ポケットモンスター小説版
194話 ユズジム! タイプバトル33(前編)

ここはユズ島。 第三のジムのある島で、高い岩と渦に覆われている小島である。 
サトシ達がビッグシティで悪市長を倒した後、早速フェニックスに乗船し、ユズ島へ
向かった。 その間のサトシは、カスミとケンジ、アツミとダンと一緒に、第一甲板で
その島を眺めていた。

サトシ「あれがユズ島か…。」
カスミ「ナツカン島とネーブル島とは違って小さい島ねぇ…?」
ケンジ「島の周辺に高い岩が見えるだろ? あの周辺に渦がいっぱいあるんだ!」
アツミ「けど、ピンカン島の時みたいに巻き込まれないかしら?」
サトシ「カルロスの話によると、今回の渦はピンカン島の時より小さめだから、そう
    簡単に引っかからないと思うよ! 所で、次のジムでどう言う競技を行うんだ?」
ダン「そうだなぁ…確かポケモンの…。」

???「きゃああああああああああああ!!!!」

サトシ達「!?」
ケンジ「な、何だ今の!?」
カスミ「女の子の叫び声!?」
???「助けてぇえええええええ!!!」
アツミ「見て!! あそこにいるわ!!!」
アツミが渦の方へ指すと、その中にはパウワウに背負った赤髪の少女がいた。
少女「誰か助けてぇええええええ!!!」
パウワウ「パウゥウウウウウ!!!」
その間、島の崖から一人の男性が現れた。 その男性は、黄色い袖なし上着に黒い長袖
シャツと長ズボンで、茶髪であった。
???「マリーーーーー!!!」
マリー「お兄ちゃああああん!!!」
ダン「まずいぞ!! このままじゃ、あの子が覚えれてしまうぞ!!」
カスミ「あたしが助けに行く!!」
サトシ「シャワーズ、カスミと一緒に行け!!」
シャワーズ「ラジャー!!」
ドボォオオオオオオン!!! カスミとシャワーズは海に飛び込んだ。 流れから対抗
出来るように、カスミはシャワーズに掴みながら、マリーと言う少女の方へ進んで行った。
マリー「助けてぇええええ!!!」
カスミ「待っててぇ!! 今助けるからぁ!!」
サトシ「気を付けろよ、カスミぃ!!!」
ケンジ「がんばれ、カスミぃ!!!」
マリー「きゃあああああああああああ!!!!」
ザバッ!!! だがマリーとパウワウは力尽きたのか、そのまま渦の中に溺れて行った。
カスミ「はっ、行けない!!!」
アツミ「沈んで行ったわ!! このままじゃあの子が危ない!!」
ダン「けど、これ以上カスミちゃんまで巻き込まれたらもっと危ないぞ!!」
サトシ「こうなったら、ウンディーネ!!!」
ポォン!!! サトシの掛け声で、ウンディーネが出現した。
ウンディーネ「はぁ〜い! ウチに何か御用、ダーリン?」
サトシ「ウンディーネ、カスミの近くにあるあの渦を止めてくれ! 誰かがその渦で
    沈んで行ったぞ!!」
ウンディーネ「何やてぇ!? そりゃなアカン!! ならウチが助けたるでぇ!! 渦よ、
       止めろぉ!!!」
ピタァッ!!! ウンディーネは一気に渦を止めた!
カスミ「あっ…!」
シャワーズ「渦が止んだ…!?」
サトシ「今だカスミ!!!」
カスミ「あ、うん!!」
ドボォン!!! カスミとシャワーズは海中に潜り、沈んで行くマリーとパウワウを救出
した。

その間、マリーの兄に当たる男性は、双眼鏡でカスミの活躍を見ていた。
兄「…あの子は…!?」

パシャン!!! そしてカスミとシャワーズはマリーとパウワウと共に海中から上がった。
マリー「ゲホゲホッ!!!」
カスミ「大丈夫!? サトシ、梯子を下ろすよう、カルロスに伝えて!!」
サトシ「分かった!!! カルロス!! 渦の中から一人の女の子を救助した!! 
    第一甲板から梯子を下ろしてくれ!!」
カルロス『渦の中から!? 了解!!』
バシュッ!!! その後、救助用の梯子が出て来て、カスミはマリーを、シャワーズは
パウワウを抱えながら梯子を上っていた。
サトシ「大丈夫か、カスミ、シャワーズ!?」
カスミ「あたしは大丈夫! この子も大丈夫そうよ!」
シャワーズ「けどパウワウだけ治療が必要だよ!」
サトシ「そうだな! この事をキヨミさんに…。」
プシュッ!!! だが呼ぶ前に、キヨミは扉から出て来た。
キヨミ「私を呼んだぁ!?」
サトシ「あ、キヨミさん!!」
キヨミ「溺れた人がいたってカルロスさんから聞いたから、至急走って来たわ! で、
    その子大丈夫!?」
カスミ「うん、大丈夫! けど両方共疲れてるみたいだけど…。」
キヨミ「よかったわ…。 とりあえず、治療室に連れて行って! 暖かい毛布が必要
    だから!」
サトシ「分かった!」
カスミ「ありがとう、サトシ! ウンディーネもありがとう!」
サトシ「ああ。」
ウンディーネ「よかったわぁ。」

その間、マリーの兄は双眼鏡でカスミを見ていた。
兄「…何て素敵な方なんだ…。」

―ユズ島―

フェニックスはユズ島に上陸し、サトシ達はそこにいた。

カスミ「上手く歩ける?」
マリー「うん…。 ありがとう、お姉ちゃん…。」
シゲル「けどまさかあの渦の中にこいつがいたとは…。」
ヒロシ「危ない所だったねぇ…。」
ツバキ「けど無事になってよかったね!」

兄「マリーーーー!!!!」
その後、マリーの兄とその他四人のトレーナー達がマリーに駆け付けた。
マリー「お兄ちゃん!!!」
兄「無事でよかった、マリー! 何で勝手に海に入るんだ!? ここの海は危険だって
  分かってるだろ!?」
マリー「だ、だって…パウワウをどうしても鍛えたかったから…。」
兄「だからと言ってなぁ…もう、余り心配させないでくれよ!」
マリー「ごめんなさい〜…。」
カスミ「あの、そんなに叱らなくても…。」
兄「お嬢さん!! ありがとうございました! お名前は?」
カスミ「え!? か、カスミですけど…。」
兄「カスミさん…何て素敵な名前だ…。 いや、貴方は素敵だ…!」
カスミ「え?」
サトシ「!?」
兄「花!!!」
サッ!!! 一人のトレーナーは花束をマリーの兄に渡し、それをカスミに渡した。
カスミ「え!?」
サトシ「!!?」
兄「ミュージック!」
カチッ! 一人のトレーナーはラジオをつけ、音楽を流した。 その後、マリーの兄は
カスミに拝めた。
カスミ「え!? な、何!?」
兄「カスミさん、僕と踊ってください。」
カスミ「は?」
サトシ「なっ!?!?!」
その後、マリーの兄はカスミと踊り始めた。
カスミ「え、な、あ、あの…!?」

そんなサトシ達は、状況も知らずにただカスミとマリーの兄の踊りを見ていた。
ツバキ「…な、何、あれ?」
レッド「…突然踊りやがったぞ…?」
サクラ「…けどカスミって…モテモテね?」
アヤメ「かなりカッコイイのと踊ってるし…。」
ボタン「…何でいつもカスミばっかなの…?」
ボタンはそう言いながら号泣していた。
サトシ「な、何だ、あのチャラチャラしてる野郎は…!?」
ブルー「う〜ん…確かにチャラチャラっぽいけど…。」
イエロー「そう見えますねぇ…?」
グリーン「…また目障りな奴が来たな…。」
ピッピ「チャラチャラって何でしゅか?」
イーブイ「え、チャラチャラ…?(汗)」

兄「カスミさん…貴方はとても美しい…ポケモントレーナーとしても素晴らしい…。 
  是非ウチのジムトレーナー達のご指導をお願いします。」
カスミ「え!? 貴方もしかして、ジムリーダー!?」
兄「はい。 『秋森 ジギー(あきもり じぎー)』と申します。」
サトシ「な、何だってぇ!?」
シュウ「あのチャラチャラした野郎がジムリーダーなのか!?」
ジギー「チャラチャラだなんて、失礼なぁ…。」
サトシ「ジギー!!! 俺と勝負しろ!!! オレンジリーグ出場証のバッジを賭けて
    なぁ!!!」
ジギー「君が…?」
その後、ジギーは突然一回転しながら、いきなりと挑発した。
ジギー「…いいだろう。 君との挑戦、このジギーが受けて立とうではないか!!!」
サトシ「お、おう…。」
ジギーの余りな行動で冷や汗をたらすサトシ。 その後一人のトレーナーは小声で
サトシに話し掛けた。
トレーナー
A(すみません…ウチのジムリーダー、自意識過剰で人前ではいつも
       こうなんですよ。)
サトシ「そ、そうなんだ…。」
ジギー「その前に…君の名前は?」
サトシ「俺? 名はサトシ! カントー地方マサラタウン出身の勇崎 智だ!!」
ジギー「サトシ………!? ま、まさか…あの有名な…!?」
サトシ「まあ、皆さんはそう仰います。」
その後、四人のトレーナー達がサトシに集まった。
トレーナー
A「えぇ!? 君って、あの有名なサトシ君!?」
サトシ「え!? あ、そ、そうだけど…。」
トレーナー
B「知ってるぞ知ってるぞ!! カントーではポケモンリーグのチャンピオンで、
       怪人セフィロスを倒した救世主なんだってなぁ!?」
トレーナー
C「しかも島々の事件までも解決したんだってぇ!?」
トレーナー
D「まさかそんな有名人がこの島に来るなんて夢にも思わなかったよぉ!!」
トレーナー達「是非サインを!!!」
ジギー「君達ぃ!!!!(怒)」
トレーナー達「ひっ!!!」
ジギーの怒鳴りでトレーナー達は下がった。
ジギー「…これは失礼…。 で、勝負だったね? その前に、ちょっと君の腕をテスト
    させてもらうよ。」
サトシ「テスト?」
ジギー「そう、技のテストさ!!」

だがその後、フェニックスからダンとカルロスが出て来た。 どうやら今までトイレを
使っていたらしい。
ダン「あぁ…ホントに気持ち悪かったぁ…。」
カルロス「ったく、あれほど小倉白玉十個食うからだろが…。」
ジギー「あっ…!」
ダン「おっ…?」
ジギー「あぁあああっ!!! ダンさん!!!」
ダン「おお、ジギー君かぁ!!! 久しぶりだねぇ!!!」
サトシ「え!? な、何…!?」
サムライ「知り合いでござるか?」
アキラ「そうらしいなぁ…?」
ダン「いやぁ、こいつね、以前クレオパトラ島で行われてるサバイバルゲームでチームを
   組んだ事があるんだよぉ〜!」
ジギー「ええ! それまでにいいコンビでしたよねぇ〜!」
サトシ(さ、サバイバルゲーム!? な、何でそんな危険な…!?)
ジギー「いやぁ、まさかここでお会いするとは思えませんでしたよぉ!」
ダン「ハッハッハッ!! ちょっと事情があってねぇ!」
サトシ「…あ、あの…テストは…?」
ジギー「あ、そうだった。」
サトシ「その前にちょっと頼みたい事があるんだけど…。」
ジギー「何だい?」
サトシ「俺と含めて
16人も参加するけど…。」
ジギー「…合い難いけどこれは一人テストでね、一人だけしか受からないんだ。」
アキラ「はぁ!? じゃあ、俺達も出られねぇのかぁ!?」
カツコ「そんなぁ〜〜〜…アツミさんやダンさんならしてくれるのにぃ〜〜〜…?」
アツミ「どうやら許可してくれないリーダーもいるみたいねぇ…。」

―試験場―

その後、サトシはボートに乗りながら、川に進んでいた。 ボートにはモーター付き
だけでなく、カメラと携帯テレビが付いていた。 テレビの画面には、ジギーが映って
いた。 その間のジギーと仲間達は、ジムで待機しながら、大型ビジョンでサトシの
行動を見ていた。 そしてサトシは、ジギーの説明を聞き始めた。

ジギー『この先に出て来るターゲットを全てポケモンの技でクリアすれば、合格だ! 
    もちろん、どのポケモンを何匹使ってもいい! ただし…。』
サトシ「的一個だけでも残したらアウトだろ?」
ジギー『ほう…よく知ってるねぇ? さすが救世主と名乗るサトシ君、頭いいねぇ。 
    けど、的全部壊せるかい? テスト開始だ! がんばるんだな!』
サトシ「ああ、いいとも…。 レッド兄ちゃん達が入れなかったのは残念だけど、ここは
    俺の腕をあいつに見せてやるぜぇ!! まずは…ピカチュウとシャワーズに…
    フシギダネ! ゼニガメ! ピジョン! カラカラ! ゴースト! ミュウ! 
    君に決めたぁ!!!」
フシギダネ「ダネェ!!!」
ゼニガメ「ゼニィ!!!」
ピジョン「ピジョオオオ!!!」
カラカラ「カラァ!!!」
ゴースト「ゴォオオオッス!!!」
ミュウ「はぁ〜〜〜い♪」
ジギー『ほう…これは珍しい。 君、あの幻のポケモンミュウを持っているのか。 噂で
    良く聞いたけど、本当だったとはすごいねぇ?』
サトシ「へへ、ビビッてるつもりかぁ?」
ジギー「全然。 けど、実力はどうかたっぷり見せてもらおうか?」
サトシ「望む所だぜぇ!!」
ババッ!!! その後、木々と岩と川から的が現れた!
サトシ「こいつを壊せばいいんだな!? よぉ〜し!! ピカチュウ、「電気ショック」!!
    シャワーズ、「ハイドロポンプ」!! フシギダネ、「葉っぱカッター」!! 
    ゼニガメ、「水鉄砲」!! ピジョン、「かまいたち」!! カラカラ、「骨
    ブーメラン」!! ゴースト、「ナイトヘッド」!! ミュウ、「サイコウェーブ」
    だ!!」
ドカドカドカドカァアアアアン!!!! サトシのポケモン達は、次々の的を破壊し尽く
した。
サトシ「ハッハッ! どうだ、ジギー! 見た………ん!?」
サトシがテレビに振り向くと、何とジギーとカスミはやけにイチャ話をしていた。
イミテ『あのぅ、視聴者さん。 今トーク中みたいですぅ〜…。』

―ユズジム―

その後、怒ったサトシは画面ごと度アップに叫び始めた。

サトシ『見てんのか、ゴルァアアアアアアアアア!?!?!?!(激怒)』
仲間達「うぉああああああああああああああああ!?!?!?!(驚)」
ジギー「あ、ごめんごめん☆」

―試験場―

サトシ「野郎…バカにしやがってぇ…!!! こうなったらヤケクソでも的全部
    ぶっ壊してやらぁ〜〜〜!!!!」
その間のポケモン達は、怒りに爆発中のサトシを見ながら、恐れと冷や汗をたらしながら
見詰めていた。 そんなカラカラもサトシも見ながら泣きそうに震えていた。
シャワーズ「…さ、サトシ…完全キレてる…。」
ピカチュウ「ピ、ピカァ〜〜〜…。」
ミュウ「…ね、ねぇ…何で怒ってるの…?」
ゴースト「ゴ、ゴォ〜ッス…。」
カラカラ「カラァ〜〜〜〜〜………。(涙目)」

その後、サトシは怒りながらとポケモン達の技で次々の的を壊し続けた。
サトシ「ピカチュウ、そこを「
10万ボルト」!!! ミュウ、そこで「破壊光線」!!! 
    シャワーズ、「冷凍ビーム」で思いっきりぶっ壊せぇえええ!!!!」
シャワーズ「もう怖いから怒りながら指示出さないでよぉ〜〜〜!(号泣)」

―ユズジム―

その間ジギーと仲間達は、サトシの活躍を見ていた。

セイヨ「うぅ〜〜〜ん…がんばってるように見えるけどぉ…。」
ジュン「…何か…怖いですね…?」
ワタル「って言うかマジギレになってるぞ?」
カスミ「…何怒ってるのかしら…?」
ジギー「…けど、なかなかの腕は持ってるね…? …これからは楽しくなりそうだな。」

―試験場―

その後、サトシとポケモン達は全ての的を破壊し尽くした。 けど、余り派手にやり
すぎたせいか、ポケモン達は全員ばてていた。

サトシ「どうだぁああ、ジギー!!! 的全部ぶっ壊したぜぇ!!! 俺が全部
    ぶっ壊したんだぞぉ!!!」
シャワーズ「別にサトシが全部やった訳じゃないんだけどねぇ〜〜〜…。」
ミュウ「づがれ゛だぁ゛〜〜〜…。」
ジギー『よくがんばったね、サトシ君! 見事に合格だ! では、早速ジムに来て
    もらうよ!』
サトシ「よっしゃ!! これで勝負が出来るぜぇ!!!」
シャワーズ「えぇ〜…今更やるのぉ〜〜〜…?」
ミュウ「…もう…ばたんきゅ〜〜〜…。」

―ユズジム―

その後、サトシはジムに戻った。

エリカ「おめでとうございます、サトシさん! 見事に合格しましたね!」
マチス「バット、サトシ。 ユー…ちょっとスケーリーだったぜ…?」
ナツメ「あんな怒りながらポケモンに指示出してたから…。」
キョウ「…まるでオコリザルみたいだったでござるぞ…?」
サトシ「え? そ、そう…?」

ジギー「おめでとう、サトシ君! 君の腕、さすがにすごかったよ!」
サトシ「…その前にちゃんと見てたよな…?」
ジギー「うん、見た見た! じゃあ、バトルに入場可のため、君がバトルに使いたい
    三つの属性を決めてくれ。」
サトシ「は?」
ダン「このジムはね、両者同じ属性のポケモンバトルを行うんだよ。 即ち、三対三の
   同属性のバトルさ!」
サトシ「え、そうなの!? じゃあ…電気と草と水で!」
ジギー「じゃあ、僕もそれと同じ属性を持つポケモンで戦うよ! 他に何かリクエスト
    したい物はないかい?」
サトシ「他の
16人の中の二人も俺と一緒に戦いたいんだけど…。」
ジギー「…残念だけど、僕のジムはトレーナー同士の一対一で行っているんだ。 
    その他のチームワークは禁じてるんでね。」
マロン「えぇ〜!? そんなぁ〜…。」
サトシ「…ならいいや。 俺も実はこのジムだけ一対一(サシ)で戦いたかったからな!」
マロン「え? そうだったの?」
その後サトシは、細めな目付きを無言のままマロンに向けた。
マロン「? ………あっ! そうそう、そうだったね!」
ジギー「じゃあ、バトルは明日の午前八時で開催だ! それまでにどのポケモンを使うか、
    ちゃんと決めるんだぞ!」
サトシ「明日? 今日じゃダメなのか?」
ジギー「その調子じゃ、いくら何でも戦えないよ。」
サトシ「へ?」
ジギーは殆どぶっ倒れているピカチュウ達を指し、サトシはそこへ振り向いた。 確かに
戦う気力はない。
ピカチュウ「ビガァ〜〜〜…。」
シャワーズ「あぅ〜〜〜〜…。」
サトシ「あっ…。」
ジギー「今日は休んだ方がいい。 そっちの方がポケモンにもいいだろ。」
サトシ「…わ、分かったよぉ…。」

ジギー「それではカスミさん! 一緒にお食事でもいかがでしょうか?」
カスミ「え!?」
サトシ「!?」
マリー「行こ、お姉ちゃん!!」
マリーはカスミの腕を引っ張りながら、ジギーと一緒に食事に行った。
カスミ「ちょ、ちょっとぉ!!」
サトシ「な、なぁっ…!?!?」
カスミ達が行った後、サトシはショックになっていた。 その後、コゴロウはサトシに
近づき、小声でこう言った。
コゴロウ(…何かキザなライバルが出来ちまったようだな?)
サトシ「…マジかよ…。」
ブルー「さ、サトシ…?」
アイ「だ、大丈夫…?」
サイゾウ「今度は何事でござるか?」
カオルコ「先ほどは怒っていらっしゃったのに、今度は固まってますわ…。」

―食堂―

その間カスミとジギーとマリーは、食事を済んだ。

カスミ「う〜ん、満足! ご馳走様でした!」
ジギー「お口にあいましたか?」
カスミ「ええ! とても美味しかったわ!」
ジギー「カスミさんが喜んでくれると僕も嬉しいです!」
マリー「ねえ、カスミお姉ちゃん!! ここに残ってくれない!?」
カスミ「え!?」
マリー「だって、あたしずーっと前からお姉ちゃんが欲しかったんだ。 ここはみんな
    お兄ちゃんばっかりで、お姉ちゃん一人もいないの…。 だからカスミ
    お姉ちゃん、ここに残ってあたしのお姉ちゃんになって!」
カスミ「マリーちゃん…。」
ジギー「マリー、カスミさんにそう無理な事言うなよ。 彼女には都合とかがあるから…。」
マリー「えぇ〜?」
ジギー「所でカスミさん、よろしければご一緒にポケモン達の訓練場に行きませんか? 
    見せたい物があるので。」
カスミ「え?」

―ポケモン訓練場―

ここはユズジムのポケモン訓練場、そこにはラジオから流れてくる音楽により、
ポケモン達が踊っていた。 カスミはそれを見て、思わず驚いていた。

カスミ「ポケモン達が…踊ってる…!?」
ジギー「ポケモンに技ばかり教える時代は終わりました。 ポケモンにダンスを教える事
    で、ポケモン本来の能力をグレードアップ出来るんです。 では、カスミさん。 
    シャルウィダンス?」
ジギーはカスミに拝めながらそう言った。
カスミ「あ…は、はい!」
マリー「トゲピーはあたしと踊ろ!」
トゲピー「チョゲプリィ〜♪」

そしてカスミとジギー、マリーとトゲピーは、他のポケモン達と一緒に楽しく踊り始めた。
カスミ「あははは! これって楽しいわ!」
ジギー「…カスミさん。 ここに残ってくれませんか?」
カスミ「え…!?」
ジギー「これは僕のためではなく、マリーのためです。 マリーのためでもお願いします。」
カスミ「そ、そんな…。」
ジギー「返事は明日、試合後でお待ちしています。」
カスミ「……………。」

その間、天井から何者かがカスミ達の様子を見ていた。 その人物は何とコゴロウで、
全てをお見通しらしい。 けど、先ほどの会話で、コゴロウは思いっきりショックに
なっていた。
コゴロウ(んだとぉおおおおおおお!?!?!?!)

―フェニックス・サトシの寝室―

その後、コゴロウはサトシの寝室に戻った。 そこにはサトシ、レッド、ヒロシ、ツバキ、
ダン、シュウ、マロン、そしてゼトラがいた。 コゴロウが戻った後、全ての状況を聡に
報告した。

サトシ「何ぃいいいい!? あの野郎がカスミにそんな事をぉおおおおお!?!?!?」
コゴロウ「もうハートがパッキャ〜ンになったって感じぃ〜!」←意味不明
サトシ「あ、あの野郎…カスミにあんな事をぉ…!!」
レッド「おい、それってヤベェ事じゃねぇのか?」
ヒロシ「そうだよ! だってこれはジギーがカスミに告白してるみたいな感じでしょ!?」
ツバキ「そうだとしたらホントにヤバイ事だわ! もしもカスミちゃんがそれに
    『はい』と答えたら…。」
サトシ「!?」
シュウ「お、おい! そんな不吉な事を考えるんじゃねぇよ!」
マロン「そうよ! そう考えたらサトシ君がかわいそうだわ!!」
ツバキ「あ、ご、ごめん…。」
ダン「あいつがスミちゃんをねぇ〜…まさかとは思わなかったなぁ…。 あいつが
   スミちゃんみたいな子に興味があったなんて…。」
ゼトラ「フン、所詮チャラチャラなバカが…。」

コゴロウ「けどよぉ…あいつはマリーちゃんのためとか言ってるし…。 おい、
     サトシ!!!!」
サトシ「!?」
コゴロウは勢いにサトシの両肩を掴みながら、激しくこう言った。
コゴロウ「今なら間に合う!!! 早速カスミに告白するんだぁ!!! そうすれば
     あいつに奪われずに済むぞぉ!!!」
サトシ「ぬぁ、ちょ、ちょっと待ってくれよ!! お、俺にはまだそこまでの準備が…。」
コゴロウ「何の準備だよ?」
サトシ「と、とにかく、まだ答えは出てねぇんだろ? あいつは決して裏切るような事
    しないだろうし…。 それに、答えは明日のバトル後に待ってるんだよな? 
    だとしたら、これはバッジだけじゃなく、カスミに賭けたバトルでもあるんだろ? 
    俺が勝ったら答えは多分『
NO』だから、心配ないと思うぜ!」
レッド「…サトシ、こう言う物は決して甘くねぇんだぞ?」
サトシ「………そんなの………分かってるよ………。」
突然と落ち込み始めるサトシ。 余りにも自分の気持ちをカスミに素直に言える事が
出来ない事で、激しい苦悩に陥った。 そんなサトシを助けたいと思うレッド達は、
無言のまま苦悩するサトシを心配そうに見守っていた。

―翌日・バトルステージ―

そして翌日、サトシとジギーとの戦いが始まった。 行われるバトルステージは、高い
岩場。 ステージの周囲に崖になっていて、落ちたら危ない様子。 サトシとジギーは
そのステージに立っていた。 その間仲間達とマリーは、気球でステージを見ていた。

トレーナー
A『さあ、始まりました!! ユズジムバトル! 今回の対決は、カントー地方
       マサラタウンから来たあの有名な挑戦者サトシ選手対、ユズ島ジム
       リーダー南のサザンクロスジギー選手! 三対三の同属性バトルで
       行います! 挑戦者が勝利を得れば、オレンジリーグ出場証のリンボウ
       バッジを差し上げます! では、早速勝負を開始させます!! まずは
       最初は、電気系ポケモンで勝負を行わせてもらいます!!」
サトシ「俺はピカチュウで行くぜぇ!!」
ピカチュウ「ピッカァ!!!」
ジギー「なら僕はこのエレブーで挑もう!!」
エレブー「エェエエレブゥウウウ!!!」

ポケモン図鑑『エレブー・電撃ポケモン・強い電気が大好物で、大きな発電所などに
       しばしば現れる。 大きな停電が起きた時は、エレブーが発電所の電気を
       食べたに違いない。 体の表面には電気が流れている。 辺りが暗いと
       全身が青白く光るのだ。 全身から常に電気が放たれているため、
       近付くと髪の毛が逆立ってしまう。』

アヤ「電気系対決ね…誰が勝つのかしら?」
フウコ「サトシだといいけどね!」
ドリオ「けどあのエレブー、何だか強そうな感じだな…。」
ムサシ「行けぇ、サトシぃいいい!!!」
コジロウ「負けるなよ、サトシぃいいい!!!」
ヤマト「ネバーギブアップよ、サトシぃいいい!!!」
コサブロウ「思い切ってがんばれ、サトシぃいいい!!!」
サノスケ「負けんじゃねぇぞ、サトシぃいいい!!!」
ゴエモン「バッジはお前に賭けてるんだぞ、サトシぃいいい!!!」
ハンゾウ「がんばれよ、サトシぃいいい!!!」
ニャース「問答無用で行けニャアアア!!!」
激しくサトシを応援するロケット団。 そんな騒々しさでカスミは恥ずかしがっていた。
カスミ「…もう、ムサシ達ったら…。」
デルヴァ「いいんじゃねぇの? いい励ましになるし。」
カスミ「……………。」
その時、カスミはジギーを見詰めながら、昨夜の事を思い出し始めた。

ジギー『…カスミさん。 ここに残ってくれませんか? これは僕のためではなく、
    マリーのためです。 マリーのためでも、お願いします…。』

カスミ(…もしサトシが負けたら…あたし…どうしよう…。)

サトシ「ピカチュウ、「
10万ボルト」だ!!」
ピカチュウ「ピィイイイカァアアアチュウウウウウウウウウウウ!!!!!」
ビリリリリリリリリリリリィッ!!! ピカチュウは「
10万ボルト」でエレブーに攻撃
するが、効果は今一つで、エレブーは平気そうな顔をしていた。
エレブー「エレェ?」
ジギー「わざわざエレブーを充電させるとは、親切だね?」
サトシ「くっ、効果は今一つで全然ダメージ受けてねぇ!! こうなったら…ピカチュウ、
    「電光石火」で先制攻撃だ!!」
ピカチュウ「ピッカァアアアアア!!!!」
ダッ!!! ピカチュウは「電光石火」でエレブーに攻めるが…。
ジギー「追い討ちはさせないよ!! エレブー、「雷パンチ」!!!」
エレブー「エェエエエレブゥウウウウウウウウ!!!!」
バキィッ!!!!! エレブーは「雷パンチ」でピカチュウを殴り飛ばした!
ピカチュウ「チャアアアアア!!!」
ゴロゴロゴロゴロッ!!! 衝撃に飛ばされたピカチュウは、崖の方まで転がって行く。
サトシ「ピカチュウ!!!」
ガシッ!! だがピカチュウが落ちる前に、サトシはタイミングよくピカチュウを
捕まえた。
サトシ「危なかった…。 大丈夫か、ピカチュウ!?」
ピカチュウ「ピ…カ…。」
トレーナー
B『ピカチュウ、戦闘不能!!』
シャワーズ「やっぱり、ピカチュウ負けちゃったか…。」

タイチ「い、今どうなったの…!?」
ライゾウ「一撃でピカチュウを倒すとは…。」
ミズキ「正にレベルが違いすぎるぜ!」
アツシ「おかげでピカチュウはやられ、電気系対決は終わったか…。」
カスミ「サトシ…。」

ジギー「ごめんごめん、もう少しでピカチュウを落とす所だった…。」
サトシ「…けどそのおかげでこっちもやる気出たぜ! ピカチュウが負けたとしても、
    俺は絶対に負けたりはしねぇぜ!!」
ジギー「ほう、その気で行くのか。 なら、次の戦いではどう行くか?」
トレーナー
C『電気系対決終了! 次は草系対決に突入します!!』
ジギー「僕の草系は、ナッシーで行くぞ!!」
ナッシー「ナッシィイイイ!!!」

ポケモン図鑑『ナッシー・椰子の実ポケモン・タマタマに「リーフの石」を与えると
       進化する。 『歩く熱帯雨林』と呼ばれる。 実の一つ一つに顔があって、
       それぞれ意志を持っている。 鳴き声が賑やかなのは、三つある頭が
       それぞれ好きな事を考えているからだ。 三つの頭は考える事は別々でも、
       仲良しなのでケンカしたりしないらしい。 落ちた頭はタマタマとして
       仲間を探すため、特殊なテレパシーを出し始める。』

サトシ「それなら俺は…フシギダネ、君に決めた!!」
フシギダネ「ダネダネェ!!!」
サトシ「フシギダネ、「葉っぱカッター」だぁ!!!」
フシギダネ「ダネフシィイイイ!!!」
シュシュシュシュッ!!! フシギダネは「葉っぱカッター」でナッシーに攻撃するが…。
ジギー「おっと、そうはさせん。 ナッシー、ダンスするかのように動き回れ!」
ナッシー「ナッシィ〜〜〜♪」
そしてナッシーは踊り始め、攻撃を次々と回避した。
サトシ「何ぃ!?」

アツコ「攻撃を避けたわ!?」
カツラ「踊るだけで攻撃を避けるとは…どう言う訓練を…!?」
コゴロウ「…なるほど…昨夜のあのダンスは回避率を倍増するための特訓だったのか…。」
カスミ「…え?」
コゴロウ「!?」
どうやらカスミはコゴロウの小声が聞こえたらしい。
カスミ「…今、何て…?」
コゴロウ「…いや、独り言だ。 気にするな。」
カスミ「?」

ジギー「ナッシー、「踏み付け」攻撃!!」
ナッシー「ナッシィイイイ!!!」
サトシ「うわっ!! 危ない、フシギダネ!!!」
フシギダネ「ダネェ!!!」
ドスゥン!!! ナッシーは「踏み付け」攻撃を仕掛けるが、フシギダネは見事にその
攻撃から避けた。 だが、フシギダネが立ち止まった場所は、崖の近く。 今でも落ちる
ような状態になっていた。
フシギダネ「ダ、ダネェ…。」

ウミオ「ゲッ!! こりゃヤベェぞぉ!?」
ソラオ「あのまま落ちたらフシギダネはピンチだぞぉ!!」
スイート「早く何とかしないと…!!」

ジギー「決着はつけたみたいだな。 ナッシー、とどめだ!!」
ナッシー「ナッシィイイイイ!!!」
ナッシーはフシギダネに襲い掛かってきた!

ケンジ「も、もうダメだ!!」
カスミ「!!」

サトシ「…フシギダネ、「眠り粉」だぁ!!」
フシギダネ「ダネェ!!」
バシュウウウ!!! フシギダネの種から「眠り粉」を放出し、それをナッシーに
嗅がせた。
ナッシー「ナッ………シ〜………?」
その後、ナッシーは眠気により、バランスを崩し始めた。 そんなフラフラと歩き回って
いたナッシーは、近くの崖に立て込み、そのまま落ち始めた。
サトシ「あ、ヤベッ!! フシギダネ、「つるの鞭」で助けろ!!」
フシギダネ「ダネェッ!!!」
シュルルルルルルルゥ!!! ガシィッ!!! フシギダネは「つるの鞭」でナッシーを
縛り、命を救った。 そしてフシギダネは眠ったナッシーをそのまま岸に引き上げた。
サトシ「危ない所だった…。」
トレーナー
D『ナッシー、戦意喪失!!』
シャワーズ「これで一対一のバトルになったね。」

トミオ「さすがサトシだぜ!」
リョウマ「ギリギリに「眠り粉」を撒き散らし、そのまま相手をリングアウトまで連れ
     込むとは…なかなかやるな!」
リン「けどあのナッシーがそのまま落ちずに済んでてよかったね!」
ラン「うん、眠ってるけど。 けど、これでナッシーは負けたから、草系対決も終わり
   ねぇ…。」
ユウキ「そうね。 両者共一匹しか残っていないし、しかも次は水系対決。 サトシは
    多分ここでシャワーズかゼニガメかラプラスのどちらかを使うかもしれない。 
    それに対抗しようとするジギーにはどんな水系ポケモンを使うのかしら…?」
ケン「緊張感が走るな、これ…。」
マサトシ「けどだんだんクライマックスがやって来とるから、おもろいくなって来たで!」
カスミ「……………。」

ジギー「さっきナッシーを助けてくれて感謝する。 けど、この最後の戦いだけは別に
しておこうか。」
サトシ「別にいらねぇぜ!! この勝負に勝つだけならそれでいいんだ!」
ジギー「…どうやらバッジ以外にも何かを賭けているようだが、残念だけどそう簡単に
    勝たせる訳には行かないからね。 ここら僕も本気を出すよ。 こう言う最後の
    決着をつけるのも久しぶりだからね。 さあ、どちらがこの勝負の真の勝者と
    なるか、最後の決着となる水系対決で決めよう!!」
トレーナー
A『草系対決も見事に終了し、両者共残るポケモンは一匹ずつ! いよいよ
       最後の決着、水系対決の開始です!!』

カスミ「…バッジ以外の賭け…? それって…?」
コゴロウ「!?」
コゴロウはカスミの悩みに気付き始めた。
ジギー「カスミさん!! 次は貴方の愛する水系ポケモンのバトルを行います! その
    華麗なる決闘を、ご覧になってください!」
カスミ「え、ええ…。」

そんなジギーの行動を見ていたサトシは、とうとう怒り始めた。
サトシ(あ、あの野郎ぉ〜〜〜〜〜!!!)
ジギー「さて、そろそろ始めるか。 スターミー、行け!!」
スターミー「フゥ!!!」

ポケモン図鑑『スターミー・星形ポケモン・ヒトデマンに「水の石」を与えると進化する。 
       幾何学的なボディーから、宇宙生物ではないかと地元では疑われている。 
       コアと呼ばれる中心部分が七色に輝くのは通信しているからだと言われて
       いる。 どんな環境でも大きくなると、左右対称の幾何学的なボディに
       育つ。』

サトシ「スターミーか…。」
シャワーズ「ねえ、サトシ。 ここはどのポケモンを繰り出すの? 今サトシの手持ち
      水系ポケモンは僕とゼニガメとラプラスしかいないよ。 ここはどれを
      使って戦う?」
サトシ「そうだな………よし! シャワーズ、ここは君に決めた!!」
シャワーズ「分かった、がんばるよ!!」
ジギー「どうやら決めたようだな? まあ、喋るシャワーズも珍しいが、そのポケモンで
    僕を負かせるかい!? スターミー、「バブル光線」!!!」
スターミー「フゥウウウ!!!」
ブクブクブクブクゥ!!! スターミーは「バブル光線」でシャワーズに攻撃した!
サトシ「シャワーズ、ジャンプで避けろ!!」
シャワーズ「了解!!」
ダッ!!! シャワーズはジャンプし、攻撃を避けた!
サトシ「よし、シャワーズ! 空中から「水鉄砲」連射!!!」
シャワーズ「ブゥウウウウウウ!!!」
バシュバシュバシュバシュッ!!! シャワーズは「水鉄砲」を連射した!
ジギー「甘いね!! スターミー、ダンスで回避だ!!」
スターミー「フゥフゥ〜〜〜♪」
スターミーは踊りながら攻撃を避け捲くった。
サトシ「くそっ!! またあの手かっ!!」
ジギー「フッ、もはや君には僕に敵わないようだね? この勝負の決着、僕に決まった
    ようだな。」
サトシ「何だとぉ〜〜〜!?」

ユウタ「何か売られたケンカになって来たな…。」
シンジ「あのカッコつけた野郎もどの行動を取っても腹立つなぁ…。」
カスミ「……………んもうぉおおお!!!」
全員「!?」
サトシ・ジギー「!?」
カスミの逆ギレで、気球に乗っている全ての者達と、戦闘中のサトシとジギーを驚かせた。
カスミ「サトシ、さっきから何やってんのよぉ!? みっともないわねぇ!!! 
    いつまでも怒ってないでさっさと勝ちなさいよぉ!!!」
サトシ「んだとぉ!? そこまでお前に言われる筋合いはねぇよぉ!!!」
カスミ「何ですってぇ!? あんたそれでもポケモンマスターなの!? いつまでも
    そんな態度じゃ誰にも勝てないわよぉ!!!」
サトシ「うるせぇ!!! 大きなお世話だぁ!!!」
カスミ「何よぉ!? あんたそれでも負けたいのぉ!?」
ジギー「か、カスミさん…!?」
ジギーはカスミの行動により、ショックになった。
サトシ「バーロォ!!! じゃあ、お前は何だよ!? 俺が負けたら俺達に黙ってここに
    残ろうと思ってんのかぁ!? そう言う事なら俺は負けたりなんかしねぇ
    よぉ!!!」
カスミ「!?」
サトシ「あっ…!」
ラルフ「え…? 黙っててここに…?」
エミリ「それって、どう言う事…?」
カスミ「…ちょ、ちょっと、あんた一体どこでそんな話を…!?」
コゴロウ「…悪ぃ、俺昨夜お前の後をつけて盗み聞きしたんだよ。 お前がジギーと
     踊ってるその時に…。 そこで俺はサトシにこの事を報告にな…。」
カスミ「!?」
サクラ「か、カスミ…それってどう言う事…?」
アヤメ「そんな話聞いてないわよ!?」
カスミ「え、いや、その…。」
ボタン「あぁああ!! さては、惚れたからこのまま残ろうと思ってたんでしょ!? 
    この卑怯者!!」
カスミ「べ、別にそう言う訳じゃ…!!」

サトシ「……………。」
ジギー「…どうやら聞いてたんだね? この事を…。」
サトシ「……………。」
ジギー「フッ、君はバッジだけじゃなく、カスミさんにも賭けているのか。 勝てば
    このまま僕の相談に断ってそのまま君と同行すると言う事か…。 だが、僕は
    その望みを実行させる訳には行かない!! 確かにこの戦いはカスミさんに
    賭けた決闘だ! だが、この勝負だけは君には勝たせない!! 僕やマリーの
ためでも、僕は必ず君を倒し、僕の望みを実現させる!! それが僕の望み
    だぁ!!! スターミー、「サイコウェーブ」!!!」
スターミー「ファアアアア!!!」
バシュウウウウウ!!! スターミーのコアから「サイコウェーブ」を放ち、それを
シャワーズに攻撃した!
サトシ「!!! シャワーズ、避けろ!!!」
シャワーズ「くっ!!!」
シャワーズはサトシの指示通り、攻撃を上手く避けた。

その間、カスミ達の騒ぎの夢中に、カスミはさっきジギーの言った言葉をちゃんと聞いて
いなかった。 そんな彼女はコゴロウに文句言い始めた。
カスミ「何でコゴロウが昨夜の話を盗み聞きしたのよ!? コゴロウには関係ない事
    でしょ!?」
コゴロウ「関係ねぇとは何だよ!? このまま黙って残る事が正しいと
     思ってんのかぁ!?」
カスミ「べ、別に黙るつもりなんて…!」
その後、マリーはコゴロウの前に立ち上がり、カスミを庇い始めた。
マリー「お姉ちゃんを虐めないで!!」
コゴロウ「!?」
カスミ「ま、マリーちゃん…!」
マリー「行けないのは分かってるけど、あたし、どうしてもカスミお姉ちゃんをここに
    残せたいの! だって、カスミお姉ちゃん、あたしを助けてくれたから、
    どうしても…。」
コゴロウ「…理由はそれでもあるのか。 ただ兄ちゃんばっかりのジムに姉ちゃん一人
     だけでもいさせたいだけじゃなくて?」
マリー「………うん。」
ココナッツ「そう言う事だったの…。」
アーモンド「けど、いくら何でもそれは無理じゃねぇのか?」
マリー「何でぇ!? 何で無理なのぉ!? お姉ちゃんをここに残すのが行けない
    のぉ!?」
コゴロウ「……………。」
その後、コゴロウは腰を曲げ、マリーにこう言った。
コゴロウ「あのなぁ、マリー。 お前の気持ちなら俺にも分かるさ。 どれほど
     姉ちゃんが欲しいのか俺にも分かる。 まあ、これは別に説教で言ってる訳
     じゃねぇけどよ。 カスミはなぁ…。」
コゴロウはチラッと戦闘最中のサトシに見詰め、再び視線をマリーに戻した。
コゴロウ「…カスミはな、俺達に取って大切な仲間の一人なんだよ。」
マリー「仲間…?」
コゴロウ「仲間ってのはなぁ、共に戦い、共に力を合わせ、共に助け合う、とにかく
     大切な存在なんだ。 仲間ってのはなぁ、友達や家族と同じでもある。 
     カスミは俺達にとって家族みたいな一員なんだ。 離れたらどれほど辛く
     なるか、俺達には分かるんだ。 この数週間前、俺達の仲間の一人もどっかの
     島に残して別れたんだけど、それでも俺達はそいつのいない間にも寂しさを
     感じたさ。 『また会おう』って本人は言ってたけど、いつになるかは
     分からないけどなぁ…。 なあ、マリーちゃん。 君の兄ちゃんが突然
     離れ離れになったら、どう思う?」
マリー「…寂しくなる。」
コゴロウ「だろ? その切なさが、別れる時に心に滲むんだ。 辛いのは分かるけど、
     出会いには別れがあるのは、事実なんだ。 仲間は、必ず手放す事が
     出来ねぇんだ。 家族も、同じようにね。」
マリー「……………。」
カスミ「コゴロウ…。」
コゴロウ「けどよ、カスミ。 お前はどう思うんだ?」
カスミ「…え?」
コゴロウ「マリーのためだと聞いたけど、残ろうと思った事あるか?」
カスミ「……………。」
コゴロウ「本当は残りたくても、残れないんだろ? 俺達と別れるのが辛すぎるから。
     (本当はサトシと別れるのが困難なんだよねぇ〜。(―▽―))」
カスミ「……………そうね。」
マリー「お姉ちゃん…。」
カスミ「…ごめんね、マリーちゃん。 あたし、どうしても…。」
マリー「…お姉ちゃん…。」

ドガァアアアアアン!!! その後、爆発音が鳴り始めた!
カスミ達「!?」
ピース「な、何ですか、今の!?」
ウォール「!! 例の試合だ!! サトシ殿が負けそうだぞ!!」
カスミ「え!?」

試合を見直すと、シャワーズは何とボロボロである。 会話の最中かなりの苦戦に
入っていた様子。
カスミ「サトシ!?」
サトシ「く、くそっ!!」
シャワーズ「はぁ…はぁ…。」
ジギー「どうした、救世主サトシ!! 君の実力と言う物はこう言う程度か?」
サトシ「何…だと…!?」
ジギー「…思った通り、草系対決だけじゃなく、今までのジム戦はまぐれのようだったな。 
    これほど本気を出させても出ないとは、僕も呆れた物だ。 けど、これで君の
    負けだと言う欠点はついた!! もはや君には自分の望みを果たせなくなるその
    瞬間が見えるだろう!! 失望した君には、もはやこの先勝ち目はない!!」
サトシ「………俺が失望しても、お前が勝ったとしても、俺はカスミをここには残す訳
    には行かない。 なぜなら、カスミは俺と仲間に取って大切な一員!! 
    カスミは俺達に勇気と希望を与えたこそ、ここまで辿り着いた!! 大切な仲間
    として、大切な家族として、諦めず失われずにここまで来た!! その光となる
    カスミを、ここで手放す訳には行かない!!!」
カスミ「サトシ…!?」
ジギー「…寝言を言い始めるのかい、サトシ君? もはやとどめをささなければならない
    ようだね。 かわいそうだが、ここは僕が勝たせて…。」
サトシ「それはこっちのセリフだぁ!!! シャワーズ、「高速移動」!!!」
シャワーズ「おぉおおおおおおおお!!!!!」
シュンシュンシュンシュン!!! シャワーズは突如に「高速移動」で素早さを高め、
スターミーの周囲に走り始めた!
ジギー「「高速移動」!? 突然と悪足掻きでもするつもりかい? 残念だけど、君の
    作戦はこのまま実行させないよ!! スターミー、空中に浮かび上がれ!!」
スターミー「フフゥ!!!」
ダッ!!! スターミーは上空へ浮かび上がった。
ジギー「スターミー、「破壊光線」でとどめだぁ!!!」
スターミー「フッフゥウウウウ!!!」
グィイイイイイイン…! スターミーは「破壊光線」を放つため、力を蓄え始めた。
サトシ「させるか! 「電光石火」!!!」
シャワーズ「てやぁああああ!!!」
ダッ!!!! シャワーズは「高速移動」中、「電光石火」でスターミーに標準しながら
素早く飛び上がって来た! しかも、普通の「電光石火」とは言え、素早さはかなり高い!
ジギー「な!? 早い!?」
サトシ「「高速移動」は素早さを高める素早さ上昇技…。 「電光石火」は先手に攻撃を
    仕掛ける事が出来る先制攻撃技…。 この二つを合わせれば、素早さは四倍に
    なる。 更に…シャワーズ、地上に向かって「ハイドロポンプ」!!!」
シャワーズ「ブゥウウウウウウウウウウ!!!!!」
バシュウウウウウウウウウ!!! シャワーズは地上に「ハイドロポンプ」を口から放ち、
シャワーズの飛ぶ素早さが更に高まった!
ジギー「!? 更に早くなってる!?」
サトシ「「ハイドロポンプ」は、地面に向かせるとロケット代わりにも使える!! そう、
    この三つの技を合わせれば…素早さは六倍だぁ!!!」
ドカァッ!!!!!! シャワーズは思いっきりチャージ中のスターミーを突き込んだ!
パリィン!!! その衝撃で、スターミーのコアも割れた!
スターミー「フゥ〜〜〜…。」
ドサッ!!! そしてスターミーはそのまま倒れ落ちた。
ジギー「な!?」
サトシ「…ちなみに素早さが限界まで突っ走れば…その衝撃も六倍アップする…。 まあ、
    こんな物さ。」

トレーナー
B『勝負あり!! スターミー、戦闘不能!! よってこの試合、0対一で、
       サトシ選手の勝ちぃ!!!』
ブルー「やったぁああああ!!! サトシ勝ったぁあああ!!!」
アイ「サトシ君勝ったわぁあああ!!!」
カスミ「よかった…勝って…。」
マリー「お兄ちゃん…負けちゃった…。」
ピスタチオ「かなり険しい戦いでしたね。」
カルロス「ああ、全くだ…。」

サトシ「よくがんばったな、シャワーズ! ありがとうな!」
シャワーズ「うん、サトシも勝ってよかったね!」
ジギーがスターミーをモンスターボールに戻した後、勝利に喜ぶサトシを見詰めた。
ジギー(………カスミさんが側にいたから…ここまで勝ち抜けたのか………。 フッ…
    負けたよ…君には…。)
その後、ジギーはサトシに近づいた。
サトシ「!?」
ジギー「さすがだよ、サトシ君。 どうやら僕は君を見縊っていたようだ…。 いくら
    僕がジムリーダーとしても、やはり救世主トレーナーの君とはレベルは違い
    すぎた。 先ほどの悪口は、すまなかった。 この勝負、君の勝ちだよ。」
サトシ「ジギー…?」
ジギー「僕に勝った証として…この…。」

チュドォオオオオオオオン!!!!! その時、島内で突然と爆発が起きた!
全員「!?」
サトシ「な、何だ今のは!?」
ジギー「爆発!?」

マリー「い、今のは何だったの!?」
トレーナー
C「おい、あの爆発は何だぁ!?」
トレーナー
D「侵入者か!? それとも密猟者か!?」

チュドチュドチュドォオオオオオン!!!! その後、島内は次々に爆発が起こり始めた。
サトシ「な、何だあれは!?」
ジギー「誰があんな事を…!?」

???「何だぁ? もうパーティの終わりかぁ?」

サトシ・ジギー「!?」
サトシとジギーが見上げたら、空大きな翼を持つロボットが現れた!
???「せっかく盛り上がってたのによぉ!!」

果たして、このロボットは何者なのか!? それは…次回へ続く!!!

続くったら続く!!

ソニックの後書き:
さてさて、今回はサトカスに
GO!!!と言う感じに行きました♪ そしてそんなサトシの
恋愛的な真のライバルは、ジギーさんでぇ〜す! って言うか、このジギー、なぁ〜んか
悪役っぽく作っちまったなぁ…。(汗) しかも何かこのサトカスストーリーもどうも
中途半端っぽい…。(汗) ファンの皆さん、本当に申し訳ございません!!!(滝汗) 
では、次回の後編までまた&失礼しま〜す☆(汗)