「クリエイターカップ予選Aブロック、 井郷シュウヤ選手最終戦進出―!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 歓声は上がらない。まだこの大会は予選で非公式だから当然だが。 まあそもそも僕はああいう黄色い声援が苦手だからいいけどね。 この大会、クリエイターカップの予選は勝ち抜き形式。 最初に一度バトルをし、勝った方が残り、負けたほうが立ち去る。そして待機していたトレーナーとまたバトルをし・・・・の繰り返しだ。 この大会の特徴はもう一つ。 異常に高い賞金だ。 予選通過で50万も渡す大会なんて聞いたことがない。 それほどまでに意義のある大切な大会ということか。 僕は、この大会について調べるためにエントリーした。だって面白そうだし。 とにかく、僕は真相を突き止めるため、絶対に本戦にいかなければならない。 さ て、次は最終戦だ。普段僕の役回りが「空気」であるうえ、 なんか面倒くさがった作者が出番をかなり省いたため、 かなり頑張って目立たなくては。 (いやそれはね、やっぱり主役であるザクロの出番を増やすべきと考えたわけでね、 決して面倒くさがったわkぐへぁっ!!! どうしてパソコンから拳がぁっ!!!!by 作者) なんか僕の拳が次元を超えた気がするけど気にしない。 気にしてはあのグダグダ作者が作ったこの世界で生きていけない。 気を取り直してバトルフィールドへ。 相手は既に構えている。 「おっ、良く見たら巷で噂の井郷シュウヤじゃねぇか。 強いって噂だが所詮この俺様には適w」 「出てこい、ライデン。」 僕は相手のセリフを無視してエレキブルのライデンを出す。 だってセリフ長くてうざったいし。 「この野郎、ちゃんと人のせりふは聞きやがr」 「それではAブロック最終試合、井郷選手対七誌選手、バトル開始!」 もう実況まで相手を無視し始めた。どうでもいいけど。 相手の男は明らかに怒った表情を浮かべ、ゴローニャを出してきた。 「くたばれや!!!!!!!マグニチューd」 「地震。」 効果は抜群。相手のゴローニャは音を立てて倒れる。 「くっそ、オクタン!!!!」 相手がポケモンをいれかえるのを見て、僕もライデンを引っ込める。 「出番だ、ゴウエン。」 出したのは、ブーバーン。 あえて自分が不利になるようなポケモンを出し、 圧勝する事で相手のプライドをずたずたに引き裂く。僕ってドS? 「なめやがって・・・・・・・・オクタン、波乗り!!!!!」 「ジャンプして波から叩き落せ。」 ゴウエンはひょいっと波を飛び越え、オクタンを地面に叩きつける。 オクタンはべしゃっと音を立て地面に落ちる。 「十万ボルト。」 ゴウエンのキャノン状の腕から高圧電流が放たれる。 オクタンは完全に気を失い、白目をむいて首をカクン、と垂らす。 「もう鬼だコイツ・・・・・・」 涙目になりつつドンカラスを出す相手。 ゴウエンを引っ込め、僕が出すのは――――― 「蹴散らせ、メイカイ。」 ヨノワール。段々あいてがかわいそうになってくるのは気のせいという事にしておく。 「悪の波動で距離を取れ。」 ドンカラスは黒いエネルギー波を出し、その反動で後ろに飛ぶ。 「PPは有効に使わないと。メイカイ、封印。」 メイカイの目が赤く光る(もともと赤いけど)。 これでドンカラスは少なくとも悪の波動は使えない。 「チッ、辻斬り!!!!!」 羽をナイフのようにして振りかざすドンカラス。 そういえば辻斬りって通り魔の事らしいね。なんとも悪趣味な。 任天堂も技のネタが無くなってきてるのかなー。 「かわせ。」 さらっと言う感じで相手の攻撃をかわすメイカイ。 「鬼火」 メイカイの左右に青白い炎が上がり、ドンカラスに命中する。 これでダメージを与えるだけでなく、辻斬りの威力を抑えられる。 「雷パンチ。」 電気を帯びたメイカイの拳がドンカラスにヒット。 相手(トレーナー含めて)は気絶。僕の勝ちだ。 この大会、予選は楽勝だったな。強い相手は違うブロックだったし。まあそれは安心して良いのだろう。 僕はメイカイをボールに戻し、てこてこと待合室に戻る。 「お疲れ様です。」 「ほれスポドリ。」 僕のはとこのアジサイと、その意中の男ザクロが待っていた。 ってスズランさんは? 「お疲れ様。」 「のわっ!!!!!!」 なんと、今フィールドから戻ってきたばかりの僕の背後に立っていた。いつの間に?? 「トイレに行ってただけよ。」 心読まれたぁ!? 「大した事じゃないわ。」 アジサイは僕とスズランさんのはたから見ると意味不明なやり取りにきょとんとしている。 ザクロは普段から読まれているらしく、あちゃあ、という感じで見ていた。 「なかなか格好よかったわよ。」 はい?今なんて? 「格好よかったって。」 生きててよかった・・・・・・・・・・・・。