ジム戦を終えたあたしはクチバのジムトレーナーのお兄さんから「妖精・竜・天使」が現れたと聞いた。 あたしと希ちゃん、久美ちゃんも外に出てみると、確かにそう呼ばれてもおかしくない姿の3人が居た。 23.ロケット団VSスペース団!遊覧船の戦い 蓮華:「海ちゃんに美香に菜々美ちゃん…3人揃ってどうしたのよ。」 竜はプータルに乗った海ちゃん、天使は翼をつけた美香、妖精は特殊能力で作った蝶の羽をつけた菜々美ちゃんのことだ。 久美:「久しぶりね、3人とも。」 希:「やっぱりそうだって分かったけど、どうしたのよ。」 海:「知らせなきゃいけないことがあったの。」 美香:「あたしと菜々美ちゃんもね。そしたら海ちゃんに会って、一緒に来たのよ。」 菜々美:「ある意味、一大事よ。」 あたしとキレイハナは一大事という言葉に緊張を走らせた。それに引き換え、全く関係なさそうなジムトレーナーやマチスは ぽかんとした顔をしていた。ジムトレーナーたちは海ちゃんたちの姿を見て、頬を抓ったりもしていたし。 海:「スペース団が能力者を攻めてきたのよ。」 美香:「それもマサラとハナダと同時なのよ。」 蓮華:「スペース団?」 美香:「ええ。あたしたちの能力がなかったら反撃のチャンスも掴めなかったのよ。」 菜々美:「でも、性格に問題があったおかげで助かったけどね。」 3人は報告を済ませると帰っていった。海ちゃんは当分オーキド研究所で博士の手伝いをするらしい。 美香はコンテスト巡り、菜々美ちゃんはヤマブキにいる健人先輩と再び合流するそうだ。 蓮華:「スペース団が能力者を…しかもヤマトやエレクたちとは違う人たちらしいし。」 キレイハナ:「一体どんな奴らかしら?」 あたしたちも帰り道にそのことを話しながら歩いていた。すると、ピエロの集団がやってくるのが見えた。 何かのビラを渡しながら大道芸をしているようだ。 キレイハナ:「何かしら?」 と、あたしの足元にビラが落ちてきた。 ”ポケモン遊覧船がやってきたよ。ポケモントレーナーなら誰でも無料で乗っていいよ。 さあ、明日の10時に港に行ってみよう。楽しいポケモン遊覧船が、君を夢の冒険に案内するよ。” と、書かれていた。 蓮華:「ポケモン遊覧船だって。」 キレイハナ:「行ってみない?ジム戦も終わったし。」 本当なら明日出発して一時はハナダシティに戻る予定だった。でも、思い出作りにはちょうどいいだろう。 そんなわけで、あたしは明日、遊覧船に行くことにした。 美咲:「遊覧船?この時期に?」 蓮華:「うん。明日行くんだけど、美咲も行かない?」 どうせならと思い、あたしは美咲を誘った。美咲もポケモントレーナーであることには変わりないのだ。 美咲:「そう?じゃ、行こうかな。蓮華のジム戦突破のお祝いもかねて。」 蓮華:「よかったぁ。」 美咲はポケモン大好きクラブに昔行ったことがきっかけで、一応名誉会員でもあったため、大好きクラブで働いている。 ポケモンもコータスしか持っていなかったけど、大好きクラブでイーブイとコラッタを貰ったらしい。 蓮華:「仕事はどうなの?」 美咲:「大変だよ。でも、楽しいかな。みんな優しいし。」 蓮華:「当たり前だよ。美咲の力のおかげでスペース団のロボットをやっつけれたんだから。」 美咲:「そうだね…。」 そして次の日。あたしとキレイハナ、そして美咲は遊覧船に向かった。遊覧船はラプラスの形をした大きな客船だった。 自分たち以外にもたくさんのトレーナーの姿が見られる。でも、ジムトレーナーの久美ちゃん達や、美香達の姿は見かけなかった。 やっぱり知らないか、忙しいからだろう。 そしてあたしたちが乗り込んだら、遊覧船は出向し始めた。 その直後、港を横切るアブソルの姿を見かけるものが多かったらしい。後々になって、アブソルが危険を知らせていたってことに 気づいたんだけど…。 中には料理が並んだテーブルや、ゲーム機などもたくさんあり、ポケモンを回復したり交換するための機械等も様々だった。 美咲:「あ、あそこでバトルやってるよ。」 蓮華:「あ、本当だ。ラッタと…あの風鈴みたいなポケモンは?」 美咲:「あれはチリーンだよ。でも、チリーンは持ってる人がすごく少ないほど稀なポケモンよ。」 蓮華:「へぇ〜。」 あたしたちの前でラッタとチリーンのバトルが行われた。 ラッタは必殺前歯を食らわせようとするが、チリーンはそれを避け、サイコキネシスでラッタを反撃した。 ラッタのトレーナー:「ラッタ、電光石火だ!」 電光石火はチリーンに命中し、チリーンは跳ね飛ばされた。 チリーンのトレーナー:「チリーン、癒しの鈴で傷を治すんだ!そしてもう一度サイコキネシス!」 チリーン:「チ、リ〜ン!」 チリーンのサイコキネシスはラッタを跳ね飛ばし、ラッタを倒した。 蓮華:「すごい!あのチリーン強い!」 美咲:「そうね、でも、あの人どこかで見たような…」 美咲がチリーンのトレーナーを見て、不思議そうな顔をしていた。 蓮華:「どうしたの?」 美咲:「ちょっとね。」 教えてくれなかったけど、でもやっぱりチリーンのトレーナー、青い髪の青年が気になるようだった。 サボネアに抱きつかれ、チリーンに顔に張り付かれ、クチートに左足を噛まれ、右足をガーディに擦り寄られ、 そしてウツボットが何かを狙ったように見ていて、マタドガスがそれを見ているようだったけど…。すごい人だ…。 蓮華:「あたしも参戦してみようかな?」 美咲:「いいんじゃない?」 あたしはそんなわけで参戦することにした。 すると、20代後半そうなのに、全然キレイに見える、スペース団のヤマトとは大違いのキレイさの女性がやってきた。 女性:「あたしの相手はあんたね。」 蓮華:「ええ。行きます!タネボー、お願いね!」 女性:「あたしのポケモンはこの子よ、愛しのドクケイルちゃん!」 その女性はドクケイルを出した。それにしても、愛しのドクケイルちゃんって…。 が、一瞬蛾ポケモンだと思ったあたしは驚いた。出てきた瞬間、キラキラ光っている。どうやらコンテストにも出しているようだ。 女性:「どうかしら?あたしのドクケイルちゃんを見て、圧倒されちゃったかしら?」 蓮華:「そうですね。でも、負けませんから!タネボー、タネマシンガンよ!」 女性:「ドクケイルちゃん、避けて!そして毒針よ!」 タネボーはドクケイルの上空からの毒針を受けてしまった。そのうちに、サイケ光線も受けてしまい、堪えて我慢した攻撃もかわされ、 あたしは負けてしまった。 蓮華:「負けちゃった…」 あたしが美咲の所に戻ったが、美咲はポカンとした顔をしていた。 蓮華:「美咲?」 美咲:「…あ、ごめん。」 蓮華:「どうしたの?美咲、今日おかしいよ。」 美咲:「そんなことないよ、大丈夫だから。」 そんな美咲を尻目にあたしはさっきの女性を見ると、どうやらさっきの青年の連れだったようだ。 キレイハナ:「美男美女ね。」 蓮華:「そうだね、あたしもあんな彼氏がいたらなぁ…」 キレイハナ:「(翼っちのこと、蓮華は気づいてないからなぁ…ある意味、すごい鈍感よね。)」 キレイハナの思いとは裏腹に、あたしは彼氏がほしいと心から思っていた。多分、哲兄と喧嘩になるかもしれないけど。 だって、シスコンだし。 そして、あたしたちは料理を食べたり、外に出たりしながら楽しんだ。しかし。 その楽しさをぶち壊される時がやってきた。 突然、ドアに一斉にシャッターが下り、部屋中が真っ暗になった。 トレーナー:「何だ!一体!」 トレーナー:「きゃ〜!!」 トレーナー:「一体誰がこんなことを!」 大パニックが起きた時のことだった。ステージにスポットライトで丸が照らされていた。そして。 あたしたちは聞いたことのある音楽が流れ出したのに気づいた。 蓮華:「これって…」 キレイハナ:「ということは…」 美咲:「うわ〜、ヤマトたちだ…。」 どう考えてもスペース団の仕業だとあたしたち3人は察した。しかし、美咲ちゃんの予想した彼らとは違う奴らが現れたのだ。 マユミ:「なんだかんだと聞かれたって」 エイジ:「答えるか否かはわれらの勝手」 蓮華:「誰?あれ。」 美咲:「知らない、見たことないよ、あの人たち。ていうか、あたしたちやヤマトたち以外にも、 こんな口上使う人がいたのね…。」 ピンクの髪の女性と青いコサンジに似た髪の男性が口上を続けていた。 マユミ:「世界の破滅を防ぐため」 エイジ:「宇宙の輝き護るため」 マユミ:「愛と勇気の悪を貫く」 エイジ:「ラブリークールな敵役」 マユミ:「マユミ」 エイジ:「エイジ」 マユミ:「この宇宙にきらめくスペース団の二人には」 エイジ:「ミントブルー、清き青の明日が待っている」 マユミ:「なーんてね」 そこで明かりがつき、会場には至る所にスペース団員が姿を現していた。 マユミ:「ここにいるトレーナーたちに告ぐわよ。今所持しているモンスターボールを全て、スペース団に謙譲しなさい! 嫌だと言っても、無理やり持っていくわよ!」 スペース団員たちはその言葉をきっかけにトレーナーたちから持っているポケモンや、ボールを無理やり奪い取っていった。 団員:「おい、お前らのもよこせ!」 蓮華&美咲:「嫌よ!」 あたしたちはそれを断った。すると団員の一人はキレイハナを捕まえようとし、数人の団員があたしと美咲に襲い掛かってきた。 でも。 キレイハナ:「ど変態!レディに触らないで!」 キレイハナは…さすがにお知りを触られて切れていたらしく、リーフブレードをぶちかましていた。 そしてあたしたちも。 蓮華:「やめて!必殺、ソーラー弾!」 美咲:「火の粉の舞!」 団員はソーラービームの弾丸と、燃え盛る火の粉の攻撃にのけぞり、跳ね飛ばされた。 マユミ:「あんたたち、キレイハナと連れたトレーナーってことは草の能力者ね!しかもそこにいるのはスペース団を裏切った、 元幹部のフレイ!」 どうやらばれたらしい。 蓮華:「そうよ、オバサン。」 美咲:「ばれるよね、この力使えば。で、あんたたち、一体何者よ!カントウ支部にはいなかったじゃない!」 マユミ:「ふん、あたしは答える気はないわ。女の子は大嫌いなの。特に正義面したあんたや、裏切り者にはね!」 エイジ:「諜報部隊によってお前たちのポケモンのことはすでに知っている。だからお前たちのポケモンのことは分析済みだ。 それでも対抗しようというのか?」 蓮華:「ええ、そこのオバサンを倒してあげる。」 キレイハナ:「セクハラの仕返しもまだよ!」 美咲:「それに、ここはトレーナーの数の方が多いのよ!あんたたちの数に比べたら、トレーナーの方が断然ね! コータス、火炎放射!」 美咲がコータスで団員を攻撃した。それがきっかけになって、周囲のトレーナーたちもボールを投げ始めた。 マユミ:「させないわよ!」 マユミが何かの機械のスイッチを押す。すると、ボールが次々に吸い込まれていってしまった。 それでも吸い込まれる前に出てくるポケモンも多く、蓮華もギャラドス、トサキントを除いた全ポケモンを一斉に放っていた。 葉っぱカッター、水鉄砲、電気ショック、痺れ粉、体当たりやメガトンパンチ、アイアンテール、シャドーボールなどが 飛び交う会場内で、どんどん団員たちは倒れていった。しかし、マユミとエイジは全然気にしていないようだ。 マユミ:「そろそろあたしたちの出番ね、行くのよ!ウィンディ、キュウコン!」 エイジ:「そうだな、ハガネール、メタグロス!」 そしてエイジのハガネールがアイアンテールによって会場内のポケモンたちを一気に跳ね飛ばした。 会場内はひしめきあっているうえ、出せるポケモンは小型のため、ハガネールのアイアンテールは強力なものだった。 しかも、それに飛ばされたのはポケモンだけじゃなく、多数のトレーナーたちもだった。 蓮華:「ひどい!」 美咲:「ここには小さな子供もいるのよ!何てことをするのよ!」 マユミ:「しったこっちゃないわよ!それに飛ばされた子供なんて女がほとんどじゃない!あたしは女は嫌いなの。 いい気味よ。」 エイジ:「そうだな。俺も子供は嫌いだ。続いていくぞ、メタグロス、そこの裏切り者にメタルクローだ!」 マユミ:「ウィンディ、そこのキレイハナに神速よ!トレーナーごとふっ飛ばしちゃいなさい!」 エイジのメタグロスが美咲を攻撃した。美咲のコータスが鉄壁で守るが、それを押し返し、床にコータスを叩きつけるメタグロス。 そしてあたしはキレイハナに力を与えることで、蔓の鞭で対抗しているけど、神速にはさすがに勝てず、あたしごと柱に叩きつけられてしまった。 マユミ:「オ〜ホホホホホ…、どんだけ強いかと思ったら、全然強くないわね。ウィンディ、そのまま火炎放射よ!」 エイジ:「確かにそうだな。フレイという幹部は極悪非道と聞いていたが、正義に転じてしまうとその覇気も失せたようだ。 マユミ、やるのはいいが、墓穴を掘るなよ。まだ策は残っている。」 マユミ:「分かってるわよ!」 ウィンディが火炎放射を吐こうとしたときだった。ウィンディの顔にヘドロがかかり、ウィンディがのた打ち回っていた。 マユミ:「誰よ!あたしの邪魔をするのは!」 すると、さっきの口上の曲が再び流れ始めた。しかし、出てきたのはスペース団じゃないようだった。 ムサシ:「誰よ!あたしの邪魔をするのは!と聞かれたら...」 コジロウ:「答えてあげるは世の情け...」 ムサシ:「世界の破壊を防ぐため...」 コジロウ:「世界の平和を守るため...」 ムサシ:「愛と真実の悪を貫く...」 コジロウ:「ラブリーチャーミーな敵役...」 ムサシ:「ムサシ!」 コジロウ:「コジロウ!」 ムサシ:「銀河に駆ける元ロケット団の二人には...」 コジロウ:「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」 ソーナンス:「ソォ〜ナンス!」 さっきの美男美女のカップルとソーナンスだった。そして、女性の後ろにはアーボック、ハブネーク、ドクケイル、 ベロリンガ、ソーナンス、ハピナスの姿が、男性の後ろにはマタドガス、ウツボット、チリーン、サボネア、ガーディ、 クチートの姿があった。彼らのポケモンだろう。 マユミ:「聞いたことがあるわ。昔、借金を抱えた状態でロケット団解散と共に姿を消した団員のことを。」 エイジ:「そいつらといたニャースは諜報部隊がオーキド研究所で発見したと聞いていたが、こんなところで出会うとはな。」 彼らは彼らを知っているようだ。そして美咲も知っているような表情をしていた。 蓮華:「知ってたの?」 美咲:「何となく気になってたのよ。どっかで見たことあるなぁって。やっぱりそうだったんだ。」 美咲がおかしかったのはだからのようだ。 ムサシ:「サカキ様が解散宣言を出した組織を名前を変えて始めるなんて言語道断よ!」 コジロウ:「この世界にはもう悪の組織は必要ないんだ!」 マユミ:「ふざけたことを言わないでくれません?オ・バ・サ・ン!」 マユミはムサシに喧嘩を吹っかけたようだが、ムサシには効いていない様だ。 ムサシ:「悪いけど、あたしは確かにオバサンと呼ばれる20代後半よ。でもね、お医者様はあたしの肌は10代ものっておっしゃってたの。 ロケット団をやってた時よりも若返ってるから。それに比べてあんたは肌はがちがちのボロボロよ。あたしに勝とうなんて10年早いわよ!」 マユミ:「悔しい!あんたたちが今までドジなんかやってくれたせいで、あたしたちスペース団も馬鹿呼ばわりされるのよ! エイジ、あんたも言ってやりなさいよ!」 エイジ:「マユミ、待て。もう少しで分析が…」 マユミ:「もういいわよ、あたしがやってやるんだから!」 マユミはムサシに口で負けた悔しさもあり、ウィンディとキュウコンに火炎放射を出させていた。しかし。 ムサシ:「ソーナンス、ミラーコートよ!」 ソーナンスのミラーコートによってきれいに跳ね返され、 コジロウ:「サボネア、ミサイル針!ウツボット、葉っぱカッターだ!」 ムサシ:「アーボック、ハブネーク、愛しのドクケイルちゃん、一斉に毒針よ!」 二人のポケモンが一斉に攻撃をしたことで、ウィンディもキュウコンも倒されていた。そしてその毒針の1本は…。 ヒュ〜、ブスッ! エイジのノートパソコンに刺さり、パソコンは分析が終わる前にぶっ壊れた。 エイジ:「何!?せっかくのデータが…。この野郎!ハガネール、アイアンテールで吹っ飛ばしてやれ!メタグロス、 コメットパンチだ!」 この狭い空間ではアイアンテールは最強に近かった。が、大きいということは不利でもあったのだ。 ガーディがハガネールのそばにすでに来ていて、強力な火炎放射を放たれていたのだ。しかも、先ほどのミラーコートを受けたのも、 実はハガネールだった。 そしてメタグロスのコメットパンチはチリーンの神秘の守りによって阻まれ、クチートの硬くなって噛み砕く攻撃によって倒されていた。 マユミ:「あたしたちのポケモンが、史上最弱というくらい弱い奴らに負けたですって!?」 ムサシ:「あら?最弱とは失礼ね。あんたたちが最弱の間違いじゃないの?」 コジロウ:「そうだな。おれたちはロケット団解散後はしっかりポケモンを育てたんだ。どこかの奴らみたいに、 自分のポケモンは強いと思い込んでいるや面とは全然違うのさ!」 マユミ:「くぅ〜、こうなったら!」 マユミが何かのスイッチを押した。すると、各所で爆発がおき始めていた。 マユミ:「オ〜ホッホホホホ…、この船には爆弾をたくさん用意しておいたのよ。それが爆発して、あんたたち全員は海の底にでも沈…」 マユミはエイジや他のスペース団と共に、その仕掛けられた爆弾によって飛ばされていった。 トレーナーたちのポケモンはいつの間にか、ムサシのハピナスの卵海によって回復していたため、急いでボールを見つけ、 外にある救命ボートに乗り始めていた。その指揮を取っているのはムサシとコジロウだった。 そして水ポケモンを持っているトレーナーはポケモンと共に海に飛び込んでいった。 蓮華:「美咲ちゃん、あたしたちも早く!」 あたしはコータスをボールに戻して蓮華ちゃんと一緒に出口まで走った。あたしたちはトレーナーのボールを機械から出している作業を 行っていたために、出るのは最後の方だった。そしてすでに船は沈み始め、海面はほとんど近づいてきていた。 ムサシ:「最後はあんたたちね。早く乗りなさい!」 コジロウ:「ほら、手を貸せ!」 あたしはコジロウの手を借りて、ボートに乗り移った。そして蓮華が最後に乗ろうとしたときだった。 ボートと蓮華の間が爆発を起こし、ボートは勢いで海に飛ばされてしまった! 美咲:「蓮華ぇ!」 そして船は沈んでいった。 同じ頃。ハナダジムやオーキド研究所、コンテスト会場などで来美たちがそれを何気なくだったが、気づいた。 蓮華の気が途絶えたことに。 美咲:「離して!あたしは蓮華を助けにいくの!」 ムサシ:「しっかりしなさいよ、あんたが混乱してどうするの!」 コジロウ:「それにここにはお前以外のトレーナーも多いんだ。こいつらも危険にさらす気なのか?」 あたしは蓮華のことしか脳裏になく、ほぼ暴走状態に陥っていた。そしてムサシの鳩尾を食らい、気を失った。 次の日。クチバには健人君や氷雨さん達が集まっていた。しかし、捜索の結果、蓮華ちゃんは見つからなかった。 水属性の来美ちゃんが調べたところ、蓮華ちゃんはどこかに流された。それだけが分かった。 死んでいないとしても、蓮華ちゃんは一体、どこに流されてしまったの?