Present of Happiness クリスマス………。 そう…毎年12月に行われると言う、聖なる夜の日。 クリスマスとは…イエス・キリストの誕生日、喜びの日、奇跡と希望の日などとも 呼ばれている、世界唯一の素晴らしい祝日なのだ。 だが…一人の少女が、その日に大きな問題があった。 カスミ「えぇえええ!? みんなどっか出かけちゃうのぉ!?」 そんな叫び声で言う、ハナダシティジムの美人四人姉妹の末っ子、カスミ。 姉である サクラ、アヤメとボタンは、鞄を持ちながら、カスミに返事した。 サクラ「そうなのよ。 ポケモン大好きクラブのクリスマススペシャル番組出演のために     出かけなければ行けないから…。」 カスミ「だからあたしが留守番って言うのぉ!?」 アヤメ「しょうがないわよ。 招待状はあたし達三人だけしか貰ってないんだから…。」 ボタン「ま、出がらしはお留守番お願いねぇ〜!」 カスミ「誰が出がらしよ、誰がぁ!?」 サクラ「ごめんね、カスミ。 帰りにクリスマスプレゼントのお土産でも買いに来るから、     その時までお留守番お願いねぇ!」 アヤメ「じゃ、あたし達もう行くから! もう直ぐバスが来る時間だから!」 ボタン「お留守番頼んだわよぉ〜!」 カスミ「あ、ちょ、ちょっとぉ!!!」 三姉妹達は、そのままカスミを置いて、出かけてしまった。 余りにも寂しさに落ち込む カスミは、そのまま床に座り込んだ。 カスミ「そんなぁ〜…聞いてないよぉ〜…。 今夜クリスマスパーティでもしようと     思ったのにぃ〜…。」 そう。 カスミは今夜クリスマスパーティを開こうとしていた。 12月になったら絶対に 開くと言う決心で、今夜予定していた。 だが、姉達が留守だと、盛り上がらない事で カスミは落ち込んでいた。 その後、カスミの後ろから幸せポケモンのトゲピーがトコトコと現れた。 トゲピー「チョッケェ?」 カスミ「あ、トゲピー…。」 カスミは寂しそうにトゲピーを抱っこする。 しかし、トゲピーは状況を知らないまま、 頭に「?」しか浮かばなかった。 カスミ「ねぇ、聞いてよぉ。 今夜クリスマスパーティを開こうと思ったのに、     お姉ちゃん達あたしを置いてどっか行っちゃったんだよぉ。 酷いでしょ、     いくら末っ子だからと言って一人ぼっちにさせるなんてぇ…。」 トゲピー「チョケェ?」 カスミ「…でも、これからどうしようかなぁ…。 まだパーティ開きたいしぃ………。      そうだぁ!! 友達にでも電話しようっと! マサラにいるケンジに、     エンジュにいるサクラちゃんに、ナナコにイミテ!! 電話番号持ってて     よかったぁ! 早速誘いに電話してみようっと!」 ―マサラタウン・オーキド研究所― オーキド博士と供に研究しているポケモンウォッチャーのケンジは、電話でカスミと 話していた。 ケンジ『ごめぇ〜ん、今日は行かれないんだぁ! 実は博士、ポケモン協会へ     外出しててね、今は研究所に留守番頼まれたんだ。 だから…。』 カスミ「えぇ!?」 ―エンジュシティ・サクラの家― サクラ『ごめん、カスミちゃん! ホントは行きたいんだけど、実は今夜舞妓で舞台     出なきゃ行けないから…。』 カスミ「え、今夜なのぉ!?」 サクラ『ごめんね、せっかく誘ってくれて…。』 カスミ「あ、ううん。 気にしないで。」 ―イミテハウス― イミテ『ごめぇ〜ん! 実は今日クリスマスのショー開いちゃって、そこでモノマネの     パフォーマンスに出なきゃ行けないから…。』 カスミ「そうなんだぁ…。」 ―ワカバタウン・ナナコの家― ナナコ『ごめん! 今日家でパーティ開くっちゅー事になってんねん! だからこのまま     欠席出来へんわ!』 カスミ「そうなの…。」 そしてしばらく経って、カスミは電話を止めた。 そんな彼女は、落ち込みながら ソファーの上に倒れていた。 カスミ「はぁ〜…やっぱ誰も電話してもみんな忙しいよねぇ…。」 コダック「コッパァ?」 トゲピー「チョッケェ?」 全く状況も知らない二匹は、そのままカスミを見詰めていた。 カスミ「…サトシも電話してみたいけど………あいつ、ここにはいないからねぇ…。」 そう、あれからジョウトの旅が終えて以来、カスミはサトシと別れた。 そんなサトシは、 タケシと供に未知なるポケモンが生きる大地、ホウエン地方へ旅立って行ったのだ。  そんなカスミはサトシを誘おうとしても、ホウエン地方はカントーよりも遥かに遠い。  電話するのも無理な事。 それに、サトシにはポケギアもない。 電話できないのも、 当然の事だろう。 しかし、そんな落ち込むカスミは、何かを思い込んでいた。 カスミ「………サトシ………今どうしてんのかなぁ…。」 そうポツリと吐き出すカスミ。 そしてカスミはハッと我に戻り、起き上がった。 カスミ「!? な、何であいつの事思い上がるのよぉ!? 別にあいつ何か…!!」 コダック「コダッ!?」 トゲピー「チョケ!?」 余りにもカスミの激しさに驚く二匹。 カスミ「…それに………例えあいつを呼ぶとしても…あんな遠い所からここ来る事なんて     無理だし…。」 コダック「…コッパァ?」 トゲピー「チョゲェ?」 心配そうにカスミに見詰める二匹。 そんな彼女が振り向くと、二匹が心配している事を 気付く。 カスミ「! な、何心配してるの? 大丈夫だって! サトシやタケシやケンジとかダメ     なら、他の人を呼べばいいのよ! 今夜は年に一度だけしか行われない     クリスマスだから、落ち込む必要はなし! だから、パーティが開くまで気に     しないで!」 コダック「グワッパァ!!」 トゲピー「チョッケェ〜!」 カスミ「…けど次は誰に電話しようかなぁ…。 シゲルだとどうせ彼女達とデートとか     パーティしてるだろうし…。 ヒロシとハヅキはきっとどっか旅立ってるし…。      トオルもどっかで写真撮りに夢中になってると思うからぁ…。 ………そうだ!      どうせあたしもジムリーダーだから、他のジムリーダー達も誘えばいいんだわ!      一応カントーとジョウトのジムリーダー達の電話番号も持ってるし、早速誘いに     来ようっと!!」 ―クチバシティ― マチス『ソーリー! 今日は実はアクア号のパーティに招待されちまってなぁ、今夜     来れねぇんだ。 だからプリーズ・フォギブ・ミー!』 ―ヤマブキシティ― ナツメ『ごめん。 今夜コーラス部に参加して、歌に出なきゃ行けないから…。』 ―タマムシシティ― エリカ『申し訳ございません…。 実はこちらの香水店でクリスマスプレゼントを     お買いになさるお客様が大勢来ているので、なかなか席が外せません。      ですから、また来年でも………あ、でも大晦日ならあいてますよ!』 ―セキチクシティ― キョウ『…すまぬ。 今日もアヤと忍者の修行もせねばならんので、お主の所へ     行かれぬのでござる。 この意見はまた今度と言う事に…。』 ―グレン島― カツラ『すまん。 こっちは知り合いと旅館で泊りに行く事になってな。 悪いが出席     不可能だ。』 ―キキョウシティ― ハヤト『すまないが、今夜は無理だ。 新しい門下生に稽古を教えなければならない     から…。』 ―ヒワダタウン― ツクシ『ごめぇ〜ん、こっちはアルフの遺跡の調査に出かけなきゃ行けないから…。』 ―コガネシティ― アカネ『ごめんなぁ。 うちな、今夜クリスマススペシャルのラジオ放送に出演せな     あかんねん。 ラジオアナウンサーのクルミとアオイとな。 だから今夜あかん     わ。 ホンマ堪忍な!』 ―エンジュシティ― マツバ『…すまない。 実は何かの依頼を受けてしまってな、今夜出かけなければ     ならないんだ。 後、ミナキも俺と一緒に行くから、あいつに電話するのも     ダメだからな。』 ―アサギシティ― ミカン『ごめんなさい。 こちらの方では輝きの灯台でパーティをする事になってるの。      だから、申し訳ございません。』 ―タンバシティ― シジマ『悪いが、今日入ったばかりの弟子に稽古を教えなければならないんだ。 だから、     今日は無理だ。』 ―チョウジタウン― ヤナギ『悪いが、こっちは色々と忙しくてね、そっちには行かれんよ。』 ―フスベシティ― イブキ『ごめん…今夜ちょっと用事があって…。 ちょっと誰かと出かけなきゃならない     から、今日は出られないわ。』 ズーーーーーーーーーーーン…。 しばらく経ってから、さすがにジムリーダー全員誘おうとしても、呆気なく断れ、 カスミは遂にダウンした。 余りにもショックで、床に跪き、両手を床に落としながら、 完全に落ち込んでいた。 そんな状況を見る彼女のポケモン達も、思いっきり冷や汗を たらしていた。 トゲピー「…チョ、チョケェ?」 コダック「コップァ?」 サニーゴ「サニィ〜?」 ポケモン達は心配そうに、カスミに駆けつけた。 カスミ「………みんな…?」 スターミー「フゥーフゥー!!」 ニョロトノ「ニョロニョロォ!!」 ヒトデマン「ヒィヤァ!!」 タッツー「タツタツゥ!!」 サニーゴ「サニサニィ!!」 コダック「コッパグワッパァ!!」 ポケモン達は落ち込むカスミを励まそうとしている。 励ましの声を聞いたカスミは、 寂しげに微笑んだ。 カスミ「…ありがとう、みんな。 でも心配しないで。 例え誰もいなくても、あたし達     だけパーティ開こうよ! そう…あたし達だけの………。」 元気そうになろうとするカスミだが、やはり再び落ち込む。 励まそうとしたポケモン達 でも、なかなか上手く行かず、落ち込むカスミを心配そうに見守っていた。 そしてその夜…カスミは窓を覗きながら、自分の部屋のベッドに座っていた。 余りにも 寂しそうに、窓の外を眺めていた。 そんな彼女を見守るポケモン達も、今でも心配し 続ける。 さすがにパーティを開く場合がなくなったそうだ。 その後、カスミはベッドから立ち上がり、ポケモン達に振り向いた。 カスミ「………ねえ、みんな。 散歩にでも行こっか! ここにいるだけじゃ退屈だし…     それに、せっかくのクリスマスだから、どっか行っちゃおう!」 トゲピー「チョッケェ!」 コダック「コッパァ!」 そう言いながら彼女は、ピンク色のジャケットを着て、外へ出た。 夜の道。 冷たい空気に包まれ、周りは多くのクリスマスライトと歩き回る人々。  そして路上に流れ込むクリスマスソング。 そんなカスミはトゲピーを抱えながら、 寂しそうに歩いていた。 コダックは、そんな彼女の隣に歩いていた。 カスミ「…今夜も寒いわねぇ…。」 トゲピー「チョッケェ…。」 カスミ「…どこへ行こうかなぁ…。」 コダック「コッパァ?」 カスミ「………そうだ! この先にある丘に行ってみよう! そうすれば、この街の     明かりも見えるかもしれない!」 ―丘― カスミは丘を登り、近くの石に座り込んだ。 さすがに長く歩いたせいか、彼女は疲れ 切っていた。 もちろん一緒にお供しているコダックも、もうヘロヘロ状態である。 カスミ「はぁ…はぁ…や、やっと着いたわ…。」 コダック「グワァ…グワァ…。」 カスミ「…! うわぁ〜〜〜!!!」 カスミは街の方へ振り向いたら、そこには奇麗に輝いている街の明かりが見えた。  そんな夜景を見るカスミとトゲピーとコダックは、感動していた。 カスミ「奇麗〜〜〜!! クリスマスのハナダシティってこんなに奇麗なんだ〜!」 コダック「コッパァ〜!!」 トゲピー「チョッケェ〜!!」 カスミ「こう言う夜景…サトシにも見せたかったなぁ………。」 サトシの事を思い出したカスミは、再び落ち込み始めた。 コダック「コパァ?」 トゲピー「チョケ?」 カスミ「………サトシ………。」 そんな寂しさを大きく味わい始めたカスミは、思わず目から涙がこぼれ始めた。 コダック「ゴパ!?」 トゲピー「チョッケェ?」 カスミ「………いくら何でも………寂しすぎるよ………。 クリスマスでも………     寂しすぎるよぉ………。」 そしてカスミは、とうとう寂しさに泣き崩れ始めた。 コダック「コッパァ〜…。」 トゲピー「チョッケェ…。」 この際何も出来ないコダックとトゲピーは、泣き崩れたカスミを見守る。 だが、その時…。 コダック「…コパ!?」 トゲピー「チョゲ!?」 二匹は何かを気付くように、暗闇の方へ振り向いた。 その行動に気付いたカスミは、 泣き止もうとした。 カスミ「うっ………どうしたの、コダック、トゲピー…?」 コダック「コパァ!!」 トゲピー「チョケ!!」 トゲピーはカスミから飛び離れ、コダックと供にどこかへ走り去る。 カスミ「あ、ちょ、ちょっと! コダック!! トゲピー!! どこへ行くのぉ!?」 その間、丘の別の場所で、一人の少年が石に座っていた。 暗くてよく見えないが、彼の 肩には一匹のピカチュウが乗っかっていた。 そんな彼らは、ハナダシティの夜景を見て いた。 ???「ここがハナダシティなんだぁ…。 久しぶりに来たけど、こんな奇麗な夜景を     見るの初めてだよ…。 さすがクリスマスだなぁ…。」 ピカチュウ「ピッカッチュウ!」 ???「…あいつも、あれからどうしてんのかなぁ…?」 その後、少年の隣からコダックとトゲピーが現れた。 ???「!?」 コダック「コパァ!?」 トゲピー「チョッケェ!!」 ピカチュウ「ピッピカァ!? ピカカァ!?」 ???「お、お前達は、あいつのコダックとトゲピー!?」 コダック「コッパァ〜!」 トゲピー「チョゲプルルルルィ〜!!」 ???「で、でもどうして、お前達がここに…!?」 カスミ「コダックぅーーー!!! トゲピーーー!!!」 そしてカスミが、コダックとトゲピーに駆けつけた。 カスミ「もう、一体どこへ行………!?」 ???「!?」 カスミ「………あ、貴方は………。」 ようやく見えたら、彼は赤い帽子に青い上着、青いジーンズに黒いシューズをしていた。  そう、彼の正体が、あのサトシなのだ。 カスミ「サトシ!?」 サトシ「カ、カスミ!?」 カスミ「………う、うそ…ほ、ホントにサトシ…?」 サトシ「…いや、お、お前、何でここに…?」 カスミ「え…!? あ、あたしはここで夜景を…で、でもでも…どうして!? あんた     確か、ホウエン地方へ行ったんじゃ…!?」 サトシ「ああ…ちょっと事情があってここに戻ってきたんだよ。 タケシが「俺は     ホウエンに残るから、先にカントーに戻ってやるべき事を済ませ」って言われて、     戻って来たんだ。 まあ、明日から直ぐホウエンに戻っちまうけどよ…。」 カスミ「そ、そうなの…。」 サトシ「ところで、お前もどうなんだ? あれから手続き、まだやってるのか?」 カスミ「あ、う、うん…今の所…って言うか、サトシ…。 その格好、どうしたの?      前のと全然違うけど…。」 サトシ「え?」 そう、サトシの服装は、カントー〜ジョウトの旅の時の服装とは違って、かなり違って いた。 あの緑三角形のトレードマークのついたポケモンリーグ公認キャップでさえも、 なぜか緑モンスターボール模様に変わっていた。 サトシ「あ、ああ…これか? ホウエン地方へ行く時、ちょっとイメチェンをしてな…。」 カスミ「イメチェンって………けどまぁ…前よりも…カッコよく…なってるよ…。」 サトシ「え…?」 カスミ「…あ、それよりも、何なの、その「やるべき事」って…?」 サトシ「あ、ああ、それ…? あのさぁ、今日クリスマスだろ? 実はさ、お前にこれ     渡すために…。」 カスミ「え…?」 サトシはポケットから何かを探し始め、そこからあるネックレスが出て来た。 その ネックレスは、金色に輝く、カイオーガの形をしていた。 カスミ「…こ、これは…?」 サトシ「ホウエン地方へ旅立っている間に、買った物なんだ。 色々のポケモン勝負に     勝って、稼いだ金で手に入れた物なんだ…。」 カスミ「…このポケモンは…?」 サトシ「ああ、カイオーガと言ってな…海底の神とか呼ばれてる伝説のポケモンなんだ。      まあ、おっかねぇ顔してるけど、これでもカッコイイんだぜ! それに…お前、     水系ポケモン大好きだったろ? だから、お前に似合うかなぁと…思って…。」 カスミ「…!」 サトシ「…まあ、本当は船便で送ろうかなと思ってたけど、それじゃあ時間が掛かる上、     顔も出さずに渡すんじゃなんだから…特別に、ここへ戻って、手渡しでもしよう     かと…。 後、本当はお前に自転車にでもしようかと思ったんだけど、ちょうど     金が足りなかったから、これに…な。」 カスミ「サトシ…。」 サトシ「…あ、後さぁ…。 他にも、お前にこう言いたかったんだ…。 本当は電話で     言うつもりだったんだけどぉ…実際顔を合わした方が正しいなと思ってぇ…。」 カスミ「………?」 サトシは顔を赤く染めながら、こう言った。 サトシ「…もし、そっちの手続きが全て終わったら………また、俺と一緒に…来ないか…?      一緒に…ホウエンで…歩いて…。」 カスミ「!」 その間、沈黙が走った。 サトシ「………って…まあ、そう言う事なんだけどさ。 まあ、お前がずーーーっと     忙しくなるっつーのならしょうが………!!!」 サトシがカスミを見たら、彼女はネックレスを見ながら、目から涙がこぼれ始めていた。  しかも、かなり止まらないほどの涙を…。 サトシはその行動を見て驚いていた。 サトシ「…カ、カスミ…?」 カスミ「……………。」 その時、カスミは涙を流しながら、サトシを抱き締めた。 抱かれたサトシは、そのまま 顔を赤く染め始める。 サトシ「!?」 カスミ「………ありがとう………。」 サトシ「…え?」 カスミ「………このネックレスと…サトシの言葉………あたしにとって…最高の     クリスマスプレゼントよ………!」 サトシ「カスミ………。」 サトシを抱き続けるカスミ。 そんな心配をしていたコダックとトゲピーは、安心する ように微笑んだ。 もちろんピカチュウも微笑んだ。 その時、夜空から雪が降り始めた。 その雪は、カスミとサトシのいる丘と、ハナダ シティと、全体に降り始めて来た。 サトシ「雪だ…!」 カスミ「奇麗…。」 サトシ「…今日はクリスマスだからな!」 カスミ「……………。 ねぇ、サトシ…。」 サトシ「ん?」 カスミ「…さっきの言葉の答えなんだけど…。」 サトシ「え?」 カスミ「…あたしも…あたしもサトシと行きたい…。 自分の知らない、新しい世界を、     サトシと一緒に…。 もしもこっちの手続きが全て終わったら…あたし、     サトシの後を追うわ。 そして…前みたいに…一緒に…あの楽しい冒険に…。      だから………その時までに………待っててくれるかな………?」 サトシ「カスミ………ああ。 必ず待ってるよ。 いつでも、どこでも、俺はお前の事を     待ってる…。 必ず待ってるから…。 また…一緒に行こうな、カスミ。」 カスミ「………うん!」 寂しさに覆われていたカスミには、彼女の喜びによって、悲しみが立ち去った。 その 喜びは、今でもこの粉雪に与えられ、世界を覆われ始めた…。 そう、クリスマスは喜びと奇跡の日…。 世界唯一素晴らしい祝日…。 もしも自分に寂しさと悲しみが来たら、きっと必ず、自分の心に「喜び」と言う奇跡の 輝きが訪れるだろう。 そう、喜びこそ、クリスマスの一つ…。 喜びこそ、奇跡と希望を輝かせる源…。 みんなにも…素晴らしいクリスマスを過ごせますように………。 MERRY CHRISTMAS…