今回の小説を読む前に注意点 今回の話はポケモンたちが多く会話をしますので、ポケモンたちの話す部分はすべて、人が喋る時と同じように、 普通の会話で表示させていただきますゆえ、全てのポケモンが喋れてしまうと勘違いなさらないでください。 まぁ、彼らの知らなかった一面も見えると思いますので、楽しめると思いますが。 42.ポケモンたちの想い!36の勇士達 リースイ:「あなたたちは強すぎるわ。このまま行けば、私たちスペース団は危うくなる。特にあなた。 あなたとポケモンは最も強い。だからあなたのポケモンは世界各地に飛ばさせてもらったわ。この状態で、 傷ついたその子達だけであたしに勝てるかしら? まぁ、無理でしょうけど。」 蓮華の大切な仲間であり、あたしの大事な友達であるみんなが入ったボールが一気に消えてしまった。 そう思った途端、今度はいきなりあたしたちと蓮華の間に壁が現れた。透明で、ガラスかと思ったけど、 あたしの爆裂パンチも、ソルルのカマイタチも全く効果なかった。 キレイハナ:「蓮華!」 ソルル:「蓮華!」 きっぴー:「蓮華ちゃん!」 パル:「れんちゃん!」 リュウ:「蓮華!」 サン:「蓮華ぇ!」 リースイ:「叫んだって無駄よ。もう、あなたたちは、彼女たちには会えないわ。」 蓮華:「何をするのよ!」 リースイ:「あたしは能力者たちの力を結集させ、一度だけ使えるこの機械も作ったわ。あなたたちを 元の世界に戻してあげるわ。この世界にいてほしくないから。サヨウナラ!」 リースイの言葉と共に、突然蓮華たちが光に包まれ、姿が消えてしまった。 キレイハナ:「蓮華たちに何をしたのよ!」 リースイ:「うふふ、草使いちゃんたちは元の世界に送ったのよ。もう帰ってこないわよ。」 あたしたちの間には衝撃が走った。 キレイハナ:「蓮華が…」 きっぴー:「元の世界に送られた!?」 リュウ:「そんな…帰ってこれないじゃない!」 リースイ:「そうよ、もう帰ってこれないわよ。だから送ったの。それに、それが彼女の夢だったでしょ?」 サン:「夢は夢だけど、こんな形で蓮華が帰れても、蓮華は喜ばない!」 リースイ:「そうね。でも、あたしたちにとっては邪魔だったのよね。」 リースイは元々ポケモンだから、あたしたちが、特にあたし以外が何を言っているか、分かるみたい。 リースイ:「後は、ボールに入っていなかったあなたたちを処分するだけね。」 あたしはヤバイと直感した。ここで逃げる事ができれば逃げれるけど、問題が一つあった。パルだ。 この中で、最も逃げるのが遅いのはパルだった。 普通ならあたしも遅いメンバーに入るけど、高速移動を覚えちゃってる、ズルイあたしなわけで。 と、ふと上を見上げて、あたしは決めた。 キレイハナ:「あたしたちは一筋縄じゃ行かないわよ!あたしたちを捕らえようって言うなら、あの四天王とか言う奴らに やらせればいいじゃないの!」 あたしはみんなをチラッと見た後に叫んだ。 リースイ:「あらあら、そんなに死にたそうなのね。いいわよ、ダーク四天王!ここに参れ!」 あたしはもう一度みんなを振り返ると、一瞬のチラ見であたしが何かを思いついたことを直感したみんなだったみたいだけど、 さすがにぎょっとした顔をしていた。 キレイハナ”大丈夫、しっかり考えてあるから。ヒントは上よ。” ソルル:”上…なるほどな。” パル:”考えましたわね。” きっぴー:”それじゃ、出番になったら合図をしてよ。” キレイハナ:”その前にきっぴー、あなたには…ゴニョゴニョゴニョ…” きっぴー:”えっ、僕が?…分かったよ。やってみる。” リースイ:「何を話しているのかしら?」 気づけば、あたしたちの前に、リースイ、ダーク、ダーク四天王の姿があった。 リースイ:「ご希望通りにしてあげたわよ。ダーク四天王、彼らはあなたたちに自分の処分を依頼したわ。 彼らを好きに痛めつけてあげなさい。」 四天王:「ロジャー。」 そして四天王が前に出てきた。彼らは前に会ったときよりも、妙に豪華であり、権威や凛々しさの象徴を示した衣装を纏っていた。 全然昔にいた、どこかの国の4従士みたいな感じだ。でも、仮面はしているのよね。ただ、その仮面もそれぞれすごいものだったけど。 エア:「ポケモンが自殺するために指名してくるなんてねぇ〜、面白いじゃない。」 ドルク:「確かにそうだな。サマヨール、カモネギ、こいつらを倒せ!」 パクス:「ライチュウ、キリンリキも行きなさい!」 ダイヤ:「残念ね、こんな時に手持ちが倒れているなんて。」 四天王はサマヨール、カモネギ、ライチュウ、キリンリキを出してきた。 キレイハナ:「あらら、それだけでいいのかしら?あたしたちは一筋縄じゃいかないわよ、必殺、マジカルリーフ!」 あたしは攻撃をあたしたちの真上に当たる位置に放ちまくった。わざと緊張したような、震えた声で牽制しながら。 だから、彼らはあたしが武者震いしているように見えたらしかった。 エア:「うわぁ〜、何か力んじゃってるね。」 ドルク:「所詮毒にも弱い草タイプの言葉だ。」 パクス:「そうね、全く当たってないわよ。」 ダイヤ:「あらあら?怖くなって的を外してしまったのかしら。」 パクス:「うふふ、それじゃ行くわよ。ライチュウ、キリンリキ!」 彼らは笑い、ポケモンに指示を出そうとした時、あたしはすぐに指示を出した。 キレイハナ:「な〜んちゃって!あんたたちの方が分かってないわよ!きっぴー、今よ!思いっきりやっちゃって!」 きっぴー:「分かってるよ!必殺、オーバーヒートだ!」 きっぴーは彼らのほう、彼らの上の方を目掛けて、強力な炎の光線を吐き出した。 きっぴーの覚えている炎技の中で、最も最強なものだ。炎の石でキュウコンになれば大文字を覚えるけど、彼はキュウコンになる気は 全くと言っていいほどない! ダーク:「何だ?」 リースイ:「何をしようというのかしら?死に物狂いの戯言?」 ドルク:「分かっていないと言う前に、お前たちが正気にかえるべきだな。」 エア:「ドルク、相手しても意味ないよ。あいつらは馬鹿なんだ・か・ら!」 ぷちん!と言う音が近くで聞こえた気がした。あたしの横…リュウかも。 キレイハナ:「(ヤバイ!)…んなわけないでしょ!…来た!」 上の火炎放射が思いっきりぶつかった機械、、それは…。 突然ビル全体をけたたましいサイレンが鳴り、一斉に頭上を水が降り注いだ。でも、あたしたちのところには水は 落ちてきていない。あたしがマジカルリーフを天井に放ったのは、このためだった。 あたしたちの頭上のスプリンクラーは全て、しっかりと破壊してある。 火災報知器によってこのビルの様々な部屋にはスプリンクラーが発動するようになっている。しかも、その機械はマサキの家で見たけど、 炎の威力によって降り注ぐ水量は変わるのだ。オーバーヒートをまともにかぶったんだから、火災報知器が反応して出てきた水量は、 とんでもないものだった。 リースイ:「くっ、火災報知器が反応したとは…しかもこれは滝に打たれている様なもの。早く止めなさい!」 ダーク:「しかし、これではモニターの操作さえもままなりません!」 ドルク:「だが、この水で俺たちをどうしようと言うのだろうな?」 エア:「あんたたち、こんなものであたしたちを止めようとでも言うわけ?考えてないんじゃないの?」 キレイハナ:「考えてあるわよ!リュウ、サン、電磁波と砂嵐よ!そしてネギ!よま!あんたたちも来なさい!」 リュウ:「キレイハナ、電磁波じゃなくて電磁砲よ!」 サン:「特大の砂嵐をお見舞いするぞ!」 リュウとサンがスプリンクラーの水に電磁砲を放ち、砂嵐を起こした。水に電気が流れ、しかもその水が泥水に変わっているから 彼らにはたまったものではないだろう。 リースイ&ダーク&四天王:「グワァ〜!?」 そしてカモネギとサマヨールはあたしの言葉を聞き、攻撃前にあたしたちの元にきていた。 ソルル:「攻撃するつもりか?」 パル:「どうしてこいつらを呼ぶのよ。」 面識のない二人が二人を指して吠える。 キレイハナ:「大丈夫。ついさっき、きっぴーが視線を飛ばして催眠術を解いてあるから。でしょ、きっぴー?」 きっぴー:「うん。」 キレイハナ:「あの二人は、蓮華が彼氏であり、今操られているドルクに貸していたポケモンよ。すなわち。」 ソルル:「仲間か。」 パル:「それなら納得ね。サマヨールがれんちゃんに行った攻撃は妙に弱かった。無意識的に攻撃の力を抜いていたようよ。」 と、リュウとサンが戻ってきた。よまとネギもしっかり催眠が解けていたのがよく分かる。 ただ、記憶があるらしくて、その罪悪感は強いだろう。四天王たちを蓮華が元に戻した時もすごいことになるような気がする。 そして雨のように流れる水は、思いっきり泥水のように濁り、そのうえ多量の電気が流れているのが見えた。 リュウ:「今のうちね。電磁波じゃ弱いから電磁砲を流しておいたわ。」 リュウはあたしたちの中で一番大人だけど、こういう時はあたしたちと同じだ。やる時はやり、思いっきりやり過ぎる。 さっき馬鹿にされたこと、やっぱりよっぽど怒っていたんだ。 あたしたちは彼らが動けない状態のうちにその部屋から出た。 リースイ:「くっそぉ!あいつらやってくれたわね!」 放水が終わった部屋には体中が泥だらけになり、凛々しさも権威も全く感じ取れないほど汚れに汚れたリースイ、ダーク、四天王の 姿がそこにあった。しかも、電磁砲を水を通じて浴びたために、誰もその場から動くことができずにいた。 また、電磁砲は彼らの装束もボロボロにしていたし、髪型もめちゃくちゃである。 仮面も取れた状態なので、四天王も素顔が見えていたわけだが、蓮華がもしこの彼らの状態を見れば、寂しさも悲しさも一気に弾け飛ぶほど 大爆笑をしただろう。 それほど、ものすごく酷い姿になっていたのだ。特に酷いのはシャワーズの化身のリースイだった。 何時間もかけて絶世の美女に見せるために作り上げたヘアも化粧もボロボロなのだから。 そして数時間後。 リースイ:「ヤマブキシティ全域に告げる!この街の中にいる草使い少女のポケモン、キレイハナ、アブソル、パールル、ロコン、サンド、 ハクリュウ、カモネギ、サマヨールを見つけ次第、生存もできなくなるぐらい痛めつけ、立ち上がれないようにしてあたしの目の前に 持ってきなさい!」 リースイの怒涛の怒り声が流れた。 ルーク:「リースイ…遊ばれているらしいな。面白い。能力者のポケモンたちがどう動くか、しっかり見ていたいものだ。」 唯一そのリースイの声を聞き、スペース団のボス、ルークは笑っていたのだが。 美咲:「あ〜、うるさかった。まだ頭がガンガンするわ。にしても、あの声…リースイが取り乱すとはね。しかも、蓮華のポケモン…。 多分、蓮華はこの世界にいないわね。スペース団は一度、能力者の力を5人集め、その力でタイムマシンを作ろうとしていたから。 多分、みんなを残して元の世界に飛ばされたんじゃ…。」 ナツメ:「氷雨、蓮華さんたちの気が全て消息を絶ったわ。」 氷雨:「今の放送といい、蓮華ちゃんたちがこの世界から消えたんじゃないかしら?」 健人:「光沢も外に飛び出していったきりだ。氷雨さん、俺も戦いに…」 氷雨:「けが人は動いちゃ駄目よ。」 氷雨は動き出そうとする健人を押さえつけていた。 ナナ:「蓮華ちゃん…何かあったのかしら?嫌な予感がする。」 ヤマブキシティにいる蓮華の味方である何名かは、蓮華たちがこの世界から消えてしまったのでは、ということを何となくだったり、 直感だったりで、感じ取っていた。 その頃。 キレイハナ:「ふぅ〜、ここなら今は安心ね。」 あたしたちはあの部屋からさほど離れていない、階と階の間の空間に体を落ち着けていた。 ちょうどソルルやよまも入れるくらいの場所だった。多分、このビルを作った時にできてしまった余分な空間だろう。 よまとネギが教えてくれた場所だった。 ソルル:「これからどうするつもりだ?」 パル:「あたしたち全員、リースイに喧嘩を売ったことになるわよ。ただじゃ済まないでしょうね。」 サン:「泥だらけにされたからなぁ。」 リュウ:「あの充電した電磁砲も、それなりに効いているだろうし。ちょっといい気味かな。」 きっぴー:「おいおい…でも、あの放送は怒ってるだけのもんじゃないよ。キレイハナ、どうするつもりなんだ?」 あの放送はあたしたちもしっかり聞いたのだ。体が震えるほどの音声でかかっていて、パルが殻に閉じこもったくらいだ。 キレイハナ:「決まってるじゃない。街に出るのよ。絶対蓮華はこっちの世界に戻ってくるわ。 それまでにあたしたちは、外に出て団員たちを倒しておくのよ。それに、みんなもこっちに向かっているはずよ。」 リュウ:「そうね。みんなどこかに飛ばされてしまったけど、あたしたち全員、蓮華が好きだし、蓮華が飛ばされてしまったことを 知らないみんなは、蓮華がいるはずであるこの場所に向かってくるはずよ。」 パル:「あたしが最後に仲間に入ったけど、それは納得ね。あたしも絶対そうするもの。」 ソルル:「それで、俺たちはここをどうやって出るんだ?パルはどうする。」 キレイハナ:「考えてあるわ。よま、あんたに託すから、パルを守ってあげてね。」 あたしはよまに向かって言った。 よま:「俺を信じられるのか?俺はお前らを攻撃したんだぞ。」 ネギ:「ぼ、僕だって!」 キレイハナ:「信じられなかったら連れてくるわけないでしょ。」 リュウ:「それに、この場所を教えてくれたのはあなたじゃない。」 サン:「信用してなかったら、俺たち全員ここに入ったりもしないよ。」 パル:「そうね。れんちゃんを攻撃する時、妙に攻撃が弱かったし、無意識に攻撃が弱まっていたと考えられるわ。 だから信じてもいいもの。よま、頼むわよ。」 パルはプライドが高いけど、相手を見極める目をしっかり持っている。だから、よまに自分を託したんだと思う。 キレイハナ:「リュウとネギは空に出て。スペース団の飛行ポケモンの対処を任せるわ。」 リュウ:「任せて!」 ネギ:「僕も多少は強くなったんだ!頑張るよ。」 階と階の間にある穴から外に出て行った。 キレイハナ:「よまもパルを連れて外に出て。この建物の中にいたら攻撃に遭うだけよ。」 よま:「分かった。」 パル:「キレイハナ、いつかみんなが集まった頃に駆けつけるわ。」 よまとパルも出て行った。 ソルル:「さて、俺たちも行くか。」 サン:「僕たちはどうするんだ?」 キレイハナ:「ソルル、あたしたちを乗せて。」 ソルル:「なるほどな。俺に乗ってビルを伝い、外に出るんだな。」 キレイハナ:「ええ。お願いね。」 あたしたちはソルルに乗って外に出た。すぐに団員に見つかったけど、あたしたちはすぐ、バトルを開始した。 キレイハナ:「必殺、マジカルリーフ!」 サン:「砂嵐を食らえ!」 きっぴー:「僕の炎の渦を受けてみろ!」 ソルル:「カマイタチ攻撃!」 あたしたちは団員ごと、ポケモンを一掃していた。空では電磁砲を放つリュウと、鋼の翼を使うネギ、そして鬼火を放つよまと、 水鉄砲を撃つパルがいた。 その頃、他のポケモンたちは、キレイハナの思ったとおり、ヤマブキシティに集結しつつあった。 ハナダシティ沖の海から、ヤマブキシティに向かって伸びる下水道を、3人の水ポケモンが泳いでいた。 一人の滝登りを筆頭に。 ぎょぴ:「早く行くわよ。あたしの後についてきて!」 ぎょぴが滝登りによって逆流の流れを作り、その後を追うメノノとアクアがいた。 メノノ:「この水道管を辿れば、本当にヤマブキに着くんだよね?」 ぎょぴ:「あたしの直感を信じなさい。」 アクア:「分かってる。信じなきゃ!」 整った地下の下水管(整備されていて綺麗)を3人は泳いでいた。 アクア:「でも、綺麗だけど汚いところだね。」 ぎょぴ:「ポケモンの中で一番異なった進化形になるあなたに言われたくないわよ。」 アクア:「ごめん。」 メノノ:「まあ、まあ、落ち着いてよ。」 ぎょぴ:「でもまぁ、こうして蓮華から離れちゃうと淋しいし、あなたたちがいないと、もっと淋しかったかもしれないわ。」 アクア:「あたしも淋しかったな。蓮華に出会えたことで、こうやって旅ができてるけど。」 と、今度は薄暗い場所に出た。 メノノ:「蓮華は優しいよ。多分、僕たちと離れさせられたことで心配しているはず。だから、急ごう!」 メノノはフラッシュを全快にして回りを照らし、向かってくるズバットやゴルバットには、ぎょぴの冷凍ビームや、 アクアの水の波動が迎え撃ち続けていた。 ルナ:「まさか飛ばされたところがお月見山だったとはな。」 ぴぴ:「すぐ近くでよかったね、ルナ。急ぎましょ。」 あたしとルナが気づいた時、周りにいたみんなが歓迎してくれて、すぐにここがお月見山だと分かった。あたしと ルナはここで3年間一緒にいた。その時は一緒に遊んでいるだけだったし、トレーナーたちはあたしたちを捕まえようとしていたけど、 簡単に捕まるようなあたしたちじゃなかった。そんな時だった。 あたしたちは、スペース団にやられそうな蓮華を助けようとするキレイハナに出会い、蓮華の仲間になった。 小柄なあたしでも、あたしのことを信じてバトルに出してくれる蓮華は心強く、あたしもルナも蓮華を信頼している。 ルナ:「ああ。多分、俺たちがいなくなって、苦戦しているはずだ!」 蓮華は強がっているけど、実際は心に支えがないと倒れてしまうくらい、実はかよわかったりする。 いつも元気でいても、エスパーポケモンの俺には、蓮華がつらい時も無理やり明るくしようとしている事がよく分かる。 そんな蓮華を悲しませ続けるわけには行かない! ルナ:「しっかり乗っていてくれよ。」 ぴぴ:「分かってる。あなたとは付き合い長いじゃない!」 俺はぴぴが乗ると同時に、すぐにヤマブキの方角へ向けて旅立った。 ジョウトの上空。 そこにはトロ、たねね、ヒメがいた。 トロ:「二人とも、しっかりつかまってるかしら?」 ヒメ:「大丈夫だよ。」 たねね:「俺たちは平気だから、トロ姉さんは頑張ってくれよ。」 トロ:「ええ!それじゃ、しっかり落ちないようにしていなさいよ!高速移動よ!」 トロの上にはヒメとたねねがいて、しっかりトロにまたがり、トロの首につかまっていた。 ヒメ:「蓮華は僕のお母さんを成仏してあげるために、わざわざ危険だと分かってて、ポケモンタワーに来てくれた。 その時の恩返しは一生かかっても返したい!」 たねね:「俺も暴走ポケモンだった時、蓮華とキレイハナに助けられたからな。蓮華のためにも戻るんだ。」 トロ:「そうね。それじゃ、さらに急ぐわよ!あたしも助けてもらってそう、時間は経ってないわ。 あんなに酷いことをしたのに、操られていたからしょうがないってだけで許してくれた蓮華のためにも、頑張らなきゃ! あたし自身、プライドも立たない!」 ヒメ&たねね:「頼むよ(ぜ)!トロ姉さん!」 途中、野生と思われ、トレーナーたちがポケモンを出してきたが、ヒメの火炎放射や、たねねのタネマシンガンが、 トロに襲い掛かるポケモンたちを次々に撃破していった。 サイクリングロードでは、坂道を必死で登る巨体の姿が確認されていた。 しかし、その巨体にボールを投げるトレーナーは、次々にボールを打ち落とされていた。サゴッピのトゲキャノンにより。 サゴッピ:「ゴン!早く!」 ゴン:「待ってよ、俺、お腹すいたの我慢してんだから。」 サゴッピ:「でも、早く戻らなきゃ!蓮華たちのためにも!あなたに対する攻撃は、全部あたしがカバーしてあげるから!」 サゴッピが跳ね続けながら、後方のゴンをせかしていた。そして再び、トレーナーたちのポケモンやボールを撃破する。 ごま:「そうだよ、ゴン!急いで!」 なっぴ:「あたしたちを乗せていて大変かもしれないけど、お願い!」 ゴンの肩には、ごまとなっぴの姿があった。ごまは飛ばされた衝撃で足を痛めてしまい、転がる攻撃ができないのだ。 また、なっぴは急いでもなかなか早く走れないために、ゴンに乗っていた。 ゴン:「心配するな、二人が乗っているからといっても、俺の体重には変化もない。」 ゴンはそう言いながら、必死で走っていた。 そう言えば蓮華は頑張りやさんだったな。ゴンはそう思い出していた。 自分をゲットした時のあのことを。 蓮華は俺が欠伸を使って眠らせたりしても、あきらめずに頑張って俺をゲットしてた。今は少数しかいなくても、無理に頑張ってるかもしれない。 だったら、俺たちが早く駆けつけなきゃいけない! ゴンの速度は無意識のうちに結構上がっていた。サゴッピに追いつけるほどに。 サゴッピ:「走ろうとすれば、走れるじゃない。さ、早く行きましょ!」 蓮華はあたしのことをすごくかわいがってくれたし、あたしの角の手入れを欠かさずやってくれた。 そんな蓮華のためにも、早く戻るんだ! ごま:”僕のやる気の思いを受け取ってくれた蓮華ちゃんのために!” なっぴ:”あたしが自分自身にかけていた催眠術のせいで迷惑をかけたのに、許してくれて、進化までさせてくれて。 そして信頼してくれてる。この喜びを忘れちゃいけない!蓮華に恩返しをしなきゃ!” ゴンに乗っている二人も、ゴンも、サゴッピも、考えていることは全く同じだった。 なっぴ:「危ない!必殺、ソーラービーム!」 ごま:「僕も!水鉄砲だ!」 頂上にはさらに多くのトレーナーがいた。それはヤマブキ封鎖やスペース団の攻撃から逃れたトレーナーたちが、 戦力を上げるためにゴンたちをゲットしようとして行っていたのだが。 彼らは知らなかった。その4人がすでに主人持ちであることも、そう簡単にゲットできるメンバーではないことも。 そして。 ゴン:「俺の最大必殺技だぁ!」 ゴンの破壊光線が炸裂した。 アゲハ:「はりくん、リーフィー、ワタワタ、もうすぐヤマブキよ。急ぎましょ!」 最もヤマブキに近いところに虫タイプ3人とワタッコがいた。 アゲハ:「蓮華に救われたあの時のこと、一生忘れないんだから!」 はり:「俺も!タマムシでのあのことは忘れられない!」 リーフィー:「あたしも!トレーナー不振に陥りかけたところを助けてくれたのは、蓮華だった!」 ワタワタ:「そっかぁ。みんなは蓮華に助けられたんだよね。あたしはただ、リーフィーをゲットできた子だから、 強いと思っただけで蓮華の仲間になったけど。でも、蓮華はあたしを信頼して、あたしみたいな弱いと思われているポケモンでも、 やるときはやるってことを証明してくれたから。あたしはそれにまた答えなきゃ!」 すると。 ??:「お〜い!」 誰かが4人に合流した。 はり:「ヘラクロ!お前、大丈夫だったか?」 ヘラクロ:「ああ。あんなことで倒れちゃ、蓮華に申し訳ないからね。それに、こいつも一緒さ。」 ヘラクロはペロンをだした。 リーフィー:「ペロンじゃない!」 アゲハ:「ぺろん、無事でよかったわ。」 ぺろん:「僕もみんなが無事で安心しているよ。それよりも、早く急ごうよ。蓮華のために。」 ヘラクロ:「そうだ。俺は蓮華のために戦うことで、みんなのために戦うことで、あの時操られてしまった時の分が 挽回できる!」 アゲハ:「十分挽回できてるわよ。」 リーフィー:「そうね。」 はり:「よっしゃ!早く行くぜ!」 一同:「おう!」 デン:「ディグ、タマ、大丈夫か?」 タマ:「大丈夫だよ。」 ディグ:「俺たちも早く向かおうぜ。」 3人がいるのはイワヤマトンネルの中だった。 厄介なことに、野生のポケモンが多い!フラッシュを行っているデンには、ズバットたちが群がってくる。 そのうえ、岩ポケモンたちも多いのだ。 ディグの地震攻撃はで一気に相殺するが、それでもすぐに向かってくるのだ。 タマ:「大丈夫だよ、蓮華たちも頑張ってるから、僕たちも頑張らなきゃいけないよ!」 ディグ:「そうだよ。俺たちを色々と助けてくれた蓮華のためにも、早く向かわなきゃいけない!」 タマもディグもスペース団からの攻撃を受けたが、蓮華に助けられていたのだから、蓮華に対する思いは自分以上だ。 でも、僕も蓮華に助けられてここまで来てる。僕は僕で、頑張るんだ! タマ&ディグ:「デン!?」 デン:「えっ?」 僕はふと気がついた。頑張ると強く思ったとき、進化をしていたらしい。 僕はデンリュウに進化を遂げていた。 タマ:「デン、すごいよ!」 ディグ:「僕たちよりも強い思いが、デンを進化させたんだよ。」 デン:「僕の強い思い…よぉし、タマ、ディグ、頑張るよ!」 僕たちは再び走り出した。僕は力も上がり、もうワンリキーやガルーラにも対抗できるくらいの力を持っていた。 早くこの力で、蓮華を助けるんだ! コイッチ:「フィル、ちゃんと乗ってるか?チリリ、しっかり追いつけているか?」 フィル:「大丈夫よ。」 チリリ:「大丈夫v」 コイッチは川を逆流し、ヤマブキに向かっていた。その背中にはフィルがいて、そしてチリリがコイッチに併走していた。 フィル:「蓮華は大丈夫かしら?嫌な予感がするの。」 チリリ:「あたしもする。」 コイッチ:「エスパーポケモンが感じ取れる何かって奴だな。」 フィル:「ええ。あたしは蓮華に卵の時から助けられていたから。」 コイッチ:「卵…あれか?」 フィル:「ええ。多分、あの建物のどこかには、あたしをパワーアップしてくれる何かがある。そこにたどり着いて、 あたしは蓮華のためにパワーアップするためにも、そしてみんなの元に戻るためにも、ヤマブキに戻らなきゃ!」 コイッチ:「俺もだ!蓮華は弱小と呼ばれた俺をここまで育て上げてくれた。だから、蓮華のためにも、フィルを ヤマブキに届け、みんなのところに戻るぞ!」 チリリ:「あたしも戻る!蓮華のために!」 あたしたちはさらに激流になっても、コイッチたちと頑張って川をさかのぼっていた。 チリリ:「コイッチ、フィル、あそこ!」 コイッチ:「何だ?おっ!」 フィル:「ダネッチ!大丈夫?」 そして途中で、中洲に取り残されていたダネッチを助けた。 ダネッチもヤマブキに向かっていたらしい。 ダネッチ:「助かったよ。蔓のムチで枝を飛び移ってたんだけど、中洲に落ちちゃって困ってたんだ。 みんなに会えてよかった。」 フィル:「あたしたちもよ。」 チリリ:「仲間にめぐり合えて嬉しく思ってるわ。」 コイッチ:「このまま、ヤマブキに向かうからな。しっかりつかまっていてくれよ!」 ダネッチ:「うん!蓮華のためにも僕、頑張る!」 ダネッチは、蓮華の事が好きだったから、マサラからタマムシまで追いかけてきたほどの根性の持ち主だ。 あたしたちは蓮華と出会った時間はそれぞれ違うけど、でも、全員蓮華に対する思いは一緒だった。 セキチクからの遠回りルートを走る3人もいた。 彼らの場合は、トレーナーがドラとひがめの表情におびえ、向かってくることもないのだった。 ニド:「待ってくださいよ!」 ひがめ:「待てるか!早く蓮華たちに合流するんだ!」 ドラ:「そうだ!俺たちが頑張って走ってヤマブキに行かなければ!」 僕はひがめさんとドラさんの後を追いながら、蓮華のいるヤマブキに向かっていた。 蓮華は僕を一度ゲットし損ねてた。でも、それはボールがなかったからで、その時に気づいたら、すぐ僕に傷薬をくれて、 逃がしてくれた。普通の人はそんなことをしない。そんなことをする蓮華だから、僕は好きだ! だから必死で二人の後を追っていた。 ひがめさんは自分をゲットするほどの力を持つ蓮華に憧れて、ドラさんは自分の群れを最後まで助けてくれた恩を返すために、 蓮華にゲットされている。 みんな、蓮華が好きだから、蓮華を信頼できるんだ!僕ももっと頑張るんだ! ひがめ:「おっ!」 ドラ:「ニドラン一族の進化は早いが、本当に早かったな。」 僕はニドリーノに進化を遂げた。これでみんなと同じスピードでも走れる。 蓮華にだって、今まで以上の力で頑張ってあげることもできる! ニド:「このまま急ぎましょう!」 彼らは徐々に、ヤマブキシティに集結しつつあった。 キレイハナ:「ふぅ、みんな!大丈夫?」 きっぴー:「何とかね。」 サン:「でも、そろそろ力も出尽くし始めたよ。」 ソルル:「俺とキレイハナは大丈夫だが、きっぴーとサンには休息が必要らしいな。しかし!」 キレイハナ:「これじゃあ、休息も無理だよ!」 あたしたちは取り囲まれ始めていた。そこを上空からの雷と冷凍ビーム、シャドーボールとスピードスターが助ける。 ついにリュウたちが救援に来てくれた。 リュウ:「大丈夫?」 キレイハナ:「何とかね。」 リースイ:「そうかしらね。」 突然、街中に響き渡るリースイの声。 リースイ:「あなたたちはもう終わりよ。ダーク四天王!やっておしまい!」 リースイの声と共に、あたしたちを電撃と冷気が襲った。 リュウ:「危ない!」 パル:「鉄壁よ!」 リュウとパルが防いでくれたけど、リュウもパルも怪我を負ってしまっていた。 ドルク:「ちぇっ。」 パクス:「防がれちゃったけど、次はこうもいかないわよ。」 エア:「あたしたちを泥だらけにした罪は重いわよ。」 ダイヤ:「精々あの世でご主人を恨むがいいわ。」 彼らがあたしたちに向かって攻撃を行おうとした時だった。 突然辺りが揺れだしていた。 ドルク:「何だ?」 パクス:「そこにいる子たちの中には地震を使える子はいないようだけど…一体これは…」 彼らもあたしたちも驚いていた。 と、いきなりマンホールと排水溝の蓋が空に舞い上がり、膨大な量の下水が辺りから噴出し始めていた。 割れた地面からも噴出している。そして。 ぎょぴ:「お待たせ!」 一つの噴水が凍ると共に、それを貫いてぎょぴが飛び出してきた。 リュウ:「ぎょぴちゃん!」 ぎょぴ:「やっと着いたわ!必殺、水の波動よ!」 ぎょぴは近くの団員を攻撃で弾き飛ばし、いつもの滝登り戦法を始めていた。 メノノ:「大丈夫か?」 次に現れたのはマンホールから思いっきり飛び出たメノノだった。出てすぐにスパークと電磁波を放出していた。 ソルル:「元気そうだな!休ませたい奴がいる。そのためにこいつらを蹴散らしてくれ!」 メノノ:「分かった!」 メノノは水に飛び込み、そしてダイビングで思いっきり団員たちの間に飛び出し、触手によって彼らをはたき倒していた。 と、先ほどよりも強力な地響きが起きた。そして。 アクア:「遅くなってゴメンね!でも、もうこれ以上、キレイハナたちを苦戦させないから!」 アクアが滝登りで飛び出してきた。しかも、体が光り輝いていた。 アクア:「今のあたしの力は非力だけど、進化すれば、あなたたちに勝てるわ!あたしは進化して、みんなを助けるって決めたの!」 アクアはあたしたちの前で光り、そして美しいポケモン、ミロカロスに進化していた。 パクス:「ふん、進化がしたって水ポケモンは水ポケモンよ!必殺、スパーク!」 パクスが電撃攻撃を放った。が。 アクア:「神秘の守り!そしてハイドロポンプ!」 アクアは四天王たちを一気に近くの建物に向かって押し流した。 その頃。あたしは知らなかったけど、ヤマブキの各所にはみんなが集まってきていて、それぞれのバトルが展開されていた。 トロ:「ようやく着いたわね。」 ヒメ:「団員だらけだな。」 たねね:「ここは降りていくべきか?」 俺たちがヤマブキの上空に来ると、ビルの上からの狙撃軍団が待ち受けていた。 トロ:「ヒメ、たねね、応戦するわよ!」 ヒメ:「おう!」 姉さんの一声で、ヒメが飛び降りた。ヒメは団員や狙撃系のポケモン、ヘイガニやゴルバットに炎のパンチを食らわした。 トロ:「たねね、一緒にやるわよ!」 たねね:「ああ、日本晴れだ!」 俺と姉さんはソーラービームで奴らの足場を崩した。そしてヒメを急いで飛び乗らせた。 ヒメ:「姉さん、あっちの方で水が噴出してたのが見えたよ。」 トロ:「分かったわ、そこに一直線よ!」 俺たちは再び姉さんに乗って向かった。すると、そこにはキレイハナたちの姿があった。 アゲハ:「うわぁ…」 リーフィー:「酷い状態の街ね。」 あたしはそこで四天王の姿を見つけた。キレイハナたちの背後を取ろうとしている。 アゲハ:「リーフィー、昨日の仕返しをするわよ!」 リーフィー:「了解!はりくん、キレイハナたちを援護して!」 はり:「おう!」 あたしとリーフィー、そしてワタワタは一斉に痺れ粉を振り落とした。 団員A:「くそぉ、コラッタ、奴らに噛み付いてやれ!」 団員B:「ドガース、毒ガス…ぐはっ!何だ、このロープは!」 あたしが振り向くと、あたしたちを狙う団員がいた。でも、その団員の一人にピンク色のロープのようなものが 一人を縛り付けていた。そしてもう一人にはヘラクロが突進を食らわしている。 ペロン:「僕の舌は強靭だ!ヘラクロ、大丈夫か?」 ヘラクロ:「ああ、ペロン、気をつけろよ!」 ピンクのロープの正体はペロンだった。ペロンは保護色を利用して団員に攻撃をしていた。 サゴッピ:「もう戦いは始まってるみたいね。」 チリリ:「そうね。でも、あたしたちはフィルをパワーアップさせないと!」 あたしは途中でフィルたちと合流し、二手に分かれていた。あたしと、チリリ、ダネッチ、ごま、そしてフィル。 あたしたちがいるのはシルフのビルの中。 チリリが途中で見つけた技マシンで身に着けたテレポートを利用して、あたしたちはフィルのために動いていた。 団員D:「あっ!お〜い!ここにもいたぞ!」 団員E:「捕まえてリースイ様に献上するんだ!」 と、彼らが蔓のムチで吹っ飛ばされていた。 ダネッチ:「ここは任せてよ。」 そして、団員の一人がポケモンを出そうとしたが、ポケモンが強制的に戻された。 チリリ:「あたしのサイコキネシスよ!サゴッピ、ごまの回復とフィルのパワーアップを任せたわよ!」 サゴッピ:「ええ、任せて!」 あたしはフィルの直感に身を任せて、一つの部屋にようやく来る事ができた。 途中、トゲキャノンや水鉄砲、ミラーコートでたくさんの団員をぶっ飛ばしていた。 そして入った部屋には、回復用の機械などがたくさん置いてあった。あたしはごまをその中に入れると、フィル用の 機械だと思えるものにフィルを入れた。スイッチを入れると、フィルが光に包まれていた。 リースイ:「ここにいたのね、探したわ。」 あたしが振り返ると、リースイとたくさんの団員たちがいた。けど…。 サゴッピ:「無残な姿ね。」 リースイ:「あんたたちの仲間にやられたのよ!その分も、あたしが仕返ししてあげるわよ!」 泥だらけのリースイは威嚇の特性を持っていそうなほど、ぶっちり切れていた。 サゴッピ:「させないわよ!」 ごま:「そうだ!させない!」 回復装置の蓋が吹っ飛び、転がる攻撃の態勢に入ったゴマゾウが飛び出してきた。 フィル:「サゴッピ、援護ありがとう!」 フィルは突如、火炎放射を放っていた。そして。 団員たちが今度は真横に吹っ飛ばされた。壁から何かが吹き出たのだ。 ダネッチ:「お待たせ!」 チリリ:「サゴッピ、終わった?」 ダネッチのソーラービームによるものだったらしい。 ごまの転がるが、フィルのシャドーボールが、あたしのトゲキャノンが、チリリのハイパーボイスが、ダネッチのソーラービームが、 奴らの攻撃を受け付けず、リースイたちを撤退させていた。 チリリ:「キレイハナたちを見つけたよ。あたしにつかまって!」 あたしたちは、チリリのテレポートでキレイハナたちに合流した。 コイッチ:「ゴン、なっぴ、準備はいいか?」 ゴン:「ああ。」 なっぴ:「いつでもいいわよ!」 俺たちはヤマブキのゲートにいた。ここにも団員たちが固めている。 そして俺たちを入らせないようにしていた。でも、入ってやるんだ。 俺とゴンは力を、なっぴは光をため、ソーラービームと破壊光線を発射させ、ゲートを破壊した。 ルナ:「始まっていたな。」 ぴぴ:「うん。」 俺たちがヤマブキに着くと、遠くの方でソーラービームのようなものが乱射されたのが見えた。 ルナ:「あれはソーラービーム!」 ぴぴ:「キレイハナたちがいるのかしら?」 ルナ:「向かうぞ!」 ソーラービームの乱射の場所に向かうと、やっぱりキレイハナたちがいた。 ぴぴ:「あたしも戦うよ!ルナ、行こう!」 ぴぴはいきなりコスモパンチを両手に準備し、思いっきり飛び降りた。…団員の真上に。 ルナ:「そろそろ女らしくした方がいいよ。」 そう思いながら、俺も目覚めるパワーでぴぴを援護した。 デン:「必殺、雷だ!」 シオンでニドたちと合流した僕たちは、シオンからヤマブキまでのルートを走っていた。 ひがめ:「火炎放射だ!」 ドラ:「俺の鋼の体を受けてみろ!アイアンテール!」 道を切り開くひがめとドラ。 タマ:「みんな凍っちゃえ!粉雪だ!」 ディグ:「泥かけ攻撃だ!」 道を固め、団員たちを牽制し、僕たちに近づかせないタマとディグ。 そして僕はニドに乗り、後方から雷でみんなを援護していた。ガルーラに踏まれて怪我した足だと、今は走れないから。 ニド:「デン、大丈夫か?」 デン:「ニドこそ、進化したばかりだけど、重くないか?」 ニド:「…多少な。しかし、ここでへばっていられるかよ!」 俺たちは走り続け、ようやくキレイハナたちのところに着いた。向こうからはコイッチたちの姿も見えた。 空にはルナやアゲハ達もいた。 ついにみんながここに結集した。 キレイハナ:「ようやく全員集合だね。」 サン:「ここに蓮華がいれば本当に全員だけど。」 きっぴー:「リースイの奴が、蓮華を元の世界に送ってしまったから。」 あたしたちの言葉に息を呑むみんな。でも。 ルナ:「それは違うな。」 チリリ:「うん。蓮華、近くに感じるよ。」 フィル:「元の世界に戻っても、再びこっちに向かっているのが感じられるわ。」 パル:「本当に?れんちゃんたちが?」 フィル:「ええ。」 ドラ:「エスパーポケモンの直感だな?」 ひがめ:「しかし、それなら納得がいく!俺たちもここを踏ん張るぞ!」 その時だった。 リースイ:「無駄よ。」 あたしたちは気づけば、団員たちに周囲を取り囲まれていた。 リースイ:「残念だったわね。せっかく揃ったと思ったら、こうも簡単に負けるのね。」 リュウ:「いいえ!あたしたちは負けないわ!」 ソルル:「ああ、お前たちの好き勝手にはさせないしな。」 トロ:「あたしたちの絆の力が強いように」 ダネッチ:「蓮華と僕たちの絆も強いんだ!」 アクア:「あなたにはそれが理解できないのね。それに…泥だらけで威厳も何も感じないわ。」 ぴぴ:「汚れに汚れて落ちぶれたの?」 ルナ:「確かに汚いな。」 サゴッピ:「化粧も剥がれてる、気色悪いわね。」 デン:「どんな奴でも見たら逃げ出すな。」 ワタワタ:「前と比べて醜すぎる。」 はり:「ベトベトンよりも酷い顔だな。」 ニド:「それ以下だよ。」 たねね:「言い過ぎかもしれないけど事実だな。」 きっぴー:「ああ、あれはね…」 きっぴーがみんなに、あたしたちが行ったアレを教えた。サンも砂嵐に泥かけを混ぜたとここで暴露し、 リュウも実は電磁波やスピードスターも放っていたことを喋った。 よま:「実は…」 とさらによまが鬼火を放ち、リースイを特に攻撃したことを喋り、ネギもダークに対し、スピードスターを飛ばしていた と暴露した。 よま:「俺たちを無理やり操った奴だからさ。」 ネギ:「少しはいいかと思ったんだよな。」 すると、みんながみんな、思いっきり噴出した。だって噴出すでしょうね、それに暴露話も飛んでたんだから。 ぎょぴ:「すごいことやったわね!」 トロ:「よく考えたと思うわ。」 コイッチ:「いい気味だな。」 ゴン:「蓮華に見せてやりたいと思うよ。」 チリリ:「あたしがいたら、超音波を飛ばしてたかもなぁ。」 ディグ:「僕もやりたかった。」 タマ:「僕も〜!」 という感想が飛び出したかと思えば、 ごま:「それにしても…あはははh!」 メノノ:「へぇ〜、それであんなに汚くなったんだなぁ。」 ダネッチ:「よく僕たちの前に晒せたよね、姿を。」 口々にリースイに対し、一斉射撃ならぬ、一斉マシンガントークラッシュが始まっていた。 なっぴ:「あたしだったら隠れちゃうわよ。」 ソルル:「そういうところで変にプライドが出たんだろうな。」 アゲハ:「かわいそうな人。」 リーフィー:「哀れねぇ。」 ぺろん:「でも…、…あの姿はないね。」 フィル:「ないわね。四天王も含めて、あの姿で出てこれるなんて、プライドも何も持ってないんじゃない?」 ヒメ:「馬鹿正直ってことだな。」 パル:「違うわよ。ただのバ〜〜〜〜〜〜カよ。」 リュウ:「そうね、特大が始めにつく方ね。」 リースイ:「何ですってぇ!」 ついにあたしたちの会話にリースイが切れた。あたしたちの騒ぎになぜ、団員が襲い掛かってこなかったかといえば、 リースイの命令を待っていたこともあったがそのリースイがドンドン、手に血管を浮き出すほどに握りこぶしを作り始め、 表情もさらにさらに鬼よりも怖い顔よりも、口裂け女もバラバラ死体さえも逃げ出すほどの怖い顔(ある意味、醜すぎる化け物byキレイハナ) になったので、誰一人恐怖に震えていたのだ。 リースイ:「でも、もう終わりよ、一斉射撃、用意!…てめえら、聞いてんのか!おらぁ!」 ついに可憐で上品で絶世の美女の影はカケラもなく、砕け散っていた。 キレイハナ:「化けの皮が剥がれたわね。」 リュウ:「哀れな人。」 ソルル:「元々そういう奴が猫をかぶっても、最後には剥がれるんだな。」 リースイ:「うるせぇ!てめえら、もう許さねえぞ!」 リースイが叫んだときだった。 突如、空が光り始め、そして丸い、光の輪が上空に浮かび上がっていた。 キレイハナ:「あれは…ゲートだわ!」 チリリ:「蓮華のオーラを感じるよ!」 リースイ:「こんにゃろぉ!一斉射撃はあの光の中目掛けてだ!ぶっぱなせぇ!」 リースイが叫び、団員たちが銃を構えた時だった。 蓮華:「必殺、ソーラー弾!」 哲也:「竜巻の波動だ!」 美香:「ミリオンショット!」 菜々美:「高音の波動よ!」 翼:「真空烈風撃!」 久美:「スペシャルサンダーボルト!」 光りの輪の方から、強力な攻撃と共に、攻撃を蹴散らし、団員を蹴散らして、蓮華たちが帰って来た。 光の羽をつけた蓮華が、鷲のような翼を持つ哲也さんが、魚のひれのような羽を持った翼さんが、燃えるような炎の羽を持った美香ちゃんが、 電撃の球体に乗ってくる久美さんが、蝶の羽をつけた菜々美ちゃんが、ゲートを潜って、ついに戻ってきた。 キレイハナ:「蓮華!」 蓮華:「みんな!お待たせ!」 蓮華はあたしたちの元に戻ってきた。 そして、哲也さんたちも自分のポケモンを出している。 リースイ:「こんにゃろぉ!てめえら、戻ってきても、ここがおめえらの死に場所になるんだからな!覚悟しやがれ!」 蓮華:「ふん、あなたが誰か知らないけど、あたしたちにひどいことをしたスペース団は、もう許さないんだから!」 哲也:「お前を倒してリースイとダークを倒すぞ!」 菜々美:「それに、四天王を元に戻すんだから!」 美香:「そこの汚い泥んこオバサン!あんたなんか一撃よ!」 翼:「さっさとそこをどけ!リースイに会わせろ!さっきの仕返しをしてやるんだ!」 久美:「さあ!何か言いなさいよ!」 蓮華たちは、まさかアレがリースイとは思いもしていなく、知らないから言えること(あたしたちも言ったけど)を、 連発して言い放った。 リースイ:「ここにいるだろうが!」 蓮華:「へ?」 美香:「誰よ、あたしたちはあんたたちみたいなオバサンには会ったことないわよ。」 翼:「お前とリースイは天と地というより、宇宙の果てとブラックホールの奥底ほど差がある!」 蓮華たちは、や・っ・ぱ・り!気づかないらしい。 キレイハナ:「あのね…あれ、あたしときっぴーとリュウとサンとよまとネギで色々やったことでああいう状態になったけど、 本当にリースイなの。思いっきり別人としか言いようがないけどね。」 あたしが言うと、蓮華たちはリースイを凝視し、そして。 6人:「えぇ〜〜〜〜!!!!!」 一斉に叫び、驚いていた。この事がさらにリースイを怒らせたことには変わりないんだけどね。 蓮華:「何をどうしたら、あんな別人になるの!?」 美香:「元も子もないわね。」 翼:「惨劇だな。」 哲也:「翼、お前がさっき言った事が本当に言えてるな。」 菜々美:「あれじゃあ、もう言い寄る男もいなくて、さっびし〜い、と〜ってもかわいそうな人生を送るのね。」 久美:「菜々美ちゃん…でも、多分そうでしょうね。」 リースイ:「きい〜〜〜〜!!!!!」 リースイはとうとう怒りをとっくに通り越したらしかった。 …こうして。 あたしたちは、ついに最終戦にもつれ込もうとしていた。 リースイが切れすぎを、しっかり通り越しているので。多分、リースイは自爆するんじゃないかって言うのを あたしたちは感じているんだけど。