蓮華:「もう!いい加減にしてよ!」 キレイハナ:「トロちゃん、もうちょっとスピード出せない?」 トロ:「トロッピ!」 キレイハナ:「え〜!?これが限界なのぉ!?」 あたしたちは海の上で騒いでいた。いや、言葉が少なかった。 あたしたちは追われていて、そのために騒いでいた。追っているのはスペース団だった。 37.ジムの番犬!燃える島の闘い 数分前のことだった。突然、いつものアレが流れ出し、そして。 蓮華:「言う?」 キレイハナ:「言わなきゃ何も始まらなくない?」 蓮華:「でも…無視して行っちゃおうよ。」 キレイハナ:「甘いよ、多分音楽と一緒に追いかけてくるに決まってる。」 蓮華:「じゃあ、試しに。トロ、そのまま無視して行ってみてくれない?」 トロ:「トロピ。」 あたしたちはその場を通り過ぎた。すると、キレイハナの言ったとおり、音楽が後を追いかけてきた。 空から見てれば一目瞭然で、何かのメカが海中にいるようだった。 キレイハナ:「言ったとおりでしょ?」 蓮華:「本当だ…」 キレイハナ:「それじゃあ言うね。一体何?何なのよ!」 キレイハナがわざと驚いたように言った。すると海からコモルー型のメカが浮かび上がり、上半分がパカっと開いて、 子供組が飛び出してきた。 ヒカリ:「やっと言ってくれたぁ!…一体何?何なのよ!と言われたら…」 ユウ:「ふぅ〜、やっと言ったかぁ。…めんどくさいけど、適当に答えてあげるよ…」 ヒカリ:「銀河の破滅を防ぐため…」 ユウ:「銀河の滅亡守るため…」 ヒカリ:「勇気と光が悪を貫き通す…」 ユウ:「プリティー・ガール・ボーイな敵役…」 ヒカリ:「ヒカリ」 ユウ:「ユウ」 ヒカリ:「全銀河を飛ぶ、スペース団の二人には…」 ユウ:「ゴールデンセンチ、黄金のオアシスが待ってるよ」 二人:「「よろしくねっ♪」」 ヒカリ:「言うのが遅いよ!あたしたちずっと待ってたんだから!」 蓮華:「言う気なかったし。何の用?」 ユウ:「僕たちのボスがヤマブキを制圧したことは知っているはずだよね。この力を見れば入りたくなるトレーナーもいるはずだから、 まずは君にスペース団に入ってもらうために迎えにきたのさ。めんどくさいけどね。」 ヒカリ:「ユウ、真面目にやってよ。…そういうわけなので、蓮華さんにはスペース団には実力行使をしてでも来るように言われました。 出てきて、フライゴン!」 ユウ:「出て来い、ボーマンダ!」 二人は飛行タイプのドラゴンポケモンに乗って上昇してきた。 ヒカリ:「海の上では救援も来ないでしょうし、あたしたちのポケモンに勝てる子はいないでしょ? だからここに来るのを待ってました。さぁ、あたしたちと一緒に行きましょう!」 ヒカリはあたしたちがそのまま入ってくると思っていたようで、手をふって笑いかけていた。 蓮華:「入るわけないじゃん。」 キレイハナ:「同感。さようなら。」 あたしたちは再び(逃げるように)グレン島を目指して飛び立った。 ユウ:「ヒカリ、契約不成立だぞ。めんどくさいし、このまま帰ろうぜ。」 ヒカリ:「駄目だよ。リースイ様が怒るよ、きっと。ユウ、もしかしたら、ユウの部屋のゲーム、全部取り上げられるかもしれないよ。」 ユウ:「…リースイ様ならありうるな。分かったよ、ヒカリ、あいつらを追うぞ!」 こういうわけで二人は追いかけてきていた。途中途中、破壊光線や火炎放射が飛んできて、トロも逃げるのに精一杯だった。 あたしとキレイハナ、それに途中で出したチリーンの協力で持ちこたえてはいたけど。 蓮華:「キレイハナ、北東45度にマジカルリーフよ!チリーン、神秘の守り!」 キレイハナが攻撃で向こうの攻撃を相殺し、防ぎきれないものはチリーンが神秘の守りで防いでいた。 チリーンの力は意外にも強力で、トロを包み込むほどの神秘の守りが使えたのだ。 ヒカリ:「あ〜ん、もうちょっとでいいところまで行くのに!」 ユウ:「あいつら、真っ向勝負をする気もないのかよ。ボーマンダ、高速移動だ!」 ヒカリ:「あ、待ってよ、フライゴン、あなたも高速移動よ!」 ヒカリたちはドンドン素早さを増して追いかけてきていた。手元にあるスピーダーで何とか耐えていたけど、 ついに追いつかれそうだった。 蓮華:「チリーン、超音波よ!」 あたしは神秘の守りを止め、超音波を放たせた。高速移動でまっすぐ突っ込んでくる彼らにはいい攻撃だったが、 すぐに再び体制を整えて追いかけてきた。 キレイハナ:「蓮華、もう誰かを出して応戦した方が…」 蓮華:「だってそんなことしたらスピードが落ちちゃうよ。」 あたしの言葉にキレイハナは納得したけど、それでもやっぱり出すしかないかもしれない雰囲気だった。 コイッチを出せばいいかもしれないけど、コイッチは空は飛べないのだ。 元々飛行タイプのポケモンは空を飛べることで地面タイプの攻撃は受けないんだけど、でも、だからといって飛べるポケモンばかりでは ないのだ。コイッチたちギャラドスを除けば、それに当てはまるのはドードリオたちだったりするけど。 ??:「そんなことをしなくてもいいわよ。お疲れ様!後はあたしに任せて!」 と、いきなり声と共に何かが通り過ぎた。 蓮華:「何…」 キレイハナ:「一瞬だったみたいだけど…」 あたしたちが振り向くと、そこにはスペース団と戦っているポケモン、プテラとトゲチックの姿があった。 プテラの背中には誰かが乗っていて、プテラの足は別のポケモン、オムナイトを掴んでいた。 ユウ:「いきなり誰だよ!真っ向勝負は歓迎するけど何者だ!ボーマンダ、破壊光線だ!」 ヒカリ:「そうだよ、いきなりの加勢は卑怯だよ!フライゴン、竜の息吹!」 ??:「ふふ、あたしが誰かは言う気がないわ。プテラ、ボーマンダに破壊光線。オムナイトは冷凍ビームをフライゴンに。 そしてトゲチック、フライゴンとボーマンダに天使のキッスよ!」 トゲチックが天使のキッスを放つと、攻撃態勢に入っていたフライゴンとボーマンダはメロメロと混乱の状態になり、 そこに破壊光線と冷凍ビームの攻撃を受けた。 ヒカリ:「いや〜ん!落ちるよ〜!!」 ユウ:「くっ、フーディン!サイコキネシスだ!」 ユウのフーディンがサイコキネシスで落ちるのを免れた。 ??:「まだやるかしら?」 ユウ:「いや、落ちてゲーム機が壊れるのだけは避けたい。ここで負けを認める。次は負けないからな!」 放心状態のヒカリを連れて、ユウがフーディンのサイコキネシスで去っていった。 ??:「ふぅ〜、蓮華ちゃん、久しぶりね。大丈夫だったかしら?」 蓮華:「…先輩!?」 あたしは驚いた。助けてくれたのは(来てたことは浅香ちゃんの暴露で知ってたけど)、あたしの部活の先輩の清香先輩だった。 清香:「あたしは化石の力を引き出して自分の力として戦う、玲奈先輩とは違う神秘、太古の神秘の能力者であることは 知っているでしょ?それのおかげでこの子達に出会い、そしてグレンでゲットしたのよ。この研究所でね。」 グレンについてすぐ、ポケモンの回復を終えたあたしたちは清香先輩の紹介でポケモン研究所を案内してもらっていた。 清香先輩が始めにたどり着いたのはニビシティだったらしいが、その時に一緒にいたパートナーポケモンのトゲピーと旅をして、 「貝の化石」と「秘密の琥珀」を手に入れ、その二つから借りた力でグレンに渡り、化石からポケモンに戻したらしい。 それがオムナイトとプテラだという。 清香:「蓮華ちゃんが来ることは哲也先輩から電話で聞いていたの。だから迎えに出てみたら、襲われてたから助けたのよ。」 蓮華:「ありがとうございます。」 キレイハナ:「ありがとうございました。でも、ここで何をしているんですか?」 清香:「それは、化石ポケモンの研究よ。最近はホウエン地方でも化石ポケモンが発見されているから、それに関係した研究も行われているわ。 あたしは太古の神秘の能力者だから、何か研究に手伝える事があると思ってね。ここで自分ができる範囲の手伝いをしているのよ。 時には化石からポケモンに戻す作業を見ることもできるわよ。」 応援団に入らなかったら新聞部に入っていたという清香先輩らしいと思った。 蓮華:「ところで先輩、海斗先輩は?」 清香:「海斗?彼は双子島にいるわ。」 蓮華:「一緒にはいないんですか?」 清香:「お互いに好きなことをしているのよ。付き合っているからとはいえ、プライベートをお互い口出しするのはよくないでしょ? あなただって、彼とは離れているんじゃない?」 ちょっと涼治のことを思い出し、淋しく思えてしまった。言うんじゃなかった。 キレイハナ:「蓮華、海斗先輩って?」 蓮華:「清香先輩の彼氏。双子島にいるのは納得なのよね。先輩の家、水族館だから、水ポケモンが多い場所にいてもおかしくないかな。」 清香:「あ、そういえば、蓮華ちゃんはジム戦に来たのよね?」 蓮華:「はい。」 あたし自身も別の話で忘れてたけど。 清香:「ジムはグレンの真ん中にある火山のふもとにあるわよ。」 清香先輩が教えてくれた直後、化石をポケモンに孵す作業が始まるらしかった。 そしてこの日、あたしとキレイハナは化石の神秘をこの目に焼き付けた。化石からポケモンに変わるその瞬間を。 次の日。 あたしがグレン山のふもとに行くと、人だかりができていた。 そこにいる人の多くはあたしと同じポケモントレーナーのようだった。みんな水ポケモンを持っているみたいだけど、 途中で中心の方にいた人たちがポケモンを持って、泣きながら走っていった。 キレイハナ:「みんな、ポケモンが真っ黒焦げだったよ。」 蓮華:「ねぇ、何が起きているの?」 あたしは近くのトレーナーに聞いた。すると。 トレーナー:「知らないのか?実はな…」 一昨日くらいから、グレン山にコータスが出現するようになったらしい。しかもかなり高いレベルのポケモンらしく、 並大抵の水ポケモンを出しても倒されてしまい、ジム戦ができない状態らしい。 しかもジムリーダーが戦おうとすると甲羅に入ってしまううえ、その隙にトレーナーがジムに行こうとすれば炎攻撃が 飛んでくる始末だという。 トレーナー:「だからこうして一斉にかかって、誰かがゲットすればいいんじゃないかって言う話になってるのさ。」 そう言って、そのトレーナーも中心の方に言った。 しかし。 トレーナー:「ニョロボン、しっかりしてくれよ!」 彼は真っ黒焦げのニョロボンを抱えて走っていき、いつの間にか蓮華とキレイハナが残っていた。 キレイハナ:「誰もあのコータスを倒せなかったのね。」 蓮華:「そうみたいね。」 あたしたちはジムの入り口の前に座り、自分たちを睨みつけるように見ているコータスを見ていた。 見ていた限り、聞いた限り、コータスに対して使ったポケモンの中にあの子達はいなかったから、あたしは使ってみようかと思った。 キレイハナ:「蓮華、どうするの?」 蓮華:「ゲットするわよ。この場所だと大型のコイッチやゴンは出せないから、ごまちゃん!お願いね!」 あたしはゴマゾウのごまちゃんを出した。 昨日の夜、キレイハナ以外の持っているポケモン全員のニックネームを決めたのだ。 コータス:「コ〜コ〜!」 蓮華:「火炎放射ね!ごまちゃん、丸くなってかわすのよ!そして転がる攻撃!」 ごま:「パオ!」 コータスは火炎放射を放ってきたけど、ごまちゃんは丸くなってそれを防ぎ、そして転がる攻撃でコータスを弾き倒した。 蓮華:「続いて、甲羅に水鉄砲よ!」 さらにコータスのオーバーヒートに対し、あたしはごまちゃんに水鉄砲を指示。 オーバーヒートは甲羅に炎を溜めることで一ターン使用するので、あたしはその隙を狙い、炎を溜めている甲羅に 水鉄砲を放たせた。 さすがのコータスも溜めていた炎を消されては、オーバーヒートの力も減少し、ほぼ不発に近い形で終わっていた。 コータス:「コ〜!!」 コータスは怒り、甲羅の中に入った。そして鉄壁でどんな攻撃も寄せ付けないようだ。だったら…。 蓮華:「ごまちゃん、地震よ!」 地震攻撃で甲羅に入っているコータスにも振動によるダメージを与えた。すると、さすがの地震の揺れに飛び出してくるコータス。 蓮華:「今よ、ごまちゃん、水鉄砲!」 ごま:「パオ〜!」 ごまちゃんの水鉄砲が炸裂し、コータスは倒れた。あたしはヘビーボールを使ってコータスをゲットした。 蓮華:「ふぅ〜、ごまちゃん、お疲れ様。…コータス、ゲットだぜ!」 キレイハナ:「おめでと、蓮華!」 …と、パチパチパチ…という拍手が聞こえた。 ??:「いやいや、いい試合だったね。おめでとう。」 ジムからはツルツル頭の白衣のおじさんがやってきた。 蓮華:「あなたは?」 ??:「わしはカツラ。このグレンジムのジムリーダーだ。コータスのゲット、見事だったよ。 水ポケモンで倒せないならば、岩・地面タイプを使うという事が、今までこの場にいたトレーナーたちには思いつかなかったようだね。 しかし、このゴマゾウもよく育てられているようだ。水鉄砲を使えることは驚きだが、それ以外にもすごかったよ。あの炎を体に受けて、 耐えれることもすごい。これなら、私とのバトルも期待してよいだろうね。」 カツラさんはあたしとキレイハナをバトルフィールドに案内してくれた。 カツラ:「私とのバトルは4対4のダブルバトルにしようと思う。」 蓮華:「思うといいますと?」 カツラ:「本当なら私は5対5のバトルを行っているが、君のコータスゲットの様子を見て、再びコータスを出したとしても、 君の勝利が見えたからね。しかし、このバトルで私が出す炎ポケモンに、君は勝つ事ができるかな?」 カツラさんはそういい残すと、向こう側に向かった。気がつけば、周囲には多くのトレーナーが観客席に座り、審判の姿もあった。 審判:「ただいまより、グレンジム、ジムリーダーカツラとグロウタウンの蓮華選手の試合を開始します。試合、開始!」 カツラ:「それでは手始めは彼らです。行きなさい!」 カツラさんはまず、二つのボールを放った。出てきたのはマグカルゴとブースターだった。 蓮華:「片方は炎と岩、もう片方は炎。ブースターに炎攻撃をすると炎攻撃の威力を上げてしまう「もらい火」の特性が発動するわね。」 キレイハナ:「蓮華、それだけじゃないよ。マグカルゴに触れば火傷の恐れもあるわよ。ここは接近戦はしないほうがいいんじゃない?」 あたしたちはそう言いながら、最初の二人を決めた。 蓮華:「まずはこの子達よ、サゴッピ!ぎょぴちゃん!お願い!」 サゴッピ:「サニサニ!」 ぎょぴ:「トッサキ〜ン!」 あたしが出したのはサニーゴとトサキントだった。 カツラ:「マグカルゴ、転がる攻撃だ!ブースターは火炎放射を転がるにかぶせるんだ!」 蓮華:「トサキント、跳ねて滝登りよ!サニーゴは硬くなって堪える攻撃!」 向かってくる強力な炎の岩石の攻撃に、サゴッピのミラーコートは通用しない。だからここは耐えるしかなかった。 その隙を使うにも、まずは避けることと耐えること! ぎょぴちゃんは滝登りと跳ねるの使用によるいつもの戦法で逃げ、サゴッピは堪える攻撃で転がるを受け止めていた。 蓮華:「今よ、サゴッピ、至近距離で水の波動!ぎょぴちゃん、空中からブースターに水鉄砲よ!」 転がるを硬くなって堪えて受け止めたサゴッピのすぐ前はマグカルゴ。しかも転がるが止まったことで岩の甲羅の中から顔を出していた。 そこを至近距離からの水の波動の攻撃をしたことで、マグカルゴは大ダメージを与えられていた。 そしてトサキントも空中からの水鉄砲を、マグカルゴの方に集中していたことで周囲の状況を確認できていなかったブースターに命中させていた。 でも、この劣勢でも、カツラさんは動じていなかった。 カツラ:「やりますな。ならば、マグカルゴ、ブースター、ダブルで火炎放射!」 サゴッピにぎょぴちゃんが降り立ったところをダブル火炎放射が襲い掛かっていた。 蓮華:「サゴッピ、ミラーコート!ぎょぴちゃんは再び滝登りよ!」 ミラーコートが終わると同時に、ぎょぴちゃんは再び飛んだ。これにはカツラさんも考えているようだった。 カツラ:「2度も同じ手は通用せんよ!ブースター、トサキントにスピードスターだ!」 ぎょぴちゃんに対してスピードスター攻撃が襲う。 カツラ:「そしてマグカルゴ、サニーゴに…何!?サニーゴはどこだ!」 カツラさんはぎょぴちゃんに意識が向いていたため、サゴッピが何をしたか、見逃したらしかった。 サゴッピがいたのは空。水鉄砲の威力を利用して、空高くジャンプしたのだ。 蓮華:「ぎょぴちゃんの行動に意識が向きすぎね。サゴッピ、必殺地震攻撃よ!」 サゴッピ:「サニゴ!」 ぎょぴちゃんはスピードスターを受けながらも、滝登りを続け、水遊びの水をフィールド上にばら撒いていた。 そしてサゴッピが落下と共に起こした地震は、宙に浮くこともできないブースターとマグカルゴにダメージを与え…。 審判:「ブースター、マグカルゴ、戦闘不能!」 ブースターとマグカルゴは倒れた。最初に受けた水攻撃でも大きなダメージを受けていたのだから、ここまで持ったのだけでもすごいと思う。 カツラのポケモンが一気に倒されたことで、会場はどよめいていた。 カツラ:「私のポケモンがすぐに倒されるとは思いませんでしたが、かなりいいバトルですね。」 蓮華:「ありがとうございます。」 カツラ:「しかし、これならどうでしょうか?」 次にカツラさんが出したのはポニータとソルロックだった。 カツラ:「あなたのサニーゴの地震などはもう通用しませんよ。どうします?」 蓮華:「だったら…ヒメちゃん、ドラちゃん!あなたたちに賭けるわよ!」 あたしが出したのはヒメグマとココドラ。もちろん、鋼タイプのドラちゃんが炎に弱いことは知ってるけどね。 カツラ:「ココドラとは…血迷いましたか?」 蓮華:「そんなことはないわ。二人の力を見なさいよ!」 カツラ:「そうですか。ならば、ポニータ、ヒメグマに踏みつける攻撃です。ソルロックは炎の渦をココドラに!」 ポニータはヒメちゃんに飛び掛り、ソルロックは高速回転をしながら炎の渦をココドラに向かって放った。 蓮華:「ヒメちゃん、あなたの力を見せてあげて!気合パンチよ!ドラちゃんは耐えて!」 ヒメちゃんは踏みつけ寸前のポニータを気合パンチで容易になぎ払った。倒れるポニータに、さすがに驚くカツラさん。 カツラ:「ポニータ、火炎車だ!」 蓮華:「ヒメちゃん、炎のパンチで迎え撃って!ドラちゃん、ソルロックに電撃波よ!」 ドラちゃんは発電所で電気を浴びたらしく、それがきっかけで電撃波が使えるようになっていた。 ソルロックは電撃波を浴び、少し動きが鈍くなっていた。そしてヒメちゃんは火炎車状態のポニータを炎のパンチで受け止めていた。 カツラ:「おやおや…なかなかやるようですね。」 蓮華:「当たり前よ。あたしは二人を信じてるから!」 と、二人の体が光りだした。 カツラ:「何!?」 キレイハナ:「これは…進化ね。」 ヒメちゃんはリングマに、ドラちゃんはコドラに進化していた。 蓮華:「進化するとは思わなかったけど、これで形勢逆転よ。ヒメちゃん、爆裂パンチ!ドラちゃん、アイアンテール!」 ヒメちゃんは強烈なパンチをポニータにぶつけ、ポニータは目を回して倒れた。そしてソルロックもドラちゃんがジャンプして ぶつけた一発が急所に当たり、ソルロックは落下した。 審判:「ポニータ、ソルロック、戦闘不能!よってこの勝負、グロウタウンの蓮華の勝利!」 あたしはジム戦を攻略した。 蓮華&キレイハナ:「やったぁ!」 カツラ:「さすがでしたね。やはりナナ君の言ったとおりのトレーナーだ。しかも、私のポケモンを倒してしまうとは。 あなたにはこのバッジを授けるのはふさわしいだろう。」 あたしはバッジをゲットした。 次の日。 清香:「もう行っちゃうのね。でも、頑張って。」 蓮華:「はい!」 あたしはグレン島を出ることにした。バッジもゲットしたし。 もうすぐで戦いが始まるから。その前に、双子島に行こうと思っていた。そしてセキチクに行き、タマムシに向かおうと。 清香:「また会えるけど、あたしもそれまでにポケモンを強くしておくわ。蓮華ちゃんも強くしてあげなさいよ。 蓮華ちゃんは空中戦が弱点のようだし。」 蓮華:「はい!」 あたしはコイッチに乗って、ぎょぴちゃんやサゴッピ、メノノ、ヒンちゃん、タマちゃんと一緒に双子島に向かった。 これだけ水ポケモンがいれば、きっと大丈夫だと思う。 途中スペース団に襲われたとしても。