蓮華:「えぇ〜!?どうして音が出ないのよぉ!!」 今あたしがいるのはタマムシシティを出てすぐのサイクリングゲートの入り口の、一歩手前。 なぜ一歩手前かといえば、現在ここは通行止めなのだ。今まではクチバの東のゲートを出たすぐの場所も通行止めだったけど、 いつの間にか誰かがゲットしていたらしく(今までは空を飛ぶタクシーが行われていたみたい)、残った通行止めはここだけで、 あたしはどうしてもこっちから行きたいからここにやってきたわけだったけど。 30.ゲット!×発覚?!×出会い! キレイハナ:「蓮華、多分これ、古くて音が出ないんだよ。」 蓮華:「そんなぁ〜、せっかくゲットできると思ったのに。」 キレイハナ:「でも、あたしたちの戦力はここ最近でアップしてるし、大丈夫じゃないの?」 蓮華:「大丈夫よ。でも、滅多にいない実力派が、こ〜んなところで寝てるのよ。ゲットしない手はないって。」 さっきからゲット、ゲットって何を言ってるかといえば、それは「カビゴン」のことである。 最近「ゴンベ」という進化前の状態も発見されたりと、驚くことの多いこのポケモン。育てようによってはかなりの力を出すらしく、 あたしとしては戦力アップが続いていても小柄メンバーの多いパーティの中で役立ってもらいたいのだ。それなのに。 蓮華:「よりによってポケモンの笛の音が出ないなんて…」 がっくりしたあたしはタマムシシティに一度戻ることにした。 キレイハナ:「それにしても、どうしてこっちから行きたいの?」 蓮華:「志穂ちゃんが教えてくれたのよ。クチバ側から行くより、こっちを通った方が珍しいポケモンに会えるって。 それにカビゴンをどうにかすれば、あっちから行くよりも十分早くセキチクシティにつけるんだって。」 志穂ちゃんは旅好きなので、あっちの遠回りゲートから行くらしいけど。 キレイハナ:「珍しいポケモン…?あのさ、蓮華のパーティのあたしたちほど、珍しいメンバーが集まってる子はいないと思うけど?」 …確かに。でも…。 蓮華:「色んな子がいたほうがいいじゃん。」 あたしがこう言うと、さすがにキレイハナは何も言わなかった。 蓮華:「あ、そうだ!」 キレイハナ:「ん?どうしたの?」 蓮華:「一応色んな子がいるから、誰かがこの笛を吹けるかもしれないじゃない。」 もしかしたら人間に吹けなくて、ポケモンに吹ける笛かもしれない。 キレイハナ:「う〜ん、一応やってみようか。…コノハナはどうかなぁ?」 あたしは図鑑でコノハナのことをチェックしてみた。 蓮華:「えっと…頭の葉を使って草笛を吹くのがうまい…おぉ〜!!いいじゃん。コノハナ、出てきて!」 あたしはコノハナに、ポケモンの笛を渡してみた。 蓮華:「コノハナは笛を吹くのがうまいんでしょ?もしかしたら、この笛も吹けるんじゃないかなぁ?」 コノハナ:「コノ?コノッハ!」 どうやらやってみると言ったらしい。何となくだけど、何を言ったのかが分かった。 そして数秒後、コノハナはポケモンの笛を簡単に吹きこなし、キレイなメロディを奏でていた。それは、ケアハウスで聞いた ミルタンクの癒しの鈴の似たようなキレイな音色で、心が安らぐようだった。 でも、そんなムードを壊すような大きな声が背後からした。あたしたちが振り向けば、そこには怒った様な顔つきの カビゴンが立っていた。 カビゴン:「カンビゴ〜!!」 蓮華:「きゃあ!」 コノハナ:「コノ!?」 キレイハナ:「うわぁ!いきなり笛で起こされたって怒ってるよ!蓮華、ここはやるっきゃないよ!」 蓮華:「ええ!」 あたしがキレイハナの言葉に同意した時だった。ボールから一気にみんなが飛び出していた。 すでに心が通じているせいか、あたしの危機を知ってか、みんな戦闘意欲満載の状態で出てきていた。そして。 キレイハナ:「ここは突撃だよ!」 キレイハナの言葉ですでに、あたしの支持なしで全員が技を放っていた。が。 数分後、あたしのパーティの半分以上が眠ってしまっていた。カビゴンの欠伸攻撃によって、眠りについてしまったのだ。 ルナトーンとハクリュウの神秘の守りのおかげで助かったのだけど、頼みのコイッチやヒメグマ、モココは眠ってしまった。 蓮華:「みんな、ここは戻って!ヘラクロス、お願い!」 今再び攻撃しても意味がないと思ったあたしとしては、格闘技の使えるヘラクロスが頼みの綱だった。 ヘラクロス:「ヘラクロ!」 ヘラクロスはやる気満々だった。 蓮華:「カビゴンの顔に乱れ突き!そして一発メガホーンよ!」 つい先ほどロコンの封印で、カビゴンの眠るは封印した。だから当分カビゴンが眠ることはない。その間に勝負を決めなきゃ、 あたしのパーティは全滅してしまうだろう。 ヘラクロスの技を決まっても、カビゴンの表情はあまり変わらなかった。元々体力が有り余ってるのがカビゴンなのだ。 簡単に倒れるはずはない。それなら…。 蓮華:「ヘラクロス!持ち上げて空に投げ飛ばすのよ!」 ヘラクロスはカビゴンの巨体を角で持ち上げ、宙に投げ飛ばした。しかし、落下してきたカビゴンはヘラクロスに向かって 爆裂パンチを食らわしていた。 キレイハナ:「蓮華、ヘラクロスが!次はあたしが行くよ!」 キレイハナがボールから飛び出してきた。多分他のみんなも飛び出してくるかもしれないけど、でも、計画は狂ったけど、 大丈夫だと思う。 蓮華:「ううん、大丈夫。ヘラクロス、一気に片をつけるわよ!」 ヘラクロス:「ヘラクロ!」 本当だったら落下直後に瓦割を使ってカビゴンを倒すつもりだったけど、カビゴンは爆裂パンチの構えだった。 だからあたしは指示を変えたのだ。そして。 蓮華:「ヘラクロス、起死回生よ!」 さっき使わせたのは堪える攻撃だった。あの落下の衝撃を持つ攻撃のダメージは計り知れないはず。でも、堪える攻撃を使えば 最低でも1だけ、体力が余るはず。最後の最後まで勝負の行方が分からない。それがヘラクロスの戦い方なのだ。 ヘラクロスの起死回生を受けたことで、カビゴンの体はようやく揺らいだ。このチャンスを逃さない! 蓮華:「ヘラクロス、お疲れ様。キレイハナ、ワタッコ、後は頼むわよ!眠り粉!」 キレイハナ:「了解!」 ワタッコ:「ワタワタ!」 眠る攻撃と違い、攻撃によって眠るため、カビゴンは回復することはない。そしてあたしはこの後、買っておいたハイパーボールを 連続10回投げ、ようやくカビゴンをゲットすることができた。でも、後々になって知ったのよね。ヘビーボールがあれば、一発で ゲットできたということを。でもま。 蓮華:「カビゴン、ゲットだぜ!」 キレイハナ:「やったね!」 ワタッコ:「ワタ♪」 カビゴンをゲットしたのはよかったけど、あたしは一度ポケモンセンターに寄らなければならなかった。 そして、最近の戦いのために疲れが出た子も多いらしく、何人かを研究所に送ることに決めた。 蓮華:「そういうわけだから、この子達のこと、よろしく頼むわね。」 ニャース:「分かったにゃ。蓮華ちゃんがポケモンを預けること自体珍しいにゃ。大事にするにゃ。」 蓮華:「お願いね、ところで、哲兄と翼先輩は?」 ニャース:「もうすぐ帰って来る筈にゃ。今日の午前中にカントウ連合の顔見せ会が終わったにゃ。」 どうやらあの事件が終わってすぐにあったらしく、あたしとなずなちゃんと志穂ちゃん以外は能力者にも召集がかかったらしい。 と、哲兄たちの声が聞こえてきた。そしてニャースがあたしの電話を教えたからか、すぐに哲兄が出た。 蓮華:「哲兄、元気だった?」 でも、哲兄は怖いような顔をして何も言わない。あたし、何か変なことやったかなぁ? しかも黙り込んであたしを睨んでる。 哲也:「お前さ、俺に言うことはないのか?まず言っておく、あいつとの交際は認めないからな。」 …え?えぇ〜!?もしかして…。 あたしがぎょっとして次の言葉を言うよりも早く、画面には知った顔が数人出てきた。そしてその中に、あたしの脳裏に描かれた 人物もいた。 菜々美:「ゴメンねぇ…光沢先輩が口滑らせちゃって…」 健人:「フォローはしたんだがな…」 ようするに、涼治との関係がばれたのだ。キレイハナから翼先輩があたしの好意を持っていることを聞いていたので、 多分先輩はかなりショックかもしれない。あたしはてっきり知ってると思ってたし。 哲也:「いつからだ?」 蓮華:「言わなきゃいけないの?」 哲也:「言え。」 蓮華:「嫌。あたしはあたしの好きな人と付き合うの。哲兄に指図される筋合いはないの!」 そう言ってあたしは電話を切ってやった。そしてすぐに涼治に連絡をした。 電話に出た涼治はさすがにあたしが何を言いたいか分かっていた。 涼治:「先輩と話したのか?」 蓮華:「うん。涼治、負けちゃ駄目だよ。あたしたちは何も変なことしてないから。」 涼治:「負けてないぞ、いや、勝っちゃったというか…」 蓮華:「?」 涼治:「実はさ、先輩二人にバトルで勝っちゃって…多分、プライド傷つけちゃったかも…」 あたしはさすがに二の句が告げられなかった。哲兄と翼先輩にバトルで勝つということ自体、ありえないし。 だって確か、涼治のポケモンはラクライとカラカラだけ…。 涼治:「実は、こういうことなんだ。」 あたしはその時のことを詳しく聞くことにした。 〜回想〜 哲也:「俺は絶対に認めないからな。」 涼治:「でも、現に俺は…」 哲也:「あれだけ面倒見てもらったくせに、恩を仇で返す気なんだな!」 涼治:「いや、それは…」 光沢先輩の一言+健人先輩&菜々美のフォローで出た失言により、哲也先輩の怒りは頂点に達していた。 そして…。 翼:「俺がお前に恋の相談した時、お前は陰で笑ってたってことだよな?」 涼治:「そ、それは…いや、その時はまだ付き合ってなかったので…」 翼:「でもお前が付き合ってたのは中1からだろ?」 涼治:「それは…」 こんなやり取りが続いた時だった。さすがに一方的な痴話喧嘩が続けば我慢の限界が来る人もいた。それが氷雨さんで…。 氷雨:「いい加減にしなさい!こんなところで恥ずかしいと思わないわけ?これ以上やるんだったらあたしに考えがあるから。」 室内だけど吹雪き始めてたし。氷雨さんが切れるとやばいことは俺たちの中でも全員が知ってるだろ。 だからさすがに哲也先輩たちも何も言えなかったんだ。 氷雨:「よろしい。それじゃ、バトルで決めなさいよ。」 ??:「賛成だな。この喧嘩にいちいち口を出す気はないが、見ているほうも気が病みそうだ。」 ??:「拙者も同感だな。」 希:「それで、どんなバトルをさせるんですか?」 もうこの辺では俺たちの意見なしで強引に話は進んでた。 氷雨:「一対一よ。哲也君と翼君のポケモン一匹ずつと、涼治君のポケモン二匹で行うの。」 エリカ:「それではタマムシ大学のバトルフィールドが空いている筈ですわ。そこをお使いになると宜しいですわ。」 そして俺たちは場所を移動した。 ナナ:「審判はあたしがやるわ。使用ポケモンはさっき言ったとおりよ。」 始めは哲也先輩とのバトルだった。 哲也:「一発で終わらせてやるからな。行って来い!ピジョット!」 涼治:「なら俺は…カラカラ!頼んだぞ!」 蓮華:「カラカラ?ラクライじゃなくて?」 涼治:「ああ。」 蓮華:「あたしも結構弱点のポケモン出して失笑買うけど…カラカラって…」 涼治:「別にいいだろ。策はあったし。」 蓮華:「それで?」 哲也:「涼治、お前はバトルをする気があるのか?飛行タイプに地面タイプを出すことはほとんど負けを認めるに等しいぞ!」 涼治:「そうでもないですよ。カラカラ、ピジョットを睨みつけろ!」 哲也:「怯むな、ピジョット!ツバメ返しだ!」 ピジョットは旋回し始め、急降下をしてきた。俺は咄嗟にカラカラを穴にもぐらせた。絶対に防御ができない技でも、 穴にもぐってしまえば手を出せない。 哲也:「くそっ、ピジョット、高く飛べ!そしてカラカラが顔を出したらそこにスピードスターだ!」 ピジョットはスピードスターを使った。さすがに穴から出たカラカラはそれを受けちまった。 涼治:「カラカラ!もう一度穴にもぐれ!そして穴の中から外に砂嵐だ!」 地面には3つの穴があり、そのうちの一つから砂嵐が噴出された。フィールド上は砂嵐状態でカラカラの居場所さえも分からない状態。 哲也:「ピジョット、砂嵐を吹き飛ばせ!」 が、指示を出した瞬間、ピジョットの背後から何かが飛び出した。 哲也:「待て、ピジョット、あの物体に破壊光線だ!」 ピジョット:「ピジョ〜ット!」 しかし、それはカラカラじゃないんだよな。破壊光線が当たったのはカラカラの骨棍棒だった。 哲也:「何!?」 涼治:「残念でした。それは囮です。カラカラ、ピジョットに水鉄砲だ!」 古い技マシンで覚えさせた水鉄砲は破壊光線を発射したことで動きが止まっているピジョットに命中した。 哲也:「水鉄砲か。だがそれくらいではピジョットは倒れないぞ。」 涼治:「ですよね。でも、カラカラが持っているものくらい何か、分かりますよね?」 フィールドはすでに、体制を整えたピジョットが吹き飛ばしで砂嵐を消してしまっていた。 そしてカラカラは棒のようなものを持っていた。 涼治:「カラカラ、ビルドアップ、そして影分身、そして…バトンタッチだ!」 カラカラが棒を宙に投げると、カラカラの姿は自動的にボールに戻り、ラクライがその場に現れ、彼の頭上でバトンが消えた。 そしてラクライは、攻撃力と防御力が上がった状態で、影分身をしていた。 「バトンタッチ」という技は前のポケモンの行った補助効果をそのまま引き継いだままの状態で他のポケモンと交代する技だった。 哲也:「ラクライ…電気タイプか。ピジョットには不利だが、ピジョットは最終進化態。ラクライはまだ進化してない。 ピジョット、そのままカマイタチ攻撃だ!」 分身はカマイタチで次々に消えていっていた。でも、ラクライは無傷だ。 涼治:「ラクライ、充電しておくんだ!」 そしてラクライの分身が全て消えた。 哲也:「そいつで最後だな。ピジョット、多少のダメージ出るけど、一気に決めるぞ。捨て身タックルだ!」 ピジョットは高速移動のようなスピードでラクライに向かってきた。 涼治:「ラクライ、フラッシュだ!」 ピジョットはラクライのフラッシュをまともに受け、一瞬動きが揺らいだ。そこを逃す俺ではなく、 涼治:「今だ!充電全快のスパーク攻撃!」 カラカラに水鉄砲を受け、まだ体に水分が残っているピジョットは充電によるスパークを近距離で受けた。そして。 ナナ:「ピジョット、戦闘不能!」 哲也:「俺が…負けた…!?」 さすがにこの時の哲也先輩は見たことなかったな。蓮華も見なくてよかったと思うぞ。 蓮華:「それで、負けたけど認めずに、哲兄はプライドがズタズタで、交際は認めないってことになっちゃったわけ?」 涼治:「ああ。」 蓮華:「哲兄、アレで頑固だから…あ、翼先輩とのバトルはどうだったの?」 涼治:「そっちも勝った。翼先輩は…荒れてたからさ。」 蓮華:「…そう…なの。涼治、あたしは涼治のことが好きだから。だから、哲兄の反対は無視するからね。」 涼治:「ああ。」 それから電話を切った。 次の日。あたしがポケモンセンターを出ようと思った時だった。 ??:「ダネ!」 あたしの足元にはフシギダネがいた。 キレイハナ:「フシギダネだね。」 フシギダネ:「ダネvv」 キレイハナ:「え…」 ボールから飛び出したキレイハナも彼を見るが、彼の一言に突然固まってしまっていた。 蓮華:「どうしたの?」 キレイハナ:「この子、オーキド研究所から脱走してきたみたいなの…」 マサラからタマムシまで…という言葉のときは、あたしも呆然としていて気づいてなかったけど。 あたしはすぐニャースに連絡を入れた。すると、確かに初心者用のポケモンのフシギダネが前々から行方不明だったことが分かった。 ニャース:「多分、蓮華ちゃんについていくつもりだったんにゃ。」 蓮華:「あたしに?」 ニャース:「そうにゃ。一応蓮華ちゃんも初心者トレーナーだったにゃ。そして蓮華ちゃんの草能力をフシギダネが見抜いたとしたらにゃ、 その力に引かれて蓮華ちゃんを追いかけた可能性があるにゃ。」 キレイハナ:「確かにそうかもね。蓮華のオーラって、草ポケモンから見るとついていきたくなるムードだから。」 あたしのオーラはたまに突然放出されるらしかった。 キレイハナ:「それを見てフシギダネが脱走したとしたら、ゲットしちゃったら?」 蓮華:「でも…」 あたしは迷っていた。あたしも初心者であることには変わりないけど、すでに普通のトレーナー以上のレベルにいるし、 フシギダネは別の初心者のためにいたほうがいいような、そんな気がした。 ニャース:「それじゃ、いらなかったら転送するにゃ。」 キレイハナ:「了解したわ。その時はあの子はあたしが説得しておくから。」 その時大爆発が聞こえた。 ポケモンセンターの外で、そこにはフシギダネがいるはず! あたしとキレイハナが外に出ると、フライゴンとボーマンダに乗った二人がいた。そして2体の龍は網を持ち、 その中にはフシギダネや、多数のポケモンの姿があった。 ヒカリ:「これで前回の失敗が何とかなるね。」 ユウ:「そうだな。面倒くさいから早く終わらせるぞ。」 スペース団だった。 キレイハナ:「ハァ〜…もう、一体何なのよ!」 と、いつもの曲が流れ出した。 ヒカリ:「もう一体何なのよと言われたら…」 ユウ:「めんどくさいけど、適…」 でも今回あたしもキレイハナもそれを言わせる気はなかったので、 蓮華:「キレイハナ、マジカルリーフで網を切るのよ!」 キレイハナ:「了解!」 と、さっさと攻撃をすることにした。 ユウ:「あ!おい!何しやがるんだ!」 ヒカリ:「そうだよ、卑怯だよ、奇襲は!」 キレイハナ:「どっちが!あんたたちこそ奇襲してるじゃないの!」 ヒカリ:「え?これって奇襲なの?」 一瞬、白熱したポケモンセンター周辺は、シ〜ンとなった。 ユウ:「(ガクッ)…ヒカリ、一応俺たちのやってることは奇襲だ。」 ユウがガクッとしながら説明すると、手をポンッと叩いて納得するヒカリ。 ヒカリ:「へぇ〜、そうなんだぁ。でも、いいや。草使いの蓮華ちゃん、覚悟! あなたと同い年だけど、だからって甘く見たら火傷するよ!フライゴン、破壊光線!」 ユウ:「全くしょうがないな、ボーマンダ、火炎放射だ!」 漫才めいた二人のやり取りが終わり、ついに攻撃が発射された。 蓮華:「キレイハナ、ソーラービームよ!」 あたしたちも対抗したんだけど、突然、違う方向からもソーラービームが打ち出され、押されかけたあたしたちは 攻撃が相殺したことで助かっていた。 ヒカリ&ユウ:「!?」 ユウ:「誰だ!」 と、そこにいたのはフシギダネだった。 キレイハナ:「フシギダネ!」 フシギダネ:「ダッネ、フシ〜!」 キレイハナが駆け寄り連れてくると、フシギダネはあたしのほうを真剣な目で見ていた。 蓮華:「一緒に戦いたいのね?」 フシギダネ:「ダネv」 あたしはこの時に確信した。フシギダネはあたしのポケモンだと。 ヒカリ:「あ〜ん、せっかく勝てると思ったのに!ユウ、何やってるのよ!」 ユウ:「ちょっとゲームだよ、いいだろ?」 ヒカリ:「だって、あ、攻撃が来るよ!フライゴン、竜の息吹よ!」 あたしたちが技を放させようとしたら、すぐにヒカリが反応した。が、その直後、フシギダネの体を緑色の光る球体が 回り始めた。フシギダネの目覚めるパワーだった。 蓮華:「よぉし、行くよ!キレイハナ、ソーラービーム、フシギダネ、目覚めるパワーよ!」 二つの攻撃は竜の息吹を弾き、フライゴンとボーマンダごと、彼らを吹っ飛ばした。 ヒカリ:「あ〜ん、だから言ったのに!」 ユウ:「あ、僕の命の次に大事なゲーム機がぁ!?」 ヒカリ&ユウ:「最悪な感じ〜!!」 数時間後、あたしはニャースにフシギダネは自分がゲットしたと連絡した。 その直後、ジョーイさんにポケモンたちを休ませた方がいいと言われたので、もう少しの間、あたしはタマムシに落ち着くことにした。 キレイハナ:「あたしはいいとして、他のみんなはほとんどが疲れてるみたいなのよね。」 蓮華:「最近いろいろあったもんね。トレーナーバトルも多かったし。」 キレイハナ:「あ、ねえねえ、蓮華はこういうの興味なかった?」 キレイハナは一枚のポスターを指差した。 ”ポケモンコンテスト、タマムシ大会明日開催!受付は明日の10時まで” 蓮華:「う〜ん、ハナダのときは興味なかったけど、暇つぶしに出てみるのもいいよね。」 キレイハナ:「でしょ?この大会、ファイナルコンテストルールを取り入れてるみたいだし、あたしは一次審査に出るから。 二次審査用の誰かを、蓮華が選んでよ。」 蓮華:「分かった。」 というわけで、明日はコンテストだ!多分、美香と菜々美ちゃんに会うだろうなぁ。