スペース団からの通告があってからちょうど2週間後の決戦の日。 タマムシ大学の校門前にはナナとエリカの姿があった。 ナナ:「2週間と言う時間があっという間に過ぎたわね。」 エリカ:「そうですわね。今日からスペース団との決戦が始まるということですもの。」 彼女たちはヤマブキに乗り込むメンバーを待っていた。 エリカ:「今のところ、ジムリーダーの方々はそれぞれの街を出る事ができないと思われますわね。 私も含め、全てのジムリーダーがスペース団からの申し出を断りました。多分、ヤマブキに乗り込むと同時に、 向こうから全ての町々に、スペース団からの攻撃が行われると思われますわ。 ヤマブキに乗り込む方々は決まっていますの?」 ナナ:「ええ。行方不明者の能力者が何人かいたり、ジムトレーナーやジムリーダーとして残る人もいるらしくて、 ここに来れるのは限られてるけどね。」 と、ナナは色々な方向から様々なものが向かってきているのを見た。 ナナ:「来たみたいよ。」 39.突入!ヤマブキシティ 蓮華:「あ!トロ、あそこに降りて。あたしの仲間も向かってきてるから。」 キレイハナ:「本当だ!ナナちゃんとエリカさんがいる。」 美香:「蓮華!」 菜々美:「蓮華ちゃん!」 海:「久しぶりね。みんな一斉に集まってきたみたいね。」 トロが急降下をし始めると、炎の羽の美香、蝶の羽の菜々美ちゃん、プータルに乗った海ちゃんが集まってきた。 蓮華:「みんなもやっぱり行くのね。」 美香:「ええ。」 美香がうなずくと、他のみんなもうなずいた。みんなやる気満々だ。 菜々美:「海ちゃん、ハナダは大丈夫なの?」 海ちゃんは結局、ハナダジムのジムトレーナーに落ち着いていた。 海:「ええ。一応マサキさんや元々ハナダジムのジムリーダーをしてたサクラさんたちも戻ってきているから。」 あたしたちがナナと合流すると、哲兄、翼先輩、健人先輩、久美ちゃん、志穂ちゃん、そして美咲ちゃんの姿があった。 ナナ:「ヤマブキにはあたしとこのメンバーだけが乗り込むことになってるわ。」 蓮華:「ナナ、涼治たちはどうだったの?」 ナナ:「残念ながら行方不明のままよ。でも、なずなちゃんがいなくなる前にスペース団らしき何かと一緒にいたって言う 目撃情報をもらってるの。だから、もしかしたら人質かもしれない。」 美咲:「ありうるわね。」 美咲ちゃんはスペース団の一部の内部事情に詳しいから何かを知っているみたいだった。 美咲:「成功しているかどうかは分からないけど、あたしやエレクの力で伝説のポケモンを押さえ込もうとした事があるわ。 でも、それはあたしが抜けたことで終わったかもしれない。でも、涼治君、なずなちゃん、希ちゃん、玲奈さんの力は それぞれの伝説と言われているポケモンたちを押さえ込むことができるような力を持っているわ。 もしかしたら、それを狙って捕らえたのかもしれない。」 久美:「どうであれ、あたしは相棒の希ちゃんがいないと電撃ガールズがやれないのよね。」 哲也:「俺は玲奈を助けたい。だから行く。」 翼:「今のところ、動けるのは俺たちくらいだからな。」 ナナ:「それじゃ、行きましょうか。」 あたしたちはナナちゃんと一緒に、ヤマブキシティの入り口までやってきた。 すると。 噴水のように青い水が地面からふきだし、その水は女性の姿に変わった。 ??:「よくいらっしゃいました。能力者の皆さん、お待ちいたしてましたわ。」 その女性は紺色のチャイナドレスを見に纏っていた。 ナナ:「あなたは?」 蓮華:「何者?人間ではないわね。」 キレイハナ:「この感じ…ポケモンみたいだけど。」 ??:「ご名答。あたしはリースイ。スペース団のボス、ルーク様にお仕えする秘書よ。そして、これは仮の姿。 もう一つはこの姿。」 リースイの体が突然変化し始め、そしてそれは液体化し、他の、ポケモンの姿に変わっていた。 キレイハナ:「嘘…」 蓮華:「こんなことがあるのね…」 あたしたちの目の前には普通よりも3倍も4倍も大きなシャワーズの姿があった。そしてシャワーズは再び、女性の姿に変わった。 リースイ:「あたしはルーク様のポケモンのシャワーズが変化したもの。何故かは教える気がありませんわ。 仲間になってくださるのでしたら、お教えしてもよろしいですけど?」 美咲:「なるわけないじゃない。だからここに来ているのよ。」 リースイ:「あら、裏切り者も向かってくると言うことはそうと認識いたしてもよろしいでしょうね。それでは、 徹底的にあなたたちを撲滅します!」 リースイの姿が再び消えた。 そして。 同時に、光が目の前を通り過ぎると共に突然みんなの姿が消えた。 蓮華:「みんな!どこ!」 キレイハナ:「どうなってるのよ、いきなり周囲にいた全員が姿を消すなんて…」 ??:「あなたの仲間はみんな無事よ。この街の至るところに飛ばしただけ。だって固まってたら攻撃しても、 こっちが不利だから。」 驚くあたしとキレイハナの前に、オペラ座の仮面のような仮面をつけ、白い装束と白いマントを身に纏った少女が姿を現した。 蓮華:「あなたは?」 キレイハナ:「誰?」 あたしたちが同時に聞くと、くすっと笑い、答えた。 ??:「あたしは気圧の天使エア。ダーク四天王の一人。何故か知らないけど、あなたに対してものすごく恨めしい想いがある。 だからあなたを倒す。ムウマ!」 エアはムウマを出し、シャドーボールを見境なく放ってきた。 蓮華:「あたしはあなたに見覚えはないわ!ソルル、お願い!」 ソルルなら、ゴーストタイプの攻撃はあまり効かないから。 ソルル:「ソル!」 ソルルは見破る攻撃を使用し、ムウマに切り裂く攻撃を使っていた。ムウマは切り裂く攻撃を避けながらシャドーボールを撃つが、 明らかに劣勢のようだった。 エア:「やるわね、それならムウマ、影分身。そして電磁波、雷!」 エアのムウマはソルルを影分身で取り囲み、電磁波と雷を放った。 でも、二つの電気攻撃はソルルを攻撃しなかった。 蓮華:「残念でした。デンとドラちゃんの力で作った避雷針よ。これがある限り、あなたの電気攻撃は通用しないわ。」 あたしはソルルにムウマを任せたとき、ムウマが電気技を覚えることを図鑑で調べ、ドラちゃんをデンが持ち上げる状態にして、 特性の避雷針を作ったのだ。 鋼の金属は電気を通しやすいから。 蓮華:「ソルル、ムウマにカマイタチよ!」 ソルル:「ソル!」 ソルルのカマイタチがムウマを切り裂き、ムウマは倒れた。 蓮華:「さぁ、どうするかしら?」 あたしが威勢良く言ってやると、 エア:「くっ、ならば、必殺!気功電流撃!」 エアは突然、空気と電気の塊のようなものを放ってきた。 突然だった攻撃に、ドラちゃんもデンも、ソルルも吹っ飛ばされてしまった。明らかに戦闘不能状態だった。 蓮華:「ちょっと!ポケモンに何をしたのよ!それに…それに今の技はどこで覚えたのよ!」 あたしは驚きで声が震えていた。 キレイハナ:「蓮華?」 蓮華:「今の技は、なずなちゃんが唯一できる必殺技よ。でも、なずなちゃんがそんなことをするはずがないもの!」 エア:「へぇ〜。でも、あたしはそんなことは知らない。」 蓮華:「だったら聞き出すまでよ!キレイハナ、蔓のムチで捕らえて!」 キレイハナ:「了解!」 キレイハナは蔓のムチをエアに伸ばした。が、突然何かの攻撃がキレイハナの蔓のムチを凍らせていた。 キレイハナ:「きゃあ!」 蓮華:「誰!」 と、今度は入り口の方から、誰かが歩いてきた。 エアと同じ仮面をつけ、水色のマントと水色の装束を身に纏った少年らしき人物が歩いてきた。彼の手からは冷気のようなものが出ていた。 また、彼の仮面の色は黒で、剣を持っているのが見えた。 エア:「この人はあたしの彼氏。」 ??:「俺は風の貴公子ドルク。エアを傷付ける奴は俺が許さない。ガラガラ、サマヨール、破壊光線でそいつを倒せ!」 ドルクと名乗った少年がガラガラとサマヨールを出した。 さっきのムウマといい、ポケモンたちの目は虚ろで、何かに操られて、自分の意識とは別に動かされているみたいだった。 ガラガラとサマヨールの放った破壊光線は、大量の砂煙を起こしていた。あたしはチャンスとばかりにヤマブキシティに入り、 近くのポケモンセンターに飛び込んだ。 哲也:「くそっ、突然こんなところに飛ばされたかと思えば、この雑魚軍団は一体…」 みんなで固まっていた時に突如光が駆け抜け、俺は街の中にいた。そして、俺の姿を確認した団員たちが一斉に襲い掛かってきたのだ。 哲也:「ピジョット、一気に行くぞ!鋼の翼だ!」 俺はピジョットに乗りながら、鋼の翼を使って団員の集団を一気に蹴散らしていた。が、いきなりピジョットの片羽が凍り、 気づけば地面に落下してしまっていた。 ??:「団員たちとのバトルはつまらなかったようだな。」 俺の前には水色の装束をつけた少年みたいな奴がいた。 哲也:「お前は?」 ??:「俺は風の貴公子ドルク。お前も風使いだな?」 哲也:「ドルクか。ああ、そうだ。しかし、俺に何のよ…うぅっ!」 俺は突然背後にすさまじい電撃の痛みを受けたのを感じた。振り向くと、そこにはライボルトがいて、俺にスパークを放ったようだった。 ドルク:「所詮、能力者といってもただの人間であり、お前は弱い存在だ。」 哲也:「何だって!必殺、竜巻の嵐!」 俺は奴を風の力で吹き飛ばした。すると奴の仮面がとれ、奴の正体が分かった。 哲也:「お前は!」 俺はつい駆け寄ろうとした。しかし、突然目の前に現れたサマヨールが俺を捕まえ、俺は至近距離の破壊光線をもろに受けていた。 ドルク:「弱い奴だな。お前は俺の仲間になれるかと思ったが、仲間になったら足手まといになるだけだね。 一言言っておこう、存在価値のない屑はいないほうがマシだ!」 俺はドルクに向かっていきたかった。あいつはあんなことを言う奴じゃないから…。しかし、俺は気を失っていた。 同じ頃。 翼が謎のパープル装束の女性に追い詰められていた。 肩からは血を流し、翼の周囲には彼のポケモンが傷ついた状態で倒れていた。 ??:「おほほほ、あなたにはあたしは勝てないわよ。」 翼:「くそっ、思い出せよ!お前は俺たちの仲間じゃないか!」 ??:「さあ、そうでしたかしら?グラエナ、そこのゴミを噛み砕きなさい!」 グラエナは翼を噛み砕こうとした。しかし、一瞬で翼は消えていた。 ??:「あらら?またあのレジスタンスね。残念ね、せっかくグラエナが噛み砕いて上げれたのに。」 ヤマブキシティの各地で、蓮華の仲間たちがスペース団員や、謎の仮面の少年少女たちによって倒されていた。 彼らの正体は誰も分からず、すべてが倒されてしまっていた。 そして同じ頃。 カントウの町々でも、スペース団が侵略をし続けていた。 スペース団は何故か異様に強く、シオンが手始めに侵略され、他の町々も劣勢状態が続いていた。 そんな事が起きているとは露知らず、蓮華はポケモンセンターの一室に身を置いていた。 ヤマブキシティはぱっと見状態で見たけど、明らかに前のシオンタウンと同じで、ゴーストタウンのようになっていた。 さっき、エアはダーク四天王と言った。だとしたら、このゴーストタウンの状態にしたのはダーク。あいつに間違いない! キレイハナ:「スペース団はこの中にはいなかったよ。」 キレイハナとニド君、ぴぴ、チリリが戻ってきた。ぴぴは壊れたモンスターボールの残骸を持っていた。 蓮華:「それは?」 キレイハナ:「多分、ここに預けられていたポケモンたちのものだと思う。壊れていたってことは、ここが襲撃にあったときに、 ポケモンを奪うときに壊されたと思ってもいいんじゃないかな。食料とか、そういうものはみんな置いてなかった。」 と、外の方が騒がしくなっていた。あたしたちはこっそり覗いて見ることにした。 すると、そこには菜々美ちゃんがいて、スペース団の団員と戦っていた。 菜々美:「オドシシ、地震攻撃!そしてバタフリー、銀色の風よ!」 オドシシの地震がポケモンたちの立っている地盤を壊し、そこを銀色の風が攻撃する。 と、そこに再び変な少女がやってきていた。今度は黄色い装束だった。 菜々美:「あなたは?」 ??:「あたしはダーク四天王の一人、電動師パクス。スペース団の邪魔になるものはすべて、排除するべし。 ライチュウ、キリンリキ、そこのポケモンたちを倒し、そこの女を倒すのよ。」 ライチュウは一瞬でバタフリーを地面に沈め、キリンリキは突進で乗っていた菜々美ちゃんごと、オドシシを倒していた。 菜々美:「そんな!オドシシ!バタフリー!」 パクス:「弱いわね、あなたのポケモンは。ライチュウ、電磁砲よ。」 パクスは菜々美ちゃんを狙っていた。 菜々美:「許さない!必殺、特大高音波!」 菜々美ちゃんの必殺技だ。高音の波動、ある意味、衝撃波のようなものだ。 しかし、それはライチュウの電磁砲を相殺するに過ぎなかった。 パクス:「残念だったわね。あなたも弱いわ。」 菜々美:「くっ…」 蓮華:「もう我慢できない!キレイハナ、行くよ!」 キレイハナ:「ええ。」 あたしたちが飛び出そうとした時だった。 ??:「そうはいかないわ。」 背後から声がして、強力な攻撃に弾き飛ばされた。 菜々美:「蓮華ちゃん!」 蓮華:「ごめん、駆けつけようと思ったんだけど…」 菜々美:「ううん、あたし、知ってたよ。あたしは音に敏感なの。蓮華ちゃんが近くにいて、隠れてたことも知ってたけど、 スペース団は手強いから、蓮華ちゃんには逃げてほしかった。」 と、足元に電撃が放たれた。 パクス:「感動の再会は後にしてくれないかしら?」 ??:「そうね、倒されて操り人形にされたくなかったら、あたしたちに捕まりなさい。 それなりに特別な席を用意してあげるわよ。」 パクスの横にはパープル色の装束の女性がいた。 菜々美:「あなたは?あなたもダーク四天王かしら?」 ??:「ええ、あたしは光沢女王ダイヤ。すでにそこのお嬢さんはドルクとエアにも会っているようだけど?」 蓮華:「会ったわよ。でも、エアって言う子は弱かったわ。」 エア:「あたしが弱いですって?」 声がして、気がつけば、道の先にはエアが、反対側にはドルクがいた。 ドルク:「砂煙を利用して逃げたと思えば、こんな近くに潜んでいたのだな。」 エア:「あたしたち4人に会ったが最後。」 ダイヤ:「ダーク四天王の力を思い知らせてあげるわ。」 パクス:「命乞いなら今のうちよ。」 あたしたちは、囲まれていた。 菜々美:「誰がするもんですか。」 蓮華:「あたしもよ。」 キレイハナ:「あたしも。それに、あたし以外のみんなも命乞いはする気はないわ!」 キレイハナが叫んだと同時に、リーフィーとアゲハ(バタフリーとアゲハント)が飛び出した。 蓮華:「風起こしよ!ダーク四天王の正体を暴いて!」 二人の風起こしが、ダーク四天王のマントと仮面を弾き飛ばした。でも、その正体は…。 蓮華:「…そんな。」 菜々美:「嘘でしょ。」 キレイハナ:「…ダークが、洗脳したのね。」 あたしたちの前にいる4人の正体、それは、行方不明になっている涼治、なずなちゃん、希ちゃん、玲奈先輩だった。 エア:「あら?あたしたちの姿を見て呆然としているわ。」 ドルク:「俺たちはこいつらの記憶なんて全くないけれど、こいつらには何かの記憶があるようだな。 まぁ、ダーク様が言うとおりに演じればもしかしたら会ったかもしれないが、多分記憶違いだろうな。」 パクス:「そうね。それにあなたたちにそういう記憶があるとしたら、あたしたちを傷付けることはできないわね。」 ダイヤ:「そういうことよね、ゲンガー、グラエナ、シャドーボールよ!」 ダイヤこと玲奈先輩は、呆然としているあたしたちにシャドーボールを放ってきた。 キレイハナ:「危ない!」 キレイハナが神秘の守りでカバーしたけど、それでは連続で放たれた攻撃には、神秘の守り一つでの対応はできず、 ついにキレイハナが倒されてしまった。 パクス:「うふふ、防御はもう無理ね、ライチュウ、そこの蝶も雷で撃墜しなさい。」 ライチュウの雷でアゲハたちも落下してきた。 キレイハナ:「蓮華、今は戦わなきゃ駄目だよ。」 菜々美:「でも…」 キレイハナ:「あたしたちが戦わなきゃ…、みんなの洗脳は、解けないよ。」 蓮華:「だけど…」 でも、すぐ後にあたしの人生で最も最悪な出来事を見ることになった。 エア:「あ〜あ、戦意喪失ね。ドルク、つまんなくなっちゃった。キスしてよ。」 ドルク:「いいぞ。エア、俺はお前だけがこの世で一番大事だからな。」 涼治となずなちゃんが熱いキスをかわすのを見たのだ。 そして衝撃のあまり、あたしは気づけば気を失ってしまった。 キレイハナ:「蓮華!しっかりしてよ!」 菜々美:「蓮華ちゃん!…さすがに今の光景は蓮華ちゃんに衝撃だったわね。」 あたしと菜々美ちゃんは蓮華と共に、動けずにいた。蓮華は衝撃のために気を失い、さっきの攻撃でトロやコイッチのボールは 開閉装置が壊れて開かなくなっている。 他のみんなを出したとしても、あいつらに勝つには一時撤退しないと無理だった。 パクス:「うふふ、もう手も足も出ないようね。」 エア:「ドルク、さっさと潰してしまいましょ。」 ドルク:「ああ。あいつらほど弱い負け犬は存在価値もないからな。」 エア:「冥土のお土産に教えておくわ。あなたたちと一緒にこの町に来た人たちは3人だけはまだ出会ってないけど、 他の人全員倒してあげたからね。」 ドルク:「あの哲也っていう奴もかなり雑魚だったな。」 パクス:「あたしも健人って人に会ったけど、あの人すごく弱かったのよね。あたしの電撃に耐え続けたけど、 結局は丸こげだもの。あれで生きてるのかしらね?」 菜々美:「そんな…健人先輩が負けたなんて…」 健人さんと一緒に旅をしていた菜々美ちゃんにはショックな言葉だったらしい。 ダイヤ:「それくらいにしたら?弱い奴のことなんて、覚えていても仕方がないわよ。あたしも会ったのよね。翼って男と、美香って言う女に。 あたしとあいつらが仲間だって。笑わせることを言ったわ。ポケモン全部、立ち上がれないくらい、痛めつけておいたわ。 この世にいないほうがいい存在は存在価値がゼロ。だから、あたしのポケモンたち!一斉攻撃よ!」 ダーク四天王のポケモンたちが一斉に攻撃を放った。 みんながやられたことを聞いて、あたしたちもここでやられてしまう!ついそう思ったときだった。 援軍がまだ、残っていたのだ。 ??:「あなたたちの好きにはさせていられないわよ!吹雪よ!」 ??:「次に会うときは、あなたたちが負ける番だから。」 突然の吹雪があたしたちを包んだかと思えば、あたしたちは、どこかの建物の中にいた。 そこには哲也さんたちの姿もあった。みんな、傷ついて気を失っていた。 健人さんは体中を包帯で巻かれていたし、哲也さんは背中に傷を負っていた。 気を失っていないのはあたしと菜々美ちゃんくらいだったようだ。でも、ナナちゃんと海ちゃん、志穂ちゃんの姿はなかったけど。 多分、あいつらがまだ会っていないのが、その3人だと思う。 氷雨:「大丈夫だったかしら?」 ナツメ:「今のところ、ここは安全よ。」 あたしたちを助けてくれたのは、ヤマブキで唯一のレジスタンスをしているヤマブキジム&格闘道場の連合軍だった。 氷雨:「あたしたちはここでずっと耐え続けているの。外の様子を教えてくれないかしら?」 あたしたちはなりふりかまわずに突入し、今、大変な状態にいる。 哲也さんたちでさえも敗れたってことは、スペース団たちの力はこのうえなく強力だとしか言いようがない。 でも、氷雨さんたちに助けられた事が、そして蓮華が本気を出してくれれば、あたしたちに日の光は差し込むと、 あたしは思う。