涼治:「ポケモンコンテストかぁ、そういえば俺も一度だけ出たぞ。」 どうやら涼治はシオン大会に出たことがあるらしい。 あたしは美香や菜々美に教えてもらう前に、知ってるかどうかを別として涼治にコンテストのことを聞いてみたのだ。 31.白熱!ポケモンコンテスト 涼治:「カラカラで出たんだけどさ、一次審査で落ちた。けっこう難しいからな。」 蓮華:「了解、でもあたしは大丈夫よ。一次審査は通れるよ。…どうしたの?キョロキョロしてるけど。」 涼治:「ちょっとな、視線を感じた気がするんだ。気のせいだよな。」 まさか哲兄たちかも…あたしは気のせいだといいながら、ついあの二人のことを考えていた。 でも、言わなかった。言ったらさすがに涼治がかわいそうだったから。 蓮華:「そういえば、頼みがあるって言ってなかった?」 涼治:「あぁ、ちょっとさ、ヨマワルとカモネギを借りてもいいか?」 蓮華:「えっ?いいけど…何に使うの?」 涼治:「ポケモンの生態系のことを勉強しててさ、ヨマワルとカモネギについて知りたいんだ。」 涼治はポケモンドクターを目指しているから、生態系のことを勉強しているようだ。生態系などによる、新しい治療法や 効果のある看護についてなどを。 蓮華:「いいよ、今送るから。今度返してね。」 涼治:「分かってるって。サンキュー!」 まさかこれが涼治との最後の電話になっちゃうとは、この時は全く思ってもいなかった。 美香:「蓮華、出ることにしたんだね。」 菜々美:「ついにあたしたちとライバルねぇ。」 コンテスト会場に入り、コンテストパス登録と受付を済ませると、美香と菜々美ちゃんが近寄ってきた。 蓮華:「ちょっと出てみたかったから。でも、二人って結構有名みたいね。」 あたしがそう言うと、二人はやっぱりといった感じの表情を示していた。 美香:「そりゃそうでしょ、あたしたちはコンテスト巡りしてるから。」 菜々美:「優勝掻っ攫ったりね。」 その後に、あたしは二人のポケモンを見せてもらった。ほとんど前と変わってなかったけど。 美香はエイパム、マリルリにキルリアとドンファンが加わっていて、菜々美ちゃんはマリルリ、バタフリー、オドシシ、ズバットの ままだった。マリルリ(美香)、エイパム、マリルリ(菜々美)、バタフリーだけがよくコンテストに出ているような形らしいけど。 と、そこにプクリンを連れた子が入ってきた。 すると、美香と菜々美ちゃんはその子に寄って行った。どうやら知り合いみたいだったけど…あたしはその子の背後に誰かがいたような、 そんな気配を感じた。 キレイハナ:「蓮華。どうかしたの?」 蓮華:「ううん、別に。」 あたしはあの子も変わった能力を持っているのかな、とつい思ってしまっていた。多分、考え違いだと思うけど。 そして数時間後、コンテストが始まった。 あたしは34番目で、美香や菜々美ちゃんの後だった。と、1番目はさっきの子の様だった。 さっきの子が出したのはプクリンで、丸くなり、転がる、そしてメロメロを使った後に歌うなどで会場を沸かせていた。 得点も高くて、あたしはすごいなぁと思ってしまった。 キレイハナ:「かわいい系と逞しさ系じゃない。あたしは美しさと賢さで行ってやるわよ。」 一人、あたしの隣で妙に燃えてるのがいたけど…。さすがにあたしも心配になってきた、キレイハナのことが。 その後、いろんな人が色んなアピールをし続けていたけど、あたしはあの子、渚ちゃんって言うらしいけど、渚ちゃんの演技 以上のものはないような気がした。何か、明日からが入ってるような感じが。 あと少しで自分の番が来る。そのためにステージに向かおうとした時だった。 ??:「きゃっ!…あら?蓮華ちゃんじゃない。」 あたしは角で誰かとぶつかった。でも、すぐに誰か分かった。 蓮華:「双葉さんじゃないですか!双葉さんもこっちの世界に?」 双葉:「ええ。あたしはちょっとコンテストを見に来ただけだけどね。」 双葉さんは舞さんの知り合いで、あたしともちょっとした関係。しかも双子でそのお姉さんなんだけど、妹の名前も双葉なのだ。 でも、見ればすぐに違いは分かるけど、それは置いといて。 蓮華:「あたしの演技、もうすぐなんです。見てくださいね。」 双葉:「ええ。」 あたしは双葉さんと別れて、ステージ端にやってきた。すると、美香のアピールが行われていた。 マリルリを使った水芸のようだ。しかもかなり高度そう。 美香:「ポケモンが楽しくやってるから、あたしも楽しくやれるのよ。」 美香はアピールが終わったあと、あたしにそう教えてくれた。菜々美ちゃんのはすでに終わったらしいけど、菜々美ちゃんのも かなりすごかったらしい。バタフリーがサイケ光線や銀色の風ですごいものを作ったらしい。 バタフリーはアゲハントとドクケイルの覚える両方の技を覚えられるから、カントウではバタフリーを使うコーディネーターも かなりいるらしい。 菜々美:「ポケモンとトレーナーの感情があったときこそ、一番いい演技ができるの。ポケモンを信じることが大切だよ。 蓮華ちゃん、バトルでも同じだから、大丈夫だよね?」 あたしが出て行く前、菜々美ちゃんはそういっていた。だから、あたしもようやく自信がついた。 蓮華:「キレイハナ、ステージオン!」 あたしがボールを投げると、キレイハナが花びらの舞に包まれながら優雅に登場した。 蓮華:「マジカルリーフ!そして次に葉っぱカッター!」 二つの飛び技が放たれ、それが宙に向かっていく。そこにソーラービームを放ち、キレイハナは再び花びらの舞を使った。 すると、会場中を葉っぱと花びらが舞うように散る、壮大な景色が出来上がった。 あたしとキレイハナの演技は最高得点をはじき出す勢いに終わった。 実はこの後に、あのムサシって人が出てドクケイルで演技をしたんだけど、あたしとキレイハナのがすごすぎちゃったらしく、 味気ない点数で終わっていた。それなりにいいと思ったんだけどなぁ。 あたしが控え室に戻ると、いきなりバラを目の前に出された。 蓮華:「えっ?」 ??:「初めまして、お嬢さん。僕の名はシュウ。君の演技はとてもよかったよ。まさにコーディネーターの名にふさわしい演技だった。 このバラはそんな君のためにあるのさ。」 シュウという人はそう言って部屋を出て行った。 ??:「ちょっと!シュウ、待ちなさいよ!」 そのあとを赤いバンダナをした子が怒って追いかけていった。 蓮華がバラをもらった時、実はあたしも驚いていた。 キレイハナ:「(こんなところで会うとはね。)」 ロゼリア:「ロゼ(前は興味なさそうだったけど、出たのね。)ロゼリィ(アピールすごかったわよ。)」 エネコ:「ニェェ、ネェ(でも、二次審査では負けないよ。)」 何日か前にホテルで出会ったロゼリアとエネコと再会したのだ。二人はトレーナーが部屋を出て行ったから、 慌てて追いかけていったけど。 そして2次審査。予選を越えた8名の中に、あたし、美香、菜々美はあった。そしてあの渚ちゃんや、あたしにバラをくれたシュウって人、 シュウを追いかけていったバンダナの子もいた。そしてムサシって人も。 美香:「すごいね、蓮華を除けばコンテストの常連が残ってるよ。」 菜々美:「そうね。ムサシさんもハルカちゃんも、シュウも渚もすごいからねぇ。」 なんだかすごい大会にあたしは出ていたと、ようやく気づいていた。 美香:「それで、二次審査は誰が出るの?」 蓮華:「あ、この子。」 あたしが出したのはハクリュウだった。キレイハナに続く(?)美しさのポイントが入ってしまいそうなあたしのポケモンだ。 滅多にバトルには出さないけど、こういうのだし、せっかくだから出すべきだろう。 と、振り分けが始まり…あたしは初めはハルカっていうバンダナの子とだった。 ハルカ:「フシギソウ、ステージオン!」 蓮華:「ハクリュウ、お願いね!」 ハルカのポケモンはフシギソウ、あたしはハクリュウでのバトルだった。 フシギソウは宙返りをしてかわいく決まり、ハクリュウは神秘的なオーラで美しさを強調した。 蔓のムチで来るかと思えば、種マシンガンや、眠り粉、葉っぱカッターなどで向かってくるフシギソウ。 あたしは電磁波や冷凍ビームでそれらを弾き、吹き飛ばす方向で行った。どうやら蔓のムチを使うことで、 電磁波を食らうことを防ごうとしているらしい。それなら…。 蓮華:「ハクリュウ、竜巻よ!」 ハルカ:「フシギソウ、蔓のムチでジャンプして竜巻をかわすのよ!そして頭突きよ!」 まさか竜巻攻撃をかわすとは思ってもなく、ハクリュウは接近戦で大打撃を受けてしまった。ポイントも大幅に削られてしまう。 蓮華:「やるじゃない。」 ハルカ:「初めてのあなたよりも場数を踏んでるのよ。これで勝負は決まったかも! フシギソウ、花びらの舞でとどめよ!」 蓮華:「そうはさせないわ。ハクリュウ、影分身!そして吹雪!」 ハクリュウは影分身をした。花びらの舞で一気に叩こうとするハルカだけど、それをかわしての吹雪によってフシギソウは 氷漬になった。戦闘不能により、ハルカのリタイアは決まった。 ハルカ:「嘘ぉ…フシギソウ、今溶かして上げるからね。」 ちょっとやりすぎちゃった。そんな気がするあたしだった。 ハルカ:「あなた強いわね、あたしの新しいライバル登場かも!」 こんなことを言ってたけど、あたしが気まぐれで出たと知ったら怒っただろうなぁ。 この後あたしはムサシか菜々美ちゃん、どっちかと戦うことになりそうだ。そうすれば決勝戦だと思う。 美香はシュウと戦い、エイパムとアメモースの戦いはエイパムのアイアンテールをかわし、目覚めるパワーを放った アメモースに軍配があがり、渚ちゃんはポニータを使ってラフレシアのトレーナー(多分タマムシジムにいたトレーナーの一人) を撃破していた。 ムサシ:「ハブネーク、ポイズンテールよ!」 菜々美:「ズバット、かまいたち!」 ムサシと菜々美ちゃんのコンテストバトルは一歩も引かず、一番白熱していた。 ポイントも同じで、延長戦が行われているらしい。 ムサシ:「ハブネーク、ロケット頭突きよ!」 菜々美:「ズバット、最大パワーで超音波!」 そして軍配は…ムサシに上がっていた。超音波を使っても、さすがにロケット頭突きの勢いを抑えられなかったらしい。 菜々美:「あ〜あ、負けちゃった。美香も負けちゃったし、蓮華とのバトルが楽しみだったのになぁ。」 菜々美ちゃんは心底悔しがっていた。 そしてあたしは2回戦目。 ムサシのハブネークとの対戦だった。 ムサシ:「あらっ?確か遊覧船の中で会ったわね。」 蓮華:「ええ、蓮華です。」 ムサシ:「覚えてるわよ。ドクケイルちゃんであなたのタネボーを倒したのよね。 しかもニャースからは色々聞いてるわよ。」 蓮華:「そうですかぁ。」 何言ったのか、ちょっとだけ心配だった。 ムサシ:「さてと、司会のビビアンがうるさいし、さっさと始めるわよ。」 蓮華:「そうですね。」 実はバトルフィールドに来て、初めと叫ばれて、それでもまだ始めてなかったりする。すでに一分経過中。 ムサシ:「行くのよ、ハブネーク!」 蓮華:「ハクリュウ、お願い!」 ハブネークは威嚇の特性をフルに使っているが、ハクリュウは澄ましながら全く気にしていない様子。 ムサシ:「ハブネーク、黒い霧、そして毒針よ!」 蓮華:「神秘の守りで毒針を受け止めて!そして竜巻で黒い霧を吹き飛ばすのよ!」 ハブネークは黒い霧を吐き、毒針を放つが、ハクリュウが神秘の守りで毒針から身を守り、竜巻で黒い霧を吹き飛ばし、 そのまま竜巻でハクリュウを攻撃した。 ムサシ:「ハブネーク、蓄えるのよ!」 蓮華:「フィールド上に雨を降らせて!」 ハブネークは蓄える攻撃を発動させ、ハクリュウは雨乞いを行う。 蓄える攻撃はこれと「飲み込む」攻撃か、「吐き出す」攻撃のどれかと共に使うことで、攻撃や回復を行うことができるのだ。 そしてハクリュウの使った雨乞いは雷をうまく相手に当てたり、水系統の技を強力なものにするのだ。 ムサシ:「ハブネーク、回復が先よ。飲み込みなさい!」 蓮華:「相手の回復を防ぐわよ、ハクリュウ、水の波動よ!」 蓮華の方がこれで勝つかと思えば、そうではなかった。ハブネークは飲み込む攻撃を行うと同時に、自分に向かって飛んできた 水の波動を間一髪避け、穴を掘る攻撃で地面にもぐっていた。そして。 ムサシ:「ハブネーク、ポイズンテール!」 ハブネークはハクリュウの背後から飛び出し、ハクリュウに尻尾で放つ毒攻撃を叩きつけようとした。 蓮華:「ハクリュウ、影分身!」 今度はハクリュウが間一髪影分身で避けた。 ムサシ:「やるわね、それじゃこれで決めるわよ!ハブネーク、まきつく攻撃よ!」 ハブネークは影分身のハクリュウ全てに体当たりするようにして、本体のハクリュウに巻きついていた。 蓮華:「ハクリュウ!逃げて!」 でも、ハクリュウはハブネークにしっかりと巻きつかれてしまっていた。だったら…。 蓮華:「ハクリュウ、電磁波よ!」 ハクリュウは体全体から電磁波を放ち、ハブネークは麻痺してしまった。その時、時間切れになった。 ビビアン:「ポイントの残り数から見て、この勝負は蓮華さんの勝利になります!」 わずかな差だった。巻きつかれたときに電磁波を使うタイミングが遅かったら、あたしが負けていただろう。 ムサシ:「あんた強いわね。このままがつんと行きなさいよ!」 ムサシって人はそういい残すと行ってしまい、あたしもハクリュウを戻して控え室に戻った。 (ただ、思いっきり悔しいと叫ぶ声が中から聞こえたけど。…あの人上品そうに見えて、人は見かけによらないのかもしれない。) 美香:「あのムサシさんをわずかな差で負かすとは、蓮華もすごいんじゃない?」 美香たちと合流すると、美香はあたしの勝利を称えてくれた。 菜々美:「言えてるわね、それは。蓮華、渚ちゃんとの勝負も頑張ってね。」 ついさっき、渚ちゃんとシュウのバトルが行われたのだ。結果はアメモースの泡や冷凍ビーム、バブル光線を炎の渦で一蹴し、 火炎車の突進で打ち破ったポニータが勝利を果たしたのだ。しかもポニータはその時、経験地によってギャロップに進化したらしい。 美香:「ハクリュウとギャロップのバトルかぁ。見ものね。」 菜々美:「双葉さんと大河も見てるし、渚ちゃんがアレを覚えてたら、もっとすごいんだけどねぇ…」 蓮華:「どういうこと?」 双葉さんはともかく、大河までいるとは…。 大河は…もう言っちゃえば、双葉さんと大河も妖怪なのだ。あたしたちはこういう能力をもっていることから、 かなり多くの妖怪たちと親しくしている。双葉さんは二口女という妖怪で、大河は神社の狛犬の化身だった。 菜々美:「秘密よ。これは人に言っちゃいけないことだから。双葉さんと大河の副業の関係ごと、って言えば分かるでしょ?」 そして、双葉さんたちはあることをしている。あたしはそれがよく知らないけど、人間が知るべきことじゃないらしく、事情を唯一知っている 二人も何も教えてくれないのだ。 だからあたしも知るわけには行かなかった。 蓮華:「あ、そろそろだ。頑張ってくるね。」 ちょっとムードが暗くなり始めたので、ちょっと早かったけどあたしはステージに向かった。 美香:「応援してるわよ。」 菜々美:「蓮華ちゃん、ファイト!」 そしてあたしは渚ちゃんと向かい合った。 渚:「美香ちゃんと菜々美ちゃんからはよく聞いてるわ。悔いのないバトルをしましょ。」 蓮華:「ええ、ハクリュウ、バトルイン!」 渚:「ギャロップ、最高のステージを見せて!」 ビビアン:「それではタマムシ大会決勝戦、スタートです!」 決勝がスタートした。その瞬間、ギャロップが飛んだ。 渚:「ギャロップ、踏みつける攻撃よ!」 蓮華:「ハクリュウ、避けて竜の息吹!」 渚:「火炎車で突進よ!」 蓮華:「雨乞いで炎の威力を抑えて!」 あたしも渚ちゃんもバトルは一進一退を繰り返していた。攻撃は当たったり当たらなかったり、防いだり防ぎ切れなかったり…。 それが続いたけど、ジム戦と同じで楽しかった。でも、さすがはコーディネーターだった。 ギャロップの動きはキレがある。 渚:「ギャロップ、熱風よ!」 蓮華:「ハクリュウ、神秘の守り!そして破壊光線!」 渚:「だったらこっちも破壊光線よ!」 破壊光線同士が激しくぶつかり合った。そしてあたり一面を爆風と爆煙が舞った。その時、あたしは自分の力で身を守っていたけど、 渚ちゃんの周囲には何か暖かい、大事な人を守るようなオーラが見えた。渚ちゃんを身を削ってまで守りたい人がいるんだって、そう感じた。 そして時間切れになったとき、あたしのポイントが少し負けていることが分かった。 ビビアン:「今回のコンテストの勝者はクチバシティの渚さんです!」 こうしてコンテストは終わった。 キレイハナ:「結局、コーディネーターには敵わないってことかなぁ?」 蓮華:「そうかもね。コンテストバトルを極めてるみたいだし。」 あたしとキレイハナはポケモンセンターの個室で話していた。 あの後、すでにシュウやハルカの姿はなく、渚ちゃんもすぐに帰ってしまい、美香と菜々美とも別れたのだ。ちょっと淋しかったけど。 キレイハナ:「蓮華、みんなも休めたみたいだし、ハクリュウはニャースに預けたから、明日から出発しない?」 蓮華:「そうね。そろそろいいかもしれないわね。」 明日はサイクリングロードを通り、セキチクシティに向かう。何が起きるか、ほんのちょっとだけ、楽しみだった。 その頃…。 涼治:「お前ら…一体…」 ??:「お前に教えるようなものではない。」 ??:「俺たちと一緒に来てもらおうか。」 涼治:「誰がお前たちとなんか!」 ??:「だが、お前は行くことになる。腕ずぐでな。」 各地で何かが起き始めていた。しかし、そんなことはまだ、誰一人として気づいていなかったのだった。