「は?重要な話?それより早く賞金くれよおっさん。」 クリエイターカップ主催者、タツムラに噛み付くザクロ。 スズランさん曰く賞金目当てに参加したらしいからなー彼は。 どうも。前回サソリのクソガキにイラっとしてしまったシュウヤです。反省してます(笑)。 「待ちなさいザクロ。話を聞いてからでも賞金はもらえるわ。」 「賞金なら既にお渡ししていますが。」 「「「「「「!?」」」」」」 「第2話以降まったく触れていませんが、 専用のクレジットカードを配布いたしましたよね?」 「これですね。」 僕はそういって配られていたカードを見る。ホテル内でも使えていた。 「そのカードには特殊なシステムがありまして、 今このときまでに破棄されていなければ、自動的に50万円が入金されるのです。」っ へぇ〜。こった作りだなぁ〜。 「で、本題に戻ります。皆さんは『アルセウス』と言うポケモンをご存知ですか?」 「アルセウス?」 「世界を作ったと言われているポケモンですね。」 「そうです。アルセウスは何も無い空間から突如できたタマゴから生まれ、 『存在』を作りました。」 「存在?」 「世界は簡単に言うと『ある』と『ない』と言う二つの定義が存在していますが、 アルセウスが生まれるまではそんなものは無かったのです。 何せ全てが『ない』の 状態だったのですから。 ところが、アルセウスの誕生によって、 いや偶然出来たタマゴによって『ある』と言う状態が作られた。 これによって『ある』と『ない』が区別されるようになったのです。」 「ふんふん」 ザクロは相槌を打っているけど、知らなかったのかな? 「アルセウスはまず、時間と空間のもととなるもの・・・・・・・・・・・・・ ディアルガとパルキアを作りました。 しかし、一度だけ世界を作るのに失敗してしまったのです。 それによって形成されたのが、ギラティナが支配する反転世界であると。 そして、アルセウスは人間を始めとする生物を作りました。 しかし、生物達は動くことが出来なかった。心が入っていなかったからです。 アルセウスは困惑しました。 自分やディアルガ、パルキアの心はどうにか創り出せたが、 今回の対象は多すぎた。 そこで、心を形成する知識、意志、そして感情の3つを3匹のポケモンに与えさせました。 こうして世界を完成させたアルセウスは、深い眠りについたと言われています。」 「ハッ、おとぎ話に興味はねぇな。」 サソリがタツムラをあざけるように言う。 「話はまだ終わっていません。 アルセウスは自ら眠りに浮いたのでは無かったのです。 私はカンナギの遺跡でそれを確信しました。」 「?」 「アルセウスは多くの人々、動物、ポケモン、つまり全ての生き物から崇拝されました。 しかし、そのせいでアルセウスは慢心しました。 自分は何でもできる、だから何をしても良い、と。 そしてアルセウスは力を暴走させました。 そして世界は半壊したのです。アルセウスの力によって・・・・・・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 「全ての生物は闘いました。自分達の世界が壊されないように。 1000年かけ、やっとアルセウスは封印されたのです。槍の柱の更に先に。」 「おっさん。槍の柱はテンガン山の頂上だぜ?更に先なんて存在しねーよ。」 「作ったんですよ。ディアルガ、パルキア、ギラティナの3匹が力をあわせて。」 「でもそんなもん槍の柱行ったって見えねーぞ?」 「空間ごと封印してありますからね。しかし、その封印が緩んできています。 そして、アルセウスは自分を封印したこの世界を恨んでいる。 アルセウスは、理性を持った上でこの世界を破壊するつもりです。」 「はァ?んな話信じるわけねぇだろが!!!!!!!」 サソリがタツムラに食って掛かる。うるさいなー。 「信じていただかなくても結構です。クリエイターカップ本戦の優勝商品を逃すだけですからね。」 「はい?タツムラさん、どういうことか説明していただかないと・・・・・・・・」 「私はアルセウスをとめたいと思っています。殺してでも、人間の手に渡らせてでも。」 「って、まさか・・・・・・・・ 「はい。クリエイターカップ本戦は、参加者全員による、幻のポケモン『アルセウス』の争奪戦です。」 「はぁ!?世界を作った幻のポケモンですよね!?しかも力が暴走してる!?そんなの僕達の手に負えるわけ無いじゃないですか!!」 僕は必死に否定する。 「馬鹿馬鹿しい。そんないるかも確かじゃないポケモンを捕まえる気になんてならないね。」 「私もサソリと同意見。帰らせてもらうわ。」 サソリ、クサリの兄妹が立ち去る。 「我々も、夢見者の道楽に付き合う余裕は無い。」 ダイヤとパールは、そういってホテルを後にした。 「ふぅ。じゃあ私達がやらなきゃいけないんでしょ?」 スズランさんが面倒くさそうに言う。しかし、その目は輝いていた。 「幻の・・・・・・・・・・・・」 「ポケモン・・・・・・・・・・・」 アオとアイは好奇心を抑えられていない。これで行かないと言うほうが不自然だろう。 「わっ、私も行きます!!!!」 手を「ぴっ」っとあげるアジサイ。 「姉貴が行くなら俺も行かないと殺されるんだよな。」 「じゃあ僕も行くと言う事にしましょうかね。」 「皆さん・・・・・・・・有難うございます!!!!!!!」 こうして、僕達6人はテンガン山の先にある槍の柱を目指す事にした。