「着きましたね。」 白い息を吐きながら、タツムラが言う。ここは槍の柱。 一同は、アルセウスのいる空間に行こうとしていた。 「うう、緊張するなぁ。」 アオが自分の胸に両手を当てて言う。 「くかーーーーーーーーーーーー」 ・・・・・・・・・・・・・・寝ている馬鹿主人公は置いといて。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 どげしっ 馬鹿主人公もといザクロの寝袋を引きずっていた シュウヤの堪忍袋の緒が切れ、顔に踵落としを浴びせる。 「ごへぁっ!!!!!!!!!!!!!!!」 「ふう。やっと起きたか。あ〜肩凝った。」 「ザクロさん、顔大丈夫ですか?」 心配してザクロの顔を覗き込むアジサイ。 「・・・・・・・・・・アジサイさん、顔随分と近いですね。まさか、 偶然を装って・・・・・・・・・・うふ、うふふふふふふ♪」 「ちっ、ちがいますよ!!!!!!!!」 はっとして顔を離すアジサイ。 顔が真っ赤になっていたのは寒さのためだけではないだろう。 「♪」 「もう、何を楽しそうにしてるんですかぁ〜」 「面白いですから。アジサイさん。」 どちらが年上か分からない。まぁこの二人は置いといて。 「タツムラさん。早くあれを。」 「はい。」 タツムラが、紫色のオカリナを取り出し、 その吹き口に息をそっと流し込む。 ゆったりとした音がオカリナからあふれ出す。 その美しくもあり謎めいてもある調べが、 周りの者達を取り込むようにあたりを包み込む。 やがて、音は上へ吸い込まれるように消えた。 その刹那、槍の柱の先に閃光が伸びる。 閃光は少しずつ横長に形を変え、階段に変化した。 「これが、『光の階段』ってヤツなのか?」 あっけに取られたザクロがタツムラに問う。 「私も実物は見たことが無かったのですが、どうやらそのようですね。」 「面白そうね。ぞくぞくするわ。」 恍惚の光を目に宿すスズラン。 「この先にアルセウスが・・・・・・・・・・・・・・・・・・ やっぱり信じ難いな・・・・・・・・・。」 自らの目を疑うシュウヤ。 「幻のポケモンかぁ〜。」 「捕まえたいなぁ〜。」 好奇心に胸を躍らせる双子。 「あわわわわ・・・・・・・・・・・・何も無いところから、ぴかって階段が出てきて・・・・・・・・・」 パニック状態のアジサイ。 「あ、俺面倒な事に巻き込まれてた。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・気づくのが遅い馬鹿一名。 シュッ がふぇあ!!!!!!!!久々の一撃!!!!!!!!!!! 「じゃあ、行きますよ。」 「おう!!!!!!!(はい!!!!!!!!)」 いかにも「次回に続く!!!!!!!!!!!!!」な展開だが、まだまだ前半までしか終わっていない。 一方 「・・・・・・・・・・・・・はい、こちらはサソリです。 我々の『計画』の準備ですか?ご心配なく。俺の方は順調ですよ。もう終わります。 え?クサリの手伝いですか?分かりました。終わり次第クサリの元へ向かいます。」 「・・・・・・・・・・・・・こちらはクサリです。はい。もう少しかかります。え?サソリが来る?分かりました。兄が来たら説明致しますのでご心配なく。 ええ、世界はいつでも貴方の手中に収められますよ・・・・・・・・・・・・・・――――様・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・こちらダイヤ。 ディアルガと共に過去へ向かい、『ソニア』なる人物の勧誘に成功した。」 「・・・・・・・・・・・・・・こちらパール。 パルキアと共に亜空間へ向かい、異界の民族の長『ヒガン』の勧誘に成功した。」 アルセウスの封印された空間「始まりの間」についた一同。 そこには、髪の毛のような白くて長く、美しい毛を後ろに伸ばした馬のようなポケモン、 アルセウスが長い脚をたたむように座っていた。 そして、傍らには透明感を感じさせるほどの白い髪を持つ少女。 少女の髪は、肩にギリギリかからないような長さしかなかった。服といえそうな物は、ぼろ布に袖をつけ、頭からかぶったような感じだった。 「タツムラさん。彼女は?」 「・・・・・・・・・・・・・・私の一族の人間ですよ。1000年前、アルセウスに魅せられ、 協力したため一緒に封印されていたと聞いています。」 「タツムラさん、あんた、何者だ?」 「私は、1000年前の戦いで将軍の地位を任されたものの子孫です。カンナギの遺跡は、私の先祖が作ったと聞いております。」 「なるほどね。だからあの笛を盗めたのかしら?」 「盗んだんじゃないですから!!!!!!!!!!!」 アルセウスは低く唸って立ち上がり、少女もぎろりとこちらを睨み始めた。 「・・・・・・・・・・主は、渡さない。」 その言葉を合図にしたかのように、 アルセウスがエネルギーの球をつくりだし、投げつけるようにこちらに飛ばしてきた。 クリエイターカップ本戦、アルセウス争奪戦が始まった。