第62話 ポケモンリーグ決勝戦! ついに蓮華ちゃんと志穂ちゃんが決勝戦に上りつめた。 あの二人が勝ちあがることは大体予想できていたけど、本当だったら健人さんや哲也さんとバトルするはずでも あったんじゃないかって思うのよね。それはいいとして、蓮華ちゃんは誰を使うんだろう。 相手は全てが最終進化形になっている志穂ちゃんのポケモンたち。 さすがにここで進化前のポケモンたちを使うわけにもいかないと思うけど。 それ気になるけど、もっと気になることはスペース団のこと。 蓮華ちゃんたちは知らないけど、実は既にカントウの各ジムリーダー、各研究所、そしてカントウリーグ四天王が 動き始めている。あたしもジムリーダーである以上、ジョウト地区のではあるが、カントウジムのメンバーを指揮する ことになるけれど、スペース団がかなり強くなり始めてる気がするの。 能力者がほぼ全員、セキエイ高原に集まってしまったことも気がかりね。しょうがないとしても、何かが起きるような気がする。 それが二人の決勝戦であることだけは避けてほしいな。 byナナ ついにこの日が来たのね。 あたしがみんなとこの世界に来てから早数ヶ月。 そして今、あたしは決勝戦の舞台に立つ。それまでにも最近復活したらしいけどスペース団との戦いもあったり、 拓也に久々に遭遇したり、悠也が哲也に宣戦布告したり、蓮華ちゃんが一時挫折しながらも復活したりした。 そしてあたしは少し苦戦しながらも、巫女として、トレーナーとして過ごしてきた。 そんな生活はもうすぐに終わりみたいだけど、このバトルがもしかしたらフィナーレになるかもしれないけど、 あたしは悔いのないように蓮華ちゃんと、楽しい、気持ちいいバトルがしたいかな。 聞くところによるとポケモンの変更もしたみたいだから、多少あたしも、ようやくかな? 苦戦することになりそうね。  by志穂 ポケモンリーグ決勝戦が目前まで迫り、客席は全て満員になっていた。 既に先ほど3位決定戦が行われ、3位には悠也が入った。その時からすでに客がかなり入っていて、会場はものすごく 熱い空間になっていた。 そんな場所の一角には二人を応援するために集まったメンバーが揃いに揃っていた。 二人のどちらが優勝したとしても、自分たちは元の世界に帰れることは分かっている。 ただし、それよりも今は、今から始まるこの決戦の方が気になっていた。 現在、蓮華の元には美香、菜々美、なずな、律子が、志穂の元には玲奈、清香、希、久美がサポーター(応援)として 向かっていた。 そして客席には、それ以外のメンバーの鈴香、氷雨、哲也、健人、翼、涼治、晃正、海斗、美咲、浅香、来美がいた。 全員両方を(哲也と涼治は蓮華を)応援することに決め、試合が始まるのを待つばかりだった。 鈴香:「お姉ちゃん、大丈夫かなぁ…」 流石に緊迫した空気に耐え切れず、口をこぼす鈴香。 浅香:「相手が志穂先輩ですもんね。強敵だと思いますけど。」 晃正:「志穂先輩は強いもんな。」 すると後輩コンビも同意した。 浅香:「晃正君が未確認の半妖怪として扱われてたは天敵でしたしね。半端じゃありませんもの、志穂先輩。」 どうでもいいことまで話す浅香に、晃正は赤面して反論し始めていた。 蓮華よりも志穂の方が強いムードになり始めた空気を哲也と涼治が破ろうとした時だった。 そんな二人を一瞥しながら、氷雨が蓮華の弁護を始めていた。 氷雨:「確かに志穂ちゃんは強いわ。でも、蓮華ちゃんも強くなってることは事実よ。 ここにいるあたしたちのほとんどがジムのトレーナーとして戦ったと思うけど、その時よりも蓮華ちゃんは強くなっているわ。」 氷雨の言葉に確かにそうだと来美や海斗が頷いていた。 美咲:「スペース団も壊滅に追い込んだし。」 涼治:「復活したけどな。」 美咲:「また叩けばいいと思うわ。もう能力者はスペース団にいないから。」 すでに元ポケモンの3匹もいなく、美咲と拓也も退団しているのだ。 健人:「しかし、奴らも強くなっていることは事実だ。菜々美が簡単に敗れたんだ。気は抜けないぞ。」 来美:「そうね。すでにナナちゃんとジムリーダーが動いてるらしいわ。」 と、来美が一つの報告をした。驚く一同とは逆に、氷雨もそれを同意した。 ジムリーダーに近い場所にいるからか、この二人は知っているようだ。 鈴香:「本当ですか?」 来美:「ええ、昨日メールが入ったわ。ハナダの臨時ジムリーダーのあたしの参加も要求されたけど、 ナナちゃんが、あたしは蓮華ちゃんたちのバトルを見終わってからでいいって言ってくれたの。 氷雨さんも同じような理由でしょ?」 氷雨:「ええ。」 翼:「そうか、それじゃこのリーグ戦が終わったら、ホントに最後の最終戦が始まるわけか。」 氷雨:「そういうことになりそうね。」 と、蓮華と志穂がフィールドに出てくるのが見えた。 姿が見えた時点で熱狂がさらに盛り上がり始めるバトルフィールドドーム。 哲也:「蓮華!ガンバレよ!」 涼治:「蓮華!絶対に勝てよ!信じてるからな!」 すると、さっきまで無言だった哲也と涼治も一緒になって応援し始めるのだった。 来美:「あらら、普段は妙に間が空いた関係だったのに。」 氷雨:「そうね。でも、蓮華ちゃんのことに関してはお互い同じ思いのようね。」 時間を少し遡る。 あたし、蓮華は試合の前日にポケモンの登録を迷っていた。 本当だったらこの世界にいたメンバーで決勝戦に望みたいけど、志穂の持っているポケモンは最終進化形ばかり。 それに対し、あたしのファーストメンバーは既に最終進化形のキレイハナとデンリュウ、進化しないサニーゴを除けば、 後は進化前のロコン、サンド、途中進化のハクリュウという状況だった。 この状況で戦うべきかも知れないが、あたしとしては他のメンバーも使って蓮華の最強メンバーで望みたい気持ちでもあったのだ。 確実に勝とうと思えばそれの方がいいのだが、ロコンやサンドのように一度も使っていないポケモンだっている。 あたしは迷い続けていた。 キレイハナ:「何迷ってるの?蓮華。」 蓮華:「あ、ちょっとね。」 キレイハナ:「決勝戦で使うポケモンを決めたつもりが、実は迷っててはっきり決まってないんでしょ?」 蓮華:「え、…あ、どうして分かるの?」 キレイハナ:「分かるわよ。あたしと蓮華は似てるし、それにさっきから口に出してるでしょ? あたし以外のみんなも気になってるよ。確かに志穂ちゃんのポケモンはほとんどが最終形態だし、 ウィンディときっぴー、ダネッチとメガニウムがバトルしても格の違いが出るのは事実よ。 それはあたしたちが身に染みてはいないけど、十分理解してるから。 それで、一体どうする気?」 キレイハナとあたしの性格は似ている部分が多い。ただ、実際はキレイハナのほうが大人みたいだけど、それはともかく、 キレイハナはあたしのポケモンたちの代表として出てきたみたいだった。 蓮華:「あたしは…変更したいんだけど…それだとまだ出てない子たちにも悪いじゃない。」 キレイハナ:「えっ?そんなことだったの?」 蓮華:「へ?」 キレイハナ:「そんなことは誰も気にしてないよ。ただ、あたしたちは、蓮華があたしたちをもうちょっと育てればよかったか どうかの罪悪感に悩んでるとばかり思ってたから。 リーグ戦に出れなくても、普段から色んなバトルに出て経験してるし、リーグ戦には蓮華が決めたメンバーでいいから、 一度も出れなくてもそれでもいいってみんな思ってるくらいよ。 だから、志穂ちゃんとのバトルでは、蓮華が決めた最強と思えるメンバーを使ってね。」 どうやら、意外と考えてることは違ったらしい。 そんなわけで、あたしは最強かどうかは別にして、あたしの36の絆の中で強い部類にいるメンバーをセレクトした。 それと同時に、志穂ちゃんの数少ないポケモンたちに対抗できるメンバーを。 蓮華:「こんな感じかな?」 キレイハナ:「見せて!…あ、やっぱりあたしは入ってるのね。」 蓮華:「当たり前よ。キレイハナは、あたしの中での一番最強じゃない。」 キレイハナ:「やっぱりねぇ。明日のバトル、頑張らなきゃね。」 それからあたしは、ポケモンを登録した。 美香:「菜々美、もういいの?怪我は。」 なずな:「そうそう、まだ数日しか経ってないじゃん。大丈夫なの?」 菜々美:「大丈夫よ、みんなのヒーリングのおかげですぐに回復したから。それよりも、あたしたちは蓮華の応援だよ!」 律子:「そうね。ついに決勝戦だもの。」 美香:「大丈夫なのかなぁ?相手は志穂ちゃんだけど。」 菜々美:「大丈夫じゃないかな?蓮華は蓮華らしいバトルでこれまでもやってきたんだし。」 なずな:「それに、何かはじめはファーストポケモンで戦うつもりだったみたいだけど、少し変更したみたいよ。 だから、最強メンバーで来るつもりなんじゃない?」 律子:「あらら、やっぱり変更したのね。でも、それなら何とかなるんじゃない?」 美香:「そうだね。でも、誰を使うつもりなのかしら?蓮華のポケモンの中で最強に位置するって言うか、 最終進化形のメンバーでも数多くいない?」 菜々美:「その辺りは、志穂ちゃんのポケモン対策で来ると思うわ。あ、蓮華ちゃんだ!」 美香:「蓮華、頑張ってよ!」 玲奈:「もうすぐで始まりね。」 希:「本当だよね。」 久美:「志穂ちゃんと蓮華ちゃんがバトルすることになるとはね。」 清香:「でも、予想はしてたけど。」 希:「あたしたちはさ、もうどっちが勝っても元の世界に帰れるけど、それ以上にこのバトルを見ないと帰れないね。」 清香:「そうそう。あたしたちの中で能力者としても、トレーナーとしても実力のあるうちにあるのよね。 だから、その二人のバトルとなると、ものすごいことになりそうね。」 久美:「あ、もうそろそろね。」 玲奈:「本当ね。久美ちゃんはよかったの?」 久美:「何がですか?」 玲奈:「久美ちゃんは蓮華ちゃんの身内だから、てっきり蓮華ちゃんを応援すると思ってからよ。」 久美:「いえ、あたしは同じ能力を持つ志穂ちゃんを応援するって決めてたし。あ、志穂ちゃんだ!」 希:「久美ちゃん、行くよ!クチバの電撃ガールズの力で、志穂ちゃんを応援するよ!」 あたしは時間になったので、控え室を出て志穂ちゃんと合流した。 志穂:「蓮華ちゃん、ようやく約束を果たす時が来たわね。」 蓮華:「そうだね。あたし、初めはトレーナーとして未熟だったし、志穂ちゃんやみんなに助けてもらう時も多かったよ。 今も少し、そういうところがあるけど、でも、自分でもそれなりに成長したよ。 だから、ここではあたしの成長を見せてあげるね。」 志穂:「ええ。でも、ここで勝つのはあたしよ。」 蓮華:「あたしだって。負けないよ。」 志穂:「こちらこそ。」 それからトレーナー台に立った。 会場からは「蓮華コール」と「志穂コール」が聞こえ、それに混じって美香たちや哲兄たちの応援が聞こえる。 志穂:「やっぱり、あたしたちはバトルコスチュームになったほうがいいのかしら?」 蓮華:「そうだね。やっちゃおうか。」 あたしと志穂ちゃんは気を集中させた。 志穂:「万物を生み出す力となる炎よ、雷よ、我に力を与えたまえ!」 蓮華:「この地上に生息し、我らに快い癒しを与える植物たちよ、我を一時の姿に変えよ!」 志穂ちゃんの周囲を炎と雷が纏い、あたしを植物の蔓と花びらが包み込んだ。 そして、志穂ちゃんは炎と雷を象った勾玉のついたかんざしをつけ、髪を後に縛った状態にし、巫女装束に身を包んでいた。 対するあたしは薄い黄緑色の半透明の妖精のような羽を背中につけ、淡い緑色のワンピースを着た姿になった。 あたしたちのバトルコスチュームは様々だけど、今回はこの姿になったようだ。 そのワンシーンを見た観客には一次的にどよめきが走ったようだったが、数秒後にはフラッシュが瞬いていた。 そして、審判がようやく現れた(実は衣装チェンジをしたために、審判は出てくるはずのタイミングが狂ったらしい)。 あたしたちの、ポケモンリーグ最後の決戦が始まる! ちなみに、バトルフィールドはどちらかのポケモンが3体戦闘不能になるまでの間は岩と水のフィールドとなった。 審判:「これより、トキワシティ出身志穂選手と、グロウタウン出身蓮華選手による、ポケモンリーグ決勝戦フルバトルを 行います。使用ポケモンは6体。また、6体目において引き分けの判定が出た場合は予備として準備された7体目のポケモンで バトルを行い、それによって勝敗を決めることになります。 また、6体目での自爆、爆発行為は失格とみなしますのでご注意ください。対戦者のポケモンのうち、どちらかのポケモンが 3体戦闘不能になった際に、10分の休憩時間を取り、そしてフィールドチェンジを行います。 それでは、試合開始!」 志穂:「まずはこの子からよ!行きなさい、ブラッキー!」 蓮華:「ヒメ、第一戦を勝利するよ!」 志穂ちゃんのポケモンは悪タイプのブラッキー、あたしのポケモンはノーマルタイプのリングマことヒメを出した。 ブラッキーの特性はシンクロだから、あたしは相手を毒や麻痺させる攻撃は放てない。 志穂:「ブラッキー、リングマに黒い眼差しよ!そして影分身から電光石火よ!」 蓮華:「ヒメ、ビルドアップで力を高めて!そして向かってくるブラッキーにツバメ返しよ!」 ブラッキーが黒い眼差しでヒメを他のポケモンと交代できないようにした。 「黒い眼差し」はそのポケモンが戦闘不能になるまでの間、ポケモンの交代を不可能にする技だった。 ノーマルタイプの弱点である格闘タイプを志穂ちゃんが持っていないものの、黒い眼差しを使ったのでちょっと用心しなければいけない。 そしてブラッキーは、影分身をしながらヒメの周囲を回った後、電光石火を繰り出してきた。 対してヒメはビルドアップによって攻撃力と防御力を高め、そしてツバメ返しによって確実にブラッキーを攻撃した。 でも、ブラッキーは電光石火のスピードを生かし、すぐに後ろに飛んだので、確実に攻撃できたものの、ダメージを多く 与えたわけではなかった。 志穂:「なかなかの攻撃力を持つリングマね。ブラッキーが一歩退いていなかったらダメージを多く受けていたわ。 ブラッキー、サイコキネシスでリングマを浮かせるのよ!そして高く上に向かって飛ばし、落下してくるところを 電磁砲で撃ちなさい!」 ブラッキーのサイコキネシスが発動し、ヒメは空中に高く投げ飛ばされた。そしてブラッキーは、電磁砲を撃つ準備をするように、 体に電気を溜め始めた。 蓮華:「電磁砲ね。それならヒメ、気合パンチで電磁砲を打ち破るのよ!そして落下と共に地震攻撃よ!」 あたしはできる限り大声でヒメに叫んだ。 ヒメは空中と言う不安定な場所で戸惑いながらも、真下に狙いを定め、気合を入れ始めていた。 そして、電磁砲と気合パンチが空中でぶつかり、気合パンチは落下のスピードが技の威力にブレンドされ、容易に電磁砲を突き抜けるように落下してきた。 そして気合パンチの状態になり、思いっきり地面に拳をたたきつけた。 直後、フィールド上をとてつもない威力の地震が襲った。 志穂:「電磁砲を打ち破るとは、なかなかの攻撃力。ブラッキーがリフレクタをしていなかったら倒れていたわね。」 蓮華:「どう?あたしのヒメの力は。」 志穂:「すごいわね。でも、あたしのブラッキーはまだまだ戦えるわ。ブラッキー、願い事よ!」 ブラッキーの周囲を星が回り始めて、ブラッキーが体力を回復していた。 すでに前々に祈っていたことで、願い事によってブラッキーは回復したらしい。 志穂:「ブラッキーは回復技を多く持っているの。それに対して蓮華ちゃん、そのリングマだけど、落下のショックのダメージが あるようよ。このまま耐久戦を続けられると思う?」 蓮華:「それはないです。ヒメ、眠っていいわよ!」 ヒメは「眠る攻撃」によって眠り、持っていたカゴの実ですぐに起き上がった。 蓮華:「眠る攻撃なら、じっくり眠って体力は回復できるのよ。ヒメ、岩石封じでブラッキーの動きを封じて!」 志穂:「ブラッキー、電光石火で避けて!そしてアイアンテールよ!リングマのお腹の月の模様に当てて!」 ヒメが地面にパンチをすると、ブラッキーの四方を岩の柱が盛り上がり、ブラッキーを包み込もうとした。 しかし、電光石火で飛び出したブラッキーはヒメの月の模様目掛けてアイアンテールを打ち出した。 ヒメグマの額の月と、リングマのお腹の月は、ゲットの際にうまくゲットできるポイントなのだ。 そして同時に、クリティカルヒットを当てやすい場所でもあった。 だけど、ブラッキーがその場に一瞬倒れかけた。 アイアンテールを撃った直後、リングマの裏拳がブラッキーに放たれていたのだ。なぜなら…。 志穂:「ブラッキーが倒れた…、なるほど、カウンターね。でも、リングマにも十分なダメージを当てられたはずよ。 ブラッキー、嫌な音!そして電光石火で背後を回り、騙まし討ちよ!」 蓮華:「ヒメ、乱れ引っ掻きで牽制!そして切り裂く攻撃よ!」 ブラッキーが嫌な音を発し、ヒメがそれにたじろいだ直後電光石火によって背後に回ったブラッキーが、騙まし討ちを放った。 しかし、ヒメが背後を取られたのは一瞬であり、すぐにヒメは攻撃直撃で正気に戻り、乱れ引っ掻きを放った。 これは簡単にかわされたけど、乱れ引っ掻きを行ってブラッキーの大体の位置を確認したヒメは、その場所に切り裂く攻撃を 打ち出した。そしてそれは見事に命中した。 志穂:「ブラッキー!…あたしが苦戦するなんてね。こうなったらブラッキー、捨て身タックルよ!」 蓮華:「これで最後よ、ヒメ、炎のパンチよ!」 ヒメとブラッキーを比べると、ブラッキーの方がかなりのダメージを与えられた。 そのために志穂はそろそろ勝負を決めようとして捨て身タックルを指示、ブラッキーが突っ込んできた。 しかし、ヒメの炎のパンチがブラッキーを跳ね飛ばし、ブラッキーはそのまま倒れた。 審判:「ブラッキー、戦闘不能!」 第1戦をあたしが勝利し、会場は瞬く間に蓮華コールになりつつあった。 でも、あたしは分かってる。次には志穂ちゃんにヒメが倒されると。 志穂:「ブラッキー、ご苦労様。…ブラッキーのスピード技も、リングマの攻撃力の強さには勝てなかったようね。 ブラッキーの特性シンクロも見破られてたようだし。でも、リングマは黒い眼差しの効果によって、交代は不可能よ。 ゲンガー、次は任せたわよ!」 志穂ちゃんの2番目は案の定、ゴーストタイプのゲンガーだった。 ノーマルタイプのヒメの攻撃はほとんどが通用しない上、ゲンガーの特性は浮遊。ヒメの必殺技の地震も通用しないのだ。 蓮華:「こうなったらヒメ、岩石封じよ!」 志穂:「ゲンガー、空中に飛んで回避して!そして気合パンチよ!」 ヒメの持っている技には特殊攻撃の光線技はなく、破壊光線でさえもゲンガーには意味がない。 そのために技の集中が可能だったゲンガーによる気合パンチは、反撃できる間もなくヒメに命中し、 ヒメを倒していた。 審判:「リングマ、戦闘不能!」 そして会場のコールは元に戻った。 やっぱり、ゴーストタイプにはノーマルタイプのリングマでは適わなかったようだ。 リングマは「見破る」攻撃を持ってるけど、岩石封じを失敗した直後に見破る攻撃を放ったとしても破壊光線を放つ間もなく 気合パンチを受けていただろうから、どう転んでもヒメを倒されてしまうのだ。 相手はゴーストタイプ。毒タイプも持っているからサイコキネシスで一蹴できるような相手でもあるけど、あたしが登録したメンバーには ルナトーンのルナは含まれていない。けど、もう一人、ゲンガーに対して効果的な技を持つポケモンがいた。 蓮華:「ゴーストタイプには悪タイプ!ソルル、お願いよ!」 あたしの2番手は悪タイプのアブソルことソルル。素早さも高く、クリティカルヒットの出せる技を多く持つソルルなら、 バトルを効果的に進めてくれるはずだ。 志穂:「やっぱりアブソルで来たわね。ゲンガー、ナイトヘッドよ!」 蓮華:「ソルル、ナイトヘッドを避けて見破る攻撃よ!」 ゲンガーが両手から放つ黒い光線を素早くかわしたソルルは、見破る攻撃によってゲンガーを見破った。 これによってノーマル攻撃もゲンガーには可能になるのだ。 志穂:「見破られてもゲンガーの手は多いわよ!ゲンガー、シャドーパンチよ!」 ゲンガーの両手が本体から抜け、高速のスピードでソルルに向かって飛んできた。シャドーパンチはゴーストタイプの技 なので、悪タイプのソルルにはあまり効果はないけど、それでも相手に必ず当てることのできる技だった。 そのため、ソルルがカマイタチでそれらを切っても、すぐに復活してソルルに目掛け、二つの拳が命中してしまった。 志穂:「そのまま電撃波よ!」 本体から抜けた状態のまま、ゲンガーの両手が電撃攻撃をソルルに放つ。 ソルルが逃げても、電撃波も必ず当たってしまう技なので、確実に当たってしまうのだ。 ソルルはシャドーパンチと電撃波の連続攻撃によってその場を動けずにいた。 あたしの指示でさえも、両手の攻撃に遮られて不完全に終わってしまうのだ。 志穂:「うふふ、ゲンガー、とどめの怪しい光よ!」 その場に動けないままのソルルに向かって、今度はゲンガー本体の両目から、怪しい光がソルルに向かって放たれた。 蓮華:「ソルル、マジックコート発動よ!」 志穂:「!!!しまった!」 志穂ちゃんも途中で気づいたけど既に遅く、マジックコートで怪しい光はゲンガーに当たっていた。 怪しい光をゲンガーが放った時、両手はゲンガーが怪しい光を放つために意識を向けておらず、その場を動かなかった。 そのため、ソルルがマジックコートを発動できたのだ。 怪しい光によってゲンガーは混乱した。 志穂:「ゲンガーには両手を切り離した状態で攻撃させるために道具をわざと持たせなかったけど、それも裏目に出てしまったわね。 ゲンガー、正気に戻るのよ!そしてもう一度シャドーパンチよ!」 志穂は叫ぶが、混乱したゲンガーは自分の両手を自分に突っ込ませ、自分でダメージを受けていた。 志穂:「ゲンガー!」 蓮華:「ソルル、今がチャンスよ!カマイタチ攻撃!」 ソルルの頭の触角から、すさまじい空気の刃が3つほど放たれ、ゲンガーを切り裂いた。 すぐに切られたところが元には戻るけど、それでもゲンガーはダメージを受けていた。でも、まだ混乱状態は解けないようだ。 蓮華:「ソルル、高速移動で影分身よ!」 ソルルはその隙に、高速移動でフィールド中を駆け回り、一箇所一箇所にソルルの幻影を残し続けた。 そんな時、ようやくゲンガーの混乱が解けたけど、でもゲンガーはフィールドを見て驚いていた。 ソルルの姿がたくさんあったからだ。 志穂:「影分身で分身を多く残したのね。だったら、日本晴れよ!」 ゲンガーは辺り一面を日本晴れで照らした。ヤバイ! 蓮華:「ソルル、シャドーボールよ!」 あたしはやばさを感じてシャドーボールを放させた。でも、その時にはゲンガーに場所を当てられたらしく、ゲンガーの シャドーボールがそれを相殺していた。 志穂:「気づいたみたいね。日本晴れでフィールドを照らすことで、アブソルの本体を探すということを。 影分身で作った分身には影がないから簡単だったわよ。ゲンガー、鬼火よ!」 ゲンガーは相手を火傷状態にさせる鬼火を打ち出した。ソルルはそれに対して構えた。 蓮華:「ソルル、鬼火を受けたら火傷するわよ!カマイタチで相殺させて、凍える風よ!」 だから、ソルルに叫び、鬼火を相殺させた。 その直後の凍える風は、ゲンガーのスピードをうまく落とさせた。凍える風がゲンガーを包んだ直後にシャドーパンチが 放たれたことで、両手を遠隔操作する方法を取ろうとしてるけど、それでももうその素早さに追いつけないわけではなく、 攻撃は受けたけど、それ以降の両手からの技からは避ける事ができた。 志穂:「凍える風効果がこれほどまであったのね。ゲンガー、こうなったら最大パワーでナイトヘッドよ!」 ゲンガーとソルルではこれ以上のバトルはヤバイと感じたのか、志穂ちゃんはゲンガーにナイトヘッドを放させた。 蓮華:「望むところよ、ソルル、火炎放射よ!」 あたしは日本晴れ効果を考えて火炎放射を支持した。 ナイトヘッドと火炎放射が両者の中間でぶつかりあい、攻撃同士が融合しあい、大きく膨れ上がり始めていた。 こういうのは何度も見ている。 あたしも志穂ちゃんも咄嗟に指示を出した時だった。攻撃同士が融合しあったそれは大爆発を起こし、フィールドもまた、 爆風に包み込まれた。 爆風が晴れた時、そこにはゲンガーとソルルが倒れた姿があった。 あたしも志穂ちゃんも守る攻撃を叫んでいたけど、結果的には守る攻撃以上の強力な爆発だったというわけだ。 審判:「ゲンガー、アブソル、両者戦闘不能!」 志穂:「ゲンガー、戻って!…よく頑張ったわ。」 蓮華:「ソルル、戻って!お疲れ様、ゆっくり休んでね。」 氷雨:「蓮華ちゃんも志穂ちゃんもやるわね。」 鈴香:「そうですね。でもお姉ちゃんは強いから大丈夫ですよ。」 ゲンガーとソルルのバトルが終わった直後、あたしたち二人は席を離れ、ちょっと別の場所から見ることにしていた。 観客席はいっぱいだったので、空から、空中から見てます。 氷雨さんは元々空を駆けて雪を降らせる妖怪でもあるから飛べるし、あたしもセイレーンハーフだから翼を持ってるわけで、 空を飛んで様子を見るのが可能なのだ。 氷雨:「でも、志穂ちゃんは何かを隠しているわ。」 鈴香:「どうして?」 氷雨:「だって、そうじゃないとゲンガーやブラッキーみたいに主戦力を初めから出してこないじゃない。」 鈴香:「そうですね。」 でも、そうだとしたらお姉ちゃんはヤバイんじゃないかなぁ…。 志穂:「蓮華ちゃんがここまであたしを苦戦させるとは思わなかったわ。」 蓮華:「あたしだって、志穂ちゃんにここまで対抗できるとは思ってなかったもん。 でも、このまま優勝させてもらうから。」 志穂:「それはこっちのセリフよ。行きなさい!ランターン!」 蓮華:「お願いね、アクア!」 志穂ちゃんの3番手は水・電気タイプのランターン、あたしの3番手は水タイプのミロカロスことアクアだ。 ランターンは爆発でも壊れなかった、フィールドの中央にあるプールに飛び込み、アクアはその場で身を休めていた。 志穂:「相手はミロカロスだけど、水タイプ!ランターン、10万ボルトよ!」 蓮華:「アクア、龍の息吹で相殺するのよ!」 志穂ちゃんが電気技を使っても、特殊攻撃を多く持つアクアには対抗できる手段はたくさんあるのだ。 10万ボルトも、龍の息吹とぶつかりあい、小さな爆発を起こしながらも相殺された。 志穂:「なるほどね。ランターン、怪しい光よ!」 蓮華:「神秘の守りで防いで!そして竜巻よ!」 怪しい光をランターンは放ったが、神秘の守りによって混乱させる技はアクアに通じなくなった。 そしてアクアは竜巻を起こし、それをプールに向かって放った。 蓮華:「竜巻でランターンを巻き上げるのよ!」 志穂:「何ですって!ランターン、ダイビングでプール深くに潜って竜巻をやり過ごすのよ!」 しかし、竜巻はプールの水と共にランターンを巻き上げた。竜巻の回転の速さでランターンは技を放つ間もない。 蓮華:「今よ!吹雪で竜巻を凍らせて!」 アクアは強力な吹雪で水竜巻となった竜巻を凍らせようとした。 が。 すでにランターンは竜巻の外にいた。というより、吹雪が外れたのだ。竜巻は既に四散した後だったのだ。 蓮華:「そんな…」 志穂:「竜巻の中心にハイドロポンプを放って竜巻の動きを乱れさせたのよ。そして滝登りで飛び出したと言うわけ。 簡単にこのバトル、終わらせないわよ!」 水技の連続で竜巻が壊されるとは思っていなかったので、志穂ちゃんの実力は結構すごい。 でも、ランターンのいたプールは竜巻によって空になっているので、ランターンはほとんど動けない状態だった。 まさにまな板の上の鯉。 蓮華:「アクア、龍の息吹よ!」 これで勝負が決まると思ってた。でも。 志穂:「ランターン、滝登りよ!」 志穂ちゃんは普段あたしがぎょぴちゃんに指示することをやったのだ。 滝登りでジャンプし、それを続けるというものだ。 志穂:「蓮華ちゃん、よく使うことほど、意外と他のポケモンもできるものなのよ。ランターン、もう一度10万ボルトよ!」 ランターンは空中に飛び上がり、狙いを定めて10万ボルトを放った。 蓮華:「ヤバイ!アクア…なんちゃってね。アクア、ミラーコートよ!」 アクアは10万ボルトを受けたが、その受けたダメージの倍をミラーコートでランターンに放っていた。 ランターンの放った技の跳ね返しなので、ランターンの特性蓄電でランターンが回復してしまうと思えばそうではなく、 ミラーコートで跳ね返した10万ボルトは吸収されずにランターンを攻撃するのだった。 志穂:「ランターン!ランターン、ジタバタする攻撃よ!」 蓮華:「アクア、自己再生よ!そしてアイアンテールで跳ね飛ばして!」 ランターンはジタバタする攻撃を行おうとしていた。でも、ランターンは攻撃のショックでほとんどその場を動けずにいる。 よって、アクアの方が有利だった。自己再生でアクアを回復させ、尻尾のアイアンテールでランターンを思いっきり跳ね飛ばした。 ランターンはそのまま岩に叩きつけられ、その場に倒れた。 審判:「ランターン戦闘不能!」 志穂:「ランターン戻って!…さすがは水タイプの最強と言われるほどね。ミロカロスを舐めすぎたわ。」 志穂ちゃんのポケモンが3体倒れたため、ここで10分間のフリータイムになった。 この間にフィールドもチェンジされ、あたしと志穂ちゃんは今後の展開を考えて、作戦を練るのだ。 あたしのポケモンはキレイハナとアクアを含めた4体、志穂ちゃんは3体ポケモンが残っている。 この段階ではまだまだ勝敗は分からないけど、一体どうなるのかな? 後半戦も頑張らなきゃ!     by蓮華 現在蓮華と志穂ちゃんが決勝戦で戦っています。 状況は蓮華は4体、志穂ちゃんは3体のポケモンを残しているところ。 今はフリータイムになってて、蓮華と志穂ちゃんはあたしたちと休憩かつ作戦を立てているところ。 また、岩と水のフィールドも別のフィールドに変更されようとしています。 もうすぐで後半戦が始まり、蓮華が勝つか、志穂ちゃんが勝つか、それはまだまだ分からないけど、 かなりすごいバトルになるんじゃないかって思ってるところです。  休憩時間中。 律子は用事があって席を離れちゃったけど、あたしたちは蓮華を賞賛していた。 蓮華:「ふぅ〜、まさかソルルとヒメが倒されるなんてね。さすがは志穂ちゃんのポケモンよね。」 美香:「でも、志穂ちゃんはランターン、ゲンガー、ブラッキーを倒されて残りは3匹。 多分、ウィンディとメガニウムは出るから、残っているとしたらベロリンガとムウマ。」 蓮華:「ええ。あたしの持ってる残りの、キレイハナとアクアを含む4人ならかなりいいところまで運べるはずよ。」 菜々美:「でも、志穂ちゃんはかなりの策士家よ。これ以上蓮華に好き勝手させないはず。だから油断しないでよ。」 なずな:「そうそう。決勝戦でもジム戦でも、勝利が途中で見えかけた人は失敗しやすいっていうからね。 あたしもヤマブキジムのジムトレーナーやってる時に結構見たし。」 蓮華:「分かったわ。あたしは大丈夫だから。志穂ちゃんは強いし、まだまだ手をたくさん持ってる。 それを意識してバトルしてるから、まだまだ気を抜いていられないもの。」 蓮華はこんなことを言ってたけど、実際どうなることやら。 でも、きっと大丈夫よね。あたしたち、蓮華を応援する4人はそれを信じてるよ。 by美香 久美:「志穂ちゃん、大丈夫なの?」 あたしが控え室に戻った途端、久美ちゃんたちがあたしを取り囲んだ。 どうしてかは先刻承知、バトルのことだろう。 志穂:「何が?」 分かってるけど、一応聞いてみた。 希:「何が?じゃないよ。志穂ちゃんのポケモンはすでにバレバレの状況で蓮華ちゃんは最強クラスを使ってるんだよ。 志穂ちゃん、ウィンディとメガニウム、ベロリンガとムウマを使うってばれてる時点で勝機はあるわけ?」 そうなのだ。あたしのポケモンは元々8匹と思われてるから。ある意味、一番バレバレな状況でここまで来たあたしは 結構すごいらしい。 清香:「そうだよね。蓮華ちゃんのことだからさ、カビゴンとかギャラドスとか使いそうじゃない?」 玲奈:「デンリュウやドンファンも持ってるし。対策を考えるとしたら色々と使ってきそうだから厄介よ。」 蓮華ちゃんはそれに対して36匹。キレイハナとミロカロス以外に2匹いるということだ。 どう考えても、今の状況だと勝機はないに等しく見えるわね。 でもね。 志穂:「ご心配なく。これを見て。」 あたしは新たに別のボールを2つ取り出した。 こういう事があると思って、一応登録してあるけど、ゲットことがあるだけのポケモンとしか登録していなかった。 それでも分かってるはずだけど、よく使うポケモンは8匹だから、久美ちゃんたちの反応を見ても知らなかったようだ。 だから、蓮華ちゃんも絶対に知らないはず。 玲奈:「えっ?あ!」 清香:「なるほどね。」 久美:「そういうことか。」 希:「これぞ、隠し玉。」 志穂:「そういうこと!それじゃ、行ってくるね。簡単には蓮華ちゃんを勝たせないんだから。」 蓮華ちゃん、後半戦はあたしが有利になる番よ! このガーネとルッシュ、そしてウィンディの力、思い知らせてあげる! by志穂 そして二人は再びフィールドで対面した。 フィールドは岩と水のステージから、砂漠のステージに変わっていた。 このフィールド変化をどう使うかも、優勝に関わっている。 審判:「それでは後半戦開始!」 試合は始まった。 蓮華:「お願いね、デン!」 あたしは電気タイプのデンリュウことデンを出した。 相手にパートナーのウィンディを出すのはキレイハナが出た時か、あるいは最後。 だとしたら出てくるのはメガニウムかベロリンガ。 でも、電磁波を使って麻痺してしまえばデンには有利なバトルができる。 それに、デンは格闘タイプの技から何とかなると思う。 しかし、志穂ちゃんは全くポケモンを出そうとしていなかった。 蓮華:「志穂ちゃん?」 志穂:「蓮華ちゃん、先入観を持ったバトルをしてるでしょ?」 蓮華:「えっ?」 志穂ちゃんは突然聞いてきた。 志穂:「あたしのポケモン、何匹いるか知ってる?」 蓮華:「うん。8匹でしょ?」 仲間内でも有名な話じゃん。どうしてそんなことを聞くの? 志穂:「でもね、ゲットしたポケモンは30匹いるの。だから、あたしはあの8匹だけを使うわけじゃないのよ。」 蓮華:「…嘘!?」 志穂:「嘘じゃないわ。先入観を持ったらどんな目に遭うか教えてあげる。 蓮華ちゃんはまだまだ甘いわね。ガーネル!デンリュウを倒すわよ!出てきて!」 志穂ちゃんが投げたボールからは大量の砂が噴出し、それと共に巨体の塊が飛び出したのだった。 志穂:「紹介するわ。あたしの9匹目の仲間、ガーネルよ。イワヤマトンネルを仕切っていた子だから、 この子がいなくなってあの山は統率が取れなくなってしまったのだけどね。」 志穂ちゃんが出したのは鋼・地面タイプのポケモン、ハガネールだった。 明らかにデンじゃ不利。 だけど、相性に打ち勝ってみせる! 蓮華:「すごいけど…、負けないよ!」 志穂:「相性に打ち勝つつもり?でも、させないわよ。ガーネル、砂嵐よ!」 フィールドは突如、砂嵐に吹き荒れた。あたしは借りていたゴーゴーゴーグルをつけて、砂嵐でも視界の取れるようにした。 蓮華:「デン、広範囲に電磁波よ!」 志穂:「何をする気かしら?ガーネル、穴を掘るのよ!」 砂嵐の中で穴を掘った場合、相手が出てくる場所をはっきり確かめるのは難しい。 けれど、この手なら…。 志穂:「ガーネル、飛び出してアイアンテールよ!」 蓮華:「デン、ハガネールに爆裂パンチ!そして雨乞いよ!」 あたしと志穂ちゃんが叫んだ直後、砂煙がさらにひどくなり、ゴーグルでも判別がつかなくなった。 そして、何かがぶつかり合う音が聞こえ、砂嵐が消え、雨が降り出していた。 フィールドには顔をしかめてはいるが、そのまま微動だにしないようにその場に立つハガネールがいて、 デンは膝をつきながらハガネールを睨みつけていた。 また、デンの周囲に降る雨はデンのそばに落ちると、弾かれるように四散していた。 志穂:「なるほどね。電磁波をデンリュウを中心に広範囲に発した状態でレーダーの代わりにしていたのね。 ガーネルは地面タイプだけど、鋼=金属だから電磁波のレーダーにひっかかった。 そしてアイアンテールを受けたものの爆裂パンチを放ったようね。 でも、ハガネールの強靭な体にはあまり大きなダメージにはならなかったんじゃないかしら?」 蓮華:「やっぱり志穂ちゃんには分かったのね。そうよ、そういうこと。デン、悪あがきの一発行くよ!雷よ!」 志穂ちゃんには見透かされたようだ。 アイアンテールを受けた時にデンは爆裂パンチを放っていた。 でも、アイアンテールを放ったハガネールの攻撃力の方が強かったから、デンは跳ね飛ばされてしまったらしい。 雨乞いをしてくれただけでもよかった。 砂漠で雨が降れば、最後には…。 ただ、落下した時に足を打ったようで、デンはその場から動けないらしい。 だから、効果がほとんどないのを知りながらも、デンに雷を指示した。 志穂:「ガーネル、地震よ!」 対する志穂ちゃんもそれを察していたらしい。 雷が2.3発雨にまぎれて落ちたけど、雨を伝ってハガネールにも雷が多少は伝わったけど、それでもダメージは少ないらしく、 デンは地震によってその場に倒れてしまった。 審判:「デンリュウ、戦闘不能!」 健人:「志穂の奴、結構やるな。」 海斗:「ああ、あんな巨体を隠し持っていたとはな。しかも、それに桜笠も対抗していいバトルをしている。 この分だと、最後の1対1はまぬがれないだろうけどな。」 健人:「そうだな。」 翼:「あれっ?氷雨さんと鈴香がいないぞ。来美先輩もいない。」 美咲:「来美さんはジムリーダーの仕事でナナに呼ばれたよ。氷雨さんと鈴香ちゃんは上から見るって。 あたしも別の場所から見るね。あんなのの横には居られないから。」 美咲が示したのは他の4人。 デンが倒されて蓮華が負けるかと泣き始めた浅香。それを必死でなだめようとする晃正。 そして彼氏として、兄として他人でさえも引くくらいの応援をする哲也と涼治。 健人:「そうか。分かった。」 海斗:「飛行手段が俺たちにはないからな。翼、お前もそうしたらどうだ?」 翼:「俺はいいや。ここで見てるよ。」 志穂:「どう?こっそり育てておいたけど、強いでしょ?」 蓮華:「デン、戻って!…強いよ。でも、デンが頑張った分、あたしはみんなと次も頑張るから。 アクア、もう一回行くよ!」 あたしはミロカロスのアクアを出した。 相手は地面タイプ。そして、こっちは雨乞いでパワーの上がっている水タイプ。 あたしはハガネールを倒さないと、キレイハナや??が有利なバトルをさせてあげられない。 志穂:「ミロカロスか。雨乞い状態だからギャラドスが来るかと思ってたけど、でもミロカロスなら通じるわね。 ガーネル、もう一度地震よ!」 しかし、地震がなかなか起きなかった。 志穂ちゃんはあたしの仕掛けた罠にかかったようだ。 砂漠には滅多に雨が降らないから、砂漠に雨が降ると、砂漠は洪水を起こす。 今、砂漠のフィールドの表面は水が覆い、地震が起きても起きるのは津波くらいだった。 しかし、水がどんなに荒れていても、アクアは全く動じることがない。 志穂:「地震が駄目でもまだまだ手はあるわ!ガーネル、龍の息吹よ!」 蓮華:「アクア、冷凍ビームよ!」 龍の息吹が冷凍ビームとぶつかり合い、相殺して四散する。 志穂:「だったら突進よ!そして締め付ける攻撃よ!」 ハガネールはアクアに突進をしてきた。 蓮華:「だったらこっちは巻きつく攻撃よ!」 ハガネールとアクアが巻きつく攻撃と締め付ける攻撃で体を巻きつけた。 蓮華:「アクア、そのまま吹雪を放出して!」 志穂:「ガーネル、ミロカロスの体に噛み砕く攻撃よ!」 雨乞いが吹雪によってあられに変わり、砂漠の水は凍り、そして吹雪がフィールドを包み込んだ。 志穂:「ガーネル、地割れよ!」 蓮華:「アクア!破壊光線よ!」 吹雪で様子が分からないけど、あたしも志穂ちゃんもまだ、吹雪の中で自分のポケモンが倒れていないことを察している。 だからあたしたちは指示を出した。 すると、吹雪が突然晴れた。 審判:「ミロカロス、ハガネール共に戦闘不能!」 吹雪が晴れた時には、アクアは体に大きな怪我を負った状態で体の半分が地割れに落ち、ハガネールは体中から氷柱を たくさん張った状態で顔を真っ黒に焦げた状態で倒れていた。 あたしも志穂ちゃんも、叫んだ技が強力な技や一撃必殺の技だったから、それで倒れることになってしまったのかもしれない。 アクアはランターン戦の(ほとんど回復しているとしか思えない)ダメージが(ほんのちょっとのちょっと)残っていたのかもしれないし。 鈴香:「今の、一体何があったんですか?」 美咲:「氷雨さんなら分かるんじゃないですか?」 氷雨:「ええ。分かるわよ。巻きついた状態で吹雪を放ったミロカロスにより、ハガネールは体を凍らされてしまったの。 でも、凍ったのが表面だけだったから、まだまだ動くことはできて、ミロカロスの体に思いっきり噛み付いた。 それで体を避けるようにしてミロカロスはハガネールから離れた。 そこをハガネールが地割れで攻撃し、ミロカロスは逃げる事ができなくて地割れに落ちそうになった。 でも、蓮華の指示を受けて破壊光線を思いっきり放った。 それはようやく体が雪で凍って動けなくなったハガネールの頭に当たり、そして両者が倒された。 倒れたのは同時刻だったのよ。」 鈴香:「すごい。でも…」 美咲:「蓮華のポケモンが一気に2匹倒されるとはね。後は両者共に2匹か。」 志穂:「まさかハガネールを倒されるなんてね。」 蓮華:「あたしもアクアが倒れるとは思ってなかったわ。」 志穂:「お互い2匹。でも、次のポケモンでキレイハナも倒してあげるわ。ルッシュ!お願い!」 蓮華:「負けないから!ゴン、頼んだからね!」 先ほどのバトルでフィールドは使用不可能として、草のフィールドにチェンジされていた。 そして草原に現れた二つの巨体。 あたしのポケモンはノーマルタイプの居眠りポケモン、カビゴンことゴン。 志穂ちゃんのポケモンは、同じくノーマルタイプで家族ポケモンのガルーラだった。 志穂:「この子もイワヤマトンネルで出会ったの。ニックネームはルッシュ。10匹目のあたしのポケモンよ。 ルッシュ、ピヨピヨパンチよ!」 蓮華:「ゴン、爆裂パンチよ!」 ゴンの爆発的な威力を持つパンチと、ガルーラのリズミカルなパンチがぶつかり合った。 そして両者は混乱した。 それぞれ、パンチの副作用は相手を混乱させるものだからだった。 でも、すぐにガルーラは立ち上がった。多分、キーの実を持っていたからのようだ。 でも、あたしのゴンは別の物を持ってる。いや、巻いてる、頭に。 志穂:「ルッシュ、そのまま連続パンチよ!」 ガルーラはゴンを殴り始めた。混乱しているゴンには攻撃が自分に当たってしまうので、あたしが指示を出しても無理だったのだ。 が、ガルーラの腕をゴンが掴んだ。 蓮華:「ゴン!?」 志穂:「正気に戻ったの!?」 ゴンは殴ろうとするガルーラをそのまま引き剥がしていた。 蓮華:「ゴン、そのままのしかかるのよ!」 しかし、ゴンがのしかかった瞬間、ゴンは思いっきり吹っ飛ばされていた。 志穂:「ルッシュのカウンターよ。ルッシュ、そのままゴンの手を噛み付くのよ!」 蓮華:「させないわ。ゴン、欠伸よ!」 ピンク色の泡がゴンの口から飛び出て、噛み付こうと飛び掛ってくるガルーラにぶつかり割れた。 すると、ガルーラは大きな欠伸をして眠ってしまった。 が、すぐにガルーラは目を覚ましていた。 蓮華:「嘘…。」 志穂:「残念でした。ルッシュの特性は威嚇と早起き。そしてこの子の特性は早起きなの。 眠らされてもすぐに起きれるわ。ルッシュ、ブレイククローよ!」 蓮華:「ゴン、かわしてジャンプ!そしてロケット頭突きよ!」 ガルーラが鋭いツメでゴンに襲い掛かり、ゴンは丸い体を後ろに反らせ、反動でジャンプしてそれをかわした。 そして落下の衝撃を含め、ガルーラにロケット頭突きで攻撃していた。 志穂:「受け止めてカウンターよ!」 ガルーラはゴンを受け止めようとする体制に入った。 でも、ゴンはあたしのウインクを見て、体制を変えた。 くるっと丸くなって、そのままガルーラにではなく、地面に向かって突撃していた。 志穂:「何をする気?」 蓮華:「うふふ、ゴン、地割れよ!」 当たるかどうかは分からないけど、ゴンを受け止めようと片膝をついた状態で身構えているのだ。 素早さの遅いガルーラの場合、すぐには逃げれない。 そして地割れは発動した。 が、それは違っていた。 ゴンの落下は、草を掘り起こし、ゴンは地面にめりこんでいた。 したがって、地割れも発動していなかった。 フィールドは草のフィールドなので、土が柔らかく、地震は起こせても、地割れは地盤が柔らかすぎて発動しなかったのだ。 しかも、ガルーラが地割れを尻尾でジャンプしてかわしていた。 志穂:「ルッシュ、カビゴンは落下のショックで地面にはまっているわ。今がチャンスよ!とどめの爆裂パンチ!」 ゴンは動けないし、ガルーラは止めを刺そうとしている。 この場合、ゴンが負けたら厄介だ。 蓮華:「ゴン、眠るのよ!」 ゴンはむくっと起き上がり、すぐに眠る攻撃に入った。 眠って体力を回復するのだ。 眠っていれば攻撃を受けても倒れない。 が、眠った直後、すぐにゴンの頭にガルーラの爆裂パンチが決まった。 志穂:「ルッシュ、そのまま投げと…えぇ!?」 すると、ゴンは不機嫌そうに起きたのだ。 眠りかけたところを起こされていらついてるらしい。 少し眠ったことで体力が少しは回復しているようだったけど、でも、機嫌が悪いのはよく分かる。 蓮華:「ゴン…、…破壊光線よ!」 ゴンの普段よりも強力な破壊光線がガルーラを包み込んだ。 審判:「ガルーラ戦闘不能!」 志穂:「ルッシュ…失敗したわね。でも、まだあたしには希望があるわ。ウインディ!神速よ!」 ついに志穂ちゃんの最後のポケモンが出された。 そして、ゴンは倒された。 素早い、一瞬ともいえる攻撃によって。 蓮華:「ゴン、お疲れ様。久々のバトルで疲れたでしょ?ゆっくり休んでね。」 ゴンは一瞬で倒された。 ゴンが頭に巻いていた気合の鉢巻のおかげで、ガルーラの爆裂パンチに耐える事ができたんだと思う。 でも、その直後に出た神速には負けた。 神速は必ず相手に先制攻撃をする事ができる、威力の高い技だった。 それにより、破壊光線の反動で動けないゴンは倒されてしまった。 後は、このポケモンで、あたしは全てを賭ける! 蓮華:「キレイハナ、最後のバトル、決めるわよ!」 キレイハナ:「分かってるよ!」 あたしのパートナーポケモン、草タイプのフラワーポケモンことキレイハナと、志穂ちゃんのパートナーポケモン、 炎タイプの伝説ポケモンことウインディのバトルが始まった。 志穂:「もう一度神速よ!」 蓮華:「キレイハナ、リフレクタで防いでマジカルリーフよ!」 志穂:「だったら高速移動でマジカルリーフを振り切り、そのまま攻撃を叩き落として!」 ウインディが神速で向かってきた。 キレイハナはリフレクタでその攻撃の威力を半減させると同時に、必ず当たるマジカルリーフを放出。 ウインディはそれらよりも早く動き、それらを見切り、マジカルリーフを前足で叩き落していた。 蓮華:「やるじゃん。キレイハナ、ハイパーボイスよ!」 志穂:「ウインディ、熱風で相殺するのよ!」 ハイパーボイスによる音の波動で攻撃すると、ウインディは耐え切れずに後図去った。 でも、熱風による炎の波動はその音の波動を打ち消すように相殺していた。 実力は共に五分と五分だった。 相性の悪さを除いてみると、ほとんど互角の強さと言うわけだった。 攻撃したら攻撃をし、キレイハナは光合成で回復しながらリーフブレードを振るい、ウインディは火の粉を体から放出しながら 電光石火や騙まし討ち攻撃、突進攻撃でそれに受け、種マシンガンと火の粉、熱風と葉っぱカッター、火炎放射と花びら&葉っぱが ぶつかり合う。 相性の悪さは既に全く見せていなく、関係ないものだった。 志穂:「ウインディ、高速移動でキレイハナの周囲を回りながら火の粉攻撃よ!そして炎の渦!」 ウインディはキレイハナの周囲を回りだした。 スピードのある動きに火の粉が混ざり、まるで炎の竜巻の中にキレイハナが閉じ込められたような、そんな感じに見える。 そして炎の渦が、その火の粉竜巻をさらに燃え上がらせていた。 キレイハナ:「くっ…蓮華!」 蓮華:「炎に巻かれちゃうなんて…キレイハナ、その場で蔓の鞭でジャンプよ!」 炎を逃れるように、蔓の鞭で竜巻から飛び出るキレイハナ。 渦の中心には炎がなかったため、キレイハナには暑さは伝わっても炎の技はまだ当たっていなかったのだ。 でも、アレにさらに炎技が加われば、キレイハナはやられていただろう。 しかし、飛び出た瞬間ウインディが飛び上がってきた。 志穂:「火炎放射よ!」 蓮華:「蔓の鞭をウインディの口に巻きつけて!そして近づいて爆裂パンチよ!」 キレイハナはウインディの口に蔓を巻きつけた。 火炎放射はそれにより出れなくなり、ウインディの口からは不完全燃焼の煙が立ち上る。 そしてキレイハナはそのまま蔓の鞭を戻しながら近づき、爆裂パンチをウインディの頭に放った。 その後も、白いハーブを加えたウィンディのオーバーヒートをハイパーボイスで相殺し、ヘドロ爆弾を神速でかわし、 互いに影分身と高速移動で対抗しあい、ほとんど互角のペースで戦っていた。 志穂:「こうなったら、勝負の決着をつけるわよ!ウインディ、日本晴れ!」 そんな時、志穂ちゃんが叫んでいた。あたしもそれに同意する。 そして、フィールドを太陽の光が強く照らしていた。 志穂:「ここで決着をつけましょう。」 蓮華:「ええ。」 ウインディとキレイハナはまだ攻撃をしようとは思わない。 あたしたちはいいタイミングを待って、間合いを取っていたのだ。 会場も静まり返る。 そして。 志穂:「ウインディ、オーバーヒートよ!」 蓮華:「キレイハナ、ソーラービームよ!」 お互いの強力な技同士が放出された。 技同士は大きくぶつかり合い、爆発した。 志穂:「ウインディ、神速よ!」 蓮華:「高速移動でリーフブレードよ!」 爆発が晴れ、お互いの姿が見えたとき、あたしたちは再び攻撃を仕掛けた。 でも、この時にようやく決着がついた。 神速とリーフブレードの横斬り同士がぶつかり合ったのだ。 キレイハナもウインディも、背後を向けたまま佇んでいる。 蓮華:「…」 志穂:「…」 どちらもなかなか倒れない。 けど、初めに片方がふらついた。 ウインディだ。 そしてキレイハナもふらついた。 そして、お互いをみつめたまま、ウインディがその場に倒れた。 審判:「ウインディ戦闘不能!よってポケモンリーグ優勝者、グロウタウンの蓮華選手!」 蓮華&キレイハナ:「やったぁ!!!」 会場は一斉に歓喜に包まれた。 志穂:「あ〜あ、負けちゃったか。まぁ、日本晴れ状態では光合成が自然に行われ、植物の方が元気になるもんね。 この勝負、日本晴れが最後を決めちゃったわ。」 氷雨:「蓮華ちゃんおめでとう!」 鈴香:「お姉ちゃんおめでとう!」 美咲:「バトルよかったわよ!」 美香:「蓮華最高!」 菜々美:「蓮華、今までで一番のバトルだよ!おめでとう!」 なずな:「よかったね、蓮華!」 律子:「蓮華ちゃんおめでとう!」 ナナ:「蓮華ちゃん、ようやく優勝できたね!長かったけどやったね!」 哲也:「蓮華!!!!俺は信じてたぞ!!!」 涼治:「蓮華、愛してるぞ!」 健人:「よかったぞ!」 海斗:「桜笠、おめでとう!」 翼:「桜笠、頑張ったな!おめでとう!」 浅香:「蓮華先輩よかったです!」 晃正:「俺、一生ついていきます!」 来美:「蓮華ちゃん、おめでとう!」 久美:「最高のバトル、ありがとう!」 希:「こんなバトルを見れて光栄だよ!」 玲奈:「蓮華ちゃん、おめでとう!」 清香:「おめでとう、蓮華ちゃん!」 会場は蓮華とキレイハナと、そしてポケモンたちを賞する拍手と歓喜で包まれ、そのまま表彰式が行われた。 ヒート:「蓮華、成長したよな。」 蓮華:「えっ?」 ヒート:「実はさ、俺なんだ。」 蓮華:「あぁ!悠兄!久しぶりだよ!懐かしい!」 悠也:「おいおい、抱きつくなよ。哲也と涼治が怒るぞ。」 蓮華:「だってすっごい久々だもん!」 志穂:「うふふ、蓮華ちゃんにかかればあなたも形無しのようね。」 悠也:「当たり前だ。志穂、お前もよかったぞ。」 志穂:「ありがとう。ほら、表彰台に上がらないと、ポケモン協会の人が困ってるわよ。」 悠也:「あ、そうだな。」 蓮華:「みんなも出てきて!一緒に映ろうね!」 あたし、桜笠蓮華(さくらがされんげ)。14歳。 今日、あたしは36の絆と一緒に、ついに念願のポケモンリーグ優勝を果たしました。 これはみんなが頑張ってくれたおかげです。 今まで、まだ14年しか生きてないけど、その間で一番嬉しくて、最高に幸せの日です。 そしてあたしがもらったGSボールを使うと、セレビィが呼び出せるらしい。 あたしたちは帰るわけだけど、まだやることは残ってます。 でも、その前にあたしたちは、ようやく休憩をすることにも決めました。 キレイハナ、ヒメ、ソルル、ゴン、アクア、デン、一緒に優勝戦に出てくれてありがとう。 そして他のみんなもありがとう。 これからもよろしくね。