ポケットモンスター小説版
特別編 家族の絆

あれからセフィロスとの戦いが終えてから二日も経ち、ここはあるどこかの高原。 そこ
には、シュウの親父がいた。

シュウの父「ふぅ、いい風だな、今日は! いい天気だぜ!」

…その間、彼の前に何者かが現れた。

???「…やっぱりここにいたのか。」
シュウの父「!」

親父さんが振り向き、その人物を気付いた。 そう、人物の正体は、ゼトラだった。
シュウの父「おお、お前は確かあの時の! いやぁ、久しぶりだな! こんなトコで何
      やってんだ? いい天気だからお散歩でもしてんのか?」
ゼトラ「…お前を探すためにここに来た。」
シュウの父「ほう、アポなしでか? まあ、いいぜ! 話は何でも聞くからよ! それ
      より、シュウや母さんはどうしてんだ? 母さんは無事退院したか? 
      シュウは元気してっか? まあ、あいつは元気してるだろうよ! あの性格
      と根性ならいつでもくたばりゃしねぇからよ!」
ゼトラ「……………。」
その後ゼトラは、ポケットからモンスターボールを取り出した。
シュウの父「?」
ゼトラ「お前にこれを見せるために来たんだ。 中には幻のポケモンミュウが入っている。 
    元々俺の仲間のだが、こっそりスッたんだよ。(本当は行けねぇんだけどよ)」
…おいおい。(汗)
シュウの父「ほ、ホントか!? じゃあ、早速俺にくれないか!? 早速研究したいんだ! 
      ちょっとだけでも借りてもいいか?」
ゼトラ「……………フン、こんな物のためにわざわざ家族を放ったって言うのかよ?」
シュウの父「何?」
ゼトラ「お前分かっているはずだ、お前の家族がどれほど悲しんでいるのかを! お前は
    愛する家族を放っている間、いつも辛い思いをしてんだぞ!! それを平気で
    家族を捨て、ミュウ(こんな物)の事しか考えながら探しに行くなんて、それ
    でもお前はあの家族の一味か!?」
シュウの父「!」
ゼトラ「…あいつらは今でもお前が帰って来るのを待っているんだぞ。 長い月日も
    経ってからも…。 お前さえあいつらの元へ戻っていれば、元の幸せに戻れる
    はずなんだぞ。 それなのにミュウ(こんな物)のために家族を放っておく
    なんて………それが分からねぇのかぁ!?」
シュウの父「……………。」
ゼトラ「…俺はもう見たくねぇんだよ…家族の一味を失ったそいつの辛い、悲しい顔をよ
    …。」
シュウの父「………なあ、一つだけ聞くが、どうしてそこまで分かるんだ…?」
ゼトラ「………俺には分かるんだよ。 そう言う気持ちをな。 俺みたいに味わいたくは
    ねぇからだ。」
シュウの父「え?」
ゼトラ「…お前には知らないだろうが、俺は生まれた頃から家族なんていなかった…。 
    それ以来、俺の家族は誰だったのか、どこへ行ったのか、色々疑問をさしていた
    …。 もちろん、今でも自分は誰なのかも、知らなかった…。 家族のいない
    俺は、長年も孤独に生き続けていた。 ガキの頃からここまでと…。 けど、
    俺には家族がいなくても、家族の気持ちぐらいは分かる。 一緒でどれほど幸せ
    なのかも、離れてどれほど辛いのかも…全部分かる。 だから俺は他の家族を、
    俺みたいに味わいたくねぇんだ。 …その一味のいない、孤独感を…。」
シュウの父「……………。」
しばらくの間沈黙となった。
シュウの父「………確かにお前の言う通り、あいつらに俺がいないと幸せになれねぇんだ
      よな。 今まであいつらを放っておいた俺も、とても悪く思い、後悔したさ。 
      けどよ、前にもお前に言ったろ? 「別に永遠に会えなく訳じゃない。 
      こっちの仕事が終わったら、そっちに戻るつもりだ。 家族をこれ以上
      ずーーーっと放って置く訳には行かねぇからな」ってよ! ミュウはもう
      誰かにゲットされちまったのならしょうがねぇけど、俺には他に仕事が
      あるんだ。 ジョウトの方で、俺の力が必要となる研究会があってな。 
      あるポケモンを調査と研究するために俺の力が必要だとよ。 だから、
      それを終わってから、あいつらの元へ帰るつもりさ。 母さんにも前病院で
      こう言ったんだよ。 「俺とお前達がどれだけ離れていたとしても、俺達は
      ずーっと家族のままだ」って。 だからさ、離れたとしても、もちろん姿が
      見えなくても、俺はあいつらの側にいるんだ。 だからよ、こっちの仕事が
      全て終わったら、そっちに戻るよ。 元の幸せな家族として…。 な? 
      これで悪くねぇだろ?」
ゼトラ「………フン、お前みてぇな研究者はいつも勝手だ。 もちろんその性格も俺には
    理解出来ねぇ…。 まあ、お前がそう思うんなら勝手にするといい。 俺みてぇ
    に味わったら、俺は知らねぇからな。」
シュウの父「孤独にゃならねぇさ! 「必ず帰って来る」って信じていれば、決して孤独
      にはならねぇよ! いつまでもな!」
その後親父さんは、ポケギアを見た。
シュウの父「おっと、やべっ! そろそろ仕事に戻る時間だ! じゃあ、俺は戻るぜ!」
親父さんは振り向こうとする時、もう一度ゼトラの方へ振り向いた。
シュウの父「あ、そうそう。 ゼトラとか言ったな? 確かお前、生まれた頃から家族が
      いないって言ったな? 俺が言うもんじゃねぇけど…「昨日の家族」が
      いなくても、お前には「今の家族」がいるだろ? 信頼する大切な友…
      それがお前にあるだろ?」
ゼトラ「……………。」
シュウの父「…じゃあ、俺もう行くからさ! けどこの事だけを忘れるなよ。 俺は絶対
      …絶対にあいつらの元へ帰る。 そして、今までの幸せだった家族に戻る…
      ってな。 じゃ、あいつらをよろしく頼むぜ! バッハハ〜イ☆」
そして親父さんは、そのまま歩き去った。 ゼトラは彼の去って行く後姿を見た後、少し
笑み、爽やかな風の吹く青い大空へ見上げた。

ゼトラ「………家族か………。 俺に本当にいるんだろうか………本当の家族が………。」

続く…。

ソニックの後書き:
これも第一章終わった記念に書いた特別編です。 テーマは「家族愛」なんですが…
中途半端なストーリーですね。(汗) 何か、これでいいのか迷っちゃいます。(笑) 
家族の事に関して、ゼトラにも深い秘密が隠されているんですが、それはもっと先の話に
語れますので、期待してください♪ それでは、「今度こそ」次回「オレンジ諸島編」、
お楽しみに♪(おい)