蓮華:「おはよう!」 ??:「あ、蓮華!久しぶりじゃん。病気から回復したんだね。」 蓮華:「律子、心配かけてゴメンね。」 律子:「そんなことないって。蓮華が元気に戻ってきてくれて、あたしは嬉しいよ。」 クラスメイトの律子を先頭に、みんなあたしの元に来て喜んでくれていた。 でも、ぽっかり空いているなずなと涼治の席が見えた。 こっちの世界にはなずなも涼治もいなく、向こうの世界で悪の組織の一員として存在し、操られている。 そしてそれはあたしにとって悲しいことだった。 でも、あたしはそれを隠して学校に来て、みんなと笑っている…。 41.戻ってきたのはいいけれど・・・ 昨日。あたしは海ちゃんや哲兄たちと、元の世界に戻ってきていた。 リースイの力で突然のことだった。目を覚ました哲兄たちも、この状況には唖然としていたし、それに、哲兄たちは ポケモンも持ってきていたのだった。 蓮華:「これからどうする?」 最初に言ったのはあたしだったような気がする。みんなも同じようなことを考えていたし、あたしが言わなかったら、 他の誰かが言っていたと思う。 哲也:「一度は家に帰るしかないだろうな。」 美香:「でも、今はあたしたちがあっちの世界に行ってから、何日経っていて、どうなったのかも全く分からないよ。」 海:「それに、突然帰ったら驚くかもしれないわね。」 だからあたしは双葉さんに連絡を取ってみた。 コンテストで会った双葉さんではなく、その双葉さんの妹で、同じく妖怪の。 すると、大丈夫だからすぐに帰ってくるように言われ、みんなであたしの家に行った。 双葉:「ヤッホ〜、久しぶりね。3週間ぶりかな。みんな成長したわね。」 家の前には双葉さんがいた。あたしは向こうの世界に数ヶ月いただけだけど、哲兄たちはみんな、5,6ヶ月いるのだ。 成長したように見えて当然かもしれない。 哲也:「あの、俺たちはどういうことになっていたんですか?」 双葉:「あたしが向こうの世界に行った親や、あたしの同類たちを集めて相談した結果、爆発事件に巻き込まれて、 みんなで遠くの病院に運んだということになったのよ。無理やりな内容だったし、みんなが能力者であることを知っている人も 多いと思ったけど、事件の全貌を明らかにしても厄介だったから。 一応、みんな休学扱いになっているから安心しなさいよ。」 親が公認と言うこともあり、この日、みんなは家路に着いた。 舞:「おかえり。元気そうね。来美ちゃんは?」 舞さんは少しやつれた感じだった。やっぱり、あたしたちがいなくなったことがショックだったんだ。 蓮華:「それが…」 舞:「一緒じゃないのね。」 舞さんは淋しそうに言った。 舞:「まあいいわ。あなたたちの好きなものを作ってあげるわね。」 久美:「あ、それじゃあたしも手伝う!」 舞:「お願いしちゃおうかな?」 舞さんは淋しそうだったけど、すぐに元気そうに言った。無理してるのが明らかだった。 二人が台所に行くと、あたしも哲兄もため息をついていた。 哲也:「これからどうしような。」 蓮華:「うん…」 あたしも哲兄も、元々は元の世界に、こっちの世界に戻ってくるために今まで頑張ってきた。 でも、こんな感じでその夢が叶ってしまった。 あたしたちは元の世界に戻れたことは嬉しいと思うけど、まだ向こうの世界では、みんなが戦っているし、 こっちの世界に戻ってきていないメンバーの方が断然多い。 蓮華:「哲兄は決まってるの?」 哲也:「いや。」 蓮華:「あたしは…帰れるなら帰りたいと思う。でも…」 哲也:「簡単に言うなよ。舞さんの姿、見ただろ?」 哲兄はあたしを睨みつけて言った。あたしだって舞さんのあんな変貌を見てるから、すごく揺らいでるけど。 でも、あっちの世界には涼治たちがいる。本心を封じられて、操り人形にされている涼治たち。そして、あたしの大事な友達も。 突然、こんな形で別れちゃってるんだよ。キレイハナたちだって心配してるよ。 あたしはその気持ちを哲兄にぶつけた。 蓮華:「分かるでしょ?哲兄だって玲奈先輩が…」 哲也:「うるせえよ。黙れ。」 哲兄はものすごく冷たい表情で言った。あたしは初めて哲兄に恐怖を感じた。 哲也:「決めた。俺は戻らない。そしてお前も戻らせない、絶対にだ。」 哲兄はそう言って部屋に行ってしまった。それから一回も口を聞いていない。 いや、聞いていないわけじゃなくて、あたしが話しかけても、ずっと無視し続けているのだ。 後々になって、あたしは舞さんが結構傷ついていたことをさらに知った。 夕食の時は、舞さんは普通に喋っていた。 ただ、あたしたちにはどんなところに行っていたのかは聞かないと言っていたけど。 哲也:「舞さん、俺たちはもうどこにも行かないからさ。心配しなくてもいいよ。」 久美:「あたしも。舞さんが淋しい暮らしをしてるなんて、見ていられないもの。」 二人が突然言い、あたしにも言え、みたいな表情をしたときは戸惑ってしまい、あたしも…としか言えなかったけど。 でもそれは、あたしよりも早く、哲兄と久美ちゃんが、舞さんが傷ついていた部分を悟っていたからだった。 あたしが夜に起きて水を飲みに行くと、舞さんの部屋から夢にうなされている声が聞こえた。 ずっと「来美ちゃん」と名前を呼び続けていた。多分、あたしたちがいないときは、あたしたちの名前も呼び続けていたのだろう。 それに、台所の食器は異様に少なく、冷蔵庫の中には甘いものが半分以上を占めていた。 あたしはもしかして、と思って舞さんがよく読む雑誌や新聞を見ると、何度も水に濡れて文字がほとんどぼやけてしまっている 状態のページを多く見つけた。 それはあたしたちのアルバムにも見つかった。 哲也:「気づいたか?」 振り返ると哲兄がいた。 蓮華:「う、うん。」 哲也:「舞さんはずっと泣き続けていたんだ。今みたいに、うなされているように。 そして淋しい生活を続けていたんだ。拒食症にもなりかけたり、病院にも運ばれかけたりしている。 ゴミ箱にそういう書類がたくさん捨ててあったからな。分かっただろ。俺たちが再び向こうの世界に行くと、 舞さんは壊れてしまう。俺たちを、父さんや母さんが死んで、独りぼっちになってしまっていた俺たちをずっと 育ててくれた舞さんが、精神的にも肉体的にも壊れてしまうんだ。俺は確かに玲奈のことは心配だ。でも、 あいつよりも俺は、舞さんが倒れてしまう、壊れてしまうことの方が悲しい。だから、もうあっちの世界には行かない。 何があっても絶対に行かない。久美もそう言ってる。だからお前も行かせないからな。」 哲兄はそう言って部屋に入っていった。 あたしが部屋に戻ると、久美ちゃんがいた。 久美:「哲也と話したでしょ?」 蓮華:「うん。」 久美:「あたしもね。電撃ガールズは続けたかったし、大事な相棒だよ、希ちゃんは。 でも、舞さんをあのままにしていくわけにもいかないじゃない。だから、あたしたちはここに残るの。 蓮華ちゃんにはつらいことかもしれないけど、あたしたちにとって、この世界で唯一の肉親になってくれた人よ。 分かってね。」 久美ちゃんもそう言うと、部屋を出て行った。 そして今に至る。 蓮華:「…というわけなのよ。美香はどうだったの?」 あたしは昼休みに、美香を呼び、二人で屋上で昼食を食べていた。律子たちが一緒に食べよって、誘ってくれたけど、 病気関係の大事な話がしたいから、と言って断っていた。 美香:「あたし?…あたしはねぇ、向こうに戻りたいって強く思うよ。」 美香はものすごく行動派だけど、実は豪邸に住む社長令嬢なのだ。 親は甘やかそうとしたり、勝手にお見合い相手を決めてきたりしていて、いつも美香はそれを蹴っている。 好みのタイプって言うのがいなくて、全てが財産目当てだかららしい。 実際お見合いに行けば、巧妙な質問で相手に本心を暴露させ、相手側からお見合いを終わらせる方法を使っているし。 美香のお小遣いは貯金で何百万もあるけど、実際に使っているのはほとんどゼロに近く、親の管轄ではないお店のバイトで稼いだ お金しか使っていなかったりする。 美香:「いなかった間にあたし宛に届いた手紙やお見合い写真の数も半端じゃなかったし。 一応もらうからには中身を確認しなきゃいけないでしょ?見てはいるんだけど、結局お金目当てであたしを心配してる人しかいないのよ。 だから、全部燃やしてやった。」 美香が能力で燃やした手紙の数はかなりなのよね…。 ぬいぐるみやら、食べ物やらは恵まれない子供のための施設に寄付していたし。 美香:「でも、蓮華は残るんでしょ?ていうか、残るしかないよね。」 さすがの美香も、哲兄と久美ちゃんには対抗できないのだ。 蓮華:「でもね、キレイハナたちや涼治がいない生活は、あたし、耐えられないよ。」 美香:「蓮華らしいね。」 久美:「でも、耐えるしかないわよ。」 あたしたちはぎょっとして振り返った。すると、昼練後らしい久美ちゃんがいた。 久美:「二人の姿が見えたから、てっきりこっそり行くんじゃないかと思って来てみたのよね。 あたしが行かせないからね。」 蓮華:「分かってる。」 美香:「大丈夫ですよ。あたしも、たとえ戻る方法が見つかっても、蓮華は誘いませんから。」 久美ちゃんが来ると、美香は態度を一変させていた。 実はこっそり行かないかと誘われかけてもいたから。 目の前で久美ちゃんにすごまれちゃ、何もいえないのは分かるけど、コロッと態度を変えすぎだよ。 その頃。高校では。 哲也:「俺は行かないからな。翼、行くとしても蓮華は連れて行くなよ。」 哲也が翼に熱く言っていた。 翼:「分かってるって。俺は蓮華ちゃんは諦めたからさ。しかし、無理じゃないのか?」 哲也:「無理なわけない。蓮華が舞さんのあの状態を見て、行くなんて軽々しく言うはずがない。」 翼:「しかしなぁ、俺たちはともかく、蓮華ちゃんはポケモン全員とも、彼氏とも無理やり別れさせられたんだぞ。」 哲也:「あのなぁ…、お前はどっちの味方なんだ?」 翼が説得しようとしたが、哲也はキレかけ寸前の状態で翼を睨み、さすがの翼も何も言えなかった。 哲也:「それにしても、お前は絶対行くようだけど、他にも理由があるのか?」 翼:「ああ。ちょっとな。」 翼も実は美香に続く会社の社長のご子息だったりした。 というわけで、お見合い写真は山ほど来ているのだ。 翼:「さすがに母さんがうるさいんだ。バスケもやめろだとさ。」 哲也:「お前の母さんは口うるさいからなぁ。」 翼:「それに、向こうの世界でやりたいことを見つけたのさ。それをやりたいんだ。」 哲也:「ポケモンウォッチャーか?」 翼:「ああ。」 その頃。 海:「この方法なら…」 海は何かを考えていた。そして何かを思いついていた。 菜々美:「何を思いついたの?」 海:「みんなをあっちに向かわせる方法よ。」 海はまだ休学状態にしていたし、菜々美は病気で1年、仕事には出れない状態にしていた。 アイドルになろうとしている菜々美にとっては痛手だったが、菜々美はその時間を利用して、なんとしてでも 元の世界に帰ろうと思っていたのだ。 菜々美:「見つかってよかったけど…問題は蓮華ちゃんたちね。」 海:「そうね。舞さんのことがね…」 海も菜々美も双葉から舞の状態を聞いていたので、蓮華たちを連れて行くかが迷うところだった。 そこへ、誰かが海を訪ねてきていた。 海:「どなたで…あっ!」 ??:「ちょっといいかしら?」 あたしは久々のチアをやった。腕は生ってなかった。でも。 律子:「蓮華、何か悩みでもあるの?」 2年生の代表をしている律子は、あたしを呼び、心配そうに言った。 律子はなずなたち仲良しグループの次に付き合いが長く、あたしの能力も知っている友人だ。ただし、能力者ではない。 蓮華:「別に、何もないよ。」 律子:「そうかなぁ?あっちの世界でやり残してきた事があるんじゃない?」 蓮華:「えっ!どうしてそれを?」 あたしは驚いて聞き返した。 律子:「双葉さんから聞いたのよ。能力者が揃っていなくなるなんて、何かあったに決まってるじゃない。」 やっぱり、多少感づいていたんだ。 律子:「なずなや涼治君がいないところを見ると、ポケモンの世界で何かあって、何かの誤作動でこっちに無理やり戻ってきてしまった というのがあたしの読みなんだけど。当たりでしょ?」 蓮華:「う、うん。」 律子は勘が鋭いのだ。 蓮華:「あ、でも、あっちの世界がポケモンの世界だって、どうして…」 律子:「この子よ。」 律子が携帯を取り出した。すると、携帯ストラップについてるものは…モンスターボール? 律子:「出てきて、ロゼリア。」 ロゼリア:「ロゼリィ。」 蓮華:「…嘘。」 律子:「あたしもトレーナーよ。今、この街にはトレーナーがほんの少しいるの。 あの時の事故は双葉さんたちがオフレコで色んなところに情報やデータ、写真を流したから、蓮華たちがいない間に 流れまわって、結構有名にもなったのよ。」 律子が言うには、それによって、まだ回収に来ていなかったトレーナーは、回収されない事が決まったことで助かったという。 ただし…。 律子:「動物保護の団体が保護に回り始めたのよ。だからこうしてこっそり持っているの。 隠れポケモントレーナーって言うこと。ポケモンのグッズも多いから、助かっているのよね。かなり。」 あたしはロゼリアを見て、キレイハナのことを思い出した。そして涙が出てきた。 律子:「れ、蓮華?大丈夫?」 蓮華:「うん。律子、ありがとう。あたし、あっちの世界に戻る。」 律子:「分かった。あたしが後押ししてあげるよ。あの子を見せれば多分…」 蓮華:「えっ?」 律子:「あ、何でもないの。部活終わったら行きましょ。」 律子がそう言い切った。そして部活が終わり、あたしと律子は一緒に家に帰った。 蓮華:「ただいまぁ!」 律子:「お邪魔しまぁす!ちょっとお話が…」 あたしたちが入ると、久美ちゃんと哲兄が舞さんと何かを話しているようだった。 蓮華:「あれっ?何か取り込み中だった?」 律子:「あ…、あたし、お邪魔っぽいみたいだね。」 舞:「いいえ、そんなことはないわ。蓮華ちゃんにも話があるの。」 舞さんが昨日とは違い、いつもと同じ表情で、強く喋っていた。何かを決心した時の表情を。 舞:「蓮華ちゃん、久美ちゃんと哲也と一緒に、あっちの世界に戻りなさい。」 蓮華:「えっ…!」 律子:「蓮華、よかったじゃん。」 久美:「駄目よ。あたしは嫌。」 哲也:「俺も。舞さんが散々淋しい想いをし続けたんだ。それを知ってて戻るわけには行かない。」 舞:「そういうと思ったけど、私はもう大丈夫よ。あなたたちが何をしてきたのか、その子たちが教えてくれたから。」 舞さんは哲兄と久美ちゃんのボールを指差した。 久美:「どういうこと?」 舞:「その子達のいるボールに触れたとき、あなたたちが向こうで何をしてきたのかが頭の中に浮かんだの。 どうしてかは分からないけど。でも、あなたたちは向こうでのことを途中までやった状態で、こっちに残ると言うなら、 私はあなたたちとの縁は切るつもりよ。」 あたしは驚いた。哲兄も久美ちゃんも、そして律子も。 舞さんが、あたしたちとの縁を切る。これを言う時は、舞さんが一番怒っていて、一大決心をしたときだけ。 久美:「でも、舞さんは大丈夫なの?昨日もうなされてたし。」 舞:「大丈夫よ。」 舞さんは何かを取り出した。それはモンスターボールだった。 哲也:「それ…どうして…」 海:「あたしのです。」 海ちゃんが奥の部屋から出てきた。後ろには菜々美ちゃんもいた。 海:「あたしが向こうの世界で捕まえた子を、舞さんにあげました。」 ボールから出てきたのはエネコだった。 舞:「私が決心して、海ちゃんに蓮華ちゃんたちが戻れないかを聞きにいった時に貰ったの。 この子がいれば、私は淋しくないわ。私は淋しくないから。」 海:「それに、あたしがそれなりのケアをします。あたしは向こうには戻りません。いえ、あたしがみんなを向こうの世界に送るから。 その代わりに行くことはできないけど。でも、こっちの世界でのアフターケアはあたしも手伝います。」 海ちゃんと舞さんがいつの間にか、タッグを組んだのだった。と、律子が舞さんの反対側の手を取った。 律子:「あたしも手伝うよ。(あの子もいるし)」 こうなった以上、哲兄も久美ちゃんも頭を抱えていた。そして部屋に閉じこもって数時間後、行くと決めてきていた。 次の日の朝。 あたしたちが戻ってきた原っぱにはあたし、海ちゃん、美香、律子、菜々美ちゃん、哲兄、久美ちゃん、翼先輩、舞さん、 双葉さんと、みんなのそれぞれの保護者の姿があった。 海:「美香ちゃん、この二人、あなたに託すから。」 美香:「えっ…」 美香は海ちゃんからタッツーとカポエラーを渡されていた。 海:「あたしはこっちの世界に留まるから、戦いには参加できない。でも、美香なら使いこなしてくれると思うの。 お願いね。」 美香:「…うん。分かったわ。この二人と、みんなと一緒に頑張る!」 美香は海ちゃんに強く言っていた。 律子:「蓮華も頑張るんだよ。」 蓮華:「分かってる。」 律子:「それじゃ、今度涼治君たちと戻ってきたら、しっかり冷やかしてあげるからね。」 蓮華:「え〜!ちょっとぉ!」 律子:「冗談よ。」 蓮華:「律子が言うと冗談には聞こえない…うふふ。」 律子:「あはは!」 あたしたちは笑っていた。そんな時だった。 突然、海ちゃんの前に丸いゲートが現れていた。 海:「あたしの式、全員の力を借りて作ったものよ。そして、これはあたしが向こうからもらってきた、セレビィの羽のカケラ、 これをゲートを作る時に使ったから。みんなは、あの場所に戻る事ができるはずよ。 我が陰陽の力よ!かの者たちを行くべき道の先に案内せよ!」 海ちゃんは多数のお札を費やし、幾重もの魔方陣を描き、ついにあたしたちは見覚えのある場所が映ったゲートを見た。 そこに健人先輩や氷雨さんの姿が一瞬映ったから、確かな証拠だった。 海:「我が送りし者たちをこの世界に送り届けよ!ゲット、オープン!」 海ちゃんが叫ぶと、ゲートが大きく開いていた。 海:「今よ!」 蓮華:「了解、行って来るね!」 律子:「蓮華!ファイト!何かあったらそっちに行くからね!」 蓮華:「えっ?」 律子:「その時がくれば分かるよ。」 蓮華:「分かった!律子、ありがとう。」 哲也:「舞さん、行ってくる!絶対帰るから。」 久美:「あたしも。安心して待ってて!」 舞:「分かっているわ。気をつけてね!」 美香:「もう帰ってこないかもね、あたしは。」 海:「美香ちゃん!」 美香:「もう、冗談だって。…行ってきます!」 菜々美:「あたしも行ってきます!」 翼:「父さん、母さん、心配しないでくれよ!」 あたしたちはゲートに飛び込んだ。そして、あたしたちは、あたしのポケモンが全員揃っているのが見える、 その場所に続くゲートに向かっていることを感じ、能力を発動させた。 みんながいつの間にか、また集まってる。 どうしてか知らないけど、またみんなが一つに揃っていた。でも、みんな、スペース団に囲まれている。 だから、あたしたちはそれを助け、みんなを助けるために、ポケモンの世界に戻るため、光のゲートロードを飛んだ。 蓮華:「キレイハナ、待っててね。」