第65話 始まる戦い!幹部候補生 美香:「ここがスペース団の本部なのね。」 あたしたちは今、トキワの森とセキエイ高原の境辺りにあるスペース団の本部の真上にいた。 なずな:「海ちゃん、ここにいることもそろそろ気づかれないかな?」 海:「気づかれるかもね。」 あたしとなずなは海ちゃんの式神のペガサスみたいな生き物に、海ちゃんはプータルに乗り、美香は翼、菜々美は蝶の羽 をつけて空中に維持していた。 菜々美:「そろそろ奇襲をかけてみる?」 律子:「この5人だから、多少の反撃にはやられないよ。」 あたしには能力がないけど、セレビィがいるし。 あたしたち5人はタマムシシティに集まったジムリーダーと能力者の何名か、それにセキエイ高原に残っていた志穂ちゃんたちが 動けるように、侵入できるようにするためだった。 すでにサカキさん、ナツメさんを筆頭に何名かが侵入を成功している。 多分、気づかれている可能性もあるけど。 と、あの曲が流れ始めていた。 それと同時に、セレビィが何かに気づき、美香たちも周囲に警戒し始めた。 あたしも流石に分かった。 美香:「…どうする?」 菜々美:「言った方がよくない?」 律子:「でも、言うと…」 なずな:「あぁ、確かにそうだよね。」 海:「えっ、まだ生きてたの?…言う?」 美香:「言わなきゃさ、出てこないよ。」 律子:「それじゃ言おうか。せぇの!」 5人:「一体何なのよ!」 あたしたちはしょうがなく叫び、戦闘態勢に入っていた。 同時に。 ヒカリ:「一体何なのよ!と言われたら…」 ユウ:「めんどくさくなく、適当じゃなく答えてあげるよ…」 美香:「出でよ、炎の矢!」 ヒカリ:「銀河の破滅を防ぐため…」 ユウ:「銀河の滅亡守るため…」 菜々美:「この世界に存在する形なき音のカケラよ…」 ヒカリ:「勇気と光が悪を貫き通す…」 ユウ:「プリティー・ガール・ボーイな敵役…」 海:「プータル、電撃砲準備よ。」 ヒカリ:「ヒカリ」 ユウ:「ユウ」 なずな:「気功拳、爆熱弾バージョン!」 ヒカリ:「全銀河を飛ぶ、スペース団の二人には…」 ユウ:「ゴールデンセンチ、黄金のオアシスが待ってるよ」 律子:「セレビィ、ソーラービームの充電お願い。」 セレビィ:「ビィ!」 二人:「「よろしくねっ♪」」 ヒカリがフライゴン、ユウがボーマンダに乗り、飛行ポケモンに乗ったスペース団員飛行部隊(80人ほど)と共に 口上と共に現れていた。 そして。 ヒカリ:「やっと呼んでくれたね。あたしたちの目的は…えぇっ!?」 ユウ:「げげっ!ずるいよ、僕達の口上中にいつの間に!」 スペース団員たちが驚愕し始めていたが、5人による攻撃は一斉に放たれていた。 美香:「問答無用!」 なずな:「あんたたちの方が蓮華一人に一斉攻撃しかけたくせに!」 律子:「だから、」 海:「あたしたちも、」 菜々美:「一斉攻撃開始よ!」 炎や音、電撃、熱、光の攻撃が一斉にスペース団員たちを撃ち落し、 ヒカリ:「くっ、それならこっちも負ッません!フライゴン、竜の息吹よ!」 ユウ:「僕達の夢のために!ゲームの満喫世界のために!ボーマンダ、火炎放射だ!」 それを逃れた飛行部隊(ヒカリ、ユウを含めて20人ほど)と5人のバトルが始まっていた。 志穂:「ふぅ、上ではすごいことになってるみたいよ。」 悠也:「それより、ここの奴らは何人いるんだ?」 鈴香:「純粋スペース団員でもここまでいるのね。」 あたしと悠也と鈴香ちゃんもスペース団アジトにやってきていた。 セキエイ高原では結局見つからず、あたしが蓮華ちゃんの気を追ってここに来たのだ。 でも、スペース団員はどこかで見ていたらしく、一斉にあたしたちに飛びかかってきたのだ。 志穂:「ウインディ、日本晴れよ!そしてメガニウム、ソーラービーム!ガルーラ、炎のパンチ!」 スペース団員たちのポケモンはコラッタ、ラッタ、ドガース、ベトベター、ズバットが多かった。 悠也:「カブトプス、ツバメ返しだ!チャーレムはサイコキネシスで一蹴しろ!」 あたしたちはリーグの決勝戦に出ているから苦戦することだけはなかった。 鈴香:「ボイス、ハイパーボイスよ!パイロはスモッグ、バルーンは水の波動よ!」 でも、数が多いのだ。 相手の数は尋常ではなく、美香ちゃんたちが駆けつけてもこの数(200人くらい)を対処するのは厄介だろう。 でも、ここをあたしたちが引きつければ、みんなの行動がしやすくなる。 このまま頑張ろう!そう思った時だった。 ??:「待て!」 スペース団が一斉に下がり、3人の知らない団員(男二人、女一人)が出てきた。 悠也:「誰だ!」 鈴香:「声からしてリーグ会場を襲った人たちの中にはいなかったよ。でも、幹部なの?」 ??:「そういうことさ。スペース団には幹部はたくさんいるのさ。」 ??:「というより、幹部候補生ね。」 ??:「元々特別部隊の一つは幹部育成部隊だったのさ。今となっては候補生も幹部に過ぎない。候補生だからと言っても その辺の下っ端や、上で戦ってる弱い奴らとは違うぞ。」 志穂:「それで?あたしたちに何の用?」 あたしは自然にそう聞いた。 が、…どうしてか知らないけど、上のヒカリとか、弱いヤマトたちの時とは違う、全く新しい感じで、同時にかっこいい感じの 曲が流れ始めた。 鈴香:「志穂ちゃん、失言だね。」 悠也:「候補生にも口上はあるんだな。」 志穂:「そ、そうね。」 あたしたちがあきれ、逆に下っ端団員たちが尊敬の目で見る中、彼らの口上が始まった。 ??:「何の用かと聞かれたならば」 ??:「答えなくてもいいのだろうが」 ??:「お答えするのが我らの役目」 ??:「冒険の情熱を燃やすため」 ??:「神秘の秘法を守るため」 ??:「そしてスペース団の栄光を広めるため!」 ??:「愛と」 ??:「神秘と」 ??:「誠実の元に」 3人:「パワフルファイターな候補生」 ??:「スパイル」 ??:「セイラム」 ??:「ブラスト」 スパイル:「神秘的な密林を駆け抜け」 セイラム:「秘宝を探し回り」 ブラスト:「冒険の情熱を知るスペース団の3人には」 スパイル:「パープル」 セイラム:「スカイブルー」 ブラスト:「そしてイエローな」 3人:「明るい未来が待ってるぜ!」 長い口上が終わった時、下っ端が一斉に拍手をしているのだった。 セイラム:「アンコールは聞きたいですか(ハート)?」 下っ端:「聞きたいで〜す!」 セイラム:「今は駄目。…そこの能力者さん、あたしたちが相手よ。」 スパイル:「下っ端は中に侵入した奴らの相手をしてくるように。」 ブラスト:「それがボスからの命令さ。」 …下っ端がいなくなると、あたしはスパイル、鈴香ちゃんはブラスト、悠也はセイラムと対峙した。 彼らの年齢は候補生だけにあたしたちと変わりない年齢らしい。 ここはやりますかね。 美香:「後はあなたたちだけね。」 菜々美:「律子、なずな、海ちゃん、ここはあたしたち2人で相手をするわ。」 あたしと美香でヒカリとユウの相手をすることにした。 彼らが強いとしても、あたしは負ける気がないし、美香は既にユウに戦意むき出しだった。 それには理由があった。 ついさっき…。 ユウ:「お金がもらえてそれを好き勝手に使える幸福な暮らしをするためにも負けないぞ!」 美香:「ムカッ!お金が幸せを運ぶわけじゃないわ!」 ユウの一言に、美香が切れたのだ。 美香はあれでもお金持ちのご令嬢。だけど、美香は親が計画したお見合いとか、お小遣いを多めに上げるから会社同士の パーティに出ろとか、そういうことが嫌だった。 それでもあきらめない美香の親はお金で美香を釣ろうとしたらしく、それ以来美香は、自分が雑誌のモデルで稼いだお金しか 使わない。学校のお金とかもしょうがない場合を除けば、使うのは自分の稼いだお金だけ。 あたしが紹介した雑誌のモデル、自給結構いいからねぇ。 そんなわけで、お金を貰って暮らすという生活が、美香は物凄く嫌らしい。 それでユウの一言に腹が立ったというわけだった。 美香:「菜々美、こっちのガキはあたしが行くから。」 菜々美:「分かってるよ。あたしはヒカリとバトルをするわ。」 美香は炎の矢をユウに放ちながら、ユウを追いかけさせながらどこかに飛んでいった。 ヒカリ:「あなたが相手ですか。でも、マユミさんに負けたそうですし、あたしだって勝てますね。」 菜々美:「そうかしら?一対一ではあたしの方が強いわよ。」 負けないんだから。 なずな:「ここが入り口ね。」 なずながペガサスから降りてすぐに言った。 律子:「行きますかね、それじゃ。」 あたしはセレビィとロゼリアを出して準備をする。 そんな時に。 海:「待って、何か来るわ。」 入ろうとしたら、誰かがやってくるのが見えた。 あたしたち3人が身構えた時、入り口からは健人先輩と美咲ちゃんが出てきた。 なずな:「なんだ、先輩たちかぁ。」 律子:「でも、よく抜け出せましたね。」 スペース団に捕まったと聞いて、あたしたちは心配だったのだ。 でも、海ちゃんが駆け寄ろうとしたあたしたちを手で制した。 海:「ちょっと待って。何か、敵意を感じるわ。」 なずな:「えっ?」 律子:「嘘…」 嘘と思ったけど、でも妙に、それは本当だとも思った。 二人は全く喋ろうとしないどころか、無表情だったのだ。 そして。 健人:「邪魔者は排除する。」 美咲:「スペース団を仇す者はすべて排除すべし。」 二人はそれを言いながら襲い掛かってきたのだ。 海:「出でよ、式神、亀甲壁!」 咄嗟に海ちゃんが防御をするけど、それを健人先輩が叩き割り(海ちゃんの防御を唯一割れるのはこの人だけ)、 美咲ちゃんは炎をあたしたちに振りかけてきた。 なずな:「ムウマ、サイコキネシスよ!」 律子:「セレビィ、ムウマを援護して!」 あたしたちがサイコキネシスで二人の動きを封じると、再び誰かが出てきた。 ??:「やはり苦戦しているようだな。」 なずな:「誰?」 律子:「みかけないわね。」 出てきたのは白い半分の仮面をつけた、銀色の髪の毛の青年だった。 ??:「俺は幹部候補生のバイツ。この二人は俺がドリーム様から授かった操り人形さ。 この二人と俺を相手してもらおうかな。俺の相手は誰がやるかな?出て来いよ、ヤミラミ。」 バイツという青年とヤミラミ、健人先輩&エビワラー、美咲ちゃん&コータスを相手にしなければいけないらしい。 海:「ハァ、ハァ、厄介ね。」 海ちゃんは式神を一発で倒されたから、体にその反動が来ているらしい。 律子:「あたしは健人先輩とバトルをするわ。」 なずな:「それじゃ、あたしがバイツとやる。」 海:「了解。あたしが美咲ちゃんね。」 律子:「やるしかないね。」 なずな:「絶対に負けないようにしなきゃね。」 あたしたちは相手に向かった。 健人:「お前が俺の相手か。弱そうだな、このゴードス様の餌食になるといい。」 美咲:「この私、フレアのポケモンの餌が増えましたわ。」 律子:「…明らかに操られてるわね。」 海:「ええ。でも、あたしたちは負けるわけにはいかないよ。」 律子:「分かってるよ。」 蓮華:「まさかサカキさんに会えるとは思ってませんでした。」 サカキ:「そうか。今カントウにはタマムシ、ハナダ、クチバ、ヤマブキ、セキチクに数名を残しているが、ほとんどが このアジトに侵入している。かなり大掛かりなバトルにはなるだろうが、君の力も必要になるだろう。 その時は手を貸してくれ。」 蓮華:「ええ。」 ハナダにハナダ3姉妹、タマムシに来美ちゃん、クチバに拓也(エレク)、ヤマブキに電撃ガールズ、セキチクに浅香ちゃんと晃正君 を残し、他のジムリーダーたちと四天王、そして能力者はこのアジト付近に来ているらしい。 あたしはつれてこられたから知らないけど、このアジトはトキワの森の奥深くにあり(あたしがワタワタに出会った滝よりも奥にある 場所らしい)、木が生い茂っていることで今まで発見されなかったらしいがかなり大きく広い場所らしい。 そのせいか、天井のスペースも広かった。 と、途中で分起点ができた。 サカキ:「どうやらここでお別れらしいな。」 蓮華:「えっ?」 サカキ:「俺たちは誰か一人でもボスの元に向かい、この組織を解散させるのが大きな目的だ。 そのためにはまず、この組織のリーダーを叩く必要がある。それが一番の目的なのだ。この分かれ道のどちらかにそいつはいるかも しれないからな。そういうわけだ。」 蓮華:「そういうことなら分かりました。」 あたしはそこでサカキさんと別れた。 そんな時、あたしは唸り声が聞こえる部屋の上にやってきていた。 誰だろう? あたしは天井から外に出てみた。 すると、そこには玲奈先輩たち4人がいて、全員うなされながら眠っていた。 そして全員手足が縛られている。 蓮華:「玲奈先輩、海斗先輩、清香先輩、翼先輩…どうしてこんな何もない場所に眠らされているんだろう…」 キレイハナ:「ホントね。蓮華やあたしたちがいたベッドの部屋じゃなくて、こんな何もない場所に…」 ??:「誰?」 そんな時、誰かがあたしたちの前に現れた。 女性のようで、彼女もスペース団員のようだ。 ??:「あなたね、ドリーム様の術が効かなかったという草使いのトレーナーは。」 蓮華:「…あなたは?」 ??:「あたしはレイク。この部屋に眠る4人を操るために、ポケモンの力で4人が見ている夢の中に潜入し、4人を翻弄させる 役割を持つ者。そこにいる4人はドリーム様が倒れない限り催眠からは逃れられないが、あなたには効かないだけに、あなたは ドリーム様を仇すもの。あたしが倒してあげるわ。」 レイクという団員は幹部のような衣装を身に纏っていた。 多分、さっきサカキさんが教えてくれた幹部候補生なのだろう。 蓮華:「あたしは簡単に倒されないわ。」 レイク:「そうかしら?キルリア、エネコロロ、出てきなさい!」 蓮華:「だったらあたしは、はり君、タマちゃん、行くよ!キレイハナ、先輩たちをお願い!」 キレイハナ:「了解!」 ここはあたしが助けなきゃ!先輩たちを助けるためにも、あたしの目標はただ一つ。 ドリームの催眠を解く事よ。 氷雨:「みんな戦ってるわね。」 ナツメ:「ええ。…この奥よ。」 あたしとナツメは他に潜入したジムリーダーたち、エリカ、カツラさん、アンズ、マチス、サカキさんと別れ、 ナツメの力で哲也君のいる場所を探していた。 能力が涼風という微妙な力である涼治君よりも、哲也君の方が気を辿りやすいのだ。 ナツメ:「とんでもない邪悪な念を感じるわ。」 氷雨:「確かあなたの話によると、ドリームが悪夢を見せているのよね。」 ナツメ:「ええ。」 氷雨:「だとしたら、それで邪悪な念が哲也君の能力で具現化され始めているのかもしれない。」 あたしはそう感じ、ナツメをせかして部屋に向かった。 ナツメ:「ここよ。」 そして着いた部屋に入ろうとした。 が。 ドリーム:「待ちなさい。」 ドリームと知らない少年が部屋の前に立ちはだかっていた。 氷雨:「あ、ドリーム!そこをどいて。」 ドリーム:「ほほう、いつぞやの雪女ですか。あなた方、この部屋の少年は今、悪夢の憎念を残した状態で他の部屋にいますよ。 残念でしたね。」 ナツメ:「な、なんですって!」 あたしとナツメは驚いて気をもう一度辿った。すると、全く違う場所に哲也君と涼治君の気を感じた。 ドリーム:「違うといったでしょう?先ほどまではこの部屋にいましたが、つい先ほど二人とも3幹部の一人、ボムの下に送らせて 頂きました。これで最強の風使いの戦士が出来上がるでしょう。」 ナツメ:「そんなことはさせないわよ。」 ドリーム:「そうですか。それでは私とバトルをして勝てたならば、その部屋に案内して差し上げましょう。 しかし、たとえそれはジムリーダーのエスパー少女であっても無理でしょうね。」 ナツメ:「それは違うわ。勝負よ!」 ナツメが怒って勝負を挑んだ時だった。 ナツメとドリームの姿が消えたのだ。 氷雨:「えっ?ナツメが!」 ??:「二人はバトルフィールドに行ったよ。初めから彼女はここの装置でテレポートさせる予定でしたからね。」 氷雨:「あなたは?」 ??:「僕はヒータス。あなたの雪も僕の炎が溶かすだろうね。僕はあなたを始末するように言われてここにいるのだから。」 ムカッ! 氷雨:「あたしを溶かすですって?できるかしら?」 このあたしを溶かす?やってやろうじゃない。 ヒータス:「ああ、簡単さ。マグマッグ、マグカルゴ、出て来い!」 あたしが宣戦布告すると、いきなり周囲の温度が上昇した。 どうやら初めから仕組まれていたのかもしれない。 でも、あたしは負けない。 こんなところで溶かされるほどの弱い体じゃないんだから! ナナ:「どうやら仕組まれたようね。」 カンナ:「ええ、私たち四天王と、あなたたちジムリーダーをここに引き入れて一気に倒すつもりだったのかもしれないわね。 すでに何人かのジムリーダーの消息が途絶えているでしょう?」 ナナ:「ええ。」 初めにエリカとカツラさんが、次にアンズとマチスが隠し扉に引き込まれてしまったのだ。 サカキさんは天井裏から探すと別れ、ナツメと氷雨さんは哲也君と涼治君を探しに向かった。 タケシ君はオーキド博士とニャース、ケンジ君とセキエイ高原のスペース団を倒しに向かってるからここにはいないけど…。 あたしとカンナさんは出会ってすぐに、大量の半分の白い仮面をつけたスペース団員たちに囲まれてしまったのだ。 ナナ:「ワタルさん、キクコさん、シバさんは?」 カンナ:「分からないわ。でも、どこかにいるはずよ。」 と、そんな時に曲が流れ始めた。 カンナ:「なっ…(ちょっと何よ。)」 あたしは咄嗟に何かを感じ、言いかけたカンナさんの口を塞いだ。 そして何かを説明すると、 カンナ:「…そう。なら、手っ取り早く言った方がいいわね。邪魔な輩は倒してしまいましょ。 ここにいると落ち着けないわ。海を見て落ち着きたいものだし。」 ナナ:「…ええ。…何?この曲は!」 すると、二人の団員が姿を現していた。 カエデ:「何?この曲は!と聞かれたら…。」 コタロウ:「正直言って答えてやろう…。」 カエデ:「星の破壊を防ぐため…。」 コタロウ:「星の平和を守るため…。」 カエデ:「愛と希望の悪を貫く…。」 コタロウ:「クール&チャーミングな敵役…。」 カエデ:「カエデ!」 コタロウ:「コタロウ!」 カエデ:「太陽系を光速に飛ぶスペース団の二人には…。」 コタロウ:「シャイニングゴールド、金色に輝く明日が待ってるぜ!」 カエデ:「なぁ〜んちゃって☆」 カンナ:「変な口上ね。ムサシさんたちの跡継ぎかしら?」 カンナさん…それはひどくない?それって弱すぎるってことだよ(昔のあの二人は弱すぎたから)。 カエデ:「あたしはそんなに弱くないです!あなた方を倒すのが使命なので、あんまり戦いたくないけど、 無理やり傷付けたくないのでやらせていただきます!」 あたしはこの二人が誰か分かった。 いつか蓮華ちゃんから聞いた二人だ。 仲良くなりたい派の団員と口に何でも出しちゃう少年の団員。 ナナ:「あたしたちを倒せると思ってるの?」 コタロウ:「あたりまえさ!俺たちのボス、ブライト様のためにも、お前たちを倒す!」 カンナ:「なるほどね、スペース団のボスの名前はブライトっていうのね。」 コタロウ:「はっ!しまった、つい、ホントの事を…。こうなったら意地でもお前らを倒すぞ! カエデ、お前も本気を出せよ!」 カエデ:「う、うん!」 あたしたちはひょんなことから、スペース団の新しい首領の名前を知った。 そしてあたしとカンナさんはカエデ&コタロウとだぶるばとるをすることになるようだ。 その頃、ポケモンリーグ会場ではニビジムリーダーのタケシが、ケンジ、ニャース、そしてオーキド博士が、 スペース団員たちを一掃しようと戦っていた。 しかし。 ブレイク:「お前たちは弱いんだよ!俺のカイリキーとツボツボで十分さ。」 タケシ:「だったら、フォレトス、高速スピンだ!」 ケンジ:「ストライク、切り裂く攻撃だ!」 ニャース:「にゃーの乱れ引っ掻きにゃ!」 オーキド博士:「サトシのベトベトン、のしかかりじゃ!」 リーグ会場に残っていた幹部のブレイクに4人(3人と1匹)は大苦戦を強いられていた。 サトシのキングラー、メガニウムや、タケシのイワーク、ルンパッパがことごとく、ブレイクのカイリキーに倒されていたのだ。 ブレイク:「カイリキー、連続で空手チョップだ!」 ニャース:「ぎゃにゃ〜!?」 ブレイクのポケモンはたった2体だけなのだが、カイリキーとツボツボが攻撃力と防御力がそれぞれ強い2体のポケモンのためか、 なかなか倒せずにいたのだ。 タケシ:「くっ、何て奴なんだ!」 ケンジ:「あのカイリキーとツボツボ、攻撃力、防御力がそれぞれ最大値まで上がっているんだ。 だからそれにポケモンたちが首に下げているのは光の粉。あれは相手のポケモンの命中力を下げるアイテム。 そのせいで僕達のポケモンの攻撃がなかなか当たらないんだ。」 そしてオーキド博士が連れてきたサトシのポケモン3匹と、タケシ、ケンジのポケモンたちがついに倒れてしまった。 ブレイク:「やっぱり弱いな。お前らは俺が捕らえさせてもらう。お前たちならいい人質になりそうだ。」 オーキド博士:「もはやここまでとはのう…」 ニャース:「にゃ〜、もうにゃ〜は駄目にゃ。」 その時だった。 ??&??:「わ〜はっは!」 ブレイク:「何だ?いきなり。」 誰かの高笑いが聞こえたのだ。そして反応するブレイク。 ニャース:「にゃ!?ようやく来たにゃ。」 タケシ:「来てくれたか。助かるな。」 ニャースとタケシはすぐに誰かを察していた。 そして、あの曲が流れ始めていた。 ムサシ:「何だ?いきなり。と聞かれたら...」 コジロウ:「答えてあげるは世の情け...」 ムサシ:「世界の破壊を防ぐため...」 コジロウ:「世界の平和を守るため...」 ムサシ:「愛と真実の悪を貫く...」 コジロウ:「ラブリーチャーミーな敵役...」 ムサシ:「ムサシ!」 コジロウ:「コジロウ!」 ムサシ:「銀河に駆ける元ロケット団の二人には...」 コジロウ:「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ!」 ソーナンス:「ソォ〜ナンス!」 ニャース:「遅いにゃ!」 ニャースはそう言いながらソーナンスに抱きついていた。 ムサシ:「悪いわね。ちょっと出かけに手間取ったのよ。スペース団の奴ら、あたしたちにもニャースから連絡が入った直後に 攻撃を仕掛けてきたからね。」 コジロウ:「でも、それはルミカのラフレシアがさっさと一掃してくれたのさ。ただパパンとママンが怪我をしてしまった。 奴らのせいでね。だから病院に連れて行くことで遅くなってしまったのさ。」 ブレイク:「くそぉ!ボスが送った刺客が倒されたとは…。でもこの俺がお前らも倒してやるよ!」 ムサシ:「あたしとルミカの作ったケーキを壊した罪は重いわよ!」 コジロウ:「パパンとママンに怪我を負わせた罪、お前に払ってもらうからな!」 カイリキーとツボツボの前には、ウィンディとソーナンスが立ちはだかっていた。 サカキ:「お前がボムか。」 その頃、サカキはある一室にたどり着いていた。 その部屋には縛られて悪夢に苦しみ続ける涼治と哲也の姿があり、その横にははたから見れば美人の幹部、ボムの姿があった。 ボム:「ああ。お前がロケット団の総帥サカキだな。よくこの部屋にたどり着いた。 お前をこの部屋で倒し、ここをお前の墓場にして差し上げよう。」 サカキ:「そうはいくか。俺の力を見くびってもらっては困るな。」 サカキが叫んだ時、部屋の扉が開け放たれ、誰かが駆け込んできた。 ??:「私たちを忘れてもらっても困りますわ!」 ??:「ようやくここにたどり着く事ができたわい。」 それはエリカとカツラだった。 ボム:「何!?罠を通り抜けてきただと!?」 エリカ:「残念でしたわね。あのような罠で私たちを倒そうとするとは。」 カツラ:「しかも結果的には薄い壁に挟み、マチス君とアンズ殿を隣室に入れた事も失敗というべきじゃろうな。 あの我らを拘束する罠はマチス君とアンズ殿が壊している最中である。 我らはここでおぬしを倒させてもらう。」 エリカとカツラが強く言い切った。 すると。 ボム:「ふっ、しかし、お前たちはどうなってもここで終わりだ。ベイル、出て来い!」 ボムが誰かを呼んだ。 すると、怪しげな白衣を着た少年団員が哲也と涼治の横に現れた。 サカキ:「何をする気だ?」 ボム:「今に分かる。ベイル、やれ。」 ベイル:「お任せを。」 ベイルという団員が哲也と涼治の顔に手をかざすと、二人はロープを引きちぎって目を覚まし、エリカとカツラを 強く睨んでいた。 エリカ:「どうしたのですか?二人は。」 カツラ:「二人に何をしたのだ?」 ベイル:「今暗示をかけたのさ。スラッシュ、ドルク、このジムリーダーを倒すのだ!」 サカキとボムがバトルを始めようとする中、哲也と涼治が暗示をかけられ、エリカとカツラに襲い掛かっていた。 その様子を、どこかにある部屋でブライトが眺めていた。 ブライト:「見たまえ。今面白いようにバトルが行われている。このバトルにお前の味方は勝てるのかな? 無理だろうね。味方に傷つけるわけにはいかないだろう?ワタル君。」 ブライトから少し離れた柱には、傷だらけのドラゴン使い、ワタルが縛り付けられていた。 そのそばには檻があり、シバとキクコが寝かされている。 ワタル:「くっ、お前の目的はスペース団の障害になるものを潰すためといったな。それなのにどうして俺をここで倒さない!」 ブライト:「仲間が倒れるのを見届けるのもいいだろう?お前にとっては地獄に違いないのではないか?」 ワタル:「…」 ワタルは何も言えず、ブライトを強く睨んでいた。 四天王たちは侵入したすぐには侵入に気づかれていなく、ワタルはスペース団員に変装していた。 しかし、何故か秘書に、いつの間にか見破られ、秘書はワタルがスペース団の中を操作できるように仕組み、 ワタルを罠にはめていたのだ。 そしてキクコ、シバがワタルを餌に捕らえられていた。 ブライト:「我々を甘く見てもらっては困る。簡単に言えば、ヤマブキシティで解散を宣言したルークは 影の支配者に過ぎなかったのさ。本当の首領はこの俺なのさ。お前たちはスペース団が倒れたと思っていたようだが、 思い違いだったのさ。」 ワタル:「…!!」 ブライトはワタルの悔しむ姿を嘲笑いながら、再び画面を見入るのだった。 その横には秘書がいて、秘書はワタルが何かをしないように監視し続けていた。 スペース団との最大最終決戦は、今始まっていた。 その頃。 カントウからあまり離れていない海上に、ピジョット、リザードン、オオスバメが飛んでいた。 そしてその上には数人の男女が乗っていた。 ??:「やばいな。もう始まってるらしいぞ!」 ??:「ええ。あたしの街はお姉ちゃんたちが頑張ってくれてるみたいだけど、こっちでの戦いは普通では考えられないわよ。」 ??:「ああ。これがスペース団を倒すための、最後の戦いだな。カスミ、ハルカ、マサト、シュウ、気をつけろよ。」 カスミ:「分かってるわよ。」 ハルカ:「何とかなるかもじゃなくて、ここは頑張るしかないかも!」 マサト:「僕も出来る限りの事はするよ。」 シュウ:「コーディネータの力を甘く見られては困るね。」 ??:「カスミ、あたしを忘れないで!」 ??:「サトシ、この僕を忘れては困るな。?」 そこに、カメックスが引くボートに乗って二人の男女が現れた。 サトシ:「シゲル!やっぱり来てくれたのか。」 カスミ:「サクラ!どうしたのよ、知らせてなかったけど。」 サクラ:「さっき、シゲルさんに会って事態を知ったの!あたしも協力するわ!」 カスミ:「サクラ、ありがとう!助かるわ。」 シゲル:「サトシ、当たり前だよ。僕達の故郷であるマサラタウンがスペース団の手に落ちたんだ。サトシ、僕とサクラさんは マサラタウンに行く。事が片付き次第、そっちに向かうよ。」 サトシ:「ああ、後で落ち合うぞ!」 ブライトが知らない場所で、新たな救援が戦いに参戦しようとしていた。