ポケットモンスター小説版
189話 幽霊船と幽霊ポケモン

以前ザボン七島でナナを助け、カビゴンをゲットしたサトシ達は、次の島へ向かうため、旅を続けていた。 その間サトシは、食堂でユウキ作の焼きそばを食べていた。(なぜ!?)

サトシ「う〜〜〜ん、本ッ当この焼きそば美味いぜぇ! さすが名コックのユウキさん! 
    腕はすごいぜぇ!」
ユウキ「ウフ、こう見ても自信があって作ったからね!」
…とその時。

コジロウ「邪魔するぜぇええええええええええええ!!!!!!」
ベチャッ!!!! 突然コジロウが登場し、サトシとユウキは驚き、サトシは顔ごとを
焼きそばに突っ込んだ。
サトシ「…ぶ…コジロウ!!! 突然と大声で登場すんなぁ!!!」
ユウキ「び、ビックリした…。」
コジロウ「いやぁ、悪ぃ悪ぃ! けどこれ見ろよ、サトシ!!」
コジロウはサトシにある
FAXの紙を見せた。 紙に載っていた写真には、藻屑で汚れた
トロフィーだった。 恐らくこれは何かの新聞からコピーされた物らしい。
サトシ「ん? 何だよこれ?」
コジロウ「スダチ島って言う島の近海にて、沈没船からお宝発見だってよぉ!!」
サトシ・ユウキ「お宝発見!?」
コジロウ「ああ!! 三百年前のオレンジリーグの優勝トロフィーだってよぉ!!」
サトシ・ユウキ「三百年前のぉ!?」
コジロウ「しかも、スダチ島の博物館で公開するってさ!」
ユウキ「けどその
FAX、誰から貰ったの?」
コジロウ「マサラにいるラマセスから貰ったんだよ。 新聞で載ってたから、
FAX
     届いたと…。 なあ、サトシ。 スダチ島ってこの近くなんだろ? せっかく
     だから寄り道して見に行かねぇか? どうせトロフィーはどう言う奴なのか、
     見てみたいだろぉ?」
サトシ「三百年前のオレンジリーグの優勝トロフィー………面白そう!! じゃあ、
    スダチ島へ行こうってカルロスに伝えよう!!」

―フェニックス・操縦室―

サトシ・ユウキ・コジロウは、フェニックスの舵を回しているカルロスにスダチ島へ
行こうと伝えた。

カルロス「スダチ島の博物館へ行きたいって?」
サトシ「ああ。 ダメかな?」
カルロス「…いいんじゃねぇの? こっちもどうせ部品探してぇし、寄り道すんのも
     悪くねぇしな!」
サトシ「よっしゃ!! じゃ、早速スダチ島へレッツゴー!!!」

―スダチ島―

ここはスダチ島。 博物館の名所と呼ばれる島である。 サトシ達はそのトロフィーを
見に行くために、博物館へ向かったが…。

警備員「ダメダメ! 例の品はまだ準備中だ! 明日公開するまでまだ見られないよ!」
サトシ「そうか…やっぱまだダメなんだ…。」
カスミ「それはそうよ。 まだ発見されたばかりのお宝だから…。」
シゲル「じゃあ、明日の朝早く見に行こうぜ!」
ブルー「それはグッドアイディア! そうしましょ!」
サトシ「よし。 じゃあ、ポケモンセンターに行こう。 もう夕暮れだしな!」
仲間達「おう!!!」

―翌日―

サトシ達は朝早く起き、早速博物館へ向かったが…なぜか博物館前に警察やパトカー、
野次馬で集まっていた。
ケンジ「あれ? 警察があんなに…?」
ヒロシ「何かあったのかな…?」
ジュンサー「はいはい、皆さん! 入らない入らない〜!」
サトシ達はジュンサーに話しかけた。
サトシ「済みません! 何かあったんですか?」
ジュンサー「あら? 貴方どこかで見た事あるような…?」
サトシ「え”!? あ、いや、人違いでは…?」
ジュンサー「………あぁあああああ!!! 思い出した!!! 貴方、カントーで有名な
      サトシ君でしょ!?」
サトシ「いっ!?」
ジュンサー「キンカン島にいる姉から聞いたわぁ!! 貴方はあそこで起こった
*事件を
      解決したって!! しかもカントーではポケモンリーグ優勝し、怪人
      セフィロスを倒したとかぁ!!! うそぉ!! まさかこんな所で本物の
      サトシと会えるなんてぇ、夢にも思わなかったわぁ〜!!!」

*「第179話 消えたポケモン達の謎」参照。

サトシ「…あ、あの…何かあったんですか?」
ジュンサー「ああ、そうだった。 サトシ君、この博物館に捜査隊が沈没船で発見した、
      三百年前のオレンジリーグのトロフィーがあるって知ってるよね?」
サトシ「ええ…それが?」
ジュンサー「実は、昨夜からそのトロフィーが、何者かに盗まれたの。」
サトシ達「えぇえええええええええええ!?」
ジュンサー「監視官の話によると、指紋は残っていないけど、犯人の足跡も残ってない上、
      窓や扉から侵入した所もないの。 窓には穴もないし、割れてもいないし…
      扉だってピッキングされた跡もないし…とても不思議すぎるのよ…。」
コゴロウ「だとしたら…これは完全犯罪でしょうか?」
ジュンサー「そうだと思うけど…時には不可能犯罪でもあるわ。 だって何もしないで
      盗む事なんて誰にも出来ないもの!」
ツバキ「…じゃあ、トロフィーは…。」
ジュンサー「残念だけど、盗まれている以上、見られないわね。」
サトシ達「はぁ〜〜〜…。」
がっかりしたサトシ達は、溜め息を出した。

その後、サトシ達は博物館から離れ、そのまま路上に歩いていた。
サムライ「惜しいでござるなぁ〜…。」
サクラ「トロフィーはどんなのか見たかったのにぃ〜…。」
アヤメ「こんな時に盗まれるなんて信じられないわねぇ…。」
ボタン「もう、絶対許さないんだから、そう言う泥棒!!」
アキラ「けど誰が盗んだんだろうなぁ?」

その時、別々に出かけていたカルロスと遭遇した。
カルロス「…お! よう、みんな! 早かったなぁ!」
ジュン「それが、博物館は事件で閉館中なんです。」
セイヨ「泥棒がトロフィーを盗んだんですって!」
カルロス「何だってぇ!? そりゃホントかぁ!?」
マチス「しかもパーフェクトクライム!! 完全犯罪だぜ!!」
ナツメ「不可能犯罪とも言えるわ。 だって何もしないで突然盗まれたのよ。」
カルロス「なるほど…そりゃ災難だなぁ…。 じゃあ、ここはもう用済みか。 こっちも
     用済みだ。 この島にも部品一個も売ってなかったよ。 なら、フェニックス
     に戻ってとっととこの島からおさらばだ!」
サトシ「ああ。」

―フェニックス・育成室―

スダチ島から出たサトシ達は、フェニックスに乗って、旅を続ける事にした。 その間
サトシは、育成室シュウとマロンと一緒にポケモン達と遊んでいた。

シュウ「ったく、今日は何かついてねぇよなぁ〜。」
マロン「トロフィー見られるかと思ったのにぃ〜…。」
サトシ「まあ、今日はしょうがねぇさ。 今はそれよりも旅を続けなければならねぇ
    からな。」
ピッピ「けど犯人は一体誰だったんでしゅかねぇ?」
シャワーズ「ドラゴンナイツの仕業かな?」
ピカチュウ「ピカァ〜?」
サトシ「まさかぁ。 あいつらがトロフィーで悪巧みをする訳もねぇさ。」
シュウ「だよな。 あいつらポケモンを中心に狙ってるから、トロフィーは全く関係
    ねぇかもな。」
マロン「でも…やっぱり見たかったなぁ…。」
シュウ「全くだぁ…。」
サトシ「お前達なぁ…。」

カルロス『サトシぃいいい!!!』
サトシ・シュウ・マロン「!?」
その時、ラジオからカルロスの声が流れた。
サトシ「ど、どうしたんだ、カルロス!?」
カルロス『今この船の運航中、霧に入った途端、何かが目撃したぁ!!』
シュウ「何かって?」
カルロス『外を見ろぉ!!!』
サトシ「外ぉ?」
サトシ達は、窓を覗き、外を見た。
サトシ・シュウ・マロン「!?」
そう、外には何と、霧の中に浮いている幽霊船だった! ボロボロな船体と布で、
そのまま揺れながら浮いていた。
サトシ「な、何だありゃ!?」
カルロス『幽霊船だよ!! しかも直ぐ近くに浮上してるぜ!!』
ピッピ「ゆ、幽霊船ってぇ!?」
ピカチュウ
3「ピカ〜〜〜!!」
マロン「な、何でその幽霊船がここに!?」
カルロス『分かんねぇけど…。 取りあえず行ってみるか?』
シュウ「い、行ってみるって!?」
カルロス『だってよぉ、さっきブレイクが行きたいって言うからさぁ…特にキクコさんや
     ガレムだって興味津々でよぉ…。 もう賛成しちまったぜ! だからこのまま
     幽霊船に移動するぞ!』
サトシ「って、ちょ、ちょっと待てよぉ!! 俺はまだ何も…!?」
…と言っても、結果は遅かった。

―幽霊船―

ここは幽霊船。 船全体はボロボロで、誰もいない。 サトシ達は、その船に乗っていた。

サトシ「…何で俺達がこんなトコに来なけりゃならねぇんだよぉ…?」
カルロス「しゃ〜ねぇじゃねぇかよ。 もう決まっちまった事だし…。」
キクコ「いやぁ〜、これはいいねぇ〜。 デザインもいいし、なかなかいい仕事してる
    よぉ〜。」
シゲル「…そう言えば、ばあちゃんってこう言うの趣味だったんだよな…?」
グリーン「…ああ…。」
ガレム「さすがに良く出来た船だなぁ? 
*前のとは全然違うぜぇ…。」
エリカ「それってどう違うのでしょうか?」

*「第8990話 恐怖の幽霊船(前編〜後編)」参照。

ブレイク「ヘッヘッヘ、幽霊船なんて久しぶりだぜぇ…。 こう何か出て来そうで
     ワクワクするぜぇ…!」
アツミ「ワクワクするの、あんた!?」
ゼトラ「…あいつホラー系好きだからな。」
センタ「って言うか、久しぶりって…一度乗った事あんのぉ!?」
ゼトラ「昔はな。」
タイチ「うぅ…お兄ちゃん…怖いよぅ〜…。」
ライゾウ「だ、大丈夫だよ、タイチ…。」
センタ「うっ…ね、姉ちゃん…怖くない…?」
アツミ「そ、それは怖いわよ…。 こう言うの…初めてだし…。」
ピッピ「怖いでしゅ〜〜〜!!!」
ピカチュウ
3「ピカァ〜〜〜!!!」
マロン「お、落ち着いてみんな…。」
キョウ「しかし一体誰がこの船を作ったのでござるか?」
アヤ「ゴーヴァじゃないかしら?」
ガレム「そりゃあり得ねぇぜ? ゴーヴァは確かに幽霊船を作り出せるボス級(クラス)
    の悪霊モンスターだが、カルロスがゲットされてる以来、作れるはずはない。」
フウコ「じゃあ、誰が作ったんだろう…?」
ドリオ「けどこの船、深海から引き上がったみたいだなぁ?」
ミズキ「確かにそうだね。 床とか柱には藻屑がいっぱいだよ。」
アツシ「しかもカビとかもないしなぁ…。」
カスミ「……………。」
その時、カスミは周辺を見回っていた。
サトシ「? どうしたんだ、カスミ?」
カスミ「…ね、ねぇ…何か、誰かに見られてる感じがしない…?」
カツラ「それほどの気配はしないなぁ…。」
デルヴァ「気のせいじゃねぇのかぁ?」
ギシッ! デルヴァが柱に横倒れた時、柱が傾き始めた。
デルヴァ「!?」
そして柱は真っ直ぐカスミの方へ倒れて来た!
デルヴァ「あ、カスミ!!! 危ねぇ!!!」
サトシ「!!!」
カスミ「!!! きゃあああああああああ!!!!」
サトシ「危ねぇ!!!」
ドサァアアアアアアン!!!! サトシはカスミに飛び込み、倒れる柱から救えた。 
ブルー・アイ「サトシ(君)!!!」
ツバキ「カスミちゃん!!!」
サトシ「いつつつ…だ、大丈夫か、カスミ!?」
カスミ「え、ええ…って、あぁ!? トゲピーは!?」
気が付いたら、カスミがいつも抱えていたトゲピーが消えていた。
サトシ「…あ!! あそこだ!!」
サトシはトゲピーを目撃するが、トゲピーは転がりながら、穴の方へ進む。
トゲピー「チョゲェ〜〜〜♪」
カスミ「あぁあああ!!! 誰かトゲピー助けてぇえええ!!!」
シャワーズ「任せてぇ!!」
ピカチュウ「ピカァ!!」
トゲピー「チョッケェ♪」
そしてトゲピーは穴へ落ち始めた。
ピカチュウ「ピッカァアアア!!!」
スカッ!!! だがピカチュウはトゲピーを捕まえようとすると、届かなかった。
ピカチュウ「ピ!? ピ、ピカァアアアア!?」
シャワーズ「ピカチュウ!!」
ガシッ!!! だがシャワーズは、落ちるピカチュウの尻尾を噛み加え、落下から救えた。
トゲピー「プリィイイイイイイイ…♪♪♪」
そしてトゲピーは喜びのまま、暗い穴の方へ落ちて行った。
カスミ「トゲピーーーーー!!!」

―船内―

その後、落ちたトゲピー、何かの袋の上に丸まっていた。 丸まったのは、落下から身を
守るため。 袋は恐らくクッション代わりに使ったのだろう。 そしてトゲピーは元の
形状に戻り、歩き出した。

トゲピー「チョゲップリィ〜〜〜♪ チョゲ?」
その後、ある扉から宙に浮いている二つの布が現れた。 その布には目があり、そのまま
スーーーッと飛んで行った。 恐らく、幽霊らしい。 しかし、一体の幽霊は何と、あの
トロフィーを持っていた。
トゲピー「チョゲ? チョッケェ〜♪」
そしてトゲピーはそのまま幽霊を追い始めた。

―一方サトシ達―

サトシ達は、トゲピーを探すため、船内に入った。 廊下はかなり暗いが、壁に付いて
いるライトで薄く照らしていた。

サトシ「何か本気に何か出そうで不気味だなぁ…。」
アツコ「そんな事言わないでよぉ〜…。」
ダン「いや〜、でも何か出そうでワクワクするねぇ〜!」
ハンゾウ「お前は喜ぶなぁああああああ!!!!!(怒)」

ピッピ「うぅううう…怖いでしゅ〜〜〜…。」
ピカチュウ
3「ピカァ〜〜〜…。」
イーブイ「は、はは…こ、こんなの全然………怖いかも…。」
ゼニガメ「怖いですぅ〜〜〜…。」
マロン「うぅううう…怖いよぉ〜〜〜…。」
ココナッツ「怖いよぉ〜〜〜…。」
アーモンド「…お前らなぁ…。 俺の服から手ぇ放してくれねぇか? 服が破ける…。」
マロン・ココナッツ「あっ。」
そう、マロンとココナッツはアーモンドの服を引っ張っていた。 おまけにピカチュウと
ピッピはマロンの足、イーブイはココナッツの足、ゼニガメはアーモンドの足を掴んで
いた。
マロン「ちょっとぉ!!! アーモンドから手放しなさいよぉ!!!」
ココナッツ「何言ってんのよぉ!? あんたこそ放しなさいよぉ!!!」
サノスケ「だぁああああ、もう!!! こんな不気味なトコでケンカすんな、
     見苦しい!!!」
ヒトカゲ「…な、なあ…ピース…。 ここに来たからには…途中で倒れるなよ…。」
ピース「あははは、大丈夫だよ。 けど湿気で倒れるかも…。」
ヒトカゲ「それもよくねぇ!!!」
ダネリーナ「ピチュタチオ…怖いでしゅ〜〜〜…。」
ピスタチオ「大丈夫大丈夫! 怖くないから安心して!(けどマロンさんがこっちに飛び
      込んでてくれればぁ…(
T_T))」
メタモン「ウォールよ、これも試練の一つだから、途中で逃げたりするでないぞ!」
ウォール「そ、そんなぁ…。」
アーモンド「プクリンさん、何があったら俺が貴方をお守りしますから! 俺から
      離れないでくださいよ!」
プクリン「プクゥ〜
v(頼もしいわぁ〜v)」

ピカチュウ
2『…は、ハッハッハ…こんな場所…全然怖くなんて…ないもんねぇ…。』
マサトシ「…ピカチュウ、お前の肩に何か付いとるで。」
ピカチュウ
2『ひぃっ!?』
ピカチュウは驚いて、肩を見たが、何も付いていなかった。
マサトシ「クク…気にすんなや。 ただのハエや。」
ピカチュウ
2『このバカぁあああああああ!!!!』
ビリリリリリリリリリ!!!! そしてピカチュウは「電気ショック」でマサトシに攻撃!
マサトシ「何でじゃああああああああああ!?!?!?!?」
シュウ「そりゃ驚かせば怒るがな…。」

ラン「……………。」
その間ランは、気分悪くなるように、少し揺れていた。
シュウ「! おい、ラン、大丈夫かぁ!?」
ラン「…う、うん……だ、大丈夫…。」
その後、ランはシュウの方へ倒れ込み、シュウは彼女を抑えた。
シュウ「!? お、おい!?」
サトシ「! どうしたんだ?」
シュウ「ランの奴、突然気分が悪くなってんだよ!」
キヨミ「何かの病気かしら?」
リン「あ、ううん。 ランは暗所恐怖症だから、こう言う所に来るとすぐ気分悪く
   なっちゃうの。」
ゼトラ「…だとしたら、こんな所で長くいない方がいい。 一刻も早くトゲピーを
    探さないとな。 そしてそれが終えたら、ここから離脱しよう。 後、二手に
    別れない方がいい。 ここは幽霊船、暗くて広い場所だ。 こんな分かり難い
    場所で別れたら、後で合流するのも一苦労だろう。」
サトシ「そうだな。 けど、早くトゲピーを見つかる方法は何だろう…? 部屋一つ一つ
    探すだけじゃ時間の無駄だし…。そうだ!! こう言う時には…シェイド、君に
    決めた!!!」
ポォン!!! サトシの掛け声によって、シェイドが出現した!
シェイド「久しぶりだな、サトシよ。 私のお呼びか?」
ツバキ「な、何、あのこうもり…?」
サトシ「シェイドって言う精霊なんだ! シェイド、相手の探知出来る能力とかないか?」
シェイド「誰か探しているのか?」
カスミ「あたしのトゲピーよ! 途中に逸れちゃって、今は探してる途中なの!」
サトシ「シェイド、お前の闇の力で、トゲピーを探し出せる事は出来ないか!?」
シェイド「…出来ない訳ではない。 この場所(エリア)なら、私の力でトゲピーを探し
     出せる事は出来るぞ。」
カツコ「どうやって?」
シェイド「忘れてはいないだろうな? 私は闇の精霊…「影」も闇の一部。 相手の影を
     探知さえすれば、どこにいるかは直ぐに分かる。」
サトシ「そうか!! そう言う能力もあったんだ!! じゃあ、頼むぞシェイド!!」
シェイド「承知した。 ……………。」
その後シェイドは、しばらく集中するために沈黙に入った。 そして…。
シェイド「……………!!! こっちだ!!」
そしてシェイドは、トゲピーの居場所が分かったのか、突然と動き出した。
サイゾウ「見つかったようでござるな!」
サトシ「よし、後を追うぞ!!」
サトシ達はそのまま走り出すが…。

シュウ「ラン、少しでも歩けるか?」
ラン「う、うん…。」
シュウ「しばらく俺に捕まってろ。 ゆっくり歩くから、それでいいよな?」
リン「無理しない方がいいわよ!」
ラン「シュウ………ご、ごめん…足手纏いで…。」
シュウ「何言ってんだよ。 たまにはいいぜ。 気にするこたぁねぇさ。 早くここから
    出て、お前が無事に健康になれば、それでいいんだよ。」
ラン「シュウ………?」
シュウ「…とにかく、行くぞ!」
ラン「う、うん…。」
シュウはランを掴みながら、歩いて行った。 しかしリンは、そんな彼らの事を何か
考えていた。
リン(…シュウ…もしかしてランちゃんの事…?)

その後、シェイドはある扉の前に止まっていた。 サトシ達も彼を追い付き、その場へ
辿り着いた。
サトシ「ここか!!」
ヒトカゲ「ピース、早くしろよ!!」
ピース「ちょ、ちょっと待ってくださいよ…。 余りにも走ってて疲れた…。」
そんな不調なピースは、激しく息を出しながらよろよろと歩いて来た。 同じくシュウも、
不調なランを掴みながら歩いて来た。
ヒトカゲ「ったく、こんな時によ〜…。」
カオルコ「仕方がありませんわ。 ピースさんは体に弱いし、ランさんは暗所恐怖症で
     体調が弱まってますわ。 余りにも無理しない方が体にいいです事よ。」
ヒトカゲ「そこまで言われてもよぉ〜…。」
シェイド「…トゲピーの影は…この部屋の奥から反応している…。」
ジャグナル「…確かに、トゲピーのはしゃぐ声が聞こえる。」
カスミ「ホントに!?」
サトシ「とにかく、開けるぞ!!」

ガチャッ!!! サトシが扉を開けると、部屋の置くにはトゲピーがいた。 そして
盗まれていたトロフィーも、ある台に置かれていた。
カスミ「トゲピー!!!」
トゲピー「チョッケプリィ〜
vvv
ウミオ「って、おい!! あの台に置かれてるのは…!?」
ソラオ「例の盗まれたトロフィー!?」
スイート「どうしてこんな所に!?」
カスミ「トゲピーーー!!!」
カスミはトゲピーと所へ駆けつけるが…。
ヌン!!! 彼女の目の前に布に被った幽霊二体が現れた!
カスミ「きゃっ!?」
トミオ「な、何だありゃ!?」
リョウマ「幽霊か!?」
ピッピ「ひぃいいい!!! 本物でしゅう〜〜〜!!!」
ピカチュウ
3「ピピ〜〜〜!!!」
カスミ「あたしのトゲピーに何すんのよぉ!? ヒトデマン、行けぇ!!」
ヒトデマン「デヤ!!!」
カスミ「ヒトデマン、「体当たり」よぉ!!」
シェイド「あ、おい、ちょっと待っ…!!」
ガシガシィッ!!! だがヒトデマンは「体当たり」で布を取った。
サトシ達「なっ!?」
そう、幽霊の正体は、ポケモンのゴースと、その進化形のゴーストだった。
サトシ達「ゴースとゴースト!?」
ゴース「ゴォ〜〜〜ス!」
ゴースト「ゴォ〜〜〜スト!!!」

ポケモン図鑑『ゴースト・ガス状ポケモン・ゴースの進化形。 暗闇で誰もいないのに
       見られているような気がしたら、そこにゴーストがいるのだ。 
       舐められると命を吸われる。 体が震えて止まらなくなり、やがては死に
       至ると言う。 本当に何も見えない暗闇で、ゴーストは静かに獲物を
       狙っているのだ。』

ピッピ「あや? ゴースしゃんとゴーストしゃんだったんでしゅか?」
ピカチュウ
3「ピィ〜カァ〜?」
ヒトカゲ「何だよ、驚かしやがって…。」
ケン「…ポケモンなら平気なのかよ、お前ら…?」
サトシ「とにかくトゲピーを連れ戻すぞ!! シャワーズ、行けぇ!!」
シャワーズ「おっしゃあああああ!!!」
だが突然シャワーズの前にシェイドが現れた。
シャワーズ「うわっ!? しぇ、シェイド!?」
シェイド「誰が攻撃しろと言った。」
サトシ「シェイド、あいつらは…!!」
シェイド「これがどうしただと?」
シェイドが振り向くと、ゴースとゴーストはなぜかトゲピーと遊んでいた。
ゴース「ゴスゴォ〜ス!」
トゲピー「チョッケェ〜
v
ゴースト「ゴ〜スト!!」
サトシ「…へ?」
シェイド「ただ遊び相手になってるだけだ。」
カスミ「…遊んでる…?」

ゴースト「ゴス? ゴゴ〜スト!」
その後、ゴーストはシュウの方へ飛んで来た。
シュウ「うわっ!?」
そしてゴーストは、手をシュウの頭に乗せた。
シュウ「!? ……………。」
その後、シュウの目が突然白くなり、意識を失ったようだ。
ラン「…し、シュウ…!?」
ユウタ「ど、どうしたんだ、シュウ?」
シンジ「何だ? 何があったんだ?」
そしてシュウは、ゆっくりとサトシ達の方へ振り向いた。
サトシ達「ひっ!?」
シュウ『………無礼な真似で済まなかった。 俺の名はゴースト。 そいつはゴースだ…。』
ウォール「!? な、何いきなり言うんだ!?」
ピスタチオ「…シュウ君、あのゴーストに操られてるんじゃ…?」
サトシ「おい!! お前シュウに何を…!?」
シュウ『心配するな。 普通だと言葉が出せないから、こいつの声を少し借りているんだ。 
    安心しろ。 何も悪くはしない…。』
ムサシ「…だといいんだけどね。」
コジロウ「それよりも、お前達か!? そのトロフィーを盗んだのは!?」
シュウ『盗んだ? 取り返したんだよ。 「俺達のトロフィー」をな。』
サトシ「俺達のトロフィー…?」
ヤマト「ちょっと…何言ってるか全然分かんないわよ!」
コサブロウ「そのトロフィー、何でお前達の物なんだぁ?」
シュウ『…フッ、当然誰も知らないか。 あれからもう三百年も経つ…。 現代では誰も
    知るはずもないか…。 いいだろう、説明してやろう。 このトロフィーと、
    この船の伝説を…。』
サトシ「トロフィーとこの船の伝説…?」
その後、ゴーストは激しく息を出しているランに見詰めた。
シュウ『…ここだと話し辛いな。 場所を変えよう。』

ザァアアア…!! ゴーストが手を上げたあと、風景は突然と海に変わった! そんな
サトシ達は空に浮いているが、これは恐らく立体映像のつもりらしい。
サノスケ「な、何だこれは!?」
ゴエモン「場所が変わった!?」
ハンゾウ「しかも、俺達浮いてるぅ!?」
シュウ『心配するな。 これは唯の立体映像だ。 三百年前のね。』
サトシ「何だって!?」
シュウ『…お前こそどうだ? 気分が治ったか?』
ラン「え…? あ、あれ? 突然、気持ち悪さが…?」
風景が変わった後、ランの体調も戻った。
シュウ『風景を変えたのは正解だったな。 お前は暗所恐怖症。 あの暗さで会話など
    していたら、お前の命も危なくなる所だったな。』
ラン「な、なぜあたしが暗所恐怖症だと…!?」
シュウ『悪いな、こいつの心を勝手に覗かせてもらった。 こうしないと、お前も危なく
    なる所だったからな。』
ラン「そ、そうなの…?」
シュウ『まあ、話を戻して、これからトロフィーとこの船の伝説を言おう。 まずは、
    下を見るがいい。』
サトシ「下?」
サトシ達は下を向くと、そこにはさっきの幽霊船があった。 けど、これは幽霊船
ではなく、ちゃんとした立派な船だった。
カンナ「これは…幽霊船?」
シュウ『今はな…けど昔は俺達の主人(おや)の船だった。』
サトシ達「何だって!?」

その後、風景はまた変わり、サトシ達は船の上に立っていた。 映像に映っているのは、
前髪長く尖がっていて、紐で結んだ茶色の長髪、髭も付き、白と茶色の服をした男。 
恐らく、この船の船長らしい。 その船長の隣には、もう一匹のゴースとゴーストがいた。
シュウ『俺達の主人(おや)はこの船の船長だった。 名は『アレックス・
H
    ルーゼベルト』。 この船は元々は島から島へと荷物を運ぶための船だった。 
    アレックスはポケモンが大好きで、俺達を可愛がってくれた。』

その後、風景はまた変わり、サトシ達は再び空に浮かんでいた。 だが、今度は嵐の風景。 
その船は、荒波によって沈んで行った映像が映った。
シュウ『…だが、突然すごい嵐が現れ、嵐が作り出した大雨と荒波で、この船は海底へと
    沈んで行ってしまった…。』

その後、風景はまた変わり、サトシ達は沈没した船の中にいた。 しかし、これは立体
映像。 本当に海の中にいる訳でもない。 映像には、藻屑に汚れたトロフィーと、
ゴースとゴーストの入った二つのモンスターボールがあった。 
シュウ『…それ以来船長は嵐によって行方不明となって、この三百年間、モンスター
    ボールの中に眠り続きながら、船長の宝物となるこのトロフィーを守り続けて
    いた…。』
だがその映像には、アクアスーツを着た二人組が現れ、保管されていたトロフィーを取り、
そのまま部屋から去った。 その人物達は気付かずにモンスターボールをぶつかり、
ボールからゴースとゴーストが出て来たシーンが映っていた。
シュウ『…だが、突然奇妙な服を着た人間が現れ、トロフィーを持ち去ってしまった。 
    それによってボールから目覚めた俺達は、この船を操り、海上へ浮上し、
    トロフィーを取り返しに来たんだ…。』
カンナ「この船…例の沈没船だったのね…?」
シェイド「…思った通りだ。 この船にはかすかにポケモンの力が感じていた。 どうせ
     ポケモンの仕業だと言う事すら、私は知っていた。」
ハンゾウ「だったら教えてくれればよかったじゃねぇかよ…。」
シュウ『このトロフィーは、俺達の主人(おや)の大切な宝物…俺達の遺産でも
    あるんだ…。』

その後、風景は再び変わり始めた! その風景は何と、三百年前のオレンジリーグの
スタジアム会場であった。 何千人の観客達がいて、大歓声を出していた。
シバ「こ、これは何だ!?」
シュウ『三百年前のオレンジリーグの闘技場だ。』
サトシ「す、すげぇ…!!!」
レッド「これが三百年前のオレンジリーグなのか!?」
マロン「ホントにすごいわ、ここぉ!!」

その時、会場に一人の男が立ち上がった。 そう、彼が船長のアレックス。 彼の後ろ
にはゴースとゴーストが浮いていた。 そんな彼の相手は、強敵のスピアーだった。
キクコ「ほう、あの色男が船長さんかぇ?」
シュウ『…そうだ。』
トオル「きっとポケモンバトルするんだろうな! ここは記念にシャッターチャンス!」

スピアー「ブブゥウウウウン!!!」
スピアーは「ダブルニードル」で攻撃を仕掛けるが…。
アレックス「ゴース、「舌で舐める」攻撃!」
ゴース「ゴォオオオス!!!」
ベロォン!!! ゴースは「舌で舐める」攻撃でスピアーの顔を舐め、スピアーに麻痺を
与えた。
スピアー「ブブゥウウウ!?」
アレックス「よし、ゴース!! とどめの「ナイトヘッド」!!!」
ゴース「ゴォオオオオオオオオス!!!!」
バシュウウウウウ!!! ドバァアアアアン!!! ゴースは「ナイトヘッド」で
スピアーに直撃した!
スピアー「ブゥ〜〜〜ン…。」
ドサァ!! そしてスピアーは倒された。
レグナ「す、すげぇ戦い方じゃねぇか!」
ゼネン「ゴースであっさりとスピアーを倒せたなんて、すげぇぜ!」

その次に、アレックスは優勝し、トロフィーを空高く持ち上げた。
シュウ『…船長は優秀なポケモントレーナーでもあったのさ。 そして船長は、オレンジ
    リーグで優勝したんだ。』
アレックス「私は決して負けはしない! 誰の挑戦も受け取るぞ! 私と相手にしたい
      のは誰だ!? 君か!? 君か!? それとも、君か!?」
アレックスはサトシの方に指した。
サトシ「!? よーし、受けてやるぜぇ!!」
サトシはアレックスの方へ走って行くが…。

サトシが彼に駆けつけた後、元の幽霊船に戻ってしまった。
サトシ「あれ!?」
ダン「元の幽霊船に戻ったぞ!?」
シュウ『…だからこのトロフィーを誰にも渡す訳には行かないんだ…。 もちろん、
    誰か(他人)への見せ物としてもね…。 このトロフィーは、この船と同じ
    ように、俺達と船長の大切な宝物なんだ。 お前達も誰にも渡さない宝はある
    だろう? あるんだったら、俺達の気持ちも分かるよな…?』
サトシはゴーストの言葉で何かに気付いた。 今までリュックの中に大切にしまって
おいた父の形見となる幻のジムバッジ、ホワイトバッジを思い出す。 サトシはそれが
宝物だと分かり、ゴースト達の気持ちを理解した。
サトシ「…分かるよ、ゴーストとゴースの気持ち。 俺にも守らなきゃ行けない大切な
    宝物がある! アレックス船長もこのトロフィーを自分の手で掴んだもんな! 
    自分で手に入れた宝は、自分で守る! だったら、お互い様、自分達の宝を
    守ろうな!」
シュウ『…ああ。 俺達もこの先、このトロフィーを守り続ける。 お前達も直ぐにこの
    船から出て行った方がいいぞ。 ここはお前達が長くいるような場所じゃない
    からな。』
サトシ「ああ。 トロフィー、大事にするんだぜ!」
シュウ『ああ。 トゲピーも元気でな。』
トゲピー「チョッケ〜
v
シュウ『…これで話は終わったな。 この体も用はない。 解放させよう。』

シュウ「…ん? あ、あれ? 俺、一体何やってたんだぁ…?」
ゴーストがシュウの頭から手を離したら、シュウは正気に戻った。
ラン「シュウ!! 大丈夫!?」
シュウ「あ? ラン? 大丈夫なのか?」
ラン「大丈夫だけど…何も覚えてないのね?」
シュウ「はぁ?」

???「話は聞いちゃったもんねぇ〜!」

サトシ達「!?」
サトシは振り向いたら、そこには一体のロボットが現れた。 そのロボットは全身
真っ白で、てるてる坊主のようなボディをしていた。 しかも足がないため、宙に浮いて
いる。
???「あははは、何なの、君達はぁ? 僕が前々からここにいた事、全然気付いて
    なかったのぉ〜?」
サトシ「お前は、ドラゴンナイツ!?」
???「あれ? 僕の軍団の事知ってるんだぁ? じゃあ、君ってもしかして、いつも
    僕達の邪魔をしてるお邪魔虫だねぇ? グレイシアマンから聞いた事ある
    よぉ〜!」
シゲル「誰だ、お前は!?」
???「僕? 僕の名前はゴーストマン! この幽霊船を僕の物にするためにここに
    潜入したんだよ!」
サトシ「何だってぇ!?」
ゴーストマン「この幽霊船は僕の戦闘用の船に使うのにとても便利なんだ! だからこの
       船を頂くのさ!」
サトシ「そんな事はさせねぇぞ!!」
アイ「そうよ! この船はゴース達の宝物の一つなのよ! 奪うのって酷すぎるわ!!」
ゴーストマン「宝物? この船が? アッハッハッハ!! 君達ってホントに古いねぇ!」
サトシ「何ぃ!?」
ゴーストマン「宝物なんて昔からの古い物当然、何にも役に立たないただのガラクタだよ! 
       今は新しい物が役に立っているから、古い物は皆不要なんだよ!」
サトシ「何だとぉ!?」
ゴーストマン「それにさっきの話も聞いたけど、みぃ〜んな過去話なんでしょ? よく
       そんなくだらない物持ってるんだねぇ? 所詮過去なんて古すぎるんだよ。 
       持ってるだけじゃな〜んにも役に立てやしないさ! 古くて使いようも
       ない過去を持つより捨てた方が今の時代なのさ!」
サトシ「そんな事はない!! 過去は大切にしなきゃならない物なんだ! 過去にはいい
    事、楽しかった事、辛かった事、悲しかった事、厳しかった事など、いっぱい
    詰まってんだ!! 過去を大切にすれば、どこまでも強くなれるんだ!! 過去
    と言う物は…俺達にとっての大切な宝物だ!」
カスミ「サトシ…。」
ゴーストマン「フゥ〜ン…やっぱ理解出来ないや。 君達って古い物持ってるだけじゃ
       なくて、古い言葉まで持ってるんだぁ。 君達って昔者だねぇ。 そう
       言う言葉、墓地に入れてからにしてよね。」
サトシ「何ぃ!?」
ゴーストマン「まあ、いいや。 話すのめんどくさいからこのままやっちゃおうか。 
       この船は僕の物だからね! 邪魔する奴はみぃ〜んな棺桶の中に
       入るんだね!! ゾンボット、かかれぇ!!!」
その時、「ゾンボット」と言う、ゾンビのようなロボット達が現れた。
ゾンボット『グォオオオオ…。』
ブルーザー「な、何だあれは!?」
クリスティ「ぞ、ゾンビなの!?」
ピッピ「ひぃいいいい!!! 怖いでしゅううう!!!」
ゴーストマン「さあ、ゾンボット達よ! こいつらがお前達の餌だ!! みんな残さず
       食べてしまえ!!」
ゾンボット『グォオオオオオオオオオ!!!』
ゾンボット達は、大勢でサトシ達に襲い掛かった!
サトシ達「うわぁ(きゃ)ああああああああああああ!!!!」

ドバァアアアアン!!! だが、何かの衝撃波が二体のゾンボットを破壊した!
ゴーストマン「え!?」
そう、衝撃波の正体は「ナイトヘッド」、ゴースとゴーストの物だった。
サトシ「ゴース、ゴースト!」
ゴース「ゴスゴォ〜〜〜ス!!!」
ゴースト「ゴォ〜スゴスゴスゴォ〜スト!!!」
シャワーズ「『お前達なんか船を渡せはしない!! 今からここから立ち去れ!!』だって
      言ってるよ!」
サトシ「…そうだ! こいつらはこの船の番人だ! お前達の物にはさせないぜぇ!!」
ゴーストマン「へ、へぇ…それは面白いね? でも、本気を出してはこっちも本気を
       出さないとねぇ…。 だったらそのポケモン、僕のしもべにするために
       ロボットに改造させてもらうよ!! 行けぇ、ゾンボット達ぃ!!!」
ゾンボット「グォオオオオオオオオ!!!!」

チュドチュドチュドチュドォオオオン!!! だがゾンボット全員は別の衝撃波に破壊
された。
ゴーストマン「え!?」
そう、衝撃波の主はゴースとゴーストではなく、キクコのゲンガーとカルロスのゴーヴァ
だった。
シゲル「ばあちゃん!?」
ブルーザー「カルロス!?」
キクコ「フェッフェッフェ、数十体との戦いで二匹だけだと苦労するだろう?」
ゲンガー「ゲンガァ!!」
カルロス「最後でも幽霊同士協力し合えば、苦労しねぇだろ?」
ゴーヴァ「ゴォヴァ!!」

ポケモン図鑑『ゲンガー・シャドーポケモン・ゴーストに通信交換で通すと進化する。 
       山で遭難した時、命を奪いに暗闇から現れる事があると言う。 突然
       寒気を感じる時ゲンガーが近くにいる。 もしかして呪いをかけるかも
       知れない。 周りの熱を奪っている。 命を奪おうと決めた獲物の影に
       潜り込み、じっとチャンスを狙っている。』

聖剣図鑑『ゴーヴァ・悪霊モンスター・闇の力を吸収した彷徨える魂。 長きに渡って
     幽霊船と供に漂流し、幾多の犠牲者を出して来た。 幽霊船を生み出す力を
     持つ、ボスクラスのモンスターである。』

ゴーストマン「な、何だよ、それぇ!?」
キクコ「さて、最後に止めとしてあの坊ちゃんを引っ叩くかぇ?」
カルロス「一緒に止めをさそうか?」
ゴース「ゴォ〜ス!」
ゴースト「ゴォスト!」
キクコ「フェッフェッフェ、じゃあ、決まりだねぇ。 ゲンガー、「ナイトヘッド」!!」
カルロス「ゴーヴァ、「ゴーストロード」!!」
ゴーストマン「ひっ!?」

ドカァアアアアアアアアアン!!!! ゴースとゴーストとゲンガーの「ナイトヘッド」
とゴーヴァの「ゴーストロード」は、ゴーストマンに攻撃し、そのまま船から飛び出て
来た。
ゴーストマン「うわぁ〜〜〜!!! 覚えてろよぉおおおお!!!」
そしてゴーストマンはそのまま飛び去った。

―数分後―

サトシ達はフェニックスに戻り、別れを告げようとした。 その後、幽霊船はゴースと
ゴーストの力により、夜空に浮上し始めた。

コゴロウ「おお、浮上した!?」
ゼトラ「なるほど、これがゴースとゴーストの力か…。」
アシュラ「すごいでござるなぁ!」
そして幽霊船は、大きな満月に向かって、飛んで行った。
サトシ「どこへ行くのかなぁ?」
ブレイク「誰もトロフィーを盗まれねぇように、安心な場所へ行くんだろうな。」
シャワーズ「バイバイ、ゴース、ゴーストぉ!!」
ピカチュウ「ピッカァ〜〜〜!!!」
カスミ「けど、あのトロフィーもカッコよかったね!」
サトシ「そうだったなぁ…。 俺も必ずトロフィーゲットしてやるぜぇ!!」

幽霊船でゴースとゴーストと出会い、ゴーストマンを倒したサトシ達。 オレンジリーグ
を戦う意欲がますます高めた。 けど、これだけは忘れてはならない。 大切な物は
自分の宝物。 もちろん過去の記憶も宝物の一つ。 何があっても、宝物は必ず大切に
しなければね。

続く。

―今回の登場人物紹介―
アレックス
本名:
Alex H. Roosevelt(アレックス・H・ルーゼベルト)  年齢:32
出身地:不明  誕生日:
1111
趣味:ポケモン、船  特技:船の操縦
好きな物:ポケモン
嫌いな物:海賊
三百年前のオレンジリーグの優勝者であり、ゴースとゴーストのトレーナー。 他にも
船長として勤めていた。 嵐で行方不明となり、それまでに亡くなったらしい。

―ロボット図鑑―
ゾンボット
元は故障され、それ以来スクラップとして捨てられたのだが、アンデッドシステムを搭載
されたため、ゾンビ化として甦った。 食人鬼として蘇生されたゾンボットは、やがて
殺人兵器となり、生きている存在を食らいに行く。 だが、体はほぼ錆びているため、
倒されやすい。

―ボスロボット図鑑―
ゴーストマン 
DKN 011
特殊武器:ゴーストチェイス
墓場荒らしから防ぐため、墓場警備用のロボットとして作られた幽霊型のロボット。 
てるてる坊主に見えるが、幽霊のモチーフである。 浮いているのは、体の下に浮遊機能
(フロートシステム)があるからだと言う。 性格は元々怖がりのはずだったが、
ドラゴンの改造により、極悪的な小悪魔になってしまった。 ゴーストチェイスは、
悪霊を放ち、相手を追撃する。 触れると爆発する仕組みになっている。

ソニックの後書き:
ホラーっぽくねぇ〜。(笑) ずーっと前の幽霊船の方が怖いかもなぁ〜。(何) 今回は
何だかなぁ…シュウ
×ランを出しちゃいましたよ♪(笑) さて、次回もがんばるか
ねぇ…。