13.ハナダDE新種発見?! ここはポケモン世界とは変わり、蓮華たちが元々暮らしていた現実世界。蓮華たちがポケモン世界に飛ばされるきっかけになったあの研究所は、 野次馬が見守る中、撤収作業や現場検証に追われていた。 ??:「あ〜あ、やっぱり野次馬でいっぱいだよ。」 ??:「本当だ。」 その野次馬の中に私立中学の制服を着た少女二人が紛れ込んでいた。今は学校が始まっている時間にも拘らず。 ??:「光沢先輩が言ってたよね。蓮華と哲也先輩はここに向かったって。」 ??:「うん。しかもまだ帰ってこない。あの二人はあの能力がある限り、絶対に生きてるはずだし。」 二人は蓮華の知り合いだった。そして蓮華と共に暮らしている先輩からこのことを聞いて駆けつけたのだった。 ??:「でも、ここが爆発したのはあの子達と関係あるよね。」 ??:「多分。調べる限り、あたしとなずなちゃんだけが取られるのを防げてるし、みんなはここに集められてたみたいだし。」 なずな:「うん。でも、何のために?」 なずなと呼ばれた少女が聞き返した。 ??:「さすがにそこまでは分かんない。でも…あれっ?」 すると少女の片方が言い返したすぐ後、驚きの声を上げた。そしてそれは周りにも伝染していく。というのも、空からは夏だと言うのに雪が降ってきたからだった。 そして数分で辺りは吹雪き始めていた。 なずな:「何これ、どうなってるの?」 ??:「さぁ。でもあたしたちには全く平気みたいだよ。」 少女たちは吹雪の中にいても、全く寒さも冷たさも感じず、その場に立ち尽くしていた。そしてその間に作業員や警察関係者、マスコミや野次馬は その場を離れていった。誰もいなくなったところで、その吹雪は止んだ。 ??:「…どうなってるの?」 なずな:「海ちゃん、あれ!」 二人は工場の真ん中に丸い円のようなものが浮いていることに気がついた。その周りに霜や雪がついていて、それで分かったようなものだった。 海:「多分、普通に存在してるけど、こうしない限り人の目には見えないんだよ。」 ??:「そうよ。」 女性の声がして二人は振り返った。するとそこにはスタイルのいい女性が立っていた。彼女と二人には面識があった。 なずな:「氷雨さん!それじゃ今の…」 海:「なるほどね。氷雨さんならやれるか。でも氷雨さん、これは何?」 氷雨:「ゲートと呼ばれるものよ。」 なずな&海:「ゲート?」 氷雨:「ええ。空間と空間をつなぐ役割を持った通り道。多分、この爆発によって生じたものね。見なさい。」 氷雨が色々な方向を示すと、そこには様々なゲートが存在していた。 なずな:「すごい!たくさんある。」 海:「氷雨さんはこれを教えるためにここに来たの?」 氷雨:「いいえ。この近辺に住むあたしの仲間があなたたちの知り合いが複数、この研究所に入っていって姿を消したことを教えてくれたの。 だからここを通ればみんなを助け出せると思ってね。救出に来たのよ。それに…。」 なずな:「それに?」 氷雨:「舞にも蓮華ちゃんのことを頼まれたし。」 海:「そうなんだ。…氷雨さん、あたしたちも行くよ。」 氷雨:「そう言うと思ったわよ。だから反対しないわよ。」 なずな:「よかった。それじゃ。」 3人:「レッツゴ〜!」 3人はゲートの中に飛び込んだ。 その直後にゲートが閉じたことに気づかずに。 そしてさらに数人がゲートに飛び込んでいたことも知らず。 その頃。 現実世界でそんなことが起き、まさに自分の知り合いたちがこっちに向かってることを知らない蓮華はハナダシティにいた。 お月見山を通り過ぎ、ようやく2番目のジムがあるハナダシティにやってきたあたしとキレイハナが見たものは、 蓮華:「何か水の町って感じだよね。」 キレイハナ:「本当ね。噴水や水のオブジェがこんなにたくさんあるなんて思わなかった。」 西洋のヨーロッパ風の町並みの中に綺麗な水の流れる用水路や、様々な水のオブジェ、ガラス細工の噴水、そして町の人が持っている たくさんの草ポケモンや水ポケモンたちだった。 蓮華:「ガイドブックによると、トレーナーが腕試しをできるゴールデンブリッジや恋人が集まる麗しの岬、灯台のある海岸、そして変わったポケモン研究家の家 とかがあるらしいよ。あたしたちもジム戦が終わったら、ここに行ってみようよ。」 キレイハナ:「そうね。」 あたしもキレイハナも一応年頃の少女なわけで、さすがにこの綺麗な町とその特色にはかなり興味があった。 そしてもう一つ、確かハナダシティでポケモンコンテストが行われる。それを結構前に聞いているので、ちょっと興味があったりした。 キレイハナ:「ねえ、あたしたちは出ないの?ちょうどあたしやピッピ、ロコンみたいに出るのにぴったりそうなポケモンがいるけど。」 蓮華:「確かにそうだけど、あたしはちょっとパスかな。」 前々は出たかったけど、何となく気が変わっていた。 キレイハナ:「ふぅ〜ん。あたしは蓮華が出るなら出てもよかったよ。」 蓮華:「そう?出る気なかったように見えたけど。」 キレイハナ:「そうだよ。だって勝敗は見えてるじゃん。あたしみたいな綺麗なポケモン、そうそういないよ。」 どうやらキレイハナは作られた際にどうしてかは不明だけど、コンテストの知識を盛り込まれたらしい。それで多分、勝てる可能性を知っている様子だった。 でも、ちょっとそういう性格は直してほしいかな。 蓮華:「ねえ、ポケモンセンター寄る前に、その辺で休まない?」 あたしは自分の世界に浸り始めたキレイハナに声をかけ、近くの噴水のそばに座った。すでにさっきから町の人が噴水にポケモンを入れて遊ばせていたので、 あたしもサニーゴとバタフリー、ピッピを出して、一休みをした。 キレイハナ:「何かホッとするね。涼しいし、気持ちいいし。」 蓮華:「同感。サニーゴ、あなたも気持ちいい?」 サニーゴ:「サニ!」 サニーゴは水の中にいて楽しそうだった。いつの間にか、バタフリーの糸を浮き輪にしてピッピも噴水のプールを楽しんでいる。 キレイハナ:「みんな気持ちいいって。」 蓮華:「みたいだね。」 そのうちに悪いような気がしたあたしは他のみんなも出してあげた。…一匹を除いて。 蓮華:「コイッチ、ごめんね。あなたを出したらちょっと騒動が起きそうなのよ。」 さすがにギャラドスを街中で出すわけには行かず、コイッチのボールに謝ると、ボールがかすかに揺れた。怒ってない証拠だと思える。 それに、あたしのポケモンはどうしてか知らないけど、みんな自分からボールを飛び出すこともできる。あたしの力がみんなを変えたのかもしれないけど、 それでも自分から出てこないって事はそれ相応のことは分かっているって言う証拠だと思えた。 それから少しして、みんなを戻したあたしはその場を後にした。 キレイハナ:「リフレッシュしたって感じかな。」 蓮華:「そのようね。それにしても綺麗な町よね。」 ガイドブックによると、2年ほど前に町全体を改築し、このように変えたらしい。昔の水の都を映し出すためらしくて。 キレイハナ:「それじゃ、ジムやポケモンセンターもこんな感じなのかな?」 蓮華:「だったらいいかも。…ねえ、気づいてる?」 キレイハナ:「うん。さっきから誰かがつけてるよね。」 あたしたちが噴水から出発した直後、あたしたちの後を数人がつけているのを感じた。こっそり建物の影に入り、その団体をやり過ごしてみると、 理科系男や研究員、ポケモンコレクター、ポケモンマニアなどだった。 蓮華:「あなたたち、どうしてあたしを追ってくるのよ。」 キレイハナをボールに戻し、あたしは彼らに近づいた。すると。 理科系男:「あ、ねえねえ、さっきの君の持ってたキレイハナ、あれって喋ってたよね。新種だよね?」 研究員:「おい、そのキレイハナは私の研究に使うものだぞ。お前は引っ込んでいろ。」 コレクター:「ちょっとちょっと、割り込みはよしてくれないか。俺の大事なポケモンなんだから。」 彼らはあたしの言葉も聞かず、キレイハナをよこせと迫ってきたのだ。 蓮華:「どうしてよ。キレイハナはあたしのポケモンよ。なぜあなたたちに渡さなきゃいけないの!」 研究員:「君ね、研究のためには犠牲も付物だよ。少しくらい私に貸し…」 あたしは反射的にソーラー弾を撃っていた。研究に犠牲はっていう言葉に怒りを覚えたからだった。あたしがここに来たのも、ポケモンが研究で作られたことから 始まっていたから。研究員は直撃を受けて、倒れこんだ。が。 研究員:「珍しい!」 といって、再び起き上がり、 研究員:「ソーラービームを使うこの子もポケモンが変身しているに違いない!」 と叫んだのだ。さすがにあたしもやばくなり、そこから駆け出した。彼らは研究員の言葉を鵜呑みにしたらしく、 どこに潜んでいたのか多数の同業者と一緒に追いかけてきていた。 コレクター:「待つんだ、僕のポケモンちゃん!」 理科系男:「観察させてくれ!」 追ってくる声は消えず、あたしもだんだん疲れてきていた。が、ちょうど目の前にポケモンセンターが見え、思わずそこに駆け込んだ。 ジョーイ:「ようこそポケモンセン…どうしたの?」 ジョーイさんはただならぬことをあたしの様子から知り、駆け寄ってきた。 蓮華:「あの人たちがあたしのポケモンを奪おうとしていて…」 と、ジョーイさんは何かのボタンを押した。するとジュンサーさんが駆けつけ、集団を引っ張っていった。 ジョーイ:「もう大丈夫よ。」 蓮華:「あ、ありがとうございます。」 ジョーイ:「でも、あなたも飛んだ災難に合わされちゃったわね。」 蓮華:「といいますと?」 あたしはジョーイさんからこの騒ぎの理由を聞いた。最近ハナダシティで見慣れない、データにもポケモン図鑑にも存在していない生き物を目撃する人が多いらしい。 それが噂になり、新種のポケモンという言葉に変わり、全国から研究員や理科系男やコレクターが集まってきたのだ。しかも彼らはここにコンテストやジム戦、 観光に来てる人たちのポケモンさえも勝手に取って調べる有様らしく、そのための緊急用ボタンが設置されたらしい。 ジョーイ:「このボタンを押すと、ジュンサーさんが駆けつけてくるようになっているの。あなたみたいにポケモンセンターに駆け込んでくる人も少なくないのよ。」 蓮華:「はぁ。」 あたしは一応納得し、ポケモンたちを貰って部屋に行った。 キレイハナ:「…なるほどね。それであたしを新種だと思ったわけか。確かに一理あるけど。」 話を聞いたキレイハナは納得した。確かにキレイハナたちはここの世界出身じゃないから一理あった。 蓮華:「でも、キレイハナはあたしのポケモンだもの。渡すわけには行かないよ。」 あたしは胸を張ってそう言い、外に何発かソーラー弾をぶっ放して閉め、鍵をかけてカーテンを閉めた。 キレイハナ:「蓮華、やりすぎじゃない?」 蓮華:「そんなことないよ。乙女の部屋を覗く輩に一発加えてあげただけ。」 さっきから窓を覗く人たち、多かったのはたまらなかったんだし。 そんな中、ポケモンセンターを小さな女の子が尋ねてきた。 ジョーイ:「あら、どうしたの?」 女の子:「さっきそこの植木の中にいたの。」 ジョーイ:「そう、ありがとう。」 女の子がジョーイに渡したものはシャワーズにのような姿をした小型の生き物だった。が、ジョーイはそれをシャワーズと思っていた。 そしてその生き物はは怪我をしていたため、すぐに治療が行われていた。 ジョーイ:「それにしてもずいぶん小さなシャワーズね。この子のトレーナーはどうしたのかしら?」 そしてさらに数刻が過ぎた頃のことだった。突然ポケモンセンターの入り口が大爆発を起こし、それと共に大型の戦車のような車がセンターの中に入ってきた。 あたしとキレイハナも、他のトレーナーもそれを偶然目撃していた。ただあたしとキレイハナには大方の予想がついた。 キレイハナ:「あれってさあ。」 蓮華:「うん。多分ね。」 キレイハナ:「言わないでおこうね。」 蓮華:「そうだね、きっとうるさいから。」 すると、奥からジョーイさんとラッキーたちが出てきた。 そしてやっぱりこう言った。言わないでほしかったのに。 ジョーイ:「何!?何なのこれは!?」 キレイハナ:「あらら、丸禁ワード。」 蓮華:「しょうがないよ。」 あたしたちはジョーイさんの一言を誰も言わないことをずっと願っていたのだ。が、それは破られてしまい、音楽が鳴り始めた。そして。 エレク:「何!?何なのこれは!?と言われたら。」 フレイ:「答えてあげるが大事なこと。」 エレク:「宇宙の神秘を守るため」 フレイ:「宇宙の汚れを浄化するため」 エレク:「愛とナチュラルな悪を貫く」 フレイ:「究極のスペシャルな敵役」 エレク:「エレク」 フレイ:「フレイ」 エレク:「天の川を駆け巡るスペース団の二人には」 フレイ:「イエロー&レッド、最高の夜明けが待ってるぜ!」 エレク:「決まったぜ!」 口上と共に、スペース団が現れた。 ジョーイ:「スペース団ですって!?」 フレイ:「うふふ、そうよ。さて、ここのポケモンたちと、さっきここに運ばれた新種のポケモンを出しなさい!」 エレク:「そこのトレーナーたちも出しな。さもないと、この戦車が火を吹くぞ。」 エレクの言葉と共に、近くの電話スペースに弾が発射され、電話スペースは跡形もなく無残な状態に変わった。 ジョーイ:「何をするのですか!」 エレク:「ちょっとばかしこの戦車の威力を見せてやったのさ。さてと、ポケモンを渡してもらおうか。あれはシャワーズに似ているから、 みんな新種に気づきにくいらしいんだよな。」 ジョーイ:「何ですって、あのポケモンが…」 ジョーイさんは何か知っているようだった。多分、新種のポケモンがいるらしい。 エレク:「そういうことさ、さぁ、早く渡してもらおうか。ちょうど警察も入れないしな。」 多分、外のマニアとかの集団を規制するので精一杯なんだと思う。チラッと外を見れば、野次馬がポケモンセンターの前に集まっているのが見えたから。 でも、どうして警察でさえ誰も入ってこないかと言えば、入り口にはベトベトンとカメックスがいて、警察やトレーナーを攻撃しているからだった。 爆発音も聞こえる。多分パトカーとかが破壊されてるのかも。 フレイ:「カメックス、ベトベトン、日ごろ世話になってる分、しっかりお返ししておきなさいよ。」 ポケモン警察のポケモンといったら、ゴース、イトマル、ガーディが主流のためか、2体のポケモンによって警察ポケモンはどんどん倒されていた。 フレイ:「さてと、そこのトレーナーのポケモンも貰おうか…あら、本当に珍しいところで会ったわね。」 あたしも会いたくなかったけど、フレイとあたしは眼があってしまい、フレイはあたしのそばに近づいてきた。 フレイ:「あなたたちのポケモン、早く出してくれないかしら。」 蓮華:「それは…」 フレイ:「できないというなら、あなたたちに向かって撃ってもいいのよね。まあ、あなたには効かなくても、ここのトレーナーにはどうだかねぇ。」 散々スカウトを断っているせいか、それとも前に逆鱗に触れたせいか、彼女のあたしに対する接し方は厳しいものがあった。 蓮華:「…」 そしてあたしには成す術がなく、あたしや他のトレーナーのポケモンがフレイに取り上げられた時だった。 ??:「キュイ〜ン!」 と、何かがジョーイさんとエレクの間に滑り込んできた。それはシャワーズに似た生き物だった。 エレク:「ほぉ〜。自分から出てくるとはいい度胸だ。ほら、こっちに来い。」 エレクは生き物に触れようとした。が、突如、生き物の姿が大きくなり始めていた。 エレク:「何!?」 フレイ:「えぇ!?」 スペース団も、あたしたちも、そしてジョーイさんも驚いていた。生き物はチワワなどの仔犬ほどの大きさから、虎くらいの大きさになっていた。 姿や顔はシャワーズと狼とチワワを足して2で割った感じで、前足にいるかのような尻尾、そして水色の体だが、頭は耳がたれ、一本の小さな角があり、まっすぐな目で スペース団を睨んでいた。そしてあたしはこの生き物の見覚えがあることを思い出していた。というより、この姿だから思い出せたと言うか。 エレク:「一体何なんだよ、くそぉ、ライボルト、電気ショック!」 フレイ:「コータス、火炎放射よ!」 ライボルトとコータスが攻撃をする。しかし、その生物は水鉄砲のような攻撃でそれらを拡散し、突進攻撃で2体をノックアウトさせていた。 エレク:「何!?どうして俺たちの力が加わったこいつが負ける!」 フレイ:「それなら、カメックス、こいつを押さえ込みなさい!ベトベトンはこの辺り一帯に毒ガスよ!」 水には水で対抗のためらしく、フレイがカメックスを呼んだ。外の警察はすでにカメックスたちに敗れたらしく、入ってくる様子がない。 しかし突如、ベトベトンの毒ガスを覆う白と黒の靄が発生し、ポケモンセンターの中を包んでいた。 エレク:「これは…黒い霧と白い霧じゃないか!」 フレイ:「どういうことよ、ポケモンはすべて奪ったはずなのに。誰なのか、姿を見せなさい!」 スペース団は混乱しているのが言動から分かった。と、 カメックス:「ガ、ガメ〜!?!?」 ベトベトン:「ベドベド〜…」 カメックスとベトベトンの倒される音と、何かが思いっきり当たった音、そして何か硬そうなものが折れた音がした。 これ以降にもカジカジというずっと絶え間なく続く音や、何かに何かを思いっきりぶつける音が聞こえ続けていた。 エレク:「くそ、フレイ、お前の力で何とかしろ!これでは何も見えない!」 フレイ:「分かったわ!熱風の波動よ!」 フレイの炎の能力が発動し、ようやく霧が晴れた。が、スペース団はここで再び驚かされることになり、それが続いている成果、唖然としてもう何も言えなくなっている様だった。 そこには無残な状態に折れた大砲と穴や凹みだらけの車体、そして大きく齧られた痕が多数の戦車、そしてそのうえでファイティングポーズをとるカポエラーと、無事な大砲の筒 にぶら下がるタッツー、そして未だに戦車を齧り続けるハムスターみたいな生き物がそこにいた。そのうえ、カメックスは倒れ、ベトベトンは凍り漬になっていた。 エレク:「スペース団の最新型戦車がボロボロ…」 フレイ:「一体これは…、まあいいわ。ここはこの奪ったボールを持って逃げれば…嘘…!」 フレイは逃走の体制に入っていたが、持っている袋が破れていることに気づき、再び驚いていた。 そこへ。 ??:「それ以上にしておくべきよ。ムニ、ムニムニ、水狼犬、戻っていいわよ。」 声と共にハムスターのような生き物とシャワーズに似た生き物が消え、一人の少女がポケモンセンターに入ってきた。 蓮華:「嘘…。」 これにはあたしも予想はしていたけど事実だったので驚いていた。 そしてそれは、 フレイ:「あなただったのね。…これ以上の戦いも作戦も無駄ね。エレク、引くわよ。」 エレク:「あ、ああ。覚えとけよ!」 彼女のことをあたしと同じくらい知っている美咲ちゃんことフレイも同じで、フレイはエレクを引き連れて逃げていった。 ??:「美咲ちゃんがスペース団にいたとは驚きだけど、所詮あたしの敵ではないし。カポエラー、タッツー、ご苦労様。」 そして彼女はあたしに近づいてきた。 ??:「やっと会えた。蓮華ちゃん、久しぶり。」 彼女はあたしの親友の海ちゃんだった。 キレイハナ:「式神?」 蓮華:「そう、海ちゃんは式神使いなの。」 あの事件後、ひと段落が着き、あたしとキレイハナ(袋の中から見てた)は海ちゃんと部屋で話すことにした。 さっきまでは海ちゃんもあたしも色々聞かれて大変だったのだが、他の世界から来たことをこそっと話すと理解してもらえた。 海ちゃんはお医者さんの娘で、頭がいい。そのせいか、古文書の解読を趣味としているが、それによって潜在的な力が目覚め、式神を使える様になったのだ。 しかも、陰陽師の末裔ときているし。 キレイハナ:「へぇ〜。それじゃ、あの新種って言われてた子も?」 海:「うん。氷雨さんとなずなちゃんと一緒にこっちに来たはずなんだけど、はぐれちゃったし。それでこっちの世界で探そうとしてあの子を出したら、 変な人に追われるし。さっきの騒ぎでどさくさにまぎれてようやく出てこれたのよ。」 どうやら、この新種騒ぎの原因は海ちゃんだったようだ。にしても…。 蓮華:「なずなと氷雨さんも来たの?」 海:「うん。あたしたち、あの工場跡のゲートを通って、蓮華ちゃんを助けに来たつもりだったの。まさかセレビィとは思わなくて。」 海ちゃんもどこかのポケモンセンターに着き、事情を話し、向こうからのカポエラーとタッツー、そして式神たちと旅をしてきたようだ。 海:「まあ、蓮華ちゃんたちが頑張ってるならいいね。あたしはなずなちゃんと氷雨さんを探すから。」 海ちゃんが来たことで、あたしは嬉しい半分、ちょっと不安になった。これ以上、誰もこっちに来てないよね? 結構重荷だよ、リーグ3位以内って。