第63話 破られた平和!スペース団再来襲! あたしが優勝してもらったGSボール。 これをどこかで使うとセレビィがやってきて、あたしたちを元の世界に戻してくれるらしい。 その時のセレビィをゲットするもしないもあたしたちの自由。 あたしは…ゲットしたいと思ってる。だって、まだまだナナと別れるのは嫌だし、ポケモン世界を旅するのは楽しいから。 そして、今日はそんな別れの前にある大きな戦いに向け、まず体を休めておこうということで、久々にみんなが まだまだお祭り騒ぎの続くリーグ会場付近で羽を伸ばしてます。 だけど、そんな平和な時間はすぐに終わりを告げていた。 あたしとキレイハナたち36の絆が優勝者用の広々としたコテージで休んでいた時だった。 ソルル:「ソル!ソル!」 ソルルがいきなり体を起こしたのだ。さっきまではあたしの毛づくろいを受けていたのに。 蓮華:「ソルル?」 すると、GSボールを珍しげに見ていたキレイハナたちも驚いてこっちを向いた。 キレイハナ:「何?何かを感じたの?」 だが、聞くまでもなく、それはいきなり起こった。 突如ものすごい音の爆発音とコテージを揺るがす大振動が襲ったのだ。ソルルが感じたのはこれのようだ。 アブソルのソルルには何かの危険や災害を感じる事ができるから。 そしてあたしたちは、何かが起きたことを身を持って感じていた。 ゴンやコイッチは警戒を外の方に向けているし、チリリやフィルも耳を傾けている。 みんながみんな、何かを感じ始めているようだ。 キレイハナ:「蓮華、今の爆発…何か起きたのかなぁ?」 蓮華:「うん。何かあったのかもしれない。爆発が起きた場所に行ってみよう。そうすれば分かるはずだから。」 あたしが立ち上がると、みんなも自分の意識でボールに戻り、あたしはトロに乗ってキレイハナと一緒に音がした方に向かった。 それは、リーグドームの方だった。 ドームの上には大きな穴が開き、そこからは煙が出ていた。 キレイハナ:「すごい煙よ、何が起きたのかしら?」 トロ:「トロロ!」 あたしたちがリーグドームに向かおうとすると、トロが何かに気づいた。 トロは遠くの方に向かって、首を傾けた。 その方向を見て、あたしとキレイハナは驚いた。 蓮華:「あれは…スペース団員!」 キレイハナ:「ついに来たってこと?彼らの来襲が。」 ??&??:「そのとおり!」 あたしたちが驚いた瞬間、聞き覚えがある声がした。あたしたちはすっかり忘れていたので、つい、 蓮華:「誰?」 キレイハナ:「何者?」 と言ってしまった。 だから。 ヒカリ:「誰?何者?と言われたら…」 ユウ:「めんどくさくなく、適当じゃなく答えてあげるよ…」 ヒカリ:「銀河の破滅を防ぐため…」 ユウ:「銀河の滅亡守るため…」 ヒカリ:「勇気と光が悪を貫き通す…」 ユウ:「プリティー・ガール・ボーイな敵役…」 ヒカリ:「ヒカリ」 ユウ:「ユウ」 ヒカリ:「全銀河を飛ぶ、スペース団の二人には…」 ユウ:「ゴールデンセンチ、黄金のオアシスが待ってるよ」 二人:「「よろしくねっ♪」」 フラCゴンに乗ったヒカリと、ボーマンダに乗ったユウが姿を現し、あたしたちの周囲を飛行ポケモンに乗ったスペース団員 たちが取り囲んだのだ。 蓮華:「スペース団!」 キレイハナ:「あの爆発であたしたちをおびき寄せたってこと?」 ヒカリ:「ええ、そのとおりです。お久しぶりですね、草使いの蓮華さん。私たち空中部隊が、あなた方を捕らえさせていただきます。 そしてスペース団本拠地で処刑させていただきます。」 ユウ:「能力者に生きていられては、僕達の世界征服が成り立ちませんからね。」 ヒカリとユウは妙に大人びていた。それに、ボーマンダの威嚇はものすごいもので、トロとキレイハナが怯えているのだ。 キレイハナ:「蓮華、ものすごく恐怖を感じるよ。」 トロ:「ト、トロロ…」 蓮華:「嘘…前はこんなこと、全然なかったのに…。スペース団が強くなってるってこと?」 ヒカリ:「私たちはこの日の為に特訓を重ねてきました。」 ユウ:「大好きなゲームを我慢して、必死でやってきたんだ。新たなスペース団の世界ができた暁には、僕は毎日ゲームをやっていられる 幸せな世界の生活を送れる。そのためには能力者とそのポケモンたちが邪魔なんだ。」 ヒカリ:「だからここであなたを捕獲し、本拠地まで連れて行きます。フライゴン、竜の息吹よ!」 ユウ:「ボーマンダ、火炎放射だ!」 蓮華:「トロ、回避して!」 ヒカリとユウの攻撃開始が発端になり、あたしたちに向かってポケモンたちが一斉射撃をしてきたのだ。 あたしはトロに叫び、攻撃を回避してこの場は逃げようと思った。 逃げなきゃ不利だ。 たとえあたしがリーグ優勝を果たしたトレーナーであるとはいえ、相手は50を超す飛行ポケモン軍団と、ヒカリとユウ。 空中戦の得意なメンバーを出しても、あの一斉射撃に耐えられる可能性は少ない。 ヒカリ:「どうしたんですか?戦わないのなら、この手で行きます!フライゴン、砂嵐竜巻よ!」 突然、あたしは何が起きたかよく分からなかった。 トロがバランスを崩し、あたしとキレイハナは空中に放り出されたのだ。 そして気づいた。 トロを中心に砂嵐の竜巻が起きたのだと。フライゴンは砂嵐ができても竜巻を使えないはずなのに使うと言うことは、 本当に彼らは強くなってるということ。しかも、かなり距離を離してるのに、砂嵐の竜巻に閉じ込められるなんて思わなかった。 蓮華:「キレイハナ!トロ!」 あたしは何とか叫ぶけど、トロも、キレイハナも、竜巻の回転数の多さでバランスが取れずにいた。 あたしもそう。しかも、突然あたしのバックが外れ、ボールが一斉に外に飛び出していた。 蓮華:「嘘!みんな!?」 その時あたしは思い出した。 ユウはフーディンを持ってる。あたしの場所を確定し、バックからみんなのボールを出してばら撒くなんて…。 あたしは蔓の鞭を手から出して掴もうとした。 でも、それもできなかった。今度は竜巻に炎が混ざったのだ。 バシャーモか、ボーマンダの火炎放射だと思うけど、あたしもキレイハナもトロも、炎にはかなり弱い。 蓮華:「えぇ!?ちょっとこんな状況で…。」 あたしは咄嗟に近くにあったボールを掴んだ。 けれど、あたしは炎に耐える事ができず、そのまま気を失った。 戦いが控えているけど、今日は休んで力を蓄えよう。 蓮華がそう言ったけど、俺にはボランティアの仕事があった。 俺が好きで始めたこと。将来は医者になるって決めていた。人間相手の医者だけど、ポケモンの医者にもなりたい。 まだまだ医者になるための勉強を少ししか始めていなかったけど、俺はポケモンセンターで手伝いを始め、そして、 今はポケモンリーグのポケモンセンターでボランティアをしている。 たくさんのポケモンが怪我をしたりして治療に来る。そこで俺は色々と学んだ。 人間が相手でも、ポケモンが相手でも、根本的にはやることは変わらないから。 だから学ぶことは多く、失敗もあったけれど、俺はそれなりに成長を遂げていた。 そして今日も、いつものように始めていた仕事、俺が任されていた仕事を正確に行っていた。 そして、一人のトレーナーがポケモンの様子を見てほしいと言ってきた。 その人は綺麗な女の人で、今リーグドームで行われているマルチバトル大会で怪我をしてしまったかららしい。 1対1の通常バトル、知らない人同士で行うダブルバトル、自分のポケモン2体でのダブルバトルなど、色々なバトルを体験 できるのだ。これが今日と明日行われ、本当の終了式みたいなのが3日後に行われ、その時にポケモンリーグは幕を下ろすのだと言う。 女の人:「あたしのポケモン…大丈夫ですか?」 彼女のポケモンはマルマインだった。 でも、それほど悪い怪我はないと思えた。 涼治:「それほど悪くないのですが、一応機械に入れて検査してみましょうか。ジョーイさん、いいですか?」 ジョーイ:「ええ、ポケモンは見た目には分からない怪我をしている時があるわ。 その回復マシンに入れてあげなさい。」 俺はジョーイさんに言われるまま、機械に入れた。 その時だった。 突然マルマインが光りだしたのだ。 ジョーイ:「大変!伏せて!」 それに気づいたジョーイさんに言われるまま、俺や近くにいる俺以外のボランティアやトレーナーたちが伏せると同時に、 マルマインが大爆発を起こしたのだ。 回復機械は大爆発の威力で全てが不能になっていた。 涼治:「今のは一体…」 女の人:「マルマインの大爆発よ。見れば分かるんじゃない?マルマイン、よくやったわよ。 一気にラッキーたちも倒せたことだし。」 ジョーイ:「何ですって!」 見回せば、ラッキーたちや、今回復機械に入っているポケモンたちまでが戦闘不能になってしまっている。 ジョーイ:「あなた、あなたのポケモンはどうして大爆発を起こしたの?」 ジョーイさんがその女の人に聞く。 すると。 女の人:「初めから大爆発を行うように言ってあるからよ。これでポケモンセンターは閉鎖ね。 残念だったわね。」 涼治:「何、お前は何者だ?」 女の人:「私はスペース団3幹部の一人、ボム。このポケモンセンターは私の支配下に置く。」 涼治:「させるか!ライボルト、電磁波だ!」 俺がライボルトでボムを捕らえようとした。 しかし、ライボルトが横から攻撃を受けて倒れていた。いつの間にか、他のボランティアやトレーナーが捕らえられ、 スペース団員たちがポケモンセンターの至る所にいたのだ。 初めから襲撃するつもりだったらしいな。 ボム:「残念だが、もうすでにここは私の支配下にある。これ以上ポケモンを傷つかせたくなければポケモンをしまうことだな。」 涼治:「…戻れ、ライボルト。」 ボム:「ふっ、いい心がけだ。風使い、お前は私と来るのだ。」 涼治:「だっ、誰がお前なんかの…おい!やめろ!」 突然、スペース団員が俺を羽交い絞めにし、ボムの前に突き出された。 団員A:「親愛なるボム様に無礼な口を叩くではない!」 団員B:「お前はボム様の言葉に従えばいいのだ!」 涼治:「誰がこんな奴のことなんか!」 ボム:「無礼な奴だな。まぁ、いいだろう。こいつを本拠地に連れて行け。そしてこいつのポケモンは実験室に連れて行くのだ。」 俺は無理やり2つのボールを奪われ、そして何かをかがされて気を失った。 哲也:「いつの間に、スペース団が紛れ込んだんだ?」 健人:「初めからいたのかもしれないな。」 美咲:「そうかもしれない。こんなにたくさんの人がいたのよ。あたしたちの知らないところで暗躍し続けていたのかもしれない。」 俺たちがマルチバトルでバトルを楽しんでいた時だった。 突然フィールドの各地で爆発が起き、トレーナーやポケモンが巻き込まれた。 そして天井が大爆発を起こし、気づいた時にはトレーナーやポケモンはスペース団員に捕まっていたのだ。 今ここにいる能力者は桜笠、涼治、氷雨さん、草壁(なずな)、深田(美香)、牧坂(律子)、晃正、玲檄(浅香) 光沢(久美)、希、志穂、菜々美、来美先輩を除いたメンバーだったが、瓦礫の落下に翼、海斗、清香、玲奈が巻き込まれてしまっていた。 そして俺たちの目の前には、見覚えのある二人組がいたのだ。 美咲:「あんたたち、何しに来たの?」 美咲が、一応叫んでやると、彼らは口上を始めた。 忙しい奴らだが、俺たちも包囲されていて軽々しく動けない。それに、彼らがいる下に翼たちが巻き込まれた部分があるのだ。 マユミ:「あんたたち、何しに来たの?と聞かれたって」 エイジ:「答えるか否かはわれらの勝手」 マユミ:「世界の破滅を防ぐため」 エイジ:「宇宙の輝き護るため」 マユミ:「愛と勇気の悪を貫く」 エイジ:「ラブリークールな敵役」 マユミ:「マユミ」 エイジ:「エイジ」 マユミ:「この宇宙にきらめくスペース団の二人には」 エイジ:「ミントブルー、清き青の明日が待っている」 マユミ:「なーんてね…、このリーグ会場を、セキエイ高原をスペース団が乗っ取りに来たのよ。」 エイジ:「お前らはポケモンを出して戦おうとは思わないほうがいいぜ。あっさりと捕まりな。」 美咲:「嫌よ。」 美咲がはっきり断り、俺たちも後に続く。 しかし、彼らはその言葉を聞くと同時にその場でサイドンを出し、地震を始めたのだ。 健人:「待て!」 マユミ:「あら?仲間が生き埋めになるからかしら?そういうようになることを恐れるならば、あたしたちの言うとおりに 捕まりなさい。それがいいわよ。すでに外にいた草使いとポケモンセンターにいた風使いは捕獲した。 各地のジムで抵抗しているお前たちの仲間もあと少しで我らスペース団の捕獲部隊によって捕獲されるであろう。」 俺たちは驚いた。すでに桜笠と涼治が捕まっているとは夢にも思っていなかったからだ。 哲也:「蓮華と涼治が!?くそっ!よくも蓮華を捕まえ…」 哲也は蓮華を捕獲したと聞いて、彼らに対する怒りをむき出しにしていた。多分冷静になるように言っても無駄だろう。 そして哲也が彼らに殴りかかろうとした時だった。 哲也は突然倒れたのだ。よく見れば、遠くの方に銃らしきものを構えている団員がいる。 エイジ:「そういえば言ってなかったな。ここで抵抗した者はスペース団化学研究部隊が開発した特性の麻酔弾を 打たれることになるぞ。」 美咲:「特製ですって!?あれが完成していたのね…。」 健人:「どういうことだ?」 美咲:「あの麻酔弾を打たれた場合、確か、筋力を大幅に低下させて歩くこと自体もできないようにして、ポケモンを 捕獲しやすくするもの。でも、人間には実験さえもしたことがないのよ。だから、副作用効果も分からない。 それにアレの効果はまだあって、麻酔によって眠らせる、体の機能をほぼ停止させるとかあったはず。」 エイジ:「そういうことさ。そうすれば、洗脳しやすくなるからな。」 美咲:「洗脳ですって?」 マユミ:「ええ。わが尊敬する幹部ドリーム様の催眠にかかれば、どのようなトレーナーもあたしたちの配下。 そしてあたしたちと共に悪事を働くことになるわ。ここにいる団員の半分は、このポケモンリーグに出場して敗れていったもの達。 だから傷つけることもあなたたちにはできないはずよ。」 しっかりと手を回され、何重もある罠を仕掛けられた。 そういうことになるだろう。 俺と美咲は苦しむ哲也を見るに耐えず、捕獲されることになった。 ちなみに、翼たちを助ける救助は足かせをつけた状態で俺がやらされたが、その間にもポケモンの攻撃で邪魔をするという 悪どい方法を使われた。 他のみんなは大丈夫だろうか? ナナ:「バルビー、10万ボルトよ!」 律子:「ロゼリア、マジカルリーフ!」 リーグ会場の各地で、トレーナーがスペース団に捕まえられ、能力者の面々が成す術もなく捕獲されていた。 その時、あたしと律子もセキュリティルームで団員たちの執拗な攻撃に襲われていた。 突然の爆発と共に、警備員や係員が遠隔操作の催眠をかけられていたのか、一斉にスペース団の姿に変わり、 オペラ座の仮面のようなマスクをつけてあたしたちに襲い掛かったのだ。 すでにイミルーが倒されたあたしはバルビーで対抗中。 律子もロゼリアとセレビィの力を借りて、フルに対抗し続けているが、流石にきりがない。 そんな時、さらに強力な攻撃でセレビィの光の壁とリフレクタ、バリアを重ねた強化バリアが壊された。 ナナ:「誰?」 律子:「何か、強そうな人だよ。」 あたしたちの目の前には大きくてがっしりした体の黒い、半分の仮面の男が現れた。 彼の横にはカイリキーとツボツボがいる。 ナナ:「あなた、幹部クラスね。カイリキーの瓦割と、ツボツボの転がる攻撃でこの強化バリアを壊したというところかしら?」 ??:「さすがはポケモンマスターだけあっていう事が違うな。 そういうことだ。俺はスペース団3幹部の一人、ブレイク。夢使いドリーム、爆破使いボム、そしてこの俺、 壊し屋のブレイク3人がスペース団特別部隊の3幹部。 既に俺の仲間や配下によって、お前たちの仲間の能力者は捕獲が完了している。 ジムに戻った者や、テレポート能力を使えるものの集団がまだしぶとく生き残っているがな。」 律子:「あなたの狙いはあたしたちってこと?」 ブレイク:「そういうことだ。邪魔な者はすべて本拠地で処分する事が決まっている。 お前たちにも来てもらおうか。カイリキー、ツボツボ、こいつらを捕らえろ!」 ポケモンたちはあたしたちを襲ってきた。 初めからMAXパワーのツボツボの転がるがロゼリアとバルビー、そしてセレビィをふっ飛ばし、あたしたちはカイリキーに 押さえ込まれてしまった。 ブレイク:「能力者ではないだけあって、お前らの捕獲は簡単のようだな。」 ??:「そうかしら?」 ブレイク:「ん?誰だ!」 ブレイクの高笑いに水を差す声が聞こえ、カイリキーとあたしたちの間に何か円形の物が出現した。 そして、そこからカイリキーとツボツボに対して何かが放たれ、彼らを倒していた。 ??:「弱いのかしら?というより、あたしの攻撃がうまく行き過ぎて強力だったのかもね。」 ブレイク:「何者だ!お前も能力者だな。」 ??:「ええ。何とか一人でこっちに来る方法を調べてきてみればこんな事が起きているとはね。 ナナちゃん、律子ちゃん、あたしも参戦するよ。プータル、電撃攻撃よ!」 円形の何かから、電撃が放たれ、ブレイクと団員たちが部屋の外に押し出された。 あたしも律子も、ようやく彼女が誰か分かった。 ??:「久しぶりね、ナナちゃん。それに律子ちゃん。」 ナナ:「久しぶりかもね。ここがやられた以上、あたしはジムリーダーやみんなの安否も気になるところ。 海ちゃん、力を貸して。」 海:「ええ。そのつもりよ。早く乗って!」 あたしと律子は、救援として突然やってきた海ちゃんとその式、プータルに乗ってリーグ会場から脱出した。 飛行ポケモンは海ちゃんの式が倒していき、追っ手からも逃れられたけど、蓮華ちゃんたちが捕まったようなので、 あたしたちはことを要する危機。 何とかしなきゃ! 来美:「ジュゴン、オーロラビームよ!」 サクラ:「ラブリン、水の波動!」 ここはハナダジムの前。 あたしはリーグが終わってすぐに、スペース団との戦いを控え、ジムリーダーのハナダ3姉妹と合流を果たした。 サクラさんが言うには、アヤメさんはハナダの人々に避難を呼びかけ、ボタンさんは近隣の小さな村や町にも 呼びかけに行ったらしい。 サクラ:「ナツメさんの話によるとカスミがサトシ君と一緒にこちらに向かっているそうよ。 二人が到着するまでは、私たちでここを中心にハナダシティを守りましょう。」 来美:「ええ。」 そんな時、スペース団の飛行船がハナダシティ上空に現れ、ハナダシティにたくさんの団員が降りてきたことを アヤメさんが知らせてきた。 あたしとサクラさんはそれを聞いて飛び出したけど、既にジムにも奴らは押し寄せていた。 それでこうして戦っている。 サクラ:「アヤメとボタンは大丈夫かしら?あの子達はポケモンを1体しか持っていないのに。」 来美:「早くここをやり過ごして、アヤメさんとボタンさんに合流しましょう。」 サクラ:「そうね。私も母から継いだこのジムを守り、このハナダを守るために頑張らなきゃ。 行きなさい、カスミのスターミー、高速スピンよ!そしてラブリン、カスリン、ダブルで水の波動よ!」 流石、サクラさんはジムリーダだけあり、簡単に掃除をしたりしただけでバッジを上げてしまう割に、 バトルの腕前はすごかった。 カスミさん以上だ。あたし以上でもあるかも。 来美:「ジュゴン、イノムー、こっちもダブルで吹雪よ!」 ハナダジムの前でのバトルはサクラさんのおかげで優勢のようだ。 すでにサクラさんは5匹のポケモンをフルに使い、指示の出し遅れもなく、全てを完璧に操って攻撃していた。 普段のおっとり感とはかけ離れた姿だった。 サクラ:「カスミのスターミー、もう一度高速スピンで突進よ!カスミのニョロトノは往復ビンタ! シェルダー、オーロラビームをあの屋根に!ラブリンとカスリンはもう一度、ダブルで水の波動よ!」 あたしも見習って頑張るぞ! 拓也:「ライボルト、電撃波だ!」 クチバがスペース団に襲われた。 俺はルークやダークに操られていたが、志穂のおかげでこうして元の生活に戻り、大好きクラブでポケモンの世話をしていた。 俺が改心できたのも、ここの会長とみんなのおかげだ。 そんな平和な時間が今、突然壊された。 大好きクラブの会員の人たちもスペース団にドンドン攻撃を受け、会長も足を骨折するほどの猛攻。 ジムでも久美と希が戦っているらしい。 俺は電撃能力とライボルトの協力を得て、今ようやくスペース団員を大好きクラブから追い出したばかりだった。 拓也:「会長、大丈夫ですか?」 タマランゼ:「ああ、足の痛みはようやく薄れたよ。しかし、スペース団の攻撃があるとは思ってもいなかった。 彼らにはポケモンを愛する気持ちがないのだろうか…。人とポケモンの共存を壊す彼らを許しておけないが、 わしらポケモン大好きクラブ会員のほとんどはバトルは苦手なのじゃ。 拓也くん、ここを守ることを協力してほしい。」 拓也:「はい!俺はここが俺の居場所ですから、この場所を壊されるわけには行かないし、ここの皆さんにたくさんお世話になった。 その恩返しもここでします。一生、俺はここで暮らしていきたいから。」 と、その時再びクラブの建物が攻撃を受けた。 会員:「危ない!」 会員の誰かが叫んだ。俺の真上の天井から瓦礫が落下してきたのだ。 もうポケモンを出す暇もない!そう思った時だった。 ??:「プクリン、爆裂パンチよ!」 誰かのプクリンが俺を助けてくれた。 ??:「大丈夫ですか?」 拓也:「ああ、渚ちゃんか。ありがとう。」 渚:「いえ、どういたしまして。…あたし、この街で生まれたから、ここを壊すスペース団が許せないんです。 あたしもお手伝いします。」 そこにスペース団のグラエナが多数飛び込んできた。 拓也:「来たぞ!グランブル、タツベイ、ライボルト、迎え撃て!」 渚:「プクリン、ピクシー、お願い!」 そしてクチバジムでもバトルが行われていた。 クチバジムに戻ってすぐにこんなバトルを行うことになるとは思ってもいなかった。 あたしと久美はジムトレーナーのお兄様、お姉さまたちと一緒に、団員たちを迎え撃ち続けていた。 久美:「エレブー、電撃波よ!」 希:「ライチュウ、メガトンパンチ!」 ジムリーダーのマチスはタマムシ大学にいるらしい。 スペース団対策を行っている最中に起きたこのカントウ再来襲。各地でも、きっとみんなが戦っているはず。 あたしたちが負けるわけには行かない。 そこへ、外で戦っていたお兄さんたちが仲間で吹っ飛ばされてきた。 お姉さま:「何が起きたの?」 お兄さん:「大変だ!妙な機械に乗った奴らが襲ってきた!」 と、ジムの前の扉ごと、壁が破壊され、あたしたちはラッタ型のメカとご対面した。 久美:「…言う?」 久美がため息を吐いて言った。聞かないでほしかったな。 希:「多分、言うしかないよ。…あんたたち、何なのよ!」 あたしたちの中で、こういう輩はこう叫ばないと、何もしてこないと分かっているだけに厄介だった。 ヤマト:「なんだかんだと聞かれたら...」 コサブロウ:「答えてあげないの普通だが...」 二人:「まあ特別に答えてやろう!」 ヤマト:「地球の破壊を防ぐため...」 コサブロウ:「地球の平和を守るため...」 ヤマト:「愛と誠実の悪を貫く...」 コサブロウ:「キュートでお茶目な敵役...」 ヤマト:「ヤマト!」 コサブロウ:「コサ…」 久美:「コサンジ!」 コサブロウ:「こらぁ!俺はコサブロウだ!コ・サ・ブ・ロ・ウ!」 ヤマト:「ちょっと、…宇宙を駆けるスペース団の二人には...」 コサブロウ:「ショッキングピンク、桃色の明日が待ってるぜ!」 ヤマト「なーんてな!」 ラッタメカスピーカー:「だっちゅーの!」 久美:「雑魚が来たね。」 久美が茶々を入れながら飽きれていった。あたしの方がもっとあきれてるけど。 希:「そうね。」 ヤマト:「あんたたち、聞こえてるわよ!クチバはスペース団が頂くわ。すでにポケモンセンターを押さえたし、 対抗しているのはジムと大好きクラブだけ。 結果は見えているのよ。降伏しなさい!」 久美:「誰がオバサンなんかに降参よ!」 久美はヤマトに喧嘩を売った。当然、オバサン呼ばわりされたヤマトは切れて、既に口喧嘩が一つ、勃発した。 コサブロウ:「こら、ヤマト、そんなガキ相手に何やってんだ。ラッタメカ、ミサイル用意!発射!」 希:「雷撃の波動よ!」 久美とヤマトが喧嘩している隙に、あたしたちのほうにはミサイルが飛んできた。 でもそれは、あたしの力で打ち落とした。 けれど、相手はメカ。しかも、どうやら電気を通さないようにしているらしい。 希:「やってくれるわね。キリンリキ、サイコキネシスよ!」 久美:「オバサン、電気以外の方法もあるのよ。メガニウム、ソーラービーム!」 ヤマト:「うふふ、残念でした。反射ミラー装置、発動!」 あたしたちの攻撃は、メカから出てきた鏡によって反射され、キリンリキもメガニウムも倒されてしまった。 ヤマト:「この機械はポケモンの攻撃と電気エネルギー攻撃ではやられないように設計されて作られているのよ。 残念だったわね。これでクチバジムは壊滅よ!コサブロウ!」 コサブロウ:「おう、一瞬で何でも吹き飛ぶ、ナンバ印の爆発光線を受けてみろ!」 久美&希:「だっさいネーミング…」 コサブロウ:「うるさい!行くぞ、5,4,3,2…」 やばい物が飛んでくる。 そう感じ、お姉さまたちもあたしたちも逃げようとした時だった。 突如、メカがキュイ〜ンと弱々しい音を立てて止まった。 久美:「あれっ?」 希:「止まったね。」 あたしたちは不思議に感じ、近づいた。そして、その理由が分かった。 その頃中では、一種のパニックが起き始めていた。 ヤマト:「何よ、このメカいきなり止まったじゃない!」 コサブロウ:「おかしいぞ、さっきまで満タンだった燃料が尽きてしまってい…何だ?こいつは!」 コサブロウの目の前で発射ボタンが姿を消し、小さなハムスターのような生き物がニョキっと出てきたのだ。 ハムスター(?):「キュッキュ!」 コサブロウ:「何だ!?」 そしてその生き物は2体になり、メカを食べ始めていた。 ヤマト:「きゃ〜!何なのよ、こいつらは!」 コサブロウ:「俺に聞くな!おい、食べるのをやめろ!」 その中でのパニックは外によく聞こえていた。 久美:「まさか、海ちゃんが来てくれるとはね。」 希:「蓮華ちゃんたちがつかまったことを聞くと、救援にいけなかったことを悔やみたいけど、今のあたしたちなら 何とかなるよね。」 実は、タマムシでナナと律子を下ろした直後に、海がクチバにやってきたのだ。 ヤマブキでは氷雨が、シオンではなずな、美香、菜々美がスペース団を追い払ったということを聞き、クチバに来たという。 セキチクでも浅香と忍者軍団が、晃正も加わりスペース団を撃退していた。 しかし、マサラ、トキワ、グレンに限っては制圧されてしまったらしかった。 久美:「今は体制を整えて、新たに突撃をするしかないようね。」 希:「その前に、あいつらを追い出しましょ。」 クチバの団員たちは海が駆けつけたときには拓也と渚が大体追い払ったらしい。 海の式神、機械を食料とするハムスターのムニとムニムニがラッタメカを食い荒らしたのだ。 そしてその2匹が戻ってきた時、ラッタメカの上部分が崩れ、パニくってる二人の姿が見えた。 ヤマト:「な、何!?」 コサブロウ:「団員がいないだと!?」 海:「残念でした。あなたたちはもう終わりよ。」 久美:「必殺、電撃の波動!」 希:「食らいなさい、雷撃の波動!」 久美と希の電気攻撃がボロボロのラッタメカにぶつかり、爆発した。 ヤマト:「あ〜ん、せっかくのチャンスだったのに!」 コサブロウ:「これだとまた床磨きだぞ…」 ヤマト&コサブロウ:「やな気持ち〜!」 スペース団の攻撃が止み、ハナダ、クチバ、シオン、ヤマブキ、セキチクの住民たちはスペース団を追い出し、 避難活動を終わらせた。 その直後から、ジムリーダーと能力者たちはタマムシに合流した。 ナナ:「蓮華ちゃんたちが捕らえられた今、そしてマサラやトキワが制圧されてしまった今、動けるのはあたしたちくらいよ。 すでにオーキド博士や四天王たちがとっくに動いていたこともあるけど、やるべきことは同じ。 トキワの森の奥深くに存在が確認された、スペース団の最後の本拠地を今からみんなで叩くわよ。」 こうして、再び、最終決戦の幕が開けた。