「たらいまぁ〜」 ふらふらと、一人の女性が家へと入ってくる。 「げっ、また酒飲んできたのかよ姉貴〜。」 「いいじゃない、ちゃんと稼いでるんだからぁ〜」 「ファイトマネーは俺のが稼いでるけどな。」 「・・・・・うわ〜んころろちゃ〜ん、ザクロがいじめるぅ〜」 いつのまにか出していたエネコロロに、女性が泣きつく(からみつく)。ころろは話を聞いて いたらしく、呆れた表情でザクロのほうを見る。 「・・・・・・・ぐす。おなかすいた。」 「子供かよ。いまミロとソルが作ってるから待ってろ。」 「またポケモンにご飯作らせてるのぉ?あたしが作ってあげよっか?」 「申し訳ありませんでしたスズランお姉さま。自分が作ってきてまいります。」 キッチンへと走っていくザクロを、スズランは不満そうに見ていた。 30分後 「ほい、肉じゃがとサラダとご飯。」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「どうした姉貴?嫌いな物入れてないはずだけど。」 「いや、今日ブーピッグにストーンエッジ連発しちゃってさあ、豚肉食べれそうにないや。」 「しょうがねえなぁ、ほれ、とっておきのフライドチキン。あとで食うつもりだったけどやるよ。」 「ありがとザクロぉ!愛してるぅ!」 「姉貴に言われても全く嬉しくないけどな」 「ころろちゃん!愚弟にシャドークr」 「申し訳ありませんでしたスズランお姉さま。」 食後 「ところで、明日フタバで大会あるみたいだけど。」 「フタバ?そういう小さいトコだったらどうせ『ナントカ感謝祭』とかだろ?大した事ねぇんじゃねぇか?」 「『クリエイターカップ』。賞金は予選通過で50万。トレーナー同士の報酬渡し合いは別。昼 食付き。AからKブロックまであって、明日は予選のブロック決めとAからDブロックの予選の開催だって。」 「喜んで参加させて頂きますスズランお姉さま。」 彼には「50万」のところしか聞こえていなかっただろう。 「エントリーは当日会場で、だってさ。はいチラシ。」 「サンキュ。よし、絶対優勝して賞金根こそぎ持ってくぞ!」 ザクロの手持ちポケモン5体は、静かに、しかし力強く頷いた。