タマムシジムにやってきたあたしとキレイハナだけど、そこで虫ポケモンに偏見を持つトレーナーに会った。 彼女はビードルを駆除しようとしたからあたしはゲットすることで助けたんだけど、彼女は最終的にあたしを、 そしてキレイハナを怒らせる結果になり、エリカさんの助言から、あたしと3対3のバトルを行うことになった。 28.能力者VSエキスパート!植物バトル 麗華:「まずはあたしからよ、行きなさい、キルリア!」 彼女が出したのは草ポケモンではなく、エスパータイプのキルリアだった。 蓮華:「あたしはこの子よ、コノハナ!お願いね!」 元々ポケモンバトルの場合、ジム戦では初めからジムリーダーの出すタイプが分かっているので対応が可能ではあるが、 普通のバトルの場合はポケモンを後に出す場合の方が先に出てきたポケモンのタイプから見て、そのポケモンに対応した ポケモンが出せるので、有利だったりする。 今回あたしは、今手元にいる唯一の悪タイプのコノハナでキルリアに対抗しようと思ったのだ。 麗華:「エスパーが出たから悪タイプですのね。でも、セオリーどおりには行きませんことよ。 キルリア、電磁波を使い、コノハナを動きを封じなさい!」 キルリア:「キルル!」 蓮華:「コノハナ、スピードスターで電磁波を相殺して!そして種マシンガンよ!」 コノハナ:「コノッハ!」 コノハナは放たれた電磁波をスピードスターを放つことで散らし、そのまま種マシンガンでキルリアを攻撃した。 キルリアは一時はダメージを受けたが、途中から光の壁で種マシンガンから身を守っていた。 麗華:「キルリア、10万ボルトよ!」 蓮華:「コノハナ、電光石火で避けて!」 麗華:「まだですわ、電撃波を使いなさい!」 蓮華:「させないわよ、コノハナ、猫騙しよ!」 エスパー技がコノハナに通用しないことから電気技で攻めるキルリアだったが、電光石火で避けられ、電撃波の電気を貯めようと したところ、猫騙しに驚いて一瞬ひるんでしまった。 蓮華:「今よ!シャドーボール!」 コノハナ:「コノッハ!」 シャドーボールは光の壁に多少阻まれたものの、一度受けた種マシンガンのダメージもあってキルリアを倒した。 麗華:「もう、何をしてるのよ!戻りなさい。そして、行くのよ、ペリッパー!」 麗華はキルリアに対し怒りの言葉を言って戻し、今度は水・飛行タイプのペリッパーを繰り出してきた。 蓮華:「次はキレイハナ、お願いね!」 キレイハナ:「任せて!」 麗華:「あら?飛行タイプに草タイプで挑むおつもりですの?それではペリッパー、翼で打つ攻撃よ!」 麗華はキレイハナを見下すように見て、ペリッパーに攻撃を指示した。 蓮華:「キレイハナ、蔓のムチでジャンプして、ペリッパーに飛び乗って!」 キレイハナは蔓のムチを地面に打ち、その勢いで高くジャンプして翼で打つ攻撃を避け、そのままペリッパーに乗った。 麗華:「ペリッパー、振り落としなさい!」 キレイハナ:「これくらいじゃ、振り落とされないわよ。」 キレイハナは振り落とされないようにペリッパーに蔓を巻きつかせ、落ちないようにした。 蓮華:「背後から行くわよ、ハイパーボイス!」 キレイハナ:「了解!」 相手のポケモンに乗られてしまった以上、自分もダメージを受ける覚悟の技以外では相手のポケモンを倒すことは難しい。 そのためペリッパーは背後からのハイパーボイスを受け落下した。そして、キレイハナが勝利した。 キレイハナ:「やったね、楽勝じゃん。」 蓮華:「ご苦労様。さて、お次は誰なの?」 麗華:「悔しい!どうしてこうもあんな子のポケモンに負けるのよ!モンジャラ、あの子のポケモンを倒しなさい!」 最後に麗華が切れながらだしたのはモンジャラだった。キレイハナが発見される前まではモンジャラだけが純粋な草ポケモン と言われていた。 蓮華:「モンジャラかぁ。純粋な草タイプのポケモンで、毒にも虫にも弱いわよね。だったら、さっきのこの子の屈辱をこの戦いで 返してあげるわ。ビードル、あなたに決めた!」 ビードルはすでに持っていた傷薬やあたしのヒーリングで助けてあるので、十分回復し、バトルに出しても大丈夫なのだ。 ビードルを出した途端、麗華は大笑いをし、ジムトレーナーも失笑や苦笑をしていた。 蓮華:「笑っていればいいわよ。ビードル、あなたなら勝てるから。」 ビードル:「ビー!」 麗華:「そうかしらね。モンジャラ、根を張りなさい。そして蔓のムチでくすぐるのよ!」 モンジャラには草ポケモンが覚えない技を一つ持っている。それがくすぐることで相手の攻撃と防御を下げるくすぐる と言う攻撃だ。 蓮華:「ビードル、毒針を蔓に刺しなさい!」 ビードルは頭の毒針をくすぐるを受けながらも蔓にぶっ刺した。それによってモンジャラは毒を受けた。モンジャラは アロマセラピーを覚えないし、特性も葉緑素だから、毒を受けた場合その症状を回復することは出来ない。 でも、根を張っている以上毒を受けてもその分のダメージをすぐに回復できてしまう。 麗華:「オ〜ホッホホホ、くすぐるを受けた時点ですでに防御はないに等しいポケモンが悪あがきをしても無駄ですわ。 蔓のムチで絡めとりなさい!叩きつけるのよ!」 モンジャラは体から3,4本の蔓を伸ばしてきた。 蓮華:「ビードル、糸を吐くのよ!糸を吐いて蔓を一つにして!」 ビードルの糸を吐く攻撃はあたしの指示したとおり、モンジャラの蔓を一つにまとめた。それによって蔓はとても太くなり、 糸を何十に巻いたこともあり、重くなって地面に落ちていた。 麗華:「あ〜ん、モンジャラ、早くそれを解くのよ!」 麗華がモンジャラを見てせかしている時、ビードルは突如糸を吐き出し始めた。すでにバタフリーとアゲハントで見たことがある。 進化だった。ビードルはコクーンに進化していた。 蓮華:「コクーン、防御を低くされた分、硬くなって次の攻撃を防げるようになって!」 コクーン:「コク!」 コクーンは硬くなるを使い、どんどん防御力を上げた。しかし、それをしていてもまだ、モンジャラは蔓が解けないようだった。 麗華:「こうなったら蔓は後でもいいですわ、種マシンガンで攻撃なさい!」 モンジャラは種マシンガンを使ったが、硬くなったコクーンにはあまり攻撃が効いていないようだ。 麗華:「それなら、メガドレインで体力を吸い取ってやるのよ!」 モンジャラはメガドレインを使った。それに対してはあたしも何も出来ない…わけじゃない。 こっちは少しでもダメージを与えてやるのだ。 蓮華:「コクーン、毒針を連射して!そして糸でモンジャラを絡めて!」 コクーンはメガドレインを受けながら、毒針を放った。純粋草タイプのモンジャラはそれを受けたことでメガドレインをやめてしまい、 その隙に今度は体を糸で絡め取られてしまっていた。 すでに根を張っている以上行動できないので、根を張る攻撃が仇になったようだ。しかしコクーンもその場から動くことが出来ず、 にらみ合いが少し続いた。 そして。コクーンは進化を遂げた。 麗華:「何ですって!?一度のバトルで2段進化なんて!」 蓮華:「努力と頑張りが自分の体を一気に成長させたのよ。」 コクーンはスピアーに進化した。 蓮華:「モンジャラは糸と自分の根で行動はもう出来ないわね。最後よ、スピアー、ミサイル針よ!」 スピアー:「ビ〜!」 スピアーはミサイル針を放った。これにより、モンジャラもついに倒れた。毒を受けた割に長期戦に耐えただけすごいと思う。 麗華:「悔しい〜!!どうしてあんなのに負けるのよ、そうよ、あなた、いんちきを使ったわね!そうじゃなきゃ、 勝てるわけないわよ!」 麗華はついに逆切れを起こし、あたしに詰め寄ってきた。が。 この場にいた全員が息を呑んだ。エリカさんが麗華にビンタを放ったのだ。それもこの場が一気に静まるくらい、 大きな音のビンタを。 麗華:「な…な…」 エリカ:「恥を知りなさい、あなたのポケモンは一生懸命戦いました。しかし負けたのに慰めの言葉も貰えずに怒られるだけの 彼らの気持ちを考えてあげましたの?あなたはポケモンの気持ちを考えずに自分のことだけ考え、彼らの気持ちを理解しずに戦いました。 だから、あなたはこのバトルに負けたのです。早くポケモンセンターに連れて行って上げなさい。そして、ポケモンの気持ちを理解し、 ポケモンに対しての偏見を捨ててきなさい。それまではこのジムのトレーナーを名乗ることは許しません!」 エリカさんの言葉で、麗華は呆然としていたが、数分後はっとして出て行った。その顔は明らかに自分はとんでもない思い違いを していたと言う風に見えた。 さすがジムリーダーは違う、優しそうでおっとりした人って言う感じにしか見えなかったけど、実際はかなり芯の硬く強い人なんだって、 ポケモンを理解しているから、だからジムリーダーが勤められるんだって思った。 エリカ:「蓮華さん、そしてキレイハナ、あなた方のバトルは見事でした。ビードルの気持ちを考え、そして一度のバトルで スピアーまで進化させました。そのようなあなた方には私とバトルをしなくても、タマムシジムのレインボーバッジを与えても よろしいかと思いますが。どうでしょうか?」 あたしたちはエリカさんに認められたようだ。ジム戦をしなくても、ジムリーダーがそのトレーナーはバッジを持つのにふさわしいと 感じた場合、バッジを与えることが出来るらしい。でも。 蓮華:「あたしは正式にエリカさんとバトルをして、そして勝利して、バッジをゲットします。草能力者として、草タイプのエキスパートとの バトルによって。」 エリカ:「分かりました。支度を致します。今しばらくお待ちください。」 そして数時間後、スピアーたちの回復も済ませたあたしは、エリカさんとバトルフィールドに立った。 エリカ:「それでは私、タマムシジムリーダーエリカと、グロウタウンの蓮華さんとのジム戦を開始いたしますわ。 お行きなさい、ウツドン!」 エリカさんの最初のポケモンはウツドンだった。 蓮華:「あたしはこの子で行くわよ、ロコン!お願いね!」 まずはセオリーどおりで炎で行くと決めていた。水や草タイプを多く持っているとはいえ、草タイプへの対策になるポケモンも 多く持っている。 エリカ:「セオリーですのね、それではウツドン、葉っぱカッターを差し上げて!」 蓮華:「ロコン、火炎放射!」 ウツドンは葉っぱカッターを放ってきた。それはキレイハナたちの葉っぱカッターよりも少し速いスピードだった。 でも、それらは火炎放射の餌食になり、燃えた葉っぱはウツドンに降りかかっていた。 エリカ:「まあ、ウツドン!」 多分エリカさんのウツドンの葉っぱカッターは少しスピードが速いから、他のトレーナーにとっては技を放つ前に受けてしまって いただろう。でも、あたしのロコンはすばやさを長けているし、スピードバトルには慣れているから、葉っぱカッターのスピードにも 追いつけたのだと思われる。 蓮華:「そのまま電光石火よ!」 ロコンはウツドンに電光石火を食らわせ、ウツドンはそのまま場外まで吹っ飛んだ。 審判:「ウツドン戦闘不能、ロコンの勝ち!」 蓮華:「やったぁ!」 ロコン:「コ〜ン!」 まずは一勝目だ。 エリカ:「戻りなさい、ウツドン。ご苦労様ですわ。…私のウツドンの葉っぱカッターに追いつけたトレーナーは久々でしたわ。 よく育てられているようですわね。しかし、この子には炎は通用しませんわ!ルンパッパ、あなたの力を見せてあげなさい!」 エリカさんの2番目はルンパッパだった。ニビでもルンパッパと戦ったけど、このルンパッパはその時とは違うと思った。 蓮華:「ロコン、ご苦労様、戻って!そして…バタフリー、お願い!」 あたしの2番目はバタフリーにした。今回、さっきのバトルで使ったポケモンは使わないと決めていた。 それはキレイハナも了承していて、観客席からあたしを見ている。 エリカ:「バタフリーですのね、でも、虫タイプにはこの攻撃はどうなるかしら?ヘドロ爆弾ですわ!」 蓮華:「バタフリー、バリアよ!」 あたしのバタフリーはバリアが使える。これのおかげでトキワの森では散々だったけど、この技は今は、バタフリーにとって なければならない技だ。 バリアによってヘドロ爆弾を防ぐことが出来た。 蓮華:「そのままルンパッパの真上を飛んで!痺れ粉よ!」 バタフリーは羽ばたきながらルンパッパの上を通り、痺れ粉を撒き散らした。が。 エリカ:「ルンパッパ、雨乞いで痺れ粉を洗い流しなさい!」 雨乞いによって流されてしまう粉。そして痺れが取れたルンパッパだが、妙に元気がいい。 蓮華:「まさか、ルンパッパの特性!?」 エリカ:「そうですわ。ルンパッパの特性「すいすい」と「雨受け皿」です。すいすいは雨が降っているときに素早さが上がる特性、 雨受け皿は雨が降っている間は体力を回復する特性です。ルンパッパ、水の波動ですわ!」 雨の影響で羽根が濡れ、動きが遅くなっているバタフリーは水の波動をまともに受けてしまった。 このままでは不利だけど…待てよ。 蓮華:「バタフリー、戻って!ここはこの子で行くよ、ハネッコ!お願い!」 あたしが出したのはハネッコだった。 蓮華:「日本晴れよ!」 ハネッコは日本晴れを使い、温室内の天気を雨から日照りに変えた。 蓮華:「今度はこっちの番よ。ハネッコの特性、葉緑素は知ってるでしょ?」 エリカさんは草タイプのエキスパートだ。そのエリカさんにあたしはハネッコで対抗しようとしているわけだけど、 ハネッコなら勝てるから多分大丈夫だろう。 エリカ:「ええ。でも、私に草タイプで対抗しようとするトレーナーは珍しいですわ。でも、容赦は致しません! ルンパッパ、ソーラービームですわ!」 蓮華:「ハネッコ、はねてかわして!そしてルンパッパに甘えるのよ!」 ハネッコ:「ハネネ!ハ・ネ・ハ・ネ♪」 ハネッコはソーラービームを避け、ルンパッパに擦り寄った。 ルンパッパ:「ル、ルン…///」 ルンパッパはさすがに照れている。 蓮華:「今よ、宿り木の種!そして葉っぱカッター!」 ハネッコは宿り木をルンパッパに植え付け、葉っぱカッターを放った。宿り木は一気にルンパッパを取り巻き、 ルンパッパのエネルギーを吸い始めた。エリカのルンパッパはそういう攻撃にも備えていたのだが、葉っぱカッターに 意識が取られたためにその行動に遅れ、宿り木に体力を半分以上吸われたときにようやく、宿り木を引き剥がした。 エリカ:「ルンパッパ!…ハネッコはどこですの?」 蓮華:「上よ!ハネッコ、頭突き!」 ハネッコはエリカさんとルンパッパが自分から意識を話した隙に、ルンパッパの真上に移動していたのだ。 そしてルンパッパに目掛けて落下し、強力なスピードのオプションがついた頭突きを食らわした。 すると、ルンパッパはその一撃で倒れた。 審判:「ルンパッパ、戦闘不能!ハネッコの勝ち!」 蓮華:「やったぁ!やったよ、ハネ…ハネッコ?」 ハネッコ:「ハネ!ハ〜ネ〜!」 ハネッコの体が光りだしていた。進化だった。ハネッコはポポッコに進化した…と思うと、再び光り、2段進化で一気に ワタッコまで進化を遂げた。 ワタッコ:「ワタワタ!」 蓮華:「すごい…ハネッコ、いや、ワタッコ、頑張ったよ。これからもよろしくね!」 あたしでさえびっくりしたのだ。当然エリカさんも驚いていた。が。 エリカ:「うふふ、蓮華さんのポケモンはよく蓮華さんに懐いているし、育て上げられていますわね。」 蓮華:「ありがとうございます。」 エリカ:「けれど、あなたのポケモンはバタフリーとワタッコだとすでに分かりましたので、あたしとしては有利ですわ。 最後はこの子です、ラフレシア!戦って差し上げて!」 エリカさんの最後のポケモンはクサイハナがリーフの石を使うことで進化するラフレシアだった。 キレイハナ:「蓮華!負けないでよ!」 蓮華:「分かってる!」 キレイハナが声を出したのは多分、自分と同じ種族が相手だと知ったからだろう。そしてまた、キレイハナとラフレシアは 覚える技も微妙に違う上、コンテストでは重宝されることが多いので、ライバルであったりもするのだ。 多分この場に出ていたら、激しい睨み合いが出ていたかもしれない。 エリカ:「行きますわよ、ラフレシア、毒の粉ですわ!」 ラフレシア:「ラッフ〜!」 ラフレシアの花びらが回り、いや、ラフレシア自身が回転し、竜巻を伴うようにして毒の粉がワタッコに放たれていた。 蓮華:「ワタッコ、綿胞子よ!」 ワタッコの綿胞子は毒の粉を防いだが、おされ気味だったのがよく分かった。この分だと危ない。一度、交換しないといけない。 あたしはワタッコを戻し、再びバタフリーを出した。ただ、ラフレシアは草タイプであるが、毒タイプでもある。 だからバタフリーの虫技はあまり効果がないかもしれないが。 エリカ:「それではラフレシア、花びらの舞ですわ。」 蓮華:「バタフリー、銀色の風を伴った風起こしよ!」 ラフレシアの花びらの舞がバタフリーの動きを封じるように周囲を飛び交った。花びらはフィールド上を覆い隠すように 舞っている。それに対し、バタフリーは銀色の風を伴う風起こしで花びらを吹き飛ばしていた。 エリカ:「どこを見なさってるのですか?ラフレシア、毒の粉ですわ!」 蓮華:「え?あ、バタフリー、バリアよ!」 花びらの舞は目くらましでもあるが、風はラフレシアのいるフィールドに吹いているため、ラフレシアは多少ダメージを受けた。 しかし、受けたものの移動して、バタフリーの真下にいたのだ。 あたしが気づいてバリアを指示したから毒を受けなかったものの、あの花びらの舞は危険だった。 エリカ:「オホホホ、蓮華さん、これ以上の長期戦は禁物ですわよ。ラフレシア、光合成、そしてアロマセロピーですわ!」 蓮華:「回復ね、それならこっちも!バタフリー、朝の日差しよ!」 多分長期戦になる。でも、バタフリーの方が今は不利に見えた。…ちょっと待てよ。 大事な技を忘れて…忘れてた! 蓮華:「バタフリー、超音波よ!」 バタフリーは朝の日差しを終えていたが、ラフレシアはまだアロマセラピーを行っていた。それが終えた直後を狙い、 超音波がラフレシアを襲った。 ラフレシア:「ラフラ?ラフ?」 エリカ:「ラフレシア!」 ラフレシアは混乱していた。 蓮華:「今よ、バタフリー、サイケ光線!」 ラフレシアは草と毒の二つの属性を持っている。そのため、ラフレシアにはエスパータイプの技も効果あるのだ。 サイケ光線を受けたラフレシアは超音波の混乱もあってフラフラになっていた。でも、まだ立っていた。 エリカ:「ラフレシア、これ以上回復を行っては不利ですわ。一気に行きますよ、破壊光線を差し上げて!」 エリカさんは勝負に出ていた。 蓮華:「バタフリー、こっちも破壊光線だよ!」 破壊光線同士が強くぶつかり合った。そして爆発がおき、それらの噴煙が消えた時、その場にはバタフリーとラフレシアが 倒れていた。 審判:「両者、相打ちによって戦闘不能のため、引き分け!以上、バトル終了。勝者、グロウタウンの蓮華!」 あたしのほうはワタッコがまだ残っていたのだ。それにより、あたしの勝利が確定した。 蓮華:「ヤッタァ!」 あたしは嬉しかった。そしてキレイハナも嬉々していた。 エリカ:「おめでとうございますわ。蓮華さん、これがレインボーバッジです、どうぞ。」 あたしはレインボーバッジをゲットした。 蓮華:「レインボーバッジ、ゲットだぜ!」 あたしはジムから帰るときにエリカさんにシルフスコープのことを聞いてみた。 エリカ:「シルフスコープですの?それなら、私が持っていますわ。」 蓮華:「本当ですか?でも、どうしてです?」 エリカ:「私のジムはタマムシデパートに花や香水などを送り、それを売ってもらって様々な施設への寄付金にしてもらっています。 私も花屋の繁盛のため、たまにデパートへ参るのですが、お墓参りのためにポケモンタワーに行く人がいるので、その方々が ゴースなどのポケモンの化けた幽霊に怖がらないために、シルフスコープを売ってもらおうと考えているのです。ですが、 なぜ、シルフスコープが必要なのですか?」 あたしはエリカさんにシオンのことを話した。 エリカ:「まぁ、そのようなことが起きていましたの。でしたら、この白い菊の花も差し上げますわ。 この花はゴースたちゴーストポケモンや、ポケモンの幽霊たちに対しての慰霊、慈悲を示しますから。彼らもみだりに襲ってこないはずです。」 蓮華:「ありがとうございます。」 あたしはお礼を言って、ジムを後にした。 ナナ:「どうだった?蓮華ちゃんは。」 エリカ:「あら、来ていらしたのですのね。とてもいいトレーナーですわ。」 ナナ:「そう、あなたが言うなら蓮華ちゃんもかなり成長したんだね。」 ナナは実は麗華との対戦の時から蓮華の様子をこっそりと見ていたのだ。 エリカ:「ですが…」 ナナ:「何?」 エリカ:「いえ、蓮華さんのことではありません。最近、各地で様々な災害やトラブル、事件などが起きていますわ。 ここは一つ、ジムリーダー会議を催した方がよろしいのではなくて?ハナダジムはサクラさんたちがまだ旅行から戻らず、 来美さんが一人で切り盛りいたしていますし、何かあってからではまだ知り合って間もない私たちとでは、息を合わせにくいと 思いますの。どうです?」 ナナ:「そうね、何か起きる予感がするし、ここはカントウのジムリーダーを、このタマムシにある大学の一室に招集しましょ。」 エリカ:「ええ、部屋は私が取っておきますわ。連絡の方、よろしくお願いいたします。」 ナナ:「了解。」 蓮華の知らないところで、大きな何かが動き出そうとしていて、それに向かう何か、ジムリーダーたちも少しずつ動き出そうとしていた。