…ここは『オーレ地方』…。 アメリカ本土にある砂漠の地方だ。 この地方は全体 砂漠になっていて、野生のポケモンは一匹もいない。 しかも多くても海水も少なく、 そのせいで人口も少ない。 人口の50%はゴロツキばかりで、ポケモンバトルを専門に されているが、大半のゴロツキはマナーを守ったりする、由緒正しい所も持っている。  ポケモンバトル重視となっているこの地方では、公式戦用のコロシアムやスタジアムが 建設されている。 所謂この地方は、ポケモンバトルを求めるトレーナー達の戦場とも 言える…。 …だがそんなオーレ地方に、二つの組織が存在していた。 それは『スナッチ団』と 『シャドー』。 スナッチ団はポケモン窃盗団で、『スナッチマシン』と言う窃盗機械で トレーナーからポケモンを強奪すると言う犯罪をしていた。 そしてシャドーは、邪悪な 科学技術でポケモン達を暗黒戦闘兵器『ダークポケモン』へと改造し、人々を襲ったり、 場所を次々と破壊しながらと、最大級の犯罪を起こしていた。 そのため二つの組織は 同盟し、オーレ地方を恐怖のどん底に落としたと言う…。 …けど、ある少年少女の活躍で、二つの組織を壊滅した。 スナッチ団を壊滅し、 シャドー幹部を捕まえ、ダークポケモン達の心を開かせ、見事に二つの組織の存在は この世から消え去った。 あれからの間、新たな事件は決して起こらなかった。  で、そのヒーローは誰の事だと言うと…実に、俺の事…。 ポケモンコロシアム ―バースデイ― …ここはオーレ地方の東南地点にある、町外れのスタンド。 外見は機関車だが、 全体的で言うとレストランになっている。 レストランだけじゃなく、街にある 『フレンドリーショップ』みたいにアイテムだって売っている。 しかも街にはないが、 モンスターボールだって売っている。 で、その店の中に、一人コーラを飲んで寛いで いる、銀髪で鋭い目付きで黄色い瞳、頭に飾っている銀色のサングラス、顔面に白い線も 付いていて、左腕に奇妙な蒼いアームパーツをしていて、蒼いコートと黒の長ズボンと ブーツをしている少年は、俺の事…。 …俺の名は『レオ・アーバイン』。 かつてはスナッチ団の一員だったけど、俺はその 組織の裏切り者。 窃盗に愛想を尽くしたから、最新型のスナッチマシンを盗んで、 アジトごと破壊して、自らの力で組織を壊滅した。 また、スナッチマシンを使って ダークポケモンを回収、そしてシャドーの野望を阻止しながらと壊滅させたその ヒーローさんは、ずばり俺の事。 今はこうやって平和に暮らしている唯のポケモン トレーナーだけど………何だろう…? なぁ〜〜〜んかまだ…気になる点が あるんだがぁ……………。 ポン! そんなレオが寛いでいる間に、誰かが後ろから彼の肩を叩いていた。 レオが そっちへ振り向くと、そこには一人の男が立っていた。 その男は茶色のジャケットと ブーツ、紺色のジーンズ、薄紫色の髪型をした、まるでカウボーイの姿をしていた。 ???「よっ、久しぶりだな、レオ!」 レオ「『ウィリー』!」 …こいつの名は『ウィリー・ロードヒルズ』。 俺が初めてこのスタンドに来た時、初めて ポケモンバトルの相手をしたライダーだ。 こいつは俺との戦いで負けたけど、案外 興味を持ったのか、親友になったんだ。 まぁ、悪くはねぇけど…。 ウィリー「ヘッヘッヘ、意外と退屈そうな面してんなぁ? あんまり対戦相手が      いねぇからつまんねぇんだろぉ?」 そう言いながらウィリーは椅子に座った。 レオ「別にそう言う訳でもねぇよ。 ただここで寛ぎたかっただけだ。」 ウィリー「またそんな事言ってよう。 スナッチ団もシャドーも消えちまったし、      そこまで強い相手がいねぇから退屈なんだろ?」 レオ「だからそう言う訳じゃねぇって!!」 ウィリー「あぁ、分かった分かった。 そう怒んなって!」 そんな気楽そうなウィリーは、怒り出すレオを落ち着かせようとする。 ウィリー「…あれ? そう言えばあの子はどうしたんだ?」 レオ「あの子?」 レオはコーラを飲みながら返事した。 ウィリー「決まってるだろ? お前のガールフレンドだ!」 ブゥウウウウウウ!!!! 余りにも驚いたのか、レオは思わず口からコーラを吹き 飛ばした。 レオ「!? だ、誰がガールフレンドだ!? 俺はあいつとなぁ…!!!」 ウィリー「まぁまぁ、落ち着け落ち着け!」 そんなウィリーは再び怒り出すレオを落ち着かせようとする。 レオ「…あいつの事なら、『フェナスシティ』のデパートで買い物でもしてるよ。 俺は    その別行動だ。」 ウィリー「別行動!? お前何考えてんだ!? 彼氏が彼女をほったらかして      どうすんだよ!? 一緒にいる方がカップリング的の常識だろ!? しかも      もしもゴロツキに捕まっちまったらどう…!?」 そんなウィリーは説教的にレオの顔に近づけて言うが、ふざけ過ぎているせいか、レオも だんだん怒り出し始めた。 レオ「………てめぇ、殺してぇのか?」 ウィリー「あっ…い、いやぁ〜、冗談ですよぉ、レオさぁん。 単なるライダーの      ジョークですよぉ〜。 あはははは。」 意味不明に誤魔化すウィリーであった。 …俺達が言っている『あいつ』ってのは、『ミレイ・サンハーツ』。 俺と同行していた 女の子さ。 霊視能力の持ち主で、ダークポケモンの見分けを掴める力を持っていたんだ。  最初はシャドーが彼女を拉致しようとしていたけど、俺がそんな彼女を助けたんだ。 で、 彼女がいたおかげで、ダークポケモンを捕獲する事が出来た。 そんな長い旅の中、 色々と俺に力を貸してくれた頼もしい仲間って訳さ。 ………まぁ、彼女って言う訳でも ねぇけど………。(赤面) ウィリー「そう言えばさぁ、レオ。」 レオ「あぁ?」 ウィリー「確か今日でミレイちゃんの誕生日らしいけど、何か考えたか?」 レオ「誕生日!? 今日だったのか!?」 ウィリー「…おい、何驚いてんだよ? お前の彼女のくせに覚えていなかったのかぁ?」 レオ「だから誰が俺の彼女だって…!!! そんな事よりも、今日があいつの    誕生日なのか!?」 ウィリー「あぁ。 前にミレイちゃんが俺に言ったんだぜ? まさか忘れてたんじゃねぇ      だろうな?」 レオ「…人の誕生日…そんなのいちいち覚えてねぇよ。」 ウィリー「あぁ、それって最低な一言だなぁ!! たかが自分の誕生日も知らねぇ      ぐれぇでいい気に言ってるつもりかぁ!?」 レオ「……………。」 …そう、確かに俺は自分の事に関しては何も知らない。 自分の親は誰なのか、 いつどこで生まれたのか、全部記憶に残っていない。 気が付いた時には、俺は スナッチ団の仲間になってたからな。 自分の名前やほんの少しの過去の事以外、 何も知らない…。 ウィリー「…まぁ、いいか。 人の誕生日をなかなか覚えられないその気持ちは分かるよ。       人それぞれそうさ。 まぁ、知らねぇとしたら、まだプレゼントとか決まって      ねぇんだよな?」 レオ「……………。」 レオは腕をテーブルに立たせ、あごを手に乗せながら、白けた顔で沈黙していた。 ウィリー「やっぱりそうだな。」 レオ「…じゃあ、お前はどうなんだよ? もう決まったのか?」 ウィリー「俺? ヘッヘェ〜、実はな! でもトップシークレットなんで、教える訳には      行かねぇよ!」 レオ「…フン、まぁ好きにしろ。」 ウィリー「で、お前はどうすんだ? まだ何も決めてねぇんだろ? 今日の夜になる前に      決めた方がいいぜ?」 レオ「そうだなぁ…。 でもあいつ、何が欲しいんだろうなぁ………。」 余りにも無知なレオは、早速悩み始めた。 ???「そう言うのあたしに任せなさぁ〜〜〜い!!!」 レオ・ウィリー「おわぁっ!?」 その瞬間、いきなりレオとウィリーの後ろから女の子が現れた。 その女の子は フリフリとしたピンクのスカートと長袖上着とブーツ、紺色のシルクハットと タートルネックシャツと手袋とストッキング、手に茶色のステッキを持っていた。 レオ「ちゃ、『チャリス』!?」 チャリス「ヤッホォ〜! おっひさぁ〜♪」 …こいつは『チャリス・アレグリア』。 世界一のスターになる夢を持つ大道芸人だ。  以前はシャドーの本拠地である『ラルガタワー』にいて、シャドーの仲間だった らしいんだけど、俺との戦いに負けて以来、改心して友達になったんだ。 今でも大道 芸人として芸の修行をしているんだけど…。 ウィリー「…何だ、知り合いなのか、レオ?」 レオ「あ、あぁ…唯の友達さ。」 チャリス「何よぉ、唯の友達って! 親友って言いなさいよぉ〜!」 すると彼女はウィリーに振り向いた。 チャリス「あっ、これはこれは失礼しましたぁ! あたしチャリス・アレグリアって      言いまぁ〜す! 世界一の大スターになるのが夢で、今でも芸の修行をして      いる大道芸人でぇ〜す! よろしくお願いしまぁ〜すv」 ウィリー「あ、あぁ…ライダーのウィリー・ロードヒルズだ…よ、よろしく…。」 相手がぶりっ子の真似をしているとは言え、ウィリーは冷や汗をたらしながら挨拶した。 自己紹介の後、チャリスはレオとウィリーの前の椅子に座り込んだ。 レオ「それより、こんなトコまで来て何の用だ!?」 チャリス「何よ、それぇ? まるで人がわざと迷惑かけに来たみたいな言い方      じゃないのぉ?」 その後カウンターにいた店長がレオ達の所へ歩き、手に持ってたパフェをチャリスに 渡した。 店長「はいよ、お嬢ちゃん! ご注文のイチゴクリームパフェをお持ち致しましたぜ!」 チャリス「わぁ〜!! ありがとうございますぅv」 そう喜ぶチャリスは早速それを食べ始めた。 チャリス「うぅ〜〜〜ん、甘くて美味しい〜v」 店長「ヘッヘッ、そうかい? 何せここのパフェは一番だからな!」 店長がそう言った後、レオに振り向いた。 店長「兄ちゃんもいいねぇ。 こんな可愛い女の子にもモテるなんてぇ…ミレイちゃん    だけじゃなくてもモテモテなんだなぁ! この色男!」 レオ「んなっ!? そ、そう言う訳じゃねぇって!!! 唯の友達だっつ〜の!!」 店長「ハッハッハッハッ!! 冗談だよ、冗談! じゃ、ごゆっくりとなぁ!」 彼がそう笑った後、そのままカウンターまで戻った。 だがウィリーは不審そうな顔で レオに近づいた。 ウィリー「………マジで?」 レオ「な訳ねぇだろ!!!」 ビシッ!!! レオはウィリーにツッコミを入れた。 レオ「そんな事よりも、何しにここに来たんだよ!?」 チャリス「もう、いちいちうるさいなぁ。 落ち着いてよねぇ? 今日はミレイちゃんの      友達だと聞いたんで、わざわざここにやって来たのよ!」 レオ「聞いた? 誰に?」 チャリス「『コドモネットワーク』のメンバーからよ! あたしも最近はまっちゃってね、      レオ君やミレイちゃんの事はみぃ〜んなそこから聞いてるのよ!」 レオ「あ、そう…。」 チャリス「実はあたしもミレイちゃんの誕生日パーティに参加したくてね、この前練習で      成功したマジックでも披露かなぁと思って! で、話聞いたんだけどぉ…      レオ君ってまだミレイちゃんにプレゼント考えてないんだってぇ?」 レオ「うっ………。」 チャリス「まぁ〜、無理は言えないわねぇ。 長い付き合いだとしても細かい物には興味      ないなんてねぇ。 これじゃあ、相手も今日一日当分悲しむって訳よねぇ〜。」 レオ「…それを言うなよぉ…。」 チャリス「あ、でも彼女に渡せるとてもいいプレゼントなら一つあるわよ!」 レオ・ウィリー「え?」 チャリスがそう言うと、シリアスな顔でレオとウィリーの顔に近づいた。 チャリス「…実はね…大きな声で言えないんだけど…。」 レオ・ウィリー「うんうん…。」 そんな二人も思わずシリアスな顔でチャリスの顔に近づいた。 チャリス「小さい声だと聞こえないから普通に言うね☆」 ドォン!!! ふざけたチャリスに対し、レオとウィリーは顔面をテーブルにぶつけた。 レオ「何だってぇのぉ〜〜〜!!!!!(激怒)」 ウィリー「お、落ち着けよ、レオ!!」 レオはチャリスに激怒するが、ウィリーは必死に彼を抑えようとする。 チャリス「あははは、ごめんごめん♪ まぁ、誰も聞いていないからいいよね? 実はね、      コドモネットワークからこの情報を手に入れたんだけど、最近砂漠の中で      野生のポケモンが発見したって言われてるよ?」 レオ・ウィリー「え!?」 チャリスの話を聞いていた二人は、ふと驚いた。 レオ「砂漠に野生のポケモンが…!?」 ウィリー「バカな!? この地方では野生のポケモンは一匹いないはずなんじゃ!?」 チャリス「でしょ? でも最近ではそれを目撃したって言う情報が来てるのよ! 噂では      その野生のポケモンは誰かに捨てられたのか、或いは以前シャドーがダーク      ポケモンに改造する途中に実験失敗して、後で砂漠に放置させたのか…      どっちかに言ってたのよ。 ニュースでは明かされなかったけど、コドモ      ネットワークではその情報が盛りだくさん流れてるのよ! 今でも過去ログ      だってその情報残ったままだし、もうネットワーク全体は大騒動! 今時      オーレ地方では珍しい瞬間なのよ!」 レオ「でも、今時でもゴロツキ達はそいつを探してるんじゃ…?」 チャリス「ないない。 現在(いま)のゴロツキ達はバトル以外何も興味ないのよ。       コドモネットワークの会員であるゴロツキだって一人もいないわよ? それに      知ったとしても、どこにいるのか分からない。 砂漠なんて危険な場所      なのよ?」 ウィリー「でもそのポケモンも砂漠の中でよく長く生きていられるな?」 チャリス「多分人間では見付からない水とか食べ物とかあるのよ! ねぇ、レオ君!       どう思う? ミレイちゃんにはポケモン持ってないんだし、一匹ゲットすれば      いいプレゼントになると思うわよ?」 レオ「………そう言えば………。」 …そう、あれはほんの一週間前の事だった…。 …ここはフェナスシティ。 オーレ地方の中でも水を中心にした、神秘と美麗に溢れた 水の都。 この頃、俺はミレイと一緒に散歩をしていた。 もちろん、彼女の誕生日に 関して話していた。 レオ「え? ポケモン?」 ミレイ「うん。 あたしの誕生日にポケモンを欲しいなぁって。」 レオ「何でいきなり…?」 ミレイ「何でって、何だかレオを見て羨ましいなぁと思って。 だってレオは昔から     エーフィとブラッキーを最初から持ってたんでしょ? おまけに心を開かせた     元ダークポケモン達だって持ってるし、ダークポケモンを見分ける霊視能力以外、     あたしには何もないんだもん。 あたしだってレオの役に立ちたいのよ? ただ     ダークポケモンを見つけるだけじゃなく、バトルで一緒に戦いたいんだもん。      今までお荷物みたいにバトルを見てるだけじゃ物足りないのよ。」 レオ「でもなぁ…いくらポケモンが欲しいと言っても、無理だぜぇ? ここには野生の    ポケモンなんて一匹もいねぇし、どう言っても手に入れるのはとても難しいぜ?     諦めが肝心だ。」 ミレイ「でもぉ〜〜〜…ポケモン欲しいよぉ〜〜〜…。 あたしだってレオみたいに     ポケモン持って一緒にバトルしたいよぉ〜〜〜…。」 そんなミレイは泣きそうになった。 レオ「お、おい…そんな事で泣くなよ!」 その間お坊ちゃまとお嬢様が通り掛り、レオ達を目撃した。 お坊ちゃま「あぁ、女の子泣かしてるなぁ!?」 お嬢様「まぁ、何と言う野蛮な人なんでしょうか。」 レオ「じゃあかぁしぃわい!!!(怒)」 …まぁ、回想はここまでとして…元の場所に戻ろう…。 レオ「…そんな事、あいつ言ってたなぁ…。」 チャリス「でしょ!?」 ウィリー「何だよ、お前? 一週間前の事さえ覚えてんなら何で誕生日くらい      覚えとかねぇんだよ?」 レオ「う、うるせぇなぁ…。」 チャリス「でもいいチャンスじゃない? 今時誰もそのポケモンを探していないわ!       探しているとしても、もう既に諦めてるはずよ! 場所を案内して      あげよっか? その野生のポケモンの居所!」 レオ「……………。」 …やはり気になる俺は、その要求に承知した。 そこで俺はその野生のポケモンを探す ために、俺のバイクのサイドカーにチャリスを乗せながらと、その生息地に向かった。  ウィリーも自分のバイクで俺の後を追い、一緒にその生息地へ向かった。 レオ「で、そのポケモンは何なのか、情報にはなかったのか!?」 チャリス「ないのよ! 余りにも遠い所にいたから、どう言うポケモンなのか分かり      難かったのよ! それに砂煙の中で隠れてたり、色々な問題で見えなかった      らしいわよ!」 ウィリー「じゃあ、そこへ行けば、どう言うポケモンなのか分かるって事だよな!」 レオ「でもミレイがポケモンを欲しいとしたら、どんなポケモンが欲しいんだろう    なぁ…?」 チャリス「やっぱ女の子だから、もっと可愛い方がいいわよ! 可愛さと美しさのある      ポケモンならもっと似合うと思うわ!」 ウィリー「でも逆にカッコイイ、或いは物凄く怖くて不細工な奴だったらどうすんだ?」 チャリス「それだったら逃がすしかないわ。」 レオ「……………。」 チャリスのあっさりな一言でレオは冷や汗をたらしていた。 レオ「…まぁ、とにかく…言ってみないと分からねぇな。」 ヴゥウウウウウウウン………!!! そしてレオ達はそのままバイクをフルスピードで 走り出した。 ―オーレ地方中心砂漠― …ここはオーレ地方にある中心砂漠。 この砂漠には街や人、もちろんポケモンもなく、 無人の空間になっていた。 ただあるのは岩の山と枯れた木ぐらい…。 俺達はようやく その野生のポケモンのいると思われる生息地に辿り着いた。 チャリス「情報ではこの辺りのどこかに野生のポケモンを目撃したってよ!」 ウィリー「何もねぇじゃねぇかよ?」 レオ「確かに俺達以外の気配は感じないな。 でもいるとしたら、何か手掛かりでも    探さねぇと…。」 ウィリー「あ、そんなら俺に任せな! 出て来い、マッスグマ!!!」 ポォン!!! ウィリーが投げたモンスターボールの中からマッスグマが飛び出して来た。 マッスグマ「グマァ〜!!!」 チャリス「あっ、そっか! マッスグマの特性『物拾い』でそのポケモンの匂いを      探すのね!」 ウィリー「そう言う事!」 レオ「けど、警察犬じゃあるまいし、上手く行くかどうかは…。」 ウィリー「い〜やっ、それが上手く行くんだよ、これが! 俺もふざけてよくこいつで      可愛い子を探ってみたんだけど、見事に成功したんだよ!」 レオ「へぇ? で、結果は?」 ウィリー「ふられた。(涙)」 レオ「……………。(汗)」 チャリス「あのぉ、悲恋話の最中悪いんだけど…。」 ウィリー「あ、そうだった…。 マッスグマ、お前の特性で野生のポケモンの匂いを      探ってくれないか?」 マッスグマ「グマッ!!」 指示を承知したマッスグマは、早速鼻を地面に近づき、匂いを嗅ぎ始めた。 すると マッスグマはその匂いを探りながら、動き出し始めた。 ウィリー「おっ! 動き出したぞ!」 レオ「よし、追うぞ!!」 チャリス「うん!」 そしてレオ達はマッスグマの後を追った。 …そしてしばらく経つと、レオ達はまだマッスグマの後を追っていた。 余りにも時間が 長く掛かったので、彼らもだんだん疲れが出て来た様子。 チャリス「はぁ…はぁ…ま、まだなのぉ…?」 レオ「ぜぇ…ぜぇ…おい、ウィリー…。 お前のポケモン、ホントに探ってんのかぁ?」 ウィリー「おかしいなぁ…やっぱり野生のポケモンの匂いが薄過ぎるのかぁ?」 マッスグマ「………グマ!? グマグマァ!!」 マッスグマは何かに気付いたのか、ウィリーに振り向いて鳴き出した。 ウィリー「おっ! 見つけたのか!?」 レオ「何!?」 チャリス「マジ!?」 マッスグマ「グマァ!!」 マッスグマはそう鳴きながら、前に振り向いて何かを指した。 マッスグマが指している所をよく見ると、そこには緑色の髪みたいな頭に赤くて円らな瞳、 スカートみたいな下半身をした白い体で、まるでバレリーナの姿をしているポケモンが いた。 そのポケモンは、こんな砂漠の中でも生えている植物の葉っぱを集めていた。  そのポケモンが葉っぱを集めている間、レオ達は近くの岩場の後ろに隠れた。 レオ「!? あれは、キルリア!?」 ウィリー「おぉ、こんな所に野生のキルリアだなんて、超珍しいじゃねぇか!!」 チャリス「しかも奇麗で可愛い〜!! 正に女の子にも欲しがるポケモンだわぁ〜!!」 ウィリー「でもこんなトコに野生のキルリアがいるって事は、多分誰かに捨てられたに      違いねぇって事だな!」 レオ「ダークポケモンの研究時に失敗して放置されたポケモンでもあるけど…まだ    分からないな。 ミレイさえいれば、あれがダークポケモンかどうか    見破れるけど…。」 チャリス「でも何で葉っぱ集めてるのかしら?」 ウィリー「そんな事よりも、今の内にゲットした方がいいぜ!!」 レオ「あ、あぁ…。」 レオはそう頷きながらと、岩場から出て、そ〜っとキルリアの後ろに近づいた。 キルリア「…キル!?」 キルリアが振り向くと、後ろにレオがいる事に気付いた。 レオ「!?」 キルリア「キルリィ〜〜〜!!!」 ミワワワワワワワワァ!!!!! キルリアは両手を出し、衝撃波をレオに放った。 レオ「うわっ!? し、しまった!! 見付かっ…て……しまっ………た…………。」 ドサッ!!! そしてレオは倒れてしまい、キルリアは逃げ出した。 それに気付いた ウィリーとチャリスも岩場から出た。 ウィリー「あぁ、しまった!! 逃げちまった!!」 チャリス「おまけに「催眠術」をかけたわ!!」 二人は急いで寝てしまったレオに駆けつける。 辿り着いた後、ウィリーはレオの襟を 引っ張り上げた。 ウィリー「おい、レオ!!! 寝てんじゃねぇぞ!! キルリアが逃げちまうぞ!!!」 レオ「くかぁ〜〜〜〜〜………。」 大声でウィリーは言うが、それでもレオは起き上がらなかった。 チャリス「おぉ〜きなさぁ〜〜〜い!!!」 ゴワァアアアアアアアアアン!!!!! チャリスはどこから持って来たのか分からない 鐘を鳴らし、大きな音を立てた。 レオ・ウィリー「どわぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」 そのためレオは目を覚まし、二人は耳を両手で塞いだ。 チャリス「あは、起きた起きたv」 レオ「何しやがんだ、てめぇ!?」 ウィリー「…その前にそれどっから持って来たんだ?」 チャリス「おほほほ、細かい事は気にしない気にしない♪」 …そしてしばらく経つと、レオ達は再びキルリアの後を追い着いた。 そのキルリアは、 また次の植物から葉っぱを集めていた。 そんなレオ達も、またもや岩場の後ろに隠れて いた。 レオ「くぅ…迂闊だった…。 まさか「催眠術」をかけるとは…。」 ウィリー「やっぱ野生でも注意は必要だな。」 チャリス「今度はポケモンで囲んで捕まえるわよ!」 レオ「おう!! エーフィ、ブラッキー出て来い!!!」 ウィリー「マッスグマも出て来い!!!」 チャリス「キレイハナ、ランターン、行きなさい!!!」 ポポポポポォン!!! レオ達が投げたモンスターボールの中からポケモン達が飛び出し、 キルリアの周りを囲んだ。 キルリア「!?」 その間レオはチャリスのポケモンを見て驚いていた。 レオ「あれ? 前使ってたポケモンと違う…?」 チャリス「一応取り替えたのよ♪」 キルリア「キ、キル!?」 キルリアは逃げ場がない事で慌てていた。 レオ「キルリアはエスパーポケモン! 悪系技に弱いはず!! ブラッキー、    「騙まし討ち」!!」 ブラッキー「ブラキィ〜〜〜!!!」 ドォオオオオオン!!!! ブラッキーは「騙まし討ち」でキルリアに攻撃した。  しかも効果は抜群だ。 キルリア「キルッ!!」 ウィリー「虫系も弱いはずだ!! マッスグマ、「ミサイル針」!!!」 マッスグマ「グマァ〜〜〜!!!」 シュシュシュシュッ!!! ババババババァッ!!! マッスグマは毛皮から 「ミサイル針」を放ち、キルリアに攻撃した。 しかも効果は抜群だ。 キルリア「キルゥ〜〜〜!!!」 レオ「次にエーフィ、「恩返し」攻撃!!!」 エーフィ「エフィ〜〜〜!!!」 バシャアアアアアン!!!! エーフィは「恩返し」でキルリアに攻撃した。 キルリア「キルッ!!!」 チャリス「よぉ〜し、こっちはランターン、「10万ボルト」攻撃よ!!!」 ランターン「ランタァ〜〜〜ン!!!!」 ビリリリリリリリリリリィッ!!!!! ランターンは頭のアンテナから 「10万ボルト」を放ち、キルリアに攻撃した。 キルリア「キルゥ〜〜〜〜!!!」 チャリス「今よ、レオ君!!」 レオ「おう!!」 サッ!!! ヴィイイイイン………!!! レオは左手にネストボールを出し、スナッチ マシンでパワーを溜めた。 レオ「相手は誰かのポケモンじゃねぇけど、パワーを溜めるだけなら捕獲確率が    高くなるかも知れない!! おまけにネストボールは体力の弱いポケモンを捕獲    出来る効力を持つ! 今弱ってるキルリアに十分だ!! さぁ、ネストボール!!     スナッチだぁ!!!」 ヴォウン!!! レオはパワーの溜めたネストボールをキルリアに投げた。 キルリア「!!! キルゥッ!!!」 バシィッ!!! だがキルリアは思いっきりネストボールを叩き飛ばした。 レオ「なっ!?」 ウィリー「捕獲出来ねぇのか!?」 チャリス「うぅ〜〜〜ん、やっぱ体力を弱まるだけじゃダメなのね! じゃあ、      キレイハナ! 「眠り粉」で眠らせて!!」 キレイハナ「ハナハナァ〜〜〜!!!」 サァアアアアアアッ!!! キレイハナは体から「眠り粉」を噴出し、それをキルリアに ばら撒いた。 キルリア「キ、キルッ!? キ………キルゥ………。」 粉を吸ったキルリアは、だんだん眠くなって来た。 ウィリー「よし、今だレオ!!」 レオ「あぁ!! もう一度ボールを…!!」 サッ!!! ヴィイイイイイン………!!! レオは再び左手にネストボールを出し、 スナッチマシンでパワーを溜めた。 レオ「今度こそスナッチだ!!! 行けぇえええ!!!」 ヴォウン!!! レオはパワーの溜めたネストボールをキルリアに投げた。 キルリア「!! キ、キルゥ!!!」 バシィッ!!! だがキルリアは思いっきりネストボールを叩き飛ばした。 レオ「な、何ぃ!?」 チャリス「うっそぉ!? 弱って眠りそうなのにまだ動けるのぉ!?」 ウィリー「何てしぶてぇ奴なんだ!?」 キルリア「キル………キルゥウウウウウウ!!!!!!」 ピカァアアアアアアアア!!!!! キルリアの体は突然光り出した。 その強い光で、 レオ達は目を塞いだ。 レオ「ぐっ!? こ、これは…!?」 ウィリー「しまった…「フラッシュ」攻撃か!!」 チャリス「あのポケモン、そんな技を持ってたの!?」 …光が収まると、レオ達は目を開けた。 気付くとそこにはキルリアがいなかった。 レオ・ウィリー・チャリス「!?」 チャリス「い、いないわ!?」 ウィリー「チッ…逃げやがったか!!」 レオ「でも今の状態だと、そんなに遠くは行ってないはず! 怪我したら早く動けそうも    ねぇからな!」 ウィリー「よし、マッスグマ! もう一度お前の特性でキルリアを追うんだ!!」 マッスグマ「グマァ!!!」 …そしてしばらく経つと、レオ達はある洞窟に辿り着いた。 キルリアはボロボロな 状態で葉っぱを持ちながら洞窟の中へ入った。 そんなレオ達は、また岩場の後ろに 隠れていた。 チャリス「今度は洞窟の中に入ってったわよ!」 ウィリー「洞窟に入ればもう逃げ場はねぇ! 即行ゲットだぜ!!」 レオ「待て、念のために双眼鏡で調べておこう。 中には他のポケモンもいるかも    知れない。 とんでもない奴だと厄介かもな。」 チャリス「そうね。 じゃ、お願いね!」 レオは手にハイテクな双眼鏡を出し、それを洞窟の中に覗いた。 その双眼鏡はズーム 可能で、赤外線モードにもなれる。 レオはそれを使って洞窟を調べていた。 しかも よ〜く見ると、そこにはキルリアの姿が見えた。 そしてキルリアの前に、九匹ぐらいの ポケモン達がいた。 レオ「!?」 レオは双眼鏡でそのポケモン達を見ると、そのポケモンは何とラルトスであった。  キルリアはボロボロな体で、ラルトス達に集めた葉っぱを渡していた。 しかしその ラルトス達はそんなキルリアを心配していた。 レオ「………ラルトスがいる…しかも…子供だ…。」 ウィリー「何ぃ!? じゃあ、あのキルリアはラルトスの母親!?」 チャリス「うそぉ!? 子供いたのぉ!?」 レオ「………そうか…あの葉っぱはラルトス達の食料だったんだ…。 だからあれほど    ボールを投げても弾き飛ばすんだ…。 ラルトス達の世話をするためにゲット    される訳には行かないと…。」 チャリス「そうだったの…。」 ウィリー「…ちと悪ぃ事しちまったなぁ…。」 レオ「……………。」 するとレオは立ち上がり、その洞窟へ向かった。 チャリス「!? れ、レオ君!?」 ウィリー「レオ!? おい、何するつもりだ!?」 そして無言のまま、レオは洞窟の中に入った。 キルリア「キル!?」 キルリアが振り向くと、そこにはレオが立っていた。 それに気付いたキルリアは、だんだん怯え始めた。 キルリア「キ、キルゥ〜〜〜………。」 ラルトス達「ラルゥッ!!!」 ラルトス達はキルリアをかばいながら、レオの前に立ち上がった。 キルリア「キルッ!?」 レオ「………勇気があるな、こいつら。 けど心配するな。 俺はお前の母親を    奪うためにここに来たんじゃない。」 ラルトス達「ラルゥ?」 キルリア「キルゥ?」 その後レオはポケットの中から『回復の薬』を出し、それをキルリアに付けた。 キルリア「キルッ!?」 レオ「おっと、しみれたらごめんな! これ傷を治す薬なんだ。 だからちょっと    我慢してくれよ。」 レオが薬をかけた後、キルリアの傷は完全回復した。 キルリア「キルゥ〜!」 ラルトス達「ラルラルゥ〜〜〜!!」 そんなラルトス達は回復したキルリアに喜んだ。 レオ「…ごめんな、キルリア。 お前をゲットしようとかして…。 まさかお前に子供が    いるなんて、気付きもしなかったよ。 子供がいるんだとしたら、そこまで母親を    奪う事なんて、俺は出来ねぇよ。 ゲットしちまったら、子供達と会えなく    なるもんな。 気持ちは分かるよ。 俺も父さんも母さんもいねぇんだ…。     それに、今までミレイのプレゼントにしようと言う事しか考えてなかったけど、    子供がいちゃあゲットするのも無理だよな。 ごめんな、キルリア。 何も    知らないで傷付けたりしちまって…。」 レオはそう言いながら、キルリアの頭を撫でた。 キルリア「キルゥ………。」 レオ「お前をゲットする事を、諦めるよ。 ここで野生のポケモンとして、子供達を    守るんだな。」 そう言った後、レオはそのまま立ち上がった。 キルリア「……………。」 ラルトス「ラルゥ〜…。」 その時、一匹のラルトスはキルリアに話し掛けた。 その間にも、洞窟の入り口にウィリーとチャリスがレオを見守っていた。 チャリス「レオ君…。」 そしてレオは彼らに振り向き、そのまま入り口の方へ向かった。 レオ「ゲットは止めた。 やっぱあのキルリアをプレゼントにするのは大抵無理だ。」 ウィリー「じゃあ、どうすんだよ、これから?」 レオ「別な奴を探すさ。 ポケモンじゃなくて、別な奴を。」 チャリス「でも間に合うの? もう誕生日まで時間が…。」 レオ「平気平気! その内何とかなるさ!」 キルリア「キル、キルゥ!!」 レオ「!」 レオは振り向くと、キルリアはレオのコートを引っ張っていた。 そのキルリアの側には、 一匹のラルトスがいた。 レオ「ん?」 ―アゲトビレッジ・ローガンの家― …ここはオーレ地方の西にある小さな村、『アゲトビレッジ』。 この村は、かつて ポケモントレーナーであった老人達が住む村で、今ではポケモン達と共に平和に暮らして いる村だ。 時には俺みたいな若いトレーナー達も、ここでポケモンの勉強や修行を したりする。 そんな俺達はその夜、伝説のポケモントレーナーであるミレイの祖父、 『ローガン・サンハーツ』の家にいた。 そこで俺達は、ミレイの誕生日パーティを 開いていた…。 パパパァン!!! レオ達はミレイにクラッカーを鳴らし出した。 レオ達「ハッピーバースデー、ミレイ(ちゃん)!!!」 ミレイ「えへへ、ありがとう、みんなぁ! 何だか照れちゃうなぁ〜…。」 ミレイは照れながらそう言った。 ローガン「ホッホッホッ! ミレイは幸せ者じゃのぅ! こんなにたくさんの友達が君を      祝いに来てのぅ。」 おばあさん「ホントに幸せ者ねぇ〜。」 ミレイ「よしてよぉ、ローガンおじいちゃんに『セツマ』おばあちゃん…。」 ローガン「でぇ、今日でミレイは何歳じゃったっけ? 5歳? それとも20歳かな…?」 ミレイ「…わざとでしょ、おじいちゃん?」 セツマ「もう、おじいさんったら、わざとボケるのはお止し。」 そんな会話の中、チャリスははしゃぎながら立ち上がった。 チャリス「それではぁ〜〜〜!! ミレイちゃんの誕生日を記念して、早速豪華な      プレゼントをミレイちゃんに差し上げまぁ〜す!!」 ウィリー「そう!! まず一番手はぁ〜〜〜…レオ君からでぇ〜〜〜す!!!」 レオ「!?」 ブゥウウウウウウ!!! ウィリーが両手をレオに指し出した瞬間、レオは思わず 飲んでいたジュースを吹いてしまった。 レオ「って、何で俺が先なんだ!? 最初はお前じゃないのか!? そう    決めたんだろ!?」 ウィリー「予定変更! 大体クールなボーイフレンドが先に愛しいガールフレンドに      プレゼントを差し上げるのが常識だろぉ?」 レオ「だぁから俺はぁ…!!!」 チャリス「はいはい、細かい事は箱に積んで、大事な物を出しなさい!!」 ドォン!! チャリスはレオの後ろを強く押し出した。 レオ「どわぁっ!?」 押し出されたレオは、そのままミレイの所まで押された。 ミレイ「レオ…?」 レオ「……………。」 そんなレオは何気に赤面し始めた。 そして赤面中のレオは、ポケットから赤いリボンの付いた白くて丸い包みを出し、それを ミレイに渡した。 ミレイ「え?」 レオ「…俺からのだ…。」 ミレイはそれを受け取り、不思議そうに思った。 ミレイ「………開けてもいい?」 彼女がそう言うと、レオは無言に頷いた。 ミレイはその包みを開けてみると、中から モンスターボールが出て来た。 ミレイ「………!? これって…?」 レオ「…とにかく…開けてみろよ…。」 ミレイ「う、うん…。」 ポォン!!! ミレイはモンスターボールの中心にあるボタンを押し、ボールを 開かせると、中からラルトスが飛び出して来た。 ラルトス「ラルゥ〜!」 ミレイ「!?」 ラルトスが登場した後、ミレイは驚き出した。 ミレイ「こ、これって…!?」 レオ「あ、あぁ…じ、実はな…別にはまった訳じゃねぇけど…コドモネットワークからの    情報が来てな…ちょうど野生のポケモンが現れたって言うんだよ。 だから必死に    見つけて、ゲットして…それからぁ………。 で、でもよ、言っとくけどな、別に    盗んだ訳じゃねぇぞ!? そりゃあ、スナッチマシンは持ってるけど、俺は人から    ポケモン盗んでなんかいねぇぞ!? しょ、証人はウィリーとチャリスに言って    くれよな。 一緒だったし………。 そ、それにぃ………。」 レオは更に赤面し、気持ちを込めて息を吸い込んだ。 レオ「………お、お前…前からポケモン欲しかったんだろ…? だ、だからさ…これで    一緒に…戦えるよな…? ただ見てるだけじゃなく…協力しながらと…一緒に    戦って……………だ、だから………。」 ミレイ「……………。」 そしてレオは、余りにも不器用な感じで、恥ずかしながらと頭を激しく掻き始めた。 レオ「だぁ〜〜〜、もう…何なんだ、俺はぁ!? まるで小学生みたいな喋り方    じゃねぇか…!? だ、だから、俺が言いたいのはぁ…。」 ギュッ!!! レオが次に何かを言おうとすると、ミレイは強くレオを抱き締めた。 レオ「!?」 そんなミレイは目から涙が出そうになりながら、笑顔でこう言った。 ミレイ「…ありがとう、レオ…。 最高のプレゼントだよ…!」 レオ「み、ミレイ…?」 抱き締められているレオは、更に赤くなり始めた。 ラルトス「ラルゥ〜〜〜v」 そんなラルトスも喜んでいた。 ウィリー「くぅ〜〜〜、この色男がぁ!!! いい気になりやがってよぉ〜〜〜!!!」 バキィイイイイン!!!! ウィリーは巨大なピコピコハンマーでレオの頭を殴り込んだ。 レオ「グボォッ!?」 ウィリー「あ、そうそう。 二番手は俺、ウィリーでぇ〜す♪ この大型ピコピコ      ハンマー、ミレイちゃんにプレゼントだ! これ、時々レオの頭を殴ったり      しなよ! もしも他の女と付き合ってる時とか…。」 ミレイ「うわぁ〜!! これはあのソ○ック・ザ・ヘッ○ホッグに出て来る     エミー・○ーズ特製大型ピコピコハンマーじゃない!! 限定品で中々手に     入れないハンマーじゃない!! 探すの苦労したんでしょ!? ありがとう     ウィリー!!」 レオ「何をプレゼントしとるんじゃ、貴様はぁ!?」 レオは頭を出血させながらそう言った。 ローガン「ホッホッホッ! まぁ、何やらともあれ、ミレイに新しい家族が出来たみたい      じゃのぅ!」 セツマ「よかったねぇ、ミレイちゃん。」 ミレイ「うん! ありがとう、レオ!」 彼女は笑顔でレオにそう言った。 レオ「………べ、別に………。」 彼は赤面しながら、顔を隠すように振り向いた。 ミレイ「うふふ、これはあたしからの、お・れ・いv」 チュッ! ミレイはレオの頬にキスをした。 レオ「ぬぉあぉおおお!?!?!? な、何しやがるんだ、お前はぁ!?」 突然驚いたレオは、赤面状態に慌てながらとミレイから離れた。 チャリス「あぁ、やるわねぇミレイちゃん!」 ウィリー「ヘッヘッ、この羨ましい野郎めぇ!」 チャリス「では、三番手はあたし、チャリスちゃんでぇ〜す!! 今日はミレイちゃんの      誕生日を記念して、マジックショーをやりまぁ〜す!!」 ローガン「おぉ、マジックショーかぁ。 何年ぶりじゃろうなぁ〜。」 セツマ「久しぶりだねぇ〜。」 ウィリー「いよっ、待ってましたぁ〜!!」 ミレイ「わぁ〜い、見せて見せてぇ〜!」 レオ以外の全員チャリスに拍手しながらそう言った。 その間レオは、そんな喜ぶ ミレイとラルトスを見ながら、自分も嬉しい感じで笑っていた。 …まぁ、ホントの事は言えなかったかもな…。 ホントはキルリアの傷を回復させ、 そのまま逃がしてやったお礼に、そのラルトスを差し上げてくれたからな。 つまり ゲットしたと言うより、貰っちまったんだけどな…。 …まぁ、これでミレイは長くも 欲しかったポケモンを手に入れたんだもんな。  …でも喜んでいるのはミレイだけじゃない…ラルトスだってそうさ。 …何せあの ラルトスも、今日がそいつの誕生日で、ミレイこそがそいつへのプレゼントなんだからな。  偶然にも思わなかったよ…。 キルリアに教えてくれたからな。  …自分の誕生日も知らない俺だけど、今日は自分でも喜べる日でよかった…。 何せ 今日は、ミレイとラルトス(あいつら)の幸せな笑顔が見られる、最高のバースデー だから…。 〜THE END〜