ポケットモンスター小説版
192話 大平原のコイル達

マンダリン島のヤンベラの町でドラゴンナイツを倒し、ラルフとエミリを仲間に入れ
させたサトシ達は、次のジムのある街、ビッグシティへ向かう。 だがその街に行くには、
大平原を渡らなければならない。 そんなサトシ達は、この大平原に歩いていた。

サトシ「…あ、暑い…暑すぎる…。」
シャワーズ「ホントに暑い…。」
ピカチュウ「ピカァ…。」
シゲル「どの方向を見ても水もねぇ…。」
ヒロシ「おまけに空は晴れてて太陽が暑い…。」
ブルー「けど…ビッグシティってどれくらい掛かるの…?」
イエロー「さあ…。 けど、このままだと疲れますね…。」
グリーン「…なら近くの町で休むしかないな。」
アイ「ケンジさん…次の町までどれくらい掛かるの…?」
ケンジ「地図によると、明日の朝まで掛かるようだ。」
サトシ達「何だってぇ!?」
ピース「明日までって…僕もうダメ…。」
ヒトカゲ「あ、お、おい!!」
ヒトカゲは疲れ倒れるピースを押さえた。
カスミ「あぁ〜〜〜!!! もう嫌よ、この大平原!!!」
シュウ「こんな暑い所で野宿だなんて絶対やだからなぁ!!!」
マロン「あたしも賛成!!」
アツミ「仕方ないわ。 ビッグシティへ行くにはここを渡らなければ行けないもの…。」
サムライ「けど何でフェニックスで行かれぬでござるか?」
カルロス「俺もそう思ったんだが、近道となる海路が渦に塞いでて立ち入り禁止に
     なってんだ。 半分故障してるフェニックスじゃ、あそこまで行かれねぇよ。」
センタ「半分故障? あの船、どう見ても故障してないよ?」
カルロス「だからなぁ〜…。」

その後、サトシ達はふと何かを思っていた。
カスミ「…そう言えば、こんなに歩くなんて久しぶりよねぇ…。」
サトシ「ああ…。 あれからずーっとフェニックスに乗って旅立ってたからなぁ…。」
ケンジ「とにかく、みんな早く行こう! 走れば近くの町へ直ぐ着くさ!」
アキラ「そんなのバカ早ぇ奴しか出来ねぇもんじゃねぇか。」
サクラ「そうしたいけど…もう疲れた…。」
アヤメ「ヤンベラの町から離れてから相当五時間も掛かってるから、もうクタクタ…。」
ボタン「おまけに喉乾いちゃって動けないよぉ〜…。」
ケンジ「もう〜…だらしないなぁ〜…。」
ダン「まあ、ここは仕方ないから、ここで少しだけ休ませよう。 けど、誰か水持って
   ないかい?」
ジュン「さっき持ってましたが、全部使っちゃいましたからありませんよ。」
セイヨ「どうしよう〜…喉乾いちゃって何も出来ないわ…。」
サトシ「! それならこいつに任せよう! ウンディーネ、出て来い!!」
ポン!!! サトシの掛け声でウンディーネが出現した!
ウンディーネ「アロハ、ダーリン♪ ウチのお呼び〜?」
サトシ「ああ、ちょっと涼しげな雨を降らせてくれないか? こっちは暑さでもうダメ
    だよ…。」
ヒトカゲ「え”? あ、あの、サトシさん…それちょっと…。」
ヒトカゲは恐れそうにサトシに言うが…。
ウンディーネ「何やてぇ!? ダーリン、死んだらアカンよぉ〜〜〜!!! 水分失って
       もうたらウチどうなるんやぁ〜〜〜!?」
そんなウンディーネは号泣しながら、心配そうにサトシの前にアップした。
サトシ「そんな大げさな事考えんなぁ!!!」
ウンディーネ「
OKさかい! ダーリンの願い、ウチが叶えたる! 涼しげな雨でエエな? 
       ほな、行くでぇ!!」

ゴロゴロゴロゴロ………。 だが、ウンディーネが雨を呼ぶ前に、突然空は暗雲に包まれ、
太陽を隠した。 その雲から稲光と雷の音が出て、雨も降りそうになった。
ウンディーネ「…え?」
ヒトカゲ「…あ、あれは…。」
マチス「…ヘイ、ウンディーネ…。 それ、トゥビッグじゃねぇか?」
ウンディーネ「…これウチちゃうで…?」
サトシ達「え?」
ザァアアアアアアアア!!!! その後強雨が振り出した!
サトシ「ぬぁあああああ!? これ多すぎ多すぎぃ!!!」
アーモンド「ウンディーネ、強すぎだぁ!!!」
ウンディーネ「だからこれウチちゃうでぇ!!!」
ヒトカゲ「うわぁあああ!!! 雨がぁあああ!!! 死ぬぅううう!!!」
ピース「ひ、ヒトカゲ!!」
ダネリーナ「チャトチ(サトシ)ちゃん!! ヒトカゲが雨に弱いんでちゅ!! 早く
      雨の当たらない所へ連れて行かないと死ぬでちゅ!!」
サトシ「何だってぇ!?」
ドカァアアアアアアアン!!!! その後、雷も落ちて来た。
カスミ「き、きゃああああああ!!!」
サトシ「カスミ!!!」
レッド「おい、こんな所でいちゃあヤベェぞ!?」
ラトス「みんな、ここは危険だ!! 早く雨や雷の当たらない所へ行けぇ!!」
サトシ「ああ!! けど、ラトスはどうすんだ!?」
ラトス「こいつは俺が仕留める!! 雷属性を持つ俺なら心配いらねぇぜ!! さあ、
    早く!!」
サトシ「分かった!!」

そしてサトシ達は、近くにあった洞窟で雨宿りした。
サトシ「大丈夫か、カスミ?」
カスミ「あ、うん…。」
サトシ「ウンディーネも大丈夫か?」
ウンディーネ「うん。 ごめんな、ダーリン…。 こんなつもりやなかったんやけど…。」
サトシ「気にするなよ! お前の仕業じゃないって分かってるから!」
レッド「ブルーも大丈夫よな?」
ブルー「え!? あ、う、うん…。」
ブルーは顔を赤く染めながら、レッドに頷いた。
グリーン「イエローは大丈夫だな?」
イエロー「あ、はい…ありがとうございます。」
ヒロシ「ツバキ、大丈夫?」
ツバキ「う、うん。 あたしは大丈夫…。」
ジュン「セイヨさん、大丈夫ですか?」
セイヨ「え、ええ…。」
アキラ「カツコも大丈夫だな?」
カツコ「うん、大丈夫!」
サイゾウ「カオルコ殿、大丈夫でござるか?」
カオルコ「ええ…大丈夫ですわ…。」
ラルフ「エミリ、怪我はない?」
エミリ「う、うん…何ともないわ。」
ブルーザー「クリスティ、大丈夫だよな?」
クリスティ「うん、ありがとう!」
シュウ「ランは大丈夫よな?」
ラン「う、うん…平気…。」
マロン「あぁ〜〜〜ん、怖かったわぁ〜〜〜
vvv
マロンはアーモンドに抱き付きながらそう言った。
アーモンド「…おい、ベタベタとくっ付くなよ…。」
ココナッツ「!? ちょっと、あんたこんなトコで何抱き付いてんのよ!?」
マロン「何よ、文句あるぅ?」
ココナッツ「あるに決まってるでしょ!? アーモンドにそうベタベタくっつかないで
      よ!!」
マロン「何よぉ!? あんたには関係ないでしょ!?」
ゴエモン「だぁ〜〜〜もう!!! っるっせぇぞ、お前らぁ!!!!(怒)」
ピース「ヒトカゲは大丈夫かい?」
ヒトカゲ「あ、ああ…。 助かったよ…。」

その間、ラトスは外に立ったまま、雷と雨を引き出す暗雲を見上げていた。
エリカ「大丈夫ですか、ラトスさぁん!?」
ナツメ「こっちに来た方がいいわよぉ!!」
ラトス「…いや、こいつらの暴走を納めさせてやる!! エレブー、ライチュウ、協力
    してくれぇ!!!」
エレブー「エェエエレブゥウウ!!!」
ライチュウ「ラァアアアイ!!!」
ドカァアアアアアン!!!! その後、ラトスの真下から落雷が来た!
ラトス「今だぁ!! 「
10万ボルト」!!!」
ビリリリリリリリリリリィ!!!! ドガガガガァアアアアン!!!! エレブーと
ライチュウが引き出した「
10万ボルト」で、雷を打ち消した!
サトシ「す、すげぇ!! 雷を打ち消しやがった!!」
ゲルト「ラトスは雷属性のソルジャーだから、電気系ポケモンを中心に使うんだ。 
    こう言うのなら決して負けねぇはず!」
ドガァアアアアアアアン!!! だがラトスの真上からもう一つの落雷が来た!
サトシ「あっ!!! 危ない!!!」
ラトス「もう分かってるよぉ!!! 「雷球弾(らいきゅうだん)」!!!」
ドガァアアアアアアン!!!! ラトスが放った雷の弾で落雷を打ち消した!
ラルフ「!? な、何今の!?」
エミリ「手から雷が!?」
レグナ「あいつには雷の力があるから、あー言う技が出来るんだよ!」
ダン「へぇ…じゃあ、電気男って事か?」
ガレム「いや、そう言う意味じゃなくて…。」
ラトス「来たか!!」
ドカァアアアアアアアアン!!!! ラトスの真下からまたもや落雷が出て来た! 
だが…。

バチィイイイイイイイン!!!! 突然何かがその落雷を防げた!
ラトス・サトシ達「!?」
キョウ「な、何事だ!?」
アヤ「あれ、何なの!?」
その瞬間を良く見たら、何とコイルの群れが落雷を吸収していた! その数は六匹で、
落雷を吸収している。
サトシ「あれは、コイル!?」

ポケモン図鑑『コイル・磁石ポケモン・空中に浮いたまま移動して、左右のユニットから
       電磁波などを放射する。 生まれ付き重力を遮る能力を持ち、電磁波を
       出しながら空中を移動。 電波に惹かれる性質を持ち、ポケモンギアを
       使っていると近寄って来る事があるらしい。』

フウコ「コイル達が雷を吸収してるのね!」
ドリオ「けどこいつら何でこんな所で…!?」

???「サンダァアアアス!!!」

全員「!?」
サトシ達が振り向くと、ある崖に一匹のサンダースが立っていた。
サトシ「あれは…サンダース!!」

ポケモン図鑑『サンダース・雷ポケモン・イーブイに「雷の石」を与えると進化する。 
       怒ったり驚いたりすると、全身の毛が針のように逆立って、相手を貫く。 
       ちょっとした刺激で鳴いたり怒ったりする。 また、感情が変わる度に
       電気が溜まる。 細胞が出している弱い電気を一纏めにして強力な電撃を
       放つ。 体内に電気が溜まると全身の体毛が全部鋭く尖り始める。』

ライゾウ「こんな所にもサンダースがいるのか…!?」
イミテ「けど何でこんな所に…!?」

???「おぉーーーい!!!」
サトシ達「!?」
その後、二匹のケンタロスで動かしているある西洋系の馬車が現れた。 その馬車には
カウボーイ姿をした一人のおじさんが乗っていて、彼がサトシ達に叫んでいた。
ミズキ「…今度は馬車?」
アツシ「何なんだ、これ?」
???「君達、大丈夫か!? ここは危険すぎる!! 早く馬車に乗るんだ!! 
    ここの方がもっと安全だ!」
サトシ「わ、分かりました!」
サトシ達はおじさんの言う通り、馬車に乗った。
???「君も乗るんだぁ!!」
ラトス「…あ、ああ…。」
ラトスも馬車に乗った。 そして馬車は動き出し、この場から離れようと走って行った。 
落雷もサトシ達に向かうが、彼らと共に同行しているコイル達によって防げた。

―数分後―

そして数分も経ち、雷と雨が止み、暗雲も消え、青い空と眩しい太陽が再び見えて来た。 
その間サトシ達は、ある地点で一休みをしている。 彼らを助けたおじさんは、
コイル達に充電器で充電させていた。 どうやらあのコイル達はおじさんの物だった
らしい。

サトシ「フォードさんはコイルの放牧を?」
どうやらおじさんの名前はフォードと言うらしい。
フォード「ああ。 雷のエネルギーを蓄えて、町や村の供給をしてるんだ。」
キヨミ「へぇ…結構大変なお仕事なんですね。」
フォード「まあ、たいしたもんじゃないよ。 さて、一番から四番の充電完了! 後の
     奴は
50%から70%の充電率か…。」
サトシ「へ? 一番??」
カスミ「四番???」
フォード「認識番号だ。 あっちにいるのは一番で、そこにいるのが二番。 その隣が
     三番で、今ここにいるのが四番。 そしてあれが五番で…。」
フォードはそう言っているが、番号を言っているだけでも見た目は同じコイルばかり。 
そんなサトシ達も混乱していた。
アツコ「…どう見ても同じに見えるけど…。」
イミテ「…何か余り変わりない…。」

フォード「コラ、六番!! どこへ行く!?」
その後フォードは、どこかへ飛び去ろうとする一匹のコイルへ叫んだ。 そのコイルは
分かりやすく、両側の磁石が曲がっていた。
フォード「サンダース!!」
サンダース「サンダァ!!」
ビリリリリリ!!! サンダースは六番の方へ走り、六番の前に放電した。
六番「キュ? キュイ〜〜〜ン!!」
六番はサンダースの後を追い、フォードは六番を捕まえた。
フォード「ご苦労、サンダース。 ったく、お前はちっともじっとしてないな。」
六番「キュゥ〜ン。」
カツコ「あれが六番なの?」
アイ「磁石が曲がってるから分かりやすいね!」

ラトス「雷エネルギーを蓄えて、町や村の供給か…。」
フォード「そう言えば、君もなかなかのもんだな!」
ラトス「え?」
フォード「あんなに雷を弾き飛ばすなんて、君は只者じゃないのは分かるよ。 本当に
     すごかったぞ!」
ラトス「え、あ、ああ…ありがとうございます…。」
フォード「しかし君も珍しいなぁ…。 手から雷の球まで撃てるなんて、君って何者
     なんだ?」
ラトス「あ、ああ…まあ、生まれた時からこう言う能力を得たんで、雷の属性を持つ
    ようになったんですよ。」
フォード「う〜む…何だかよく分からんが、それでも君はすごいよ! 私も関心したさ!」
ラトス「は、はぁ…。」

―数分後―

手続きが終わった後、サトシ達はフォードの馬車に乗りながら先を進んでいた。

フォード「しかし、今まで気付かなかったよ。 まさか君が、あのカントーで有名な
     救世主トレーナーとカントーリーグチャンピオンだったなんて…。」
サトシ「あはは、よくそう言われます。」
フォード「で、君はもしかしてオレンジリーグに出場するためにビッグシティへ向かって
     いるんだな?」
サトシ「はい。」
フォード「なら途中で乗せてもらうよ!」
サトシ「ホントですか!? ありがとうございます!」
カオルコ「すみません、途中で…。」
フォード「いや、いいんだよ。 私もこう言う有名人と付き合いたいからな!」

その間ラトスは、不思議そうにフォードを見詰めていた。
ラトス「……………。」
ガロン「おい、ラトス。」
ラトス「あぁ?」
ガロン「何いつもフォードさんを見詰めてんだ? もしかしてさっきの事でちと
    ジェラシーでも感じたのかぁ?」
ラトス「んな訳ねぇよ! ただなぁ…不思議なんだよ。 初対面なのに俺をあんなに尊敬
    してくれるなんてさぁ…。 まるであの人、俺に興味があるみたいな感じが
    するんだよ。」
ヘレク「ま、誰でもそうじゃねぇの? それなりに興味があるなら相応しいと言う意味も
    あるさ! 珍しいもんじゃねぇよ。」
ラトス「そうかぁ?」
ゼネン「まあ、そう言うの友達が出来たと言う意味だ。 悪く思わない方がいい。 
    良かったと思えばいいさ。」
ラトス「…そうだな。」

―翌日―

長い旅先の途中、サトシ達はしばらく休憩をしていた。 コイル達とサンダースは昼寝を
して、二匹のケンタロスは草を食べていた。 その間のサトシ達も、昼食を食べているが、
フォードは一緒に持ってきた携帯ビデオ電話で誰かと話していた。 話し相手は、何と
ジュンサー。

フォード「何!? 停電!?」
サトシ達「!?」
ジュンサー『雷で町の発電所が故障してしまって、今はこのポケモンセンターから電気を
      分けてもらってるのですが…。』
その後画面にジョーイが現れた。 彼女はストレッチャーに乗せたたくさんのコイル達を
運びながら登場した。
ジョーイ『大変よ! ウチのコイル達もオーバーヒートしちゃったわ!』
ジュンサー『え!? 大変…!!』

プツン!! その後、電話が勝手に途切れた。
フォード「!? おい、もしもし!? もしもぉーし!?」
カツラ「どうしたのかね?」
フォード「ここから先にある町が停電になっていて、かなりのまずい状態になっている! 
     今すぐ出発するぞ!」
サトシ「俺達も手伝います!」
フォード「分かった!」

コイル達「!?」
その後、コイル達は何かに気付いて起き上がった。
コイル達「キュイィイイイイン!!!」
サイゾウ「!? 何事でござるか!?」
フォード「どうしたんだ、お前達!?」
だがコイル達はそのままどこかへ飛び去ってしまった。
フォード「!? おい、お前達!? どこへ行く!? 戻って来い!!!」
サトシ「どうなってんだぁ…?」
ラトス「!?」
その後、ラトスにも何かを気付いた。
ウミオ「? どうしたんだ、ラトス?」
ラトス「…感じる…。」
サトシ達「え?」
ラトス「さっきコイル達が行った方向から奇妙な電波が感じる! これは…電磁波!! 
    磁石などで使われてる電波だ!! 誰かが磁石らしきな物を使ってる!!」
サトシ達「何だって!?」
フォード「とにかく、後を追わないと…!!!」

―ある荒野―

ある荒野では、二体のロボットが立っていた。 一体は磁石のついた昆虫らしきな
ロボットで、もう一体は頭に磁石の付いた小型の人間型ロボットである。 ロボット達の
名前は「マグネビートル
NS」と「マグノーム」と言う。 そのロボット達は、電波で引き
摺らしていたコイル達を磁石にくっ付かせていた。

マグネビートル
NS『電気系ノぽけもん、捕獲完了。』
マグノーム『急イデさんだーまん様ノ所ヘ…。』
サトシ「待ちやがれぇえええ!!!」
その後、サトシ達が現れた。
フォード「!? な、何だあいつらは!?」
サトシ「あれは、ドラゴンナイツ!?」
フォード「ドラゴンナイツ?」
サトシ「ああ、それは…。」
マグネビートル
NS『障害物、発見!』
マグノーム『障害物、排除セヨ!』
サトシ「げ、ヤベッ!! その前にコイル達を…!!」
マチス「俺に任せろ!! ライチュウ、コイル達を助けろ!!」
ライチュウ「ラァアアアアイ!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! マチスのライチュウは電気を放電した。
コイル達「キュ? キュィ〜〜〜ン!!!」
そしてコイル達は一匹ずつライチュウの方へ飛んで行った。
マグノーム『グググ…コノ障害物…手強イ…!』
フォード「サンダース、行けぇ!!」
サンダース「サンダァアアアアス!!!」
サンダースはマグネビートルとマグノームを襲い掛かるが…。
マグネビートル
NS『障害物、排除セヨ!!!』
ドカァッ!!!! だがマグネビートル
NSは思いっきりサンダースを突き飛ばした!
サンダース「ダァアアアアス!!!」
サトシ達「あっ!!!」
フォード「危ない!!!」
ドスッ!!! フォードはサンダースを受け止めたが、その吹っ飛びが強すぎてフォード
までも突き飛ばされた。
フォード「ぐわっ!!」
ドガッ!!! そしてフォードは近くの岩にぶつかった。
フォード「グッ!!!」
サトシ「フォードさん!! 大丈夫ですか!?」
フォード「うぐ…う、腕が…!」
キヨミ「大変!! さっきの衝撃で腕が骨折したわ! これじゃあ左腕は使えないわ!」
サトシ「そんなっ!!」
マグノーム『障害物、消去!!!』
マグネビートル
NS『障害物、排除!!!』
ラトス「…てめぇら、っるっせぇんだよぉっ!!!! 『雷神拳(らいじんけん)』!!!」
ドカァアアアアアアアアン!!!!! ラトスは雷を拳に蓄え、二体のロボットを素早く
殴り壊した。
ラトス「ケッ、チンピラなガラクタが…!」

その後、キヨミはフォードの左腕の手当てを終わらせた。 さすがに骨折したため、
しばらくは動けないらしい。 その間サンダースも先ほどの戦いで重傷を負い、今は
馬車の中で休んでいる。

ケンジ「酷くやられたな…。」
サトシ「がんばってくれたからな…。」
ラトス「……………。」
スイート「ダメですよ、フォードさん!」
ソラオ「そうですよ!! その腕じゃ無理だよ!!」
フォード「いや、私は大丈夫だ! 大丈…いづ!!」
フォードは痛みに左腕を掴んだ。
キヨミ「まだ腕は回復してないんですよ!? これ以上動いたら余計酷くなります!!」
フォード「しかし…私は行かなければならないんだ…。 停電した町はコイル達を待って
     いるんだ…。 このままでは放って置けない!」
サトシ「フォードさん…。」
ラトス「……………。」
キクコ「気持ちは分かるが、その腕は無理だよ。」
カンナ「しばらく休んだ方が…。」
サトシ「してる暇はねぇよ!」
仲間達「!?」
その後、サトシは馬車からサドルを出し、それを一匹のケンタロスに付けた。
カスミ「ちょ、サトシ!? 何するの!?」
サトシ「俺達がここで長く休んでる時間はねぇ! 俺が代わりに行ってくる!!」
フォード「君が…!?」
トミオ「おい、ちょっと待てよ!! 町ってどこなのか分かるのか!?」
リョウマ「いくら行くって言っても、どこにあるのか分からなけりゃ…!!」
サトシ「町はこの先の西だろ? ちゃんと地図を調べたさ! とにかくフォードさん! 
    ここはしばらく休んで、俺に任せてください! その腕だと余計危なすぎます! 
    だから、ここに残ってください!」
フォード「サトシ君………。 分かった。 頼むぞ!」
サトシ「はい!」
ラトス「…待て。 俺も行く。」
サトシ「え、ラトスも?」
ラトス「ここにはドラゴンナイツの部下がいた。 だとしたら、他の奴らもまだこの
    大平原のどこかにいるらしい。 一応用心すんのも悪くねぇだろ。 それに、
    『友(ダチ)』に怪我をさせたんだ! いくら何でも、俺はこのまま放って置く
    訳には行かねぇ!!」
フォード「ラトス君…。」
レッド「サトシが行くんなら俺も行く。 ピカと一緒に行けば、もっと頼りになるだろ?」
ヒロシ「僕も手伝うよ! レオンもいるし!」
シュウ「俺のピカチュウも同じさ!」
マロン「あたしのピカチュウも!」
マチス「それなら俺もヘルプするぜ! ライチュウを使ってな!」
ライゾウ「俺のサンダースも力貸すぜ!」
カツコ「あたしのライちゃんも!」
ゴエモン「エリート・オブ・エレクトリックの俺も行くぜ!」
ダン「僕もマルマイン持って協力するよ!」
サトシ「分かった!」

ゼトラ「ラトス。」
ラトス「!」
ポォン!!! ゼトラのポケットからカプセルを出し、それを地面に投げた後、アース
サイクルに変わった。
ゼトラ「俺のアースサイクルを使え。 足で行くよりも早いだろ。」
ラトス「悪ぃな、ゼトラ。」
ガロン「他のみんなも足だと追い着かねぇから、こいつも持って行け。 ジュエル
    イーター、出て来い!!!」
ポォン!!! ガロンが投げたモンスターボールから、モグラのような姿をした巨大
生物が現れた。
ジュエルイーター「ジュエエエエル!!!」
リン「!? な、何あれ!?」
ラン「モグラ!?」

聖剣図鑑『ジュエルイーター・モグラモンスター・千年に一度、世界に異変が起こった
     時に出現と言う、宝石の谷の地底獣。 あらゆる者を引き裂く、鋭い爪を
     持っている。 その動きは素早く、時折見せる強烈な体当たり攻撃を回避
     出来る者は誰一人としていない。 地の力を操る、厄介な巨大モグラだ。 
     このモンスターは、ボスクラスの一種。』

ガロン「ケンタロス一匹にアースサイクル一体だけじゃ乗れねぇだろ? 他のみんなは
    こいつに乗って行きな!」
レッド「サンキュー、ガロン!」
サトシ「あ、そうだ! ウィスプ、出て来い!!!」
ポォン!!! サトシの掛け声でウィスプが出て来た。
ウィスプ「チィーーーッス!! 僕のお呼びッスか?」
サトシ「ウィスプ、しばらくの間フォードさんの骨折を回復して、看病してくれないか?」
ウィスプ「いいッスよ! 看病なら僕に任せてください!」

フォード「みんな、ホントに頼んだぞ!」
サトシ「任せてください、フォードさん!」
ラトス「この借りは必ず返すぜ!!」
アーモンド「マロン、ピカチュウがいるとしても無理すんじゃねぇぞ!」
マロン「分かってるって!」
ツバキ「気を付けてね、ヒロシ!」
ヒロシ「うん!」
タイチ「お兄ちゃん、がんばってね!」
ライゾウ「ああ!」
サトシ「みんな、行くぞ!!」
ドドドドドドドド…! そしてサトシ達は行ってしまった。
カスミ「がんばってね、サトシぃーーー!!!」
ケンジ「僕達も後から行くからぁ〜!!」
トオル「はぁ…けどサトシ達の活躍をカメラで納めたかったんだけどなぁ…。」
ケン「今回は危険だから我慢しろ。」

―数分後―

町の電気を修復するために進行するサトシ達。 けど進行最中にコイル達が離れて行く
ため、頼りになる電気ポケモン達を使いながらコイル達を引き寄せていた。 けど、あれ
から
50分。 ピカチュウ達もとうとう力尽きそうになった。

ピカチュウ「ピィ…ピィ…。」
サトシ「やべぇなぁ…疲れ切ってるぜ…。」
ヒロシ「よくがんばってくれたからね…。」
シャワーズ「けどこれ以上活動出来ないよ…。」
シュウ「俺のピカチュウも力尽きちまったし…。」
マロン「あたしのピカチュウも疲れてるわ…。」
マチス「ったく、コイル達がしょっちゅうどこかランアウェイしなければ、もっと
    ファイト出来たのになぁ…。」
カツコ「しょうがないわ。 フォードさんもこう言うので苦労したと思うけど…。」
レッド「サトシ、他の電気系ポケモンは持ってねぇか?」
サトシ「サンダーなら持ってるけど…あいつじゃあコイル達を驚かせてしまうから…。」
ゴエモン「俺のレアコイルとエレブーは電力が足りなくなった。」
ダン「僕のマルマインも同じく。」
ライゾウ「俺のサンダースもだな。」
ラトス「俺なら他の電気系持ってるが、マチスは?」
マチス「俺はライチュウ以外のエレクトリックポケモン持ってるぜ!」
サトシ「じゃあ、ここは電気系の多いマチスとラトスに任せよう。 とその前に…
    コイル達を数えないと…。」
ラトス「…っつーか、何か一匹忘れてねぇか?」
サトシ達「え?」
サトシ達は今でも宙に浮いているコイル達を見ると、確かに何か忘れている…。 そんな
サトシは早速数え始めた。
サトシ「え、えっと…一匹、二匹、三匹、四匹、五匹…。」
全員「あぁあああああ!!!! 六番がいなぁあああい!!!」

―一方六番―

六番「キュキュ〜〜〜ン♪」
その間六番は、荒野のあちこちを楽しく飛んで行っていた。
ガシッ!! だが、そこにはサトシ達が現れ、六番を捕まえた。
六番「キュイン!?」
サトシ「全く、勝手にどっか行くなよな!!」
ゴエモン「通りで落ち着かねぇ訳だ。」
六番「キュゥ〜〜〜ン…。」
六番は落ち込んだ。
六番「キュッ!?」
だが六番は何かを感じ、そのままサトシをどこかへ引き摺った。
サトシ「わわ、おい!?」
レッド「サトシ、どこへ行くんだよ!?」
サトシ「こいつが勝手に…!!」
ラトス「!!! また感じる!! 奇妙な電波が…!!」
マチス「ホワット!? また感じたのか!?」
ヒロシ「じゃあ、この近くにドラゴンナイツが…!?」

???「その通りとでも言おうか?」

サトシ達「!?」
その後、サトシ達が見上げたら、そこには一体の人間型ロボットと三体のロボット達が
現れた。 人間型のロボットは雷のマークのついたロボットで、他のロボット達の隊長
らしい。 他のロボット達は、一体両側に大きな磁石を持った機械と、もう一体は四つの
雷球を浮かしている丸い浮遊物質、そしてもう一体はバッテリーらしきな機械がいた。 
このロボット達の名前は「マグネトラクター」、「サンダーオーブ」、そして「ボルタンク」
と呼ぶ。
???「こんな所で俺達の敵となるガキがいるとは思わなくてなぁ!」
サトシ達「ドラゴンナイツ!?」
???「やっぱり俺達の存在も知ってるのか。 お前らはもしやアックスマン達を
    ぶっ飛ばしたガキ共だな? こんな所にいるとしたら、俺達の邪魔しに
    来たんだろうなぁ?」
サトシ「やっぱりお前達もこの大平原にいたのか…!!」
???「この場(エリア)では落雷の発生が多いと聞いてな、ロボット製作の電源活用に
    重要として来たんだよ。 特にここには電気系ポケモンで雷を吸収している男が
    いると言う情報までも来てな、ついでにそいつのポケモンも奪って改造しようと
    思ったんだよ! そのためにマグネビートル
NSとマグノームを捕獲活動に出撃
    させたが、何者かに破壊されたと言う情報も来てな、まさかお前らだったとは
    なぁ…。」
ラトス「やっぱりあいつらはお前の物だったのか!!」
???「いかにも、とでも言おうか? だが、ドラゴンナイツの一員である、この
    サンダーマンを、お前らが止められるかぁ!? マグネトラクター、サンダー
    オーブ、ボルタンク、磁力であの磁石ポケモンを引き摺れ!!!」
ロボット達『了解!!』
ビリリリリリリリリリリ!!!! 部下のロボット達は電波を放った。
コイル達「キュ!?」
そしてコイル達はその電波によって、サンダーマンの方へ飛んで行く。
レッド「ヤバイ!! このままじゃ捕まっちまうぞ!!」
ラトス「させるかぁ!! ジュエルイーター!! 「ぶちかまし」だぁ!!」
ジュエルイーター「ジュエエエエエエル!!!!」
ジュエルイーターは素早くサンダーマンの方へ突進し掛けるが…。
サンダーマン「甘い!! 「サンダーナックル」!!!」
バキャッ!!!!! サンダーマンは拳から放出した電撃でジュエルイーターを殴り
飛ばした!
ジュエルイーター「ジュエッ!!!」
ラトス「な!? バカな!?」
その後、コイル達は既にマグネトラクターにくっ付かれ、サンダーオーブはコイル達を
袋の中に入れさせた。
サンダーオーブ『さんだーまん様、こいるヲ全テ捕獲シマシタ!』
サンダーマン「ご苦労。」
ヒロシ「しまった!! みんな捕まってしまった!!」
ボルタンク『後一匹ダケ、アノ少年ガ持ッテイマスガ、ドウシマスカ?』
サンダーマン「一匹だけ残ってもどうにもならねぇ。 このままずらかすぞ!」

ピカチュウ「ピィイイイカァアアアチュウウウ!!!!」
ピカ「ピカチュゥウウウウウウウウウウウウウ!!!!」
レオン「ピカァアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
ピカチュウ
2『させるかぁあああああああああ!!!!』
ピカチュウ
3「ピィカァアアアアアアアアアア!!!!」
ビリリリリリリリリリリリ!!! その時、ピカチュウ達は電気を放出した!
サトシ達「え!?」
コイル達「ギュッ!!!」
その反応により、袋の中にいるコイル達はピカチュウの方へ飛ぼうとするが、サンダー
オーブはそれを引っ張り出す。
サンダーオーブ『!? さ、さんだーまん様!! こいるガ逃ゲヨウトシマス!!』
サンダーマン「何!?」
サトシ「ぴ、ピカチュウ!?」
シュウ「何やってんだ、お前ら!? 疲れ切ってるんだぞ!?」
レッド「ピカ、無茶すんなぁ!!」
ヒロシ「今の君達じゃ危険だよ!!」
マロン「そうよ!! このままやり続けたら危ないわ!!」
ピカチュウ「ピカァ!!! ピカピカチュウピカァ!!!」
シャワーズ「『コイル達をこのままで放って置けない! 最後まで助ける!』って
      言ってるよ!!」
サトシ「ピカチュウ…!」
サンダーマン「チッ! 電気ねずみに導かれるとは、いい度胸じゃねぇか!! だが、
       調子に乗るのもここで終わりだぁ!! 誰が一番電波の強い奴か証明して
       やろう!! 全力尽くして行けぇ!!!」
ロボット達『了解!』
ビリリリリリリリリリリ!!! 部下のロボット達は電波を放った。
サンダーマン「ついでに俺も行くぞ!!! 「ショックボディ」!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! サンダーマンは体から電撃を放ち捲くった。
ピカチュウ達「チュウウウウウウウウウ!!!!」
ビリリリリリリリリリ!!! ピカチュウ達も負けずに、必死に電気を放出した。 だが、
電力はサンダーマンの方が上回っている。
マチス「オーノー!! サンダーマンの方がパワフルだぞ!?」
カツコ「この調子でも勝てないわ!!」
ラトス「だったら俺も手を加えるぜ!! 食らえ、「雷怒暴身掌
    (らいどぼうしんしょう)」!!!」
ビリリリリリリリリリリリリリィ!!!!! ラトスの体から電撃を放ち捲くった!
ライゾウ「な!? ら、ラトスの体から!?」
ゴエモン「これが雷属性のソルジャーの力なのか!?」
サンダーマン「ほう、やるじゃねぇか? だがそれっぽちじゃ俺には勝てねぇ!!! 
       ドラゴンナイツの強さと言う物をお前に見せてやらぁ!!!」
ラトス「『友(ダチ)』を怪我させた罰だぁ!! 俺の怒りをてめぇに見せてやらぁ!!!」
ラトス・サンダーマン「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
           オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
           オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」
ビリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリィ!!!!!!!!!
ラトスとサンダーマンは強くとも電気を放ち捲くっていた。 そんなサトシ達は何も
出来ないように、ただ状況を見ていた。
サトシ「な、何つー戦いだ…。」
レッド「こ、怖ぇ…。」
マロン「けど、ラトス勝てるのかしら?」
シュウ「分からねぇ…。 サンダーマンの方が上回ってるように見えるけど、ラトスは
    それ以上を超えようとしてる。 どちらも互角に見えるけど、この先
    どうなるのかまだ何も…。」
六番「キュ…。」

バッ!!! その後六番はサトシから離れた!
サトシ「!? あ、おい!! 六番!!!」
ビリリリリリリリリリリリ!!!! だが六番はラトスとサンダーマンの電撃に命中
した!
六番「ギュイイイイイイイイイン!!!!」
サトシ「な!?」
ラトス「!?」
サンダーマン「何!?」
六番「キュルルゥ!!!」
ベリィッ!!! コイルが蓄えた電力によって、袋の中に入っていたコイル達はそのまま
破り出た!
コイル達「キュオオオオ!!!」
サンダーオーブ『ノワッ!? さんだーまん様!! こいるガ逃ゲマシタ!!!』
サンダーマン「何だと!?」
コイル達「キュウウウウウウウン!!!!」
ビリリリリリリリリリ!!!! その後コイル達は、六番の回りに浮かび回り、六番に
電気を蓄えていた。
カァッ!!! そして六番の体が突然と光り輝いた!
サンダーマン「な、何だ、この光は!?」
ラトス「まさか…!?」

???「ギュイイイイイン!!!」

サトシ「六番がレアコイルに進化した!?」

ポケモン図鑑『レアコイル・磁石ポケモン・コイルの進化形。 複数のコイルが連結して、
       強力な磁力線と高電圧を放射する。 謎の電波を発信しており、半径
1k
       範囲では気温が
2度上がる。三つのコイルは強い磁力で結び付いている。 
       側によると強い耳鳴りに襲われる。 お互いのコイルを結び付ける磁力は
       強力で、周りの水分を乾燥させるほど。』

マロン「すごぉい!! コイル達の電気で進化したぁ!!」
シュウ「六番の奴…意外とすげぇんだなぁ…。」
六番「ギュウウウウウン!!!」
ビリリリリリリリリリ!!!! その後、六番は電撃をピカチュウ達に与えた。 充電
したピカチュウは、元気を取り戻し、立ち上がった。
ピカチュウ「ピッカァ!!」
ピカ「ピカァ?」
レオン「ピィカチュ!!」
ピカチュウ
2『あれ? 何か元気になったぞぉ!!』
ピカチュウ
3「ピィ〜!!」
カツコ「す、すごい!!」
ヒロシ「六番の電気でピカチュウ達の元気を取り戻したぞ!?」
サンダーマン「ほう、こりゃ面白い!! 進化したって事はより強くなったって訳か! 
       これなら使えるぜ!! ロボット改造にもちょうどいい物だぁ!! 
       野郎共、磁石ポケモン全て引き寄せろぉ!! 全力尽くしてなぁ!!!」
ロボット達『了解!!』
ビリリリリリリリリリリリリ!!!! 部下のロボット達は再び電波を放つ。
サトシ「させねぇぞぉ!!! ピカチュウ、全員で電撃だぁ!!!」
ピカチュウ達「ピィカァチュウウウウウウウ!!!!!」
ビリリリリリリリリリリリリ!!!! ピカチュウ達も電撃を放つ。 互いの電撃は
互角になるが、この状態でも勝負はまだ決まらない。
サンダーマン「どうした!? そんな程度かぁ!?」
サトシ「まだ負けてなんかいねぇぞ!!」
ライゾウ「けど、このままじゃ勝負が決まらないぞ!」
ダン「どうにか勝つ方法はないのか…?」
ラトス「…磁石は磁力で結ばれている…それの源を封じるには………そうだ!!! 
    サトシ、あのでっけぇ磁石に電撃を食らわすんだぁ!!」
サトシ「え!?」
ラトス「あの磁石には電気を吸収する機能もあるはず! 大量の電撃を吸収させれば、
    何れオーバーヒートして爆発するはず!! そこを狙うんだ!!」
サトシ「そうか!! よし、分かったぜ! けどピカチュウ達だけじゃまだ力不足…。 
    だったら…サンダー、君に決めた!!」
サンダー「俺のお呼びか、サトシ?」
サトシ「サンダー、「
10万ボルト」であの磁石に攻撃するんだ!」
サンダー「あの磁石か? ………なるほど。 お前の作戦はどう言う奴なのか大体想像
     出来る。 やってみよう!」
サトシ「頼むぞ、サンダー!!」
サンダー「行くぞ、どぉおおおおりゃああああああああ!!!!」
ビリリリリリリリリリリリリ!!!!! ガシィイイイイイイン!!!!! サンダーは
10万ボルト」でマグネトラクターに命中させるが、マグネトラクターはその電力を吸収
している。
サンダーマン「フン、バカがぁ!! このメカは電気を吸収する機能を持ってるんだぞ!! 
       いくら電撃を食らわそうとしても、所詮てめぇらには…!!」
グゥイィイイイイイイン…!! だが、マグネトラクターはだんだん熱くなり、全身赤く
染め始め、中から蒸気まで放って来た。
ボルタンク『!? ヤ、ヤバイ!!! まぐねとらくたーノ電力げーじ、
100%以上通過
      シマシタ!!!』
サンダーオーブ『さんだーまん様!!! まぐねとらくたーガげーじ最大マデ超エテ
        おーばーひーとシテイマス!!! コノママデハ爆発シマス!!!』
サンダーマン「何だとぉ!? ま、まさか、さっきの電撃でぇ!?」
カァアアアアアアアアア!!!!! その後、マグネトラクターから光が出て来た!
ボルタンク『まぐねとらくたーガ爆発シマス!!!』
サンダーマン「えぇええい!!! 急いで電源を切れぇ!!!」
サンダーオーブ『ダメデス!!! モウ手遅レ…!!!』
ドカァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!! そして
マグネトラクターは爆発し、サンダーマンはその衝撃で飛ばされた。
サンダーマン「ちくしょおおおお!!! 覚えてやがれぇええええ!!!!」

サトシ「やったぁあああ!!! 倒したぞぉ!!!」
ピカチュウ達「ピッカァ〜〜〜!!!」
サンダー「フン、大した相手ではなかったな。」
ヒロシ「これで邪魔者もいなくなったみたいだね!」
ゴエモン「六番もレアコイルに進化したから、こいつなら他のコイル達から離れない
     だろう。 レアコイルの磁力は強いからな!」
ラトス「とにかく急いだ方がいいな。 暗くなる前に町に到着しねぇとな!」
サトシ「あ、そうだった! よし、みんな! 早速再出発するぞぉ!!」
仲間達「おう!!!」

―夕暮れ―

そしてサトシ達は、ようやく町に到着した。 夕暮れであるため、暗くなる前に間に
合った。

サトシ「やった!! 間に合ったぞ!!」
シュウ「ギリギリに到着したぜ!」
ラトス「よし! 後は発電所へ行って、電気を増幅するだけだ!」
サトシ「ああ! みんな、急ごう!!」
仲間達「おう!!!」

―夜―

その夜、カスミ達もようやく町の前に辿り着いた。 その夜景からには光が見え、
どうやら電気が戻ったようだ。

カスミ「あ、見て! 光が見えるわ!!」
ケンジ「じゃあ、無事電気を取り戻せたんだね!」
ユウキ「奇麗な夜景ねぇ…。」
マサトシ「けどこれで町全体無事になったっちゅー事やな!」
仲間達は大喜びし、フォードも喜んでいた。 ちなみに彼の腕は、ウィスプの看病中に
完治されていた。 そんなフォードは明るい夜景を見ながら微笑んだ。
フォード「サトシ君…ラトス君…ありがとう…!」

―翌朝―

その後、サトシ達は町の出口に立っていて、フォードとジュンサーとジョーイと別れを
告げる事にした。

ジュンサー「ありがとう、サトシ君! 貴方のおかげで町は救われたわ!」
ジョーイ「電気も取り戻せたし、町も無事になったわ。 これも救世主トレーナーの
     サトシ君と仲間達のおかげよ!」
サトシ「いやぁ…それほどでもぉ…。」
フォード「サトシ君、ラトス君、君達の実力、ホントによかったよ! 是非私の助手を
     やってみないか?」
サトシ・ラトス「え?」
フォード「コイル達を操り、六番をレアコイルに進化させた君達の力、みんなに役に
     立つと思うがな。 どうかね?」
サトシ「………そう言ってくれるととても光栄ですけど、俺にはポケモンマスターになる
    夢があるんです。 ですので、この事は…。」
フォード「そうか…そうだったな。 君にはポケモンマスターになる夢があるんだったな。 
     ラトス君は?」
ラトス「………嬉しい事だけど、俺には仲間を守る義務があります。 仲間を危機から
    防ぐため、同行しなければなりません。 ですから、この事は…。」
フォード「そうか…君もやらなければならない目標もあるのか。 残念だけど、仕方が
     ないようだな。 けど、私はラトス君の事、本当に気に入ってたぞ。」
ラトス「え?」
フォード「あの時君は私の事を友と呼んでいたよな? 私はそれに感動して、とても
     嬉しかったよ。 君といい友が出来た事でな。」
それを聞いたラトスは、少し顔を赤く染めさせ、頭をかき始めた。
ラトス「…今度、遊びに来てもいいッスか?」
フォード「もちろんとも! 楽しみにしてるぞ、ラトス君!」
ラトス「こちらもその時まで!」
そしてラトスとフォードは握手した。
フォード「サトシ君も、がんばれよ!」
サトシ「はい!」
そしてサトシとフォードも握手した。

その後、サトシ達は町から出て、振り向きながら手を振っていた。
サトシ達「さよならぁあああ!!!」
ジョーイ「お気をつけてぇーーー!!!」
フォード「がんばるんだぞぉーーー!!!」

フォードと出会い、レアコイルを進化してサンダーマンを倒し、町を救えたサトシ達。 
ラトスとフォードの友情も、これから続くだろう。 後もう少しでビッグシティに到着
する。 それまでに諦めるな、サトシ達!!

続く…。

―今回の登場人物紹介―
フォード
本名:
Ford Leeward(フォード・リーワード)  年齢:36
出身地:不明  誕生日:
410
趣味:電気供給  特技:ロデオ
好きな物:仕事、電気系ポケモン、ラトス
嫌いな物:停電
大平原で雷のエネルギーをコイルで蓄え、町や村の供給をしている電気職人。 いつも
六匹のコイル(六番目はレアコイル)とサンダースを愛用に持っている。 ラトスとは
親友となった。

―ロボット図鑑―
マグネビートル
NS
落ちている鉄製な物を磁石で補給しながら作業をしていた昆虫型のロボット。 主に下水や地下などで活動している。 頭の磁石は鉄製な物をくっ付けさせる事が出来る。 その磁力は強め。

マグノーム
マグネビートル
NS同様、路上やフィールドで鉄製なゴミを拾うために使われた小人型の
ロボット。 頭の磁石はどんな鉄製な物を引き寄せられる。

マグネトラクター
最大限の磁力を誇る磁石マシン。 元は逃走するロボットを捕獲するための物であり、
警察ロボット達が使っていたと言われている。 両側に設置してある大きな磁石の磁力は、
他の磁石系ロボットの中でも強力。

サンダーオーブ
オーブシリーズの一体で、こちらは四つの雷球を浮かばせる丸い浮遊物体である。 
雷球を放つ事が出来る。 以前は発電所の警備用として使われていた。

ボルタンク
バッテリー型のロボットで、以前は電気の供給作業に使われていたはずのロボットだった。 
一度壁、天井、床に電流を放つと、電光石火にその場へ移動する事が出来る。 その間、
電撃も放つ。

―ボスロボット図鑑―
サンダーマン 
DKN 017
特殊武器:サンダーラッシュ
元は発電所の供給用・警備用として作られた雷使いのロボット。 雷を吸収する事も出来、
数万ボルトの電力を体内に納めている。 素早さが高いため、電光石火に攻める。 
サンダーラッシュは、バウンドして進む電流を放つ。 地上だけしか進まないが、壁と
天井にも前進する。 言わば「大乱闘! スマッシュブラザーズ
DX」のピカチュウの
「でんげき」と同じような物。

ソニックの後書き:
今回の話も…何だかなぁ…。(汗) ラトスがかなり目立ってましたね。 まあ、彼と
フォードさんの友情物語とでも言いましょうか?(謎) けど仲間達の会話も余り少な
すぎたかも…。(汗) 次回もちょっと仲間達の出番もちゃんと考えてやらなきゃ…。(汗)