレアな物
    らしいって…。」
サムライ「転送マシンで何とかならぬのでござるか?」
マサキ「ワイもそう思ったんやけど、通信が出来へんらしいんや。 理由はそっちも
    分からへんっちゅーし…。」
アキラ「だったら宅配便で送ればいいんじゃねぇのか?」
オーキド「それが出来るばこっちも気が済むんじゃ。 けど最近嵐の発生で船便や航空便は
     一時運行中止になっとるんじゃ。」
シュウ「船便や航空便? じゃあ、そのウチキド博士は一体どこにいるんですか?」
オーキド「おお、いい質問を出したな、シュウ君! ウチキド君は、「オレンジ諸島」の
     「ダイダイ島」におるんじゃ!」
サトシ達「オレンジ諸島?」
オーキド「オレンジ諸島とはな、このカントーの南の海にある南国諸島の事じゃ。 
     ダイダイ島もその諸島の一部なんじゃ。 オレンジ諸島の島々は何島もあり、
     とても美しきな南国景色があるんじゃ。 特に、オレンジ諸島には南国にしか
     いない珍しいポケモンもいると聞くが、まだその情報は詳しく知らんのじゃ。」
じいちゃん「うひょひょ、ワシも是非調べたいもんぢゃ!」
マサキ「でな、その頼み何やけど、ダイダイ島に行って、ウチキド博士の届け物を取りに
    行って欲しいんやけど、構わへんよな?」
サトシ達「……………。」

その後、仲間達はある想像をしていた。
サトシ・レッド・シュウ・アーモンド(珍しい南国ポケモン…。)
カスミ・ブルー(南国の青い海…。)
マロン・ココナッツ(ロマンチックな海岸…。)

タケシ(…南国と言ったら………水着のお姉さん!!!)

………お前はそれだけしか考えねぇのかい。(汗)

タケシ「行く行く!!! 死んでも行きます!!!」
サトシ「俺も行きます!!!」
カスミ「あたしも!!!」
マロン「あたしも行くぅ!!!」
ムサシ「南国ねぇ…一度でもいいからバケーション取りたかったのよねぇ…。」
コジロウ「行くのも面白そうだな!」
サクラ「南国もいいわねぇ…私達も行きましょ!」
アヤメ・ボタン「うん!」
マチス「スペクタキュラー! 俺も行くぜ!」
ナツメ「私も行きたいわ、南国へ…。」
エリカ「私も行きますわ! そちらにある南国のお花も見てみたいものですし…。」
キョウ「拙者も行くとするか。 南国にも一度見に行きたいでござるからな。」
アヤ「あたしも賛成!」
カツラ「私も行こう。 いい研究にもなれそうだしな。」
サカキ「私も賛成だ。 南国のポケモンも一度見てみたいものだ。」
アイ「あたしも行きたい…南国行った事ないから…。」
トオル「僕も行きます! いい写真撮りに行くためにです!」
ワタル「俺も行くか。 南国への旅行も悪くはないし。」
カンナ「ワタルがそう言うなら私も賛成ね。 美しい海も見に行きたいし…。」
シバ「俺も行くとするか。」
キクコ「フェッフェッフェ、あたしも行くかね? 珍しいポケモンの研究もしたいしな!」
ブルーザー「南国かぁ…面白ぇ! 行ってみるか!」
クリスティ「私も行く! ブルーザーと一緒に南国に行きたいわ!」
カルロス「南国にしか見れない珍しいポケモンかぁ…よーし! 俺も行くぜ!」
コゴロウ「俺も賛成!」
ブレイク「俺も!」
アシュラ「拙者も!」
ゼトラ「…興味はないが、退屈になるよりもマシだな。 いいだろう、俺も行く。」
デルヴァ「じゃあ、俺達も行こうぜ!」
ゲルト「そうだな! 南国なんて行った事ねぇし!」
レグナ「どう言う場所か知りてぇしな!」
ラトス「楽しみだぜ!」
ジャグナル「…俺も行こう。 今まで退屈だったからな。 ボディガードとして同行
      しよう。」
…ほぼ全員は行くの賛成らしいのだが…。

アークスト「…私はここに残ろう。 ここの見張り仕事もあるしな。」
ラマセス「悪ぃけど俺も残るわ。」
フェラルド「拙者も同じく。」
ファンダ「俺も俺も。」
ネクロ「俺もだ。」
イグゼス「俺も。」
ザノア「私も残念ながらここに残ります。 この町が狙われないよう見張るので…。」
サトシ「え、そうなの? そりゃ残念だな…。」
ゲルト「お前達ホントに行かなくていいのか?」
ザノア「いいのですよ。 私達はここで仕事を続けますから。」
フェラルド「お主らだけでも行け。」
ラマセス「別に羨ましがらねぇからよ!」
ゲルト「そっか? 悪ぃな…。」
アーボ兄弟「僕達はお留守番します。 兄さんだけでも行ってください。」
じいちゃん「ワシも残念ぢゃがここに残って他の研究とかするわい。」
オーキド「どうやら決めたようじゃな! さてさて、早速じゃが、ボイジャー君!」
ボイジャー「あ、はい。 ええ、私からの連絡なのですが、最近嵐の発生により、こちらの
      連絡船は運行中止となっています。 ですから…。」
カルロス「俺のフェニックスで行ってくれ…だろ?」
ボイジャー「え? あ、はい…。」
カルロス「
OK! それなら承知したぜ! なら明日、フェニックスに乗って、俺達の
     目的地であるオレンジ諸島・ダイダイ島へ出発だ! それでいいだろ?」
仲間達「賛成!!!」
オーキド「これでばっちりじゃな! じゃあ、明日からの出発の準備をするんじゃな! 
     念のためにポケモンも持ってくるんじゃぞ! たまにはポケモン達もカントー
     よりも外の世界に連れて行くのもよいしな!」
仲間達「はい!!!」

―夜、サトシの家―

サトシは階段から降りて、隣の庭へ行こうとした。 そこで彼はハナコと立ち会った。
ハナコ「あ、サトシ! 貴方もそこで寝るの?」
サトシ「あ、ママ! うん、せっかくみんなも来たんだから、一緒に泊まろうかなと思って
    さ。」
ハナコ「そう…。 まあ、友達と一緒に寝るのも仲がいいわ。 けど、あの小屋まだ
    使えるのかしら?」
サトシ「うん、前に仲間のみんなもいつもそれを使ってたから…。」
ハナコ「そうだったね。 じゃ、風邪ひかないように寝るのよ!」
サトシ「うん!」
そしてサトシは外へ出た。

―小屋―

ここはサトシの家の隣にある小屋。 この小屋は以前仲間達が泊まっていた物である。 
サトシはそこへ着き、中へ入った。
サトシ「お待たせ!」
中に入ったら、そこにはレッドにピカチュウとシャワーズ、他にもカスミ、タケシ、シゲル、
グリーン、ブルー、イエロー、ヒロシ、ムサシとコジロウとニャース、シュウとピカチュウ、
リン、ラン、マロンとピカチュウ、アーモンドとゼニガメ、ココナッツとイーブイ、ピッピ
にプリンとプクリン、ヒトカゲにダネリーナ、ワタル、コゴロウとゼトラ、デルヴァと
ジャグナルがいた。
カスミ「あ、サトシ! 待ってたよ!」
サトシ「みんな、わざわざここに泊まって悪ぃな…。」
マロン「いいじゃないの? たまにこうやって一緒にお泊りするのって!」
ジャグナル「まあ、そう言うお前達も寝てる間に怪しい行動など取らぬようにすればいい
      がな。」
マロン・ココナッツ「何よそれ!?」
マロン「って、ちょっと待って! それあんたの事でしょ!?」
ココナッツ「何言ってんのよ!? あんたの事でしょ!!」
ピカチュウ
3「ピ、ピカァ…。」
ゼニガメ「まぁまぁ…落ち着いて…。」
イーブイ「ココナッツ様も落ち着いて…。」
アーモンド「……………。(汗)」
ピッピ「所で今まで思ってたんでしゅが…。」
サトシ「?」
ピッピ「…南国って何でしゅか?」
ドサァン!!! サトシ達はピッピの爆弾発言でこけた。
コゴロウ「…要するに、南の国って言う意味だ。」
ピッピ「南の国…でしか?」
シュウ「…お前話聞いてなかったのかよ?」
ピッピ「聞いてましたけど、何が何だか全然分かりましぇんでした!」
ピカチュウ
2『おいおい…。』
ラン「けど、よくこんな小屋があったね…。」
サトシ「ああ、セキエイリーグが始まる前、自主トレの日々に、仲間達まで住めるように
    カルロスが作ったんだ。」
ワタル「…それってまさか…五分で?」
サトシ「あ、うん…。」
ワタル「…やっぱどう言ってもあいつの素早さは俺に理解できない…。」
コゴロウ「気にすんな。 悪い物じゃねぇよ。」
プリン「プゥ〜?」
プクリン「プクゥ?」
ムサシ「けど、あたし達もこんなトコで泊まってもいいのかしら?」
コジロウ「急に誘ってくれてありがたいんだけど…。」
サトシ「いいじゃないか! お前達にも泊まればもっと楽しいし!」
ニャース「ニャアアア…何て優しいんだニャ…。」
ニャースは思わず感動していた。
レッド「なあ、サトシ。 一応旅先の準備を調べなおしてみたらどうなんだ?」
サトシ「ああ、念のためにもう一度調べるよ。」
その後サトシは、リュックを開け、中身を調べた。
サトシ「え〜っと…歯ブラシにパジャマ、余分の服にポケモン図鑑…後カントーバッジに…
    あったあった!」
サトシはリュックからあるバッジを取り出した。 そのバッジの中心に赤い飾りが付いて
いて、白い星型であった。
サトシ「…これも持った…っと!」
レッド「あ、それは…。」
カスミ「あれ? それ何かしら?」
タケシ「バッジみたいだな? しかも見た事もない…。」
シャワーズ「ねぇ、それ何? ジムバッジ?」
サトシ「え、これか? ああ、一応ジムバッジだな。」
カスミ「えぇ!? それがジムバッジ!? 見た事ないわ!?」
サトシ「そりゃあ、そうさ…。 だってこれは…この町に建てるはずだったジム、俺の
    父さんのバッジなんだ。」
全員「え?」
シゲル「ああ、それツネカズおじさんのバッジか!」
ブルー「そう言えば懐かしいわね…。」
イエロー「あれから全然見てませんからね。」
カスミ「ね、ねぇ、そのバッジ…?」
グリーン「…説明した方がいいだろうな、サトシ?」
サトシ「ああ…。 これな、「ホワイトバッジ」って言うバッジでな、この町に建設予定
    だったマサラジムの公認バッジだったんだ。 その時まで、父さんが作ったバッジ
    だったんだ。」
ワタル「マサラジム? ああ、それ聞いた事があるな。 確か七年前、お前の父ツネカズが
    ポケモンリーグに優勝した記念に、公式戦のジムを建設するよう許可を貰ったんだ
    よな?」
サトシ「ああ…。 父さんな、昔こう言ったんだ。 「もしもポケモンリーグに優勝したら、
    この町にも公式戦ジムを建てる」って…。 父さんの夢は、この町のジムリーダー
    になる事なんだ。 そう、自分自身とポケモンを鍛えて、この町を守る事…。 
    それが父さんの夢だったんだ。 そしてな、父さんが優勝してから、ポケモン協会
    からジム建設許可を貰って、早速ジムの建設を開始したんだ。」
ラン「じゃあ、お父さんの夢が叶えたって訳ね!」
ヒロシ「それってすごいね!」
サトシ「………けど、父さんがイワヤマトンネルの転落事故で死んでから、その建設が中止
    しちまったんだ。」
全員「え?」
サトシ「ジム建設にジムリーダーとなる人がいないと、この先の建設は無理だって…。 
    その時レッド兄ちゃんも旅に出てたし…ママだって勤める事も出来ないし…特に
    シゲルやグリーンの両親も事故で亡くなってしまったし…ブルーの両親も同じく…。 
    で、結局中止になったんだ、建設…。 そのおかげで、父さんの夢が途中に
    終わっちまったんだ…。」
カスミ「………ごめんなさい。」
サトシ「え、あ、いや、別に謝る事はないけど…。」
アーモンド「…じゃあ、建設予定だったそのジムは今…。」
サトシ「片付けちまったよ。 今はもう何もない、他人の住む土地となっちまったんだ。」
ヒロシ「じゃあ、そのバッジは…?」
サトシ「…俺の父さんが一生懸命、そのジムのために作ったバッジなんだ。 ポケモンや
    家族、そして人々への信頼、友情、愛情、勇気、正義と希望を込めて作ったんだ。 
    しかもこのバッジは、どのジムバッジとは違って、たった一つしかない、幻の
    バッジと呼ばれてるんだ。 …その上、父さんの形見で、お守りでもあるんだ。」
ヒトカゲ「へぇ…それが親父さんの形見なんだ…。」
ダネリーナ「しかもお守りでちゅか…。」
サトシ「…けど、ジムが建てられなかった事で、多くのマサラの人も落ち込んでた。 
    父さんの死の事でも…。 多分天国にいる父さんは、今でも落ち込んでるだろうな
    …この事で…。」
ゼトラ「………そうでもないぜ。」
サトシ「え?」
ゼトラ「…お前の父親の事は余り知らないが、その想いだけは俺は分かる。 恐らく、
    お前の父親は、期待していると思う。」
サトシ「期待?」
ゼトラ「お前の父親は、分かっていたかもしれない。 もしもお前がポケモントレーナーに
    なり、ポケモンマスターを目指していたら、ポケモンリーグに優勝するかもしれ
    ないと。 優勝すれば、父の意思を継げ、父の代わりにジムを造り戻す。 それが
    彼の望みだったかも知れない。 だが、お前はもうポケモンマスターとして認定
    された。 許可さえ貰えば、造れなかったその想い出を造り戻せるはず。 だから
    ツネカズは、お前を選んだかもしれない。 その想いを取り戻すために…。」
サトシ「ゼトラ…。」
その後デルヴァはゼトラの腕を叩いた。
デルヴァ「ヤロー、いい事+優しい事=カッコイイ事言うじゃねぇか!(意味不明)」
ゼトラ「お、俺は別に…!」
サトシ「…サンキュー、ゼトラ。」
ゼトラ「………フン…。」
ゼトラは頬を少し赤く染めた。 そんなゼトラでも、ジャグナルは彼を見詰めていた。 
しかも珍しく優しそうな目で見詰めていた。
ジャグナル(…さすがだな、ゼトラ。 まさかここまで他人の想いまで分かるとは…。 
      師である俺にも、少しは勉強になった気がする。)
ゼトラ「…と、とにかく、明日は早いんだから、さっさと寝た方がいいぞ。」
サトシ「あ、そうだな! じゃ、そろそろ寝よう!」
そう言いながら、全員自分達のベッドに戻った。
サトシ「じゃ、みんな、また明日な! お休み!」
全員「お休み!」
そしてサトシは明かりを消した。


―翌朝―


夜が開け、朝の
6時…仲間達はカルロスの工房前に立っていた。 どうやらサトシ達を
待っているらしい。
ピース「…ああ! 来ましたよ〜!」
全員は振り向き、そこから走るサトシ達を目撃した。
サトシ「よう、みんな! お待たせ!」
ジュン「ちょうど時間通りに来ましたね!」
セイヨ「何だかわくわくするね、オレンジ諸島へ行くなんて!」
ジュン「そうですね。 カントー以外の国へ行った事もないですからね。」
フウコ「どんなポケモンがいるか楽しみね!」
ドリオ「ああ、そうだな!」
サトシ「あれ? そう言えばブレイク、その後ろにあるのは…?」
気付けばブレイクの後ろに盾らしきな物が飾っていた。
ブレイク「ああ、これか? これは俺の新武器(ニューウェポン)、「ブレイクシールド」
     って言うんだ! どんな攻撃からにも防御(ガード)出来る、頑丈な盾だよ! 
     カルロスが特別に作ってくれたんだ!」
サトシ「へぇ…。」

???「おお、みんなーーー!!」
サトシ達「!」
サトシ達は振り向いたら、そこにはハナコ、オーキド博士とアオイ、マサキ、ショウコ、
じいちゃん、ジョーイとジュンサーとボイジャーがいた。
サトシ「ママ! オーキド博士! みんなも来てたんだ!」
じいちゃん「見送りぢゃ、見送り!」
オーキド「サトシ君、念のためじゃが、この子らも持って行くといい。 中身は君がワシの
     所へ預けたニドキング、ニドクイン、カラカラ、ゴースト、ラプラス、カビゴン、
     フリーザー、サンダー、ファイヤー、ミュウツーとミュウじゃ。 この子らも
     持って行きなさい。」
オーキド博士は預けていたサトシのモンスターボールを渡した。
サトシ「あ、ありがとうございます!」
ジョーイ「早速だけど、もしも何か知らなかったら、「そこにいる私達の姉妹や従姉妹達」
     に聞いてみてね。」
サトシ「へ? そこにいる私達の姉妹や従姉妹達…?」
レッド「って、もっといるんスか、他のジョーイさんやジュンサーさん!?」
ジュンサー「ええ、もちろんいるよ! けど、南国にいるから服だけは違うけどね!」
サトシ「………あの、質問なんですけど、ジョーイさんとジュンサーさんの姉妹や従姉妹は
    何人いるんですか?」
ジョーイ・ジュンサー「それは…ヒ・ミ・ツ
v
サトシ「……………。(汗)」
レッド「………ボイジャーさんは?」
ボイジャー「私も秘密です☆」
マサキ「サトシ、他のポケモンもワイの転送システムに預かっとるから、何か取り出したい
    物があったらいつでも使ぅてくれ!」
サトシ「ああ、そうするよ!」
ショウコ「シュウ、気を付けて行くのよ。 何があっても、必ず帰ってくるのよ!」
シュウ「分かってるよ、母さん!」
じいちゃん「マロン、お前もポケモンゲットがんばるんぢゃぞ! もちろん、ちゃんと
      やるんぢゃぞ!」
マロン「分かってるって!」
じいちゃん(ホントに分かっとんのか、こいつ?)
ハナコ「…サトシ、レッド、くれぐれにも気を付けてね。」
サトシ「うん、ママ!」
レッド「大丈夫だよ、母さん!」
カルロス「お〜い、話の途中で悪いけど、早速出発したいんだけどなぁ!」
サトシ「あ、おう!」
カルロス「フェニックスの運行準備、ばっちり
OKだ! 今から出すから、ちょっと待って
     くれよ!」
バタン! カルロスは工房の中へ入った。

―一分後―

ヴィイイイイイン!!! 突然庭から穴が開き、そこから飛空艇フェニックスが上がって
きた! そして第三甲板から、カルロスが現れた!
カルロス「お〜い、みんな! もう準備ばっちりだぜ! 早く乗れよ!」
サトシ「よっしゃ! 早速出発だ!!」
仲間達「おう!!」
サトシ「じゃ、行って来るね、ママ!」
ハナコ「気を付けて行くのよ、サトシ!」
そしてサトシ達は、フェニックスに乗った。

―フェニックス内部・操縦室―

サトシ達は、フェニックスの操縦室にいた。
サトシ「うわぁああ! 何か懐かしいなぁ〜!」
カルロス「懐かしいかな? 殆ど一週間ぶりだけどな。 フェニックスの運行準備も
     ばっちり完了。 破損も故障部分一つもなし! 飛行エネルギーも満タン! 
     このまま飛べば、あっという間にダイダイ島だぜ!」
サトシ「よーし! 早速目的地、オレンジ諸島・ダイダイ島へ向かって、出動だ!!!」
仲間達「おう!!!」
カルロス「さあ、フェニックス! 久しぶりに行こうぜ! フェニックス、上昇開始!!」
ガシャッ!!! そしてカルロスはフェニックスの高度レバーを上げた。
ウィイイイイイイイイン!!! そしてフェニックスは起動し始めた。 その後、操縦室の
扉の裏に、一匹のプリンがいた。 そう、以前サトシ達を追い続けていたあのプリンである。 
どうやら彼女は密かにフェニックスに潜入したそうだ。
プリン「プププ
v
…もちろんこのまま着いて行くつもりだ。

―フェニックス外部―

ヴィイイイイイイン!!!! ドビュウウウウウン!!! そしてフェニックスは上昇し、
そのままオレンジ諸島へ向かって飛んで行った。 そしてオーキド博士達は、それを
見続けていた。
アオイ「…行っちゃったね、おじい様。」
オーキド「うむ、この先無事じゃといいがな。」
そしてオーキド博士達は振り向き、歩き去った。 だがハナコは、飛び去ったフェニックス
を見ながら、動かずに祈っていた。

ハナコ(………貴方…ツネカズさん………どうか…サトシとレッドを見守ってください……
    …。)

こうしてサトシ達は、オレンジ諸島・ダイダイ島へ向かった。 果たしてそこにはどんな
珍しいポケモンがいるのか? そしてどんな人々と出会えるのか?

…と、その前に、場所を変えよう。 ここはある謎の場所。 窓からは暗雲が見え、そこ
から雷がした。 どうやら、嵐のある場所にいるらしい。 だが、部屋の中は真っ黒。 
王座の間のような場所であった。 その後、ローブを着ていた謎の人物が現れ、王座の椅子
に座っている謎の男に拝めた。 その男の隣には、漆黒の鎧をした騎士も立っていた。

???
A「…ただいま、地球に到着しました。 地球上だと、今はオレンジ諸島と言う島々
     に到着しました。 しかし、合い難く嵐が発生最中だそうです。」
???
B「フッ…嵐か…。 俺に似合うな…。 嵐は恐怖を表す現象。 俺にとっては
     好みな物だ…。 しかし、黒竜の騎士よ。 懐かしくないか? この地球を
     …。」
黒竜の騎士「………ああ。」
???
A「地球に到着早々ですが、早速我が計画も開始したいと思うのですが、よろしい
     でしょうか?」
???
B「構わんな?」
男は黒竜の騎士と名乗る騎士へ振り向いた。
黒竜の騎士「…好きにするといい。」
???
B「クックック…よかろう…。 なら今から始めよう。 人間への復讐を果たす
     ために、地球破壊計画を、開始する!!!」


…この事も何も知らずに、サトシ達の新たなる冒険は…ここから始まる…。

続く…。

ソニックの後書き:
お待たせしました! 遂にオレンジ諸島編に突入!!! いやぁ、今日は何か変な話だった
な…。 内容がこう…まあ、いいか。(何) さて、次回もオレンジ諸島へ
GO! 次回も
期待してね〜♪