ポケットモンスター小説版
191話 ニドランの恋物語

マーコット島でマンティスマンを倒し、ストライクをゲットしたケンジとサトシ一行は、
次のジムのあるマンダリン島と言う大きな島に上陸した。 この島には二つの街に
繋がっており、今はヤンベラの町に着いている。 この町は結婚式とかに有名で、
カップル達のベストスポットとも言える。 サトシ達はこの町に歩いていた。

サトシ「ここがヤンベラの町かぁ…。」
シゲル「小さな町だけど意外といい場所だなぁ?」
アツミ「この町は確か、結婚式とかに有名で、カップル達のベストスポットとして有名
    とされているの。」
サトシ「へぇ、そうなんだぁ!」
カルロス「ふぅ〜ん…じゃあ、ここにも部品がねぇっつー事かぁ…。 ケッ、
     つまんねぇの。」
ブルーザー「だからしょうがねぇから元気出せって!」

ブルー「結婚式とかに有名なんだぁ…。」
アイ「カップル達のベストスポットかぁ…。」
その後、ブルーとアイの顔が赤く染め始めた。
ブルー・アイ(…もしもここがあたしとサトシの結婚式があったらぁ…。 
       キャーーー!!! 恥ずかしすぎるぅ〜〜〜!!!)
二人は余りの恥ずかしさで顔を両手で塞ぎながら振り始めた。 その間サトシは二人を
怪しげに見ていた。
サトシ「…何やってんだ、あいつら?(汗)」
グリーン「くだらん妄想でもしてんだろ。」

マロン「あぁ…ここがアーモンドのあたしの結婚広場になったら、もうあたし
    どうなったって…。」
ココナッツ「!?」
アーモンド「…したくねぇよ。」
ココナッツ「何言ってんのよ、あんたは!? アーモンドと結婚するのはあたしの
      方よ!!!」
マロン「何言ってんのよ!? あんたがアーモンドと結婚する事なんて出来ない
    じゃない!!!」
ココナッツ「あんたも同じ事じゃないのよ!!!」
…と、ケンカし始めた二人である。
ゼニガメ「あ、アーモンドさん…。」
アーモンド「ほっとけ。」

クリスティ「カップルのベストスポットかぁ…。 ねぇ、ブルーザー。 もしもあたし達
      結婚する事が出来たら、いつかここでパーティでも開く?」
ブルーザー「え!? な、何だよいきなり!?」
クリスティ「ねぇ、する?」
ブルーザー「………ま、まあ…そう…するな。」
ブルーザーは顔を赤く染めながらそう言った。
クリスティ「やったぁ〜
v じゃあ、いつかしようね、ブルーザーv
ブルーザー「あ、ああ…。」
クリスティはブルーザーの腕に抱きついた。 その間カルロスとコゴロウはそんな二人を
見詰めていた。
カルロス「ケッ、いいムードになりやがってよぉ!」
コゴロウ「まあ、たまにはいいんじゃねぇの?」

サトシ「……………。」
その後、レッドとコゴロウはサトシに近づき、小声で話しかけた。
レッド(おい、サトシ。 お前はどう思うんだよ?)
サトシ「は?」
コゴロウ(決まってるだろぉ? もしもカスミと結婚するとしたらここでするかぁ?)
サトシ「は!? な、何言ってんだよ!?」
レッド(で、どうなんだよ?)
その後、サトシの顔は赤く染まった。
サトシ(………まあ、そうする…かなぁ?)
コゴロウ(ヘッヘッヘ、そうしろってぇ! 何れお前もカッコよくなるぜぇ!)
サトシ「そ、それってどう言う意味だよ!?」
そうやってはしゃぐサトシとコゴロウとレッドであった。 だがカスミはそんな三人を
怪しげに見詰めていた。
カスミ「…何やってんのかしら、あの三人…?」
イエロー「何か楽しそうですね!」

ツバキ「ねぇ、カスミちゃん。 あんたが好きな人とか出来たら、ここで結婚とかする?」
カスミ「え!? な、何よ、いきなり!?」
サトシ「!?」
サトシはツバキの反応によってカスミの方へ勢いよく振り向いた。
ツバキ「だって、カスミちゃんまだ好きな人いないんでしょ〜? いたらここで結婚とか
    する〜?」
カスミ「うっ………。 そ、そうねぇ…。 もしも出来たら…しようかなぁ〜?」
サトシ(何ぃ!?)
ツバキ「ホントぅ〜!? えへへ、期待してるわよ、カスミちゃ〜ん♪」
コゴロウ(…ほら、相手もそう言ってんだから、何れ早く告白しろよ。)
サトシ(…言われなくても分かってるよ…。)

その間ゼトラは、そんな愛情的に騒いでいるサトシを静かそうに見詰めていた。
ゼトラ「……………。」
デルヴァ「何かジェラシーか、ゼトラよぉ?」
ゼトラ「あぁ?」
デルヴァ「あんな風に見詰めてちゃあ、何かあんだろぉ? もしかして、余りにも
     羨ましいから、お前も彼女欲しくなって来たんじゃねぇのかぁ!?」
ゼトラ「………フン。 バカな寝言を言うな。 そんな物、俺には興味ねぇ。」
ゼトラはそう言いながら、先に歩いて行った。
デルヴァ「お、おい!」

???「メリーちゃ〜〜〜ん!!!」
サトシ達「ん?」
その後、サトシ達の前に金髪で緑色のリボンに薄と濃ピンクの服をした少女が駆けていた。
少女「メリーちゃ〜〜〜ん!!! どこにいるの〜〜〜!?」
ヒロシ「どうしたんだろうね?」
サトシ「聞いてみるか。」
そう言いながら、サトシ達はその少女に駆けつけた。
サトシ「君、どうしたんだい?」
少女「あっ! すみません、私のニドラン見掛けませんでしたか?」
サトシ「ニドラン?」
少女「ええ、オレンジ色のリボンを首に巻いたニドランです!」
ヴァルプ「ニドランって言っても性別がどっちなのか分かんねぇぞ?」
少女「あ、♀の方です!」
サトシ「♀の方?」

ポケモン図鑑『ニドラン♀・毒針ポケモン・小さくても毒針の威力は強烈で、注意が必要。 
       メスの方が角が小さい。 優しい性格で戦いは好まないが、小さな角
       からは毒が出るので要注意。 メスの方がオスよりも防御力が高い。』

少女「メリーちゃんはとーーーっても可愛いメスのニドランなのぉ! 探すの手伝って
   くれませんか?」
サトシ「ああ、いいぜ!」

―公園―

ここはヤンベラの町の公園。 サトシ達はメリーと名乗るニドラン♀を探すためにこの
公園にいた。
カスミ「メリーちゃ〜〜〜ん!!」
ケンジ「メリーちゃん、どこだ〜い?」
ムサシ「コジロウ、見つかった?」
コジロウ「いや、まだ見つからない…。」
ヤマト「さすがにこの公園だと広すぎて探し難いわ…。」
コサブロウ「って言うより
0.4mもするニドラン♀は小さすぎるから、かなり探し難いぜ。」
サノスケ「って言うか、見知らぬ奴がそいつの名前を呼ぶの余計怪しまれねぇか?」
ハンゾウ「確かにそれだと余計警戒しやすいな…。」
ゴエモン「それにしてもどこにいんだろうなぁ?」
ニャース「モタモタせずに探し回るニャ!!」

ピース「はぁ…かなり探すの疲れました…。 ちょっとここで一休み…。」
ウミオ「たった
10分しか探してねぇのに何休んでんだよ、お前はぁ!?」
ピスタチオ「無理言わないでくださいよ。 彼は体調弱いんですから、こう言うのに
      向いてないんですよ。」
ウミオ「ったく、だらしねぇな!」
スイート「ちょっと、相手は体調悪いんだから、悪く言わないでよ!」
ソラオ「そうだぞ。 仕方がない事だから、そっとした方がいいよ。」
ウミオ「お前らなぁ〜…。」

シュウ「ラン、メリー見つかったか?」
ラン「ううん、全然。」
シュウ「マサトシとケンとシンジは?」
マサトシ「全然見つからへんわ。」
ケン「あちこち探し回ったが、どこにもいねぇよ。」
シンジ「もうここにはいねぇんじゃねぇのかぁ?」
シュウ「そんなはずはないんだけど…あれ? そう言えばリンは?」
ラン「あれ? 一緒だったはずなのに…ん!?」
シュウ達が振り向いたら、リンが何故か花畑で花を取っていた。
リン「わぁ〜、奇麗な花〜! これ持って帰ろうっと♪」
シュウ達「サボんなぁああああああああああ!!!!!!」

ブレイク「おい、見つけたか?」
アシュラ「まだ見つからんでござる。」
ゲルト「こっちもまだだ。」
レグナ「ニドラン♀って小さいから、なかなか探すの難しいんだよなぁ…。」
ブレイク「とにかくもっと探そうぜ。 …と、その前に…。」
バシュウウウン!!! ドガァアアアン!!! ドサァッ!!! ブレイクはバスターで
ある木を撃ち、木からゼトラが落ちて来た。 そんな怒るブレイクはゼトラの襟を
引っ張りながらこう言った。
ブレイク「てめぇなぁ〜〜〜…。(怒)」
ゼトラ「…わぁったよ、俺も探すよ…。」
ジャグナル(…相変わらずだな、ゼトラ。)

シャワーズ「ねぇ、見つかった?」
ヒトカゲ「まだだよ。 ったく、何でこんなめんどくせぇ事俺がしなきゃならねぇんだ
     よぉ?」
シャワーズ「文句言わないの! 人探し、基ポケモン探しするのも正しい事なんだから、
      悪く言わない方がいいよ!」
ヒトカゲ「そんな事言われてもよぉ…。」
シャワーズ「所でピカチュウ! そっちも見つけ…ん!?」
シャワーズが振り向いたら、そこには近くにあった木の実を食べているピカチュウ、
マロンのピカチュウ、シュウのピカチュウ、ピカ、ピッピとプリンがいた。
ピッピ「美味しいでしゅね、この実!」
プリン「ププ〜!」
ピカチュウ
2『この町の実、本当に美味しいねぇ!』
ピカチュウ「ピカァ〜!」
ピカチュウ
3「ピ〜〜〜v
ピカ「ピカァ〜!」
シャワーズ・ヒトカゲ「何サボってるの(んだ)ーーーーーーーーーー!?(怒)」
バシュウウウウウウウウ!!!!! シャワーズは「水鉄砲」とヒトカゲの「火炎放射」
でピカチュウ達に攻撃した。
ピカチュウ達「ビガァアアアアアアアアアアアアア!?!?!?」

サムライ「探し難いでござるなぁ…。」
アキラ「こんなに探してんのに見つからねぇなんてなぁ…。」
サトシ「とにかくもっと探し回ろう! メリーちゃ〜〜〜ん!!」
???「ジョーーーン!!!」
サトシ「ん? メリーちゃ〜〜〜ん?」
???「ジョーーーン!!!」
サトシ「ジョーーーン!! って、へ!?」
アキラ「誰に叫んでんだ?」
サムライ「ジョンって誰でござるか?」
サトシ「お、俺は何も!?」
???「ジョーーーン!!!」
サトシ達「ん?」

サトシ達が振り向いたら、そこには茶髪で青い袖なし上着に白い襟付きシャツ、黒い
ズボンをした少年がいた。
少年「ジョーーーン!!! どこにいるんだーーーい!?」
サクラ「あの子も誰か探してるのかしら?」
アヤメ「何でこんなにいるんだろう…人探しって…?」
ボタン「人じゃなくて、ポケモンじゃないの?」
サトシ「とにかく聞いてみよう…。」
サトシ達はその少年の所へ来た。
サトシ「なあ、どうしたんだい?」
少年「あ、ねぇ君達! 僕のニドラン見かけなかった?」
サトシ「え? ニドラン?」
少年「うん。 青い蝶ネクタイをしたニドランでぇ…。」
ヴァルプ「♀の方か? ♂の方か?」
少年「♂の方だけど…。」

ポケモン図鑑『ニドラン♂・毒針ポケモン・耳が大きく、遠くの音を聞く時、羽ばたく
       ように動く。 怒ると毒針を出す。 いつも大きな耳を立てて周りの
       気配を探る。 危険を感じた時は毒針を使う。 小柄だが角の中には毒が
       いっぱい。 前進で飛び込んで来て角を刺し、毒を流し込む。 オスの
       方はメスよりも攻撃力が高い。』

少年「ジョンはすっごくカッコイイオスのニドランなんだぁ!」
ラトス「って事は、お前もニドラン探してるのか。」
少年「え? お前「も」って?」
サトシ「いや、あのさ…。」

ゼトラ「おい、見つけたか?」
その時、ゼトラと少女が出て来た。
サトシ「あ、ゼトラ!」
少年・少女「あぁああああああああああああ!?」
サトシ達「!?」
少女「あんた、私のメリーちゃんに何したのよ!?」
少年「そっちこそ僕のジョンに何をしたんだよ!?」
少年と少女が目を合わせた後、突然ケンカし始めた。
セイヨ「な、何なの一体!?」
ジュン「何でいきなりケンカしてるんですか!?」
少女「私のメリーちゃん返しなさいよ!!!」
少年「僕のジョンを返せよ!!!」
少女「何よ!?」
少年「何だよ!?」
その後、両者は地面に落ちていた木の枝を拾った。
少年・少女「でぇえええええええい!!!!!」
ガチガチガチガチ!!! そして両者は乱闘に入った。
マチス「な、何なんだ、このチルドレンはぁ…!?」
エリカ「いきなり乱闘に…。」
ナツメ「ちょっと、早く止めないと…。」
ゼトラ「……………。」
バキバキィ!!!! その後ゼトラは刀の逆刃で少年と少女の頭を殴った!
少年「いでぇ!?」
少女「きゃっ!?」
サトシ達「な!?Σ(゜□゜;)」
ゼトラ「…ケンカは止めろ。 見苦しい。」
サトシ「そ、そうだぞ。 ケンカはよくねぇぞ!」
そう冷や汗をたらしながらフォローするサトシ。 そんな少年と少女は頭の痛みで倒れて
いるが、ケンカは納まっていた。
少年・少女「だ、だってぇ〜〜〜…。」
フウコ「取り合えず理由(わけ)を教えてくれるかな?」
ドリオ「お前達何であんな無意味にケンカするんだぁ?」

プクリン「プククゥ〜!」
マリル「リルルゥ!」
その後、プクリンとマリルが現れた。
マロン「あ、戻ってきたのね!」
ケンジ「どうだ、見つけたのか?」
プクリン「プクゥ!」
マリル「リルゥ!」
プクリンとマリルはどうやらニドランを見つけたらしく、見つけたその現場へ指した。
少年・少女「ホントにぃ!?」
少年「ジョオオオン!!!」
少女「メリーちゃあああん!!!」
ケンジ「どわぁああああ!?」
ドドドドドドドドドォ………!!! 少年と少女は無意識にケンジを踏み潰しながら走り
去った。
ケンジ「な、何だよぉ〜〜〜…。」
トオル「だ、大丈夫、ケンジ?」
マリル「リ、リル?」
プクリン「プクゥ?」

―公園の草地―

サトシ達と少年と少女はマリルとプクリンが見つけたその現場に辿り着いた。

シャワーズ「マリルとプクリンの話によると、メリーちゃんはここに隠れてるんだって。 
      おまけに♂の方もこの中にいるよ。」
少年「それってジョン!?」
サトシ「とにかく調べよう。」
サトシは葉っぱや枝を退かした。
サトシ達「あ!!」

葉っぱと枝を退かしたら、そこにはリボンをしていたニドラン♀と蝶ネクタイをした
ニドラン♂がいた。 どうやらこの二匹がメリーとジョンらしい。 しかし、この二匹は
なぜかラブラブになっていた。
サトシ達「いた!」
ジョン「ランラン!」
その後ジョンは後ろのバラを取り出し、それをメリーに渡した。
メリー「ニン? ニン!」
そしてメリーは、それを幸せそうに食べ始めた。
サトシ「あの二匹…ラブラブになってる?」
カスミ「何か仲良さそうね!」
ケンジ「そうだねぇ! これ観察したいもんだよぉ!」
トオル「僕も写真に収めたいもんだよ!」
少年・少女「!!」

だが、少年はジョンを拾い、少女はメリーを拾った。
ジョン「ラン!?」
メリー「ニン!?」
少年・少女「フン!!」
そして二人は睨み合った後、そっぽを向き、そのまま歩き去った。
少女「あんな奴、二度と会うんじゃないわよ、メリーちゃん!」
少年「お前も二度とあんな奴と会うなよ、ジョン!」
ジョン「ランラァ〜〜〜ン!!」
メリー「ニンニィ〜〜〜ン!!」
ジョンとメリーが離れる事を嫌がりながら、そのまま連れ去った。 そんなサトシ達は
何が起こったのかも分からず、そのまま呆然と立っていた。
イミテ「…な、何なの、今の…?」
サトシ「…一体ありゃ何だったんだ…?」

―サンドウィッチ屋―

その後サトシ達は、昼食にサンドウィッチ屋にいた。 そこで彼らは店長に話していた。

店長「いやぁ〜、まさかあの有名なサトシ君とその仲間達がここに来るなんて
   知らなかったよぉ〜! おかげで君達から我が皿にサイン貰っちゃったよぉ〜! 
   いやぁ〜、感謝感謝!」
どうやらこの店に入る後、サトシ達は店長の皿にサインしていたらしい。
サトシ「ハッハッハ、そ、そりゃどうも…。」
トオル(…気のせいなのかな…? あの人以前どっかで会ったようなぁ…。)
確かにこの店長の顔は、以前カントー編「第
88話 育て屋の秘密!」に登場した
店長さんと同じである。
タイチ「所でおじさん、ちょっと質問したい事があるんだけどぉ…。」
店長「ん〜? 何だい、坊や?」
ライゾウ「ちょうどここに来てから、俺達妙な二人組みと会ったんだ。 少年少女で、
     何故か目を合わせるとケンカし始めてさぁ…。」
ミズキ「それにお互いニドランの♂と♀を持っててさぁ…。」
アツシ「何か知りませんか?」
店長「ああ、ラルフとエミリの事だね?」
サトシ「ラルフとエミリ? 知ってるんですか?」
店長「ああ。 この町でも有名と言うか何と言うか…この町では唯一ケンカ合いをして
   いる少年少女だよ。」
キヨミ「何でお互い様ケンカしているんですか? そこが分からないんですけど…。」

店長「…実はね、あの二人が幼い頃、捕まえるポケモンがいつも一緒でね、その
   きっかけで互いが真似をしているかと思いながら、あーやって互いを悪く思う
   ようになってしまったんだ。 この町ではね、結婚だけではなく、品評会にも有名
   でね、毎年行われるコンテストでもあるんだ。 町の品評会ではどっちが優勝かで
   毎年揉めるんだよ。 だが、結局優勝したのは、あの二人だけどね。 当時彼らは
   性別違いのニドランで優勝してね、この時のニドラン達は、一目惚れしたんだ。 
   けど、飼い主同士があの通りだろ? 結局あの二匹は、いつも離れ離れなのさ。」
サトシ「そうだったのかぁ…。」
店長「憎しみだけでいるのは良くないってよく言うんだけどねぇ〜。 けどあの二人は
   あーだからこそ憎み合うのが止めないのさ。 今でも町の全体にとっては困った
   もんだよ。」
カツラ「それは困った物だなぁ…。」
サトシ「そうだなぁ…。」
その間のゼトラは、腕を組みながら壁に倒れ、話を聞いていた。
ゼトラ「…フン。」

しかし、その間店で何者かが盗み聞きをしていた。
ゼトラ「!?」
シュン!!! ゼトラはその気配に気付き、素早く振り向いたが、人物はそのまま姿を
消した。
ゼトラ(………今のは…一体…!?)

―路上―

その後サトシ達は、ポケモンセンターに行くために路上へ歩いていた。

アツコ「けどやっぱりあのニドラン達、かわいそうよね?」
サトシ「ああ。 俺だったら放っておけねぇなぁ…。」
カツコ「何かあの二人を仲直りさせる方法とかないのかしら?」
サトシ「あったらいいんだけどぉ………ん?」
その時、道の角からジョンが現れた。
サトシ達「ジョン!?」
そんなジョンはある家の前に立ち止まっていた。
ジョン「ランラァ〜ン!」
メリー「ニン? ニィ〜ン!!」
そんなメリーはベランダから顔を出し、ジョンと出会えたのを喜ぶ。
ジョン「ランラン!! ラランラン!!」
メリー「ニンニィ〜ン! ニニィ〜ンニンニン!!」
その間ジョンとメリーは何かを会話しているようだ。 そんなサトシ達は草地の中に
隠れながら、その様子を見ていた。
サイゾウ「あれがエミリ殿の家でござるか?」
カオルコ「かなり素敵な家ですわ!」
サトシ「何やってんだ、あいつら?」
コゴロウ「はぁ〜…愛の語りをしてんのかぁ!」
カスミ「きっとそのようね!」
サトシ「何で知ってるんだ?」
カスミ「だってぇ〜、女の子だもぉ〜ん
v
マロン「そうよねぇ〜〜〜
v 女の子だからこう言うの何でも知ってるよねぇ〜〜〜v
ココナッツ「うんうん、あたしも分かるわ〜
v
ツバキ「あたしも分かるわ〜
v
クリスティ「あたしもぉ〜
v
ブルー「あたしも同じく〜
v
ムサシ「あたしもこれ分かるわ〜
v
ヤマト「同じく分かる〜
v
アイ「あ、あたしも同じく…。」
サトシ「…で、コゴロウは何で知ってんだ?」
コゴロウ「俺ある時『愛のカウンセラー』とも呼ばれてな、こう言うのよく知ってんだよ
     ねぇ〜。 結構興味あるから。」
サトシ「そ、そうなの…。」
カスミ「ま、サトシはまだ『お子ちゃま』だからこう言うの当然分かんないわよ!」
サトシ「!?!?!? 何言ってんだよぉ!? 俺だってこう言うの知ってるぞぉ!!!」
カスミ「無理無理! 意味も分かってないくせに分かる訳ないわよ!」
サトシ「んだとぉ〜〜〜〜!?!?!?(激怒)」
シゲル「まあまあ、落ち着けサトシ。」
ヒロシ「うんうん、落ち着いて。」
レッド「怒っても意味ねぇぞ。」
イエロー「そうですよ。 落ち着いてください。」
ツバキ「そうそう。 カスミちゃんも言いすぎよ!!」
カスミ「だってホントの事だもん。」
ブルー「それでも悪すぎるわよぉ!!」
グリーン「…っるっせぇな…。 んなもん相手の好きにさせろ。」

バタン!!! だがその後、バケツを持ったエミリが現れた。
ジョン「ラン!?」
バシャッ!!! そしてエミリはバケツに入った水をジョンにぶっ掛けた!
ジョン「ラァ!?」
メリー「ニン!?」
エミリ「二度とここに来ないでと言ったでしょ!? この汚いニドラン!!!」
バタン!!! そしてエミリはメリーを部屋に連れ戻し、そのまま強くベランダの扉を
閉めた。 その後ラルフがやって来て、ジョンを見つけた。
ラルフ「あ、ジョン!! 大丈夫か、ジョン!? 酷く濡れてるじゃないかぁ…。 
    ったく、何て乱暴なんだ、あいつはぁ!?」
そう言ってラルフはジョンを拾い、自分の家に入った。
ラルフ「今乾かすから、待ってろよ、ジョン!」
バタン! ラルフはそのまま部屋に入り、ドアを閉めた。 しかし、よく見たらラルフの
家はエミリの家と直ぐ隣だった。
マサトシ「はぁ!? 何やこれ!? すぐ隣やんかぁ!?」
トミオ「あいつら近所に住んでたのかぁ!?」
リョウマ「だから嫌気を刺すもんだな。」
カスミ「もぅ〜〜〜!!! こんなの絶対に納得行かなぁ〜〜〜い!!!」

だが、その間木々の後ろに何者かが様子を見ていた。
ゼトラ「!?」
シュン!!! ゼトラは再び気配を感じ、素早く振り向くが、人物は再び姿を消した。
ゼトラ(…まただ………。 何者なんだ…今のは…!?)

―夜―

その間サトシ達は、なぜか夜までエミリとラルフの家の前にある草地の後ろに隠れていた
ままだった。 その間にシュウは左手についている「ポケギア」と言う腕時計らしきな
メカを覗いていた。

シュウ「…もう八時半。 後一時間半でポケモンセンター閉まっちまうぞぉ?」
ケン「早く行かねぇかぁ?」
カスミ「待ってよ! 今作戦会議中なんだから!」
そんなカスミ、ブルー、アイ、ツバキ、ムサシ、ヤマト、マロン、ココナッツ、そして
クリスティは互い丸く集まっていた。
ラン「…さっきから何やってんのかしら?」
サクラ「ごめんねぇ、カスミったらこう言うのが来ると必ずこう言う会議を行って
    しまうのよ。」
アーモンド「文句言わねぇぜ。 マロンとココナッツもこう言うの結構飽きねぇほど好き
      だからな。」
コジロウ「ムサシも同じだけどな。」
コサブロウ「ヤマトもな。」
サノスケ「…そうだったのか?」

カスミ「さて、どんな作戦で行く?」
ブルー「結構難しいわねぇ〜…。 出来る限りニドラン二匹同士にデートさせたい
    けどぉ…。」
ムサシ「ならこれならどうかしら? 今飼い主は寝てるから、このままニドラン達を外に
    呼び出すのってのはどう?」
ヤマト「おお、それはナイスアイディアねぇ〜♪」
マロン「確かにそれならいいけどぉ…。」
ココナッツ「どうやって説得できるのかしら?」
クリスティ「あたし達じゃポケモンと会話出来ないし…。」
ツバキ「それに飼い主とニドランは二階で寝てるわ。 いくら他のポケモン達に頼っても
    無理じゃないかなぁ?」
ムサシ「ポケモンじゃなくてもいるのよ! そ・れ・はぁ〜! コゴロウ、お願い!」
コゴロウ「へ!? 俺!?」
クリスティ「あ、そっか! コゴロウは忍者だから、運動力も静かさもバッチリ
OKよね!」
キョウ「確かにコゴロウ殿の忍者の行動力は拙者よりも優れておる…。」
アヤ「何が何でも完全って事ね!」
ムサシ「そう言う事!」
コゴロウ「か、完全って…あのなぁ…。」
カスミ「泥棒みたいで悪そうだけど…この作戦なら上手く行けるかもね! じゃあ、
    コゴロウ! お願いね!」
コゴロウ「だ、だからってよぉ!?」
ガレム「まあ、行ってみなよ、コゴロウ!」
ゼネン「そうだぜ! お前の活躍、見てみたいからなぁ〜!」
コゴロウ「お前らなぁ〜〜〜…。 まあ、しょうがねぇな。 よっしゃ、行ってみるか! 
     とその前に…。 シュウ、お前のインカム、ちょっと借りてもいいか? 
     ポケモンの言葉を聞くのに必要だから…。」
シュウ「ああ、いいけど…。」
シュウはそう言いながら、インカムを頭から外し、コゴロウに渡した。

スタッ!! その後、コゴロウは最初にラルフの二階のベランダに着いた。 寝ている
ラルフ本人は気付いていないが、ジョンはそれによって起きた。
ジョン「…ラン?」
コゴロウ「えぇ〜〜〜っと…。 俺は怪しい者ではない。 愛の味方なる、お前の味方
     でもある、愛の怪人(?)だ! お前愛する者と会いたいんだろ? 
     だったら…。」

スタッ!! その後、コゴロウはその隣にあるエミリの二階のベランダに着いた。 寝て
いるエミリ本人は気付いていないが、メリーはそれによって起きた。
メリー「…ニン?」
コゴロウ「オホン! 俺は怪しい者ではない。 愛の味方なる、お前の味方でもある、
     愛の怪人(?)だ! お前愛する者と会いたいんだろ? だったら…。」

その間、サトシ達はコゴロウが戻るのを待っていた。
カスミ「上手く行くかしら?」
クリスティ「コゴロウはこう言うの得意から、愛の相談に乗るのが好きなのよねぇ。」
ブルーザー「結構キザっぽいけどな。」
コゴロウ「悪かったな、キザでよう!」
ブルーザー「!?」
スタッ!!! その後、コゴロウはブルーザーの後ろから現れた。
ムサシ「お帰りなさ〜い♪ で、どうだった?」
コゴロウ「ダメだ。 話は聞いたけど、外出不可能だってよ。 両方共にはルールが
     あってな、外出したいのなら飼い主からの許可を貰わなきゃ行けないんだ。 今
     寝てるから、黙って行く訳には行かないってよ。」
ムサシ「何ですとぉおおお!?」
ヤマト「何でそんな勝手な事出来ないのぉ!?」
ユウタ「そっちの方がもっと悪に見えるからだろ?」
シンジ「同感。」
ムサシ・ヤマト「っるっさいわねぇ!!!」
ゼトラ「…ったく、無駄な時間を稼ぎやがって…。 もう直ぐポケモンセンターが
    閉まるぞ。 さっさとこう言うくだらんの止めて、とっととポケモンセンターに
    行って寝るぞ。」
カスミ「戻るけどまだ止めないわよ!! 次には第二の作戦があるんだからぁ!」
サトシ「え!? まだやんの!?」
レッド「それって何だ?」
カスミ「そ〜れ〜は〜〜〜…。」

―ポケモンセンター―

その後、サトシ達はポケモンセンターにいた。 ある部屋では、カスミは机の上にある
紙に何か書いていた。

サトシ「何書いてんだ?」
カスミ「ラルフとエミリのラブレター書いてるのよ!」
サトシ「ラブレター?」
ピッピ「何でしゅか、それ?」
サトシ「ああ、それはなぁ…。」
カスミ「恋カップルが互いに送る愛の手紙の事よぉ!! 『今までホントにごめん! 
    ホントは君の事が好きだった!!!』ってね!」
サカキ「偽造の手紙か…。 そんなので仲直り出来るのか? 余計悪くなると私は思う
    が…。」
ワタル「確かに俺もサカキが言うように、この作戦じゃあ余計悪くなるんじゃねぇのか?」
カスミ「そうでもないわよ! こうすると仲直りしやすいって『カップルズ・ラブ』
    って言う雑誌に書いてあったから!」
ウォール「…そんな雑誌あるのか?」
マロン「うん! 結構流行ってるよ!」
カスミ「あたしの推理が正しければ、あの二人の意識は合ってると思うのよ!」
サトシ「そうなんだ…。 (…じゃあ、俺とカスミの意識も同じように…。)」
ケンジ「へぇ〜。 じゃあ、カスミとサトシもそうなんでしょ?」
サトシ・カスミ「!?」
ブルー・アイ「!?」
コゴロウ・レッド「!?」
ヒロシ・ツバキ「!?」
マロン・ココナッツ「!?」
シュウ・ダン「!?」
ケンジの爆弾発言により、サトシ達は反応した。
ケンジ「?」
サトシ(バレたぁ〜〜〜〜〜!?)
だがカスミは思いっきりケンジの前にアップしてこう叫んだ。
カスミ「何言ってんのよ、ケンジぃ!? あたしがあんなバカと意識合ってないわ
    よぉ!?」
ケンジ「ひぃっ!?」
サトシ(…おい…その言い方ねぇだろぅ…?(
TT))
レッド「…まあ、落ち着け、サトシ。」
ヒロシ「うんうん…。 泣いても意味ないよ…。」
ダン「…サトシ君って…いつも大変だね…。」
センタ「俺も同感…。」
だがブルーとアイもケンジの前にアップしてこう叫んだ。
ブルー「そうよぉ!!! そんな訳ないでしょ!?」
アイ「バカな事言わないでよぉ!!!!」
ケンジ「ぬぉ!?」
ブルー・アイ「はっ!!!!」
ブルーとアイが振り返ったら、仲間達はシーーーンと二人を見詰めていた。 そんな
二人の顔は、やがて赤く染まった。
ブルー・アイ「………失礼しましたぁああああ!!!」
…と言いながら、二人は逃げ去った。
サトシ「…な、何だ…あいつら?」
レッド「……………。」

そんな騒がしさにいるゼトラは、腕を組んで壁に倒れながら、静かにサトシ達を見ていた。
ゼトラ(…ったく、くだらん事をするぜ…。 ………けど………。)
その後、ゼトラは今まで気付いていた謎の人物を思い出し始めた。
ゼトラ(………あれから俺達を見ていたあの影………一体………?)

―翌日・公園―

その翌日、サトシ達は公園の草地の中に隠れていた。 作戦通りに行くかどうか、彼らは
そのまま様子を見ようとする。

カンナ「もう少しで彼らが来るわ。」
シバ「けど本当にこの作戦上手く行くのか?」
カスミ「大丈夫! 愛情のプレゼントとしてエミリに花とラルフにプラモデルを
    送ったから!」
コゴロウ「ったく、朝っぱらから俺をおもちゃ屋に行けって言ってもあんな時間じゃ店
     開いてる訳ねぇじゃねぇかよ! 叩き起こしたおかげで酷く注意された
     じゃねぇか!」
どうやらプラモデルを買ったのはコゴロウだったらしい。
カスミ「だから、その事は謝ってるでしょ?」
エリカ「でもこちらはいいお花見つけましたから、きっと上手く行くと思いますわ!」
レグナ「けどよ、もしもどっちも気に入らなかったらどうすんだぁ?」
カスミ「そ、それはねぇ…。」

キクコ「…おや? 足音が聞こえるぞい?」
ザクロン「! いた! あいつらが来たぞ!」
サトシ「よし、じゃあ、隠れるぞ!」
そしてサトシ達は隠れた。 そして両左右の路上から、かごに入ったジョンと
プラモデルを持つラルフと、かごに入ったメリーと花束を持つエミリが出て来た。 
しかし、互いは悪いムードな表情をしていた。
ラルフ・エミリ「どう言うつもりなんだよ(よ)!?」
サトシ達(え!?)
ゼトラ「…雰囲気が違うぞ?」
エミリ「私はこの花のせいで蜂に刺されたの知ってるでしょ!?」
ラルフ「僕はプラモデルは作れないってのも分かってるだろ!?」
カスミ(え、うそぉ!?)
ガロン「こりゃ、相手の事全般的に知らねぇとダメだなぁ。」
エミリ「さっきの手紙も何の真似よ!? あんな内容で私を騙そうと思ってるの!?」
ラルフ「そっちこそ同じ事じゃないかよ!! 僕をこんな紙で僕を騙そうとしてるの
    かぁ!?」
エミリ「何よぉ!?」
ラルフ「何だよぉ!?」
そしてエミリとラルフは地面に落ちていた木の枝を拾った。
エミリ・ラルフ「でぇええええええええい!!!!」
ガチガチガチガチ!!! そして再び乱闘に入った。
ジョン「ランラァ〜ン!」
メリー「ニンニィ〜ン!」
さすがに見ているこの二匹も完全に困っていた。 もちろん隠れて見ているサトシ達も
困っていた。 とにかく全員困っている。
カスミ「あぁ…何でこんな事にぃ…。」
サカキ「だから悪くなると言ったんだが…。」
ゼトラ「……………。」

バキバキィ!!! そしてゼトラはそのまま草地から出て、再びラルフとエミリの頭を
刀の逆刃で殴った!
ラルフ・エミリ「いたぁ!!!」
サトシ達「またかい!?Σ(゜□゜;)」
ゼトラ「ったく、見てるだけで腹が立つ…。」
ラルフ・エミリ「いったぁ〜〜〜い…。」
その後サトシ達も草地から出た。
サトシ「おいおい、ケンカするのは良くないって言っただろぉ?」
カスミ「それにごめんなさい。 あの手紙あたしが書いたの。 仲直りさせようとして…。」
ワタル「って言うか、お前が読んだその雑誌自体、何か間違ってなかったか?」
カスミ「え? え〜〜〜っと…あっ!! そうだった! こう言うのって
32%の確率しか
    効かないんだったぁ!! あははは、通りでこうなるのよねぇ〜!」
ワタル「…やっぱりガセネタか…。」

その間、木々の後ろから二つの謎の影がいた。 その影達はサトシ達を見ていた。
???
A「クックック…これは面白い。 互い憎み合っているガキ共か…。 これは
     面白い見せ物だ。 これでいい…試すのも面白みの一つだ。 早速行くぞ!」
???
B「……………。」

ラルフ「どうして君達は僕達の邪魔するんだよぉ!?」
エミリ「そうよ!! 貴方達には関係ないでしょ!?」
サトシ「な!? 関係ないだろうがなんだろうが、そう言う問題じゃねぇだろがぁ!!」
ラルフ・エミリ「え?」
サトシ「俺が言いてぇのはなぁ…!!!」

???「それが正しい事だって事だよぉ!!」

全員「え!?」
ガシガシィッ!!! その時、何者かが一瞬にかごに入っていたジョンとメリーを
盗った!
ラルフ「ジョン!?」
エミリ「メリーちゃん!?」
スタスタッ!!! その時、サトシ達の前にジョンとメリーを掴み持っている二人の
ロボットがいた。 一人はバイキングのヘルメットと骸骨の仮面、そして大きな斧を
持ったロボットと、もう一人はサムライのような姿と銛を持ったロボットであった。
???
A「ハーッハッハッハ!!! バッチリと頂いたぜぇ!!!」
ラルフ「ジョン!!!」
エミリ「メリーちゃん!!!」
サトシ「お前らは、ドラゴンナイツ!?」
???
A「ほう、俺らの事知ってるのか? じゃあ、てめぇは以前マンティスマンの邪魔を
     したガキだなぁ? こんな所で初対面として会うとは驚きのもんだぜぇ!」
ラルフ「え、知ってるの!?」
エミリ「何者なの!?」
サトシ「あ、ああ…。 実は…。」

サトシはラルフとエミリにドラゴンナイツの事を説明した。

ラルフ「え!? 人類抹殺と世界破壊を行おうとする!?」
エミリ「ポケモンを武器にするためにロボット改造をしようとする!?」
???
A「ほう、よく俺らの作戦を見抜いたな! だがよぉ、こっちには人質みてぇなもん
     持ってんだぜぇ!」
ラルフ「ジョンを何する気だ!?」
エミリ「そうよ!! メリーちゃんに何するの!?」
???
B「…見極めだ。」
ラルフ・エミリ「え!?」
???
A「まあ、どうでもいい!! それよりもせっかくだから自己紹介でもしよう
     じゃねぇか? 俺はアックスマン!」
???
B「…名はトライデントマン。」
アックスマン「このポケモンは、我がドラゴンナイツが頂いた! 悔しく返したいのなら
       鈍間みてぇに追ってみなぁ!! ハーーーッハッハッハ!!!」
サッ!!! そしてアックスマンとトライデントマンは、ジョンとメリーをどこかへ連れ
去った。
ラルフ「ジョン!!!」
エミリ「メリーちゃん!!!」
ベルガーダ「くそっ!!! 見逃しちまったぁ!!!」
ゾーマ「いや、まだそんなに遠くへには行ってないはず。 後を追えば、どうにかなる
    はずだ。」
サトシ「ああ、そうだな。」
その後、カスミは怒った表情でラルフとエミリに振り向いた。
カスミ「あんた達が余計ケンカするから、こんな事になったのよ!!!」
ラルフ・エミリ「うっ…!」
サトシ「とにかく、後を追おう!!」
ヘルザード「けどどうやって探せるんだ?」
ヴァルプ「あの一瞬に姿を消した。 手分けして探すだけでも手遅れになっちまうぞ!」
サトシ「そ、そうか…。 じゃあ、どうすれば…?」
ジャグナル「…風に聞けばいい。」
サトシ「え?」
ジャグナル「風だ。 風の精霊なるジンに聞いてみろ。 ジンは風の精霊としてこの世界
      全体を知っている。 風とは『伝達』や『情報』などを表す物でもある。 
      ジンに相談すれば、奴らの居場所も分かる。」
サトシ「そうかぁ!! よし、やってみるぜ!! ジン、出て来い!!!」
ポォン!!! サトシの掛け声によって、ジンが現れた!
ジン「プゥ〜〜〜!!! ワシのお呼びダスか、ご主人様ぁ?」
ラルフ「!? な、何あれ!?」
エミリ「…可愛いけど…。」
サトシ「説明してる場合はねぇ!! ジン、今ちょうどニドラン二匹を攫った悪党と遭遇
    した! そいつの居場所はどこなのか教えてくれ!」
ジン「お安い御用ダスー!!」

―森の中―

公園から離れた森の中に、トライデントマンとアックスマン、そしてもう二体の
ロボットがいた。 もちろん、檻の中に入っているジョンとメリーもいる。 
トライデントマンとアックスマンの前には、足無しで注意浮きながら槍を持っている
ロボットと、右腕に刺鉄球を装備と奇妙なマスクをしていたロボットがいた。

???
C「ったく、連れて来たのがこの二匹だけかよぉ?」
???
D「こんなちっぽけな奴じゃ、ドラゴン様は納得行かねぇぞ!」
アックスマン「ヘッ、大丈夫だよ。 こっちには面白い事を思い付いたんだよ。」
???
CD「思い付いた事ぉ?」
アックスマン「まあ見れば分かるさ。 あいつらは今でもここに来るはず…。」

サトシ「いたぞぉ!!!」
ドラゴンナイツ「!?」
そして木々からサトシ達が現れた!
アックスマン「ほう、やっぱり現れたか!」
???
C「こいつらがそうか!?」
???
D「どうしてここだと!?」
サトシ「ジンの風のおかげで、お前達がここにいる事をバッチリ教えてくれたんだよ!」
ジン「ワシの風世界中に繋がってるダス〜!!」
トライデントマン「…風で拙者達の居場所を教えたのか…。」
アックスマン「ヘッヘッヘ、面白ぇ! ちょうどパーティを始める所だったぜぇ!」
ラルフ「僕のジョンを返せぇ!!!」
エミリ「私のメリーちゃんを返してぇ!!!」
アックスマン「返して欲しいなら別にいいが…。 てめぇらに聞きたい事がある。」
ラルフ・エミリ「え?」
アックスマン「…とその前に。 トライデント、ジャベリン!!」
トライデントマン「…ムン!!!」
ジャベリンマン「そらよぉ!!!」
ヴォシャアアアアアアアン!!!! その後、トライデントマンとジャベリンマンと
名乗るロボットは、電撃を放電する銛と燃え上がる槍を振り、雷と炎の壁をサトシ達の
周りに包み込ませた!
ブルー「きゃっ!? 何これ!?」
イエロー「雷と炎の壁!?」
サトシ「な、何する気だぁ!?」
アックスマン「俺達にはこの二人に用があんだよ。 てめぇらはそこで大人しくしてな。」
サトシ「何だと!?」

アックスマン「さぁ〜て、そろそろ始めるか。 今までてめぇらの行動を見ていたが、
       てめぇらはガキの頃から互い憎み合ってたんだよなぁ〜?」
ラルフ・エミリ「!?」
ゼトラ(…昨日から俺達を見回っていたのはこいつらだったのか!?)
アックスマン「ガキの頃から互い同じポケモンをゲットしたきっかけに、互いをそれなり
       真似をするような事で憎み合っていると聞いたが、それはホントの事だよ
       なぁ?」
エミリ「…だって、私が自分の好きなポケモンをゲットするとラルフが私と同じ
    ポケモンを…。」
ラルフ「そんな事よりも、お前には僕達の何が分かるんだよぉ!?」
アックスマン「フン、知った事じゃねぇと言いたい所だが、てめぇらにはなかなか興味津々
       なんだよ。 あれから見取っていたらお互い様憎んでいる事に分かって
       なぁ。 だからてめぇらに何かの引き換えをしようと思ってなぁ…。」
ラルフ「引き換え…?」
アックスマン「そう。 てめぇらのポケモンを返すと言う引き換えなんだが、坊主には
       それに条件があるんだよ。」
ラルフ「ぼ、僕に…?」
アックスマン「それよぉ!!」
ガシッ! その後、アックスマンは自分の斧をラルフに投げ渡し、ラルフは斧を受け
取った。
ラルフ「!? お、斧…?」
アックスマン「…その女を殺せ!!」
ラルフ・エミリ「!?」
サトシ達「!?」
ジョン・メリー「!?」
ラルフ「…な、何だって…!?」
アックスマン「てめぇはガキの頃からその女を深くも憎んでたんだろ? なら今が
       チャンスだ! てめぇの憎悪に染まった敵であるその女を殺せば、
       てめぇは何れ憎しみから解放する! 特に殺れば、てめぇのポケモンも
       解放する! だが殺らなければ、ポケモンだけじゃなくあのガキ共を殺す
       事になる!」
サトシ達「!?」
ジョン・メリー「!?」
ジャベリンマン「なるほど、そう言う手段か。」
???
D「アックスも汚い事考えるなぁ…。」
ラルフ「……………。」
エミリ「ら、ラルフ…!?」
サトシ「ラルフ!! そいつの言う事聞くな!! 奴はお前を利用してるんだ!! 
    これは奴の計画なんだぞぉ!!!」
アックスマン「てめぇは黙ってもらおうか!! 今じゃ手も出せねぇてめぇらには助言は
       無駄だ!! さあ、てめぇに取って究極の選択だぁ!! どっちか
       選べ!! 女を殺すか!? それともポケモンとガキ共を死なすか!? 
       今直ぐ決めろぉ!!!」
ラルフ「……………。」
そんな選択を聞いたラルフは、どうすればいいかも分からないと苦悩しながら、恐れに
振るえ、冷や汗も多くたらし始めた。
ジョン「ラ、ラァン…。」
メリー「ニィ〜ン…。」
サトシ「ラルフ!!!」
エミリ「ら、ラルフ………。」
ラルフ「………何故だ…何故お前が…僕にこんな事を…。」
アックスマン「てめぇのために言ってるとでも思いな。」
ラルフ「…僕の………ため………?」
エミリ「ラルフ………。」
ラルフ「………くっ…。」
そんなラルフは苦しむように、歯を食い縛り始めた。
ラルフ「…うっ………うわぁあああああああああ!!!」
その後ラルフは、斧を持ち上げ、その刃をエミリの方へ向けた!
エミリ「!?」
ジョン・メリー「!?」
サトシ達「ラルフ!?」

グサァッ!!!!!!! だがラルフは斧の刃を自分に向かせ、そのまま自分の左肩に
斬り込んだ!
全員「!?!?!?」
エミリ「ラルフ!?」
ラルフ「ぐっ…ぐぁあああああああ!!!!」
ザシュアアアッ!!! そしてラルフは肩に斬り込んだ斧を斬り取り、そのまま斧を投げ
捨てた。
アックスマン「な、何だとぉ!?」
自分の斬った肩の大きな傷口、大量の血が流れて来た。 だがラルフはその痛みを
堪えようとし、涙と悲鳴を出せなかった。
ラルフ「………ぼ、僕の…ためだって…!? バカに…するなぁ!!! 例え僕が
    エミリが嫌いだとしても………僕はエミリを殺したりなんかしない!!!」
エミリ「ラルフ………!?」
ラルフ「………くっ…!」
だがラルフは、自分を斬ったせいか、立つ気力も失い始め、そのまま地面に跪いた。
エミリ「!!」
ジョン・メリー「!!」
トライデントマン「…作戦失敗のようでござるな。」
アックスマン「くっそぉおおお、このガキがぁあああ!!! そこまで何も
       しねぇんならぁ…!!」
アックスマンはラルフが捨てた斧を拾った。
アックスマン「望み通りてめぇから先にぶっ殺してやらぁ!!!!」
アックスマンはそう言いながら、斧をラルフの前に高く持ち上げた。
サトシ達「あっ!!!」
ラルフ「!!!」
エミリ「ラルフぅううう!!!!」

ジョン「ランラァアアアアアアン!!!!」
メリー「ニンニィイイイイイイン!!!!」
バキャアアアッ!!! ドカァアアアアン!!!! その後ジョンとメリーは思いっきり
檻をぶち破り、アックスマンに「角で突く」と「体当たり」をした!
アックスマン「ぐほっ!?」
サトシ達「え!?」
ラルフ「!? ジョン!?」
エミリ「メリーちゃん!?」
ジャベリンマン「な、何だ!?」
???
D「いきなり檻を…!?」
トライデントマン「何と言う力だ!?」
ジョン「ランラン!!」
メリー「ニンニン!!」
アックスマン「…っのガキゃあああ…!! 俺の邪魔をしやがってぇ…どいつもこいつも
       バラバラに殺してやらぁああああ!!!! てめぇらも手伝え!!!」
ジャベリンマン「ヘッ、本格的に面白くなってきたぜ。 だがチビでも手加減は
        いらねぇ!! トライデント、メイス、行くぜぇ!!!」
トライデントマン「…フン。」
メイスマン「おうよ!」
そしてトライデントマン、ジャベリンマン、そしてメイスマンと名乗るロボットが出撃
した!
サトシ「危ない!!!」
ラルフ「ジョン!!!」
エミリ「メリーちゃん!!!」
ジョン「ラン!!!」
メリー「ニン!!!」
バキィッ!!! だがジョンとメリーは「毒針」攻撃でジャバリンマンとメイスマンを
刺した! 別に毒を浴びた訳ではないが、かなり強力的に命中した!
ジャベリンマン・メイスマン「ぐはっ!?」
ヘレク「おお、当たった!!」
ヘルザード「毒は通じないが威力的にすげぇぞ!!」

ドサッ!!!! だがアックスマンはジョンを足で地面に踏み潰した!
ジョン「ラァッ!!!」
アックスマン「野郎…調子に乗りやがって…!! まずはてめぇから肉バラにして…!!」
アックスマンはジョンを足で抑えたまま、斧を持ち上げるが…。
メリー「ニンニィイイイン!!!」
ドカァアアアッ!!! だがメリーはアックスマンに「体当たり」を食らわせた!
アックスマン「ぐごぁ!?」
ラルフ「…ジョンと…メリーが…。」
エミリ「…力を合わせて戦ってる…!」
ジョン「ラララララァアアアン!!!」
ズタタタタタタタタッ!!! ジョンは「乱れ突き」でメイスマンに攻撃する。
メイスマン「いでででででぇ!!!」
メリー「ニニニニニィイイイン!!!」
グササササササササッ!!! メリーは「乱れ引っ掻き」でジャバリンマンに攻撃する。
ジャベリンマン「あいでででででぇ!!!」
ヒロシ「すごい…すごいコンビネーションだ!!」
シゲル「これが互いに信頼するほどの力なのか!?」
カスミ「違うわ! これが…『愛の力』なのよ!!!」
サトシ「よし、そのまま一気に突っ込み捲くれぇ!!!」
ラルフ「…やろう、エミリ…一緒に…!」
エミリ「ラルフ………うん!!」
ラルフ・エミリ「「突進」攻撃!!」
ドカァン!!! ジョンとメリーは「突進」でジャバリンマンを突き飛ばした!
ジャベリンマン「ぐがぁあああっ!?」
ラルフ・エミリ「「二度蹴り」!!」
ドカドカァン!!! ジョンとメリーは「二度蹴り」でメイスマンを蹴り飛ばした!
メイスマン「ずぁあああっ!?」
アックスマン「!? ぐぁああああ!!!」
ドサァアアアン!!!! 飛ばされたジャベリンマンとメイスマンはそのまま
アックスマンに直撃し、三人共気絶した。
アックスマン・ジャベリンマン・メイスマン「ぐぉおおお………。」
サトシ「やったぁ!! 全員倒したぞ!!」
ゼトラ「…!!! いや、あれで全員じゃねぇ!! もう一人いるぞ!!」
サトシ達・ラルフ・エミリ「え!?」
そう、サトシ達とラルフとエミリが振り向いたら、そこには無傷のまま立っている
トライデントマンがいた!
ラルフ「…くっ…まだいたのか…。」
エミリ「そんな…。」
ケンジ「ど、どうするんだ、これから…!?」
サトシ「俺達も戦いたいけど…この壁が邪魔じゃ…!」
トライデントマン「……………。」
その間、トライデントマンはサトシ達の方へ見詰めていた。
サトシ達「?」
トライデントマン「………フン!!」
ザシュッ!!! ヴァッ!!! トライデントマンは突然銛を振らせ、壁を打ち消した。
サトシ達「え!?」
サトシ「………!?」
トライデントマン「………何れまた会おう。」
サトシ「え?」
シュウウウン!!! その後、トライデントマンと他の気絶したロボット達は、
テレポーテーションの機能で姿を消した。

ラルフ「…や…やった…みたいだ……ね………。」
ドサッ!!! だがその後、ラルフはそのまま地面に倒れた。
エミリ「!? ラルフ!?」
ジョン「ランラァ!?」
サトシ「ラルフ!?」
エミリ「ラルフ!! しっかりして、ラルフ!!!」
キヨミ「大変!! 余りの出血で気力が失いかけている! このままだと貧血で
    死んじゃうわ!!」
エミリ「そんなっ…!!!」
ブレイク「チッ…あんなバカな真似をするからだ…!!」
エミリ「そんな、嫌よ、ラルフ!! 死なないでよ!! お願いだから死なないで、
    ラルフ!!!」
エミリは目から涙を出しながら、ラルフを必死に起こそうとした。
サトシ「とにかくこのままじゃ危ない!! ウィスプ!!!」
ポン!!! サトシの掛け声で、ウィスプが出現した。
ウィスプ「チィッス!! 僕のお呼び…って!? ど、どうしたんすか、この子!?」
サトシ「ウィスプ、こいつの命が危ないんだ! お前の回復魔法で助けられるか!?」
ウィスプ「う…そ、そうッスねぇ…。 かなり酷い怪我ッスね…。 けど、呼吸は少し
     だけしかなさってないようッスから、死んでなければ回復は出来るッス!」
サトシ「じゃあ、頼む!!」
ウィスプ「了解ッス!! けど傷の大きさによって時間は掛かるッスから、それまでに
     待っててくれれば…。」
サトシ「手遅れじゃなければいい!! 頼む!!」
ウィスプ「分かったッス!! 行くッスよぉ!! 「ヒールライト」!!!」
キラキラキラキラキラァ!!! ウィスプは光をラルフに包み込み、傷口を回復
させようとする。

―三分後―

ウィスプの回復中、ようやく傷口は消え、光も収まった。

ラルフ「………う………ん? …あ、あれ…ぼ、僕は…?」
エミリ「ラルフ!!!」
ジョン「ランラァ!!!」
ラルフ「…あ、あれ…痛みがない…傷もない!? 僕、助かったの!?」
その後、エミリは涙を流しながら、ラルフを抱き締めた。
ラルフ「!?」
エミリ「うわぁ〜〜〜ん!!! よかったぁ、ラルフ…無事でぇ〜〜〜!!! 本当に
    よかったぁ〜〜〜!!!」
ラルフ「え、エミリ…!?」
ジョン「ランラン!!」
メリー「ニンニン!!」
カスミ「よかったぁ、無事で…。」
サトシ「ああ、間に合ってよかった…。 サンキュー、ウィスプ!」
ウィスプ「どう致しましてッス!」

ラルフ「けど、僕はどうやって…?」
サトシ「ウィスプの回復魔法で、お前を助けたのさ。」
ウィスプ「まあ、感謝するのはサトシさんッスけどね!」
ラルフ「…え? サトシ?」
エミリ「サトシって…?」
サトシ「え? ああ、そう言えばまだ自己紹介とかしなかったな。 改めて、俺はサトシ! 
    カントーのマサラタウンから来た、勇崎 智だ!」
ラルフ・エミリ「えぇええええええええええ!?!?!?」
ラルフ「ま、まさか…君が…!?」
エミリ「カントーでリーグチャンピオンで、怪人セフィロスを倒した、あの有名な…!?」
サトシ「ははは、今まで気付いていなかったって訳か。」
ラルフ「…あ、ありがとうございます…わざわざ、僕を助けてくれて…。」
エミリ「あ、後…色々失礼な事してしまって…ごめんなさい!」
サトシ「え、あ、いや、助ける事すら俺何もしなかったし…それに俺に謝らなくても…。」
ゼトラ「謝る必要性はあると言えるな。」
サトシ「へ?」
ゼトラ「…おい、お前ら。」
ゼトラはそう言いながら、ラルフとエミリに睨んだ。
ラルフ・エミリ「え!? は、はい!?」
バキバキィ!!!! そしてゼトラは刀の逆刃で再びラルフとエミリを殴った!
ラルフ・エミリ「あいたぁ!?」
サトシ達「またぁ!?Σ(゜□゜;)」
ラルフ「あぅ…こ、今回で三度目………。」
エミリ「いったぁ〜〜〜い! 何で殴るんですかぁ〜〜!?」
ゼトラ「…お前ら、今まで何を間違っていたのか分かっているのか?」
ラルフ・エミリ「え?」
ゼトラ「お前らは生まれてから互いを憎むように生きていた。 必ず目をあわすと乱闘に
    出るほどの憎しみをね。 それがお前らの正しい事だと思っていたのか?」
ラルフ・エミリ「え………。」
ゼトラ「たかが偶然に同じポケモンをゲットしたからって何が悪い。 そんな奴はこの
    世界で腐るほどいる。 そんな些細な事で悪く思う奴、バカな奴にしか言えない。 
    いや、むしろ憎しみに生きる奴の方がバカにしか言えない。 憎しみなんてな、
    人間の重要な物じゃねぇんだよ。 憎しみに生きる奴は、それなりに人間じゃ
    ねぇ証拠なんだよ。 憎悪こそは正しい物じゃねぇ。 唯一に正しいのは、
    互いを愛するべきだろ。 友であろうが何だろうが、信頼と愛情を繋げるこそ、
    人間の正しき生き方じゃねぇのか?」
ラルフ・エミリ「……………。」
ゼトラ「それに…。」
ゼトラはその後、ジョンとメリーの方へ振り向いた。
ジョン・メリー「!」
ゼトラ「…お前らが本当にこいつらのトレーナーなら、ポケモンの気持ちを知るのが、
    トレーナーの正しさだろ? いつも自分ばかりを思ってる訳には行かねぇ
    からな。」
ラルフ・エミリ「……………。」
サトシ「ゼトラの言う通りさ。 俺もそれを言うつもりだったんだよ。 例え誰で
    あろうと憎むのが一番悪い事なんだ。 人間はな、お互いを認め、お互いを信じ
    合い、お互いを愛し合うのが大切だろ? それをお前達にも分からせて
    欲しかったんだよ。」
ラルフ・エミリ「……………。」
ラルフ「…エミリ…ごめん。 今まで君の事…。」
エミリ「…あ、ううん…私の方こそ、ごめんなさい。 本当に…。」
ジョン「ラン…。」
メリー「ニン…。」
ラルフ「ジョンもごめんな。 今までお前の気持ち分からなくて…。」
エミリ「メリーちゃんもごめんね。 今まで自分の事しか考えなくて…。」
ジョン「ラン!」
メリー「ニン!」
シャワーズ「これで仲直りになったね!」
ゼニガメ「よかったですね…。」
ダネリーナ「これで一件落着でちゅ!」

ゼトラ「…サトシ。 こいつらを仲間に入れさせた方がいい。」
サトシ「え?」
ゼトラ「反省しただけだとしても、こいつらにはまだ分からない事がたくさんあるはず。 
    先輩トレーナーでもあるお前なら、こいつらに何が正しいか教える事が出来る
    はず。 それに、仲間に入れさせれば、この先何かの役に立つだろう。 お前
    なら出来るだろ?」
サトシ「ゼトラ………ああ、分かった! ラルフ、エミリ、よかったら、俺達と一緒に
    行かないか?」
ラルフ・エミリ「え?」
サトシ「実は俺達、ドラゴンナイツを倒すために仲間を集めてる事もあるんだ。 
    よければ、お前達も行くか? それに、お前達にも何が正しいのか、教えて
    あげたいし…。」
ラルフ・エミリ「……………。」
そんなラルフとエミリは互いを見詰めあいながら、顔を赤く染めながら、笑顔で頷いた。
ラルフ・エミリ「はい、行きます!」
サトシ「よし、決まりだな! 後、俺に敬語はいらねぇさ! 普通に言ってもいいぜ!」
ラルフ・エミリ「うん!」
カスミ「よぉ〜し! じゃ、決まりね!」
ジョン「ラン!」
メリー「ニン!」
チュッ! カァッ!!! ジョンとメリーがキスした後、突然二匹が光り輝いた!
全員「!?」
ラルフ「ジョン!?」
エミリ「メリーちゃん!?」
サトシ「これってまさか…!?」

???
A「リィ〜ノ!!!」
???
B「リィ〜ナ!!!」

全員「ニドリーノとニドリーナに進化したぁ!?」

ポケモン図鑑『ニドリーノ・毒針ポケモン・ニドラン♂の進化形。 怒りやすい性格。 
       発達した角を振り回して、ダイヤモンドを串刺しにする。 頭にある角の
       毒素は突き刺した時の衝撃で滲み出る仕組みだ。 発達した耳を立てて、
       周りの気配を探る。 何かあると直ぐに飛び掛る。』

ポケモン図鑑『ニドリーナ・毒針ポケモン・ニドラン♀の進化形。 メスなので性格は
       温厚。 口から出す超音波は、相手を惑わす力がある。 巣穴の奥にいる
       時は必ずトゲトゲが引っ込む。 リラックスしている証拠だ。 子供に
       餌を分け与える時、親が噛み砕き、柔らかくした餌を吐き戻して与える。 
       角の育ちも遅いため、好んで戦おうとはしない。』

ラルフ「ぼ、僕のジョンが進化した!」
エミリ「私のメリーちゃんも進化したわ!」
ケンジ「へぇ、キスも経験値の素でもあるんだねぇ。」
カスミ「! いやだぁ〜、ケンジったらぁ〜!」
ビシィッ!!! カスミは顔を赤く染めながら、ケンジからスケッチブックを奪い取り、
それでケンジを叩き倒した。
ケンジ「ぶびゃお!?」

その間ゼトラは、喜ぶラルフとエミリを見詰めながら、沈黙に腕を組んでいた。
ゼトラ「……………。」
デルヴァ「よう、ゼトラぁ! お前さっききつい事言うけど、意外といい事言うじゃ
     ねぇか! かなりカッコよかったぜぇ? やっぱお前はこう言う奴らにはいい
     奴なんだな! 見直したぜぇ!」
ゼトラ「…フン。 別に俺はあいつらのために言った訳じゃねぇ。 注意で言っただけだ。 
    それに、元はと言えば恋なんて興味ねぇ。 『俺』みたいに必ず失うような運命
    だったらな。」
デルヴァ「え?」
その後ゼトラは振り向き、そのまま場を去ろうとした。
デルヴァ「あ、おい、ゼトラ!」
ゼトラ「サトシに伝えておけ。 町の出口に待ってるってな。」
そう言って、ゼトラは歩き去った。 そんなデルヴァは、沈黙に行き去るゼトラを
見守りながら、奇妙に悩み始めた。
デルヴァ「………ゼトラ………?」

ドラゴンナイツを倒し、見事にラルフとエミリを仲直りしたサトシ達。 憎しみこそ全て
ではない。 愛情こそが大切な物なのだ。 それを学んだラルフとエミリもサトシの
仲間に入り、再び旅を続けるが…最も謎の多いのは、ゼトラ本人。 彼の心には、一体
何が隠されているのか…?

続く…。

―ボスロボット図鑑―
アックスマン 
DKN 013
特殊武器:アックススラッシュ
元は海港警備用ロボットとして製作された。 主に海賊やバイキングのモチーフに
作られた斧使いである。 アックススラッシュは、巨大な斧で相手を切り裂く直接攻撃で
ある。

トライデントマン 
DKN 014
特殊武器:サンダートライデント
元は日本の城を警備するために作られたサムライ型の戦闘用ロボット。 銛には数万
ボルトもする電流を持ち、素早く攻撃出来る。 サンダートライデントは、雷を放電する
銛を相手に投げ飛ばす事が出来る。

ジャベリンマン 
DKN 015
特殊武器:バーニングスピア
元は空港警備用ロボットとして作られたロボット。 元は足があったのだが、製作中に
失敗し、足を失った変わりに浮遊装置を下半身に設置した。 その周りに浮いている
四つの玉は、浮遊力をサポートする装置。 槍には火炎も出せる。 バーニングスピアは、
火炎に燃え上がる槍を相手に投げ飛ばす事が出来る。

メイスマン 
DKN 016
特殊武器:メイスボール
元は博物館警備用ロボットとして製作された。 右腕に設置している刺鉄球こそ彼の武器
で、どんな物を粉砕する事が出来る。 時には鎖を付けるが、時には付いていない事も
ある。 メイスボールは、鎖の付いていない刺鉄球を放ち、どんな物を破壊出来る。

ソニックの後書き:
今回も久しぶりに長く書いてしまった。 しかもグロ付き。(汗) かなりお気に入りな
話だったんで…。(言い訳にならん) さてさて、今回登場したドラゴンナイツなんだけど、
実は彼らはカービィシリーズに登場したメタナイトの部下、メタナイツのアックスナイト、
トライデントナイト、ジャベリンナイト、そしてメイスナイトのモデルだったりします。
(爆) サトカスも含めたんだが…どうもサトカスじゃねぇ。(汗) まあ、次回もちと
がんばってみるかぁ…。