フィーバー ある日の事…。 カントー地方の中でも平然で明るい町、真っ白始まりの色と言う意味を する町、ポケモントレーナー達のスタート地点とも呼ばれる町、マサラタウン…。 この 町には、一人の少年が住んでいた。 その名も、レッド。 この物語の主人公である…。 …と言いたい所だったが、実は彼は風邪を引いていた。 家のベッドの中で寝込んでいた。  その状況は、顔は熱いように赤く、かなり苦しそうな状態。 その隣には彼のポケモン、 ピカと言う名のピカチュウがいた。 ピカはそんなレッドを深く心配しながら、ずーっと 看ていたと言う。 ピピピピッ! その後、レッドから何かが鳴った。 レッドの脇から出したのは、体温計。  音はそれからである。 彼は体温計を上げ、温度を見た。 レッド「うげぇ〜〜〜…9.5℃じゃねぇか〜〜〜…。 俺ってそんなに風邪     引いてんのかぁ〜…。 あぁ〜、やべぇよぉ〜…。 熱だけじゃなく、あれから     鼻詰まりや咳きもあるし、喉も痛いし…はぁ〜、何て酷ぇ風邪なんだぁ〜…。」 ピカ「ピッカァ〜。」 ピカは心配そうな顔でそう言った。 レッド「悪ぃなぁ、ピカぁ…。 俺がこんな状態でぇ…。 いつもなら外に出て     遊べたんだけどなぁ…。」 ピカ「ピカピカァ!」 ピカは「気にしないで」と言っているように頭を振った。 レッド「はぁ…こんな酷ぇ風邪、何年ぶりだろぉ…。 って言うか風邪を引いた事     ねぇんだったよなぁ…。 昔からずーっと元気だったから、     平気だったんだけどぉ…。 あぁ、今日は運が悪ぃみてぇに初めてだよぉ…。」 ピカ「ピィ〜カァ…。」 ピカは「確かに」と言っているように、目を細くしながら納得していた。 その後、 レッドは壁に飾ってあるホーホー型の時計を見た。 レッド「…あっ…もう薬の飲む時間だなぁ…。 けどぉ…薬飲む前に飯食わねぇとなぁ…。      けど食うのに飯作らねぇと…。 けどこんな状況じゃ作る力も出ねぇ…。 でも     このままだと腹減るし…。 薬も飲めねぇし…。」 レッドはベッドに丸まりながらぶつぶつ言い始めた。 さすがピカはどうしたらいいのか 分からず、回りながら困難に迷っていた。 ピンポォ〜ン!! その後、インターホンが鳴り、レッドはその音に気付いた。 レッド「あぁ〜? 誰だぁ〜? 今は出られねぇっつ〜のにぃ〜…。 うぅ〜〜〜、ピカ、     ちょっと出てくれねぇかぁ〜?」 ピカ「ピカ!」 ピカはレッドに頷き、寝室から出た。 ―リビング― ピカはリビングまで走り、壁に張ってあるインターホンの前に椅子を動かし、それに 乗りながら受話器を取り出した。 ピカ「ピィ〜カ?」 ピカは受話器に「もしもし?」と言っているように答えた。 ???『あ、ピカ!? ピカだよね!?』 ピカ「ピッ!?」 ピッ! ヴィン! ピカがインターホンの画面ボタンを押し、玄関の画面を映し出した。  そこには花を持っているイエローと、心配そうな顔をしたブルーと、普通にクールな顔を したままのグリーンが映っていた。 ピカ「ピカカァ〜!」 ―寝室― ピカはイエロー達を中に入れさせ、寝室に寝込んでいるレッドと会った。 イエロー「いやぁ〜、びっくりしましたよぉ〜! 突然インターホンからピカの声が      出てきたからぁ〜!」 レッド「あぁ…。 けど悪ぃなぁ〜、わざわざ見舞いに来てくれてぇ…。 こんな状態     でぇ…。」 イエロー「何言ってるんですかぁ? 僕達友達じゃないですかぁ!」 グリーン「…けど、お前も相当とんでもない事したなぁ。 まさかあんな事をする      なんて…。」 あんな事…とは何? そう、実はレッドが風邪を引いた理由があった。 それは昨日…。 レッドが風邪を引く前の日、ある川でレッド、グリーン、そしてイエローがいた。  三人は元気そうに釣りをしていたのだが…レッドとグリーンは一匹も釣っていない。 レッド「…何で一匹も来ねぇんだよ…?」 グリーン「…俺に言うな。」 その後二人はイエローの方へチラッと覗いてみた。 イエローは明るくバンバン魚を引き 上げていた。 その数は何十匹も超える大猟であった。 イエロー「うわぁ〜!! こんなにいっぱぁ〜い! 今日はホントについてるぅ〜!」 さすが釣りの得意イエローに対しては楽勝その物。 そんな状況を見ていたレッドと グリーンは、不機嫌そうにムスッとした表情になった。 レッド・グリーン(納得行かねぇ〜〜〜…。(怒)) ???「きゃああああ!!!」 レッド・グリーン・イエロー「!?」 三人は振り向くと、そこには野生のオニスズメから頭を突付かれ、泣きながら逃げている ブルーがいた。 ブルー「止めてよぉ〜〜〜!!! 誰か助けてぇ〜〜〜!!!」 レッド「ブルー!?」 グリーン「…また始まったか…鳥ポケモン恐怖症…。」 グリーンは「やれやれ」とした顔で溜め息をかいた。 イエロー「ブルーさん、どうしましたぁ!?」 ブルー「あっ、レッドぉ!! グリーン!! イエロー!! 助けてぇ〜〜〜!!      オニスズメがあたしを追って来てるの〜〜〜!!! 野生のオタチかと思って     石を投げたら間違ってオニスズメに当たっちゃったのぉ〜〜〜!!!」 レッド・グリーン・イエロー(何て自業自得な!?(−△−;)) ブルー「あたしホントに鳥苦手なのぉ〜〜〜!!! 助けてぇ〜〜〜!!!」 グリーン「…ったく、世話をやけるなぁ…。 しょうがねぇな。」 グリーンは釣竿を捨て、モンスターボールを構え始めた。 ダッ!! だがレッドは釣竿を捨て、モンスターボールも構えずに突然とブルーの方へ 走り出した! グリーン「!? レッド、何する気だ!?」 イエロー「レッドさん!?」 レッドはそのままオニスズメに追われているブルーの方へ突っ走る。 ブルー「助けてぇ〜〜〜!!!」 レッド「どりゃあああああ!!!」 ガシッ!!! そしてレッドはオニスズメに飛び掛った! ブルー「!?」 グリーン「な!?」 イエロー「え!?」 バシャ〜〜〜ン!!! そしてレッドとオニスズメはそのまま川に落ちた。 しかし川は 浅く、殆ど溺れない。 落ちた後、二人(一人と一匹)はケンカし始めた。 レッド「このくちばし野郎ぉ〜〜!! 鳥恐怖症な娘を虐めてんじゃねぇ〜!!!」 オニスズメ「グワァ〜〜〜!!!(怒)」 レッド「おぉ、やろうってんのか、コラぁ!!」 オニスズメ「グェ〜〜〜!!!」 バキバキバキバキィッ!!! そして二人(一人と一匹)は、まるでヤンキーな小僧と弱肉強食な野鳥と乱闘しているかのように(意味的に当然だが)、激しい殴り合いと突付き 合いが始まった。 その間のブルー、グリーンとイエローは、ただじっくり見るしか なかった。 ブルー「れ、レッド!?」 その後、レッドは手に空のモンスターボールを取り出した。 レッド「これでとどめだぁ!!!」 ポォン!!! そしてレッドはモンスターボールをオニスズメにぶつけ、中に入れさせた。  当然脱出しようと揺れているが、レッドはそのボールを両手で強く押していた。 レッド「オラぁ〜!!! 絶対に出せねぇぞぉ!! 虐めんの諦めるまで出さねぇ     ぞぉ!!」 そしてしばらく、ボールの揺れは収まった。 どうやら完璧にオニスズメを捕獲 出来たらしい。 レッド「…へ、ヘッヘッヘ! オニスズメ、ゲットだぜ! ポケモンリーグ     チャンピオンを舐めんなよぉ〜!」 グリーン「…あのバカが…調子乗りやがって…。」 イエロー「…まあ、これで収まりましたけどね…。」 ブルー「レッド、大丈夫!?」 レッド「おう! 平気…へ…へぇ…へぇっくしょん!!!」 川の中に居過ぎたのか、レッドはくしゃみをした。 以後の回想、レッドが風邪を引いてしまった理由である。 グリーン「…ったく、ブルーを助けたのもいいが、まさかあのままオニスズメを川に飛び      込み、乱闘しながらゲットするとは…。 リーグで俺を負かしたお前も本当に      たいした奴だよ…。 褒めてる訳でもねぇが…。」 レッド「ヘッヘッヘ…俺はしぶてぇからなぁ〜…。」 イエロー「で、あれから具合は?」 レッド「あ、ああ…余り良くねぇんだよな、これが…。」 イエロー「そうですか…。 今日は余り動かない方がいいですね。 寝た方がもっと楽に      なりますから! お見舞いに花を持って来ました! これ、ここで生かしても      いいですか?」 レッド「あ、ああ…。 下の台所辺りに花瓶があるから…。」 イエロー「じゃあ、今入れに行ってきますね!」 イエローは花瓶を取りに行くため、寝室を出た。 その後、グリーンのポケットから何らかの本を出した。 グリーン「ベッドに篭ってるだけじゃ余計退屈だろ? 念のために小説を持ってきたから、      暇があったら読め。 ただし、汚すなよ。」 グリーンはそう言いながらレッドに小説を渡した。 レッド「あのなぁ〜…ありがたいけど、いくら俺が病人だからと言って汚す訳も…ん?」 レッドは小説の表紙を見た。 表紙には学生服だと思われる茶色い長袖上着と紺色 スカート、おでこは広いが青い髪と瞳を持つ、走っている少女の絵が描かれてあった。  タイトルは『走る少女』、作者:横川信子、イラスト:丸山みほ…と書いてあった。  レッドはその表紙を見ながら、少し沈黙を浴びた。 レッド「…何これ…?」 グリーン「都内ではベストセラーで大人気となったラブコメ小説だ。」 レッド「………お前…こう言うの趣味なのか…?」 レッドは怪しげな目付きでグリーンに見詰めた。 グリーン「言っとくが、それはナナミ姉さんのだ。」 そして怪しげな状況の後、レッドはブルーの方へ振り向いた。 レッド「…ブルーは?」 ブルー「え!? あ、あたしは…その……………。」 ブルーは何かに困ったかのように、突如に沈黙となった。 レッド「?」 グリーン「残念だが、見舞いだって言うのに何も持って来てないぞ。」 レッド「そうか…。」 ブルー「……………。」 ガチャッ! そして寝室のドアが開き、そこから花瓶の入った花を持って来たイエローが 入って来た。 イエロー「レッドさん、持って来ましたよぉ〜!」 レッド「おお、サンキュー。」 イエローは花瓶をレッドの近くにある台に置いた。 イエロー「この花はとてもいい香りしてますよ! 癒される効果がありますから!」 レッド「へぇ〜、悪ぃなイエロー! それどこで買ったんだ?」 イエロー「タマムシシティです! ジムリーダーのエリカさんから教えてもらいました!」 レッド「ほぉ〜…。」 その後イエローは壁に飾ってあるホーホー型の時計を見た。 イエロー「あ、もうこんな時間だ! そろそろ帰ります!」 レッド「あ? もう帰っちまうのか?」 グリーン「病人を寝かせなきゃ行けねぇからな。 まあ、寝て早く治すんだな。」 イエロー「早く治ってくださいね! ブルーさん、行きましょう!」 ブルー「う、うん…。」 イエロー「では、お邪魔しましたぁ〜!」 レッド「またなぁ〜。」 バタン! そしてドアは閉まり、イエロー達は帰って行った。 そしてレッドは、再び 寝込んだ。 レッド「ふぅ〜…あっ。 そう言えばまだ飯食ってなかったんだ…。 うぅ〜〜〜…     それだったらちょっと飯作ってくれとさっき頼めばよかったぁ〜〜〜…。」 ピカ「ピカァ〜。」 レッドはそう言いながら、思わずがっかりとなった。 ピカ「…ピカ!!」 ピカは何かに閃いたのか、レッドのベッドに乗っかった。 ピカ「ピッカ!! ピカピピカカ!!」 レッド「え、何ぃ…? 『僕が作ってやろうか』だってぇ? そりゃありがてぇけど…     お前、料理作った事ねぇだろぉ〜…?」 ピカ「ピッ…!(汗)」 ピカはレッドの発言により、ショックを受けた。 ピンポォ〜ン!! その後、再びインターホンが鳴った。 レッド「あぁ〜? またかよぉ〜? イエロー達はもう帰ったって言うのにぃ〜…誰だよ     今度はぁ〜? ピカ、悪いけどまた頼んでいいかぁ〜?」 ピカ「ピカ!」 ピカは頷き、そのまま寝室から出た。 ―リビング― ピカは再び椅子に乗り上がり、インターホンの受話器を取り出した。 ピカ「ピィ〜カ?」 ピカは「もしもし」と言うように答えた。 ???『あ、ピカ? あたし!』 ピカ「ピィ?」 ピッ! ヴィン!! ピカはインターホンの画面ボタンを押し、玄関の画面を移した。  画面には何と帰ったはずのブルーが映っていた。 ピカ「ピピィ〜!?」 ―寝室― ピカはブルーを上がらせ、寝室に行かせた。 そんな彼女はレッドの前に、困った顔を しながら椅子に座っていた。 その間レッドはブルーがまた来宅したのを驚いて起き 上がった。 レッド「ぶ、ブルー!? ど、どうしたんだ、お前…また来て…?」 ブルー「………レッド…ごめんなさい!!」 ブルーは頭を下げながらそう言った。 レッド「え?」 ブルー「…ごめんなさい…! あたしのせいで…!」 レッド「お、おい…何だよいきなり…?」 ブルー「あたしのせいで…レッドに酷い風邪を引かせちゃって…。 あたしが鳥恐怖症     さえ治っていれば、こんな事にもならなかったのに…。」 余りにも自分を責め続けているブルーは、思わず目から涙がこぼれ始めて来た。 レッド「…ブルー…。」 ブルー「…わざわざ助けてくれたのに………本当に………本当に………。」 レッド「……………ふぅ〜…。」 レッドは溜め息をかいた。 ポン! そしてレッドは、悲しむブルーの頭に手を乗せた。 ブルー「!」 しかもレッドの表情は、ブルーが思っているように怒っているのではなく、優しく笑んで いた。 レッド「バカだな、お前…。 そんな事を深刻に気にしてたのか…。 だからさっき     グリーンとイエローの前に言えなかったのか。 そんなに責める必要はねぇよ。      気にする事もない。 ただ、お前があの時無事でよかったよ。 まあ、風邪     引いたのはしょうがねぇけど、それでも俺は気にしたりはしねぇさ! 俺が風邪     引いたのはお前のせいじゃないって俺は分かってるよ!」 ブルー「レッド………。」 ブルーは涙目にレッドに見上げた。 レッド「だから、もう泣くな。 この件はお前が悪くない。 いつもみたいに元気出しな!      そうすれば、俺も喜ぶよ!」 ブルー「……………。」 その後ブルーは、目から涙を拭き取り、レッドに微笑んだ。 ブルー「………ありがとう…レッド…。」 レッドも同じく、ブルーに微笑んだ。 レッド「…って言うか、俺も早く元気ならねぇとな…ゲホゲホッ!!!」 レッドは突然咳き込み始めた。 その瞬間ブルーは慌てながらレッドの背中を擦り寄った。 ブルー「だ、大丈夫レッド!?」 レッド「あ、ああ…まあ、大丈夫って言うか…。」 グゥ〜〜〜〜〜…! そしてレッドのお腹が鳴った。 レッド「…そう言えばまだ何も食ってなかったんだっけ…。」 ブルー「そっか、風邪だから動けないんだね…。 どうしよう…。」 レッド「……………なあ、ブルー?」 ブルー「ん?」 レッド「お前この後用事とかねぇか?」 ブルー「え、別に…?」 レッド「だったらよ? 今日一日だけ、看病の役でもしてくれねぇか? せっかく     来たんだし…。」 ブルー「え!? あ、あたしが…!?」 レッド「…まあ、用があるんなら別にやんなくてもいいけど…。」 だがブルーは「ううん」と頭を振り、喜んだ表情にこう言った。 ブルー「よ、喜んでやらせてもらうわ! あたし、レッドに恩まだ返してないし…是非     是非、看病役をやらせてもらうわ! それに…早くレッドの風邪治したい     から…。」 ブルーは恥ずかしながらそう言った。 そしてレッドは笑顔でこう言った。 レッド「…ありがとう、ブルー。 ホントに助かるよ!」 ブルー「うん! あ、そうだ! レッド、お腹空いてるでしょ? 何も食べてないから、     薬もまだ飲んでないんでしょ? あたしがおかゆを作って来るから、台所     借りてもいい?」 レッド「ああ、いいぜ。」 ブルー「じゃ、待ってて! 今作って来るから!」 レッド「おう!」 そしてブルーは、この一日中レッドの看病し続けた。 先ほどおかゆを作ってレッドに 食べさせた。 味は良かったと彼は言い、ブルーは喜んだ。 他にもレッドのお絞りを 濡れ変えたり、薬を飲ませたりもした。 もちろん夜に栄養ある夕食も作り、レッドに 食べさせた。 味は美味しかったため、レッドは喜び、ブルーも喜んだ。 この一日、 二人はとても仲がいい雰囲気に過ごしていた。 そして、看病からちょうど一日も過ぎ、マサラタウンに夜が明けた。 あれから看病して いたブルーは、椅子に座りながら、腰をベッドに曲げながら寝ていた。 ブルー「………ん……う〜〜〜ん………ん?」 窓から出る朝の日差しがブルーの目元に当たっているのか、ブルーはようやく目を覚めた。  そして起き上がり、欠伸を出しながら背を伸ばした。 ブルー「ふぁ〜〜〜…あら?」 ブルーが起き上がった後、彼女から一枚の毛布が落ちた。 恐らくそれは彼女が寝ている 間に敷かれた物だろう。 彼女はそれを拾い、ふと悩んだ。 ブルー「…毛布? 何であたしに…? ねぇ、レッド…!?」 ブルーが振り向くと、ベッドにはレッドの姿がなかった。 ブルー「れ、レッド!?」 ガチャッ! ブルーが叫んだ後、ドアから何と赤い上着、黒いTシャツ、青い長ズボンと 黒い手袋に変えたレッドが出て来た。 手には手紙数枚持ちながら、部屋に入った。  しかもよく見れば、体調は良くなっている。 レッド「おぉ、ブルー! っはよぉ〜!」 ブルー「!?」 ブルーは勢いよくレッドの方へ振り向いた。 レッド「何だよ、そんなに驚いて? で、さっき俺を呼んだか?」 ブルー「れ、レッド!? ど、どこに行ってたの!?」 レッド「ああ、外のポストに手紙取りに行っただけさ。 けどもう大丈夫さ! もう     風邪は吹っ飛んだし、見ての通り元気百倍だぜ!」 ブルー「…そ、そうなの…。 よ…よかったぁ…。」 先ほど驚きに立ち上がっていたブルーは、安心ながら椅子に座った。 レッド「後な…。 お前、昨夜何もかかずに寝ちまっただろ? 余り俺みたいに風邪     引かせたくはなかったから、毛布敷いておいたよ。」 ブルー「え…?」 ブルーは手に持っていた毛布に見て、しばらく沈黙となった。 ブルー「………じゃあ…これ、レッドが…?」 レッド「ああ。 お前直ぐ寝ちゃったから、俺が棚にあったもう一枚の毛布でお前に     かけたんだ。」 ブルー「そ、そうなんだ…。」 ポン! そしてレッドは、またもやブルーの頭に手を乗せた。 ブルー「!」 ブルーは見上げると、レッドは優しくブルーに微笑んでいた。 レッド「ありがとな、ブルー。 お前が看病してくれたおかげで、俺はもう元気に     なったよ。 これもお前が一日がんばってくれたおかげだ。 一日ご苦労さん!      本当に感謝するよ!」 ブルー「……………。」 ブルーはそんな優しいレッドの顔を見ながら、自分の顔が少し赤く染め始めた。 レッド「そうだ! 礼っつーのも何だけど、朝だから朝飯、俺が作っとくよ!」 ブルー「え!? だ、大丈夫なの!?」 レッド「大丈夫だって! 体調は良くなったしもうばっちしOKだよ! それに飯     作る事はめっちゃ自信あんだから! どうだ、一緒に食うか?」 ブルー「え、いいの? じゃあ…お言葉に甘えて…!」 こうして、風邪の一日は終えてた…。 終わり☆