ポケットモンスター小説版
200話 コイキング! 進化の秘密

リュウチン島でジムリーダールリコとの戦いに勝ち、最後のジムバッジをようやく獲得
したサトシ達。 ルリコも仲間に追加し、いざフェニックスでカンキツ島へ向かう。 
その間サトシは、上着の裏側に飾ってある四つのジムバッジを眺めていた。

サトシ「ようやくバッジ四つ揃えたし、これでリーグ戦に出られる〜!」
カスミ「けど今回のリーグ戦はカントーのポケモンリーグとは違うんでしょ?」
ケンジ「まあね。 聞いた情報では、カントーリーグ同様、通常のバトルを行うらしい。 
    それを通過すれば、ヘッドリーダーと相手が出来るとか…。」
ワタル「俺達四天王のと同じだな?」
サトシ「へへ、行って戦ってみたいぜ! そこのトレーナー達とヘッドリーダーをよぉ!」
シゲル「けどヘッドリーダーって誰なんだ?」
ブルー「どんなポケモンを使うのかしら?」
レッド「それも一度アツミさん達に聞いてみたけど、秘密だってさ。」
グリーン「…そりゃ当然言える訳もねぇだろ。」
サトシ「まあ、行ってからだな! カルロス、カンキツ島までどれくらい掛かる?」
カルロス「こっから遠いからなぁ…。 今マップレーダーで調べてんだけど…。」
サトシ「そうか…。」
カルロス「………ん!?」
カルロスがマップレーダーを調べると、何かを見付けたらしい。
イエロー「どうしたんですか、カルロスさん?」
カルロス「レーダーに何か映ってるぞ!? 船らしきのが!」
ヒロシ「何だって!?」
ツバキ「それって敵襲!?」
カルロス「いや、ごく普通のだな? しかも…潜水艦?」
サトシ「潜水艦?」
カルロス「調べるのも悪くねぇな? 第一甲板へ行くけど、お前らも見るか?」
サトシ「ああ、そうするよ!」

―第一甲板―

サトシ達は第一甲板へ着き、外を眺めてみた。

ザパァアアアン!!! その瞬間、海から潜水艦が水上した。
シュウ「ホントだ! 潜水艦だ!!」
マロン「すっごぉ〜い!! ホントに潜水艦だぁ!!」
ピッピ「潜水艦って何でしゅか?」
イーブイ「…海に潜る船の事だよ。 あれ見れば分かるだろ…?」

パカッ!! その時、潜水艦の中から老人が出て来た。 しかし老人とは言え、探検服を
着ていて、正に元気そうな爺さんである。 彼は潜水艦から顔を出した後、周囲を見渡し、
サトシ達の方へ見上げた。
老人「君達、その船止まっておるか!?」
カルロス「え? ええ、一応運行休止にしてますがぁ?」
老人「ならよかった! しばらく船を動かさんでくれ! もう直ぐ来るぞ!」
サトシ達「はぁ?」
その後老人は双眼鏡を出し、何かを眺め始めた。
サムライ「…何者でござるか、あの老人?」
アキラ「どっかの変な爺さんだろ? よくいるんだよな、こう言うの…。」
サトシ「いるんかい!?」

ゴゴゴゴゴゴ…!!! その後、海は突然荒れ始め、フェニックスと潜水艦が突如にゆれ
始めた!
サクラ「きゃっ!? な、何これ!?」
アヤメ「突然波が激しくなってるわ!?」
ボタン「ちょっと、予報では荒海が来るって言ってないわよ!?」
ゼトラ「…いや、これは自然現象の仕業じゃない。」
ボタン「え?」
老人「来た来たぁ!! ドンピシャじゃ〜!!!」
バシャアアアン!!! その時、海から何十匹のコイキングが海から飛び始めた!
サトシ達「!? コイキング!?」
その大量のコイキング達は、フェニックスと潜水艦を通り過ごし始めた。
ケンジ「…! 何だ、あのリング!?」
ある一匹のコイキングが飛び跳ねた時、ケンジはコイキングの尻尾に気付いた。 
コイキングの尻尾には、青いリング二枚付いていた。
トオル「すごいなぁ、これぇ!! こんなに大量発生だなんて凄すぎるよぉ!!」
トオルはそう言いながら写真を撮り捲くっていた。
老人「よし、追跡開始じゃ!!」
ガタン!! ブォオオオオ!!! 老人は潜水艦の中へ戻り、そのままコイキング達の
行方を追った。
セイヨ「…行っちゃったわね。」
ジュン「一体どうなってるんでしょうか…?」
ケンジ「この先は確か…タンカン島だ! コイキング達はそっちへ向かってるんだ!」
サトシ「タンカン島?」
ジュンジ「近くても無人島だな。 さっきの爺さんもそっちへ向かってったな。」
サトシ「よし、俺達もそこへ行ってみよう!!」
コジロウ「えぇ? 行くのぉ? 俺嫌だなぁ〜…。 コイキング見る度に腹が立つから…。」
ムサシ「じゃあ、留守番でもする?」
コジロウ「いや、それもつまんないから嫌だけど…。」

―タンカン島―

ここはタンカン島。 所謂誰も住まない無人島である。 サトシ達はコイキング達の
行方を追い、ここまで上陸した。 見ての通りコイキング達は川を渡っていた。

マチス「チェイスしたのはいいが…。」
ナツメ「何やってるのかしら…?」
エリカ「そもそもどこへ行くのでしょうか…?」

老人「そこの君達!!」
サトシ達「!」
サトシ達が振り向くと、そこには大量の荷物を背負っていた、潜水艦からの老人がいた。
老人「何ぼんやりしておるんじゃ? ほい!」
その後、老人はサトシ達に荷物を渡し始めた。
サトシ達「え?」
老人「さあ、出発じゃ!!」
サトシ達「って言うか、誰やねん、あんたぁ!?」←何故か関西弁。

で、結局荷物運びに手伝うサトシ達。 そんなサトシ達は老人の後を付いていた。
老人「ワシの名はミドリカワ。 このコイキング達を観察しているポケモンウォッチャー
   じゃ!」
ケンジ「え、貴方もポケモンウォッチャーなんですか!?」
ミドリカワ「そうじゃよ! もしや君もかね?」
ケンジ「ええ、そうなんですよ!」
キョウ「しかし…何で拙者らが突然荷物運びに手伝わなければならんのだ…?」
ミドリカワ「そこにおったからじゃ! 奇遇でよかったわい!」
コゴロウ「だからと言って無断に手渡すなよ…迷惑だっつーの…。」
クリスティ「まあまあ…。 たまにいいじゃない。」
アヤ「じゃあ、この荷物は…?」
ミドリカワ「コイキング用の観察機具じゃ!」

―数分後―

サトシ達はミドリカワにより、ある広場に辿り着いた。 そしてここで休憩。

フウコ「はぁ…疲れたぁ…。」
ドリオ「まさかこんなバカ重い物持たせるとは思わなかったぜぇ…。」
ザクロン「そうか? 俺に取っちゃあ軽かったけどな?」
イミテ「…それはあんたが強すぎるからよ…。」
その間、ミドリカワはカメラのような機械を使って、コイキングを撮っていた。 標準
したコイキング達を撮った後、機械からレポートをプリントして来た。 ミドリカワは
それを取り、読み始めた。
ミドリカワ「ふむふむ…。」
マサトシ「何や、この機械?」
ココナッツ「コイキングの数をカウントする装置ね?」
ミドリカワ「ほう、よく知っておるのぅ? じゃがそれだけじゃないぞい! 
      コイキングにリングが付いてあるじゃろ? 赤いのは一年前、青いのは
      二年前、そして黄色いのは三年前を示しておる…と、この島に旅立った年を
      示しておるんじゃ!」
ケンジ「あのリング、ミドリカワさんが付けた物なんですね?」
タイチ「何でコイキングを観察してるの?」
ミドリカワ「この島で生まれたコイキング達は海へ旅立ち、再びこの島に戻って来る。 
      つまりここは『カムバックコイキングの島』なんじゃ!」
ライゾウ「カムバック…コイキング?」
ミズキ「…微妙な別名だな…。」
アツシ「似合わないって言うか…。」
ミドリカワ「ポケモンウォッチャーのお前さんにも気になるじゃろ?」
ケンジ「…はい!」

休憩の後、サトシ達はある滝の前に辿り着いた。 まだ川に泳ぎ進んでいた
コイキング達は、滝を勢いよく登り始めた。
カスミ「うわぁ〜! コイキングの滝登りねぇ!」
キヨミ「すごいね、このコイキング! 勢いよく登ってるわぁ!」
カツラ「…しかし気のせいか? コイキングは元々「滝登り」覚えてないはずじゃ…?」
ミドリカワ「とにかく急ぐぞ! もう直ぐコイキング達が進化する!!」
サトシ達「進化ぁ!?」

―湖―

サトシ達は、コイキング達が向かうと思われる湖に到着した。

アツコ「コイキング達はみんなここへ来ているって言うけど…。」
カツコ「…何も起こらないわね?」
アイ「進化まだなのかしら…?」
ミドリカワ「うむ、もう少し時間が掛かるのぅ…。」
サイゾウ「ここはどうするでござるか?」
サトシ「しょうがねぇ。 ここで進化するのを待つかぁ…。」

―夕方―

時間は更に経ち、ようやく夕暮れになった。 サトシ達はユウキが作ったサンドイッチを
食べていた。
カオルコ「美味しいですわ、このサンドイッチ!」
シュウ「やっぱユウキの料理も美味いぜぇ!!」
ユウキ「あはは…今日は適当だったから…。」
サトシ「いや、そうでもないぜ!」
ミドリカワ「うむ、これはいい味じゃ! 人を喜ばせるほどの味じゃな! 君、いい
      主婦になれるのぅ!」
ユウキ「しゅ、主婦って!? そ、そんなぁ、ミドリカワさんったら…!!」
ユウキの顔は真っ赤に染まった。
ウミオ「けど、ミドリカワさん。 どうしてコイキングをそんなに拘るんですか?」
ソラオ「そうですよ。 学会ではコイキングはただ跳ねてばかりしてる最弱ポケモンだと
    発表されてますよ?」
スイート「何か理由とかあるんですか?」
ミドリカワ「うむ。 確かに本来のコイキングは「跳ねる」だけしか覚えてない
      弱ポケモンじゃ。 じゃが、コイキングには裏に隠されている秘密が
      あるんじゃよ。」
サトシ「コイキングの裏…?」
ミドリカワ「これでも昔から色々なポケモンを観察したもんじゃ。 世界中に旅して
      色んなポケモンと出会ってな。 そして辿り着いたんじゃよ、コイキング達
      に…。」

―夜―

時間は更々に経ち、もう夜になってしまった。 そんなサトシ達は疲労になり、テントの
中に寝て行った。 だが、ケンジとトオル、もちろんゼトラとジャグナルはまだ起きて
いて、四人共ミドリカワと会話していた。

ケンジは、自分が描いたコイキングのスケッチをミドリカワに見せた。 絵には水から
太陽へ元気よく飛び跳ねるコイキングが描かれていた。
ケンジ「コイキングが跳ねるのは、太陽の位置を見ているのではないでしょうか? 
    それで進む方向を確かめているのかも?」
トオル「確かに昔の人は太陽の位置を道標にしながら進んでたって聞いた事があるね。」
ミドリカワ「かもな。 しかし、跳ねるのが苦手な奴もおるよ。」
ケンジ「え?」
次にミドリカワはケンジにコイキングの絵が描かれてあるスケッチを見せた。 絵には
水から跳ねていないコイキングが描かれていた。
ミドリカワ「例え太陽の位置を利用して跳ねるとしても、跳ねないコイキングもいる。 
      それでもちゃんと島に戻ったんじゃ。」
ケンジ「やっぱり、僕の説が外れましたね…。」
ミドリカワ「観察すればするほど謎が深まって行く。 面白い奴らじゃろ?」
ゼトラ「…そう言えば、コイキングには裏に隠されている物があると聞いたが…。」
ミドリカワ「ああ、それか? コイキングの進化説はな、本来は人類に対しての怒号と
      憎悪が悪化した時に進化すると聞くが、種類によっては違うんじゃ。 この
      島のコイキングはな、満月の夜に進化するんじゃよ。」
ケンジ「満月の夜?」
ミドリカワ「観察の中では、旅立ったコイキングが帰島すると、満月の夜でこの湖で
      進化を行うんじゃ。 どう言う伝説でなのかは知らんが、ワシはそう思って
      おる。」
ジャグナル「儀式とかそう言う物だろ。」
ミドリカワ「いや、儀式なのかはまだ分からん。 ただ、この年の夜で進化するように
      なっておるんじゃ。」
トオル「けど、満月の夜って、今は満月でしょ? だとしたら、今んトコ進化するはず
    じゃ…?」
ミドリカワ「そこなんじゃ。 いつ進化を行うのかまだ分からんのじゃ。 だから
      こうやって、いつ頃進化するのか、待機しておるんじゃよ。」

その後、木々の茂みに謎の影が隠れていた。 二体もいて、ケンジ達を見ていた。
???
A『コレハ凄イ話ダ…!』
???
B『素晴ラシイ話ダ…!』
???
A『早速報告セネバ…!』
???
B『報告…!』

ジャグナル「………!!!」
ジャグナルはその影の気配を感じ、一瞬振り向くが、そこには影達の姿はなかった。
ゼトラ「! どうした、師匠?」
ジャグナル「…気のせいか…。 誰かが俺達を見ていたようだが…。」

バシャバシャバシャバシャッ!!! その時、コイキング達は騒がしく飛び跳ねた! 
その音でサトシ達は起き上がった。
サトシ「ふぁ〜〜〜…。 何だよぉ〜、うるせぇなぁ〜…。」
トミオ「何が起こってるんスかぁ〜?」
ミドリカワ「…誰か時計持ってないかな? 持ってたら、今何時じゃ?」
シュウ「え?」
シュウは左手に付けている腕時計らしきなメカを見た。
シュウ「…今夜中の三時ですが…。」
ミドリカワ「三時かぁ…だとしたら、そろそろ始まる所じゃな!」
リョウマ「え!? いよいよ進化するのか!?」
ケン「おお!! これは絶対見逃せねぇぜ!! 起きててよかったぁ!!」

ズズズズズズ…!!! その時、水が突然と振るえ始めた。
リン「? 何かしら?」
ラン「地震かしら?」
ズザザザザザァッ!!!! その後、水に突然と渦が出来始めて来た!
ユウタ「違う!! 渦が出来てるぞ!?」
マサトシ「何や!? これも進化の一つか!?」
ミドリカワ「違う!! この湖には渦なんてないはず!!」
シンジ「じゃあ、何だよこれ!?」
その間コイキング達は、そのまま渦の中へ消えて行った。
マロン「コイキング達が渦の中へ消えたわ!?」
アーモンド「あの渦の中、何かあるのか!?」

???「知っての通りよ!!」

サトシ達「!?」
ズドバァアアアアアアン!!!! その後、水の中から巨大なマンタレイ型の船が
上がって来た! その船は『サブマンタ
RB9』と呼ぶらしい。
ココナッツ「な、何あれ!?」
ピース「大きなエイですねぇ〜?」
ヒトカゲ「って言うか、あれエイじゃねぇぞ!?」
ゼニガメ「鉄で出来てますよ!?」
サトシ「鉄!? まさか…!?」

???「そうさ、そのまさかさ!」

ヴィイイイイン…! そしてサブマンタ
RB9から三体のロボットが現れた! 一体は梟型
ロボットの『フクローグ』と、もう一体は狼型ロボットの『ジャッカロイド』。 そして
もう一体は月の形をしたヘルメットと、その頭の中心に三日月のマークが付いていた。
???「何れにお前達と会うと予想していた、小僧!!」
サトシ「ドラゴンナイツ!?」
???「フン、やはり俺の軍の名も知っているのか。 キャノンが言う通り、相当甘い
    小僧ではなさそうだな。」
ミドリカワ「知ってるのかね、君!?」
サトシ「ええ、実は…。」

サトシはミドリカワにドラゴンナイツの事を説明した。

ミドリカワ「何!? ポケモンをロボット改造し世界崩壊をするじゃと!? そんな
      邪道な事を!?」
???「邪道で結構。 俺達の任務だからな。 まあ、改めて紹介でもしようか。 俺の
    名はムーンマン。 ドラゴンナイツの隊長の一人で、この湖にいるポケモンを
    奪いに来た。」
ワタル「コイキングを奪いに来ただと!?」
シバ「何故そうする必要はあるんだ!?」
ムーンマン「決まっている。 フクローグとジャッカロイドの情報通り、今夜満月にて
      このポケモン達はこの湖で進化すると聞く。 見た目通り弱いが、進化
      すれば最強になると聞いたがな。」
ミドリカワ「な、なぜその事を…!?」
ジャグナル(…どうやらさっきの気配はこいつらだったのか…!)
ムーンマン「こいつらは本来で言うと人類に対する憎悪によって進化すると聞く。 
      相当な凶暴だと予想する。 そこからだ。 こいつらが進化させ、ロボット
      改造に実行させれば、究極の核兵器に使える必要がある! そうすれば、
      天下無敵となり、全てを滅ぼす事が出来る! ドラゴン様の望みを確実に
      果たす事が出来るからな!」
ピスタチオ「そんな事はさせませんよ!!」
ピース「今直ぐ返しやがれ!!」
ムーンマン「返せ…だと? フフフ…まあ、いいだろう。 別に数を少しだけ減らすだけ
      ならどうって事はない。 返したければ、受け取るがいい! サブマンタ
RB9
      発射!!!」
ドドン!!! サブマンタ
RB9の大砲からコイキングが放った!
メタモン「なぬ!? コイキングを!?」
ダネリーナ「酷い扱い方でちゅね…。」
ミドリカワ「行かん!! このまま落としては危ない!!」
ガシガシッ!!! コゴロウとゼトラは見事にコイキングを捕まえた!
コゴロウ「ふぅ〜…危ねぇ所だった…。」
ゼトラ「このまま傷付けては困るからな。」
ムーンマン「フン、少しは楽しませてもらうぞ。 サブマンタ
RB9、休まずに行けぇ!!」
ドンドンドンドンドォン!!! サブマンタ
RB9は連続的にコイキングを放ち捲くる!
アツミ「コイキングを無差別に放ってるわよ!?」
ダン「とにかく捕まえるんだ!!」
そんなサトシ達は大急ぎにコイキング達を捕らえ捲くった。
ジャッカロイド『むーんまん様、現在こいきんぐノ数ハ
50%ニ消耗シテシマイマシタガ…。』
ムーンマン「ん? もうそこまで行ったのか? 使うのも早いな。 いいだろう。 
      
100%の数じゃなくても、後は進化すればこっちの物だ。 そろそろ戻ると
      しよう。」
フクローグ『…シカシ、むーんまん様…。 ソノ頭…。』
ムーンマン「ん?」
ムーンマンは頭を触り始めると、何と一匹のコイキングがムーンマンの頭の先っぽを
噛んでいた!
ムーンマン「な、何ぃ!? こいつ、いつの間にぃ!?」
ジャッカロイド『む、むーんまん様、落チ着イテ!!』
フクローグ『今外シテ参リマス!!』
ムーンマン「今直ぐやれぇ!!!」
フクローグ『シカシ、ドウヤッテ取ル?』
ジャッカロイド『ココハ殺スシカナイ。 一匹ダケ死ンデモ構ワナイダロ。』
ミドリカワ「!? 行かん!! それは行かん!! 急がねば!!」
ミドリカワはムーンマンの所へ駆け付けた。
キクコ「!? 何する気かえ!?」
カンナ「ミドリカワさん、危ないですよ!!!」
ミドリカワ「心配するな! 直ぐ終わる!」

ザザッ!!! ミドリカワがムーンマンの所へ着いた後、フクローグとジャッカロイドは
彼の前に構えた。
フクローグ『貴様何ノ用ダ!?』
ジャッカロイド『死ニタイノカ!?』
ミドリカワ「ちょっと待つんじゃ! 今そのコイキングを外してやるから!」
ムーンマン「何ぃ!?」
その後ミドリカワは、コイキングの背びれを撫で始めた。
ミドリカワ「お〜よしよし、いい子じゃいい子じゃ。 こうしてコイキングの背びれを
      撫でると、気持ちよくなるんじゃよ。」
スポッ!! ミドリカワがコイキングを撫で続けると、コイキングは笑顔に応じ、
そのままムーンマンの頭から外れた。
ムーンマン「!? は、外れた!?」
フクローグ『オオ、外レタゾ!!』
ジャッカロイド『大丈夫デスカ、むーんまん様!?』
ムーンマン「あ、ああ…。」
ミドリカワ「次からは気を付けるんじゃぞ!」
そう言ってミドリカワはサブマンタ
RB9から飛び降りた。
ムーンマン「へ?」

ツバキ「大丈夫ですか、ミドリカワさん!?」
ミドリカワ「ああ、この通りじゃよ!」
アーボック「ふぅ〜、危ない所だった…。」
ピカァッ!!! その時、コイキングは突如に光り始めた!
ピッピ「な、何でしゅか!?」
ピカチュウ
3「ピッカァ〜!?」
イーブイ「コイキングが突然光り出した!?」
ミドリカワ「おお!! これは、進化の時期じゃ!!」
ミドリカワはそのままコイキングを水の中に戻した。
カッ!!!!! そして湖全体は光り出した!!
ムーンマン「な!? 何だこれは!?」
フクローグ『湖ガ突然ト光リ出シマシタ!?』
ビリビリビリ…! だがその後、サブマンタ
RB9から火花が放って来た!
ムーンマン「!? 今度は何だ!?」
ジャッカロイド『むーんまん様、こいきんぐノ進化反応ニヨッテ、動力源ガ狂イ始メテ
        イマス!! コノママダト爆発シマス!!』
ムーンマン「な、何だと…!?」
チュドガァアアアアアアアアアアアアアン!!!!!! そしてサブマンタ
RB9は爆発
した。 その衝撃により、ムーンマンは吹っ飛んで行った。
ムーンマン「おのれぇ〜〜〜!!! 覚えてろよぉ〜〜〜!!!」

バシャバシャバシャバシャアアアン!!! その後、湖の中にいたコイキング達は、
一気にギャラドスに進化した!
ラルフ「うわっ、ホントに進化したぁ!!」
エミリ「すっごぉ〜〜〜い!!!」
ミドリカワ「これはすごいぞ! 君、個体数のカウントを手伝ってくれんか!?」
ミドリカワはそう言いながら、カウンターをケンジに渡した。
ケンジ「あ、はい!!」

進化後、ギャラドス達とまだ進化していないコイキング達は、突然湖から出て、川の方へ
泳ぎ始めた。 その間ケンジとミドリカワは、ギャラドス達を追いかけながら、その数を
カウンターで数えていた。 その間のサトシ達も、必死に追っていた。
サトシ「おい、ちょっと待ってくれよ〜!!」
マリー「あのギャラドス達、どこへ行くのかなぁ〜?」
センタ「この道、昼から通った道だから、多分海の方だと思う!」
ジギー「また旅立つのか…案外流離い的な子達だねぇ…。」
ニャース「おミャーが言うニャ。」

その後、ギャラドス達とコイキング達は、そのまま島から出て、海を渡って行った。 
今まで追いかけていたサトシ達は、崖まで立ち止まり、ギャラドス達とコイキング達を
見送った。 そしてギャラドス達とコイキング達は、そのまま姿を消し、見えなくなった。
ヤマト「あらら〜…行っちゃったね。」
コサブロウ「けど、あれはすごかったな!」
サノスケ「ああ、何かある意味迫力があったしな!」
ケンジ「ミドリカワさん、すごいですよ! 進化率が
50%も超えてます!! 
    やりましたね、ミドリカワさん!!」
ミドリカワ「うむ! これは君の協力のおかげじゃよ! いいデータを手に入れた! 
      ありがとう!」
ケンジ「僕もがんばって、ポケモン達を観察します!」
ミドリカワ「しっかりがんばりたまえ!」
ケンジ「はい! !」

その後夜が明け、太陽がサトシ達の前に上がって来た。
サカキ「もう朝のようだな。」
ゴエモン「俺達、あれから長く起きてたんだなぁ…。」
ハンゾウ「色々大変だったけどね。」
ルリコ「けど、二人共いいファイトだったね!」
サトシ「ああ…。 俺達もリーグ戦がんばらねぇとな!」
シャワーズ「うん!」
ピカチュウ「ピカ!」

ドラゴンナイツのムーンマンを倒し、コイキング達の進化を見る事が出来たサトシ達。 
引き続きカンキツ島へ向かうため、サトシ達の旅はまだまだ続く!

…とその前に、サトシ達はミドリカワと別れた後、ミドリカワはふとこう思った。

ミドリカワ「はて、あの子らの名前何じゃったんじゃろ? …まあ、いいか。」

…おい…。(−−;)

続く。

―今回の登場人物紹介―
ミドリカワ
名前:鯉島 緑川(りしま みどりかわ)  年齢:
62
出身地:不明  誕生日:
55
趣味:観察  特技:絵描き
好きな物:ポケモンを観察、コイキング、ケンジ
嫌いな物:ポケモン虐待
コイキングを観察しているポケモンウォッチャー。 ケンジの先輩になるほど天才だが、
ちょっと好き勝手な行動を取る。

―ロボット図鑑―
サブマンタ
RB9
海水警備用のマンタ型ロボット。 ほぼ潜水艦にも使われている。 砂の中に隠れて、
敵から逃れる。 左右砲台に水中加速装置、テイルレーザー搭載。

フクローグ
森林警備用の梟型ロボット。 木の中に隠れ、侵入者を見張る。 赤外線眼球を搭載して
いるため、暗闇にも見える。

ジャッカロイド
森林警備用の狼型ロボット。 鋭い牙と爪を装備し、侵入者に容赦なく襲い掛かる攻撃
タイプのロボット。 フクローグと同じく、赤外線眼球搭載。

―ボスロボット図鑑―
ムーンマン 
DKN 023
特殊武器:クレセントカッター
元はプラネタリウムの警備用・案内用ロボットとして作られたロボット。 月の
力(エネルギー)を利用して様々な技を極める。 クレセントカッターは、三日月型の
カッターを放ち、どんな物を切り裂く。

ソニックの後書き:
遂にここまで辿り着きました!!! 第
200話達成記念!!! …長かった…。(涙) 
っつーか長いねん。(笑) まあ、ここまで来たので、記念に第
2回人気投票でも作るでぇ!! 
それよりも、今回の話…。 実は作ってる最中気に入らなかったりしますねん。(汗) 
けど読者の皆さん、許してくれ!!! これは悪役を増やすためだぁ!!!(おい) 
さてさて、次回は命に関わりそうな物語になりますんで、そん時まで期待してね♪