ポケットモンスター小説版
190話 ストライク、戦士の誇り

幽霊船を三百年前のオレンジリーグ優勝トロフィーをゴーストマンから守り抜いた
サトシ達は、マーコット島と言う島に上陸した。 ここでは虫系ポケモンの中心的な島と
なっている。 サトシ達はここで一休みをしに上陸した。

カルロス「しばらく休憩だ。 この島にもポケモンセンターもあるはずだ。 俺は先に
     行って部品があるかどうか話して行くよ。」
サトシ「じゃあ、俺達も後で行くから!」
カルロス「おうよ!」
そしてカルロスはサトシ達と別れた。

ケンジ「よし、コンパン、マリル、出て来い!」
コンパン「コンパァン!」
マリル「リルゥ!」
ブルー「今日は張り切ってるわね!」
ケンジ「ああ、今日はここでポケモン観察しようと思ってね!」
トオル「そうなの? じゃあ、僕も協力で写真でも撮り捲くるぞぉ!」
シゲル「何を観察するんだ?」
ケンジ「虫ポケモンさ! この島は虫ポケモンの宝庫なのさ!」
カスミ「い”っ!? あ、あたし…やっぱ、ここで休んでるわ!」
ケンジ「? どうしたの、カスミ?」
ボタン「出た出た、カスミの虫嫌い!」
ケンジ「へ?」
サトシ「カスミは虫が超苦手なんだよ。」
ツバキ「へぇ、そうなの?」
ダン「そうなんだ、知らなかったなぁ…。」
ケンジ「カスミでも怖い物があるんだぁ〜!」
ブギュッ!!! カスミは思いっきり検事の足を踏み付いた!
ケンジ「うぐぅっ!?」
カスミ「あたしでもってどう言う意味よぉ!?」
サトシ「はぁ…。」

―森―

サトシ達は、ケンジと一緒に森に入った。

サムライ「一体どんな虫がおるんでござろうなぁ? いいのがいたらゲットしたいで
     ござるよ!」
ゼネン「南国系の虫ポケモンってどんな感じだろうなぁ?」
アキラ「そう言えばサムライとゼネン、虫系ポケモンが好きだったんだよな。」
カスミ「それよりも何であたしまで行かなきゃならないのよぉ!?」
サクラ「一人にいさせる訳には行かないでしょ?」
アヤメ「つべこめ言わないで一緒に来るの!」
カスミ「はう〜〜〜…お姉ちゃん達ったらきつい〜〜〜…。」

マリル「マリ?」
コンパン「コン?」
その時、マリルとコンパンは立ち止まり、何かに気付いた。
ケンジ「ん? どうしたんだ、マリル、コンパン?」
レッド「何か見つかったのか?」
マリルとコンパンは、ある草むらを見詰めていた。 サトシ達はそれを除くと、そこには
キャタピーの群れがいた。
イエロー「キャタピーですね!」
マロン「可愛い〜!」

ポケモン図鑑『キャタピー・芋虫ポケモン・緑の皮膚に覆われている。 脱皮して成長
       すると、糸をかけて蛹に変わる。 頭の先にある触角に触れると、強烈な
       匂いを出して身を守ろうとする。 足の先にはどんな所にも吸い付く吸盤。 
       必死に木登りをして、葉っぱを食べる。 好物は、「べにつぼみ」と言う花。』

サトシ「キャタピーかぁ…見ると懐かしく感じるなぁ〜…。」
グイッ!! その時、カスミはサトシの襟元を掴み、どこかへ引き摺った。
サトシ「な、何すんだよ!?」
カスミ「虫ポケモンは無視!!」
マリル「リル? マリリリィ!!!」
コンパン「コンコンパァン!!!」
マリルとコンパンは何かに気付き、焦り始めた。
アーモンド「何だ? 何慌ててんだ?」
ピッピ「『そっち行っちゃダメ』って言ってるでしゅ。」
ケンジ「カスミ、そっちに何かいるぞぉ!」
カスミ「キャタピーよりはマシよぉ!」
ガサッ!! とカスミの前にカイロスが出現した。
カイロス「カイ!!」
カスミ「え”…?」

ポケモン図鑑『カイロス・くわがたポケモン・二本の長い角はパワフル。 一度挟まれて
       しまったら、契れるまで離さない。 角で挟んでパワー全快! 寒くなる
       と動けなくなるから、暖かい所に住んでいる。 夜は角で地面を掘って、
       中で眠る。 朝早くだと、皮膚に湿った土が付いている。 長い角を振り
       回して攻撃してくる。 寒い時は森の奥に姿を隠す。』

シュウ「おお、カイロスかぁ!! こりゃゲット…!!」
ドカァッ!!! だがシュウはサトシを掴みながら逃走するカスミに突き飛ばされた。
シュウ「グボッ!?」
カスミ「きゃああああああああああ!!!! 出たぁあああああああああ!!!」
サトシ「はぁ〜〜〜…。」

―その後―

全ては収まり、早速先に進むサトシ一行だが…カスミはサトシの背中をしがみ付いたまま、
進んでいた。

カスミ「もう嫌よ、こんなトコ〜〜〜…。」
カスミは泣きそうにサトシをしがみ付いた。
サトシ「ったく…こう言うのが来るといつもこうだよなぁ…。」
ダン「そう言うスミちゃんも結構可愛いなぁ〜!」
カスミ「え、そ、そう…?」
サトシ「ダンさん、そう言ってもこいつの気は向きませんよ。」
カスミ「どう言う意味よ、それ!?」
ヒトカゲ「でもカスミさん、虫ポケモンはダメなのに何でケンジさんのコンパンだけは
     平気なんだ?」
カスミ「あれはぬいぐるみみたいだからいいの!」
アヤ「あ、そうか…だから私のコンパンには怯えなかったのね…?」
ラン「じゃあ、仲間のは…?」
カスミ「あれは別にいいの。」
ジャグナル「野性だったら怖がるのか…変わった性格だな。」
カスミ「文句ある?」
ジャグナル「別に…。」
ラン「…あたしは結構好きなんだけどなぁ…。」
シュウ「人それぞれっつーもんだよ。」
ジュン「けどこのマリルとコンパン、よく分かりますねぇ、気配を感じ取る事とかで…。」
セイヨ「もう何でも見つけちゃう感じね。」
ケンジ「ああ、この二匹には何度も助けられたからね。」
トオル「すごいねぇ…ケンジって。 僕もこう言うポケモン欲しいなぁ…。」
ケンジ「そうかな? けど鍛えるのも結構苦労するよ?」

マリル「リル?」
コンパン「パン?」
その時、マリルとコンパンは再び立ち止まり、何かに気付いた。
ケンジ「? どうしたんだ、マリル、コンパン?」
マリル「リルル!」
コンパン「コンパン!!」
マリルとコンパンは森の先の方へ指した。
マチス「あの先に何かあんのか?」
ナツメ「嫌な物じゃなければいいんだけど…。」
ケンジ「よし、行ってみよう!!」
カスミ「えぇええ!? 行くのぉ!?」
サトシ「文句言わないでさっさと行く!!」
カスミ「ちょっと、サトシまでもぉ〜!?」

先に進んだら、そこにはボロボロなストライクが倒れていた。 けどこのストライクは、
かなりの高齢らしい。
全員「!?」
サトシ「あれは…!?」

ポケモン図鑑『ストライク・蟷螂ポケモン・鋭い鎌で獲物を引き裂き、息の根を止める。 
       ごくまれに羽根を使って飛ぶ。 草むらからいきなり飛び出して、鋭い
       鎌で切り裂く姿はまるで忍者のようだ。 切れ味鋭い鎌を使って、
       草むらを切り進む。 余りに早い動きで目が追いつかない。 動いても
       残像しか見えない。 止まっても草むらに身を隠すと保護色で
       分からない。』

エリカ「だ、誰がこんな酷い事を…!?」
カオルコ「その前に手当てした方がいいですわ!」
ケンジ「そうだね! 傷薬も持って来たし…!」
その後、サトシ達はストライクに近づいてみた。
ギロッ!! だがそのストライクはサトシ達に睨みついた。
サトシ達「!?」
サトシ達はその睨みつきに驚くが、ケンジはそれに気にせず、傷薬を出し、そのまま
ストライクに近寄ろうとした。
ケンジ「とにかく傷を見せてくれ! さあ!」
ストライク「ストラッ!!!」
ダッ!!! だがストライクはその場から飛び上がり、サトシ達の前に立ち上がった。
ストライク「ゼェ…ゼェ…。」
しかし、疲れ切っている上、傷のせいで苦しそうになっている。
ドリオ「た、立ち上がったぞ!?」
フウコ「動いたら傷が余計開いちゃうよ!!」
サトシ「お前は怪我してんだぞ!? とにかくゲットしてポケモンセンターに連れて
    行こう!! 行けぇ、ハイパーボール!!!」
バシィッ!!! だがストライクは投げられたハイパーボールを鎌で弾き飛ばした!
サトシ「な!? 弾き飛ばした!?」
グリーン「どうやら戦おうとしてるようだな…。 けどサトシ、ここは戦闘に出ない方が
     いい。 相手は怪我人だ。 怪我人にまた怪我をさせたら、ただそこで死ぬ
     だけとなるぞ。」
サトシ「じゃあ、眠らせるか、痺れさせるかどっちかだね…。」
ケンジ「なら僕に任せて!! コンパン、「眠り粉」だ!!」
コンパン「コンパァアアアン!!!」
パラパラパラパラ!!! コンパンは「眠り粉」をストライクに撒き散らした。
ストライク「スト…!?」
ドサッ!! その後ストライクは、尻餅に倒れ、眠くなり始めた。
ケンジ「よし、今だ!! モンスターボール!!」

ポォン!!! コロコロ…コロコロ…コロコロ…コロコロ…シュウウウウウ…。

その後ケンジは、モンスターボールを拾った。
サトシ「よし、そのままポケモンセンターに連れて治療だ!!」
ケンジ「うん!!」

―ポケモンセンター―

サトシ達がストライクをポケモンセンターに連れて行ってから
20分後、治療は終わり、
ジョーイとラッキーはストライクをストレッチャーで治療室から運び出した。

ジョーイ「もう大丈夫よ!」
ケンジ「よかったな、ストライク!」
だがそんなストライクは、ケンジに睨み付いた。
ケンジ「!」
そしてラッキーはそのままストライクを病室に運んで行った。
イミテ「相当嫌がってるそうねぇ…。」
ゼネン「あの目付きだと、ゲットした事を憎んでるんだな。」
ケンジ「……………。」
キヨミ「けどあんなボロボロだって言うのに…どうして戦おうとしたのかしら…?」
ジョーイ「あのストライク、ボス争いに負けたのね。」
サトシ「ボス争い?」
ジョーイ「あの子(?)はずっと前、あるストライクの集団のボスだったのよ。」
ブレイク(…って言うか、何で「子」の後に(?)なんだよ…?)
タイチ「ボスって、強い奴なんだよね?」
ライゾウ「何でそんな強い奴が…?」
ジョーイ「きっともっと若い子に負けたのよ。 ボス争いに負けたボスは、群れを追い
     出されるのよ。」
ミズキ「そうなのか…。」
アツシ「意外と酷い決着だな。」
ケンジ「……………。」

ジョーイ「所で、貴方ってもしかして、あの有名なサトシ君?」
サトシ「え!? え、ええ、そうですけど…?」
ジョーイ「やっぱり! 以前姉妹や従姉妹達から聞いたわ! まさか貴方みたいな
     有名人が来るなんて思わなかったわぁ!」
サトシ「あ、そ、それはどうも…。」
ジョーイ「あ、話をそらすけど、向こうのソファに貴方の知り合いの方が待っているわ。 
     狼男みたいな人だけど…。」
サトシ「あ、そうですか! ありがとうございます!(っつーか、狼男なんだけど…。)」

その後、サトシ達はカルロスと出会った。
カルロス「よう、早かったなぁ!」
サトシ「ああ、ちょっと色々あってな。」
アツコ「カルロスは例の部品見付かった?」
カルロス「いや…。 ここにもなかったよ。 売っているのは普通の船のだけだってさ。 
     そっちも探検中に何か見付かったか?」
サトシ「ああ、聞いて驚けよ! ケンジがストライクをゲットしたんだ!」
カルロス「おお、ストライクか!? あれも結構珍しいポケモンだぜぇ! しかもかなり
     強いのだ! よくやったな、ケンジ!!」
ケンジ「あ、ええ…。」
カルロス「? どうした? 元気ねぇなぁ?」
ケンジ「ああ…実は…。」

そしてケンジは、ストライクとボス争いの事をカルロスに話した。
カルロス「なるほど…そのストライク、元々ある集団のボスだったのか…。 そして
     負けて追い出されたって訳か。」
カツコ「酷いでしょ、それって!? 負けた奴が追い出すなんてかわいそうでしょ!?」
カルロス「…確かにそうだが…俺の世界も良く似たような物もあるさ。 俺の世界の国
     では、軍の隊長を決めるにはどちらかの力比べをしなければならねぇんだ。 
     負けた奴が、下っ端となるようになっている。 まあ、掟だからしょうがねぇ
     けどな。」
カオルコ「けど、掟でもかわいそうですわ! でしょ、サイゾウさん!?」
サイゾウ「確かに、あくまで冷酷でござるな。 
*「強ければ生きる、弱ければ死ぬ」と
     言う言葉もあるからな。」

*「るろ○に剣心」登場の志々○より。(笑)

カルロス「まあ、確かにそうだけど…。 けどまぁ…奴が怒るのも当然じゃねぇのかな? 
     ボス争いに負けた事やあっさりゲットされた事を不甲斐ないと思ってんだろう
     な。」
ケンジ「じゃあ、どうすれば…?」
カルロス「まあ、研究家の俺なら、いいアドバイスをあげられるぜ。 トレーナーとして
     相手を理解するんだ。 それが、トレーナーとポケモンの試練の一つだ!」
ケンジ「相手を理解か…分かった! やってみるよ!」

―ストライクの病室―

サトシ達は病室に集まり、ベッドで横になっているストライクに説得しようとした。

ケンジ「ストライク、さっきはホントにごめんよ。 悪気はなかったんだ。」
だがストライクはケンジの言う事を聞かず、そっぽを向いた。
ケンジ「でも、怪我をしているお前を放っておけなかったんだ。」
サトシ「完治したらリベンジすればいいじゃねぇか!」
ゼトラ「確かにそれはいい考えかも知れねぇな。 自分の立場を取り戻すと言う物なら、
    ミュウツーみたいに逆襲するのもいい手段だ。」
サトシ「…ミュウツーとはちょっと違うんだけど…。」
ケンジ「サトシの言う通りだね。 ストライク、お前がそうしたいのなら、ボスの
    再チャレンジだな!」
ストライク「……………。」
ジョーイ「とは言っても、彼は全治一ヶ月は掛かるわ。 かなり酷い怪我だもの。」
ワタル「けどこいつは今日中にボスに戻りたいと思ってるんだろうな。」
カンナ「どうにかして今日まで完治欲しい物だけど…傷薬じゃ早く直る訳でもないし…。」
サトシ「だったらこいつに任せたらどうなんだ? ウィスプ、出て来い!」
ポォン!!! サトシの掛け声でウィスプが出現した!
ウィスプ「チィーーーッス!! 僕のお呼びッスか?」
ジョーイ「!? な、何、あの人魂!?」
サトシ「ああ、ウィスプって言う光の精霊ですよ! 詳しくは後で説明しますから! 
    ウィスプ、このストライクの傷、治せるか?」
ウィスプ「このストライクッスか? これぐらいな物なら大丈夫ッスよ!
サトシ「んじゃ、一発頼むわ!」
ウィスプ「
OKッス! じゃ、行くッスよぉ!! 「ヒールライト」!!」
キラキラキラキラッ!! ウィスプは「ヒールライト」でストライクの体を光に包ませ、
全ての傷を消した。
ストライク「…ストラ?」
その後、ジョーイはストライクに巻かれていた包帯をはがし、調べると傷は全部
なくなっていた。
ジョーイ「すごいわ! まさかこんなに早く回復出来るなんて!」
サトシ「ウィスプの魔法は人やポケモンを回復するほどの力があるんですよ!」
ウィスプ「お役に立って嬉しいッス!」
ヒロシ「まあ、これで傷も良くなった事だし、早速リベンジに行くのもどうかな?」

ストライク「…!?」
その後、ストライクは何かに気付いた。
ケンジ「!? どうしたんだい、ストライク!?」
ストライク「ストライク!!!」
そしてストライクは立ち上がった。
ウィスプ「あっ!! まだ動いちゃダメッス! 回復しただけでも完全とは…!!」
バキャアアアアアン!!!! だがストライクはそのまま窓をぶち破り、そのまま飛び
去ってしまった。
ケンジ「ストライクゥーーー!!!」
ケンジはストライクを止めようとするが、手遅れだった。
ケンジ「一体どうしたんだろう…?」
ゼネン「…あいつの仲間に何かあったかも知れねぇな。」
トミオ「分かるのか、それ!?」
ゼネン「あいつの目付き、かすかに変わっていた。 恐らく、奴の仲間に何か危険に
    迫ったに違いない。 虫人(バグマン)の俺なら、今でも感じる…この島にいる
    ストライクの集団の最大の危機が!」
サトシ「とにかく、あのストライクの後を追おうぜ!!」

―ストライクの住処―

ここはストライクの集団の住処。 だがここにいるストライク達は全員網に捕らわれて
いた。 しかもそこには、「カマキラー」蟷螂らしきなロボット達が集まっていた。 
網の中に捕らわれている、額に十文字傷をしたストライクが、脱出しようと暴れていた。

若ストライク「ストラストラァ!!!」
カマキラー『コラ!! 暴レテナイデ大人シクシテロ!!』
???「そっちの調子はどうじゃ?」
その後、カマキラーの後ろから蟷螂の姿をした人間型ロボットが現れた。
カマキラー『コノえりあニイルすとらいく達ハ皆捕獲シマシタ! ソノ際順調デス!』
???「よし。 なら早速運んで行け。 そしてロボット改造するために我が基地に
    連れて行くのじゃ!」
カマキラー『了解!』

ザシュッ!!! ドサッ!!! だが何者かが網を切り裂き、ストライク達は脱出した!
カマキラー『ナ!?』
???「む!?」
ダッ!!! そしてストライク達の前に老ストライクが現れた!
若ストライク「スト!?」
老ストライク「ストラァーーーイク!!!」
カマキラー『何!? モウ一匹イタノカ!?』
???「どうやらお主がストライク達を助けたのか…。 なら許さぬぞ。」

サトシ「待てぇえええ!!!」
???「!?」
ロボット達が振り向くと、そこにサトシ達がいた。
サトシ「!!! お、お前達は!?」
???「…フン、また邪魔が来たようじゃな。」
サトシ「ドラゴンナイツ!?」
???「ほう、ワシの軍を存じるとは…もしや主ら、以前ゴーストの邪魔をした愚かな
    赤子じゃな?」
サトシ「あ、赤子!?」
ケンジ「ここにいるストライク達を何をする気だ!?」
???「何をする気…じゃと? 決まっておる。 ドラゴン様の命じた通り、こ奴らを
    我が理想の軍として作るのじゃ。 ロボット改造をし、更なる破壊活動を行う
    殺人兵器として完成するためにな!」
スイート「そんな酷い事はさせないわ!!」
ソラオ「ストライク達はここで平和に暮らしてるんだ!!」
ウミオ「汚い真似はさせやしねぇぜ!!」
???「ほう…面白い。 主らがそこまで本気に挑もうと言うのなら…我が軍とこの
    マンティスマンよりも…超えられるかぁ!?」

ドガドガドガドガァアアアアアン!!!!! だが何者かが全てのカマキラー達を破壊
した!
マンティスマン「!?」
カツラ「な!? 何だ、今のは!?」
アツコ「突然他のロボット達が!?」
スタッ!!! その後、マンティスマンの前に老ストライクが現れた!
老ストライク「ストラッ!!!」
マンティスマン「…お主がやったんじゃな? なかなかの腕はあるようじゃな。」
老ストライク「ストラストォ!!!」
ニャース「『こいつらには手出さねぇ!!』って言ってるニャ!」
ムサシ「あのストライク、仲間を守ろうとしてるの!?」
コジロウ「かなり恨んでたっつーのにか!?」
若ストライク「ストラ〜?」
マンティスマン「恨んでたじゃと? お主、一度捨てられたのか? …面白い…。 
        仲間に捨てられたとしても守ろうと言うのか…。 良かろう、
        望み通りに相手にしてやろう。」
サトシ「望む所だぜぇ!! ピカチュウ、シャワーズ、行くぜぇ!!」
ピカチュウ「ピッカァ!!!」
シャワーズ「了解!!!」
サッ!!! だが、老ストライクはピカチュウとシャワーズの前に手(鎌?)を出した。
ピカチュウ・シャワーズ「!?」
老ストライク「ストスト!!!」
ケンジ「…一人でやるって言ってるんだ! やらせてやろうよ、サトシ!」
サトシ「え?」
ケンジ「あいつが戦士の誇りを取り戻すために! な、ストライク!」
老ストライク「ストラ!!」
ジャグナル「…自分の仲間は自分が守る…と言う事か。」
ゼネン「ああ。 戦士の誇りらしい言葉だよ。」
マンティスマン「…フン、戦士の誇りか…。 面白い事を口で言うじゃないか…。 だが、
        これだけ言わせて置く…。 強ければ生きる、弱ければ死ぬ!! 
        弱き者はこの世に無用!! そして強さこそ我が全て!! 敗北に
        落ちたお主は、無に還るのみ!! 死に痛んで成敗を受けるが
        いい!!!」
老ストライク「スットラァアアア!!!」
ガシィッ!!! マンティスマンと老ストライクは鎌で互いぶつかり合った!
ケンジ「こっちも言うけど、君の言ってるそれ、完全に間違ってるよ! ストライク、
    「居合い斬り」!!!」
老ストライク「ストラァアアアイ!!!」
ガシィン!!! 老ストライクは「居合い斬り」でマンティスマンを弾き飛ばした!
マンティスマン「その言葉が何が間違いと言うんじゃ!?」
ケンジ「分からないのか!? 勝負と言う物は誰が生きるか死ぬかと言う問題
    じゃないんだよ!! ストライク、「高速移動」!!」
シュンシュンシュンシュン!!! 老ストライクは「高速移動」でマンティスマンの
周辺に素早く走り回っている。
マンティスマン「!?」
ケンジ「強い「心」と「誇り」を持っていれば、例えどんなに弱い奴でも守る事が出来る!! 
    弱い者を守り、大切な者を守るこそが、本当の戦いなんだぁ!! ストライク、
    「切り裂く」攻撃だ!!!」
老ストライク「ストラァアアアアア!!!」
ガシィイイイイン!!! 老ストライクは「切り裂く」攻撃を仕掛けるが、
マンティスマンはそれを素早く鎌で受け止めた。
ジャグナル(…その言葉…前ゼトラも俺にそう言ったな…。)
マンティスマン「…フン、そんな古き言葉は今の時代では無用当然!! 今の時代は弱肉
        強食なる戦だけのみ! そう、腐れた愛情と友情こそ弱さを表す
        感情!! 有能なる怒りと憎しみこそ強さを表す証!! 弱さを捨て
        強さだけを求めるこそ、戦士の唯一力じゃ!!! お主はこの攻撃を
        上手く避けきれるかぁ!? 「ダブルスラッシャー」!!!」
ザシュザシャウウウウン!!! マンティスマンの鎌から二つの真空波を放ち、
老ストライクを襲った!
ケンジ「!! 危ない、ストライク!! 避けろ!!」
老ストライク「ストラァアアア!!!」
ダッ!!! 老ストライクは一旦ジャンプし、二つの真空波の間に入り込んで避けた。
マンティスマン「フン、よく避け切れたな!! じゃが、次はどうだ!! 「サイス
        ホイール」!!!」
ギュルルルルルル!!! マンティスマンは全身を車輪のように回転し、老ストライクに
突進を仕掛けた!
老ストライク「ストァ!!!」
だが老ストライクは見事に攻撃を避けた。 けど余りにも動きすぎたか、まだ体力が
完全になっていないせいか、老ストライクはかなり疲れ切っている。
リン「ストライク、疲れているわ!」
ラン「何で!? さっきウィスプで完治したはずじゃ!?」
ウィスプ「疲れ切るの当たり前ッスよ!! まだ体力が完全に回復しきって
     ないんすよ!!」
サトシ「…って言うか、まだ呼んでないんですけど…。」
マンティスマン「フン、所詮弱者は弱者じゃ。 弱ければ何も出来ん。 まあ、いい。 
        よく戦ったとでも言おう!! 潔く永眠するがいい!!!」
そしてマンティスマンは老ストライクに駆け走って行く!
若ストライク「!!!」
ケンジ「ストライク!!!」
老ストライク「スト…!!!」

ガシィン!!! だが、老ストライクの前に若ストライクが現れ、マンティスマンの
攻撃を受け止めた!
マンティスマン「な!?」
老ストライク「スト!?」
ユウキ「あのストライク、ケンジのストライクをかばった!?」
ケン「どう言うつもりなんだ、これは!?」
マンティスマン「…お主は何の真似をするつもりじゃ? 自分の長(おさ)を裏切った
        お主はなぜ立場を失せた弱き者を救う!?」
若ストライク「ストストラァ!! ストラストライク!!」
シャワーズ「…『例えこのストライクがボスの差を失ったとしても、このストライクは
      俺達の仲間だ。 先代ボスとしてもね。』…って言ってる!」
サトシ「何だって!?」
若ストライク「ストラッスト!! ライクストストラスト!!!」
シャワーズ「『それに…どんな奴でも、弱き者を救うのが、俺達の誇りだ。』って言ってる!」
リョウマ「あのストライク、本気で言ってるのか!?」
ユウタ「元ボスを捨てたって言うのに!?」
マサトシ「さすが正義感の高いやっちゃやなぁ…。」
マンティスマン「…フッフッフ、仲間と弱き者を救うのが主らの誇りか…。 笑わせる
        寝言を言うとはさすがなもんじゃ。 だが、その愚かな理屈が事実
        として行けるかどうか、ワシの前に見せてみよ!!! でやぁ!!!」
マンティスマンは再び若と老ストライクを襲った!
ケンジ「!! ストライク、「剣の舞」!!!」
老ストライク「ストラァ!!!」
ガシガシガシガシィ!!! 老ストライクは「剣の舞」で連続攻撃し、マンティスマンの
攻撃とぶつかり合い始めた! そしてその一瞬、マンティスマンは老ストライクから
離れた。
マンティスマン「なかなかやりおるな!! だが、次はそう上手くは生かさぬぞ!! 
        食らえ!!!」
サトシ「させねぇぞ!! ピカチュウ、「
10万ボルト」!!!」
ピカチュウ「ピィイイイカァアアアチュウウウウウ!!!!!」
ビリリリリリリリリリリリリリィ!!!!! ピカチュウは「
10万ボルト」で
マンティスマンに直撃した!
マンティスマン「ぬぉああああああああああ!?」
ケンジ「今、ストライク!! とどめの「電光石火」!!!」
老ストライク「スットラァアアアアイク!!!!」
マンティスマン「な、何!?」
ドカァアアアアアン!!!! 老ストライクの「電光石火」でマンティスマンを突き
飛ばした!
マンティスマン「ぐがぁ!?」
ドサァ!!! マンティスマンはその衝撃で倒れた!
ケンジ「やったぁ!!! マンティスマンを倒したぞぉ!!!」
老ストライク「ストラァーーーイク!!!」

だが、マンティスマンはそのままゆっくり起き上がった。
マンティスマン「う、ぐぐ…。 ば、バカな…!? このワシが…弱者に負けたのか…!?」
ケンジ「このストライクは弱くなんかないよ! このストライクは、今でも誰よりも
    強いよ! 心と体もね!」
マンティスマン「…うぐぐ…おのれぇ…許さんぞ、この愚かしい軟弱者めがぁ!! この
        敗北だけは決して認めぬぞ!! ワシはこのまま引くが、今度また会う
        時は必ずこの借りは返す!! その時まで覚えておれ!!!」
シュン!!! そしてマンティスマンはそのまま素早く消え去った。
シンジ「逃げやがった!?」
ウォール「意外と忍者みたいな奴だな…。」
ケンジ「けど、ストライクが勝ってよかったよ!」
老ストライク「ストライク!!」

その後、若ストライクと他のストライク達が老ストライクの前に集まった。
老ストライク「スト?」
若ストライク「ストラ! ストライク!」
ストライク達「スットラァーーーイク!!!」
老ストライク「………ストライク!!!」
ガシィン!!! その後、若と老ストライクは、互いの鎌を握手するかのように重ねた。
ココナッツ「…何て言ったの?」
メタモン「うむ、『以前の手荒な真似はすまなかった。 今度また会う時は、誰が強いか
     弱いか判断しない戦いに行こう。 掟なしとしてね。』と言っておるな。」
マロン「じゃあ、仲直りしたのね!」
ピース「よかったですねぇ〜…。」
クリスティ「先代ボスと現代ボス、仲直りしたのね。」
ブルーザー「よかったもんだな。」

その後、ストライク達はそのままどこかへ歩き去った。
ストライク「ストラァ〜〜〜ク!!」
トオル「けどケンジ、ストライクはどうするの?」
ケンジ「あいつの好きなようになせるさ。」
ストライク「!」
その後、ストライクはケンジの方へ振り向いた。
ストライク「ストラ〜!」
ケンジ「…そうか、ゲットしていいんだな?」
ケンジがそう言った後、ストライクは頷いた。
ケンジ「よし、いいよ! それが君が選んだ道なら、君の言う通りにするよ! 戻れ、
    ストライク!!」
そしてケンジは、ストライクをモンスターボールに戻した。
ケンジ「…では、改めて…ストライク、ゲットだぜぇ!!!」
ケンジはモンスターボールを持ち上げながら、そう言った。
サトシ「違う違う、そうじゃなくて!」
ケンジ「へ?」
サトシ「そのポーズするなら、腕をこうすんだよ!」
サトシはそう言いながら、腕を真っ直ぐ前に伸ばした。
ケンジ「え? こう?」
ケンジはサトシの言われた通り、そのポーズをした。
サトシ「ちっが〜う! もっとビシッとして、素早くと…!」

他の仲間達は、そんなサトシとケンジのポーズの練習を見ながら、呆れた顔しながら
座っていた。
カスミ「…何やってんだか…。」
シゲル「全くだ…。」
レッド「まあ、教えるのもいいんじゃねぇの?」

マンティスマンを倒し、ストライクをゲットしたケンジ。 強くなるためには何が
正しいか分かったサトシ達は、このまま旅を続ける。

続く。


―ロボット図鑑―
カマキラー
元は雑草処理作業のために作られた蟷螂型のロボット。 両鎌は鋭く、どんな物を斬れる。 
また、この鎌でブーメランとして扱える。

―ボスロボット図鑑―
マンティスマン 
DKN 012
特殊武器:ダブルスラッシャー
元は森林警備用として作られた蟷螂の姿をしたロボット。 忍者の技術を持ち、鋭い鎌と
高い素早さとジャンプ力を持つ。 ダブルスラッシャーは、二つの真空波を放ち、どんな
物を切り裂ける。

ソニックの後書き:
何か、仲間達の話す出番少ない。(汗) 次回は気をつけよう…。(汗) けど、次回の事
なんだけど…。 サトカスも含めるかも♪ では、次回も期待ねぇ〜♪