何なんだこの嫌な予感は・・・ ミカンとデート(そういうことにしておく)の最中だってのに、何で・・・ そして、不幸その1! 俺の目の前をニューラが横切った・・・不吉だ・・・ ザ・ラブストーリー 四章『銀の夜想曲』 「・・・不吉だ・・・」 「そ、そう?確かに、目の前をニューラに横切られると不吉とは言うけど・・・迷信じゃないの?」 「いや、今日ばかりはこういう迷信も本当に思えてくる・・・」 何せ・・・ 今朝、ライマ兄から恋愛の勝利宣言を出され、気晴らしに釣りをしていたら巨大コイキングのじたばたで思いっきりぶっ飛ばされたのだ。そしてニューラに目の前を横切られる。これは、今日が厄日となる予兆なのか・・・? と、そんな事を考えながら歩いていたら・・・ ツルッ! 「どわっ!」 お約束的に落ちていたバナナの皮を踏んづけ、見事にすっ転ぶ俺! 「す、スイキ君、大丈夫!?」 「あ、ああ・・・ったく、何で街中にこんなのが落ちてるんだよ!昔のギャグマンガじゃあるまいし・・・」 確かにギャグマンガではない。が、ギャグ小説である。 「突っ込むな、筆者!」 ごめんなさい。 さて、どうにか無事に食事を終えた俺達。そして店から出てきた・・・その時! 「あー、スイキ兄ちゃん!何やってんの?」 げ、この声は・・・ 「チ、チサネ!?な、何でお前、こんな所に!?」 四兄妹の末っ子、紅一点のチサネ初登場。 「別に、ただ通っただけ。それより、兄ちゃん・・・」 「な、何だよ・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 ・・・ 「・・・ラブラブですねぇ♪」 そう来たか! 「ちょ、ちょっと待て!俺とミカンは、現時点ではまだそんなんじゃ・・・」 「『現時点では』ね・・・じゃあ、これから進展するんだ。間違いない。」 「断言していいのかよ!?」 「うん。それより、こういう事は大声で言うもんじゃないと思うけど?」 「あ・・・」 ふと気が付くと、周囲の視線を(いろんな意味で)集めちゃってる俺達!しまった!ミカンは完全に赤面しているし、俺も冷や汗がだらだらと・・・ しかし、何故チサネはこの状態で平然としていられるのだろうか・・・? って、そんな事考えてる場合じゃない! 「・・・お騒がせしましたー!」 ミカンの手を引っ張って全速力で逃走する俺!やっぱり今日は厄日だー! と、とりあえず逃げ切った俺達。現在地は港だ。 「・・・やっぱり今日は厄日だ・・・間違いない・・・」 「そ、そうね・・・」 と、言ってる矢先に! 「どわーーーっ!」 「え、スイキ君!?」 ザッブーン! 足を踏み外して見事に海に落っこちる俺! ちなみに今は冬!今日の最高気温は10℃! 「わ、わ、ジュゴン!頼むー!」 とりあえずジュゴンを出して助けてもらう俺。ってか、何やってるんだ俺は・・・トホホ・・・ 「た、助かった・・・ヘックシ!」 「スイキ君、大丈夫?」 「大丈夫じゃない・・・ヘックシ!」 やばい。このままでは風邪を引いてしまう。ちょっと病気がちだったお袋の遺伝らしいが(ソウトは別格)、しかしそれならライマ兄とチサネは何故それが遺伝してない!いや、そんな事より・・・ 「さ、寒い・・・ヘックシ!」 「ス、スイキ君・・・」 そして、アサギジムまで戻ってきました・・・ 「うー・・・早くも風邪引いたかも・・・」 「本当ね・・・38℃よ。」 「マジ?はぁ、やっぱり今日は厄日なんだ、間違いない・・・」 大体、何で俺がこんな目に遭わなくちゃいけないんだよー・・・ 日頃の行いが悪い。 筆者、病人に追い討ちをかけるな。 失礼。 と、そんなこんなで眠ってしまったようだ。外はすっかり真っ暗だ。熱が下がった気配は・・・無い。 「今・・・7時か・・・今日は、確か火曜日・・・週ポケ・・・」 「今日は特番で休みみたいよ。」 「え・・・ミカン?」 そうか、今日は週ポケは休みか・・・ちょっと嫌だ。って、そんな事より・・・ 「はい、晩ご飯。」 「ありがと・・・おお、お粥だ。思い出すなー、俺がアサギで暮らしてたとき、風邪気味の時に外に出て、気が付いたら倒れてて、ミカンが看病してくれたんだよな・・・」 「あ、あの時は、本当に心配で・・・」 「ああ、分かってる。気が付いたら大泣きしてたよな・・・」 「・・・」 「で、頑張ってお粥作ってくれたよな・・・」 「ええ・・・」 「今までの中で、あれが一番おいしいお粥だったな・・・ははっ、やっぱり、ミカンのこと好きになってよかった・・・」 「え・・・」 「あ・・・」 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 何でそういうことをこうもあっさりと言うかな俺はー! 「え、えっと、その・・・」 「・・・嬉しいです。私も、スイキ君が好きだから・・・」 「!?え・・・本当に?」 「・・・ええ・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・うーん、熱が上がる・・・」 「ス、スイキ君!?しっかりして!」 とりあえず、一時閉幕で頼む、筆者。 しょうがないな・・・じゃ、この後どうなったかは、皆さんのご想像にお任せします。 fin・・・ 筆者の戯言 スイキ編、一応完結です。 ただのバカ話です。やっとまともな恋愛になったと思ったら、最後にはオチが待っていました。 ええ、まともな話運びにするつもりは最初から無し。ぶっ壊れ系でいきました。 さて、次は三男のソウト編。これまでとは打って変わってちょっとシリアスに行きます。では、乞うご期待!(本当に大丈夫か?)