これから、何かが始まる。 その予感は確かにあった。いつか、そのときが来るだろうと思っていた。 ただ・・・ その時が、4人一緒になるとは、思って無かっただけで・・・ ザ・ラブストーリー 序章『始まりへの序曲』 思えば、いつもこいつにはひやひやさせられてきた。 こいつが産まれた時、俺とスイキは子供ながらにただ喜んだ。 こいつが・・・ソウトが、事故に遭うまでは。 あの時の事は、よく覚えている。四人目に、やっと女の子のチサネが産まれて、その退院の時だった。事故に遭ったのは。 信号無視の車に轢かれて、生死の境を彷徨った。それで、やっと10日目に意識が戻ったけど・・・ 『奇跡でも起きない限り、神経痛と痙攣は一生続く。』 そう、医者に言われた。 両親は優秀なポケモントレーナー。無論、俺も、スイキも、そしてソウトも、両親と同じ道を歩む・・・そのつもりだった。 だからソウトが、ハンデを持ってでもポケモントレーナーになりたい、そう言った時も、誰も反対の言葉を口にしようとしなかった。 そして、俺とソウトは、故郷のワカバタウンから遠く離れたこのホウエン地方、カナズミシティまで来ていた。目的地は、フエンタウン・・・ 神経痛と痙攣を治す方法・・・こいつがトレーナーになるって言った時から、俺達家族は、その方法を模索してきた。 そして、最近になってある医者に言われた一言・・・ 『フエンタウンの、温泉療法なら、あるいは・・・』 即決だった。 ただ、あの辺りは野生の炎ポケモンが多い。草系をメインに構成されているソウトのチームじゃ多少不利。結局、一番近くにいた俺が付き添うことになった。だけど・・・ 「一人で行く!?んな、無茶だろ!?」 「大丈夫。いままでだって何とかなったんだから」 「んなこと言ったって、ソウト、お前な・・・」 「だから、大丈夫だって。それに、これは僕の問題なんだ。ライマ兄さんが心配してくれる気持ちは分かるけど、やっぱり迷惑はかけられないよ。」 「迷惑って、そんな事は・・・」 「そう言うと思ったよ。でも、僕にばっかりかまってくれなくても良いよ。そんなんだから、スイキ兄さんやチサネに『ブラコン』って言われるんじゃないか・・・」 「あのな・・・」 「それに、兄さんももう18でしょ。そろそろ彼女ぐらい作ったらどうなの?」 「おい、ソウト、お前俺がどんな状態だか知って・・・」 「恋愛恐怖症。15の時一回ふられてから、それが怖くて恋愛できない。そしてブラコンに陥る。」 「う・・・さりげなくキツイとこ突いて来るなお前・・・それに、恋愛できないってのは正確じゃないぞ。現に・・・」 「え、好きな人いたの?」 「あ・・・」 「・・・やっと自白したね。じゃ、僕は行くけど、兄さんはこれからどこ行くの?やっぱりヒワマキの方?」 「・・・ちょっと待った。」 「何?」 「・・・何でそこまで知ってるんだ?」 「何でって・・・スイキ兄さんが多分そうじゃないかって言ってたんだけど・・・あ、兄さん、また自白した。」 「!!ソウト、お前なーーーーーーー!」 「ははっ、じゃあねー。」 「ソウト、待てー!」 が、一足早くソウトはトロピウスに乗って飛んでいってしまった・・・ 「って、ソウトの奴、いつの間にトロピウスなんてゲットしてたんだ・・・?」 そらを飛べるポケモンがいないため、これでは追いかけられない。 「・・・ちぇっ・・・スイキの奴、後で覚えてろよ!」 結局、黒幕(だと思われる)スイキに怒りが向く。まあ、水系中心のあのメンバーなら、電気系中心のライマのメンバーはまず負けないだろう。今は、アサギの辺りにいるとか・・・ そして、あれだけ言われながらも、彼の足はヒワマキシティへ向かって動き始めていた・・・ 続く・・・ 筆者のぼやき ぶっちゃけ、ネタ切れのリハビリ作品だったりする(爆)。冬休み中に仕上げられたら成功だと言うことで。 さて、これからオムニバス形式・・・って言うんだっけ?まあ、そんな感じで、この4兄弟(と言っても、今回は長男のライマと三男のソウトしか出ていませんが)の恋愛模様を書いていく予定です。 相手ですか?うーん・・・『殆どの人にパターンが読まれて、最後のチサネ編は相手が登場前にばれてしまう』に全財産賭けても良い位ですかね。 さて、終章まで何とか書き上げられるでしょうか?頑張りますので、期待0で『まあ見てやるか』な感じでもいいので待っててくれれば幸いです。それでは。