ポケットモンスター小説版
176話 ポケモンウォッチャーのケンジ

ダイダイ島でウチキド博士から
GSボールを貰ったサトシ達は、タケシと別れ、早速
カントーへ戻ろうとした。 だが、突然ファルコンファイター達に襲われ、フェニックスが
ダウン。 エンジンも破壊されたフェニックスは、真っ直ぐある島へ落ちて行く…。

ドガガガガガァアアアアン!!! その後フェニックスは、その島の空港へ墜落した。
従業員
A「な、何だ今のは!?」
従業員
B「飛行船が落ちたぞ!!!」
従業員
C「けど、見た事もない船だな…。」
従業員
D「…おい、あの船、一週間前カントーの事件で使われた船じゃねぇか?」
従業員
E「え!? あの有名な!?」
その後、多くの従業員達がフェニックスに周りに集まった。
従業員
A「すみませぇえええん!!! 大丈夫ですかぁあああ!?」

プシャアアア!!! その後、第一甲板の扉が開き、そこからカルロスが出て来た。
カルロス「ぷはぁ! やっと出られた…あぁああああああああああああああ!?」
その後カルロスは傾いた床へ滑り落ちた。
バコォン!!! 滑り落ちたカルロスは、手すり激突した。
カルロス「べふぅ!!!」
ドサァン!!! そして地面に落ちた。
カルロス「もはぁ!!! いてててて…。」
従業員
A「大丈夫ですか!?」
カルロス「あ、ああ、大丈夫大丈夫…。」
その後、第一甲板の扉からサトシが出て来た。
サトシ「ふぇ…どうにか無事に生き残れた…。」
カルロス「あ、サトシ! 他のみんなは無事か!?」
従業員
B「え!? あれがサトシ!?」
従業員
C「あの有名な!?」
サトシ「ああ、みんなは無事だ! 今降りるから!」

全員降りた後、墜落したフェニックスを見ていた。
従業員
D「ひゃあああ、こりゃ大したもんだぜぇ…。」
従業員
E「よく出来たもんだなぁ…他の飛行船とは違ってすげぇぜ…。」
カルロス「あ〜あ…エンジンがぶっ壊れちまったぜ…。」
サムライ「直す事が出来るでござるか?」
カルロス「ああ、修理なんてちょちょいのちょいだぜ!」
その後、カルロスは従業員達に振り向いた。
カルロス「すみません、皆さんは鷹型の飛行戦闘機を見た事ありませんか? あれが俺達の
     船を攻撃したんですけど…。」
従業員
A「鷹型の戦闘機? さぁ、見た事ないな…。」
従業員
B「空軍じゃあそんなの使わないだろ?」
カルロス「…じゃあ、あいつらは何だったんだ?」
サトシ「あのぅ…ここ、どこなんですか?」
従業員
A「ああ、「ボンタン島」の空港だよ。 けど君…ホントにあのサトシなのかい?」
サトシ「え? あ、ああ…。」
従業員
A「やっぱりそうか! あの有名なサトシだ!!」
従業員
B「すっげぇ!! 初めて本物を見るぜ!!」
従業員
C「ポケモンセキエイリーグの優勝者で、怪人セフィロスを倒した救世主だろ!?」
従業員
D「まさか本当にこの島に来るなんて知らなかったぜ!!!」
サトシ「あ…は、はぁ…。」
カルロス「オッホン!! あの、
VIPの方は今忙しいんですけど…。」
従業員
A「あ、そうなんですか?」
ピッピ「
VIPって何でしゅか?」
コゴロウ「…「ベリーインポータントパーソン」の省略で、芸能人か有名人の事。」
ピッピ「………芸能人と有名人って何でしゅか?」
コゴロウ「……………。」
カルロス「なあ、サトシ。 しばらくの間この島で観光して行ったらどうなんだ? それ
     までにこいつの修理しとくから。」
サトシ「分かった。 じゃあ、この島のポケモンセンターで待ってるよ!」

―路上―

サトシ達は、海岸に近い路上に歩いていた。
カスミ「やっぱ南の島って奇麗ねぇ!」
サクラ「空気もいいし…天気もいいし…。」
アヤメ「今でも泳ぎたい気分だわぁ!」
ボタン「水着持ってきたけど、泳ぎに行かない?」
サトシ「何言ってんだよ? 今カルロスと待ち合わせするためにポケモンセンターに
    行かなきゃならねぇんだぜ? 泳ぎはまた後でに…。」
ドン!! その後サトシの肩は三人の不良の一人にぶつかった。
サトシ「おっと…すみません!」
不良
A「あぁ? んだぁ、てめぇ? 俺にぶつかりやがったな!?」
不良
B「俺らにぶつかるとはいい度胸じゃねぇか!!」
不良
C「痛い目にあいてぇのか?」
サトシ「な、何だよ? さっき謝ったんだからいいだろ?」
不良
A「バーロォ!!! 俺らは「ごめんなさい」だの「すみません」だの通用しねぇんだ
    よぉ!!!」
不良
B「俺達にぶつかってりゃあただじゃおかねぇんだぜぇ?」
不良
C「ガキ、お仕置きの時間だぜぇ?」
ラン「へぇ、ケンカならあたしが…。」
だがシュウは彼女に手を出した。
シュウ「やめろ、こんなトコで! 周りに迷惑だろ!?」
ラン「だって…。」
不良
A「あぁ? そういやぁ、てめぇら見掛けねぇ顔だなぁ? 観光人かぁ?」
不良
B「この島には知らねぇ奴はいらねぇんだよ!」
不良
C「そうだよ! とっととこの島から消えな!!!」
サトシ「な、何だよ!? 俺達は事故にあって偶然ここに来たんだよ!」
ヤマト「そうよ! 第一あたし達はあんた達みたいな不良とは付き合ってる暇なんて
    ないのよ!」
不良
A「っるせぇぞ、コルァ!!! どうしても消えねぇんなら俺らがてめぇらを
    ぶっ飛ばしてやらぁ!! 行けぇ、オニスズメ! 夜・露・死・苦ぅ!!!」
オニスズメ「クワァアアア!!!」
不良
B「なめんなよぉ!! やつけちまえ、スピアー!!」
スピアー「ブゥウウウン!!!」
不良
C「ヤキ入れてやれ、エビワラー!!」
エビワラー「エビィイイイ!!!」
カスミ「もう、何でこんな時に!?」
デルヴァ「ったく、しゃーねぇな。 こうなったら俺が…。」
その後サトシが手を出した。
サトシ「待てよ、デルヴァ! こう言うのは一度しかねぇかも知れねぇけど、ここは俺に
    任せておけよ!」
デルヴァ「でも…。」
その後サトシは、デルヴァの耳に小声で言った。
サトシ(…一応俺有名人だし…いっぺんあの腰抜け達をビビらせるのも悪くねぇだろ?)
デルヴァ(あ、そう言う事ね?)
サトシ「よーし!! ピカチュウ、シャワーズ、君に決めた!!!」
ピカチュウ「ピッカァ!!!」
シャワーズ「オッケェ!!!」

???「ちょっと待ったぁあああ!!!」

全員「へっ!?」
その時、サトシ達の後ろからある青年が現れた。 その青年は緑色のシャツと茶色いズボン
をしていて、頭に赤いバンダナをした黒髪であった。
???「失礼しますけど、観察させてもらいます!」
その後、彼はスケッチブックを取り出し、不良達のポケモンを調べた。
ナツメ「な、何? 何なのこれ?」
エリカ「どなたでしょうか…?」
???「う〜〜〜ん、このオニスズメの身長は
0.3m…発育不良だな。 このスピアーの
    色艶はよくないなぁ…。 このエビワラーは筋肉の発達がいまいちだな。 結論、
    育て方が良くない!」
不良
A「んだとぉ!? 余計なお世話だ!!」
ウォール「…こ奴何者…?」
マロン「さ、さあ…。」
その後、青年はシュウのピカチュウを調べた。
???「このピカチュウは色艶いいね! しかもかなり強そうな体制も持っているよ!」
シュウ「え、そ、そう?」
ピカチュウ
2『…な、何この人…?』
その後、青年はマロン達のポケモンを調べた。
???「君のポケモン達もいいね! 変わった形だけど色艶もナイスだよ!」
マロン「あ、ありがとう…。」
そして最後に青年はピカチュウとシャワーズを調べた。
???「このピカチュウとシャワーズもいいね! あの不良と比べて色艶も実にいい! 
    ピカチュウのは強い体制を持っているし、シャワーズのは毛並みがとても奇麗! 
    観察させてもらうよ! ちょっとそこを動かないで! そのままじっとしてね!」
ピカチュウ「ピ、ピカ?」
シャワーズ「は、はぁ?」
その後青年はピカチュウとシャワーズをスケッチブックに描き始めた。
???「賢そうな顔立ち、健康の証拠だよ!」
サトシ「あ、あのぉ…。」
???「あ、そうだ!」
その後青年は電気計測器を出した。
???「電気の計測をしよう! ほら、「電気ショック」してごらん!」
ピカチュウ「ピ、ピィ?」
その間不良達は、それを呆然と見ていた。 だが、一瞬に我に戻った。
不良
B「な、何だあいつ!?」
不良
C「バカにしやがってぇ!!!」
不良
A「あのガキァ!!! みんな纏めてぶっ潰しちまえ!!!」
オニスズメ・スピアー・エビワラー「ウォオオオオオオオオオオ!!!!!」
その後不良達のポケモンが襲い掛かってきた!
サトシ「あ!! 危ない!!!」
シャワーズ「ちょっと、退いて!!!」
ドン!!! その後シャワーズは青年を押し倒した!
???「おわっ!?」
サトシ「ピカチュウ、オニスズメに「
10万ボルト」! シャワーズはスピアーに「冷凍
    ビーム」だ!!」
ピカチュウ「ピカ! ピィカァチュウウウウウウウウ!!!!!」
ビリリリリリリリリリリリィ!!!!! ピカチュウは「
10万ボルト」でオニスズメに
攻撃した! 効果は抜群!
オニスズメ「グァアアアア!?」
シャワーズ「行くよぉおおお!!! ハァアアアアアアア!!!!!」
バシュウウウウウウ!!!! カキィイイイン!!! シャワーズは「冷凍ビーム」で
スピアーを凍らせた! おまけに効果は抜群!
サトシ「よし、次はエビワラーに、「電光石火」!!!」
ピカチュウ「ピカァアアアア!!!」
シャワーズ「そうりゃああああ!!!」
ドカァッ!!! ピカチュウとシャワーズは「電光石火」でエビワラーに激突! 急所を
捉えた!
エビワラー「エビィ!?」
不良達「な、何ぃいいい!?」
サトシ「お次はとどめの「ロケット頭突き」!!」
ピカチュウ「ピッカァ!!!」
シャワーズ「てやぁ!!!」
ドカァッ!!! ピカチュウとシャワーズは、「ロケット頭突き」で不良達のポケモンを
突き飛ばした!
ドサァン!!! そして飛ばされた不良ポケモン達は、不良達に激突した!
不良達「ぐぇっ!!!」
カスミ「やったね、サトシ!」
サトシ「へへ、楽勝楽勝!」
不良
A「くっそぉおお!!! 覚えてやがれ、このガキィ!!!」
サトシ「何で俺がお前らを覚えてなきゃいけねぇんだよ? めんどくせぇ。 けどどうして
    も俺を覚えたいなら教えてやるよ。 俺の名は勇崎 智(ゆうざき さとし)! 
    勝手に覚えとくんだな!」
そしてサトシ達は、背を見せながら歩き去った。

不良
B「…ゆうざき…?」
不良
C「…さとし…?」
不良
A「…おい、そいつってまさか…。」
不良達「カントーでセフィロスをぶっ潰した、あのリーグチャンピオンに救世主!!?」
不良
B「…じゃあ、俺達は…。」
不良
C「…救世主と戦ってたのか…?」
不良
A「…何てバカなんだ、俺達…。」

ああ、そうだよ。 バカだよ、てめぇら。(笑)

不良達「ばたんきゅ〜〜〜☆」
ドサァッ!!! そして不良達は、○よぷよネタ的に気を失った。 その間青年は、
サトシ達の歩き去る姿を見続けていた。
???「…あ、あの少年が…あの有名な…?」

―ポケモンセンター―

サトシ達はここでピカチュウとシャワーズを回復させていた。 回復が終わった後、
ジョーイはピカチュウとシャワーズをサトシに返した。
ジョーイ「はい、お預かりしたポケモンをお返しします!」
サトシ「ありがとうございます!」
ジョーイ「相当戦ったみたいだけど、貴方達不良達に着き回されたの?」
サトシ「え? 何で知ってるんですか?」
ジョーイ「あの不良達、いつも人に迷惑かけてるのよ。 観光客を虐めたり、ただ
     ぶつかっただけでケンカ売ったり、もちろん体力のないポケモンにだって虐待
     してるの。 そのため、この島一番の大迷惑者なのよ。」
カンナ「見ての通り酷い人達ねぇ…。」
ハンゾウ「警察は何もしてないんすか?」
ジョーイ「もちろんしてるわよ? あー見えてもあの不良達
56回も逮捕
     されたんだから。」
サトシ達「
56回も!?」
ジョーイ「けど、何度も逮捕しても反省しないのよね。 よくいるのよ、何度も捕まっても
     悪さを止めない悪人って。 カントーにいるあの有名なサトシ君だったら、あの
     不良達の頭を冷やせるのにねぇ…。」
…どうやら彼女は今そこにいるサトシが彼本人だと気付いていないようだ。
サトシ「…あの、それなら俺が…。」

???「あぁあああ!!! 見つけたぁああああああ!!!」

サトシ達「ひっ!?」
振り向いたら、ポケモンセンターの入り口からあの青年がやって来た。
???「やっと見つけたよ、君!! 探し回ってたんだよぉ!!」
ニャース「またあの変ニャ兄ちゃんだニャ。」
シャワーズ「また何かするのかな…?」
???「!? おお!! 君達、喋れるのかぁ!?」
ピッピ「!!! あ、は、はい…。」
イーブイ「僕達は元から喋れるんだ! 自慢じゃないけどねぇ。」
ヒトカゲ「…そう言うのを自慢してるって言うんだよ。」
???「すっごぉい!!! 喋るポケモンなんて初めて見るよ!!! 特に珍しい
    ポケモンだ!!! 早速観察!!!」
その後青年はマイクにテープレコーダーを出した。
???「さあ、何か喋って! ほらほら!」
ゼニガメ「あ、あの…今それ所じゃないんですけどぉ…。」
ダネリーナ「あたち達今忙ちいんでちゅ!」
???「たった一言だけでもいいからお願い!」
アーボック「…じゃあ、一曲でもどうだ?」
メタモン「それは止めろ。」
サトシ「…あのぉ、俺に何か…?」
???「あっ、そうだった。 君、さっきのバトルすごかったよ! あの不良達を一発で
    倒せるなんて! 君って本当に強いんだね!?」
ジョーイ「え!? まさか貴方があの不良達を!?」
サトシ「え、ええ…。」
ジョーイ「じゃあ…貴方が…あの有名なサトシ君!?」
???「そうなんですよ! すごいでしょ!? カントーで有名となってるあのリーグ
    チャンピオンで救世主のサトシがここにいるんですよ! しかも、あの不良達の
    腰を抜けさせたんですよ!!」
ジョーイ「まあ!!! 貴方本物のサトシなのね!? カントーにいる姉妹や従姉妹達にも
     聞いたわ! まさか貴方だったなんて! 一度でもいいから会いたかったのよ! 
     ねえ、サイン貰ってもいいかしら!?」
トオル「白紙がないならサトシの写真ならありますよ♪」
トオルはポケットからサトシの写真数枚出した。
サトシ「…お前、いつそれを…?」
レッド「まあ、有名人だから、サインしても悪くないだろ?」
サトシ「…しょうがねぇな…。」
サトシは写真に自分のサインを書いた。 そしてそれをジョーイに渡した。
サトシ「はい、どうぞ。 字下手ですけど…。」
ジョーイ「ありがとう、サトシ君! 字が下手でも大事に取っとくわ!」
サトシ「ははは…。(汗)」
???「いやぁ、でも君の腕見直したよ! あんな不良達のポケモンを軽々に倒せるなんて、
    君ってやっぱり強いや!」
サトシ「褒めてくれてありがたいけど…所であんた誰?」
???「僕? 僕の名前はケンジ! ポケモンウォッチャーの観島 健二(みしま 
    けんじ)さ!」
サトシ「ポケモンウォッチャー?」
シュウ「何だ、それ?」
ジョーイ「ポケモンウォッチャーって言うのはね…フィールドワークを中心に様々な
     ポケモン達の調査や観察しながら、世界中に旅立つ人達の事なの。 ポケモン達
     の行動、性格、特徴、能力、などを見ながら、ポケモン達の事を学ぶ事が出来る
     の。」
マチス「アイ・シー…だからあの時ポケモンを観察やスケッチしてたんだな?」
ケンジ「そう言う事です!」
トオル「すごいね! ポケモンを観察やスケッチできるなんて、すごいよ! 実は僕、
    ポケモンカメラマンなんだ! ポケモンの写真を撮るのが僕の趣味なんだ!」
ケンジ「へぇ、じゃあ、僕達って気が合いそうだね!」
トオル「うん、そうだね!」
サトシ「…まあ、とにかく、よろしくな、ケンジ!」
ケンジ「こちらこそ、サトシ君!」
サトシとケンジは握手した。
サトシ「ああ、別に呼び捨てでいいよ!」
ケンジ「いいのかい? じゃあ、お言葉に甘えて!」

コゴロウ「…ん? 何だありゃ?」
コゴロウは壁に振り向いたら、そこに何かのポスターが張ってあった。 ポスターには、
中心にモンスターボールがあり、その中心に十字架模様のした白い線と貝殻のような模様が
描かれていた。 その下には、「
Orange League」と書かれてあった。 サトシ達はその
ポスターを見た。
サトシ「オレンジリーグ?」
ケンジ「ああ、それかい? それはオレンジ諸島で公開される予定の大会なんだ。 
    オレンジ諸島のポケモンリーグってトコかな?」
サトシ「オレンジ諸島のポケモンリーグ!?」
ケンジ「うん。 オレンジ諸島にはね、「サザンクロス」って言う各地のジムリーダー達が
    いるんだ。 リーグに出場するためには、彼らと戦い、全てに勝たなきゃ
    行けないんだ。 ジムリーダーはカントーとは違って最大でも四人いる。 名前の
    通り、東西南北の島にいるんだ!」
キョウ「ほう、オレンジ諸島にもジムリーダーもいるのでござるか。」
アヤ「初めて聞くわね…。」
サトシ「オレンジリーグかぁ…よーし! 俺も出場するぞぉ!!!」
カスミ「何言ってんのよ!? 今は
GSボールをオーキド研究所へ持って行く途中
    でしょ?!」
ケンジ「え? オーキド研究所?」
サトシ「別にいいじゃないかよ、出場してもぉ…。」
カスミ「あんたは十分ポケモンマスターになったでしょ!? 大会はほっといてさっさと
    オーキド博士に電話するの!!」
ビィッ!!! そしてカスミはサトシの耳を引っ張り出した。
レッド「お、おいおい…。」
サトシ「あいでででで!!! タケシみてぇな事すんなぁ!!!」
ケンジ「オーキド博士!?」

そしてサトシは、電話でオーキド博士と会話していた。 画面にはもちろんオーキド博士が
映っていた。
サトシ「もしもし、オーキド博士? 俺です、サトシです!」
オーキド『おお、サトシ君か! どうしたんじゃ、サトシ? いつもとは違って帰りは
     遅いが、どうしたんじゃ?』
サトシ「あ、ああ…ちょっとフェニックスに問題がありまして、今近くにあった島に
    いるんです…。 けど、
GSボールは無事です!」
ケンジ「…うわぁ!」
ケンジはオーキド博士の画面を見て、喜び出した。
オーキド『おお、そうか! で、今どこにおるんじゃ?』
サトシ「ボンタン島ですけど…博士、ちょっとお願いがあるんですけど…。」
オーキド『何じゃ?』
サトシ「俺、オレンジリーグに出場したいんです!」
オーキド『オレンジリーグ?』
サトシ「ええ、オレンジ諸島に開催するポケモンリーグですけど…ダメですか?」
オーキド『…ふむ、オレンジリーグかぁ…。 まあ、いいじゃろ! 君が出場したいのなら
     そうするといいじゃよ! 
GSボールの事なら別に急がんでもいいし、いつでも
     待っておるぞ!』
サトシ「ホントですか!?」
オーキド『シゲル達はどうするんじゃ?』
シゲル「サトシが出場するんなら俺も出場するぜ!」
ブルー「あたしも賛成!」
イエロー「僕も賛成です!」
ヒロシ「僕も出場するよ!」
シュウ「俺もやるぜ!!」
マロン「あたしもやってみたい!」
アーモンド「って、お前出来るのかよ!? バトルには全然向いてないだろ!?」
マロン「大丈夫! あたしこう見えても自信があるから!」
アキラ「俺も出場するか!」
カツコ「あたしも!」
サイゾウ「拙者も出場しよう!」
カオルコ「私も出場しますわ!」
ウミオ「俺も出場するぜ!」
ソラオ「僕も!」
スイート「あたしも!」
レッド「…俺達も出場するか?」
グリーン「…そうだな。」
オーキド『ホッホッホッ! 決まったようじゃな!』
カスミ「けど、オーキド博士。 サトシは十分ポケモンマスターになったんですから、
    今回は止めた方が…。」
サトシ「おい、カスミ…!!」
レッド「いや、ポケモンマスターになっても、もうリーグに出場しないって訳じゃない。 
    何度も出場したり、違う大会に出場したりすれば、その名も世界中に広がるんだ。 
    サトシも自分の名を広げさせたいんだよ。」
カスミ「でも…。」
サトシ「決まり決まり! じゃあ、これから各地のジムに行ってバッジを取りに行って
    来ます!」
オーキド『うむ、がんばるんじゃぞ、サトシ君! この事は君のお母さんにも伝えておく
     から、何も心配するでないぞ! では、何かあったらまた電話しなさい! 気を
     付けて旅立つんじゃぞ、諸君!』
プツン! そして画面が途切れ、サトシは受話器を切った。
サトシ「これで
OKだな!」
シュウ「ヘッヘ、久しぶりに燃えてきたぜぇ!!」
マロン「あたしもがんばろうっと!」
ケンジ「すごいよ、君達!!!」
サトシ達「え?」
ケンジ「君達って、あのオーキド博士の知り合いだったの!? それってめちゃくちゃ
    すごいじゃん!!!」
サトシ「あ、ああ…。」
シゲル「俺はじいさんの孫だけど…。」
グリーン「俺もそうだが…。」
キクコ「あたしはじじいの奥さんだけどね。」
ケンジ「そうなの!? そんな事も全然知らなかったよぉ!!! いやぁ、でもホントに
    凄すぎるよ、君達!!! あのオーキド博士とだなんてぇ…!!」
カスミ「何感動してんの?」
ケンジ「オーキド博士はポケモンウォッチャー達に取って憧れなんだよ!!!」
カツラ「へぇ…オーキド君もさすがにすごいんだな。」
キクコ「ファン(?)もいるとはねぇ…。」
ケンジ「よーし!!! 僕もみんなと一緒に行くぞぉ!!!」
サトシ達「えぇ!?」
ケンジ「オーキド博士と会って、今まで集めた資料を全部見せてもらうんだ!!」
カスミ「ちょっと、勝手に決めないでよ!!」
サトシ「まあ、いいじゃないか。 仲間が多くいればもっと楽しいし、入ってもいいぜ?」
ケンジ「ホントに!? ありがとう、サトシ! じゃあ、改めて、これからもよろしく!」
サトシ「ああ、よろしくな、ケンジ!」

ヴィイイイン! その後、センターの入り口からカルロスが入って来た。
カルロス「おお、待っててすまなかったな!」
サトシ「あ、カルロス! フェニックスの調子は?」
カルロス「ああ! フェニックスの修理完了! このままフェニックスに乗って、
     出発だぁ!!」
サトシ達「やったぁあああ!!!」
ケンジ「?」
はしゃぐサトシ達と、何が何だか分からない様子のケンジ。
カルロス「…と言いたい所だが…。」
サトシ達「…え?」
ケンジ「???」

―ボンタン島空港、ガレージ―

サトシ達は空港ガレージにいた。 何かがあったらしい…。
サトシ達「えぇええええええええ!? 部品がなくなったため空が飛べないぃいいい!?」
カルロス「ああ。 さっきの変な戦闘機のせいで、その部品が海に落ちちまったらしい。」
コジロウ「どんな部品なんだ?」
カルロス「飛行用と浮上用のエネルギーチップと、アッパージェットエンジンのエネルギー
     チップ。 あれがないと、空も飛べないんだ。」
フウコ「そんなぁ!? じゃあ、どうやって行けるの!?」
カルロス「ここは仕方なく、海で渡るしかねぇだろ?」
ドリオ「海でかぁ…けど、スピードは変わんねぇよな?」
カルロス「いや、アッパーエンジンが故障してるため、エンジン速度は半分まで激減
     しちまった。 少しだけ、遅く進むそうだ。」
カスミ「そんなぁ…。」
キヨミ「で、結局分かったの、その戦闘機?」
カルロス「いや、あの戦闘機を詳しく調べてみた。 ここの図書館で、米国(アメリカ)
     軍の空軍図鑑や、
NATO軍の兵器図鑑、NASA飛行兵器図鑑などを調べたけど、
     鷹型の戦闘機の事は全然書かれていなかった。 恐らく、あれはどこかの誰かが
     作った、不審戦闘機だったかも知れねぇ…。」
サトシ「なるほど…。」
カルロス「けど、ここは仕方なく、速度は遅くても、このまま海へ渡ってマサラへ戻ろう。 
     そして修理はそこからだ。」
サトシ「…あ、あの〜、カルロスさん?」
カルロス「あぁ?」
サトシ「実は、頼みがあるんだけどぉ…。」
カルロス「何だ?」

その後、サトシはオレンジリーグの事をカルロスに説明した。
カルロス「何ぃ!? オレンジリーグに出場するために島々全体行きたいってぇ!?」
サトシ「お願い、カルロス! このままでもいいから、ジムのある島へ連れてってくれ! 
    この通りだから!」
カルロス「けど、
GSボールはどうすんだよ?」
シゲル「それならいつでも待ってるってじいさんが言ってたよ!」
ブルー「あたし達もリーグに出場したいの!」
イエロー「お願いします、連れてってください!」
カルロス「けどよぉ…。」
コゴロウ「いいじゃねぇのか、カルロス? どうせその間南国ポケモンの研究とか
     出来んじゃねぇの?」
カルロス「ん?」
ザクロン「そうそう。 一度だけしか見られねぇかも知れねぇぜ?」
ヘルザード「マサラに戻っちまったらいつここに戻れるか分かんねぇかもよぉ?」
カルロス「う〜〜〜ん………まあ、確かにそうだな。 南国ポケモンも興味あるし…。 
     よし、だったらオレンジ諸島全体行こうじゃねぇか!!」
サトシ「サンキュー、カルロス! ありがとう!!」
アツコ「けど、このままどうするの? フェニックス、このまま動けないんでしょ?」
カルロス「あ、ああ…。」

―カントー・マサラタウン―

一方マサラタウンでは、残ったリユニオン達がハナコに、サトシがオレンジリーグに出場
する事を報告した。
ハナコ「え!? サトシ達がオレンジリーグに!?」
ラマセス「ええ、彼らはそう仰ってました。」
ネクロ「他のリーグにも参加してみたかったんでしょう。」
ハナコ「…そうですか…。 あの子、そう言うの好きですから…。 …けど、止めても無駄
    でしょうね。 それが彼が選んだ道ですから。 …ウチの亭主も、同じ事
    してましたので…。」」
イグゼス「亭主がどう…。」
ドスッ!! その後アークストはイグゼスの腕を殴った。 そして彼はイグゼスの耳に
小声で言った。
アークスト(バカ者!! サトシの父親は死んでるのを忘れたのか!?)
イグゼス(あ、そうか…。)
ザノア「…で、許可はどうなのでしょうか?」
ハナコ「ええ、彼が選んだ道ですから、その望みを許可します。 …この先、無事に
    いてくれれば、いいのですが…。」

―オレンジ諸島・ボンタン島の海岸―

ドシャアアアアアアアン!!! 一方ボンタン島では、カルロスのアイディアで、ブレイク
のウルフラマイターとゼトラの鉄巨人のコンビで、フェニックスは海水に置かれた。 その
間サトシ達はフェニックスに乗っていて、ブレイクとゼトラはモンスターをボールに戻した。
カルロス「大型モンスターを持つブレイクとゼトラがいて助かったぜ。 サンキュー、
     二人共!」
ブレイク「ノープロブレムだぜ!」
ゼトラ「礼はいらねぇよ。」

ケンジ「すっごぉおおおい!!! あんな大きな生き物も持ってたなんて、君達って
    すごいやぁ!!!」
…今まで気付かなかっただろうが、ケンジも乗っていた。
カルロス「…って言うか、あんた誰?」
サトシ「あ、こいつケンジって言うんだ! 俺達の新しく仲間となったポケモン
    ウォッチャーさ!」
カルロス「ほぉ、ポケモンウォッチャーか。 そう言えば聞いた事あるな? 俺
     カルロスってんだ。 よろしくな!」
ケンジ「ええ、こちらもよろしく! それより…何でそんな着ぐるみをしてるんですか?」
カルロス「…着ぐるみぃ〜???(怒)」
サトシ「あ、ちょ、ちょっとケンジ!」
その後サトシはケンジの耳に小声で言った。
サトシ(…カルロスは獣人なんだよ。 あまり悪い事言うんじゃねぇよ!)
ケンジ「獣人…? えぇえええ!? 貴方獣人だったんですかぁあああ!?」
カルロス「あ、ああ…。」
ケンジ「すごぉい!!! まさか本物の獣人もいたなんてぇ!!! サトシって、獣人でも
    仲間にしてんだね!? 本物を見るの初めてだよぉ!!!」
サトシ「え…そ、そう…?」
ケンジ「とにかく、早速観察させてもらいます!!!」
そしてケンジはカルロスの絵をスケッチした。
コゴロウ「…おい…。」
クリスティ「へぇ…ポケモン以外にも人を観察やスケッチするんだぁ〜…。」
カルロス「…サトシ、お前意外と変な奴を仲間にしたんだな…。」
サトシ「…まあ、その内慣れるよ…きっと…。 よーし、それよりも、今回こそ俺達には
    新しい旅の始まりだ! 目標は、オレンジリーグ出場!! サザンクロスのジムへ
    向かって、出発だぁ!!!」
全員「おう!!!」

新しい仲間、ケンジを追加し、新しい旅立ちへと向かったサトシ達。 果たして、オレンジ
諸島ではどんなトレーナーと出会い、どんなポケモンと出会うのか? 彼らの新たな旅は、
今から始まる!

続く…。

ソニックの後書き:
お待たせ致しました♪ ケンジ登場ッス〜♪ いやぁ…今回の彼…変に作っちまった
な…。(汗) ファンの皆さんごめんなさい。(反省) けど、余りにも変な話になった
なぁ…。 まあ、次回は大丈夫だろうね。(何) では、次回も期待ねぇ〜♪