ナゾノクサ:「…っていうことがあったの。心臓が痛くならない?」 ニャース:「痛くなるにゃ。全くとんでもなく驚くことをやるにゃ、蓮華ちゃんは。」 蓮華がポケモンを預けている間、あたしはマサラのオーキド研究所に連絡を入れた。そして電話に出たニャースにスペース団との遭遇や野武士のことを教えてあげた。 すると案の定、さすがのニャースも、聞くだけで疲れが出たみたい。 8.ジム挑戦、5秒前 ニャース:「大変にゃ。哲也さんには絶対に話せないにゃ。」 ナゾノクサ:「その大変なトレーナーのパートナーやってるあたしの身にもなって。」 ニャース:「その割りに楽しそうにゃ。」 ナゾノクサ:「まぁ、少しは。蓮華の能力、結構面白いし。」 ニャース:「哲也さんの能力もすごいにゃ。」 そんなときに蓮華が戻ってきた。 蓮華:「あ、ナゾちゃんここにいたんだ。ニャース、元気?」 ニャース:「元気にゃ!」 ナゾノクサ:「さっきまであたしの話聞いて心臓おさえてたのは誰よ。」 あたしはいきなり態度をコロッと変えたニャースに少しムカッとした。 ニャース:「うるさいにゃ。…ナナちゃんから連絡あったにゃ。蓮華ちゃんのポケモンもオーキド研究所が保管することになったにゃ。 その方が蓮華ちゃんたちにもいいと思ったそうにゃ。」 蓮華:「本当?それじゃ、メリープ、ロコン、ミニリュウを預けるわ。」 さすがにあたしは驚いた。てっきり2匹かと思っていたから。 ニャース:「3匹もにゃ?いいのにゃ?」 ナゾノクサ:「蓮華?いいの?」 蓮華:「うん。ジョーイさんが相手は岩タイプのジムリーダーって教えてくれたの。だからロコンやメリープに戦わせるわけには行かないでしょ。 ミニリュウは冷凍ビームや水鉄砲使えるけど、さすがに珍しいポケモンを持ってると変なトレーナーがよってきそうだし。」 ニャース:「そうにゃね。蓮華ちゃんがもう少し強くなったら所持すればいいにゃ。それじゃ、ボールを送るにゃ。」 蓮華:「うん。」 そのときのニャースの表情が少し申し訳ないようなものだったのが少し気になった。でも、蓮華も何も言わなかったから、 あたしは何も言わないようにしていた。 ナゾノクサ:「蓮華、ジムに行く前に特訓しておかない?」 蓮華:「そうだよね。みんな、出てきて!」 あたしはナゾちゃんに言われてサニーゴ、ハネッコ、キャタピー、サンドを出した。 蓮華:「ジムに行く前に特訓するよ。いい?」 あたしはボールの中から外のことを知ってるとは思ったけど、あえて聞いた。すると、みんな了承してくれた。 蓮華:「それじゃ、ナゾちゃんは葉っぱカッターの命中率を上げて。サニーゴはすばやく動いて攻撃を当てる練習よ。サンド、サニーゴの相手になってね。」 あたしは実際、サンドにある妙な特徴を驚いたりしていた。多分、あの研究所の薬品をあたしとナゾちゃんが被ったときに一緒に被ってたからだと思うけど、 あたしのサンドは水タイプの攻撃に当たってもダメージを受けなかったのだ。トキワシティで普通にお風呂に飛び込んできて、普通に入っていて、 お風呂を出たときにサンドが地面タイプだと蓮華に教えられるまで、すっかりタイプのことを忘れていたんだけど、サンドは全く動じずにサニーゴたちと水浴びを していたのだ。 ナゾノクサ:「蓮華、キャタピーとハネッコには何をするの?」 蓮華:「ちょっと近くのトレーナーとバトルしてくる。」 ナゾノクサ:「分かった。頑張ってね。」 ナゾちゃんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに応援してくれた。 そして。 蓮華:「そこの虫取り少年君、あたしと勝負しない?」 虫取り少年:「いいよ。バトルくらい、何度でもいいよ。」 あたしはトレーナーバトルをしていた。キャタピーには嫌な音とバリアを使わないように言って。使ったら厄介なことをキャタピーも知ってるから、それを了承してくれたし。 虫取り少年:「ビードル、毒針だ!」 蓮華:「ハネッコ、跳ねてかわして頭突き!」 虫取り少年:「バタフリー、風起こしだ!」 蓮華:「キャタピー、糸を吐いてバタフリーを引きずり落とすのよ!」 あたしは少しずつハネッコとキャタピーを回復させながら、たくさんの虫取り少年たちとバトルをしていた。 虫取り少年A:「お姉さん、強いね。」 蓮華:「そんなことないよ。」 虫取り少年B:「あるって。もしかして、ジムリーダーと戦うつもり?」 蓮華:「ええ。」 あたしは彼らと少し話していて、 虫取り少年A:「それなら俺たちと戦うだけじゃ意味ないよ。」 虫取り少年B:「そうそう、今のジムリーダー、ただ岩のポケモン使うだけじゃないからさ。」 蓮華:「それって、どういうこと?」 色々といい話を聞いた。彼らから聞いた事で、あたしは厄介なことを知った。 ナゾノクサ:「あ、蓮華お帰り!」 サニーゴ:「サニ!」 サンド:「サン!」 蓮華:「うん。ただいま、あのね、キャタピーが進化したの。」 あたしはキャタピーだったもののボールを出した。 蓮華:「出てきて!」 バタフリー:「フリ〜!」 キャタピーは早くからバトルや経験を積ませることですぐに進化させることができる。そのおかげで、キャタピーは トランセルを経て、バタフリーに進化した。 ナゾノクサ:「おぉ〜!すごいじゃん!」 蓮華:「そうよ。しかも、今でもバリアは使えるし、嫌な音は超音波になってたわ。」 あたしはそう言うと、サニーゴたちをボールに戻した。 蓮華:「ナゾちゃん、バタフリーはもう安全だと思うから、研究所に送るわ。」 ナゾノクサ:「え?」 あたしがいきなり言ったので、さすがにナゾちゃんは驚いてた。 蓮華:「色んなトレーナーに聞いたの。今のジムリーダー、岩タイプ以外にも鋼や飛行、水タイプも使うみたい。 だから、ロコンとメリープを戻して、バタフリーを送るわ。」 ナゾノクサ:「分かった。そして一応色んな作戦を練っておいて…」 蓮華:「そう。どんなタイプがきても大丈夫な状態にしておくって言うわけよ。」 あたしたちは、すぐに研究所に連絡した。 ニャース:「…こうなると思ってたにゃ。」 電話に出たニャースの第一声がこれだった。ってことは。 蓮華:「ニャース、知ってたの?」 あたしは驚いて言った。 ナゾノクサ:「やっぱりね、ちょっと申し訳なさげな顔してると思った。」 ナゾちゃんは気づいてたみたいだけど。 ニャース:「ごめんにゃ。そこのジムリーダーとは面識があるにゃ。でも、あえてジムリーダーの情報を教えないほうが言いのにゃ。」 そう言って、ニャースはポケモンを送ってくれた。そのとき。 哲也:「よぉ、ニャース!」 「!!!ぶちっ!」 あたしは哲兄の声を聞いて反射的に電話を切った。 ナゾノクサ:「今の哲也さんの声だよね。」 蓮華:「うん。」 ナゾちゃんも気づいたらしい。ごめんね、哲兄。今はあたしの好きにさせて。哲兄はやさしいけど、度が過ぎるとシスコンだよ。 その頃。 哲也:「なぁ、誰と喋ってたんだ?」 ニャース:「さあにゃ。哲也さん、どうしたにゃ?」 哲也:「いや。全部のバッジが集まったからさ。久しぶりに帰ってきたんだ。…ニャース、蓮華は元気だったか?」 ニャース:「全然元気にゃ。今も電話で…にゃ!?」 哲也:「やっぱりそうか。ニャース?」 ニャース:「にゃはは、失礼するにゃ。」 ニャースは逃げた。 哲也:「全く、あれ?これは…バタフリーのボールか。懐かしいな。俺も初めは全然分からなかったし、バタフリーに進化させたときは嬉しかったし。」 哲也はそれが蓮華のだと気づかず、懐かしい思いに浸っていた。気づいたら気づいたで反応が違うだろうことを予想し、ボールの中の バタフリーだけがそれを祈り続けていた。 そしてその様子を見てミニリュウはバタフリーを哀れんでいた。 蓮華:「さてと、そういえば美香がくれた技マシン、一体何だったのかしら?」 ナゾちゃんが水浴びに行ったとき、ふと思い出して取り出した。ナゾちゃんに使ってあげてって言ってたけど。 中を見てみると、美香のメッセージが書かれていた。 ”ポケモンの、ナゾノクサの特性のためには、これが必要よ。”と。 蓮華:「ナゾノクサの特性?…ええっと…、葉緑素、日差しが強いと素早さが上がる。それでなの。でも、これって…。」 あたしはとってもいい技マシンを貰った気がする。これとナゾちゃんの潜在的に持った技がどう決まってくれるか。 それが勝敗を決めそうね。